JP4177282B2 - アンテナ切換モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、複数の誘電体セラミック層を積層した積層体を用いてアンテナ切換回路を形成したアンテナ切換モジュールに関するものである。
携帯電話等の移動体通信機器には、通信周波数帯域の異なる複数の通信システムにおいて通信が可能な、いわゆるマルチバンド対応の通信機器が知られている。マルチバンド対応の通信機器は、通信周波数帯域の異なる複数の通信システムのそれぞれに対応した送信回路および受信回路と、通信電波の送受信を行うアンテナ部と、これら複数の送信回路および受信回路とアンテナ部との間における信号経路の切換を行うアンテナ切換回路を形成したアンテナ切換モジュールとを備える。
従来、アンテナ切換モジュールには、小型化・高集積化を図るため、複数の誘電体セラミックス層を積層した積層体を用いてアンテナ切換回路を形成したアンテナ切換モジュールが知られている。積層体の内部には、アンテナ切換回路の一部を構成する複数の回路素子が導体パターンによって形成されている。
積層体内部の導体パターンによって構成することのできない種々の回路素子は、表面実装部品(チップ部品)として積層体の表面に実装されている。この表面実装部品としては、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ回路をチップに形成したSAWチップや、ダイオード,コイル,抵抗器等がある。
積層体の表面には、表面実装部品と積層体内部の回路素子とを電気的に接続する複数のランドが導体パターンによって形成され、これらのランドとしては、SAWチップにグランド電位を提供するSAW接地ランドがある。下記特許文献には、積層体の表面にSAW接地ランドが形成されたアンテナ切換モジュールが開示されている。
特開2003−23370号公報
しかしながら、従来、SAW接地ランドに対する積層体内部の回路素子の配置に十分な配慮がなされていなかった。つまり、SAW接地ランドを形成する導体パターンと、積層体内部の回路素子を形成する導体パターンとの間に寄生回路素子が形成されることによって、アンテナ切換回路の電気特性に悪影響を及ぼす場合があった。
本発明は、上記した課題を踏まえ、アンテナ切換モジュールにおいて電気特性の向上を図ることを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明のアンテナ切換モジュールは、通信周波数の異なる複数の通信システムのそれぞれに対応する送信回路および受信回路と、通信電波の送受信を行うアンテナ部との間における信号経路の切換を行うアンテナ切換回路を、複数の誘電体セラミック層を積層した積層体に形成したアンテナ切換モジュールであって、前記アンテナ切換回路の一部を構成するSAWフィルタ回路をチップに形成したSAWチップを備え、前記積層体の最外層表面に、前記SAWチップに対してグランド電位を提供する複数のSAW接地ランドを、該複数のSAW接地ランドを一体的に連結した導体パターンによって形成し、前記積層体の内部に、前記アンテナ切換回路の一部を構成する複数の回路素子のうち他の回路素子間を電気的に接続する少なくとも一つの非接地コンデンサを導体パターンによって形成し、全ての前記非接地コンデンサは、前記SAW接地ランドが形成されている層よりも下層に形成されると共に、前記SAW接地ランドを形成する導体パターンが前記最外層表面に占める領域を前記積層体の積層方向に沿って該内部に投影した接地投影領域の外に形成されたことを特徴とする。
このアンテナ切換モジュールによれば、SAW接地ランドを形成する導体パターンと、非接地コンデンサを形成する導体パターンとの間に寄生コンデンサが形成されることを回避できるため、アンテナ切換回路の電気特性の向上を図ることができる。
上記の構成を有する本発明のアンテナ切換モジュールは、以下の態様を採ることもできる。前記最外層に隣接する誘電体セラミック層の面上における前記接地投影領域に、グランドに接続されるグランドパターンを導体パターンによって形成しても良い。これによって、SAW接地ランドを形成する導体パターンが、グランドパターンによって隔離され、積層体内部における回路素子を形成する導体パターンとの間に寄生回路素子が形成されることを防止することができる。
また、前記接地投影領域に、前記アンテナ切換回路の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成しても良い。非接地コンデンサと比較してSAW接地ランドとの関係で電気特性に与える影響が小さいコイルを接地投影領域に形成することによって、電気特性の向上を図りつつ、アンテナ切換モジュールの小型化を図ることができる。
