JP4140033B2 - 高周波部品 - Google Patents
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Description
この高周波回路部は、アンテナANTと接続し、前記アンテナANTと送信回路TX、受信回路RXとの接続を切り替えるスイッチ10、このスイッチ10の送信信号の経路にパワーアンプ15、ローパスフィルタ11、方向性結合器13を有し、受信信号の経路には、帯域通過フィルタ12、ローノイズアンプ16を有する。
前記パワーアンプ15からは、送信周波数の信号(基本波)だけではなく、不要な2倍波、3倍波などの高調波がスイッチ10へ漏れてくるため、アンテナからの不要放射を防ぐため、これら高調波を減衰させるようにローパスフィルタ11が配置される。また、ローパスフィルタ11とパワーアンプ15の間には、方向性結合器13を配置し、送信パワーの一部をAPC回路14によりフィードバックして、送信パワーが所定の出力となるようにパワーアンプ15を制御している。
引用文献1はその一例であって、ローパスフィルタと方向性結合器を複合一体化した高周波部品が開示されている。図13は、その等価回路であって、コイルL1とグランドとの間にコンデンサC2、C3を配置し、このコイルL1と並列にコンデンサC1を接続してローパスフィルタを構成し、また前記コイルを一次コイルとし、これと磁気的に結合する二次コイルL3を設けて方向性結合器とし、これを誘電体と電極パターンからなる積層体に複合一体化している。
そこで本発明は、新規な回路構成のローパスフィルタと方向性結合器を備えた高周波部品を提供し、そして、限られたスペース内で干渉を極力防ぎ、電気的特性の劣化を低減する高周波部品を提供することを目的とする。
前記積層体においては、前記第2のインダクタンス素子を形成するライン電極を、第1のインダクタンス素子及び第3のインダクタンス素子を形成するライン電極と積層方向に重なり合わない様に配置するのが好ましい。
また、複数の誘電体層に形成された巻回するライン電極を、前記誘電体層に形成されたビアホールを介して接続して1ターン以上巻回したコイルとし、前記コイルを前記第3のインダクタンス素子とするのも好ましい。
この高周波部品1は、第1〜第3のインダクタンス素子L1,L2、L3、第1、第2のキャパシタンス素子C1,C2を主構成とする。
この高周波部品は、前記第1のインダクタンス素子L1と直列に接続される第2のインダクタンス素子L2と、前記第1及び第2のインダクタンス素子L1,L2と並列接続される第1のキャパシタンス素子C1と、前記第1のインダクタンス素子L1と第2のインダクタンス素子L2との間からグランドに至る間に接続されるシャントコンデンサである第2のキャパシタンス素子C2とでローパスフィルタを構成し、前記第1のインダクタンス素子L1と第3のインダクタンス素子L3とを磁気結合させて方向性結合器としている。前記第3のインダクタンス素子L3の一端とグランドとの間には、第3のインダクタンス素子の特性インピーダンスと略等しい抵抗が接続される。
高周波部品の第1のポートP1から入力した高周波電力の一部は、第1のインダクタンス素子L1と第3のインダクタンス素子L3で構成された方向性結合器によって、適宜設定された結合度に応じて取り出され、第3のポートP3に現れる。また前記第1、第2のインダクタンス素子L1,L2と第1のキャパシタンス素子C1との並列共振回路は、通過すべき基本波の第2次高調波を積極的に減衰させるような共振周波数に構成され、また前記第2のキャパシタンス素子C2とともに他の高調波成分を減衰させるので、第2のポートP2には高調波成分が減衰された高周波電力が出力される。
第1と第3のインダクタンス素子L1,L3を構成する伝送線路を誘電体の同一面上に配置して対向配置してもよいが、好ましくは、電極パターンと誘電体層との積層体の異なる層に、巻回するコイル状のライン電極として配置する。このように構成すれば、伝送線路のライン長を短く構成できるとともに、結合量の調整も容易となる。
また、第1、第2のインダクタンス素子L1,L2を構成する伝送線路を、積層体にライン電極として形成する場合には、第1のインダクタンス素子L1を形成するライン電極と、第2のインダクタンス素子L2を形成するライン電極とを、積層方向に重なり合わない様に配置し、極力浮遊容量を生じさせない様にし、また電磁気的な干渉を生じさせないようにするのが好ましい。
