JP2007124202A - 高周波モジュールおよび無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波モジュールの高集積化・小型化を図りつつ、送信信号漏洩電力を低減することで受信感度の優れた高周波モジュールおよび無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高周波モジュールは、高周波モジュール22において、出力整合回路26の並列キャパシタCG6の一端はRF信号線路54bに接続し、他端は第2のグランド接続パターン53に接続した。前記第2のグランド接続パターンは、高周波モジュール22の裏面グランドパターン40にのみビアを介して接続されており、裏面グランドパターン40に接続されるまで、電力増幅用半導体素子24と接続される内層グランド55やデュプレクサ4a、4bと接続される内層グランド57とは接続されないことを特徴とするものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、携帯電話などの無線通信装置に用いられ、分波回路、電力増幅回路等により構成されるマルチバンド送受信用の高周波モジュール及びそれを搭載した携帯電話機などの無線通信装置に関するものである。
携帯電話などに用いられる高周波信号処理回路の一般的構成では、アンテナから入力された受信信号とアンテナに給電する送信信号とを分波するためのデュプレクサが設けられており、アンテナから入ってきた無線信号は、直接又はデュプレクサの前段に設けられた回路を通ってデュプレクサに入力され、ここで受信信号が選択的に通過するようになっている。そして、デュプレクサを通過した受信信号は、低雑音増幅器で増幅され、信号処理回路に供給される。
一方、送信信号は、所定の周波数帯域を通過させる高周波フィルタを通ってノイズを落とされ、電力増幅器に伝えられる。この送信信号は、電力増幅器で増幅され、出力整合回路を介してデュプレクサに供給される。なお、出力整合回路には方向性結合器が接続されており、電力増幅器の出力信号強度をモニターするようになっている。
従来、デュプレクサ、電力増幅器、高周波フィルタなどは、それぞれ個別部品として製造され、基板の上面にディスクリートに搭載されていた。しかし、それぞれ個別の部品を用いて基板に搭載すると、機器の大型化、高コスト化を招来することとなるため、これらの部品を誘電体多層基板の上部に搭載するか内部に形成するかして、高周波モジュールとして一体に構成されるようになってきた。これにより、通信機器の小型軽量化、低コスト化につながっている。
ところが、高周波モジュールにおいて高集積化・小型化が進むにつれ、多層基板の表面または内部に形成されるパターン数が増加し、近接することにより、パターン間の干渉が発生するという課題が発生している。このため、多層基板内のパターンにおいて、各素子間の干渉を防止するための内部グランド導体層を設けたり、電力増幅器のグランドとデュプレクサのグランドを内部で接続しないようにしたりする対策が施されてきたが、小型にするためのパターンの高密度化による影響の方が大きく、特に、送信信号漏洩電力の増加を招いている。
具体的には、図6に示すような構造である。
多層基板の表層には、各種の導体パターン、各種チップ部品のほか、高周波フィルタ9、10、デュプレクサとしての送信用フィルタ3a、4a、デュプレクサとしての受信用フィルタ3b、4b、並びに電力増幅器7、8の一部を構成する電力増幅用半導体素子24、25などが搭載され、これらは表層に形成された導体パターンに半田などで接合されている。特に、電力増幅用半導体素子24、25は多層基板上の導体パターンとワイヤーボンディングで接続されている。また、電力増幅用半導体素子24、25の周囲には、同じく電力増幅器7、8の一部を構成する出力整合回路26、27がチップ部品や導体パターンで形成されている。さらに、これらの他にGPS用フィルタ12、検波用回路11なども搭載されている。
多層基板の最下面には、裏面グランドパターン40が設けられるとともに接続端子28が設けられている。この接続端子28は、この高周波モジュール22を移動体無線通信装置のマザーボードに搭載するときに用いられる端子である。
多層基板の内部には、方向性結合器5、6、インピーンダス調整回路3c、4cを構成する分布定数回路、結合線路、分布型キャパシタ、抵抗などの導体パターンが誘電体中にそれぞれ形成されている。なお、方向性結合器5、6以外にトリプレクサ2を構成する受動素子も誘電体中に形成されている(図示しない)。
そして、各誘電体層には複数の層にわたって、回路を縦に接続するため必要なビアホールが形成されている。
