以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の一実施の形態に係る高周波モジュールは、4つの周波数帯域に対応可能な携帯電話機におけるフロントエンドモジュールとして用いられるものである。具体的には、本実施の形態に係る高周波モジュールは、AGSM(American Global System for Mobile Communications)方式の送信信号および受信信号と、EGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式の送信信号および受信信号と、DCS(Digital Cellular System)方式の送信信号および受信信号と、PCS(Personal Communications Service)方式の送信信号および受信信号とを処理する。
AGSM方式の送信信号の周波数帯域は824MHz〜849MHzである。AGSM方式の受信信号の周波数帯域は869MHz〜894MHzである。EGSM方式の送信信号の周波数帯域は880MHz〜915MHzである。EGSM方式の受信信号の周波数帯域は925MHz〜960MHzである。DCS方式の送信信号の周波数帯域は1710MHz〜1785MHzである。DCS方式の受信信号の周波数帯域は1805MHz〜1880MHzである。PCS方式の送信信号の周波数帯域は1850MHz〜1910MHzである。PCS方式の受信信号の周波数帯域は1930MHz〜1990MHzである。
図1は、本実施の形態に係る高周波モジュールの回路構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る高周波モジュール1は、アンテナ端子ANTと、2つのAGSM受信信号端子Rx11,Rx12と、2つのEGSM受信信号端子Rx21,Rx22と、2つのDCS受信信号端子Rx31,Rx32と、2つのPCS受信信号端子Rx41,Rx42と、送信信号端子Tx1,Tx2と、制御端子Vc1,Vc2とを備えている。
アンテナ端子ANTは、アンテナ101に接続される。AGSM受信信号端子Rx11,Rx12は、平衡信号の状態のAGSM方式の受信信号を出力する。EGSM受信信号端子Rx21,Rx22は、平衡信号の状態のEGSM方式の受信信号を出力する。DCS受信信号端子Rx31,Rx32は、平衡信号の状態のDCS方式の受信信号を出力する。PCS受信信号端子Rx41,Rx42は、平衡信号の状態のPCS方式の受信信号を出力する。端子Rx11,Rx21,Rx31,Rx41は、本発明における第1の受信信号端子に対応し、端子Rx12,Rx22,Rx32,Rx42は、本発明における第2の受信信号端子に対応する。
送信信号端子Tx1には、AGSM方式の送信信号とEGSM方式の送信信号とが入力される。送信信号端子Tx2には、DCS方式の送信信号とPCS方式の送信信号とが入力される。制御端子Vc1には、第1の制御信号が入力される。制御端子Vc2には、第2の制御信号が入力される。
端子ANT,Rx11,Rx12,Rx21,Rx22,Rx31,Rx32,Rx41,Rx42,Tx1,Tx2,Vc1,Vc2は、外部回路に接続されるようになっている。
高周波モジュール1は、更に、ダイプレクサ10と、2つのスイッチ回路20,50と、2つのローパスフィルタ(以下、LPFとも記す。)30,60と、2つの位相回路40,70と、AGSM受信用SAWフィルタ111と、EGSM受信用SAWフィルタ113と、DCS受信用SAWフィルタ115と、PCS受信用SAWフィルタ117とを備えている。ダイプレクサ10は、アンテナ端子ANTおよびスイッチ回路20,50に接続されている。
スイッチ回路20は、3つのポートP1〜P3を有している。ポートP1はダイプレクサ10に接続されている。ポートP2はLPF30に接続されている。ポートP3は位相回路40に接続されている。また、スイッチ回路20は、制御端子Vc1に接続されている。そして、スイッチ回路20は、制御端子Vc1からの第1の制御信号の状態に応じて、ポートP2またはポートP3を選択的にポートP1に接続する。
スイッチ回路50は、3つのポートP4〜P6を有している。ポートP4はダイプレクサ10に接続されている。ポートP5はLPF60に接続されている。ポートP6は位相回路70に接続されている。また、スイッチ回路50は、制御端子Vc2に接続されている。そして、スイッチ回路50は、制御端子Vc2からの第2の制御信号の状態に応じて、ポートP5またはポートP6を選択的にポートP4に接続する。
LPF30は、スイッチ回路20のポートP2と送信信号端子Tx1との間に挿入されている。LPF30は、AGSM方式の送信信号およびEGSM方式の送信信号に含まれる高調波成分を除去する。
LPF60は、スイッチ回路50のポートP5と送信信号端子Tx2との間に挿入されている。LPF60は、DCS方式の送信信号およびPCS方式の送信信号に含まれる高調波成分を除去する。
位相回路40は、スイッチ回路20のポートP3とAGSM受信用SAWフィルタ111とEGSM受信用SAWフィルタ113とに接続されている。位相回路40は、ポートP3からのAGSM方式の受信信号がSAWフィルタ111に送られ、ポートP3からのEGSM方式の受信信号がSAWフィルタ113に送られるように、ポートP3とSAWフィルタ111との間の信号経路とポートP3とSAWフィルタ113との間の信号経路のそれぞれにおけるインピーダンス特性を調整する。
位相回路70は、スイッチ回路50のポートP6とDCS受信用SAWフィルタ115とPCS受信用SAWフィルタ117とに接続されている。位相回路70は、ポートP6からのDCS方式の受信信号がSAWフィルタ115に送られ、ポートP6からのPCS方式の受信信号がSAWフィルタ117に送られるように、ポートP6とSAWフィルタ115との間の信号経路とポートP6とSAWフィルタ117との間の信号経路のそれぞれにおけるインピーダンス特性を調整する。
SAWフィルタ111,113,115,117は、いずれも、弾性波素子としての弾性表面波(SAW)素子を用いて構成されたバンドパスフィルタである。なお、SAWフィルタ111,113,115,117の代わりに、弾性波素子としてのバルク弾性波素子を用いて構成されたフィルタを設けてもよい。弾性表面波素子が圧電体の表面を伝播する音波(弾性表面波)を利用しているのに対し、バルク弾性波素子は、圧電体内部を伝播する音波(バルク弾性波)を利用するものである。
SAWフィルタ111,113,115,117は、いずれも、不平衡信号が入力される1つの入力端と平衡信号を出力する2つの出力端とを有している。SAWフィルタ111の入力端は位相回路40に接続され、SAWフィルタ111の2つの出力端は受信信号端子Rx11,Rx12に接続されている。SAWフィルタ113の入力端は位相回路40に接続され、SAWフィルタ113の2つの出力端は受信信号端子Rx21,Rx22に接続されている。SAWフィルタ115の入力端は位相回路70に接続され、SAWフィルタ115の2つの出力端は受信信号端子Rx31,Rx32に接続されている。SAWフィルタ117の入力端は位相回路70に接続され、SAWフィルタ117の2つの出力端は受信信号端子Rx41,Rx42に接続されている。
SAWフィルタ111は、AGSM方式の受信信号を通過させ、AGSM方式の受信信号の周波数帯域外の周波数の信号を遮断する。SAWフィルタ113は、EGSM方式の受信信号を通過させ、EGSM方式の受信信号の周波数帯域外の周波数の信号を遮断する。SAWフィルタ115は、DCS方式の受信信号を通過させ、DCS方式の受信信号の周波数帯域外の周波数の信号を遮断する。SAWフィルタ117は、PCS方式の受信信号を通過させ、PCS方式の受信信号の周波数帯域外の周波数の信号を遮断する。また、SAWフィルタ111,113,115,117は、いずれも、入力端に入力される不平衡信号を平衡信号に変換して出力端より出力する機能を有している。
次に、図2を参照して、図1に示した高周波モジュール1の回路構成について詳しく説明する。図2は、高周波モジュール1の回路構成を示す回路図である。
ダイプレクサ10は、インダクタ11,15と、キャパシタ12,13,14,16とを有している。インダクタ11およびキャパシタ12,13の各一端はアンテナ端子ANTに接続されている。インダクタ11およびキャパシタ12の各他端はスイッチ回路20のポートP1に接続されている。キャパシタ14の一端はキャパシタ13の他端に接続されている。キャパシタ14の他端はスイッチ回路50のポートP4に接続されている。インダクタ15の一端はキャパシタ13の他端に接続されている。インダクタ15の他端は、キャパシタ16を介して接地されている。
インダクタ11およびキャパシタ12は、AGSM方式の信号およびEGSM方式の信号を通過させ、DCS方式の信号およびPCS方式の信号を遮断するローパスフィルタを構成する。キャパシタ13,14,16およびインダクタ15は、DCS方式の信号およびPCS方式の信号を通過させ、AGSM方式の信号およびEGSM方式の信号を遮断するバンドパスフィルタを構成する。
スイッチ回路20は、ポートP1〜P3と、インダクタ21,25と、キャパシタ22〜24と、抵抗器R1と、ダイオードD1,D2とを有している。インダクタ21およびキャパシタ24の各一端およびダイオードD1のアノードは、ポートP1に接続されている。キャパシタ24の他端は接地されている。ダイオードD1のカソードおよびインダクタ25の一端は、ポートP2に接続されている。インダクタ25の他端は接地されている。インダクタ21の他端およびダイオードD2のカソードは、ポートP3に接続されている。ダイオードD2のアノードは、抵抗器R1の一端に接続されていると共に、キャパシタ22を介して接地されている。抵抗器R1の他端は制御端子Vc1に接続されていると共に、キャパシタ23を介して接地されている。
LPF30は、インダクタ31と、キャパシタ32〜34とを有している。インダクタ31およびキャパシタ33,34の各一端は、送信信号端子Tx1に接続されている。インダクタ31およびキャパシタ33の各他端およびキャパシタ32の一端は、スイッチ回路20のポートP2に接続されている。キャパシタ32,34の各他端は接地されている。
位相回路40は、キャパシタ41,42,44,45と、インダクタ43,46とを有している。キャパシタ41,42の各一端は、スイッチ回路20のポートP3に接続されている。インダクタ43の一端はキャパシタ42の他端に接続されている。インダクタ43の他端およびキャパシタ44の一端は、SAWフィルタ111の入力端に接続されている。キャパシタ44の他端は接地されている。キャパシタ45の一端はキャパシタ42の他端に接続されている。キャパシタ45の他端およびインダクタ46の一端は、SAWフィルタ113の入力端に接続されている。インダクタ46の他端は接地されている。
