JP2005277728A - 電力増幅器の電源電圧調整回路、高周波モジュール及び無線通信装置 - Google Patents

電力増幅器の電源電圧調整回路、高周波モジュール及び無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波電力増幅器において、低い出力電力状態においても、高い電力付加効率を実現する。
【解決手段】送信出力電力の状態を設定するRF−ICの状態信号VS10によって、高周波増幅用半導体素子MMIC110,120のバイアス電圧を調整するバイアス電圧調整回路Vcont10,Vcont20を設けた。
【効果】任意の出力電力においてバイアス点がそれぞれ最適となるようして電力付加効率を高める。
【選択図】図2

Description

本発明は、送信信号を増幅する電力増幅器の電源電圧の調整をする電源電圧調整回路、これを備えた送信用高周波モジュール及び無線通信装置に関するものである。
近年、携帯電話機などの移動端末装置におけるデータ通信速度の高速化の要求が高まっている。例えばGSM(Global System for Mobile communication)方式においては、伝送レートを高くする方式としてEDGE(Enhanced Date Rates for GSM Evolution)と呼ばれるシステムが開発されている。その他の方式としてW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やcdma2000という方式が提案されているが、EDGEは、従来のIPネットワークがほぼ適用できるため、新たな設備投資が抑えられることから、低価格な料金体系が実現できるなどのメリットがあげられている。
特開2002-290247号公報
GSMの移動端末装置内にEDGEを組み込む方法として、1つの電力増幅器でGSM(通話)と、EDGE(データ)を兼用できれば、機器の小型化の観点から好ましい。
また、GSM/DCS(Digital Cellular System)等を組み合わせたマルチバンドの移動端末装置において、それぞれの周波数帯域において、通話とデータ転送に用いられる電力増幅器を1つにまとめることができれば、機器の小型に大きく貢献できる。
例えば電力増幅器をGSM,DCSで使用する場合、電力増幅器は飽和領域で動作され、アンテナ端における最大出力電力は、GSMで約33dBm、DCSで約30dBmとなるが、その領域で電力付加効率が最大になるように電力増幅器が設計される。
一方、EDGEでは、アンテナ端での最大出力電力は約27.5dBmと低くなり、出力信号が歪まないことが要求されている。
ところが、前述のように、通常の電力増幅器では、通話状態における最大出力電力において電力付加効率が最大になるように設計されているため、出力電力差が約5dB程度あるGSMとEDGEにおいては、同一の電力増幅器を用いた場合に、EDGEのような低出力電力状態における電力付加効率は低くなる。したがって、現行システムでは、データ通信時間、電池寿命が短いという問題がある。
本発明の目的は、EDGEなどの低い出力電力状態においても、高い電力付加効率を実現する小型化された電力増幅器の電源電圧調整回路を提供することである。
また本発明の目的は、前記電力増幅器の電源電圧調整回路を搭載した小型高周波モジュール、及び無線通信装置を提供することである。
本発明の電力増幅器の電源電圧調整回路は、アンテナ端子に直接、又は分波回路を通して接続され、送受信系を送信系と受信系とに切り替える分岐回路と、前記分岐回路に接続され各送信系の通過帯域での送信信号を増幅する電力増幅器とを備え、前記電力増幅器は、高周波増幅用半導体素子を含み、前記高周波増幅用半導体素子にバイアス電圧を供給する電源端子に接続され、送信出力電力の状態によって前記高周波増幅用半導体素子のバイアス電圧を調整するバイアス電圧調整回路を設けてなるものである。
低出力電力で電力付加効率が低い要因の一つとして、従来の方式では、低出力における高周波増幅用半導体素子の動作点が最適でないことが推測される。したがって、低出力時の電力付加効率を上げるためには、低出力時における高周波増幅用半導体素子の動作点を最適にするための低いバイアス電圧を高周波増幅用半導体素子に与えてやればよい。
本発明では、高周波増幅用半導体素子のバイアス電圧を調整することにより、任意の出力電力において電力付加効率が最大になるようにすることができ、電池の消費を低減できる。
例えばデータ伝送モードのような低出力電力においても、電力付加効率が最大になるようすることができるので、通話モード、データ伝送モードごとに、バイアス電圧を調整した高周波増幅用半導体素子を別々に用意しなくても済む。
また、高周波増幅用半導体素子が複数段の高周波増幅素子からなる場合、高周波増幅用半導体素子の各段のバイアス電圧を設定することができる。