さらに、多層基板の中間層には、内部グランド導体層29、30が図に示すように分離して設けられている。これは、多層基板内に配置された分布定数ストリップ線路同士が干渉しないように、アイソレーション対策として設けられたものである。
もし、最下層の裏面グランドパターン40のような広い面積が確保でき、かつ多量のビアを裏面グランドパターン40に接続できれば、内部グランド導体層も裏面グランドパターン40と同様に理想接地とみなせるが、通常、誘電体層内は、ストリップ線路などの分布定数線路がいたるところに配置されているため、希望通りに内部グランド導体層の面積及びビア本数が確保できない場合が生じる。その場合には、周波数によっては内部グランド導体層が理想接地からインダクタ成分を挿入したような、不十分な接地導体となる可能性があり、次のような問題が生じる。
電力増幅器7、8で生成される送信信号は、原理的には、表層に実装されている受信用フィルタ3b、4bを通過して、不要な周波数成分が低減された状態でANT端子に達する。このため、電力増幅器7、8で発生した送信信号がそれぞれに接続された受信用フィルタ3b、4bにより、Rx端子に達する段階では抑制される。
しかし、実際には、一部の送信信号は内部グランド導体層を伝播して、Rx端子に漏れてしまう。この結果、送信信号漏洩電力が増加することになる。そこで29、30に示す内部グランド導体層間、具体的には大電力を発生させる電力増幅器とそれ以外のフィルタや方向性結合器などの受動回路との間、及び方向性結合器と受信フィルタ間において、一定の幅をもったスリット31を設け、内部グランド導体層を分離し、送信信号の伝播経路を断つことで改善を試みたが、改善はするものの規定の送信電力漏洩電力値以下まで低減できなかった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−198325号公報
本発明は、高周波モジュールの高集積化・小型化を図りつつ、送信信号漏洩電力を低減することで受信感度の優れた高周波モジュールおよび無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、出力整合回路の一部である並列キャパシタから裏面グランドパターンまでの経路を電力増幅用半導体素子やデュプレクサなどの内層グランドから独立した経路とすることで規定の送信信号漏洩電力以下に低減できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、モジュール基板の表面に電力増幅用半導体素子およびデュプレクサが搭載されるとともに、前記電力増幅用半導体素子と前記デュプレクサとを結ぶ出力整合回路としての直列インダクタおよび並列キャパシタが前記モジュール基板の表面または内部に配置され、前記モジュール基板の裏面に、前記電力増幅用半導体素子、前記デュプレクサおよび前記並列キャパシタを接地するための裏面グランドパターンが形成されてなり、前記並列キャパシタから前記裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路が、前記電力増幅用半導体素子および前記デュプレクサから前記裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路から独立していることを特徴とする高周波モジュールである。
また本発明は、前記高周波モジュールを内部に搭載した無線通信装置である。これにより、小型かつ優れた特性の無線通信装置を得ることができる。
なお、直列インダクタとは信号線路に対して直列に挿入されたインダクタであり、並列キャパシタとは一端を信号線路に接続するとともに他端をグランドに接地したものであって信号線路とグランド間に並列に挿入されたキャパシタを意味するものである。
本発明によれば、並列キャパシタから裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路が、電力増幅用半導体素子およびデュプレクサから裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路から独立しているので、送信信号漏洩電力の低減を図ることができる。
図1は携帯電話機などの移動体通信装置に用いられる、CDMAデュアルバンド方式の高周波信号処理部のブロック構成図を示す。
このCDMAデュアルバンド方式では、高周波信号処理部はセルラー方式800MHz帯の周波数バンドおよびPCS(Personal Communication Services)方式1.9GHz帯の周波数バンドを持った2つの送受信系と、GPS(Global Positioning System)による測位機能を利用するためのGPSの受信バンド1.5GHz帯を持った1つの受信系とから構成される。
