JP4381933B2 - 高周波モジュール及び無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話機などの無線通信装置に用いられ、分波回路、電力増幅回路等により構成されるマルチバンド送受信用の高周波モジュール及びそれを搭載した携帯電話機などの無線通信装置に関するものである。
1台の携帯電話機内に複数の送受信系を搭載するマルチバンド方式を採用した携帯電話機が提案されている。マルチバンド方式の携帯電話機は、地域性や使用目的等に合った送受信系を選択して送受信することができるようにした利便性の高い機器として期待されている。
以下、3つの送受信系GSM(Global System for Mobile communication)800MHz帯と、DCS(Digital Cellular System)1.8GHz帯と、PCS(Personal Communication Services)1.9GHz帯とを併用するマルチバンド方式の携帯電話機を例にとって説明する。
この高周波信号処理回路は、通過帯域の異なる複数の送受信系を、それぞれの送受信系GSM/DCS/PCSに分波する分波回路(デュプレクサ)が設けられている。さらに、各送受信系PCS、DCS、GSMにおいてそれぞれ送信系TXと受信系RXとの切替を行う送受信スイッチ回路が設けられる。
前記分波回路は、通常分布定線路やLC素子からなる受動フィルタ回路である。前記送受信スイッチ回路は、GaAs等の半導体スイッチング素子を備える能動型の送受信スイッチ回路である。
なお、半導体スイッチング素子を持った送受信スイッチ回路に代えて、SAWフィルタ素子等の急峻な周波数遮断特性を有する受動素子を採用したフィルタ回路が使用されることもある。
アンテナから入ってきた無線高周波信号は、前記分波回路で周波数帯別に分波され、前記送受信スイッチ回路に入力され、ここで受信高周波信号が選択的に通過される。受信高周波信号は、低雑音増幅器で増幅され、高周波信号処理回路に供給される。
一方、送信高周波信号は、所定の周波数帯域を通過させる高周波フィルタを通って電力増幅器に伝えられる。電力増幅器は、この送信高周波信号を電力増幅し、出力整合回路を通して前記送受信スイッチ回路に供給する。前記送受信スイッチ回路を通過した送信高周波信号は、前記分波回路を通ってアンテナから放射される。
また、前記電力増幅器の出力高周波信号強度をモニターするための方向性結合器が、前記出力整合回路に接続されていることもある。
従来、前記分波回路、電力増幅器、送受信スイッチ回路などは、それぞれ個別部品として製造され、基板の上面にディスクリートに搭載されていた。
しかし、それぞれ個別の部品を用いて基板に搭載すると、機器の大型化、高コスト化を招来することとなる。
そこで、電力増幅器、方向性結合器、分波回路、送受信スイッチ回路などを誘電体多層基板の上部に搭載し、及び内部に形成して、高周波モジュールに一体構成することが行われている。
これにより、通信機器の小型軽量化、低コスト化を有利に展開することができる。
特開2003−115748号公報 特開平9−260908号公報
ところが、高周波モジュールにおいてモジュール化・小型化が進むにつれ、多層基板の内部に形成されるパターン数が増加し、近接することにより、パターン間の干渉が発生するという課題がある。
特に、分波回路は、前述したように分布定線路やLC素子からなる受動フィルタ回路で構成されるが、フィルタ回路は、周波数帯別に設けられるので、それぞれのフィルタラインを構成する分布定線路若しくはLC素子が互いに接近して配置されると、ライン間で高周波信号の干渉が発生するという問題がある。
この干渉が起こると、送信高周波信号が分波回路を通過するとき、その高調波歪みが、本来ならフィルタ回路を介して低減されてアンテナ端子に入る段階では非常に低いレベルとなっているはずであるが、他の送信系のフィルタ回路に入ってしまい、アンテナ端子から出力される。
この結果、高周波モジュールで重要な電気特性項目であるハーモニクス(高調波歪み)特性、特に基本波の2倍波、3倍波特性が劣化する課題があった。
