JP2004241875A - アンテナスイッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信回路、受信回路及びアンテナとの間に接続され、前記送信回路と前記アンテナとの接続、および前記受信回路と前記アンテナとの接続を切り換えるためのアンテナスイッチであって、当該アンテナスイッチは前記送信回路からアンテナへの信号経路にローパスフィルタを有し、前記ローパスフィルタは、その一部である第1のインダクタと第1のコンデンサからなる直列共振回路により第1の減衰極を形成し、さらに前記第1のインダクタと第2のコンデンサを直列接続したものと、第2のインダクタとの並列共振回路により第2の減衰極を形成するアンテナスイッチ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル携帯電話などの高周波回路において、信号の伝送経路を切り換えるための高周波スイッチ回路に適用されるダイオードスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アンテナスイッチは、携帯電話において送信回路TXとアンテナANTとの接続および受信回路RXとアンテナANTとの接続を切り替えるために使用される。その一例として、図10に特許文献1に開示されたアンテナスイッチの等価回路図を示す。このアンテナスイッチは、送信回路側にアノードが接続され、アンテナ側にカソードが接続されるダイオードD201、前記ダイオードのアノードに接続される伝送線路L201、前記アンテナANTと受信回路RXとの間に接続される伝送線路L202、および前記受信回路側にアノードが接続され、アース側にカソードが接続されるダイオードD202を含み、前記ダイオードD201と送信回路TXとの間にローパスフィルタ回路LPFを接続したものである。
【0003】
また、図11に特許文献2に開示されたアンテナスイッチの等価回路図を示す。このアンテナスイッチは、送信回路側にカソードが接続され、アンテナ側にアノードが接続されているダイオードD301、前記ダイオードのカソードに接続される伝送線路L301、前記アンテナANTと受信回路RXとの間に接続される伝送線路L302、及び前記受信回路側にカソードが接続され、アース側にアノードが接続されるダイオードD302を含み、前記ダイオードD301と送信回路TXとの間にローパスフィルタ回路LPFを接続したものである。
ここで前記ローパスフィルタ回路は、アンテナから放射される送信信号の2倍波や3倍波のスプリアス(高調波)成分を減衰するように構成し、他の携帯電話との不要な干渉を防ぐのが一般である。
【0004】
近年、アンテナスイッチは、送信回路とアンテナとの接続、又は受信回路とアンテナとの接続を切り換えるアンテナスイッチ単機能部品として使用される事は少なく、分波回路、複数のスイッチ回路を複合化しDAMPS(DigitalAdvanced Mobile Phone System)、GSM(Global System for Mobile communication)、DCS(Digital Cellular System)、PCS(Personal Communications Services)等に対応したマルチバンド化、またアンテナスイッチと回路上隣接するSAWフィルタやパワーアンプ、カップラーなどとの一体化等、高機能化、小型化が求められている。それに伴い、アンテナスイッチの高周波回路を構成する伝送線路、積層電極の高密度化、回路構成の高機能化が必要である。また、マルチバンド化等により回路が複雑化することにより、信号の伝送距離が長くなる傾向にあり、よって個々の回路の低損失化が求められている。
以上のことより、上記のおのおのの部品に対する要求が、携帯電話全体のサイズ、通話時間、通信特性に影響し、どの要求も無視できない設計が必要である。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−97743号
【特許文献2】
特開2002−246945号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10で示したアンテナスイッチ回路のLPFはL204、L205、C207、C208、C209で構成される5段のπ型LPFであり、積層構造ではGND電極と対向するコンデンサ電極が3つ存在することになる。結果、LPFのコンデンサ電極が占有する面積が大きくなり小型化には不利である。またそれらコンデンサを接続する伝送線路L204、L205が直列に接続されているために送信回路TXからアンテナANTまでの抵抗損失が増加し、低損失化には不利である。そこで5段のπ型LPFではなく、L205、C209を省略したπ型3段のLPFとした場合を考えると、L205が省略された分、低損失化には有利であるが、コンデンサC209が省略された分、高調波減衰量特性は劣化し、要求される特性を満たすことは出来ない。また任意の周波数にコンデンサとインダクタとからなる共振周波数を設定することは出来ず、その共振周波数を利用した減衰極を設定することは出来ない。