また、本発明のアンテナ切換モジュールの前記アンテナ切換回路は、前記複数の通信システムのうち所定通信周波数以上の高周波側通信システムに対する前記信号経路の切換を行う高周波側スイッチ回路と、前記複数の通信システムのうち前記高周波側通信システムとは異なる低周波側通信システムに対する前記信号経路の切換を行う低周波側スイッチ回路と、前記高周波側スイッチ回路および前記低周波側スイッチ回路と前記アンテナ部との間における各受信信号および各送信信号の分配を行うダイプレクサ回路とを備えたものであっても良い。
このアンテナ切換回路を備えたアンテナ切換モジュールの場合には、前記ダイプレクサ回路は、前記低周波側スイッチ回路に接続する信号経路に内部ローパスフィルタ回路を備え、前記接地投影領域に、前記内部ローパスフィルタ回路の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成した態様や、前記接地投影領域に、前記高周波側スイッチ回路および前記低周波側スイッチ回路の少なくとも一方の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成した態様を採用しても良い。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用したアンテナ切換モジュールについて、次の順序で説明する。
目次
A.実施例
A−(1).アンテナ切換モジュール10の回路構成
A−(2).アンテナ切換モジュール10の構造
A−(3).積層体100の上面の詳細構造
A−(4).積層体100の各層の詳細構造
A−(5).積層体100の底面の詳細構造
A−(6).アンテナ切換モジュール10の製造方法
B.その他の実施形態
A.実施例:
本発明の実施例の一つであるアンテナ切換モジュール10について説明する。アンテナ切換モジュール10は、GSM(Global System for Mobile Communications)およびDCS(Digital Communication System)の2つの通信システムに準拠した、いわゆるデュアルバンドの携帯電話の基板上に実装されるモジュールである。アンテナ切換モジュール10には、携帯電話におけるGSMシステムおよびDCSシステムのそれぞれに対応した送信回路および受信回路と、通信電波の送受信を行うアンテナ部との間における信号経路の切換を行うアンテナ切換回路AC1が形成されている。
A−(1).アンテナ切換モジュール10の回路構成:
アンテナ切換モジュール10に形成されたアンテナ切換回路AC1について説明する。図1は、アンテナ切換回路AC1を示す回路図である。なお、以下の説明において、アンテナ切換回路AC1の一部を構成する複数の回路素子のうち他の回路素子間を電気的に接続するコンデンサを「非接地コンデンサ」という。図1では、非接地コンデンサの符号に下線が付されている。
アンテナ切換回路AC1は、入出力端子として、アンテナ部に接続されるアンテナ端子ANTと、GSM系の送信回路に接続される送信端子TX1と、GSM系の受信回路に接続される受信端子RX1a,RX1bと、GSM系の送受信経路の切換を制御する制御回路に接続される制御端子VC1と、DCS系の送信回路に接続される送信端子TX2と、DCS系の受信回路に接続される受信端子RX2a,RX2bと、DCS系の送受信経路の切換を制御する制御回路に接続される制御端子VC2とを有する。
アンテナ切換回路AC1を構成する主要な回路として、GSM系の信号経路の切換を行うスイッチ回路SW1と、DCS系の信号経路の切換を行うスイッチ回路SW2と、スイッチ回路SW1,SW2に対して各受信信号および各送信信号の分配を行うダイプレクサ回路DPとがある。
アンテナ端子ANTとダイプレクサ回路DPとを接続する信号経路には、ローパスフィルタ回路LPF3が配設されている。ローパスフィルタ回路LPF3には、アンテナ端子ANT側から順に、片側がグランドに接続されるコンデンサC2,C3が接続されている。コンデンサC2,C3間には、コンデンサC1とコイルL1とが並行して接続され、ローパスフィルタ(LCエリピティックフィルタ)として構成されている。このローパスフィルタ回路LPF3は、DCSシステムの通信周波数帯域に対する二次高調波(3.42〜3.57ギガヘルツ(以下、GHzと表記))以上の信号を減衰させる。なお、コンデンサC1は、非接地コンデンサである。
