JP4135936B2 - 高周波モジュールおよび高周波回路 - Google Patents

高周波モジュールおよび高周波回路 Download PDF

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本発明は、半導体スイッチ素子を含む高周波モジュール、およびこの高周波モジュールを含む高周波回路に関する。
近年、複数の周波数帯域(マルチバンド)に対応可能な携帯電話機が実用化されている。時分割多重接続方式で複数の周波数帯域に対応可能な携帯電話機におけるフロントエンドモジュールとしては、送信信号と受信信号の切り替えを高周波スイッチによって行うものが知られている。このようなフロントエンドモジュールは、例えばアンテナスイッチモジュールまたは高周波スイッチモジュールと呼ばれる。このようなフロントエンドモジュールを含め、高周波信号の処理を行なう回路とこの回路を一体化するための基板との複合体を、本出願において高周波モジュールと呼ぶ。
高周波モジュールは、例えば、積層基板を用いて構成される。この場合、高周波モジュールにおける回路の少なくとも一部は、積層基板の内部の導体層および表面の導体層を用いて構成される。
高周波スイッチを含む高周波モジュールにおいて、高周波スイッチとしては、例えばダイオードを利用したものが用いられる。このようなダイオードを利用した高周波スイッチを含む高周波モジュールは、例えば特許文献1に示されている。
ここで、図18を参照して、高周波スイッチの構成の一例について説明する。図18に示した高周波スイッチは、3つの信号端子301〜303と、制御端子304とを有している。高周波スイッチは、更に、アノードが信号端子302に接続され、カソードが信号端子301に接続されたダイオード305と、一端がダイオード305のアノードに接続されたインダクタ306と、一端がインダクタ306の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ307とを有している。制御端子304は、インダクタ306とキャパシタ307との接続点に接続されている。高周波スイッチは、更に、一端が信号端子301に接続され、他端が信号端子303に接続されたインダクタ308と、アノードがインダクタ308の他端に接続されたダイオード309と、一端がダイオード309のカソードに接続され、他端が接地されたキャパシタ310と、一端がダイオード309のカソードに接続され、他端が接地された抵抗器311と、一端が信号端子301に接続され、他端が接地されたキャパシタ312とを有している。ダイオード305,309としては、例えばPINダイオードが用いられる。
図18に示した高周波スイッチでは、制御端子304に印加される制御信号がハイレベルのときには、2つのダイオード305,309が共に導通状態となり、信号端子301に信号端子302が接続される。一方、制御端子304に印加される制御信号がローレベルのときには、2つのダイオード305,309が共に非導通状態となり、信号端子301に信号端子303が接続される。
図18に示した高周波スイッチでは、信号端子301に信号端子302が接続された状態では、信号端子301,302間の信号経路を高周波信号が通過する。インダクタ306のインピーダンスは、上記高周波信号に対しては十分に大きく、制御信号に対しては十分に小さい。キャパシタ307のインピーダンスは、上記高周波信号に対しては十分に小さく、制御信号に対しては十分に大きい。これにより、インダクタ306とキャパシタ307は、信号端子301,302間を通過する高周波信号が制御端子304に流れることを防止する。インダクタ306は特にチョークコイルと呼ばれ、キャパシタ307は特にバイパスコンデンサと呼ばれる。
特開平8−288739号公報
携帯電話機では、回路の小型化が要求されている。そのため、携帯電話機に用いられる高周波モジュールにおいても小型化が要求される。一方、特に複数の周波数帯域に対応可能な携帯電話機における高周波モジュールでは、端子の数が多くなる。このような高周波モジュールを小型化すると、隣接する端子間の距離が小さくなる。ここで、図18に示した高周波スイッチを含む高周波モジュールにおいて、信号端子302と制御端子304との間の距離が小さくなった場合について考える。この場合には、信号端子302と制御端子304の間に浮遊容量が発生し、この浮遊容量を介して、信号端子302を通過する高周波信号の一部が制御端子304に漏れる可能性が生じる。
また、図18に示した高周波スイッチにおいて、キャパシタ307は、例えば、積層基板の内部の導体層を用いて構成される。また、インダクタ306とキャパシタ307との接続点と制御端子304との間の信号経路も、例えば、積層基板の内部の導体層を用いて構成される。すると、これらの導体層によって、インダクタ306とキャパシタ307との接続点と制御端子304との間の信号経路上に余分なインダクタンスが発生したり、この信号経路とグランド用の導体層との間や信号経路とキャパシタ用の導体層との間に浮遊容量が発生したりする。
以上説明したように、端子302,304間の浮遊容量に加え、インダクタ306とキャパシタ307との接続点と制御端子304との間の信号経路を構成する導体層に起因した余分なインダクタンスや浮遊容量が発生すると、信号端子302を通過する高周波信号の周波数帯域において、局所的に、高周波信号のレベルの低下が生じる場合がある。このようなことから、従来の高周波モジュールでは、小型化に伴い、周波数特性が劣化するという問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化に伴う周波数特性の劣化を防止できるようにした高周波モジュールおよびこの高周波モジュールを含む高周波回路を提供することにある。
本発明の第1の高周波モジュールは、
高周波信号の入力または出力のための2つの信号端子と、
2つの信号端子を接続する高周波信号経路と、
高周波信号経路に挿入され、印加される制御信号に応じて導通状態と非導通状態が選択される半導体スイッチ素子と、
制御信号が入力される制御端子と、
一端が高周波信号経路に接続され、他端が制御端子に接続された制御信号経路と、