前記誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu,Mn,Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si,Srを主成分として、Ca,Pb,Na,Kを複成分とする材料や、Al,Mg,Si,Gdを含む材料や、Al,Si、Zr,Mg含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や、樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記積層体をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料をAl2O3を主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
ローパスフィルタ11、方向性結合器13は前記した図1、或いは図2の等価回路の構成であり、高周波スイッチ10は、例えば図4〜図6に等価回路を示す、ダイオードやトランジスタ等のスイッチング素子を主構成とするものである。なお高周波スイッチには、さらにインダクタンス素子、キャパシタンス素子等が用いられる事もある。図4〜図6で例示した高周波スイッチは、SPDTスイッチであるが、SP3T、SP4T等、他の高周波スイッチであっても良く、本発明において、高周波スイッチの構成は特に限定されるものではない。
前記高周波スイッチ10は、スイッチング素子(ダイオード)Dg1,Dg2と、インダクタンス素子Lg1、Lg2、キャパシタンス素子Cg1,Cg2,Cg3,Cg4、抵抗Rg1を備えるものであり、ポートVc1に接続されたコントロール回路からの電圧により、ダイオードDg1,Dg2をONしてANT−TX間を接続し、前記ダイオードをOFFしてANT−RX間を接続する。前記ダイオードDg2とインダクタンス素子Lg2の間には、ローパスフィルタ、方向性結合器を構成する第1及び第2のインダクタンス素子L1,L2が配置される。
前記第1及び第2のインダクタンス素子L1,L2を含み、図中破線で囲ったローパスフィルタ、方向性結結合器を構成する部分は、前記実施例2で開示した高周波部品と同一の回路構成を有する。
高周波スイッチを構成するスイッチング素子Dg1,Dg2は、積層体に実装され、インダクタンス素子Lg1やキャパシタンス素子Cg4が、前記積層体に電極パターンで構成される。一部のインダクタンス素子Lg2、キャパシタンス素子Cg1,Cg2が、チップ部品として前記ダイオードとともに積層体に実装される。また、ローパスフィルタ、方向性結合器を構成する第1乃至第3のインダクタンス素子L1〜L3、第1乃至第3のキャパシタンス素子C1〜C3は、前記積層体に電極パターンで構成され、終端抵抗Rが前記積層体に実装される。
まず下層の誘電体層18には、広がりを有する導体層で形成されたグランド電極GNDが形成されている。またその裏面側には、回路基板に実装するための端子電極RX、TX、ANT、Coupl、Vc1、GNDが形成されている。
誘電体層18の上には誘電体層15〜17が積層される。この誘電体層15〜17には、高周波スイッチのインダクタンス素子Lg1を構成する伝送線路がコイル状、或いはスパイラル状のライン電極として形成され、ビアホール電極(図中黒丸で表示)により接続されている。なお前記ライン電極はミアンダ状であっても良いが、ライン電極を短く構成しようとすれば、コイル状、或いはスパイラル状に巻回するように構成するのが好ましい。
誘電体層15の上には、前記インダクタンス素子Lg1のインピーダンス調整用のダミー層(誘電体層14)を介して、広がりを有する導体層で形成されたグランド電極GNDが形成された誘電体層13が積層される。高周波スイッチのインダクタンス素子Lg1(第4のインダクタンス素子)を構成するライン電極はグランド電極GNDで挟み、ローパスフィルタ、方向性結合器を構成する電極パターンとの干渉を防いでいる。
誘電体層12には高周波スイッチのキャパシタンス素子Cg4を構成する電極パターン(コンデンサ電極)が形成され、誘電体層12にはグランド電極GND形成され、誘電体層13のグランド電極GNDとで前記コンデンサ電極を挟んでいる。