ダイプレクサ回路DPにおけるスイッチ回路SW1側に接続する信号経路には、ローパスフィルタ回路LPF3側にコイルL2が接続され、その後段は、コンデンサC7を介してグランドに接続されるコイルL3が接続され、LCローパスフィルタとして構成されている。このLCローパスフィルタは、GSMシステムの通信周波数帯域(0.824〜0.894GHz)の信号を通過させ、それよりも高い周波数の信号を減衰させる。
ダイプレクサ回路DPにおけるスイッチ回路SW2側に接続する信号経路には、ローパスフィルタ回路LPF3側から順に、コンデンサC4,C5が直列して接続されている。コンデンサC4,C5間は、コンデンサC6を介してグランドに接続されるコイルL4が接続され、LCハイパスフィルタとして構成されている。このLCハイパスフィルタは、DCSシステムの通信周波数帯域(1.710〜1.880GHz)の信号を通過させ、それよりも低い周波数の信号を減衰させる。なお、コンデンサC4,C5は、非接地コンデンサである。
スイッチ回路SW1における受信端子RX1a,RX1b側の信号経路には、ダイプレクサ回路DP側から順に、片側がグランドに接続されるコンデンサC8と、コイルL5と、片側がグランドに接続されるコンデンサC9とが接続され、その後段には、アノード側がコンデンサC10を介してグランドに接続されるダイオードD2が接続されている。ダイオードD2とコンデンサC10との間には、制御端子VC1が接続されている。
スイッチ回路SW1における送信端子TX1側の信号経路には、ダイプレクサ回路DP側から順に、アノード側がダイプレクサ回路DP側に接続されたダイオードD1と、片側が抵抗器R1を介してグランドに接続されるコイルL10とが接続されている。スイッチ回路SW1は、制御端子VC1に印加される制御電圧によるダイオードD1,D2のON/OFFによって、受信端子RX1a,RX1b側および送信端子TX1側の信号経路の切換を行う。
スイッチ回路SW1と受信端子RX1a,RX1bとの間の信号経路には、平衡型のSAWフィルタ回路SAW1が接続されている。このSAWフィルタ回路SAW1は、GSMシステムの受信周波数帯域(0.869〜0.894GHz)の信号を通過させ、それ以外の周波数の信号を減衰させる。
スイッチ回路SW1と送信端子TX1とを接続する信号経路には、ローパスフィルタ回路LPF1が配設されている。ローパスフィルタ回路LPF1には、スイッチ回路SW1側から順に、片側がグランドに接続されるコンデンサC12,C13が接続されている。コンデンサC12,C13間には、コンデンサC11とコイルL6とが並行して接続され、ローパスフィルタ(LCエリピティックフィルタ)として構成されている。このローパスフィルタ回路LPF1は、GSMシステムの送信周波数帯域(0.824〜0.849GHz)以上の信号を減衰させる。なお、コンデンサC11は、非接地コンデンサである。
スイッチ回路SW2における受信端子RX2a,RX2b側の信号経路には、ダイプレクサ回路DP側から順に、片側がグランドに接続されるコンデンサC14と、コイルL7と、片側がグランドに接続されるコンデンサC15とが接続され、その後段には、アノード側がコンデンサC16を介してグランドに接続されるダイオードD4が接続されている。ダイオードD4とコンデンサC16との間には、抵抗器R2を介して制御端子VC2が接続されている。
スイッチ回路SW2における送信端子TX2側の信号経路には、ダイプレクサ回路DP側から順に、アノード側がダイプレクサ回路DP側に接続されたダイオードD3と、コンデンサC20およびコイルL9とが並列に接続され、その後段には、片側がグランドに接続されるコイルL11が接続されている。スイッチ回路SW2は、制御端子VC2に印加される制御電圧によるダイオードD3,D4のON/OFFによって、受信端子RX2a,RX2b側および送信端子TX2側の信号経路の切換を行う。なお、コンデンサC20は、非接地コンデンサである。
スイッチ回路SW2と受信端子RX2a,RX2bとの間の信号経路には、平衡型のSAWフィルタ回路SAW2が接続されている。このSAWフィルタ回路SAW2は、DCSシステムの受信周波数帯域(1.805〜1.880GHz)の信号を通過させ、それ以外の周波数の信号を減衰させる。
スイッチ回路SW2と送信端子TX2とを接続する信号経路には、ローパスフィルタ回路LPF2が配設されている。ローパスフィルタ回路LPF2には、スイッチ回路SW2側から順に、片側がグランドに接続されるコンデンサC18,C19が接続されている。コンデンサC18,C19間には、コンデンサC17とコイルL8とが並行して接続され、ローパスフィルタ(LCエリピティックフィルタ)として構成されている。このローパスフィルタ回路LPF2は、DCSシステムの送信周波数帯域(1.710〜1.785GHz)以上の信号を減衰させる。なお、コンデンサC17は、非接地コンデンサである。