制御信号経路に挿入され、高周波信号に対するインピーダンスが制御信号に対するインピーダンスよりも大きくなるインピーダンス素子と、
交互に積層された誘電体層と導体層とを含み、上記各要素を一体化する積層基板とを備え、
インピーダンス素子は、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されているものである。
本発明の第1の高周波モジュールでは、インピーダンス素子は、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されている。従って、本発明では、インピーダンス素子が積層基板内部の導体層を介して制御端子に接続される場合に導体層に起因して発生する余分なインダクタンスや浮遊容量が生じない。
本発明の第1の高周波モジュールにおいて、半導体スイッチ素子は、アノードが一方の信号端子に接続され、カソードが他方の信号端子に接続されたダイオードであって、制御信号経路の一端は、ダイオードのアノードに接続されていてもよい。
また、本発明の第1の高周波モジュールにおいて、インピーダンス素子は、導体層を用いて構成されたチョークコイルであってもよい。この場合、制御端子は、積層基板における積層方向の一方の端に位置する面に配置され、インピーダンス素子は、制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、制御端子に接続されていてもよい。また、導体層は、グランドに接続される1以上のグランド用導体層を含み、全てのグランド用導体層は、制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に見たときに、チョークコイルを構成する導体層と重ならない領域に配置されていてもよい。また、チョークコイルを構成する導体層を除いて、積層基板の内部の全ての導体層は、制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に見たときに、チョークコイルを構成する導体層と重ならない領域に配置されていてもよい。
また、本発明の第1の高周波モジュールにおいて、インピーダンス素子は、積層基板に搭載されたチップ型のチョークコイルであってもよい。この場合、制御端子は、積層基板における積層方向の一方の端に位置する面に配置され、インピーダンス素子は、積層基板における積層方向の他方の端に位置する面に配置され、インピーダンス素子は、制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、制御端子に接続されていてもよい。
本発明の高周波回路は、本発明の第1の高周波モジュールと、この高周波モジュールの外部に設けられ、一端が制御端子に接続されたキャパシタとを備えたものである。
本発明の第2の高周波モジュールは、
高周波信号の入力または出力のための2つの信号端子と、
2つの信号端子を接続する高周波信号経路と、
高周波信号経路に挿入され、印加される制御信号に応じて導通状態と非導通状態が選択される半導体スイッチ素子と、
制御信号が入力される制御端子と、
一端が高周波信号経路に接続され、他端が制御端子に接続された制御信号経路と、
制御信号経路に挿入され、高周波信号に対するインピーダンスが制御信号に対するインピーダンスよりも大きくなるインピーダンス素子と、
インピーダンス素子と制御端子との間において制御信号経路に挿入された抵抗器と、
交互に積層された誘電体層と導体層とを含み、上記各要素を一体化する積層基板とを備え、
抵抗器は、積層基板に搭載され、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されているものである。
本発明の第2の高周波モジュールでは、抵抗器は、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されている。従って、本発明では、抵抗器が積層基板内部の導体層を介して制御端子に接続される場合に導体層に起因して発生する余分なインダクタンスや浮遊容量が生じない。
本発明の第2の高周波モジュールにおいて、半導体スイッチ素子は、アノードが一方の信号端子に接続され、カソードが他方の信号端子に接続されたダイオードであって、制御信号経路の一端は、ダイオードのアノードに接続されていてもよい。
本発明の第2の高周波モジュールにおいて、制御端子は、積層基板における積層方向の一方の端に位置する面に配置され、抵抗器は、積層基板における積層方向の他方の端に位置する面に配置され、抵抗器は、制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、制御端子に接続されていてもよい。
本発明の第1の高周波モジュールまたは高周波回路では、インピーダンス素子は、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されている。そのため、本発明では、インピーダンス素子が積層基板内部の導体層を介して制御端子に接続される場合に導体層に起因して発生する余分なインダクタンスや浮遊容量が生じない。従って、本発明によれば、高周波モジュールの小型化に伴う高周波モジュールまたは高周波回路の周波数特性の劣化を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明の第2の高周波モジュールでは、抵抗器は、誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに制御端子に接続されている。そのため、本発明では、抵抗器が積層基板内部の導体層を介して制御端子に接続される場合に導体層に起因して発生する余分なインダクタンスや浮遊容量が生じない。従って、本発明によれば、高周波モジュールの小型化に伴う高周波モジュールの周波数特性の劣化を防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、本発明の第1の実施の形態に係る高周波モジュールについて説明する。本実施の形態に係る高周波モジュールは、4つの周波数帯域に対応可能な携帯電話機におけるフロントエンドモジュールとして用いられるものである。具体的には、本実施の形態に係る高周波モジュールは、AGSM(American Global System for Mobile Communications)方式の送信信号および受信信号と、EGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式の送信信号および受信信号と、DCS(Digital Cellular System)方式の送信信号および受信信号と、PCS(Personal Communications Service)方式の送信信号および受信信号とを処理する。