ここで、「電力付加効率」(PAE)とは、(電力増幅器の出力電力PPA−電力増幅器の入力電力PIN)/(電力増幅器の直流電源電圧VBAT×電力増幅器の直流電源電流IBAT)で定義される。
図1は、高周波増幅用半導体素子の出力電力PPAと電力付加効率との関係を、バイアス電圧Vddを変数として描いたグラフである。出力電力PPAが小さくなるほど、電力付加効率は低下していくが、このときバイアス電圧Vddを低下させれば、電力付加効率の低下は軽減されることがわかる。
例えば、図1のグラフで、バイアス電圧Vddが3.5Vで、出力電力PPAが30dBmのとき、電力付加効率は38%となっているが、出力電力PPAを5dB下げて25dBmにしたとき、このままでは、電力付加効率は22%にまで下がってしまう。そこで、バイアス電圧Vddを2.0Vに下げれば、電力付加効率を36%にまであげることができる。
したがって、低出力電力下において、バイアス電圧Vddを低くすることにより、電力付加効率の低下を防ぐことができる。
本発明の高周波モジュールは、複数の誘電体層が積層されてなる多層基板の表面及び/又は内部に、前記電源電圧調整回路を実装してなるものである。この高周波モジュールは、通信状態にかかわらず、常に、高い電力付加効率を実現することができるので、消費電力の低い、発熱の少ない小型の高周波モジュールを実現することができる。
複数の周波数帯(マルチバンド)の送受信系を一体に組み込んだ高周波モジュールに、本発明を適用してもよい。この場合、複数の周波数帯の送受信系を一体に組み込むことによって高密度にパッケージされている状態において、それぞれの周波数帯域において、通話とデータ転送に用いられる電力増幅器を1つにまとめることができるので、低電力、低発熱量、小型化に大きく貢献できる。
また、本発明は、前記高周波モジュールを搭載した、低電力、小型の無線通信装置に係るものである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、高周波モジュールのブロック構成図である。
本発明の電力増幅器の電源電圧調整回路は、この高周波モジュールに搭載されているものである。
この高周波モジュールは、1つの共通のアンテナ端子ANTと、そのアンテナ端子ANTに接続されるGSM850方式(850MHz帯)、GSM900方式(900MHz帯)、DCS方式(1800MHz帯)、PCS(Personal Communication Services)方式(1900MHz帯)の4つの送受信系から構成される。
図2の高周波モジュールは、アンテナ端子ANTに対して通過帯域の異なる2つの送受信系GSM850/GSM900とDCS/PCとを各送受信系に分ける分波回路DIP10と、各送受信系GSM850/GSM900とDCS/PCSとを、それぞれ、送信系TXと受信系RXとにそれぞれ切替えるスイッチ回路(分岐回路)SW10,SW20とを備えている。
さらに、DCS/PCSTX端子、GSM850/GSM900TX端子への入力送信信号を増幅する高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120と、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120の出力インピーダンス調整等を行う出力整合回路MAT10,MAT20と、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120の出力に比例したモニタ信号を取り出す方向性結合回路COP10,COP20と、方向性結合回路COP10,COP20から取り出したモニタ信号に応じて高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120をフィードバック制御する自動電力制御回路Vapc10と、自動電力制御回路Vapc10の出力信号に基づいて高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120を制御する制御信号を発生する制御信号発生回路BVC10とを備えている。
さらに、前記高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120に与えるバイアス電圧を調整するバイアス電圧調整回路Vcont10,Vcont20が設けられている。バイアス電圧調整回路Vcont10の内部には、各段の高周波増幅素子に供給されるバイアス電圧を調整するための電圧調整回路1,2,3が備えられ、バイアス電圧調整回路Vcont20の内部には、各段の高周波増幅素子に供給されるバイアス電圧を調整するための電圧調整回路4,5,6が備えられている。