このような複数のバンド構成の高周波信号処理部を搭載した移動体無線通信装置において、各部に対する小型化、軽量化の要求が強く、これらの要求を考慮して、高周波信号処理回路は、所望の特性が達成できる単位で高周波モジュール化されている。
すなわち、図1の点線で示されるように、トリプレクサ2、デュプレクサを構成する送受信用フィルタ3a、3b、4a、4b、GPS用フィルタ12を含む分波系回路、電力増幅器7、8、方向性結合器5、6などを含む送受信系回路が1つの基板に形成され、1つの高周波モジュール22を形成している。
以下、800MHz帯と1.9GHz帯の2つの周波数帯を含む高周波モジュール22について説明する。
図1において、1はアンテナ、2は周波数帯を分けるための低域通過フィルタLPFと高域通過フィルタHPFとを含むトリプレクサ、3aは1.9GHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、3bは同受信系を分離する受信用フィルタ、4aは800MHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、4bは同受信系を分離する受信用フィルタである。また、12はトリプレクサ2から取り込まれるGPS信号を通過させるためのフィルタである。3c、4cは、受信信号の位相を回転させるインピーダンス調整回路である。3a、3b、3cで一つのデュプレクサが構成されるとともに、4a、4b、4cで一つのデュプレクサが構成されている。
5、6は送信電力をモニタするための方向性結合器である。7、8は、それぞれ800MHz帯、1.9GHz帯の送信信号を電力増幅する電力増幅器である。電力増幅器7、8は送信信号を増幅する電力増幅用半導体素子24、25と、電力増幅用半導体素子24、25の出力側でインピーダンスマッチングをとる出力整合回路26、27とを含んでいる。電力増幅用半導体素子24と出力整合回路26とによって電力増幅器7を構成し、電力増幅用半導体素子25と出力整合回路27とによって電力増幅器8を構成している。
9、10は送信信号の800MHz帯、1.9GHz帯の送信周波数帯のみを通過させる高周波バンドパスフィルタである。
デュプレクサを構成する送信用フィルタ3a、4a、及び受信用フィルタ3b、4b、高周波バンドパスフィルタ9、10は、例えば弾性表面波(Surface Acoustic Wave)素子で構成されるものである。弾性表面波素子の構造は限定されないが、好ましくは36°Yカット−X伝搬のLiTaO結晶、64°Yカット−X伝搬のLiNbO結晶、45°Xカット−Z伝搬のLiB結晶などからなる基板上に、櫛歯状のIDT(InterDigital Transducer)電極が形成されたものである。なお、デュプレクサとしては、弾性表面波素子の他、FBARや誘電体フィルタであってもよい。
17は送信信号処理回路を示し、18は受信信号処理回路を示す。19はデータ処理用のベースバンドIC回路である。
以下、セルラー/PCS送信系における信号の流れを説明する。送信信号処理回路17から出力されるセルラー送信信号は、高周波バンドパスフィルタ9でノイズが削減され、電力増幅器7に入力される。送信信号処理回路17から出力されるPCS送信信号は、高周波バンドパスフィルタ10でノイズが削減され、電力増幅器8に入力される。
電力増幅器7、8はそれぞれ800MHz帯、1.9GHz帯の周波数帯の送信信号を電力増幅する。増幅された信号は、方向性結合器5、6を通り、送信用フィルタ4a、3aに入力される。
方向性結合器5、6は電力増幅器7、8からの出力信号のレベルをモニタして、そのモニタ信号に基づいて電力増幅器7、8をオートパワーコントロールするためのものである。そのモニタ出力は、検波用回路11に入力される。
一方受信系は、受信用フィルタ3b、4bで分離された受信信号を増幅する低雑音増幅器LNA13、14と、受信信号からノイズを除去する高周波フィルタ15、16とを備えている。高周波フィルタ15、16を通った受信信号は、受信信号処理回路18に伝えられ信号処理される。また、前記GPS用フィルタ12で分離されたGPS信号は、受信信号処理回路18に入力され信号処理される。
図2は、高周波モジュールに含まれる電力増幅器7、8及び方向性結合器5、6の詳細な回路図である。作図の都合上、図1と違って、セルラー送受信系とPCS送受信系を上下逆にして描いている。また、PCS側の回路構成は、セルラー側の回路構成と同様であるから、セルラー側のみ説明し、PCS側の説明は省略する。