これらの回路構成によって、アンテナ切換回路AC1は、制御端子VC1,VC2の各制御電圧に基づいて、GSMシステムおよびDCSシステムの各送受信系と、1つのアンテナ部との間における信号経路の切換を行うことができる。
A−(2).アンテナ切換モジュール10の構造:
アンテナ切換モジュール10の構造について説明する。図2は、アンテナ切換モジュール10の外観構造を示す斜視図である。アンテナ切換モジュール10は、9層の誘電体(ガラス)セラミック層を積層した四角柱状の積層体100と、積層体100の最上層表面に実装された種々の表面実装部品と、これらの表面実装部品の上部を覆う導体金属製のシールドキャップSCとを備える。既述したアンテナ切換回路AC1は、積層体100および種々の表面実装部品によって形成されている。なお、積層体100の積層面の一辺は、5ミリメートル(以下、mmと表記する)程度である。
積層体100のガラスセラミック層は、アルミナおよびガラスを含むガラスセラミック材料から成る。積層体100の内部には、アンテナ切換回路AC1の一部を構成する種々の回路素子が、各ガラスセラミック層に形成された導体パターンによって形成されている。各層の導体パターン間は、ガラスセラミック層を貫通するスルーホールもしくはビアホールによって電気的に接続されている。積層体内部の導体パターンやスルーホール,ビアホールは、銀を主成分とした導体材料から成る。なお、積層体100の各層の詳細構造については後述する。
図3は、アンテナ切換モジュール10の上面図である。積層体100に実装された種々の表面実装部品は、図1に示したアンテナ切換回路AC1の一部を構成する部品である。これらの表面実装部品としては、SAWフィルタ回路SAW1,SAW2をチップに形成したSAWチップSFと、ダイオードD1,D2,D3,D4と、コイルL9,L10,L11と、コンデンサC10と、抵抗器R1,R2とがある。これら表面実装部品の上部を覆うシールドキャップSCは、積層体100の最層表面に半田付けされ、アンテナ切換モジュール10が携帯電話のプリント基板(図示しない)に実装された際に積層体100の各層を介してグランドへ電気的に接続される。
A−(3).積層体100の上面の詳細構造:
積層体100の上面の詳細構造について説明する。図4は、積層体100の最上層表面のオーバコート材195を示す上面図である。図5は、積層体100の最上層である第9セラミック層190を示す上面図である。
積層体100の最上層である第9セラミック層190の表面には、図5に示すように、導体パターン192が形成されている。なお、図面の認識の容易化を図るため、図5における導体パターン192には、ハッチングが施されている。導体パターン192が形成された第9セラミック層190の上には、図4に示すように、複数の開口部OPTを有するオーバコート材195がコーティング(被覆)されている。オーバコート材195は、第9セラミック層190と同様のアルミナおよびガラスを含むガラスセラミック材料にコバルトを添加した材料から成る。
図3に示した種々の表面実装部品は、オーバコート材195の開口部OPTから露出した導体パターン192の各部分に、それぞれ半田付けによって実装される。図5に示した導体パターン192は、表面実装部品のうちのSAWチップSFに対してグランド電位を提供するSAW接地ランドパターン部LSGを有する。SAW接地ランドパターン部LSGは、アンテナ切換モジュール10が携帯電話のプリント基板(図示しない)に実装された際に積層体100内部の各層を介してグランドへ電気的に接続される。
SAW接地ランドパターン部LSGは、オーバコート材195の開口部OPTによってSAWチップSFに対して4箇所で露出する。SAW接地ランドパターン部LSGの形状は、露出する4箇所間を各露出箇所の幅で連結したような形状である。なお、SAW接地ランドパターン部LSGは、コイルL11や抵抗器R1,シールドキャップSCに対してグランド電位を提供する各部分に対しても、これらの露出部の幅よりも細い部分によって連結されている。
A−(4).積層体100の各層の詳細構造:
積層体100の各層の詳細構造について説明する。図6〜図13は、積層体100の第8セラミック層180から第1セラミック層110の順に各層を示す上面図である。図6〜図13には、図5に示したSAW接地ランドパターン部LSGが第9セラミック層190に占める領域を積層体100の積層方向に沿って各層に投影した接地投影領域GPAが示され、非接地コンデンサの符号に下線が付されている。なお、図6〜図13では、図面の認識の容易化を図るため、各導体パターンには左下がりのハッチングが施され、各スルーホールには右下がりのハッチングが施され、導体パターンの下に位置するスルーホールの図示は省略されている。