本実施の形態では、SAWフィルタ111,113は、これらを複合した1つの部品であるデュアルSAWフィルタ121に含まれている。デュアルSAWフィルタ121は、6つの端子P11〜P16および図示しない4つのグランド用端子を有している。端子P11はSAWフィルタ111の入力端に接続されている。端子P12,P13は、SAWフィルタ111の2つの出力端に接続されている。また、端子P12,P13は受信信号端子Rx11,Rx12に接続されている。端子P14はSAWフィルタ113の入力端に接続されている。端子P15,P16はSAWフィルタ113の2つの出力端に接続されている。また、端子P15,P16は受信信号端子Rx21,Rx22に接続されている。位相回路40におけるインダクタ43の他端およびキャパシタ44の一端は、端子P11を介してSAWフィルタ111の入力端に接続されている。位相回路40におけるキャパシタ45の他端およびインダクタ46の一端は、端子P14を介してSAWフィルタ113の入力端に接続されている。
デュアルSAWフィルタ121は、端子P12,13から平衡信号の状態のAGSM方式の受信信号を出力すると共に、端子P15,16から平衡信号の状態のEGSM方式の受信信号を出力する。デュアルSAWフィルタ122は、端子P22,23から平衡信号の状態のDCS方式の受信信号を出力すると共に、端子P25,26から平衡信号の状態のPCS方式の受信信号を出力する。デュアルSAWフィルタ121,122は、本発明における平衡信号出力素子に対応する。端子P12,P15,P22,P25は、本発明における第1の出力端子に対応し、端子P13,P16,P23,P26は、本発明における第2の出力端子に対応する。
スイッチ回路50は、ポートP4〜P6と、インダクタ51,55,57と、キャパシタ52〜54,56と、抵抗器R2と、ダイオードD3,D4とを有している。インダクタ51およびキャパシタ54,56の各一端とダイオードD3のアノードは、ポートP4に接続されている。キャパシタ54の他端は接地されている。ダイオードD4のカソードおよびインダクタ55の一端は、ポートP5に接続されている。インダクタ55の他端は接地されている。インダクタ51の他端およびダイオードD4のカソードは、ポートP6に接続されている。ダイオードD4のアノードは、抵抗器R2の一端に接続されていると共に、キャパシタ52を介して接地されている。抵抗器R2の他端は制御端子Vc2に接続されていると共に、キャパシタ53を介して接地されている。インダクタ57の一端はキャパシタ56の他端に接続されている。インダクタ57の他端はポートP5に接続されている。
LPF60は、インダクタ61,65と、キャパシタ62〜64,66,67とを有している。インダクタ65およびキャパシタ66,67の各一端は、送信信号端子Tx2に接続されている。インダクタ61およびキャパシタ62,63の各一端は、スイッチ回路50のポートP5に接続されている。インダクタ61,65およびキャパシタ63,66の各他端は、互いに接続されていると共に、キャパシタ64を介して接地されている。キャパシタ62,67の各他端は接地されている。
位相回路70は、キャパシタ71,72,74,75と、インダクタ73,76とを有している。キャパシタ71,72の各一端は、スイッチ回路50のポートP6に接続されている。インダクタ73の一端はキャパシタ72の他端に接続されている。インダクタ73の他端およびキャパシタ74の一端は、SAWフィルタ115の入力端に接続されている。キャパシタ74の他端は接地されている。キャパシタ75の一端はキャパシタ72の他端に接続されている。キャパシタ75の他端およびインダクタ76の一端は、SAWフィルタ117の入力端に接続されている。インダクタ76の他端は接地されている。
本実施の形態では、SAWフィルタ115,117は、これらを複合した1つの部品であるデュアルSAWフィルタ122に含まれている。デュアルSAWフィルタ122は、6つの端子P21〜P26および図示しない4つのグランド用端子を有している。端子P21はSAWフィルタ115の入力端に接続されている。端子P22,P23はSAWフィルタ115の2つの出力端に接続されている。また、端子P22,P23は受信信号端子Rx31,Rx32に接続されている。端子P24はSAWフィルタ117の入力端に接続されている。端子P25,P26はSAWフィルタ117の2つの出力端に接続されている。また、端子P25,P26は受信信号端子Rx41,Rx42に接続されている。位相回路70におけるインダクタ73の他端およびキャパシタ74の一端は、端子P21を介してSAWフィルタ115の入力端に接続されている。位相回路70におけるキャパシタ75の他端およびインダクタ76の一端は、端子P24を介してSAWフィルタ117の入力端に接続されている。
高周波モジュール1では、アンテナ端子ANTに入力されたAGSM方式の受信信号は、ダイプレクサ10、スイッチ回路20、位相回路40およびSAWフィルタ111を通過して、受信信号端子Rx11,Rx12に送られる。アンテナ端子ANTに入力されたEGSM方式の受信信号は、ダイプレクサ10、スイッチ回路20、位相回路40およびSAWフィルタ113を通過して、受信信号端子Rx21,Rx22に送られる。アンテナ端子ANTに入力されたDCS方式の受信信号は、ダイプレクサ10、スイッチ回路50、位相回路70およびSAWフィルタ115を通過して、受信信号端子Rx31,Rx32に送られる。アンテナ端子ANTに入力されたPCS方式の受信信号は、ダイプレクサ10、スイッチ回路50、位相回路70およびSAWフィルタ117を通過して、受信信号端子Rx41,Rx42に送られる。送信信号端子Tx1に入力されたAGSM方式の送信信号またはEGSM方式の送信信号は、LPF30、スイッチ回路20およびダイプレクサ10を通過して、アンテナ端子ANTに送られる。送信信号端子Tx2に入力されたDCS方式の送信信号またはPCS方式の送信信号は、LPF60、スイッチ回路50およびダイプレクサ10を通過して、アンテナ端子ANTに送られる。
ダイプレクサ10およびスイッチ回路20,50は、AGSM方式またはEGSM方式の受信信号と、AGSM方式またはEGSM方式の送信信号と、DCS方式またはPCS方式の受信信号と、DCS方式またはPCS方式の送信信号とを分離する。ダイプレクサ10およびスイッチ回路20,50は、本発明における分離回路に対応する。
次に、図3および図4を参照して、高周波モジュール1の構造について説明する。図3は、高周波モジュール1の平面図である。図4は、高周波モジュール1の外観を示す斜視図である。図3および図4に示したように、高周波モジュール1は、高周波モジュール1の上記各要素を一体化するための積層基板200を備えている。積層基板200は、交互に積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを有している。また、積層基板200は、積層方向における両側に配置された底面200aおよび上面200bと、底面200aと上面200bとを連結する4つの側面とを有し、直方体形状をなしている。
高周波モジュール1における回路は、積層基板200の内部または表面上の導体層と、積層基板200の上面200bに搭載された素子とを用いて構成されている。ここでは、一例として、図2におけるデュアルSAWフィルタ121,122、ダイオードD1〜D4、抵抗器R1,R2およびインダクタ25,46,55,57が、積層基板200の上面200bに搭載されているものとする。積層基板200は、例えば低温同時焼成セラミック多層基板になっている。
積層基板200の底面200aには、端子ANT,Rx11,Rx12,Rx21,Rx22,Rx31,Rx32,Rx41,Rx42,Tx1,Tx2,Vc1,Vc2と、後述する複数のグランド端子が配置されている。
次に、図5ないし図21を参照して、積層基板200の構成の一例について説明する。図5ないし図20は、それぞれ、上から1層目ないし16層目(最下層)の誘電体層の上面を示している。図21は、上から16層目の誘電体層およびその下の導体層を、上から見た状態で表したものである。図5ないし図20において、丸印はスルーホールを表している。
図5に示した1層目の誘電体層201の上面には、デュアルSAWフィルタ121の各端子P11〜P16および図示しない4つのグランド用端子が接続される10個の導体層401〜410と、デュアルSAWフィルタ122の各端子P21〜P26および図示しない4つのグランド用端子が接続される10個の導体層501〜510とが形成されている。誘電体層201の上面には、更に、導体層221〜225,301,411〜417,511〜519が形成されている。
デュアルSAWフィルタ121の端子P11,P12,P13,P14,P15,P16は、それぞれ、導体層404,409,410,401,407,408に接続されている。導体層402,403,405,406には、デュアルSAWフィルタ121の図示しない4つのグランド用端子が接続されている。
デュアルSAWフィルタ122の端子P21,P22,P23,P24,P25,P26は、それぞれ、導体層504,509,510,501,507,508に接続されている。導体層502,503,505,506には、デュアルSAWフィルタ122の図示しない4つのグランド用端子が接続されている。
ダイオードD1のアノードは導体層301に接続され、ダイオードD1のカソードは導体層411に接続されている。ダイオードD2のアノードは導体層415に接続され、ダイオードD2のカソードは導体層416に接続されている。ダイオードD3のアノードは導体層513に接続され、ダイオードD3のカソードは導体層514に接続されている。ダイオードD4のアノードは導体層515に接続され、ダイオードD4のカソードは導体層516に接続されている。抵抗器R1の一端は導体層413に接続され、抵抗器R1の他端は導体層414に接続されている。抵抗器R2の一端は導体層511に接続され、抵抗器R2の他端は導体層512に接続されている。
インダクタ25の一端は導体層223に接続され、インダクタ25の他端は導体層412に接続されている。インダクタ46の一端は導体層225に接続され、インダクタ46の他端は導体層417に接続されている。インダクタ55の一端は導体層224に接続され、インダクタ55の他端は導体層519に接続されている。インダクタ57の一端は導体層517に接続され、インダクタ57の他端は導体層518に接続されている。
誘電体層201には、それぞれ導体層407,408,409,410,507,508,509,510に接続されたスルーホールh11,h12,h13,h14,h15,h16,h17,h18が形成されている。なお、誘電体層201には、符号を付したスルーホール以外にも、図5に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図6に示した2層目の誘電体層202の上面には、キャパシタ用導体層303,430、位置調整用導体層a21〜a28および導体層227〜231,304,426〜429,526〜528が形成されている。導体層528は、インダクタ構成部528aとキャパシタ構成部528bとを有している。