そこで、本発明は、複数の誘電体層が積層されてなる多層基板の表面及び内部に実装された高周波モジュールにおいて信号伝送線路間の干渉を低減することにより、良好なハーモニクス特性を実現できる小型、低コストな高周波モジュール及びそれを搭載した無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の高周波モジュールは、アンテナ端子に接続され、周波数帯の異なる複数の送受信系を分ける分波回路を備え、分波回路は、各送受信系に対応したフィルタ回路を備えており、各送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路は、前記多層基板の表面又は内に形成され、1つの送受信系の高周波信号が流れる前記分布定数線路と、他の送受信系の高周波信号が流れる前記分布定数線路とは、両分布定数線路の間隔が200μm以下の最も近接する部位において、送信高周波信号の流れる方向が同一となるように配置されているものである。
なお、本発明において「同一の方向」とは、高周波信号の流れる方向が、厳密に同一の角度である必要はない。例えば、1つの分布定数線路に対して、他の分布定数線路が、離れた位置から接近してまた離れていく場合、接近したいずれかの位置で高周波信号が同一の方向に流れていれば、「流れる方向が同一」の要件を満たしているものとする。また、分布定数線路同士が交差している場合は、交差角が±60°以内であれば、「流れる方向が同一」の要件を満たしているものとする。
この発明の構成によれば、複数の送受信系間の高周波信号の相互干渉を低減することができ、1つの送信系から他の送信系に不要な高調波信号が伝播するのを遮断することができる。したがって、基本波に対する送信高調波レベルを所望のレベル以下にすることができる。
前記高周波信号の流れる方向が同一の方向になるように配置されている部位は、高周波モジュール全体のいずれの部位であってもよいが、本発明では、前記各送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路同士の間隔が200μm以下の最も近接する部位において、送信高周波信号の流れる方向が同一の方向になるように配置している分布定数線路同士の間隔が200μmよりも離れていれば、複数の送受信系間の高周波信号の相互干渉はもともと少ないといえる。しかし、分布定数線路同士の間隔が200μm以下である部位においては、相互干渉が無視できないので、このような部位において、高周波信号の流れる方向を同一化すれば、高周波モジュールを大きくすることなく、ハーモニクス特性の優れた高周波モジュールを実現できる。
本発明は、前記1つの送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路が、前記多層基板の表に形成された分布定線路であり、前記他の送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路が、当該他の送受信系に対応するフィルタ回路の、前記多層基板の内に形成された分布定数線路である場合に適用できる。設計上、前記多層基板の内に形成されたインダクタ線路は、表に接近して配置されることが多いので、分布定数線路同士の間隔が200μm以下となりやすい。したがって、これらのライン間において、高周波信号の流れる方向を同一化すれば、高周波モジュールを大きくすることなく、ハーモニクス特性の優れた高周波モジュールを実現するという本発明の目的を達成できる。
前記高周波信号の流れる方向を同一とするフィルタ回路は、例えば、周波数帯の低い送受信系が通過する低域通過フィルタである。
また、本発明によれば、前記高周波回路モジュールを搭載することにより、通過帯域の異なる複数の送受信系の間で干渉の少ない、小型、低コストな無線通信装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、携帯電話機等の移動体無線通信装置に用いられる、マルチバンド方式の高周波信号処理部のブロック構成図を示す。
このマルチバンド方式では、高周波信号処理部は、GSM方式(Global System for Mobile communication)850,900MHz帯と、DCS方式(Digital Cellular System)1.8GHz帯と、PCS(Personal Communication Services)方式1.9GHz帯との周波数バンドを持った4つの送受信系から構成される。なお、GPS(Global Positioning System)による測位機能を利用するためGPSの受信系1.5GHz帯をさらに有していてもよい。
このような複数のバンド構成の高周波信号処理部を搭載した移動体無線通信装置においては、各部に対する小型化、軽量化の要求が強く、これらの要求を考慮して、高周波信号処理回路は、所望の特性が達成できる単位で高周波モジュール化されている。