送信信号処理回路17につながる高周波バンドパスフィルタ9は、電力増幅用半導体素子24の前段に配置されている。高周波バンドパスフィルタ9と電力増幅用半導体素子24との間には直流分をカットするキャパシタCG7が存在している。
電力増幅用半導体素子24は、初段、中段、後段の3段の電力増幅用半導体素子より構成され、それぞれに対して電圧供給用バイアス線路LG9、LG8、LG7を介して電圧が供給され、この電圧源を利用して、セルラー端子に入力された入力信号の増幅が行なわれる。電圧供給用バイアス線路LG7、LG8、LG9を高周波に対して4分の1波長のスタブとして機能させることで、高周波信号が直流電圧源に流れ込まないようにしている。CG8、CG9、CG10はデカップリング用キャパシタである。
出力整合回路26は、直列インダクタLG6、並列キャパシタCG6から構成され、これにより低域通過フィルタを形成している。この低域通過フィルタは、電力増幅用半導体24の出力インピーダンス(0.5〜2Ω程度)と方向性結合器5の入力インピーダンス(30〜50Ω程度)とのインピーダンス整合を行なう。なお、出力整合回路26の前段にオープンスタブを配置し、電力増幅用半導体素子24から発生する不要信号を低減するという機能を付加してもよい。
出力整合回路26の出力側に接続されたキャパシタCG5は、方向性結合器5に対して直流成分が流れ込むことを防ぐ機能を持つ。
方向性結合器5は、分布定数回路LG4及びキャパシタCG13からなる低域通過フィルタを構成している。この低域通過フィルタにより、電力増幅用半導体素子24から発生する不要信号を低減することができる。なお、方向性結合器5は低域通過フィルタの機能を必ずしも持たせる必要は無く、キャパシタCG13を設けずに高周波送信信号を通過させるための分布定数回路LG4だけで構成しても良い。なお、方向性結合器5の後段にオープンスタブを負荷し、前記電力増幅用半導体素子24から発生する不要信号を低減するという機能を有してもよい。
さらに、結合線路LG5は分布定数回路LG4に近接させて、容量結合、及び磁界結合を形成しており、これにより電力増幅用半導体素子24から発生する出力の一部をモニタ信号として、検波用回路11に出力する。結合線路LG5の送信用フィルタ4a側には、終端抵抗RG2が接続されている。検波用回路11は、入力されたモニタ信号に応じて、制御信号を生成し、ベースバンドIC19の自動電力制御回路に供給する回路である。
また、送信用フィルタ4aの後段にオープンスタブを付加し、このオープンスタブによって、前記電力増幅用半導体素子24から発生する不要信号を低減するという機能を有しても良い。
前記電力増幅用半導体素子24は、GaAsトランジスタ、シリコン若しくはゲルマニウウムトランジスタを含む半導体素子で形成されている。その構造は、限定されないが好ましくは、小型化、効率化を図るためにGaAsHBT(ガリウム砒素ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ)構造またはP−HEMT構造である。
高周波モジュール22を構成する基板は、同一寸法形状の複数の誘電体層が積層された多層構造を有している。このような基板としては、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって配線導体層が形成されたもの、または、セラミック材料などの無機系誘電体基板に種々の配線導体層を誘電体基板と同時に焼成して形成されたものが用いられる。
上記セラミック材料としては、(1)Al、AlN、Si、SiCなどを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)金属酸化物の混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
前記(2)の混合物としては、BaO−TiO系、Ca−TiO系、MgO−TiO系等のセラミック材料が用いられる。これらのセラミック材料に、SiO、Bi、CuO、LiO、B等の助剤を適宜添加したものも用いられる。