電圧調整回路1〜6は、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120の任意の状態において、電力付加効率が常に最適となるように、各段のバイアス電圧をそれぞれ調整する機能を有している。
これらの電圧調整回路1〜6は、例えば、内部に記憶装置を有しており、記憶装置には、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120の任意の状態において、最適な電力付加効率が得られる各段のバイアス電圧値が記憶されている。実際の動作においては、RF−ICからの切替え信号VS10と、記憶装置に記憶された値に基づいて各段にバイアス電圧が印加される。
ここで「RF−IC」とは、図示しないが、この高周波モジュールに接続されるミキサ、中間周波増幅回路、変復調回路を含む集積回路素子のことである。RF−ICからの切替え信号VS10は、移動端末装置が通話モードからデータ転送モードに切り替わった際に送られて来る信号である。RF−ICには、このモード切替えを知らせる信号を発生する機能が組み込まれている。
出力整合回路MAT10,MAT20は、それぞれ高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120の出力インピーダンスである0.5〜2Ωを、30〜50Ωに変換し、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120と方向性結合回路COP10,COP20間のインピーダンスを調整する機能と、電力増幅器で発生する高調波成分を減衰する機能とを有する。
図3は、図2に示す高周波モジュールの詳細な回路図である。
この図3によれば、アンテナ端子ANTは分波回路DIP10を介してスイッチ回路SW10,SW20に接続されている。
アンテナ端子ANTから受信されたGSM850/GSM900方式の受信信号は、分波回路DIP10を経てGSM850/GSM900側の送受信系へ導かれ、DCS/PCS方式の受信信号は、分波回路DIP10を経てDCS/PCS側の送受信系に導かれる。
スイッチ回路SW10,SW20は受信系RXと送信系TXとを切替えるものである。送受信の切替えには、例えば時分割方式が採用されている。
スイッチ回路SW10,SW20の送信系TX側には、高周波モジュールの外部よりGSM850/GSM900TX端子を介して入力した送信信号を増幅する高周波増幅用半導体素子MMIC120、DCS/PCSTX端子を介して入力した送信信号を増幅する高周波増幅用半導体素子MMIC110、高周波増幅用半導体素子MMIC120の出力整合回路MAT20、高周波増幅用半導体素子MMIC110の出力整合回路MAT10、出力整合回路MAT20と接続されている方向性結合回路COP20、出力整合回路MAT10と接続されている方向性結合回路COP10、方向性結合回路COP10の結合線路SLPD1と方向性結合回路COP20の結合線路SLPG1に接続され高周波増幅用半導体素子MMIC110,120の出力を制御する自動電力制御回路Vapc10、制御信号発生回路BVC10が設けられている。
以下に、前記各回路の詳細について、まず、GSM850/GSM900側の回路について説明する。
分波回路DIP20は、分布定数線路SLAG1、キャパシタCAG1、低域通過フィルタLPF20、高域通過フィルタHPF20から形成されている。
低域通過フィルタLPF20は、分布定数線路、分布定数線路に平行に配置されたキャパシタ、該分布定数線路とグランドとの間に形成されたキャパシタにより構成されている。この低域通過フィルタLPF20は、高周波増幅用半導体素子MMIC120及びスイッチ回路SW20が発生する高調波歪成分を低減させるとともに、アンテナ端子からの信号を周波数によって送受信系GSM850/GSM900と送受信系DCS/PCSとに分ける機能を有する。
高域通過フィルタHPF20はANT端子に入力したESDなどの高電圧サージからスイッチ回路SW20を保護する機能を有すると共に、分波回路DIP10とスイッチ回路SW20の整合をとる機能を有する。
スイッチ回路SW20は、高域通過フィルタHPF20の出力An2端子を、GSM850/GSM900の送信系Tx2端子又はGSM850の受信系Rx2端子に切替える。これにより、送受信の切替えを行う機能を持つ、また、送信時に送信信号が受信側に漏れる量を減衰する機能も併せ持つ。
高周波増幅用半導体素子MMIC120は、初段、中段、後段の3段の高周波増幅素子より構成され、それぞれに対して電圧供給用バイアス線路SLPG6、SLPG5、SLPG4を介して電圧が供給される。