【0007】
次に、図11で示したアンテナスイッチ回路のLPFはL303、L304、C305、C306、C307で構成される3段のπ型のLPFを変形したものであり、このLPFの特徴はL303とC307で構成される並列共振回路と、L304とC306で構成される直列共振回路により任意の周波数において、それぞれ減衰極を得ることができる。しかし、減衰極の周波数を調整するためにインダクタである伝送線路の長さ、幅を調整する、またコンデンサである電極の面積を調整することになる。これらの調整は限られた誘電体層の領域の中で電極パターンの配置や大きさを操作することで行われるので、この減衰極周波数の調整の結果、特にインダクタと直列接続されるコンデンサC306が小さくなる傾向にあった。その結果、任意の周波数の減衰極は得ることはできるが、LPF全体としての高周波成分を減衰させる特性が劣化してしまっていた。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記したような2つの減衰極を得ることができるローパスフィルタLPFを備えるものであって、所望の高調波減衰量を得ると共に、挿入損失特性を劣化させることのない省スペースで小型のアンテナスイッチを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、送信回路、受信回路及びアンテナとの間に接続され、前記送信回路と前記アンテナとの接続、および前記受信回路と前記アンテナとの接続を切り換えるためのアンテナスイッチであって、当該アンテナスイッチは前記送信回路からアンテナへの信号経路にローパスフィルタを有し、前記ローパスフィルタは、その一部である第1のインダクタと第1のコンデンサからなる直列共振回路により第1の減衰極を形成し、さらに前記第1のインダクタと第2のコンデンサを直列接続したものと、第2のインダクタとの並列共振回路により第2の減衰極を形成するアンテナスイッチである。
このアンテナスイッチは複数の誘電体層からなる積層体として構成するものであって、前記第1のインダクタ及び/又は第2のインダクタは誘電体層からなる積層体内に電極パターンで形成された分布定数線路とするのが好ましい。
また、前記送信回路からアンテナへの信号経路にローパスフィルタを備え、当該ローパスフィルタは前記共振回路が含まれるπ型フィルタであることが好ましい。
また、そのローパスフィルタを構成するインダクタは誘電体層からなる積層体に形成される分布定数線路であり、前記直列共振回路と並列共振回路の分布定数線路の一部が共通な分布定数線路であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例の等価回路を図1に示し説明するが、本発明は、このアンテナスイッチに限定されるものではない。
このアンテナスイッチは、送信回路TXとアンテナANTとの間に接続される第1のダイオードD11と、第1のダイオードD11のカソードと送信回路TX側の間に接続され、他端がグランド側に接続されるインダクタL11と、受信回路RXとアンテナANTとの間に接続されるインダクタL12と、このインダクタL12の受信回路RX側にカソードが接続され、他端がアース側に接続される第2のダイオードD12をスイッチ回路の主要素子としている。尚、送信回路TX、受信回路RX、アンテナANTのそれぞれの入出力端には、DCカットコンデンサC11、C12、C13が接続されている。
【0011】
そして、図1の破線内に示すように第1のダイオードD11と他端がアース側に接続されるインダクタL11との間にインダクタL1、L2、コンデンサC1、C2、C3から構成されるローパスフィルタLPFが挿入されている。このローパスフィルタLPFは、送信回路TX側より、送信回路TXとグランド間に第3のコンデンサC3が接続され、送信回路TXと第1のダイオードD11のカソードとの間に、第2のインダクタL2が接続され、また第2のコンデンサC2と第1のインダクタL1が直列接続されたものも接続される。他方、第1のダイオードD11のカソードとグランドとの間に第1のインダクタL1と第1のコンデンサC1が直列に接続されている。