誘電体層9、10にはローパスフィルタの第1乃至第3のキャパシタンス素子C1〜C3を構成するコンデンサ電極が形成され、誘電体層12のグランド電極GNDと誘電体層10のコンデンサ電極とで第2、第3のキャパシタンス素子C2、C3を形成している。また誘電体層10のコンデンサ電極と誘電体層9のコンデンサ電極とで第1のキャパシタンス素子C1を形成している。
方向性結合器を構成する第1のインダクタンス素子L1と第3のインダクタンス素子L3を構成するライン電極は、誘電体層介して磁気結合するように、積層方向に重なり合わせて配置される。結合量は、前記誘電体層により決まるライン電極間隔や、ライン電極が互いに対向する面積により適宜設定される。
このように構成することで、積層体内に方向性結合器、ローパスフィルタをライン電極、コンデンサ電極をコンパクトに構成することができる。
そして、誘電体層2、3には誘電体層1に形成されたチップ部品実装のためのランド電極と、前記伝送線路等との接続線路パターンが形成されている。
方向性=(アンテナポートANTと第3のポートP3との間のアイソレーション)−(カップリング量)
なお、前記各インダクタンス素子の線路幅は、本実施例に限定されることは無く、高周波部品が使用される周波数や、誘電体の誘電特性、積層体内における電極パターンの配置等々により適宜設定されるものである。
10 スイッチ
11 ローパスフィルタ
13 方向性結合器
Claims (10)
- 第1のインダクタンス素子と、前記第1のインダクタンス素子と直列に接続される第2のインダクタンス素子と、前記第1及び第2のインダクタンス素子と並列接続される第1のキャパシタンス素子と、前記第1のインダクタンス素子と第2のインダクタンス素子との間からグランドに至る間に接続される第2のキャパシタンス素子とを有するローパスフィルタと、前記第1のインダクタンス素子と第3のインダクタンス素子とを結合させてなる方向性結合器を備え、前記第1のインダクタンス素子の特性インピーダンスが前記第2のインダクタンス素子の特性インピーダンスよりも低インピーダンスであることを特徴とする高周波部品。
- 前記第2のインダクタンス素子の前記第1のキャパシタンス素子と接続しない他端からグランドに至る間に第3のキャパシタンス素子を接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波部品。
- 前記第1乃至第3のインダクタンス素子はそれぞれ伝送線路で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波部品。
- 前記第1のインダクタンス素子を構成する伝送線路の線路幅を、前記第2のインダクタンス素子を構成する伝送線路の線路幅よりも幅広とし、特性インピーダンスを異ならせたことを特徴とする請求項3に記載の高周波部品。
- 前記伝送線路は誘電体と電極パターンを有する積層体に、前記電極パターンの一部であるライン電極で形成され、前記キャパシタンス素子は、前記電極パターンの一部であるコンデンサ電極で形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の高周波部品。
- 前記第2のインダクタンス素子を形成するライン電極は、第1のインダクタンス素子及び第3のインダクタンス素子を形成するライン電極と積層方向に重なり合わないことを特徴とする請求項5に記載の高周波部品。
- 複数の誘電体層に形成された巻回するライン電極を、前記誘電体層に形成されたビアホールを介して接続して1ターン以上巻回したコイルとし、前記コイルを前記第3のインダクタンス素子としたことを特徴とする請求項5又は6に記載の高周波部品。
- 前記第1乃至第3のインダクタンス素子を構成するライン電極の下側に、広がりを有するグランド電極と、該グランド電極と積層方向に対向する複数のコンデンサ電極を有し、前記コンデンサ電極と前記グランド電極とで前記第2及び第3のコンデンサを形成したことを特徴とする請求項5に記載の高周波部品。
- 前記第2のインダクタンス素子と直列に接続されるスイッチング素子を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の高周波部品。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の高周波部品を、高周波回路部に用いたことを特徴とする携帯電話。
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