第8セラミック層180の上面には、図6に示すように、種々の回路素子を形成する導体パターン182と、複数のスルーホール184とが形成されている。導体パターン182は、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコイルL1,L2,L3,L5,L6,L7,L8と、コンデンサC5,C20とを形成する。ダイプレクサ回路DP内部のローパスフィルタの一部を構成するコイルL2,L3や、スイッチ回路SW1の一部を構成するL5は、接地投影領域GPAに重なる位置に形成されている。非接地コンデンサであるコンデンサC5,C20は、接地投影領域GPAの外に形成されている。
第7層セラミック層170の上面には、図7に示すように、種々の回路素子を形成する導体パターン172と、複数のスルーホール174とが形成されている。導体パターン172は、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコンデンサC4,C5,C20を形成する。非接地コンデンサであるコンデンサC4,C5,C20は、接地投影領域GPAの外に形成されている。
第6セラミック層160の上面には、図8に示すように、種々の回路素子を形成する導体パターン162と、複数のスルーホール164とが形成されている。導体パターン162は、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコイルL1,L2,L3,L5,L6,L7,L8と、コンデンサC4とを形成する。ダイプレクサ回路DP内部のローパスフィルタの一部を構成するコイルL2,L3は、接地投影領域GPAに重なる位置に形成されている。非接地コンデンサであるコンデンサC4は、接地投影領域GPAの外に形成されている。
第5セラミック層150の上面には、図9に示すように、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコイルL4を形成する導体パターン152と、複数のスルーホール154とが形成されている。
第4セラミック層140の上面には、図10に示すように、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコイルL4を形成する導体パターン142と、複数のスルーホール144とが形成されている。
第3セラミック層130の上面には、図11に示すように、種々の回路素子を形成する導体パターン132と、複数のスルーホール134とが形成されている。導体パターン132は、グランドに接続されるグランドパターンGP1と、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコンデンサC1,C3,C11,C17とを形成する。非接地コンデンサであるコンデンサC1,C11,C17は、接地投影領域GPAの外に形成されている。
第2セラミック層120の上面には、図12に示すように、種々の回路素子を形成する導体パターン122と、複数のスルーホール124とが形成されている。導体パターン122は、図1に示したアンテナ切換回路AC1を構成する回路素子の一部であるコンデンサC1,C2,C6,C7,C8,C9,C11,C12,C13,C14,C15,C16,C17,C18,C19を形成する。非接地コンデンサであるコンデンサC1,C11,C17は、接地投影領域GPAの外に形成されている。
第1セラミック層110の上面には、図13に示すように、グランドに接続されるグランドパターンGP2を形成する導体パターン112と、スルーホール114とが形成されている。
A−(5).積層体100の底面の詳細構造:
積層体100の底面の詳細構造について説明する。図14は、積層体100の底面図である。なお、図14に示す積層体100の底面は、図13に示した第1セラミック層110の裏面でもある。
積層体100の底面である第1セラミック層110の裏面には、図14に示すように、種々の接続端子を形成する導体パターン116が形成されている。導体パターン116は、図1のアンテナ切換回路AC1に示したアンテナ端子ANTと、送信端子TX1,TX2と、受信端子RX1a,RX1b,RX2a,RX2bと、制御端子VC1,VC2との他、グランドに接続されるグランド端子GND1,GND2,GND3,GND4,GND4,GND5,GND6とを形成する。
A−(6).アンテナ切換モジュール10の製造方法:
アンテナ切換モジュール10の製造方法について説明する。図15は、アンテナ切換モジュール10の製造工程の概略を示す説明図である。アンテナ切換モジュール10を製造する際には、始めに、誘電体材料の一つである低温焼成可能なガラスセラミック材料から成るグリーンシートを複数用意する(工程S110)。グリーンシートの大きさは、複数個分の積層体100の大きさである。
その後、各グリーンシートに、図5〜14に示したように、スルーホールおよび導体パターンを積層体100の各層に対応させて形成する(工程S120)。スルーホールについては、スルーホールを形成する箇所に穴を開けた後、その穴に導体ペーストを充填させることによって形成する。導体パターンについては、導体ペーストを印刷することによって形成する。なお、本実施例の導体ペーストの材料は、銀を主体とする材料を用いる。この工程において、第9セラミック層190に対応するグリーンシートには、図4に示したオーバコート材195がコーティングされる。
導体パターンを形成した後(工程S120)、積層体100の各層の導体パターンが形成されたグリーンシートを、積層体100における各層の並びの順で積層する(工程S130)。
グリーンシートを積層した後(工程S130)、積層したグリーンシートを焼成する(工程S140)。その後、焼成したグリーンシートにおける各積層体100の表面に現れている導体パターンにニッケル−金メッキを施し(工程S150)、各積層体100の最上層表面に、SAWチップSFやダイオードD3等の表面実装部品やシールドキャップSCを半田付けする(工程S160)。その後、各積層体100を形成する個片毎に分割することで(工程S170)、アンテナ切換モジュール10が完成する。
以上説明した本発明のアンテナ切換モジュール10によれば、SAW接地ランドパターン部LSGと、非接地コンデンサであるコンデンサC1,C4,C5,C11,C17,C20を形成する導体パターンとの間に寄生コンデンサが形成されることを回避できるため、アンテナ切換回路AC1の電気特性の向上を図ることができる。
また、非接地コンデンサと比較してSAW接地ランドパターン部LSGとの関係で電気特性に与える影響が小さいコイルL2,L3,L5を接地投影領域GPAに重なる位置に形成することによって、電気特性の向上を図りつつ、アンテナ切換モジュール10の小型化を図ることができる。
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、積層体100の第9セラミック層190と第8セラミック層180との間に、図16に示す第8.5セラミック層185を挿入しても良い。第8.5セラミック層185の面上における接地投影領域GPAには、グランドに接続されるグランドパターンGP3が導体パターン187によって形成されている。グランドパターンGP3は、接地投影領域GPAの全体を覆う形状である。第8.5セラミック層185および導体パターン187の材質は、他の層のものと同様である。この場合には、SAW接地ランドパターン部LSGが、グランドパターンGP3によって隔離され、積層体100内部における回路素子を形成する導体パターンとの間に寄生回路素子が形成されることを防止することができる。なお、図16では、第8.5セラミック層185におけるスルーホールの図示は省略されている。
また、アンテナ切換モジュールが取り扱う通信システムは、GSMおよびDCSに限るものではなく、EGSM(Extended Global System for Mobile Communications)やPCS(Personal Communication Service)などの他の通信システムを取り扱うモジュールに本発明を適用しても良い。また、アンテナ切換モジュールが形成するアンテナ切換回路は、デュアルバンドに対応したものに限るものではなく、トリプルバンドやクワッドバンドに対応したものであっても良い。
アンテナ切換回路AC1を示す回路図である。 アンテナ切換モジュール10の外観構造を示す斜視図である。 アンテナ切換モジュール10の上面図である。 積層体100の最上層表面のオーバコート材195を示す上面図である。 積層体100の最上層である第9セラミック層190を示す上面図である。 積層体100の第8セラミック層180を示す上面図である。 積層体100の第7セラミック層170を示す上面図である。 積層体100の第6セラミック層160を示す上面図である。 積層体100の第5セラミック層150を示す上面図である。 積層体100の第4セラミック層140を示す上面図である。 積層体100の第3セラミック層130を示す上面図である。 積層体100の第2セラミック層120を示す上面図である。 積層体100の第1セラミック層110を示す上面図である。 積層体100の底面図である。 アンテナ切換モジュール10の製造工程の概略を示す説明図である。 その他の実施形態における第8.5セラミック層185を示す上面図である。