これらによって第1のインダクタL1と第1のコンデンサC1からなる直列共振回路による第1の減衰極を形成し、さらに前記第1のインダクタL1と第2のコンデンサC2を直列接続したものと第2のインダクタL2との並列共振回路による第2の減衰極を形成するアンテナスイッチを構成している。
前記第1の減衰極と第2の減衰極は、任意に減衰周波数を可変させることができ、前記第1の減衰極で例えば送信周波数の2倍の周波数に減衰極を設け、第2の減衰極で送信周波数の3倍の周波数を減衰させても良いし、またその逆となる様に構成することも可能である。さらにまた、例えば第1の減衰極で任意の無線通信システムの周波数に対して減衰極を設定し、第2の減衰極で携帯電話の送信信号の高調波を減衰させることも可能である。
【0012】
また、図1の等価回路では、第2のダイオードD12のアノードに、抵抗R1を介してコントロール回路VC1を接続する様に構成している。これを図2のようにインダクタL11とアースの間にコンデンサC15を接続し、その伝送線路L11とコンデンサC15の接続点より、抵抗R2を接続してコントロール回路VC2を接続した構成としても良い。図1の回路構成ではVC1より順方向のバイアス電圧しかダイオードD11、D12に印加できないが、図2の回路構成の場合、逆方向のバイアス電圧を印加することができ、ダイオードD11、D12のアイソレーションを高めることが可能である。
【0013】
図1に示したスイッチ回路を構成するインダクタL11、L12を伝送線路で形成し、またコンデンサC1、C2、C3、C13、C14電極パターンにより形成し、これらを誘電体層の積層体内に内蔵し、またダイオードや抵抗等のチップ素子を積層体上に配置することにより、アンテナスイッチを一つの積層体内に構成することができる。この積層体上に配置するチップ素子は、積層体内に形成する回路素子との関係で適宜設定することができる。
また、前記ローパスフィルタを構成する第1のインダクタL1、第2のインダクタL2を伝送線路として積層体内に構成し、直列共振回路の伝送線路L1と並列共振回路の伝送線路L2を互いに積層体内で接続して、積層体の積層方向に対して積み重なるように配置すれば伝送線路間に相互インダクタンスが発生し、そのインダクタンス増加分により、互いの伝送線路の線路長を短くでき、アンテナスイッチを小型にすることができる。
【0014】
そして、前記ローパスフィルタの直列共振回路を構成する第1のコンデンサC1は、図11の直列共振回路を構成するコンデンサC306と比較して、同じ共振周波数で設計したとしても、大きく設計することができる。第1のコンデンサC1と直列に接続される第1インダクタL1は第2のインダクタL2と接続されており、等価回路上では分割されているが、積層体内では連続した伝送線路になっている。よって共振回路として作用する伝送線路は本発明の場合短くすることができ、結果として第1のコンデンサC1を大きくすることができる。結果、高周波を接地電位に通過させる経路のインピーダンスを下げることができ、高周波領域で減衰量を得るLPFの特性を改善させることができる。
【0015】
【実施例】
本発明は、スイッチ回路とローパスフィルタ回路とを一つの部品とし、しかも積層構造で構成することにより、小型のアンテナスイッチを構成している。このアンテナスイッチを用いて小型のモジュール部品を構成することも出来る。例えば分波器回路を組み合わせてマルチバンドに対応することや、さらにSAWフィルタ、カップラー、パワーアンプ等を一つの積層体内にモジュール化して高機能化することも出来る。
以下に本発明の一実施例を詳細に説明する。
図5は、図1に等価回路として示したアンテナスイッチを積層体に構成したときの分解斜視図である。また図6はその斜視図である。この実施例は、図が複雑になるのを避けるため、従来のマルチバンドのアンテナスイッチモジュールの構造から1つのアンテナスイッチ部分のみを抜き出して説明している。従って、図6に示すように誘電体層を含む積層体1に、2個のダイオード2、3と、コンデンサ4、5及び抵抗6によって構成されており、それぞれの部品は、図1における2個のダイオードD11、D12、コンデンサC11、C12、抵抗R1に対応する。
【0016】
図5において積層体1は、誘電体層11に第1のアース電極61と裏面電極23〜29が形成されている。裏面電極29は端子VC1、裏面電極28はANT端子である。