前記(3)のガラス組成物としては、少なくともSiOを含み、Al、B、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、具体的には、SiO−B−RO系、SiO−BaO−Al−RO系、SiO−B−Al−RO系、SiO−Al−RO系、さらにはこれらの系にZnO、PbO、Pb、ZrO、TiO等を配合した組成物が挙げられる。また、前記(3)のガラスとしては、焼成処理することによっても非晶質ガラス、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスなどが用いられる。また、前記(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al、SiO(クォーツ、クリストバライト)、フォルステライト、コージェライト、ムライト、ZrO、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、AlN、Si、SiC、MgTiO、CaTiOなどのチタン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラス20〜80質量%、フィラー20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
一方、配線導体層は、誘電体基板と同時焼成して形成するために、誘電体基板を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられる。例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガン、銅の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。セラミック材料が前記(2)(3)の低温焼成セラミック材料を用いる場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする低抵抗導体材料が用いられる。
また、ビアホール導体は、誘電体層に形成した貫通孔にメッキ処理するか、導体ペーストを充填するかして形成される。
特に、セラミック材料を用いれば、セラミック誘電体からなる基板の比誘電率は通常9から25と樹脂基板に比べて高いので、誘電体層を薄くでき、誘電体層に内装された回路の素子のサイズを小さくでき、素子間距離も狭くすることができる。
とりわけ、ガラスセラミックスなどの低温で焼成が可能なセラミック材料を用いると、前述したように、導体パターンを低抵抗の銅、銀などによって形成することができるので望ましい。
誘電体基板は、誘電率を高くすることで、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また、配線や線路などを低損失の低抵抗導体によって形成できることから、前記(1)(2)の低温焼成セラミック材料によって形成することが望ましい。
この多層基板の具体的な製造方法を説明する。アルミナ、ムライト、フォルステライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラスなどをベースとして、公知の焼結助剤や高誘電率化に寄与するチタン酸塩などの化合物をこれに添加混合してセラミックグリーンシートを作成する。
セラミックグリーンシートの表面に導体層を形成する。導体層の形成方法は、前記金属を含有する導体ペーストをセラミックグリーンシートの表面に塗布したり、金属箔を貼付したりする。
上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し、焼成する。この場合、各誘電体層には、複数の層にわたって形成された回路を厚み方向に接続するために、貫通孔に導体ペーストが充填してなるビアホール導体が適宣形成される。
最後に、セラミックグリーンシートをこれらの導体層と同時焼成する。
そして、本発明の特徴部分について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の高周波モジュールの一実施形態の平面図であり、図4は本発明の高周波モジュールの詳細分解斜視図で10層構造(最上層がL1、最下層がL10)を示している。図3において、50は図2に示すLG6に対応する直列インダクタであり、51は図2に示すCG6に対応する並列キャパシタであり、これらはチップ部品で構成され、モジュール基板の表面に搭載されている。また、図4において、最下層L10には電力増幅用半導体素子(800MHz帯PA)、デュプレクサ(800MHz帯DPX)および並列キャパシタ51に共通の裏面グランドパターン40が形成されている。
第1のグランド接続パターン52は、ビアを介して800MHz帯PA用内層グランド55に接続され、さらにビアを介して裏面グランドパターン40に接続される。ここで、800MHz帯PA用内層グランド55の機能としては、表層に実装された800MHzPAの基準グランドを十分に確保するとともに、PAの放熱性を向上させることが挙げられる。また、第2のグランド接続パターン53は、ビアを介して異バンド間干渉防止用内層グランドパターン56に接続され、さらにビアを介して裏面グランドパターン40に接続される。ここで、異バンド間干渉防止用内層グランドパターン56の機能は、図に示す上側の領域である800MHz帯部分41と、図に示す下側の領域である1.9GHz帯部分42との間の干渉を遮断することによって、それぞれの周波数帯域にとって不要な高調波成分を低減することである。