AGSM方式の送信信号の周波数帯域は824MHz〜849MHzである。AGSM方式の受信信号の周波数帯域は869MHz〜894MHzである。EGSM方式の送信信号の周波数帯域は880MHz〜915MHzである。EGSM方式の受信信号の周波数帯域は925MHz〜960MHzである。DCS方式の送信信号の周波数帯域は1710MHz〜1785MHzである。DCS方式の受信信号の周波数帯域は1805MHz〜1880MHzである。PCS方式の送信信号の周波数帯域は1850MHz〜1910MHzである。PCS方式の受信信号の周波数帯域は1930MHz〜1990MHzである。
図1は、本実施の形態に係る高周波モジュールおよび高周波回路を示す回路図である。本実施の形態に係る高周波モジュール1は、信号端子T1,T2,T6,T8,T10,T12,T13と、制御端子T3,T5,T9,T11と、グランド端子T4,T7,T14とを備えている。端子T1は、DCS方式の受信信号(図では、DCS/RXと記す。)を出力する。端子T2は、PCS方式の受信信号(図では、PCS/RXと記す。)を出力する。端子T3には、制御信号Vc4が入力される。端子T5には、制御信号Vc3が入力される。端子T6には、DCS方式の送信信号およびPCS方式の送信信号(図では、これらを合わせてDPCS/TXと記す。)が入力される。端子T8には、AGSM方式の送信信号およびEGSM方式の送信信号(図では、これらを合わせてAEGSM/TXと記す。)が入力される。端子T9には、制御信号Vc1が入力される。端子T10は、アンテナ(図では、ANTと記す。)に接続される。端子T11には、制御信号Vc2が入力される。端子T12は、AGSM方式の受信信号(図では、AGSM/RXと記す。)を出力する。端子T13は、EGSM方式の受信信号(図では、EGSM/RXと記す。)を出力する。端子T4,T7,T14は、グランド(図では、GNDと記す。)に接続される。
高周波モジュール1は、更に、ダイプレクサ2と、2つの高周波スイッチ3,5と、ローパスフィルタ(以下、LPFと記す。)4とを備えている。ダイプレクサ2は、端子T10および高周波スイッチ3,5に接続されている。高周波スイッチ3は、ダイプレクサ、端子T9,T11,T12,T13およびLPF4に接続されている。LPF4の一端は高周波スイッチ3に接続され、LPF4の他端は端子T8に接続されている。高周波スイッチ5は、ダイプレクサ、端子T1,T2,T3,T5,T6に接続されている。
ダイプレクサ2は、LPF6とバンドパスフィルタ(以下、BPFと記す。)7とを有している。LPF6の一端は端子T10に接続され、LPF6の他端は高周波スイッチ3に接続されている。BPF7の一端は端子T10に接続され、BPF7の他端は高周波スイッチ5に接続されている。LPF6は、AGSM方式の信号およびEGSM方式の信号を通過させ、DCS方式の信号およびPCS方式の信号を遮断する。BPF7は、DCS方式の信号およびPCS方式の信号を通過させ、AGSM方式の信号およびEGSM方式の信号を遮断する。
LPF4は、AGSM方式の送信信号およびEGSM方式の送信信号に含まれる高調波成分を除去する。
高周波スイッチ3は、カソードがLPF6に接続されたダイオード11と、一端がダイオード11のアノードに接続され、他端が端子T12に接続されたキャパシタ12と、一端がダイオード11のアノードに接続されたインダクタ13と、一端がインダクタ13の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ14と、一端がインダクタ13の他端に接続され、他端が端子T11に接続された抵抗器15とを有している。
高周波スイッチ3は、更に、一端がLPF6に接続され、他端が接地されたキャパシタ16と、カソードがLPF6に接続され、アノードがLPF4に接続されたダイオード17と、一端がダイオード17のアノードに接続され、他端が端子T9に接続されたインダクタ18とを有している。
高周波スイッチ3は、更に、一端がLPF6に接続されたインダクタ21と、アノードがインダクタ21の他端に接続されたダイオード22と、一端がダイオード22のカソードに接続され、他端が接地されたキャパシタ23と、一端がダイオード22のカソードに接続され、他端が接地された抵抗器24と、一端がダイオード22のアノードに接続され、他端が接地されたキャパシタ25とを有している。ダイオード22のアノードは端子T13に接続されている。
高周波スイッチ5は、カソードがBPF7に接続されたダイオード31と、一端がダイオード31のカソードに接続されたキャパシタ32と、一端がキャパシタ32の他端に接続され、他端がダイオード31のアノードに接続されたインダクタ33と、一端がダイオード31のカソードに接続され、他端がダイオード31のアノードに接続されたキャパシタ34と、一端がダイオード31のアノードに接続され、他端が接地されたキャパシタ35と、一端がダイオード31のアノードに接続され、他端が端子T6に接続されたキャパシタ36と、一端がダイオード31のアノードに接続され、他端が端子T5に接続されたインダクタ37とを有している。
高周波スイッチ5は、更に、一端がBPF7に接続され、他端が接地されたキャパシタ40と、カソードがBPF7に接続されたダイオード41と、一端がダイオード41のカソードに接続されたキャパシタ42と、一端がキャパシタ42の他端に接続され、他端がダイオード41のアノードに接続されたインダクタ43と、一端がダイオード41のカソードに接続され、他端がダイオード41のアノードに接続されたキャパシタ44と、一端がダイオード41のアノードに接続され、他端が接地されたキャパシタ45と、一端がダイオード41のアノードに接続され、他端が端子T2に接続されたキャパシタ46と、一端がダイオード41のアノードに接続されたインダクタ47と、一端がインダクタ47の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ48と、一端がインダクタ47の他端に接続され、他端が端子T3に接続された抵抗器49とを有している。