誘電体層12、13、14、15の上には伝送線路が電極パターンにより形成されている。等価回路における伝送線路L11はライン電極30、32、35、36によって構成されており、それらはスルーホール電極により接続され、上面電極56とアース電極61を接続している。等価回路における伝送線路L12はライン電極33、34により構成されており、それらはスルーホール電極によって接続され、上面電極58と52を接続している。
【0017】
その上の誘電体層16には第2のアース電極45が形成されており、第1のアース電極61とはスルーホール電極で接続されている。コンデンサ電極44は、誘電体層17のコンデンサ電極46と対向して、等価回路におけるコンデンサC13を形成している。またコンデンサ電極46はスルーホール電極によりANT端子である裏面電極28と接続されている。
その上の誘電体層17には、第2のアース電極45と対向して等価回路におけるコンデンサC14、C3、C1を形成するコンデンサ電極49、48、47が形成されている。
その上の誘電体層18には、コンデンサ電極47、48と対向するようにコンデンサ電極51が形成され、等価回路のコンデンサC2を構成している。また第3のアース電極50が形成され、コンデンサ電極49と対向するように配置されており、等価回路上におけるコンデンサC14の容量の一部になる。第3のアース電極50はスルーホール電極により第1、第2のアース電極と接続されている。
【0018】
その上の誘電体層19、20、21には、それぞれ伝送線路が形成されている。等価回路における伝送線路L2は41、43で構成されており、それらはスルーホール電極により接続され、上面電極56と55を接続している。等価回路における伝送線路L1は37、40で構成されており、スルーホール電極により接続され、コンデンサ電極47と伝送線路41、上面電極55を接続している。
また誘電体層19の上の伝送線路38と誘電体層12の上の伝送線路31はスルーホール電極により接続され、上面電極59と裏面電極29とを接続している。誘電体層20の上の伝送線路39は上面電極58とコンデンサ電極44を接続している。誘電体層21の上の伝送線路42は上面電極53とコンデンサ電極49を接続している。
【0019】
また誘電体層22の上には、ダイオード、コンデンサ、抵抗などの搭載部品を接続するための上面電極52〜60が形成される。上面電極56、57間には等価回路上のコンデンサC11が接続される。上面電極55にはダイオードD11のカソードが、上面電極58にはダイオードD11のアノードが接続される。上面電極53にはダイオードD12のアノードが、上面電極52にはダイオードD12のカソードが接続される。上面電極53、59間には抵抗R1が接続されている。上面電極52、60間にはコンデンサC12が接続されている。上面電極54と55との間、上面電極54と58との間に適当なコンデンサ、インダクタを搭載することによりダイオードD11と並列に、上記コンデンサとインダクタの直列回路を接続することができ、ダイオードD11がOFF時の時、ANT−TX間のアイソレーションを高めることができる。上記コンデンサ、インダクタは必要に応じて搭載する事ができる。
【0020】
この積層体は、誘電率が約8の誘電体材料を用い、ドクターブレードでシート形成し、このシート上にAg電極をスクリーン印刷でパターン電極を形成し、これを積層して、圧着し、一体で焼成したものである。
【0021】
ここで、図7に図11で示した等価回路で構成されたアンテナスイッチの積層分解斜視図を示す。図11のC306に相当するコンデンサ電極は図7の電極パターン132となる。またインダクタL303に相当する伝送線路は138、141となり、インダクタL304に相当する伝送線路は137、140、143となる。一方、本発明の図1の等価回路で構成されたコンデンサC1に相当するコンデンサ電極は図5の電極パターン47である。両者を比較すると、本発明の構成によるコンデンサ電極47の方がアース電極に対して面積を大きくすることができている。この理由として、図11のインダクタL303とL304は、誘電体層上の伝送線路では138、141と137、140、143であり、回路上スルーホールで両者は接続されているものの、高周波的に見れば独立した伝送線路となり、図5で対応する伝送線路41、43と37、40の関係のように連続した伝送線路には見えなくなる。よって図11のインダクタL304に相当する図7の伝送線路137、140、143は図5の伝送線路37、40と比較して長くなり、伝送線路137、140、143と直列共振回路を構成するコンデンサ電極132は小さく構成することになる。
