JP3729396B2 - 高周波部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタを有する高周波部品に関し、特に携帯電話に用いられる弾性表面波フィルタ、分波器、高周波スイッチモジュール、アンプモジュールなどの高周波部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セラミックRFデバイスは携帯電話機などの高周波無線機器の小型化に大いに貢献するものとして大変注目されている。欧州地域をはじめとして広く適用されているEGSM900やDCS1800等の携帯機では、最近、雑音指数を下げ、受信感度を上げるように、RF回路に2本の信号端子を持つ平衡型のRFデバイスを用いることが提案されている。平衡型の回路は不平衡型の回路に比べノイズに強い特長を持つ。
図10はEGSM900とDCS1800のデュアルバンド携帯機のRF回路ブロック図であり、分波器51、高周波スイッチ52、53、ローパスフィルタ54、55、RF段間フィルタ(弾性表面波フィルタ)56、57、低雑音増幅器(LNA)75、76、方向性結合器81、82、パワーアンプ(PA)83、84などのRFデバイスを具備するものである。前記のような要請から、最近になり、不平衡入力型のLNAに変わり平衡入力型のLNAが用いられつつある。この場合、平衡入力型のLNA75、76と、その前段に配置されるRF段間フィルタ(弾性表面波フィルタ)56、57とを接続するのに、不平衡型回路と平衡型回路との変換を行う平衡−不平衡変換トランス77、78を用いるのが一般的であった。そして、これらRFデバイスは、それぞれ独立した個別の部品から構成され、RFデバイスをプリント基板上に実装し、マイクロストリップラインなどの接続線路を用いて互いに接続していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら平衡−不平衡変換トランスを用いると必然的に部品点数が増えてしまう。例えば、前記EGSM900方式、DCS1800方式に対応したデュアルバンド対応の携帯電話においては、それぞれの送受信系に平衡−不平衡変換トランスを設けなくてはならず、小型化、低価格化の要請に応じられないだけでなく、部品点数の増加による実装面積が増加するという問題があった。
平衡−不平衡変換トランスと接続する弾性表面波フィルタは、所謂パッケージ(管封止)型の構成であって、ワイヤボンディングの為のリード線やモールド樹脂のために寄生のインダクタンス成分やコンデンサ成分を持つ。また前記の如く、平衡−不平衡変換トランスとの接続は、プリント基板上の接続線路を引き回して行われ、これによる寄生のインダクタンスやコンデンサ成分も生じる。このため、通過帯域での挿入損失特性の劣化したり、平衡−不平衡変換トランスからの出力信号において、所望の振幅平衡度、位相平衡度が得られなくなるといった問題があった。
また、個々のRFデバイスをプリント基板上の接続線路により接続する場合には、損失の増加や、インピーダンスの不整合の為、良好な高周波特性を有するRF回路を再現性良く製造することが困難であり、RFデバイス以外にインピーダンス整合のため、多くの外付け部品を必要とし、部品点数が多く回路全体が大型化するという欠点を有していた。
そこで本発明の目的は、挿入損失特性、振幅平衡度、位相平衡度の優れた平衡型弾性表面波フィルタと、これを用いて他のRFデバイス、特には高周波スイッチと複合化した高周波スイッチモジュールを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の誘電体層と電極パターンを積層してなるセラミック積層基板に、弾性表面波素子と、該弾性表面波素子の平衡出力端間に並列に接続されたインダクタを備え、前記インダクタのインダクタンス値が33〜82nHであり、前記インダクタは前記セラミック積層基板に形成された接続電極により前記弾性表面波素子と接続するともに、ビアホールを介して、前記セラミック積層基板の主面に形成され接続端子と接続し、もって、925MHz〜960MHzにおける帯域内リップルが2.0dB以下、位相平衡度が180±10deg.以内であることを特徴とする弾性表面波フィルタである。
本発明においては、前記電極パターンをAg又はCuで形成するのが好ましい。前記弾性表面波素子と前記インダクタとは、前記セラミック積層基板の外表面に形成された、又は内蔵形成された接続線路で接続するのが好ましい。
前記インダクタを前記電極パターンからなる分布定数線路とし、前記セラミック積層基板に一体的に積層形成するのが好ましい。
また、前記インダクタをチップインダクタとして前記セラミック積層基板に搭載するのも好ましい。
前記セラミック積層基板は、相対向する第1および第2の主面と当該主面間を連結する側面を備えるものである。