これらの電圧供給用バイアス線路SLPG6、SLPG5、SLPG4には、バッテリ等から供給されるバイアス電圧Vdd6,Vdd5,Vdd4が印加される。この電圧をエネルギー源として、GSM850/GSM900TX端子に入力された入力信号の増幅が行われる。そして、電圧供給用バイアス線路SLPG6、SLPG5、SLPG4を高周波に対して4分の1波長のスタブとして機能させることで、高周波信号が直流電圧源に流れ込まないようにしている。また、分布定数線路SLPG5、SLPG6は、3段の高周波増幅素子を構成する高周波増幅用半導体素子MMIC110の中段と最終段、及び初段と中段との間に備えられ、それぞれの段間のインピーダンス整合を行なう役割を担っている。
出力整合回路MAT20は、分布定数線路SLPG2、キャパシタCPG1,2,3などから構成される。分布定数線路SLPG2、キャパシタCPG2、CPG3により低域通過フィルタを構成している。この低域通過フィルタは、高周波増幅用半導体素子MMIC120の出力インピーダンス(0.5〜2Ω程度)と方向性結合回路COP20の入力インピーダンス(30〜50Ω程度)とのインピーダンス整合を行うとともに、前記高周波増幅用半導体素子MMIC120から発生する不要信号を低減するという機能を有する。
また、分布定数線路SLPG3は、オープンスタブを構成し、高調波成分の抑制、及び高周波増幅用半導体素子MMIC120の増幅性能を最大限まで引き出す役割を担っている。
方向性結合回路COP20は分布定数線路SLPG0及びキャパシタCPG0からなる低域通過フィルタを構成している。この低域通過フィルタにより、前記高周波増幅用半導体素子MMIC120から発生する不要信号を低減することができる。なお、方向性結合回路COP20は、低域通過フィルタの機能を必ずしも持たせる必要はなく、キャパシタを設けずGSM帯域の周波数を通過させるための分布定数線路SLPG0だけで構成しても良い。
また、結合線路SLPG1を分布定数線路SLPG0に近接させて、容量結合、及び磁気結合を形成しており、これにより結合線路SLPG1の一端は送信回路TX側の高周波増幅用半導体素子MMIC120からの出力の一部をモニタ信号として取り出して、モニタ端子Mo2を経由して、自動電力制御回路Vapc10に入力している。結合線路SLPG1のもう一端は、終端抵抗RPG0が接続されている。
自動電力制御回路Vapc10は、方向性結合回路COP20から入力されたモニタ信号に応じて、高周波増幅用半導体素子MMIC120の制御信号を生成し、出力する。この自動電力制御回路Vapc10は、方向性結合回路COP20を通じてモニタされる高周波増幅用半導体素子MMIC120を目標出力値に制御するためのフィードバックゲインを決定しており、例えば、抵抗を3本用いたπ型アッテネータなどで構成されている。
制御信号は、制御信号発生回路BVC10を介して高周波増幅用半導体素子MMIC120に帰還される。自動電力制御回路Vapc20は、バイアス端子Vdd、Venable、Vramp等に接続されている。これらのバイアス端子は、自動電力制御回路Vapc10の状態を高周波モジュールの外部から制御する端子である。制御信号発生回路BVC10は、Vmod端子の電圧に応じて高周波増幅用半導体素子MMIC110とMMIC120のうちの動作する側を切りかえる機能を持っている。
次に、DCS/PCS側の回路の詳細について、GSM850/GSM900側の回路と異なるところのみ説明する。
分波回路DIP10のDCS/PCS側は、高域通過フィルタHPF10、低域通過フィルタLPF10で形成されている。
高域通過フィルタHPF10は、直列接続された2つのキャパシタとその間とグランドとの間に形成された分布定数線路により構成されている。この高域通過フィルタHPF10は、アンテナ端子からの信号を周波数によって送受信系GSM850/GSM900と送受信系DCS/PCSとに分ける機能を有する。低域通過フィルタLPF10は、高周波増幅用半導体素子MMIC110及びスイッチ回路SW10が発生する高調波歪成分を低減させる機能を有するとともに、分波回路とスイッチの整合をとる機能を有する。
DCS/PCS側回路のその他の構成は、GSM850/GSM900側の回路と同様であるから、重複した説明は省略する。
図4は、図2に示した電圧調整回路1〜6の具体的な回路例を示す図である。
電圧調整回路は、2つのスイッチSW1及びSW2を備えている。スイッチSW1及びSW2は、RF−ICからの切り替え信号に応じて、電源電圧VccをVddに直接接続するか、電圧降下トランジスタQ1、抵抗R1を介して接続するかを切り替える機能をもつ。電圧降下トランジスタQ1は、電源電圧Vccからの電圧を降下させる機能をもつ。電圧降下トランジスタQ1のゲートには、誤差検出器OP1が接続されている。誤差検出器OP1は、分圧抵抗R1及びゲインを決定する抵抗R2、R3によって生成される入力電圧と基準電圧を比較して、Vddへの供給電圧が一定となるように電圧降下トランジスタQ1での電圧降下量を調整する機能を持つ。前記基準電圧は、データ伝送モードのときにバイアス電圧Vddを、電源電圧Vccよりも低い値にするために設定される。基準電圧の最適値は、高周波増幅用半導体素子MMIC110,120の各段の高周波増幅素子に応じて決まる。したがって、基準電圧の値は、電圧調整回路1〜6ごとに違った値をとることがある。