それに対し、図5で対応する伝送線路41、43と37、40は、誘電体層20上で伝送線路40と41が接続しており、高周波的に見ても連続した伝送線路として見ることができ、等価回路でのL1、L2が、一部共通の伝送線路を共用している。本発明では、直列共振回路として作用する伝送線路は短くなり、結果として直列接続されるコンデンサ電極47は大きく構成することができる。
【0022】
図8に本発明(等価回路では図1)と従来例(等価回路では図11)のアンテナスイッチの入力端子TX−アンテナANT間の挿入損失特性を示す。図において実線が本発明、点線が従来例を示している。ここで両者の間には3500MHz付近と5500MHz付近の減衰極の移動を最小にしつつ、2500〜6000MHzの高周波領域において、最大5dB程度の減衰量の改善が見られる。接地されるコンデンサ電極を大きくした結果、従来例と比較して、本発明の方が高調波帯域での減衰量が大きくなっていることが分かる。このことは本発明の回路構成となし、積層体内に設けるコンデンサを大きくできたことによるものであり、そのインピーダンスが低下し高周波成分が接地電極へ通過し易くなったことが原因と考えられる。
【0023】
また本発明(等価回路では図1、積層分解斜視図では図5)と従来例(等価回路では図11、積層分解斜視図では図7)を比較すると、図1の第1のインダクタL1と第2のコンデンサC2(図5では37、40と51に相当)は、図11の対応するインダクタL304、コンデンサC307(図7では137、140、143と134に相当)と比較して小さい。特に図1のコンデンサC2は図5でのコンデンサ電極48と51からなる静電容量とコンデンサ電極47と51からなる静電容量の直列接続になるので静電容量は小さくなる。図1からインダクタL1とコンデンサC2の影響が小さくなると、等価回路的にはコンデンサC1、C3とインダクタL2からなるπ型のローパスフィルタとなる。このようなことからも高周波領域で減衰量が得られたことの原因が推測される。そのインダクタL1の伝送線路としての長さとしては、インダクタL2のそれの1/2以下が望ましい。
【0024】
また、図5において第1のアース電極61と第2のアース電極45との間に、ライン電極30、32、35、36で構成される第1の伝送線路L11と、ライン電極33、34で構成される第2の伝送線路L12を配置している。またローパスフィルタを構成するコンデンサC3、C1、C2、インダクタL2、L1が第2のアース電極45よりも、実装面に対して上側に配置されている。このことによりアンテナスイッチ回路の伝送線路と、ローパスフィルタ回路との間にアース電極を配置させていることになり、不要な干渉を防止している。
【0025】
さて、この実施例によるローパスフィルタLPFは、第1のインダクタL1と第1のコンデンサC1とからなる直列共振回路と、第1のインダクタL1と第2のコンデンサC2を直列接続したものと第2のインダクタL2との並列共振回路を備え、これらの共振回路で2つの減衰極を持たせるように構成している。これらの共振回路と第3のコンデンサC3とからなるローパスフィルタを、スイッチ回路における第1のダイオードD11のカソードとインダクタL11との間に設けている。
他のローパスフィルタの構成としては、図3のようにコンデンサC3とインダクタL3とで直列共振回路を構成してもよいし、図4のようにさらにインダクタを追加して、インダクタL3とコンデンサC3の直列接続、インダクタL1とコンデンサC1の直列接続による2つの直列共振回路を構成してもよい。図3の場合はインダクタL3とコンデンサC2の直列接続とインダクタL2による並列共振回路、インダクタL3とコンデンサC3による直列共振回路により、図1の回路と同様な効果を得ることができる。また図4の場合は、インダクタL1、コンデンサC2、インダクタL3の直列接続とインダクタL2による並列共振回路、インダクタL1とコンデンサC1による直列共振回路、インダクタL3とコンデンサC3による直列共振回路、以上3つの共振回路を作製することができる。
【0026】