このセラミック積層基板に、前記弾性表面波素子をベアチップとして、前記第1の主面、又は第2の主面の少なくとも一方にフェースダウン実装し、前記電極パターンにバンプ接続するのも好ましい。
また、前記弾性表面波素子の入力端及び出力端LGA(Land Grid Array)又はBGA(Ball Grid Array)で構成するのが好ましい。
本発明によれば前記弾性表面波フィルタの帯域内リップル2.0dB以下、位相平衡度を180±10deg.以内に構成することが出来る。帯域内リップルが2.0dBを超えると受信信号の品質の劣化と言った問題が生じるので好ましくない。また、弾性表面波フィルタが低雑音増幅器に接続される場合に、その振幅平衡度、位相平衡度が良好でないと、前記低雑音増幅器に入力される高周波信号が劣化し、低雑音増幅器は外来ノイズの影響を受けやすくなり、発振などの不具合が生じるので、振幅平衡度は±1dB以内とし、位相平衡度を180±10deg.以内であるのが好ましい。
第2の発明は、請求項1に記載の弾性表面波フィルタとスイッチング素子とコンデンサ及び/又はインダクタを備えた高周波スイッチとを備えることを特徴とする高周波スイッチモジュールである。本発明において、前記高周波スイッチは、入力端が一つで出力端が二つのSPDT型高周波スイッチであり、前記出力端の少なくとも一つに、前記弾性表面波フィルタを接続するのが好ましい。
前記スイッチング素子は、PINダイオード又は電解効果型トランジスタであり、半導体ベアチップとして前記積層基板にフェースダウン実装するのがより好ましい。
【0005】
【作用】
本発明者等は、RF回路の複合化、小型化、高性能化に取り組むなかで、平衡出力弾性表面波フィルタを用いて平衡入力型LNAと接続することで、平衡不平衡変換トランスを用いることなくRF回路を構成することを着想した。しかしながら、プリント基板上に接続線路を形成した場合には、通常引き回しのため少なくとも3〜5mmの線路を構成する必要があり、これにより発生する寄生容量や寄生インダクタにより通過帯域内でリップルが発生し、所望の伝送特性が得られないといった問題があった。
そこで寄生容量を相殺するように、インダクタを前記プリント基板の接続線路に接続して、平衡出力型弾性表面波フィルタの平衡出力端間に平行配置したが、十分なリップル改善効果は得られない場合があった。
【0006】
本発明者等は種々検討するなかで、例えば図1に図示するように、平衡型弾性表面波素子1とインダクタ2を、一つの絶縁基板において間近に配置し、弾性表面波素子1とインダクタ2とを接続する接続線路の伝送線路パターンの長さwを短く構成して、弾性表面波素子の出力端42、43と並列配置したインダクタ4との間の浮遊インピーダンス成分を、極力小さく構成すれば良いことを知見した。
【0007】
さらに、RF回路を構成するRFデバイスを、それぞれが独立した個別の部品から構成するよりも、複数の機能を複合化したRFデバイスとすれば、プリント基板上の接続線路により接続する場合の、損失の増加や、インピーダンスの不整合による高周波特性の劣化などの問題を解消でき、またインピーダンス整合などのための外付け部品を必要とせず、RF回路の部品点数を少なく構成でき、回路全体を小型化で出来る。
そこで、前記平衡型弾性表面波フィルタを構成する絶縁基板に、更に前記RFデバイスを複合化することで、小型かつ電気的特性に優れたRFデバイスを構成することを着想した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図を用いながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る平衡出力型弾性表面波フィルタの等価回路である。本発明の弾性表面波フィルタは、平衡出力型弾性表面波素子3とその平衡出力端間42、43に並列配置されたインダクタ4とが、一つの絶縁基板2に形成された接続線路5で接続され構成される。図2は、本発明の一実施例に係る平衡出力型弾性表面波フィルタの構成を説明するための斜視図である。図示した弾性表面波フィルタは、平衡出力型弾性表面波素子3を管封止の弾性表面波フィルタとし、絶縁基板2に前記弾性表面波フィルタ3とインダクタ4を実装し、絶縁基板2に形成された接続電極5(等価回路中、回路機能を有さない電極)により互いに接続して構成される。
【0009】