高周波スイッチ5は、更に、一端がBPF7に接続されたインダクタ51と、アノードがインダクタ51の他端に接続されたダイオード52と、一端がダイオード52のカソードに接続され、他端が接地されたキャパシタ53と、一端がダイオード52のカソードに接続され、他端が接地された抵抗器54と、一端がダイオード52のアノードに接続され、他端が接地されたキャパシタ55とを有している。ダイオード52のアノードは端子T1に接続されている。
ダイオード11,17,22,31,41,52は、いずれも、印加される制御信号に応じて導通状態と非導通状態が選択される半導体スイッチ素子として用いられている。ダイオード11,17,22,31,41,52としては、例えばPINダイオードが用いられる。
高周波スイッチ3では、制御端子T9に印加される制御信号Vc1がハイレベルで、制御端子T11に印加される制御信号Vc2がローレベルのときには、ダイオード17,22が導通状態、ダイオード11が非導通状態となり、端子T8がLPF4,高周波スイッチ3およびLPF6を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T8に入力されたAGSM方式の送信信号またはEGSM方式の送信信号は、LPF4、高周波スイッチ3およびLPF6を経て、端子T10より出力される。インダクタ18のインピーダンスは、AGSM方式の送信信号およびEGSM方式の送信信号に対しては十分に大きく、制御信号Vc1に対しては十分に小さい。
また、高周波スイッチ3では、制御端子T9に印加される制御信号Vc1がローレベルで、制御端子T11に印加される制御信号Vc2がハイレベルのときには、ダイオード11,22が導通状態、ダイオード17が非導通状態となり、端子T12が高周波スイッチ3およびLPF6を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T10に入力されたAGSM方式の受信信号は、LPF6および高周波スイッチ3を経て、端子T12より出力される。インダクタ13のインピーダンスは、AGSM方式の受信信号に対しては十分に大きく、制御信号Vc2に対しては十分に小さい。キャパシタ14のインピーダンスは、AGSM方式の受信信号に対しては十分に小さく、制御信号Vc2に対しては十分に大きい。抵抗器15は、制御信号Vc2による電流を制限する。
また、高周波スイッチ3では、制御端子T9に印加される制御信号Vc1と制御端子T11に印加される制御信号Vc2が共にローレベルのときには、ダイオード11,17,22が非導通状態となり、端子T13が高周波スイッチ3およびLPF6を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T10に入力されたEGSM方式の受信信号は、LPF6および高周波スイッチ3を経て、端子T13より出力される。
本実施の形態において、端子T8と端子T10とを接続する信号経路は、本発明における高周波信号経路に対応する。また、ダイオード17は、本発明における半導体スイッチ素子に対応する。また、端子T9とダイオード17のアノードとを接続する経路は、本発明における制御信号経路に対応する。インダクタ18は、本発明におけるインピーダンス素子に対応する。すなわち、端子T8を通過する高周波信号に対するインダクタ18のインピーダンスは、端子T9に入力される制御信号Vc1に対するインダクタ18のインピーダンスよりも大きい。本実施の形態では、インダクタ18は、積層基板100の内部の導体層を用いて構成されたチョークコイルになっている。後で詳しく説明するが、本実施の形態では、インダクタ18は、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに端子T9に接続されている。
高周波スイッチ5では、制御端子T5に印加される制御信号Vc3がハイレベルで、制御端子T3に印加される制御信号Vc4がローレベルのときには、ダイオード31,52が導通状態、ダイオード41が非導通状態となり、端子T6が高周波スイッチ5およびBPF7を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T6に入力されたDCS方式の送信信号またはPCS方式の送信信号は、高周波スイッチ5およびBPF7を経て、端子T10より出力される。インダクタ37のインピーダンスは、DCS方式の送信信号およびPCS方式の送信信号に対しては十分に大きく、制御信号Vc3に対しては十分に小さい。
また、高周波スイッチ5では、制御端子T5に印加される制御信号Vc3がローレベルで、制御端子T3に印加される制御信号Vc4がハイレベルのときには、ダイオード41,52が導通状態、ダイオード31が非導通状態となり、端子T2が高周波スイッチ5を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T10に入力されたPCS方式の受信信号は、BPF7および高周波スイッチ5を経て、端子T2より出力される。インダクタ47のインピーダンスは、PCS方式の受信信号に対しては十分に大きく、制御信号Vc4に対しては十分に小さい。キャパシタ48のインピーダンスは、PCS方式の受信信号に対しては十分に小さく、制御信号Vc4に対しては十分に大きい。抵抗器49は、制御信号Vc4による電流を制限する。
また、高周波スイッチ5では、制御端子T5に印加される制御信号Vc3と制御端子T3に印加される制御信号Vc4が共にローレベルのときには、ダイオード31,41,52が非導通状態となり、端子T1が高周波スイッチ5を介して端子T10に接続される。この状態で、端子T10に入力されたDCS方式の受信信号は、BPF7および高周波スイッチ5を経て、端子T1より出力される。