本発明の特徴は、並列キャパシタ51の一端をRF信号線路54bに接続し、他端を第2のグランド接続パターン53に接続した点にある。すなわち、第2のグランド接続パターン53はビアを介して異バンド間干渉防止用内層グランドパターン56および裏面グランドパターン40に接続されているが、800MHz帯PAと接続される800MHz帯PA用内層グランド55や800MHz帯DPXと接続される800MHz帯DPX用内層グランド57とは接続されておらず、これらから独立した構造になっているのが重要である。
800MHz帯PAから出力された送信信号はRF信号線路54a、直列インダクタ50を通って並列キャパシタ51に入力される。送信信号の殆どはRF信号線路54bに流れていくが、若干の漏れ信号は並列キャパシタ51を介して接地用の経路に流れてしまう。
ここで、図3に示す領域Aに並列キャパシタ51を配置すると、グランド接続は第1のグランド接続パターン52にされることとなり、漏れ信号は第1のグランド接続パターン52からビアを介して接続された800MHz帯PA用内層グランド55に広がる。800MHz帯PA用内層グランド55は800MHz帯DPX用内層グランド57と近くに配置されているために800MHz帯PA用内層グランド55に流れた漏れ信号が電磁界結合により800MHz帯DPX用内層グランド57に新たな不要信号を誘起させ、この不要信号がRx端子に漏れていくため、送信信号漏洩電力が増加してしまう。また、800MHz帯PA用内層グランド55と800MHz対DPX用内層グランド57と異バンド間干渉防止用内層グランド56が接続された場合でも、同様に送信信号漏洩電力が増加してしまう。
これに対し、本発明では、図3に示す並列キャパシタ51の配置とすることで、グランド接続は第2のグランド接続パターン53にされることとなる。そして、漏れ信号は第2のグランド接続パターン53に流れてしまうが、第2のグランド接続パターン53から裏面グランドパターンまでの接地用の経路が、電力増幅用半導体素子(800MHz帯PA)およびデュプレクサ(800MHz帯DPX)から裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路から独立していることから、漏れ信号はビアを介して裏面グランドパターン40へ流れる。したがって、漏れ信号が他のパターンに影響を与えることが少なく、送信信号漏洩電力を低減することが出来る。
なお、図3および図4においては、説明の便宜上、第1のグランド接続パターン52を設けているが、本発明において必要はないものである。
さらに、本発明の高周波モジュールにおいては、並列キャパシタ51が平面視で電力増幅用半導体素子(800MHz帯PA)とデュプレクサ(800MHz帯DPX)との間の領域から外れた位置に配置されているのが好ましく、また第2のグランド接続パターン52が平面視で電力増幅用半導体素子(800MHz帯PA)とデュプレクサ(800MHz帯DPX)との間の領域から外れた位置に配置されているのが好ましい。これにより、漏れ信号をさらに低減できるので、さらなる送信信号漏洩電力の低減をすることができる。
なお、本発明の実施例では、出力整合回路の直列インダクタおよび並列キャパシタとしてチップ部品をモジュール基板の表面上に搭載した構成を採用しているが、これを内蔵したり導体パターンをモジュール基板の表面または内部に形成することにより構成させてもよい。
また、本実施形態においてはセルラーCDMA/PCSのマルチバンド高周波モジュールを説明したが、通過帯域や通信方式はこれらに限定されるわけではない。例えばGSM方式(Global System for Mobile communication)800MHzと、DCS方式(Digital Cellular System)1.8GHzとのデュアルバンドモジュールであってもよい。また、GSM/DCS/PCSなどトリプルまたはそれ以上のバンド数を扱う高周波モジュールであっても良い。
さらに、図1に示す高周波モジュールは、セルラー方式800MHz帯とPCS方式1.9GHz帯が一体に形成されたものであるが、それぞれが別個の高周波モジュールでもよい。すなわち、本発明としては異なる通信方式が一体に形成された高周波モジュールに限られるものではない。