この様な平衡出力型弾性表面波フィルタに用いる前記絶縁基板2の製造法について以下説明する。例えばAlを主成分としSiO、SrO、CaO、PbO、NaO、KOを副成分として含む低温焼結誘電体磁器組成物、Alを主成分としMgO、SiO、GdOを副成分として含む低温焼結誘電体磁器組成物などの誘電体材料や、Bi、Y、CaCO、Fe、In、Vを成分組成として含む磁性体材料をボールミルにて湿式混合し、得られたスラリーを乾燥した後、700℃〜850℃の温度で仮焼し、粉砕乾燥して材料粉末を得て、この材料粉末と有機バインダー、可塑材、および、有機溶剤をボールミルにて混合し、脱泡機で粘度を調整した後、ドクターブレード法にて30μm〜250μmのセラミックグリーンシートとする。
【0010】
このグリーンシートに回路素子や接続線路を構成する電極パターンを導電性ペーストにより印刷形成し、前記電極パターン間を接続するビアホールを形成して、さらにグリーンシートを重ねて80℃に加熱して12MPaの圧力で熱圧着して積層体とし、所定の大きさ、形状となるように、例えばダイシングソーや鋼刃で前記積層体を切断して900℃〜1000℃で、2時間〜8時間焼成して絶縁基板2を得る。
【0011】
前記絶縁基板2の形状は、例えば矩形状であり、弾性表面波素子を搭載する第1の主面と、実装基板と接続するための接続端子50,51が形成された第2の主面と、前記切断により形成される側面を備える。絶縁基板2の第1の主面には、平衡出力型弾性表面波素子3やインダクタ3を実装するための電極パターンが形成され、絶縁基板2の内部には前記電極パターンを接続するビアホール6や、接続線路5が形成される。本実施例においては、絶縁基板2にパッケージ(管封止)型の弾性表面波フィルタを第1の主面に実装し、絶縁基板2の第1の主面に形成された接続線路5により弾性表面波フィルタの出力端間に並列配置したインダクタと接続する。接続線路5は、CuやAgなどの電極パターンで第1の主面上に形成されているが、図3に示す様に絶縁基板2に積層形成しても良い。このように構成することで、プリント基板に弾性表面波素子と並列配置するインダクタを別々に実装して、接続線路で電気的に接続する場合よりも、近接して配置でき、接続線路の寄生のインダクタンス成分やコンデンサ成分を小さく構成できる。
【0012】
図3は本発明の他の実施例に 係る平衡出力型弾性表面波フィルタの断面図である。ここでは、平衡出力型弾性表面波素子3をBGA(Ball Grid Array)のベアチップを用い、絶縁基板2に封止金属60で気密封止している。そして、絶縁基板2として、複数のセラミック層が積層されて一体焼成されてなる低温焼結セラミック積層体とし、これに前記平衡出力型弾性表面波素子3とインダクタ4を搭載している。前記インダクタ4のインダクタンス値は、使用される周波数で適宜選定されるが、例えばDCS1800(DIGITAL CELLULAR SYSTEM)では10nH程度、800MHz帯のGSM(GLOBAL SYSTEM FORMOBILE COMMUNICATIONS)では30〜60nH程度が推奨される。前記インダクタ4は、チップインダクタとして絶縁基板2に搭載しても良いし、前記絶縁基板に分布定数線路として形成しても良い。
前記インダクタ4を、積層インダクタとする場合には、必要に応じてチップインダクタを交換してインダクタンス値を微調整できる。また、前記インダクタ4を図4に示すように絶縁基板2に電極パターンを用いて分布定数線路4として積層形成すれば、インダクタを実装するための実装面積を低減でき、更に小型の弾性表面波フィルタを得ることが出来る。分布定数線路として形成する場合には、ミアンダ状、コイル状、スパイラル状等のパターンでインダクタ4を形成するが、積層基板上に前記パターンの少なくとも一部を形成すれば、トリミングによりインダクタンス値を微調整できるので好ましい。
【0013】
前記弾性表面波フィルタを弾性表面波素子のベアチップとし、バンプ接続すれば、パッケージ型の弾性表面波フィルタでのワイヤボンディングの為のリード線やモールド樹脂のために寄生のインダクタンスやコンデンサ成分を極めて小さく構成できる。またその封止は封止金属3で気密封止する方法や、封止樹脂による方法がある。
【0014】
弾性表面波素子のベアチップを、絶縁基板の第1の主面や第2の主面に形成した凹部(キャビティ)に配置し、絶縁基板2にフェースダウン実装すれば、第1の主面や第2の主面を平坦にすることが出来、マウンター等による取り扱いが容易となる。前記の実施例では平衡出力型弾性表面波素子3をBGA(BallGrid Array)のベアチップを用いているが、LGA(Land Grid Array)のベアチップを用いても良い。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