図5は、電圧調整回路1〜6の他の回路例を示す図である。電圧調整回路は、2つのスイッチSW3及びSW4を備えている。スイッチSW3及びSW4は、RF−ICからの切り替え信号に応じて、電源電圧VccをVddに直接接続するか、スイッチングトランジスタQ2、インダクタL1を介して接続するかを切り替える機能をもつ。スイッチングトランジスタQ2は、PWM信号によってON/OFFされて、直流の電源電圧Vccを矩形波に変換する。インダクタL1及びコンデンサC1は、矩形波信号を平滑する役割をもつ。ダイオードD1はスイッチングトランジスタQ2がOFF時に、インダクタL1に蓄積されたエネルギーを回生する機能をもつ。スイッチングトランジスタQ2のゲートには、誤差検出器OP2,OP3が接続されている。誤差検出器OP2は、抵抗R4、R5の値でフィードバックゲインを決定している。基準電圧との誤差がゼロになるように、誤差検出器OP3でPWM信号を発生してスイッチングトランジスタQ2のON/OFF比を調整する。前記基準電圧は、データ伝送モードのときにバイアス電圧Vddを、電源電圧Vccよりも低い値にするために設定される。基準電圧の最適値は、高周波増幅用半導体素子MMIC110,120の各段の高周波増幅素子に応じて決まる。したがって、基準電圧の値は、電圧調整回路1〜6ごとに違った値をとることがある。
以上のように、本発明の実施形態の高周波モジュールの回路によれば、データ伝送モードのときに高周波増幅用半導体素子MMIC110,120に印加されるバイアス電圧Vddの値を、それぞれ高周波増幅用半導体素子MMIC110,120の各段の高周波増幅素子に応じて設定することができる。したがって、通話モード、データ伝送モードいずれの場合でも、各段の高周波増幅素子ごとに最良の電力付加効率を実現することができる。
図7は、従来方式と本発明による高周波モジュールを作成して、周波数GSM900において、それぞれの出力電力と電力付加効率を測定した結果を比較したグラフである。
図7において、OTは従来方式による測定結果を示す曲線であり、本発明による測定結果はNTで示される。図7によると、従来方式は、出力が33dBmであるときの電力付加効率は50%以上であるのに対して、出力27dBmでは電力付加効率は30%程度に低下している。一方、本発明の方式によると、出力33dBmにおいても出力27dBmにおいても、出力が27dBmに低下したときでも電力付加効率はおよそ50%程度で、電力付加効率の低下が見られていない。
次に、本発明の高周波モジュールを構成する各部品の実装状態を説明する。
高周波モジュールは、誘電体層と導体層を交互に複数積層してなる多層基板の表面、及び/又は多層基板の内部に部品として実装される。多層基板の表面又は内部に実装される場合、多層基板の表面又は内部の導体回路パターンによって、高周波モジュールの部品が構成される場合を含む。
本発明によれば、スイッチ回路SW10、スイッチ回路SW20が、1つの高周波半導体集積回路素子(以下、SW−IC素子という)に集積されている。
SW−IC素子は、GaAs(ガリウム砒素)化合物を主成分とする基板上にスイッチ回路パターンを形成したものである。この構造によって小型化、低ロス化を図ることができる。
また、本発明の高周波モジュールにおいては、高周波増幅用半導体素子MMIC110,MMIC120も、高周波半導体集積回路素子(以下、AMP−IC素子という。)によって形成される。なお、制御信号発生回路BVC10は、AMP−IC素子内に集積されていることが望ましいが、別の実装部品として高周波モジュールの表面や内部に実装することもできる。
このAMP−IC素子は、GaAs(ガリウム−砒素)、InGaP(インジウムガリウムリン)又はSi(シリコン)などの半導体材の基板上に、HBT(ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ)構造又はP−HEMT構造(高移動度トランジスタ)が形成されたものである。小型化、高電力付加効率化を図る上では、GaAs HBT構造の半導体素子からなることが望ましい。
また、バイアス電圧調整回路Vcont10,Vcont20は、小型化を図る上で半導体集積回路素子(以下、Vdd−IC素子という。)として前記多層基板の上面に、実装することが望ましい。しかし、AMP−IC素子中に集積化することもできる。また、高周波モジュールの外部に別の電子部品として構成してもよい。