符号の説明
10...アンテナ切換モジュール
100...積層体
110...第1セラミック層
112,116,122,132,142,152,162,172,182,187,192...導体パターン
114,124,134,144,154,164,174,184...スルーホール
120...第2セラミック層
130...第3セラミック層
140...第4セラミック層
150...第5セラミック層
160...第6セラミック層
170...第7セラミック層
180...第8セラミック層
185...第8.5セラミック層
190...第9セラミック層
195...オーバコート材
GPA...接地投影領域
OPT...開口部
AC1...アンテナ切換回路
SAW1,SAW2...SAWフィルタ回路
DP...ダイプレクサ回路
LPF1〜3...ローパスフィルタ回路
C1〜20...コンデンサ
D1〜4...ダイオード
GP1〜3...グランドパターン
L1〜11...コイル
R1,R2...抵抗器
SC...シールドキャップ
SW1,SW2...スイッチ回路
ANT...アンテナ端子
TX1,TX2...送信端子
RX1a,RX1b,RX2a,RX2b...受信端子
VC1,VC2...制御端子
GND1〜6...グランド端子

Claims (6)

  1. 通信周波数の異なる複数の通信システムのそれぞれに対応する送信回路および受信回路と、通信電波の送受信を行うアンテナ部との間における信号経路の切換を行うアンテナ切換回路を、複数の誘電体セラミック層を積層した積層体に形成したアンテナ切換モジュールであって、
    前記アンテナ切換回路の一部を構成するSAWフィルタ回路をチップに形成したSAWチップを備え、
    前記積層体の最外層表面に、前記SAWチップに対してグランド電位を提供する複数のSAW接地ランドを、該複数のSAW接地ランドを一体的に連結した導体パターンによって形成し、
    前記積層体の内部に、前記アンテナ切換回路の一部を構成する複数の回路素子のうち他の回路素子間を電気的に接続する少なくとも一つの非接地コンデンサを導体パターンによって形成し、
    全ての前記非接地コンデンサは、前記SAW接地ランドが形成されている層よりも下層に形成されると共に、前記SAW接地ランドを形成する導体パターンが前記最外層表面に占める領域を前記積層体の積層方向に沿って該内部に投影した接地投影領域の外に形成された
    アンテナ切換モジュール。
  2. 前記最外層に隣接する誘電体セラミック層の面上における前記接地投影領域に、グランドに接続されるグランドパターンを導体パターンによって形成した請求項1記載のアンテナ切換モジュール。
  3. 前記接地投影領域に、前記アンテナ切換回路の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成した請求項1または2記載のアンテナ切換モジュール。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載のアンテナ切換モジュールであって、
    前記アンテナ切換回路は、
    前記複数の通信システムのうち所定通信周波数以上の高周波側通信システムに対する前記信号経路の切換を行う高周波側スイッチ回路と、
    前記複数の通信システムのうち前記高周波側通信システムとは異なる低周波側通信システムに対する前記信号経路の切換を行う低周波側スイッチ回路と、
    前記高周波側スイッチ回路および前記低周波側スイッチ回路と前記アンテナ部との間における各受信信号および各送信信号の分配を行うダイプレクサ回路と
    を備えた
    アンテナ切換モジュール。
  5. 請求項4記載のアンテナ切換モジュールであって、
    前記ダイプレクサ回路は、前記低周波側スイッチ回路に接続する信号経路に内部ローパスフィルタ回路を備え、
    前記接地投影領域に、前記内部ローパスフィルタ回路の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成した
    アンテナ切換モジュール。
  6. 請求項4または5記載のアンテナ切換モジュールであって、
    前記接地投影領域に、前記高周波側スイッチ回路および前記低周波側スイッチ回路の少なくとも一方の一部を構成するコイルを導体パターンによって形成した
    アンテナ切換モジュール。
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