またさらに、800MHz帯と1.9GHz帯とを分離するのにトリプレクサ2を用いているが、半導体素子を用いたスイッチ回路を用いてもよく、低雑音増幅器LNA13、14と高周波フィルタ15、16を含んだ高周波モジュールとしてもよい。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
本発明実施例として、図3に示すように並列キャパシタ51を配置して、並列キャパシタ51の一端を信号線路に接続するとともに、他端を第2のグランド接続パターン53に接続し、並列キャパシタ51から裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路が、電力増幅用半導体素子およびデュプレクサから裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路から独立するようにした構成のものを作成した。
また、比較例として、図3における点線Aで示す領域に並列キャパシタ51を配置して、並列キャパシタ51の一端を信号線路に接続するとともに、他端を第1のグランド接続パターン52に接続し、並列キャパシタ51から裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路が、電力増幅用半導体素子から裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路に接続された構成、具体的には800MHz帯PA用内層グランド55に接続された構成のものを作成した。
なお、高周波モジュールの基板としては、誘電率9.4の低温焼成セラミック基板を用いた。
これらについて、送信信号漏洩電力を測定し、その比較の結果を図5に示す。
並列キャパシタ51のグランド接続を第1のグランド接続パターン52で行なった比較例よりも、並列キャパシタ51のグランド接続を第2のグランド接続パターン53で行なった本発明実施例のほうが、849MHzにおいて−29.7dBmから−32.4dBmへ2.7dBmの改善を確認した。規定の送信信号漏洩電力が−28dBm以下であるので、本発明により量産時のバラツキを考慮しても規定を達成できるようになったことがわかる。
高周波モジュール22を含むデュアルバンド方式の高周波信号処理部のブロック構成図である。 高周波モジュール22に含まれる電力増幅器7、8及び方向性結合器5、6の詳細回路図である。 本発明の一実施形態の平面図である。 図3に示す高周波モジュールの詳細分解斜視図である。 本発明実施例と比較例との送信信号漏洩電力比較である。 従来の高周波モジュールの展開斜視図である。
符号の説明
1:アンテナ
2:トリプレクサ
3a、4a:送信用フィルタ
3b、4b:受信用フィルタ
5、6:方向性結合器
7、8:電力増幅器
9、10:高周波バンドパスフィルタ
11:検波回路
12:GPS用フィルタ
13、14:低雑音増幅器LNA
15、16:高周波フィルタ
17:送信信号処理回路RFIC
18:受信信号処理回路RFIC
19:ベースバンドIC
22:高周波モジュール
24、25:電力増幅用半導体素子
26、27:出力整合回路
28:裏面端子
29、30:内部グランド導体層
31:スリット
40:裏面グランドパターン
41:800MHz帯部分
42:1.9GHz帯部分
50:直列インダクタ
51:並列キャパシタ
52:第1のグランド接続パターン
53:第2のグランド接続パターン
54a、54b:RF信号線路
55:800MHz帯PA用内層グランド
56:異バンド間干渉防止内層グランド
57:800MHz帯DPX用内層グランド

Claims (2)

  1. モジュール基板の表面に電力増幅用半導体素子およびデュプレクサが搭載されるとともに、前記電力増幅用半導体素子と前記デュプレクサとを結ぶ出力整合回路としての直列インダクタおよび並列キャパシタが前記モジュール基板の表面または内部に配置され、
    前記モジュール基板の裏面に、前記電力増幅用半導体素子、前記デュプレクサおよび前記並列キャパシタを接地するための裏面グランドパターンが形成されてなり、
    前記並列キャパシタから前記裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路が、前記電力増幅用半導体素子および前記デュプレクサから前記裏面グランドパターンにかけて形成された接地用の経路から独立していることを特徴とする高周波モジュール。
  2. 請求項1に記載の高周波モジュールを内部に搭載したことを特徴とする無線通信装置。
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