本実施の形態に係る高周波回路は、上記高周波モジュール1と、この高周波モジュール1の外部に設けられたキャパシタ10とを備えている。キャパシタ10の一端は制御端子T9に接続され、キャパシタ10の他端は接地されている。キャパシタ10は、端子T9に接続される回路に、AGSM方式の送信信号またはEGSM方式の送信信号が流れることを防止する。キャパシタ10のキャパシタンスは、例えば、10pF〜1000pFの範囲内である。
図2は、本実施の形態に係る高周波モジュール1を一部切り欠いて示す側面図である。図2に示したように、高周波モジュール1は、高周波モジュール1の上記各要素を一体化する積層基板100を備えている。積層基板100は、交互に積層された誘電体層と導体層とを有している。高周波モジュール1における回路は、積層基板100の内部または表面上の導体層と、積層基板100の上面に搭載された素子101とを用いて構成されている。ここでは、一例として、図1における抵抗器15,24,49,54、ダイオード11,17,22,31,41,52およびインダクタ13,18,37,47が、積層基板100に搭載された素子101であるものとする。端子T1〜T14は、積層基板100の底面に配置されている。積層基板100の底面は、本発明の積層基板における積層方向の一方の端に位置する面に対応し、積層基板100の上面は、本発明の積層基板における積層方向の他方の端に位置する面に対応する。
また、高周波モジュール1は、更に、積層基板100の上面に搭載された素子101を覆い、この素子101を電磁気的にシールドするシールドキャップ102を備えている。積層基板100は、例えば低温焼成セラミック多層基板になっている。
図3は、端子T1〜T14の配置を示す説明図である。図3は、端子T1〜T14を上から見た状態を表わしている。
次に、本実施の形態に係る高周波モジュール1の特徴について詳しく説明する。まず、図4ないし図6を参照して、本実施の形態に係る高周波モジュール1と比較するための比較例の高周波モジュールについて説明する。図4は、比較例の高周波モジュールにおける端子T8,T9の近傍を示す回路図である。この比較例では、本実施の形態では設けられていないキャパシタ201が設けられている。このキャパシタ201の一端はインダクタ18の他端に接続され、キャパシタ201の他端は接地されている。また、比較例では、本実施の形態におけるキャパシタ10の代わりに、一端が制御端子T9に接続され、他端が接地されたキャパシタ202が設けられている。比較例のその他の構成は、本実施の形態と同様である。
図4において、符号ΔC11は、端子T8と端子T9との間に発生する浮遊容量を表わしている。また、図4において、符号ΔC12、ΔC13は、後で説明する浮遊容量を表わしている。また、図4において、符号ΔL11、ΔL12は、後で説明する余分なインダクタンスを表わしている。
図5は、比較例における積層基板の導体層のパターンを示す説明図である。以下、積層基板において、下からn番目(nは1以上の整数)の誘電体層を、第n層と呼ぶ。
図5において、(a)は、積層基板の底面に配置された端子の一部を示している。(a)に示したように、端子T8と端子T9は隣接している。
図5において、(b)は、第1層の上に配置された導体層の一部を示している。第1層の上には、グランド用導体層211が設けられている。このグランド用導体層211は、スルーホール212を介して端子T4に接続されていると共に、スルーホール213を介して端子T7に接続されている。
図5において、(c)は、第2層の上に配置された導体層の一部を示している。第2層の上には、キャパシタ用導体層214が設けられている。このキャパシタ用導体層214は、スルーホール215を介して端子T9に接続されている。図4におけるキャパシタ201は、キャパシタ用導体層214とグランド用導体層211とによって構成されている。
図5において、(d)は、第3層の上に配置された導体層の一部を示している。第3層の上には、インダクタ用導体層216が設けられている。このインダクタ用導体層216の一端は、スルーホール217を介してキャパシタ用導体層214に接続されている。また、インダクタ用導体層216の他端は、スルーホール218を介して、図示しない第4層の上に設けられた他のインダクタ用導体層に接続されている。
比較例では、図5(c)に示したキャパシタ用導体層214は、スルーホール215まで延びる腕部214aと、スルーホール217まで延びる腕部214bとを有している。この比較例では、腕部214aによって、図4に示した余分なインダクタンスΔL11が発生し、腕部214bによって、図4に示した余分なインダクタンスΔL12が発生する。また、比較例では、腕部214aとグランド用導体層211とによって、図4に示した浮遊容量ΔC12が発生し、腕部214bとグランド用導体層211とによって、図4に示した浮遊容量ΔC13が発生する。
上述のように、端子T8,T9間の浮遊容量ΔC11に加え、インダクタ18とキャパシタ201との接続点と端子T9との間の制御信号経路を構成する導体層に起因した余分なインダクタンスΔL11、ΔL12や浮遊容量ΔC12、ΔC13が発生すると、端子T8を通過する高周波信号の周波数帯域において、局所的に、高周波信号のレベルの低下が生じる場合がある。図6は、比較例における端子T8と端子T10との間の利得の周波数特性の一例を示している。この例では、符号220で示したように、AGSM方式の送信信号の周波数帯域とEGSM方式の送信信号の周波数帯域とを含む周波数帯域824MHz〜915MHzにおいて、局所的に高周波信号のレベルの低下が生じている。
図7は、本実施の形態における積層基板100の導体層のパターンを示す説明図である。図7において、(a)は、積層基板100の底面に配置された端子の一部を示している。また、(a)には、積層基板100が実装される実装基板110も示している。この実装基板110には、端子T9に接続される導体部111と、この導体部111に対して所定の間隔を開けて配置された導体部112とが設けられている。そして、導体部111,112間を接続するようにキャパシタ10が設けられている。
図7において、(b)は、第1層の上に配置された導体層の一部を示している。第1層の上には、グランド用導体層121が設けられている。このグランド用導体層121は、スルーホール122を介して端子T4に接続されていると共に、スルーホール123を介して端子T7に接続されている。