上記した実施例にあるローパスフィルタ回路を内蔵したスイッチ回路を用いて、複数の送受信系を取り扱う高周波スイッチモジュールを構成することも可能である。その一例として2つの送受信系を取り扱う場合のブロック図を図9に示す。アンテナANTに接続される分波回路は、第1の送受信系、第2の送受信系に分波し、分波された第1の送受信系に第1のスイッチ回路を有し、第2の送受信系に第2のスイッチ回路を有する。第1または第2のスイッチ回路は送信TXと受信RXを切り替え、その送信系にローパスフィルタ回路を設ける。そして第1または第2のスイッチ回路、またはその両方に上記実施例のアンテナスイッチを使用することが可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、2つの減衰極を得ることができると共に、このとき挿入損失特性を劣化させることなく高調波の減衰量が高くとれる。よって、複数の無線システムにおいて不要な干渉を防ぎ、挿入損失特性を劣化させることのない小型のアンテナスイッチを提供することができる。また、減衰極を複数、任意に設定することが可能であり、それに起因する回路の複雑化、挿入損失の増加を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナスイッチの第1の実施例の等価回路図である。
【図2】本発明に係るアンテナスイッチの他の実施例の等価回路図である。
【図3】本発明に係る他の実施例におけるローパスフィルタの等価回路図である。
【図4】本発明に係る他の実施例におけるローパスフィルタの等価回路図である。
【図5】本発明に係る第1の実施例の積層体の分解斜視図である。
【図6】本発明に係る図5の積層体の斜視図である。
【図7】従来(図11)のアンテナスイッチの積層体の分解斜視図である。
【図8】本発明に係る実施例と従来の送信回路−アンテナ間の挿入損失の周波数特性図である。
【図9】本発明に係るアンテナスイッチを用いた高周波スイッチモジュールの一実施例のブロック図である。
【図10】従来のアンテナスイッチの等価回路図である。
【図11】従来の他のアンテナスイッチの等価回路図である。
【符号の説明】
L1:第1のインダクタ
L2:第2のインダクタ
C1:第1のコンデンサ
C2:第2のコンデンサ
C3:第3のコンデンサ
D11:第1のダイオード
D12:第2のダイオード
C11、C12、C13:DCカットコンデンサ
LPF:ローパスフィルタ
1:積層体
2、3:半導体素子
4,5:コンデンサ
6:抵抗
11、12、13、14、15、16:誘電体層
17、18、19、20、21、22:誘電体層
61:第1のアース電極
45:第2のアース電極
50:第3のアース電極
44、46、47、48、49、51:コンデンサ用電極
30、31、32、33、34、35:ライン電極
36、37、38、39、40、41:ライン電極
42、43:ライン電極
23、24、25、26、27、28、29:裏面電極
52、53、54、55、56、57、58、59、60:上面電極
Claims (4)
- 送信回路、受信回路及びアンテナとの間に接続され、前記送信回路と前記アンテナとの接続、および前記受信回路と前記アンテナとの接続を切り換えるためのアンテナスイッチであって、当該アンテナスイッチは前記送信回路からアンテナへの信号経路にローパスフィルタを有し、
前記ローパスフィルタは、その一部である第1のインダクタと第1のコンデンサからなる直列共振回路により第1の減衰極を形成し、さらに前記第1のインダクタと第2のコンデンサを直列接続したものと、第2のインダクタとの並列共振回路により第2の減衰極を形成することを特徴とするアンテナスイッチ。 - 前記アンテナスイッチは、複数の誘電体層からなる積層体からなり、前記第1のインダクタ及び/又は第2のインダクタは誘電体層からなる積層体内に電極パターンで形成された分布定数線路であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナスイッチ。
- 前記送信回路からアンテナへの信号経路にローパスフィルタを備え、当該ローパスフィルタは前記共振回路が含まれるπ型フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナスイッチ。
- 前記ローパスフィルタを構成するインダクタは誘電体層からなる積層体に形成される分布定数線路であり、前記直列共振回路と並列共振回路の分布定数線路の一部が共通な分布定数線路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンテナスイッチ。
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JP2003026635A JP4134744B2 (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | アンテナスイッチ |
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