導体層303は、図2におけるキャパシタ14,56の各一部を構成する。導体層303には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層513が接続されている。導体層430は、図2におけるキャパシタ45の一部を構成する。導体層430には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層401,417が接続されている。導体層528のキャパシタ構成部528bは、図2におけるキャパシタ75の一部を構成する。導体層528には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層501が接続されている。導体層528のインダクタ構成部528aは、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。
導体層227には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層222,223が接続されている。導体層228には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層222,224が接続されている。導体層229には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層502,503,506が接続されている。導体層230には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層222,225,402,403,405,406が接続されている。導体層231には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層221,505が接続されている。
導体層304には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層301が接続されている。導体層426には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層411,412が接続されている。導体層427には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層414,415が接続されている。導体層428には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層413が接続されている。導体層429には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層416が接続されている。
導体層526には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層512,515が接続されている。導体層527には、誘電体層201に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層514,518,519が接続されている。
導体層a21〜a28には、それぞれスルーホールh11〜h18を介して、図5に示した導体層407〜410,507〜510が接続されている。
誘電体層202には、それぞれ導体層a21〜a28に接続されたスルーホールh21〜h28が形成されている。なお、誘電体層202には、符号を付したスルーホール以外にも、図6に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図7に示した3層目の誘電体層203の上面には、キャパシタ用導体層438,537,539、導体層235,306およびインダクタ用導体層307,436,437,536,538,540が形成されている。導体層306は、インダクタ構成部306aとキャパシタ構成部306bとを有している。導体層235には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層230が接続されている。
導体層306のキャパシタ構成部306bは、図6に示した導体層303の一部と共に図2におけるキャパシタ14を構成すると共に、図2におけるキャパシタ13の一部を構成する。導体層438は、図2におけるキャパシタ45の一部を構成する。導体層537は、図2におけるキャパシタ56の一部を構成する。導体層537には、誘電体層201,202に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層517が接続されている。導体層539は、図2におけるキャパシタ75の一部を構成する。
導体層306のインダクタ構成部306aは、図2におけるインダクタ15の一部を構成する。導体層307には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層304が接続されている。導体層307は、図2におけるインダクタ11の一部を構成する。導体層436には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層426が接続されている。導体層436は、図2におけるインダクタ31の一部を構成する。導体層437には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層429が接続されている。導体層437は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。
導体層536には、誘電体層201,202に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層516が接続されている。導体層536は、図2におけるインダクタ51の一部を構成する。導体層538には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層527が接続されている。導体層538は、図2におけるインダクタ61の一部を構成する。導体層540には、誘電体層202に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層528が接続されている。導体層540は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。
誘電体層203には、それぞれスルーホールh21〜h28に接続されたスルーホールh31〜h38が形成されている。なお、誘電体層203には、符号を付したスルーホール以外にも、図7に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図8に示した4層目の誘電体層204の上面には、キャパシタ用導体層310,442,543,546およびインダクタ用導体層309,311,440,441,443,542,544,547,548が形成されている。導体層310は、図7に示した導体層306のキャパシタ構成部306bと共に図2におけるキャパシタ13を構成する。導体層442は、図2におけるキャパシタ45の一部を構成する。導体層442には、誘電体層202,203に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層430が接続されている。導体層543は、図2におけるキャパシタ56の一部を構成する。導体層543には、誘電体層202,203に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層303が接続されている。導体層546は、図2におけるキャパシタ75の一部を構成する。導体層546には、誘電体層202,203に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層528が接続されている。
導体層309には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層306が接続されている。導体層309は、図2におけるインダクタ15の一部を構成する。導体層311には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層307が接続されている。導体層311は、図2におけるインダクタ11の一部を構成する。導体層440には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層436が接続されている。導体層440は、図2におけるインダクタ31の一部を構成する。導体層441には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層437が接続されている。導体層441は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。導体層443には、誘電体層201〜203に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層404が接続されている。導体層443は、図2におけるインダクタ43の一部を構成する。
導体層542には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層536が接続されている。導体層542は、図2におけるインダクタ51の一部を構成する。導体層544には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層538が接続されている。導体層544は、図2におけるインダクタ61の一部を構成する。導体層547には、誘電体層201〜203に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層504が接続されている。導体層547は、図2におけるインダクタ73の一部を構成する。導体層548には、誘電体層203に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層540が接続されている。導体層548は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。
誘電体層204には、それぞれスルーホールh31〜h38に接続されたスルーホールh41〜h48が形成されている。なお、誘電体層204には、符号を付したスルーホール以外にも、図8に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図9に示した5層目の誘電体層205の上面には、キャパシタ用導体層447,551,554、インダクタ用導体層313,314,445,446,448,550,552,555,556および位置調整用導体層a53,a54,a55,a56が形成されている。導体層447は、導体層430,438,442と共に、図2におけるキャパシタ45を構成する。導体層447には、誘電体層203,204に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層438が接続されている。導体層551は、図2におけるキャパシタ56の一部を構成する。導体層551には、誘電体層203,204に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層537が接続されている。導体層554は、導体層528のキャパシタ構成部528bおよび導体層539,546と共に、図2におけるキャパシタ75を構成する。導体層554には、誘電体層203,204に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層539が接続されている。