図7において、(c)は、第2層の上に配置された導体層の一部を示している。第2層の上には、インダクタ用導体層124が設けられている。このインダクタ用導体層124の一端は、スルーホール125を介して端子T9に接続されている。
図7において、(d)は、第3層の上に配置された導体層の一部を示している。第3層の上には、インダクタ用導体層126が設けられている。このインダクタ用導体層126の一端は、スルーホール127を介してインダクタ用導体層124の他端に接続されている。また、インダクタ用導体層126の他端は、スルーホール128を介して、図示しない第4層の上に設けられた他のインダクタ用導体層に接続されている。インダクタ用導体層124,126は、インダクタ18を構成する。
本実施の形態では、インダクタ18は、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、積層基板100の底面に垂直な方向に延びるスルーホール125を介して、制御端子T9に接続されている。また、本実施の形態では、積層基板100において、インダクタ18および制御端子T9に接続されるキャパシタ用導体層は存在しない。これらのことから、本実施の形態では、インダクタ18と制御端子T9との間において、導体層に起因する余分なインダクタンスや浮遊容量が生じない。その結果、本実施の形態によれば、端子T8を通過する高周波信号の周波数帯域において、局所的に、高周波信号のレベルの低下が生じることを防止することができる。図8は、本実施の形態における端子T8と端子T10との間の利得の周波数特性の一例を示している。この例では、AGSM方式の送信信号の周波数帯域とEGSM方式の送信信号の周波数帯域とを含む周波数帯域824MHz〜915MHzにおいて、局所的な高周波信号のレベルの低下は生じておらず、平坦で損失の小さな周波数特性が得られている。このように、本実施の形態によれば、高周波モジュール1の小型化に伴って隣接する端子間の距離が小さくなっても、高周波モジュール1および高周波回路の周波数特性の劣化を防止することができる。この効果は、特に、高周波信号が通過する信号端子T8と、この端子T8を通過する高周波信号の経路に配置されたダイオード17を制御するための制御信号Vc1が入力される制御端子T9とが隣接している場合に顕著になる。
また、図7に示したように、本実施の形態では、グランド用導体層121には、積層基板100の底面に垂直な方向に見たときに、インダクタ18を構成する導体層124,126,…と重ならないように、凹部121aが形成されている。このグランド用導体層121を含め、積層基板100における全てのグランド用導体層は、積層基板100の底面に垂直な方向に見たときに、インダクタ18を構成する導体層124,126,…と重ならない領域に配置されている。更に、本実施の形態では、インダクタ18を構成する導体層124,126,…を除いて、積層基板100の内部の全ての導体層は、積層基板100の底面に垂直な方向に見たときに、インダクタ18を構成する導体層124,126,…と重ならない領域に配置されている。これらのことから、本実施の形態によれば、インダクタ18と制御端子T9との間において浮遊容量が発生することを、より確実に防止することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る高周波モジュールおよび高周波回路について説明する。図9は、本実施の形態における積層基板100の上面の一部を示す平面図である。図10は、図9のA−A線断面図である。
本実施の形態では、インダクタ18は、積層基板100に搭載されたチップ型のチョークコイルになっている。図9に示したように、積層基板100の上面には、所定の間隔を開けて配置された一対の導体部131,132と、所定の間隔を開けて配置された一対の導体部133,134が設けられている。導体部131と導体部133は連結されている。インダクタ18は、導体部131,132間を接続するように、積層基板100に搭載されている。また、ダイオード17は、導体部133,134間を接続するように、積層基板100に搭載されている。
また、図10に示したように、導体部132に接続されたインダクタ18は、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、積層基板100の底面に垂直な方向に延びるスルーホール135を介して、制御端子T9に接続されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る高周波モジュールおよび高周波回路について説明する。本実施の形態に係る高周波モジュールおよび高周波回路の回路構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、図1における抵抗器15が、積層基板100に搭載され、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに制御端子T11に接続されている。
本実施の形態において、端子T12と端子T10とを接続する信号経路は、本発明における高周波信号経路に対応する。また、ダイオード11は、本発明における半導体スイッチ素子に対応する。また、端子T11とダイオード11のアノードとを接続する経路は、本発明における制御信号経路に対応する。インダクタ13は、本発明におけるインピーダンス素子に対応する。すなわち、端子T12を通過する高周波信号に対するインダクタ13のインピーダンスは、端子T11に入力される制御信号Vc2に対するインダクタ13のインピーダンスよりも大きい。本実施の形態において、インダクタ13は、積層基板100に搭載されたチップ型のチョークコイルであってもよいし、積層基板100の内部の導体層を用いて構成されたチョークコイルであってもよい。