本発明の送信用高周波モジュールでは、前記以外の回路、すなわち分波回路DIP10、出力整合回路MAT10,MAT20、方向性結合回路COP10,COP20などについては、これらの回路を構成するキャパシタやインダクタ等の一部を、チップ部品(集中定数素子)として多層基板の上面に設けたり、これらの回路を構成するキャパシタ、インダクタ等の一部を、多層基板上面又は内層に導体パターンとして形成して設けることができる。
さらに、方向性結合回路COP10,COP20をAMP−IC素子内に集積してもよい。また、方向性結合回路を備えず、その代わりに電力増幅器の出力整合回路を構成する分布定数線路の一部からモニタ信号を取り出す方法を採用しても良い。
また、携帯電話機などにおいて、高周波モジュールの更なる小型化のために、図2のGSM850―RX端子、GSM900―RX端子、DCS―RX端子、PCS―RX端子とに接続される、SAWフィルタ、FBARフィルタ等の帯域通過フィルタが(図示せず)、本実施例に示す高周波モジュールの内部に一体化されていても良い。
また、直列キャパシタCPG1は、多層基板上面の実装部品とすることにより、多層基板内蔵素子の電気的不具合をチェックする際に方向性結合回路COP10と出力整合回路MAT10とを別々に評価することが可能となる。
図6は、本発明に係る高周波モジュールの実装状態を示す一部切欠斜視図である。
図6に示すように、高周波モジュールの中に、セラミックなどからなる同一寸法形状の誘電体層11〜17が積層されて多層基板Aが構成されている。この多層基板Aの上面及び側面は金属からなるシールドカバー10で被覆され、さらに多層基板Aの下面で該多層基板Aの側面に近い部分には信号用端子パターン22がLGA(ランドグリッドアレイ)方式の電極として形成されている。
そして、最上層の誘電体層11上には、各種のパターンのほか、AMP−IC素子23a、Vdd−IC素子23bなどの高周波モノリシック半導体集積回路や、キャパシタ、インダクタなどのチップ部品(集中定数素子)24が複数実装されている。
誘電体層11〜17は、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって配線導体層が形成されたもの、または、セラミック材料などの無機系誘電体基板に種々の配線導体層を誘電体基板と同時に焼成して形成されたものが用いられる。
前記セラミック材料としては、(1)Al23、AlN、Si34、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
前記(2)の混合物としては、BaO−TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料に、SiO2、Bi23、CuO、Li2O、B23等の助剤を適宜添加したものが用いられる。(3)のガラス組成物としては、少なくともSiO2を含み、Al23、B23、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、具体的には、SiO2−B23−RO系、SiO2−BaO−Al23−RO系、SiO2−B23−Al23−RO系、SiO2−Al23−RO系、さらにはこれらの系にZnO、PbO、Pb、ZrO2、TiO2等を配合した組成物が挙げられる。また、ガラスとしては、焼成処理することによっても非晶質ガラスであるもの、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスなどが用いられる。
また、前記(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al23、SiO2(クォーツ、クリストバライト)、フォルステライト、コージェライト、ムライト、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、AlN、Si34、SiC、MgTiO3、CaTiO3などのチタン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラス20〜80質量%、フィラー20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
一方、配線導体層は、誘電体基板と同時焼成して形成するために、誘電体基板を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガン、銅の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。セラミック材料が前記(2)(3)の低温焼成セラミック材料を用いる場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする低抵抗導体材料が用いられる。