導体層313には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層309が接続されている。導体層313は、図2におけるインダクタ15の一部を構成する。導体層314には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層311が接続されている。導体層314は、図2におけるインダクタ11の一部を構成する。導体層445には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層440が接続されている。導体層445は、図2におけるインダクタ31の一部を構成する。導体層446には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層441が接続されている。導体層446は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。導体層448には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層443が接続されている。導体層448は、図2におけるインダクタ43の一部を構成する。
導体層550には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層542が接続されている。導体層550は、図2におけるインダクタ51の一部を構成する。導体層552には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層544が接続されている。導体層552は、図2におけるインダクタ61,65の各一部を構成する。図2におけるインダクタ61は、導体層552の一部および導体層538,544によって構成されている。導体層555には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層547が接続されている。導体層555は、図2におけるインダクタ73の一部を構成する。導体層556には、誘電体層204に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層548が接続されている。導体層556は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。導体層a53,a54,a55,a56には、それぞれスルーホールh43,h44,h45,h46が接続されている。
誘電体層205には、それぞれスルーホールh41,h42,h47,h48に接続されたスルーホールh51,h52,h57,h58と、それぞれ導体層a53,a54,a55,a56に接続されたスルーホールh53,h54,h55,h56が形成されている。なお、誘電体層205には、符号を付したスルーホール以外にも、図9に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図10に示した6層目の誘電体層206の上面には、キャパシタ用導体層456,559およびインダクタ用導体層316,317,454,455,457,558,560,562,563が形成されている。導体層456は、図2におけるキャパシタ42の一部を構成する。導体層456には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層447が接続されている。導体層559は、図2におけるキャパシタ56の一部を構成する。導体層559には、誘電体層204,205に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層543が接続されている。
導体層316には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層313が接続されている。図2におけるインダクタ15は、導体層306のインダクタ構成部306aおよび導体層309,313,316によって構成されている。導体層317には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層314が接続されている。導体層317は、図2におけるインダクタ11の一部を構成する。導体層454には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層445が接続されている。導体層454は、図2におけるインダクタ31の一部を構成する。導体層455には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層446が接続されている。導体層455は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。導体層457には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層448が接続されている。導体層457は、図2におけるインダクタ43の一部を構成する。
導体層558には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層550が接続されている。導体層558は、図2におけるインダクタ51の一部を構成する。導体層560には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層552が接続されている。図2におけるインダクタ65は、導体層552の一部と導体層560によって構成されている。導体層562には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層555が接続されている。導体層562は、図2におけるインダクタ73の一部を構成する。導体層563には、誘電体層205に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層556が接続されている。導体層563は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。
誘電体層206には、それぞれスルーホールh51〜h58に接続されたスルーホールh61〜h68が形成されている。なお、誘電体層206には、符号を付したスルーホール以外にも、図10に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図11に示した7層目の誘電体層207の上面には、キャパシタ用導体層461,566、インダクタ用導体層320,459,460,462,565,568,569、導体層319および位置調整用導体層a71,a72,a77,a78が形成されている。導体層461は、図2におけるキャパシタ42の一部を構成する。導体層461には、誘電体層202〜206に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層429が接続されている。導体層566は、図2におけるキャパシタ56の一部を構成する。導体層566には、誘電体層205,206に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層551が接続されている。
導体層319には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層316が接続されている。導体層320には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層317が接続されている。図2におけるインダクタ11は、導体層307,311,314,317,320によって構成されている。
導体層459には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層454が接続されている。図2におけるインダクタ31は、導体層436,440,445,454,459によって構成されている。導体層460には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層455が接続されている。導体層460は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。導体層462には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層457が接続されている。導体層462は、図2におけるインダクタ43の一部を構成する。
導体層565には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層558が接続されている。また、導体層565には、誘電体層202〜206に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層303が接続されている。図2におけるインダクタ51は、導体層536,542,550,558,565によって構成されている。導体層568には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層562が接続されている。図2におけるインダクタ73は、導体層547,555,562,568によって構成されている。導体層569には、誘電体層206に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層563が接続されている。導体層569は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。導体層a71,a72,a77,a78には、それぞれスルーホールh61,h62,h67,h68が接続されている。
誘電体層207には、それぞれ導体層a71,a72,a77,a78に接続されたスルーホールh71,h72,h77,h78と、それぞれスルーホールh63,h64,h65,h66に接続されたスルーホールh73,h74,h75,h76が形成されている。なお、誘電体層207には、符号を付したスルーホール以外にも、図11に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図12に示した8層目の誘電体層208の上面には、キャパシタ用導体層571,572,575、インダクタ用導体層464,574および導体層465,573,466が形成されている。導体層465は、インダクタ構成部465aとキャパシタ構成部465bとを有している。導体層571は、導体層303の他の一部および導体層537,543,551,559,566と共に、図2におけるキャパシタ56を構成する。導体層571には、誘電体層206,207に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層559が接続されている。導体層572は、図2におけるキャパシタ72の一部を構成する。導体層572には、誘電体層203〜207に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層536が接続されている。