ここで、図11ないし図14を参照して、本実施の形態に係る高周波モジュールと比較するための比較例の高周波モジュールについて説明する。図11は、比較例の高周波モジュールにおける端子T11,T12の近傍を示す回路図である。この比較例では、抵抗器15は、積層基板100に搭載され、積層基板100の内部の導体層を介して制御端子T11に接続されている。比較例のその他の構成は、本実施の形態と同様である。比較例では、図11に示したように、抵抗器15と端子T11との間の導体層に起因して、浮遊容量ΔC22、ΔC23および余分なインダクタンスΔL21が発生している。また、図11において、符号ΔC21は、端子T11と端子T12との間に発生する浮遊容量を表わしている。
図12は、比較例における積層基板の導体層のパターンを示す説明図である。図12において、(a)は、積層基板の底面に配置された端子の一部を示している。(a)に示したように、端子T11と端子T12は隣接している。
図12において、(b)は、第1層の上に配置された導体層の一部を示している。第1層の上には、グランド用導体層221が設けられている。このグランド用導体層211は、スルーホール222を介して端子T4に接続されていると共に、スルーホール223を介して端子T14に接続されている。
図12において、(c)は、第2層の上に配置された導体層の一部を示している。第2層の上には、キャパシタ用導体層224が設けられている。図11におけるキャパシタ14は、キャパシタ用導体層224とグランド用導体層221とによって構成されている。
図12において、(d)は、第3層の上に配置された導体層の一部を示している。第3層の上には、細長い導体層225が設けられている。この導体層225の一端は、スルーホール226を介して端子T11に接続されている。
図12において、(e)は、積層基板の上面の一部を示している。積層基板の上面には、所定の間隔を開けて配置された一対の導体部227,228が設けられている。導体部227は、スルーホール229を介してキャパシタ用導体層224に接続されている。導体部228は、スルーホール230を介して、導体層225の他端に接続されている。抵抗器15は、導体部227,228間を接続するように、積層基板に搭載されている。
図13は、図12(a)におけるB−B線で示される積層基板の断面を示す断面図である。
比較例では、抵抗器15と端子T11とを接続する導体層225によって、図11に示した余分なインダクタンスΔL21が発生する。また、比較例では、導体層225とキャパシタ用導体層224とによって、図11に示した浮遊容量ΔC22が発生する。また、比較例では、導体層225とグランド用導体層221とによって、図11に示した浮遊容量ΔC23が発生する。
上述のように、端子T11,T12間の浮遊容量ΔC21に加え、抵抗器15と端子T11とを接続する導体層225に起因した余分なインダクタンスΔL21や浮遊容量ΔC22、ΔC23が発生すると、端子T12を通過する高周波信号の周波数帯域において、局所的に、高周波信号のレベルの低下が生じる場合がある。図14は、比較例における端子T12と端子T10との間の利得の周波数特性の一例を示している。この例では、符号240で示したように、AGSM方式の受信信号の周波数帯域869MHz〜894MHzにおいて、局所的に高周波信号のレベルの低下が生じている。
本実施の形態では、第1層の上に配置された導体層および第2層の上に配置された導体層のパターンは、比較例と同様に、図12(b),(c)のようになっている。ただし、本実施の形態では、図12(d)に示した導体層225は設けられていない。
図15は、本実施の形態における積層基板100の上面の一部を示す平面図である。図16は、図15におけるC−C線で示される積層基板100の断面を示す断面図である。本実施の形態では、積層基板100の上面には、所定の間隔を開けて配置された一対の導体部141,142が設けられている。導体部141は、スルーホール143を介して端子T11に接続されている。導体部142は、スルーホール144を介してキャパシタ用導体層224に接続されている。抵抗器15は、導体部141,142間を接続するように、積層基板100に搭載されている。
このように、本実施の形態では、抵抗器15は、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、積層基板100の底面に垂直な方向に延びるスルーホール143を介して、制御端子T11に接続されている。従って、本実施の形態によれば、端子T12を通過する高周波信号の周波数帯域において、局所的に、高周波信号のレベルの低下が生じることを防止することができる。図17は、本実施の形態における端子T12と端子T10との間の利得の周波数特性の一例を示している。この例では、AGSM方式の受信信号の周波数帯域869MHz〜894MHzにおいて、局所的な高周波信号のレベルの低下は生じておらず、平坦で損失の小さな周波数特性が得られている。このように、本実施の形態によれば、高周波モジュール1の小型化に伴って隣接する端子間の距離が小さくなっても、高周波モジュール1および高周波回路の周波数特性の劣化を防止することができる。この効果は、特に、高周波信号が通過する信号端子T12と、この端子T12を通過する高周波信号の経路に配置されたダイオード11を制御するための制御信号Vc2が入力される制御端子T11とが隣接している場合に顕著になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、インダクタ18を、積層基板100に搭載されたチップ型のチョークコイルとすると共に、インダクタ18の一端を、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、スルーホール135を介して制御端子T9に接続してもよい。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図1におけるインダクタ37の一端を、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、積層基板100の底面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、制御端子T5に接続してもよい。