本実施例はベアチップ状の弾性表面波素子をセラミックパッケージに封止した面実装型弾性表面波素子3とインダクタ4を積層基板2の内部に形成された接続線路5で接続する弾性表面波フィルタである。前記積層基板は低温焼成が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが30μm〜200μmのグリーンシートを用意し、そのグリーンシート上にAgやCu等の導電ペーストを印刷して所望の電極パターンを形成し、それを適宜積層し、一体焼成させて構成される。前記電極パターンは、グランド電極GNDや分布定数線路を構成するライン電極、コンデンサを構成するコンデンサ電極や、回路素子間を電気的に接続する接続電極5を構成する。前記セラミック誘電体材料として、Alを主成分としSiO、SrO、CaO、PbO、NaO、KOを副成分として含む、比誘電率が7の低温焼結誘電体磁器組成物を用いた。
【0016】
前記積層基板の第1の主面には、面実装型弾性表面波素子3とチップインダクタを搭載している。面実装型弾性表面波素子3とチップインダクタ4は、絶縁基板2の第1の主面に形成された接続線路5で互いに電気的に接続され、その距離は凡そ2mmとなる様に形成されている。このように構成した高周波部品(弾性表面波フィルタ)の、925MHz〜960MHzでの挿入損失特性及び通過帯域内リップル、フェイズバランス(位相平衡度)、アンプリチュードバランス(振幅平衡度)を評価した結果を表1及び図8、図9に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0003729396
【0018】
本発明の如く構成することで、帯域内でのリップ量を2.0dB以下に調整することが出来る。平衡出力端に並列接続されるインダクタの位置が前記出力端から離間することにより、挿入損失特性が劣化するとともにリップル量も増加する。これを改善するには前記インダクタのインダクタンス値を大きくすれば良いが、アンプリチュードバランスや、フェイズバランスも変化することから、前記インダクタの配置位置とそのインダクタンス値は、挿入損失特性、リップル量、アンプリチュードバランス、フェイズバランスの各特性を勘案しながら決定するのが好ましい。
【0019】
(実施例2)
実施例1の弾性表面波フィルタを組み合わせて異なる2周波f1、f2の分波器を作製した。図5に前記分波器のブロック図を示す。この分波器は、例えばDCS(f1)とPCS(f2)の受信信号を分波するためのものであり、共用の端子20に接続された第1の位相器30と、その後段に配置された第1の弾性表面波フィルタ1aと、同じく共用の端子20に接続された第2の位相器31と、その後段に配置された第2の弾性表面波フィルタ1bとからなる。位相器30,31は、伝送線路からなり、それぞれ周波数帯域f1、f2で実際の線路長がλ/10〜λ/3となるように構成されている。第1の弾性表面波フィルタ1aは、f1の受信周波数帯でほぼ50Ωとなり、f2の受信周波数帯でほぼショートするような入力インピーダンス特性を有する弾性表面波フィルタであり、また第2の弾性表面波フィルタ1bはf2の受信周波数帯でほぼ50Ωとなり、f1の受信周波数帯でほぼショートするような入力インピーダンス特性を有する弾性表面波フィルタである。
【0020】
そして、第1の弾性表面波フィルタの前段に配置した第1の位相器により、f2の受信帯域では、前記共用の端子20から見たインピーダンス特性が、ほぼ開放の状態となり、他方第2の弾性表面波フィルタの前段に配置した第2の位相器により、f1の受信帯域で、前記共用の端子20から見たインピーダンス特性をほぼ開放の状態としている。ここで、「ほぼ開放状態」とは、インピーダンスZをZ=R+jXで表すとき、実数部Rを150Ω以上に調整した場合、及び虚数部Xの絶対値を100Ω以上に調整した場合である。また、「ほぼショート状態」とは、同様に実数部Rを15Ω以下に調整した場合、及び虚数部Xの絶対値を15Ω以下に調整した場合である。上記のように構成した分波器は、帯域内リップル、振幅平衡度、位相平衡度に優れた弾性表面波フィルタを用いたので、分波器としても優れた特性を得ることが出来る。
【0021】
(実施例3)
実施例2の異なる2周波f1、f2の分波器を用いて、高周波スイッチモジュールを作製した。図6に本発明の一実施例に係る前記高周波スイッチモジュールの断面図と、図7に本発明の一実施例に係る高周波スイッチモジュールの等価回路を示す。この高周波スイッチモジュールは、アンテナANTに対してDCS(f1)/PCS(f2)の送信回路TXとf1又はf2の受信回路RXを切り換えるものである。第1のスイッチ回路はダイオードと伝送線路を主要素子とし、ダイオード202のカソードは入出力端子10に接続され、アノードはf1、f2共用の送信系端子TXにコンデンサ303を介して接続され、またコンデンサ304を介してアースに接続される伝送線路402に接続されている。また伝送線路402とコンデンサ304の間にダイオード制御用の電圧コントロール回路VC2がある。