導体層465のキャパシタ構成部465bは、図2におけるキャパシタ42の一部を構成する。導体層465には、誘電体層207に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層462が接続されている。また、導体層465には、誘電体層206,207に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層456が接続されている。図2におけるインダクタ43は、導体層443,448,457,462および導体層465のインダクタ構成部465aによって構成されている。
導体層464には、誘電体層207に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層460が接続されている。導体層464は、図2におけるインダクタ21の一部を構成する。導体層574には、誘電体層207に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層569が接続されている。導体層574は、図2におけるインダクタ76の一部を構成する。
導体層466には、誘電体層207に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層459が接続されている。導体層573には、誘電体層207に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層568が接続されている。導体層575には、誘電体層206,207に形成されたスルーホールを介して、図10に示した導体層560が接続されている。
誘電体層208には、それぞれスルーホールh71〜h78に接続されたスルーホールh81〜h88が形成されている。なお、誘電体層208には、符号を付したスルーホール以外にも、図12に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図13に示した9層目の誘電体層209には、キャパシタ用導体層322,472,473,580,582、インダクタ用導体層471,583および位置調整用導体層a93,a94,a95,a96が形成されている。導体層322は、図2におけるキャパシタ12の一部を構成する。導体層322には、誘電体層207,208に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層320が接続されている。また、導体層322には、誘電体層204〜208に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層310が接続されている。導体層472は、図2におけるキャパシタ42の一部を構成する。導体層472には、誘電体層207,208に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層461が接続されている。導体層473は、図2におけるキャパシタ33の一部を構成する。導体層473には、誘電体層208に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層466が接続されている。
導体層580は、図2におけるキャパシタ63,66の各一部を構成する。導体層580には、誘電体層205〜208に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層552が接続されている。導体層582は、図2におけるキャパシタ72の一部を構成する。導体層582には、誘電体層208に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層573が接続されている。また、導体層582には、誘電体層205〜208に形成されたスルーホールを介して、図9に示した導体層554が接続されている。
導体層471には、誘電体層208に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層464が接続されている。図2におけるインダクタ21は、導体層437,441,446,455,460,464,471によって構成されている。導体層583には、誘電体層208に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層574が接続されている。図2におけるインダクタ76は、導体層528のインダクタ構成部528aおよび導体層540,548,556,563,569,574,583によって構成されている。導体層a93,a94,a95,a96には、それぞれスルーホールh83,h84,h85,h86が接続されている。
誘電体層209には、それぞれスルーホールh81,h82,h87,h88に接続されたスルーホールh91,h92,h97,h98と、それぞれ導体層a93,a94,a95,a96に接続されたスルーホールh93,h94,h95,h96が形成されている。なお、誘電体層209には、符号を付したスルーホール以外にも、図13に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図14に示した10層目の誘電体層210には、キャパシタ用導体層324,474,475,585が形成されている。導体層324は、図13に示した導体層322と共に図2におけるキャパシタ12を構成する。導体層324には、誘電体層209に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層471が接続されている。また、導体層324には、誘電体層202〜209に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層304が接続されている。
導体層474は、図2におけるキャパシタ33の一部を構成する。導体層474には、誘電体層203〜209に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層436が接続されている。導体層475は、図2におけるキャパシタ42の一部を構成する。導体層475には、誘電体層208,209に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層465が接続されている。導体層585は、図2におけるキャパシタ71の一部を構成する。また、導体層585は、導体層572,582と共に、図2におけるキャパシタ72を構成する。導体層585には、誘電体層208,209に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層572が接続されている。
誘電体層210には、それぞれスルーホールh91〜h98に接続されたスルーホールh101〜h108が形成されている。なお、誘電体層210には、符号を付したスルーホール以外にも、図14に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図15に示した11層目の誘電体層211には、キャパシタ用導体層477〜479,587,588が形成されている。導体層477は、図2におけるキャパシタ24の一部を構成する。導体層477には、誘電体層210に形成されたスルーホールを介して、図14に示した導体層324が接続されている。導体層478は、図13に示した導体層473および図14に示した導体層474と共に図2におけるキャパシタ33を構成すると共に、図2におけるキャパシタ32の一部を構成する。導体層478には、誘電体層210に形成されたスルーホールを介して、図14に示した導体層474が接続されている。導体層479は、図2におけるキャパシタ41の一部を構成する。また、導体層479は、導体層456,461,472,475および導体層465のキャパシタ構成部465bと共に、図2におけるキャパシタ42を構成する。導体層479には、誘電体層209,210に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層472が接続されている。
導体層587は、図2におけるキャパシタ54の一部を構成する。導体層587には、誘電体層208〜210に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層571が接続されている。導体層588は、図2におけるキャパシタ62の一部を構成する。また、導体層588は、導体層580と共に図2におけるキャパシタ66を構成する。導体層588には、誘電体層203〜210に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層538が接続されている。
誘電体層211には、それぞれスルーホールh101〜h108に接続されたスルーホールh111〜h118が形成されている。なお、誘電体層211には、符号を付したスルーホール以外にも、図15に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図16に示した12層目の誘電体層212には、グランド用導体層238が形成されている。導体層238には、誘電体層201〜211に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層221が接続されている。また、導体層238には、誘電体層202〜211に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層227,229〜231が接続されている。また、導体層238には、誘電体層203〜211に形成されたスルーホールを介して、図7に示した導体層235が接続されている。また、導体層238には、誘電体層209〜211に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層583が接続されている。導体層238は、図14に示した導体層585と共に図2におけるキャパシタ71を構成する。また、導体層238は、図15に示した導体層479,587,588の各々と共に図2におけるキャパシタ41,54,62を構成する。