誘電体基板は、誘電率を高くすることで、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また、配線や線路などを低損失の低抵抗導体によって形成できることから、前記(1)(2)の低温焼成セラミック材料によって形成することが望ましい。
この多層基板の具体的な製造方法を説明する。アルミナ、ムライト、フォルステライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラスなどをベースとして、公知の焼結助剤や高誘電率化に寄与するチタン酸塩などの化合物をこれに添加混合してセラミックグリーンシートを作成する。
セラミックグリーンシートの表面に導体層を形成する。導体層の形成方法は、前記金属を含有する導体ペーストをセラミックグリーンシートの表面に塗布したり、金属箔を貼付したりする。
上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し、焼成する。この場合、各誘電体層には、複数の層にわたって形成された回路を厚み方向に接続するために、貫通孔に導体ペーストが充填してなるビアホール導体が適宣形成される。
そして、セラミックグリーンシートを、これらの導体層と同時焼結する。
なお、本発明の高周波モジュールにおいて、多層基板を構成する誘電体層の比誘電率は、10以上、特に15〜25であることが望ましい。このように誘電体層を高誘電率化することで、各回路を構成する分布定数線路の長さを短縮するとともに、キャパシタ素子の対向面積を減少することができ、高周波モジュールの小型化を実現することが可能となる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
高周波増幅用半導体素子の出力電力PPAと電力付加効率との関係を、バイアス電圧Vddを変数として描いたグラフである。 本発明の電力増幅器の電源電圧調整回路が搭載された高周波モジュールのブロック構成図である。 高周波モジュールの詳細な回路図である。 図2に示した電圧調整回路1〜6の一例を示す回路図である。 図2に示した電圧調整回路1〜6の他の回路図である。 高周波モジュールの実装状態を示す一部切欠斜視図である。 従来方式と本発明による高周波モジュールを作成して、周波数GSM900において、それぞれの出力電力と電力付加効率を測定した結果を比較したグラフである。
符号の説明
ANT アンテナ端子
COP10,COP20 方向性結合回路
DIP10 分波回路
MMIC110,MMIC120 高周波増幅用半導体素子
MAT10,MAT20 出力整合回路
SW10,SW20 スイッチ回路(分岐回路)
Vcont10,Vcont20 バイアス電圧調整回路

Claims (6)

  1. アンテナ端子に直接、又は通過帯域の異なる複数の送受信系を切り分ける分波回路を通して接続され、当該送受信系を送信系と受信系とに切り替える分岐回路と、
    前記分岐回路に接続され各送信系の通過帯域での送信信号を増幅する電力増幅器とを備え、
    前記電力増幅器は、高周波増幅用半導体素子を含み、
    前記高周波増幅用半導体素子にバイアス電圧を供給する電源端子に接続され、
    送信出力電力の状態によって前記高周波増幅用半導体素子のバイアス電圧を調整するバイアス電圧調整回路を設けてなることを特徴とする電力増幅器の電源電圧調整回路。
  2. 前記送信出力電力の状態は、通話モードとデータ伝送モードに対応する請求項1記載の電力増幅器の電源電圧調整回路。
  3. 前記高周波増幅用半導体素子は、複数段の高周波増幅素子からなる請求項1又は請求項2記載の電力増幅器の電源電圧調整回路。
  4. 複数の誘電体層が積層されてなる多層基板の表面及び/又は内部に実装される高周波モジュールであって、
    前記請求項1から請求項3記載のいずれかに記載の電源電圧調整回路を実装してなる高周波モジュール。
  5. 複数の周波数帯の送受信系を一体に組み込んだ請求項4記載の高周波モジュール。
  6. 前記請求項4又は請求項5記載の高周波モジュールを搭載する無線通信装置。
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JP2008118624A (ja) * 2006-10-13 2008-05-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波電力増幅装置
JP2010154512A (ja) * 2008-11-07 2010-07-08 Epcos Ag 多層増幅器モジュール
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