アンテナANTと受信回路RXとの間に伝送線路401が接続され、受信回路側にアノードが接続されたダイオード201が接続され、ダイオード201のカソードにはアースとの間にコンデンサ302が接続され、ダイオード201とコンデンサ302の間に、ダイオード制御用の電圧コントロール回路VC1が接続され、前記ダイオード201のアノードとf1/f2の各受信回路RXとの間に、前記実施例2の分波器を配置した。前記分波器を構成する弾性表面波素子3は、絶縁基板2に形成された凹部にフェースダウン実装され、樹脂封止されている。そして、弾性表面波素子3の平衡出力端にはビアホールで形成される接続線路5を介して分布定数線路で形成されたインダクタが接続される。また、絶縁基板2にはスイッチ回路の一部のコンデンサパターン、伝送線路が積層形成される。上記のように構成した高周波スイッチモジュールは、帯域内リップル、振幅平衡度、位相平衡度に優れた弾性表面波フィルタで構成した分波器を用いたので、高周波スイッチモジュールとしても優れた特性を得ることが出来る。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る平衡出力型の弾性表面波フィルタと、該弾性表面波フィルタの出力に近接配置した並列インダクタとでなるバンドパスフィルタ回路によると、小型で高性能な弾性表面波フィルタを搭載しアンテナスイッチ回路を具備したアンテナスイッチ積層モジュールが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る弾性表面波フィルタの回路ブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る弾性表面波フィルタの斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る弾性表面波フィルタの断面図である。
【図4】 本発明の他の実施例に係る弾性表面波フィルタの断面図である。
【図5】 本発明の一実施例に係る分波器の回路ブロック図である。
【図6】 本発明の一実施例に係る高周波スイッチモジュールの断面図である。
【図7】 本発明の一実施例に係る高周波スイッチモジュールの等価回路図である。
【図8】 本発明の一実施例に係る弾性表面波フィルタの電気的特性図である。
【図9】 従来の弾性表面波フィルタの電気的特性図である。
【図10】 デュアルバンド携帯機のRF回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 弾性表面波フィルタ(高周波部品)
2 絶縁基板
3 弾性表面波素子
4 並列インダクタ
5 接続線路

Claims (6)

  1. 複数の誘電体層と電極パターンを積層してなるセラミック積層基板に、弾性表面波素子と、該弾性表面波素子の平衡出力端間に並列に接続されたインダクタを備え、
    前記インダクタのインダクタンス値が33〜82nHであり、
    前記インダクタは前記セラミック積層基板に形成された接続電極により前記弾性表面波素子と接続するともに、ビアホールを介して、前記セラミック積層基板の主面に形成され接続端子と接続し、
    もって、925MHz〜960MHzにおける帯域内リップルが2.0dB以下、位相平衡度が180±10deg.以内であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 前記インダクタを前記電極パターンからなる分布定数線路とし、前記セラミック積層基板に一体的に積層形成することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記インダクタをチップインダクタとして、前記セラミック積層基板に搭載することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記セラミック積層基板は、相対向する第1の主面および第2の主面と、当該主面間を連結する側面を備え、前記弾性表面波素子をベアチップ状態として前記第1の主面、又は第2の主面の少なくとも一方にフェースダウン実装し、前記電極パターンにバンプ接続することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 請求項1に記載の弾性表面波フィルタとスイッチング素子とコンデンサ及び/又はインダクタを備えた高周波スイッチとを備えることを特徴とする高周波スイッチモジュール。
  6. 前記高周波スイッチは、入力端が一つで出力端が二つのSPDT型高周波スイッチであり、前記出力端の少なくとも一つに、前記弾性表面波フィルタが接続されることを特徴とする請求項5に記載の高周波スイッチモジュール。
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