誘電体層212には、それぞれスルーホールh111〜h118に接続されたスルーホールh121〜h128が形成されている。なお、誘電体層212には、符号を付したスルーホール以外にも、図16に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図17に示した13層目の誘電体層213には、キャパシタ用導体層481〜485,590〜592が形成されている。導体層481は、図2におけるキャパシタ24の一部を構成する。導体層481には、誘電体層211,212に形成されたスルーホールを介して、図15に示した導体層477が接続されている。導体層482は、図2におけるキャパシタ32の一部を構成する。導体層482には、誘電体層211,212に形成されたスルーホールを介して、図15に示した導体層478が接続されている。導体層483は、図2におけるキャパシタ22の一部を構成する。導体層483には、誘電体層202〜212に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層427が接続されている。導体層484は、図2におけるキャパシタ23の一部を構成する。導体層484には、誘電体層202〜212に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層428が接続されている。導体層485は、図2におけるキャパシタ44の一部を構成している。導体層485には、誘電体層204〜212に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層443が接続されている。
導体層590は、図2におけるキャパシタ52の一部を構成する。導体層590には、誘電体層202〜212に形成されたスルーホールを介して、図6に示した導体層526が接続されている。導体層591は、図2におけるキャパシタ64の一部を構成する。導体層591には、誘電体層209〜212に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層580が接続されている。導体層592は、図2におけるキャパシタ74の一部を構成する。導体層592には、誘電体層204〜212に形成されたスルーホールを介して、図8に示した導体層547が接続されている。
誘電体層213には、それぞれスルーホールh121〜h128に接続されたスルーホールh131〜h138が形成されている。なお、誘電体層213には、符号を付したスルーホール以外にも、図17に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図18に示した14層目の誘電体層214には、グランド用導体層240が形成されている。導体層240には、誘電体層212,213に形成されたスルーホールを介して、図16に示した導体層238が接続されている。図2におけるキャパシタ24は、導体層477,238,481,240によって構成されている。図2におけるキャパシタ32は、導体層478,238,482,240によって構成されている。図2におけるキャパシタ44は、導体層238,485,240によって構成されている。図2におけるキャパシタ52は、導体層238,590,240によって構成されている。図2におけるキャパシタ62は、導体層238,588,240によって構成されている。図2におけるキャパシタ74は、導体層238,592,240によって構成されている。
誘電体層214には、それぞれスルーホールh131〜h138に接続されたスルーホールh141〜h148が形成されている。なお、誘電体層214には、符号を付したスルーホール以外にも、図18に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図19に示した15層目の誘電体層215には、キャパシタ用導体層326,487,488,489,594,595が形成されている。導体層326は、図2におけるキャパシタ16の一部を構成する。導体層326には、誘電体層207〜214に形成されたスルーホールを介して、図11に示した導体層319が接続されている。
導体層487は、図2におけるキャパシタ34の一部を構成する。導体層487には、誘電体層209〜214に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層473が接続されている。導体層488は、図2におけるキャパシタ23の一部を構成する。導体層488には、誘電体層213,214に形成されたスルーホールを介して、図17に示した導体層484が接続されている。導体層489は、図2におけるキャパシタ22の一部を構成する。導体層489には、誘電体層213,214に形成されたスルーホールを介して、図17に示した導体層483が接続されている。導体層594は、図2におけるキャパシタ53の一部を構成する。導体層594には、誘電体層201〜214に形成されたスルーホールを介して、図5に示した導体層511が接続されている。導体層595は、図2におけるキャパシタ67の一部を構成する。導体層595には、誘電体層208〜214に形成されたスルーホールを介して、図12に示した導体層575が接続されている。
誘電体層215には、それぞれスルーホールh141〜h148に接続されたスルーホールh151〜h158が形成されている。なお、誘電体層215には、符号を付したスルーホール以外にも、図19に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図20に示した16層目の誘電体層216には、グランド用導体層244が形成されている。導体層244には、誘電体層214,215に形成されたスルーホールを介して、図18に示した導体層240が接続されている。
図2におけるキャパシタ16は、導体層240,326,244によって構成されている。図2におけるキャパシタ22は、導体層238,483,240,489,244によって構成されている。図2におけるキャパシタ23は、導体層238,484,240,488,244によって構成されている。図2におけるキャパシタ34は、導体層240,487,244によって構成されている。図2におけるキャパシタ53は、導体層240,594,244によって構成されている。図2におけるキャパシタ67は、導体層240,595,244によって構成されている。
誘電体層216には、それぞれスルーホールh151〜h158に接続されたスルーホールh161〜h168が形成されている。なお、誘電体層216には、符号を付したスルーホール以外にも、図20に示したように多数のスルーホールが形成されている。
図21に示したように、誘電体層216の下面、すなわち積層基板200の底面200aには、前述の各端子ANT,Rx11,Rx12,Rx21,Rx22,Rx31,Rx32,Rx41,Rx42,Tx1,Tx2,Vc1,Vc2を構成する導体層と、9つのグランド端子G1〜G9を構成する導体層と、グランド用導体層246〜249とが形成されている。グランド端子G1〜G9は、グランドに接続されるようになっている。
積層基板200の底面200aは、4つの辺を有している。上記の複数の端子は、底面200aにおいて、4つの辺の近くに並べて配置されている。全ての受信信号端子Rx11,Rx12,Rx21,Rx22,Rx31,Rx32,Rx41,Rx42は、4つの辺のうちの1つの辺200a1の近くに配置されている。
アンテナ端子ANTには、誘電体層209〜216に形成されたスルーホールを介して、図13に示した導体層322が接続されている。送信信号端子Tx1には、誘電体層215,216に形成されたスルーホールを介して、図19に示した導体層487が接続されている。送信信号端子Tx2には、誘電体層215,216に形成されたスルーホールを介して、図19に示した導体層595が接続されている。制御端子Vc1には、誘電体層213〜216に形成されたスルーホールを介して、図17に示した導体層484が接続されている。制御端子Vc2には、誘電体層215,216に形成されたスルーホールを介して、図19に示した導体層594が接続されている。グランド端子G1〜G9および導体層246〜249には、誘電体層216に形成されたスルーホールを介して、図20に示した導体層244が接続されている。
AGSM受信信号端子Rx11には、スルーホールh13、導体層a23、スルーホールh23,h33,h43、導体層a53、スルーホールh53,h63,h73,h83、導体層a93、スルーホールh93,h103,h113,h123,h133,h143,h153,h163からなる信号経路(以下、信号経路SP11と記す。)を介して、図5に示した導体層409が接続されている。導体層409には、デュアルSAWフィルタ121の端子P12が接続されている。従って、信号経路SP11は、端子P12とAGSM受信信号端子Rx11とを接続する。信号経路SP11は本発明における第1の信号経路に対応する。
AGSM受信信号端子Rx12には、スルーホールh14、導体層a24、スルーホールh24,h34,h44、導体層a54、スルーホールh54,h64,h74,h84、導体層a94、スルーホールh94,h104,h114,h124,h134,h144,h154,h164からなる信号経路(以下、信号経路SP12と記す。)を介して、図5に示した導体層410が接続されている。導体層410には、デュアルSAWフィルタ121の端子P13が接続されている。従って、信号経路SP12は、端子P13とAGSM受信信号端子Rx12とを接続する。信号経路SP12は、本発明における第2の信号経路に対応する。
EGSM受信信号端子Rx21には、スルーホールh11、導体層a21、スルーホールh21,h31,h41,h51,h61、導体層a71、スルーホールh71,h81,h91,h101,h111,h121,h131,h141,h151,h161からなる信号経路(以下、信号経路SP21と記す。)を介して、図5に示した導体層407が接続されている。導体層407には、デュアルSAWフィルタ121の端子P15が接続されている。従って、信号経路SP21は、端子P15とEGSM受信信号端子Rx21とを接続する。信号経路SP21は、本発明における第1の信号経路に対応する。
EGSM受信信号端子Rx22には、スルーホールh12、導体層a22、スルーホールh22,h32,h42,h52,h62、導体層a72、スルーホールh72,h82,h92,h102,h112,h122,h132,h142,h152,h162からなる信号経路(以下、信号経路SP22と記す。)を介して、図5に示した導体層408が接続されている。導体層408には、デュアルSAWフィルタ121の端子P16が接続されている。従って、信号経路SP22は、端子P16とEGSM受信信号端子Rx22とを接続する。信号経路SP22は、本発明における第2の信号経路に対応する。
DCS受信信号端子Rx31には、スルーホールh17、導体層a27、スルーホールh27,h37,h47,h57,h67、導体層a77、スルーホールh77,h87,h97,h107,h117,h127,h137,h147,h157,h167からなる信号経路(以下、信号経路SP31と記す。)を介して、図5に示した導体層509が接続されている。導体層509には、デュアルSAWフィルタ122の端子P22が接続されている。従って、信号経路SP31は、端子P22とDCS受信信号端子Rx31とを接続する。信号経路SP31は、本発明における第1の信号経路に対応する。