また、図1における抵抗器49を、誘電体層と交互に積層された積層基板100内部の導体層を介さずに、積層基板100の底面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、制御端子T3に接続してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る高周波モジュールおよび高周波回路を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波モジュールを一部切り欠いて示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波モジュールにおける端子の配置を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に対する比較例の高周波モジュールの一部を示す回路図である。 図4に示した比較例における積層基板の導体層のパターンを示す説明図である。 図4に示した比較例における特性の一例を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態における積層基板の導体層のパターンを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における特性の一例を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態における積層基板の上面の一部を示す平面図である。 図9のA−A線断面図である。 本発明の第3の実施の形態に対する比較例の高周波モジュールの一部を示す回路図である。 図11に示した比較例における積層基板の導体層のパターンを示す説明図である。 図12(a)におけるB−B線で示される積層基板の断面を示す断面図である。 図11に示した比較例における特性の一例を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態における積層基板の上面の一部を示す平面図である。 図15におけるC−C線で示される積層基板の断面を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態における特性の一例を示す特性図である。 高周波スイッチの構成の一例を示す回路図である。
符号の説明
1…高周波モジュール、2…ダイプレクサ、3,5…高周波スイッチ、4…LPF、T1〜T14…端子、10…キャパシタ、11,17,22,31,41,52…ダイオード、13,18…インダクタ、15…抵抗器、100…積層基板。

Claims (5)

  1. 高周波信号の入力または出力のための2つの信号端子と、
    前記2つの信号端子を接続する高周波信号経路と、
    前記高周波信号経路に挿入され、印加される制御信号に応じて導通状態と非導通状態が選択される半導体スイッチ素子と、
    前記制御信号が入力される制御端子と、
    一端が前記高周波信号経路に接続され、他端が前記制御端子に接続された制御信号経路と、
    前記制御信号経路に挿入され、高周波信号に対するインピーダンスが制御信号に対するインピーダンスよりも大きくなるインピーダンス素子と、
    交互に積層された誘電体層と導体層とを含み、上記各要素を一体化する積層基板とを備え、
    前記インピーダンス素子は、前記導体層を用いて構成されたチョークコイルであり、且つ前記誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに前記制御端子に接続され
    前記導体層は、グランドに接続される1以上のグランド用導体層を含み、
    全てのグランド用導体層は、前記制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に見たときに、前記チョークコイルを構成する導体層と重ならない領域に配置されていることを特徴とする高周波モジュール。
  2. 高周波信号の入力または出力のための2つの信号端子と、
    前記2つの信号端子を接続する高周波信号経路と、
    前記高周波信号経路に挿入され、印加される制御信号に応じて導通状態と非導通状態が選択される半導体スイッチ素子と、
    前記制御信号が入力される制御端子と、
    一端が前記高周波信号経路に接続され、他端が前記制御端子に接続された制御信号経路と、
    前記制御信号経路に挿入され、高周波信号に対するインピーダンスが制御信号に対するインピーダンスよりも大きくなるインピーダンス素子と、
    交互に積層された誘電体層と導体層とを含み、上記各要素を一体化する積層基板とを備え、
    前記インピーダンス素子は、前記導体層を用いて構成されたチョークコイルであり、且つ前記誘電体層と交互に積層された積層基板内部の導体層を介さずに前記制御端子に接続され、
    前記チョークコイルを構成する導体層を除いて、前記積層基板の内部の全ての導体層は、前記制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に見たときに、前記チョークコイルを構成する導体層と重ならない領域に配置されていることを特徴とする高周波モジュール。
  3. 前記半導体スイッチ素子は、アノードが一方の信号端子に接続され、カソードが他方の信号端子に接続されたダイオードであり、
    前記制御信号経路の一端は、前記ダイオードのアノードに接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の高周波モジュール。
  4. 前記制御端子は、前記積層基板における積層方向の一方の端に位置する面に配置され、
    前記インピーダンス素子は、前記制御端子が配置された積層基板の面に垂直な方向に延びるスルーホールを介して、前記制御端子に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高周波モジュール。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の高周波モジュールと、
    前記高周波モジュールの外部に設けられ、一端が前記制御端子に接続されたキャパシタとを備えたことを特徴とする高周波回路。
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