DCS受信信号端子Rx32には、スルーホールh18、導体層a28、スルーホールh28,h38,h48,h58,h68、導体層a78、スルーホールh78,h88,h98,h108,h118,h128,h138,h148,h158,h168からなる信号経路(以下、信号経路SP32と記す。)を介して、図5に示した導体層510が接続されている。導体層510には、デュアルSAWフィルタ122の端子P23が接続されている。従って、信号経路SP32は、端子P23とDCS受信信号端子Rx32とを接続する。信号経路SP32は、本発明における第2の信号経路に対応する。
PCS受信信号端子Rx41には、スルーホールh15、導体層a25、スルーホールh25,h35,h45、導体層a55、スルーホールh55,h65,h75,h85、導体層a95、スルーホールh95,h105,h115,h125,h135,h145,h155,h165からなる信号経路(以下、信号経路SP41と記す。)を介して、図5に示した導体層507が接続されている。導体層507には、デュアルSAWフィルタ122の端子P25が接続されている。従って、信号経路SP41は、端子P25とPCS受信信号端子Rx41とを接続する。信号経路SP41は、本発明における第1の信号経路に対応する。
PCS受信信号端子Rx42には、スルーホールh16、導体層a26、スルーホールh26,h36,h46、導体層a56、スルーホールh56,h66,h76,h86、導体層a96、スルーホールh96,h106,h116,h126,h136,h146,h156,h166からなる信号経路(以下、信号経路SP42と記す。)を介して、図5に示した導体層508が接続されている。導体層508には、デュアルSAWフィルタ122の端子P26が接続されている。従って、信号経路SP42は、端子P26とPCS受信信号端子Rx42とを接続する。信号経路SP42は、本発明における第2の信号経路に対応する。
次に、本実施の形態に係る高周波モジュール1の特徴について説明する。以下の説明では、説明を簡単にするために、受信信号端子Rx11,Rx21,Rx31,Rx41を第1の受信信号端子Rx1と表し、受信信号端子Rx12,Rx22,Rx32,Rx42を第2の受信信号端子Rx2と表し、送信信号端子Tx1,Tx2を送信信号端子Txと表す。また、ダイプレクサ10およびスイッチ回路20,50からなる回路を分離回路と表し、デュアルSAWフィルタ121,122を平衡信号出力素子120と表す。また、端子P12,P15,P22,P25を第1の出力端子T1と表し、端子P13,P16,P23,P26を第2の出力端子T2と表す。また、信号経路SP11,SP21,SP31,SP41を第1の信号経路SP1と表し、信号経路SP12,SP22,SP32,SP42を第2の信号経路SP2と表す。
本実施の形態に係る高周波モジュール1は、アンテナ101に接続されるアンテナ端子ANTと、平衡信号の状態の受信信号を出力する第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2と、送信信号が入力される送信信号端子Txと、第1の受信信号端子Rx1、第2の受信信号端子Rx2および送信信号端子Txとアンテナ端子ANTとの間に配置され、受信信号と送信信号を分離する分離回路と、分離回路と第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2との間に設けられ、平衡信号の状態の受信信号を出力する平衡信号出力素子120と、上記各要素を一体化するための積層基板200とを備えている。
積層基板200は、積層された複数の誘電体層と、積層方向における両側に配置された底面200aおよび上面200bと、底面200aと上面200bとを連結する複数の側面とを有している。平衡信号出力素子120は、平衡信号の状態の受信信号を出力する第1および第2の出力端子T1,T2を有し、積層基板200の上面200bに搭載されている。図21に示したように、積層基板200の底面200aは、第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2に最も近い辺200a1を含む複数の辺を有している。図5および図21から分かるように、積層基板200の上方から見たときに、平衡信号出力素子120の第1の出力端子T1(P12,P15,P22,P25)および第2の出力端子T2(P13,P16,P23,P26)は、積層基板200の底面200aの複数の辺のうち第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2に最も近い辺200a1に対して最も近づくように配置されている。
高周波モジュール1は、更に、第1の出力端子T1と第1の受信信号端子Rx1とを接続する第1の信号経路SP1と、第2の出力端子T2と第2の受信信号端子Rx2とを接続する第2の信号経路SP2とを備えている。第1および第2の信号経路SP1,SP2は、それぞれ、積層基板200内に設けられた1つ以上のスルーホールを用いて構成され、積層基板200の側面に露出していない。
また、本実施の形態では、第1および第2の信号経路SP1,SP2は、いずれも、中心軸が互いにずれるように配置された2つのスルーホールと、積層基板200内に配置され、前記2つのスルーホールを直列に接続する位置調整用導体層とを含んでいる。位置調整用導体層とは、具体的には、図6に示した導体層a21〜a28、図9に示した導体層a53〜a56、図11に示した導体層a71,a72,a77,a78、および図13に示した導体層a93〜a96を指す。位置調整用導体層は、中心軸が互いにずれるように配置される2つのスルーホールを接続することにより、これらスルーホールの位置を調整可能とする。また、本実施の形態では、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さは等しい。
ここで、図22ないし図24に、信号経路SP1,SP2の態様の第1ないし第3の例を示す。図22ないし図24は、いずれも、信号経路SP1,SP2を模式的に表した断面図である。第1ないし第3の例では、いずれも、積層基板200の上方から見たときに、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2は、それぞれ第1の出力端子T1と第2の出力端子T2に重ならない位置に配置されている。また、第1ないし第3の例では、いずれも、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2との間の距離が、第1の出力端子T1と第2の出力端子T2との間の距離と異なっている。
図22に示した第1の例および図23に示した第2の例では、信号経路SP1は、それぞれ、直列に接続された複数のスルーホールよりなるスルーホール列H11,H12と、スルーホール列H11,H12を直列に接続する位置調整用導体層A11によって構成されている。スルーホール列H11の一端は第1の出力端子T1に接続され、スルーホール列H11の他端は位置調整用導体層A11の上面に接続されている。スルーホール列H12の一端は位置調整用導体層A11の下面に接続され、スルーホール列H12の他端は第1の受信信号端子Rx1に接続されている。スルーホール列H11,H12は、中心軸が互いにずれるように配置されている。
同様に、信号経路SP2は、それぞれ、直列に接続された複数のスルーホールよりなるスルーホール列H21,H22と、スルーホール列H21,H22を直列に接続する位置調整用導体層A21によって構成されている。スルーホール列H21の一端は第2の出力端子T2に接続され、スルーホール列H21の他端は位置調整用導体層A21の上面に接続されている。スルーホール列H22の一端は位置調整用導体層A21の下面に接続され、スルーホール列H22の他端は第2の受信信号端子Rx2に接続されている。スルーホール列H21,H22は、中心軸が互いにずれるように配置されている。
第1および第2の例において、スルーホール列H11,H12の合計の長さと、スルーホール列H21,H22の合計の長さは等しい。また、位置調整用導体層A11においてスルーホール列H11との接続箇所とスルーホール列H12との接続箇所とを結ぶ部分の長さと、位置調整用導体層A21においてスルーホール列H21との接続箇所とスルーホール列H22との接続箇所とを結ぶ部分の長さは等しい。従って、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さは等しい。
図24に示した第3の例では、信号経路SP1は、それぞれ、直列に接続された複数のスルーホールよりなるスルーホール列H11,H12,H13と、スルーホール列H11,H12を直列に接続する位置調整用導体層A11と、スルーホール列H12,H13を直列に接続する位置調整用導体層A12によって構成されている。スルーホール列H11の一端は第1の出力端子T1に接続され、スルーホール列H11の他端は位置調整用導体層A11の上面に接続されている。スルーホール列H12の一端は位置調整用導体層A11の下面に接続され、スルーホール列H12の他端は位置調整用導体層A12の上面に接続されている。スルーホール列H13の一端は位置調整用導体層A12の下面に接続され、スルーホール列H13の他端は第1の受信信号端子Rx1に接続されている。スルーホール列H11,H12,H13は、中心軸が互いにずれるように配置されている。
同様に、信号経路SP2は、それぞれ、直列に接続された複数のスルーホールよりなるスルーホール列H21,H22,H23と、スルーホール列H21,H22を直列に接続する位置調整用導体層A21と、スルーホール列H22,H23を直列に接続する位置調整用導体層A22によって構成されている。スルーホール列H21の一端は第2の出力端子T2に接続され、スルーホール列H21の他端は位置調整用導体層A21の上面に接続されている。スルーホール列H22の一端は位置調整用導体層A21の下面に接続され、スルーホール列H22の他端は位置調整用導体層A22の上面に接続されている。スルーホール列H23の一端は位置調整用導体層A22の下面に接続され、スルーホール列H23の他端は第2の受信信号端子Rx2に接続されている。
第3の例において、スルーホール列H11,H12,H13の合計の長さと、スルーホール列H21,H22,H23の合計の長さは等しい。また、位置調整用導体層A11においてスルーホール列H11との接続箇所とスルーホール列H12との接続箇所とを結ぶ部分の長さと、位置調整用導体層A21においてスルーホール列H21との接続箇所とスルーホール列H22との接続箇所とを結ぶ部分の長さは等しい。また、位置調整用導体層A12においてスルーホール列H12との接続箇所とスルーホール列H13との接続箇所とを結ぶ部分の長さと、位置調整用導体層A22においてスルーホール列H22との接続箇所とスルーホール列H23との接続箇所とを結ぶ部分の長さは等しい。従って、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さは等しい。
本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、積層基板200の上面200bに配置された平衡信号出力素子120の第1および第2の出力端子T1,T2と積層基板200の底面200aに配置された第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2とを接続する第1および第2の信号経路SP1,SP2の長さをできるだけ短くすることができる。これにより、本実施の形態によれば、受信信号の経路の挿入損失を低減することが可能になると共に、高周波モジュール1を小型化することが可能になる。また、本実施の形態によれば、第1および第2の信号経路SP1,SP2が積層基板200の側面に露出していないことから、第1および第2の信号経路SP1,SP2は、モジュール1の外部の回路からの干渉を受けにくい。
ところで、積層基板200の上方から見たときに、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2を、それぞれ第1の出力端子T1と第2の出力端子T2に重なる位置に配置できれば、第1および第2の信号経路SP1,SP2を、それぞれ1つのスルーホール列によって構成でき、これにより第1および第2の信号経路SP1,SP2の長さを最も短くすることができる。しかし、実際には、このように配置できるとは限らず、積層基板200の上方から見たときに、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2を、それぞれ第1の出力端子T1と第2の出力端子T2に重ならない位置に配置せざるを得なかったり、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2との間の距離が第1の出力端子T1と第2の出力端子T2との間の距離と異なったりする。これらは、特に、積層基板200の上面200bに複数の平衡信号出力素子120を搭載する場合に顕著に発生する。この場合、第1および第2の信号経路SP1,SP2の長さが異なると、平衡信号の平衡度が劣化するおそれがある。
本実施の形態では、第1および第2の信号経路SP1,SP2が、いずれも、中心軸が互いにずれるように配置された2つのスルーホールと、この2つのスルーホールを直列に接続する位置調整用導体層とを含み、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さが等しい。これにより、本実施の形態によれば、積層基板200の上方から見たときに、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2がそれぞれ第1の出力端子T1と第2の出力端子T2に重ならない位置に配置されている場合や、第1の受信信号端子Rx1と第2の受信信号端子Rx2との間の距離が第1の出力端子T1と第2の出力端子T2との間の距離と異なっている場合においても、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さを等しくすることが可能になる。
上述のように、第1の信号経路SP1の長さと第2の信号経路SP2の長さを等しくすることにより、受信信号端子Rx1,Rx2より出力される平衡信号の平衡度を大きくすることができる。以下、このことを示す第1のシミュレーションの結果について、図25ないし図27を参照して説明する。図25は第1のシミュレーションで使用したモデルの構成を示す断面図である。図26は第1のシミュレーションで使用したモデルの構成を示す斜視図である。このモデルでは、図23に示した例と同様に、信号経路SP1はスルーホール列H11,H12と位置調整用導体層A11によって構成され、信号経路SP2はスルーホール列H21,H22と位置調整用導体層A21によって構成されている。ここで、出力端子T1,T2間の距離を“A”とし、受信信号端子Rx1,Rx2間の距離を“B”とし、スルーホール列H11,H12,H21,H22を構成するスルーホールの直径を“C”とする。また、スルーホール列H11,H21の長さを“D”とし、スルーホール列H12,H22の長さを“E”とする。また、位置調整用導体層A11,A21の上面の形状は、いずれも一方向に長い矩形形状とし、位置調整用導体層A11の長手方向の長さを“F”と、位置調整用導体層A21の長手方向の長さを“G”とする。距離“A”と距離“B”は異なっている。
第1のシミュレーションでは、長さ“F”を0.25mmに固定し、長さ“G”を、0.25mm、0.45mm、0.65mm、0.85mmの4種類として、それぞれの場合における受信信号端子Rx1,Rx2の出力信号の振幅差の周波数特性を求めた。なお、長さ“F”が0.25mmのとき、位置調整用導体層A11においてスルーホール列H11との接続箇所とスルーホール列H12との接続箇所とを結ぶ部分の長さは、0.15mmである。また、長さ“G”が0.25mm、0.45mm、0.65mm、0.85mmのとき、位置調整用導体層A21においてスルーホール列H21との接続箇所とスルーホール列H22との接続箇所とを結ぶ部分の長さは、それぞれ0.15mm、0.35mm、0.55mm、0.75mmである。
第1のシミュレーションの結果を図27に示す。図27において、符号81,82,83,84で示す曲線は、それぞれ、長さ“G”が0.25mm、0.45mm、0.65mm、0.85mmのときの振幅差の周波数特性を示している。図27から、長さ“F”、“G”の差が小さくなるほど、振幅差が小さくなる、すなわち平衡度が大きくなることが分かる。
本実施の形態において、第1および第2の信号経路SP1,SP2を構成するスルーホールの径は、積層基板200に含まれる他のスルーホールの径よりも大きくてもよい。これにより、第1および第2の信号経路SP1,SP2の挿入損失を小さくすることができる。以下、このことを示す第2のシミュレーションの結果について、図28ないし図30を参照して説明する。図28は第2のシミュレーションで使用したモデルの構成を示す断面図である。図29は第2のシミュレーションで使用したモデルの構成を示す斜視図である。このモデルでは、信号経路SP1,SP2は、それぞれ、直列に接続された複数のスルーホールよりなるスルーホール列のみによって構成されている。ここで、出力端子T1,T2間の距離を“A”とし、受信信号端子Rx1,Rx2間の距離を“B”とし、信号経路SP1,SP2を構成する各スルーホールの直径を“C”とし、信号経路SP1,SP2の長さを“H”とする。
第2のシミュレーションでは、距離“A”、“B”および長さ“H”を固定し、スルーホールの直径“C”を、0.05mm、0.10mm、0.15mm、0.20mmの4種類として、それぞれの場合における信号経路SP1,SP2の挿入損失の周波数特性を求めた。第2のシミュレーションの結果を図30に示す。図30において、符号91,92,93,94で示す曲線は、それぞれ、直径“C”が0.05mm、0.10mm、0.15mm、0.20mmのときの挿入損失の周波数特性を示している。図30から、直径“C”が大きくなるほど、挿入損失が小さくなることが分かる。
また、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、互いに周波数帯域が異なる複数組の受信信号および送信信号に対応した複数組の第1、第2の受信信号端子Rx1,Rx2および送信信号端子Txと、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2に対応した複数の平衡信号出力素子120(121,122)と、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2に対応した複数組の第1および第2の信号経路SP1,SP2とを備えている。分離回路(10,20,50)は、複数組の第1、第2の受信信号端子Rx1,Rx2および送信信号端子Txとアンテナ端子ANTとの間に配置され、複数組の受信信号および送信信号を各組に分離すると共に組毎に受信信号と送信信号を分離する。
本実施の形態では、図21に示したように、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1(Rx11,Rx21,Rx31,Rx41)、Rx2(Rx12,Rx22,Rx32,Rx42)は、積層基板200の底面200aの複数の辺のうち第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2に最も近い辺200a1に沿って一列に並べられている。また、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2は、辺200a1に沿って、周波数帯域の高い順に並べられている。具体的には、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2は、図21における左側から、PCS受信信号端子Rx41,Rx42、DCS受信信号端子Rx31,Rx32、EGSM受信信号端子Rx21,Rx22、AGSM受信信号端子Rx11,Rx12の順に並べられている。
また、本実施の形態では、積層基板200の底面200aにおいて、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2の列の延長線上には他の端子は配置されていない。また、図5ないし図21に示したように、積層基板200の内部において、複数組の第1および第2の受信信号端子Rx1,Rx2の列を通り、積層基板200の底面200aに垂直な断面には、複数組の第1および第2の信号経路SP1,SP2を構成する導体層以外の導体層は配置されていない。これらの特徴により、本実施の形態によれば、信号経路SP1,SP2と、信号経路SP1,SP2を構成する導体層以外の導体層との間に寄生容量が発生することを防止できると共に、信号経路SP1,SP2が、そこを通過する受信信号以外の信号の干渉を受けることを防止することができる。また、上記の特徴により、本実施の形態によれば、信号経路SP1,SP2を構成するスルーホールの直径を大きくすることが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において、信号経路SP1,SP2は、図28に示したように、それぞれ1つのスルーホール列のみによって構成されていてもよい。
また、本発明は、携帯電話機におけるフロントエンドモジュールとして用いられる高周波モジュールに限らず、送信信号と受信信号を分離する処理を行なう高周波モジュール全般に適用することができる。
1…高周波モジュール、10…ダイプレクサ、20,40…スイッチ回路、111,113,115,117…SAWフィルタ、121,122…デュアルSAWフィルタ、200…積層基板、Rx11,Rx12,Rx21,Rx22,Rx31,Rx32,Rx41,Rx42…受信信号端子、Tx1,Tx2…送信信号端子、SP1,SP2…信号経路。