すなわち、図1で破線22で示したように、分波回路2、送受信スイッチ回路3a,3b、スイッチの切り替え制御用デコーダ3cを含む分波系回路と、各周波数帯の送信高周波信号を電力増幅する電力増幅器4とが1つの基板に形成された1つの高周波モジュール1を形成している。
前記電力増幅器4には、送信電力をモニターするための方向性結合器、送信高周波信号を増幅する電力増幅用半導体素子、及び電力増幅用半導体素子の出力側でインピーダンスマッチングをとる出力整合回路を含んでいる。
なお、高周波モジュールを、850,900MHz帯の高周波モジュールと、1.8,1.9GHz帯の2つの高周波モジュールに分けるという実装方法も可能である。さらに各周波数帯ごとに4つの高周波モジュールに分けるという実装方法も可能である。また、各受信系の高周波信号を増幅する低雑音増幅器や受信用高周波フィルタを含んだ高周波モジュールとしてもよい。
以下、4つの周波数帯を含む前記高周波モジュール1に基づいて説明する。
図1において、2は850,900MHz帯と1.8,1.9GHz帯の周波数帯を分けるための低域通過フィルタLPFと高域通過フィルタHPFとを含む分波回路、3aは1.8,1.9GHz帯の送受信系を分離する送受信スイッチ回路3bは850,900MHz帯の送受信系を分離する送受信スイッチ回路である。
なお、図1の回路例では、850,900MHz帯と、1.8,1.9GHz帯とを分離するのに分波回路2を使っているが、周波数帯を分離するのに半導体素子を用いた送受信スイッチ回路を使うこともできる。また、送受信系を分離するのに送受信スイッチ回路3a,3bを使っているが、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ素子などの急峻な遮断特性を有する素子を用いたフィルタ回路を使うこともできる。
以下、GSM送受信系における850,900MHz帯の高周波信号の流れを説明する。GSM送信高周波信号は、高周波フィルタ(図示せず)でノイズが削減され、電力増幅器4に入力される。
電力増幅器4は、それぞれの周波数帯の送信高周波信号を電力増幅する。増幅された送信高周波信号は、方向性結合器を通り、電力増幅器4から出力され、送受信スイッチ回路3bに入力される。
一方850,900MHz帯の受信系は、送受信スイッチ回路3bで分離された受信高周波信号を低雑音増幅器(図示せず)で受信し、低雑音増幅器で増幅された受信高周波信号を高周波フィルタ(図示せず)に通してノイズを除去する。高周波フィルタを通った受信高周波信号は、所定の高周波処理回路で高周波信号処理される。
以上で、GSM送受信系における850,900MHz帯の高周波信号の流れを説明したが、DCS/PCS送受信系における1.8,1.9GHz帯の高周波信号の流れも同様に説明できる。
図2は、高周波モジュール1に含まれる分波回路2、送受信スイッチ回路3a,3bの詳細な回路図である。
まず、GSM側の回路を説明する。分波回路2は、分布定数線路SL1とコンデンサC1とからなるインピーダンスの調整用回路、ローパスフィルタLPF10、及びハイパスフィルタHPF10を互いに直列につないだ構成である。
ローパスフィルタLPF10は、分布定数線路SL2と、分布定数線路SL2に並列接続されたコンデンサC2と、分布定数線路SL2と接地との間に形成されたコンデンサC3,C4,C5とから構成されている。このローパスフィルタLPF10は、電力増幅器4が発生する高調波成分を低減させ、かつ、850,900MHz帯の信号を通過させる機能を持つ。
このローパスフィルタLPF10の分布定数線路SL2の両端子を、れP1,P2で表す。
ハイパスフィルタHPF10は、直列コンデンサC6,C7、両コンデンサC6,C7の中間点と接地との間に接続された分布定数線路SL3により構成されている。このハイパスフィルタHPF10は、低周波成分を除去する機能と、送受信スイッチ回路3bからの直流成分をカットする機能を持つ。
一方、DCS/PCS側の回路構成は、ハイパスフィルタHPF20とローパスフィルタLPF20とから構成される。
ハイパスフィルタHPF20は、直列コンデンサC11,C12、両コンデンサC11,C12の中間点と接地との間に接続された分布定数線路SL4により構成されている。このハイパスフィルタHPF20は、1.8,1.9GHz帯の高周波信号を通過させる機能と、送受信スイッチ回路3aからの直流成分をカットする機能を持つ。
ローパスフィルタLPF20は、分布定数線路SL5と、分布定数線路SL5に並列接続されたコンデンサC13と、分布定数線路SL5と接地との間に形成されたコンデンサC14,C15,C16とから形成されている。このローパスフィルタLPF20は、電力増幅器4が発生する高調波成分を低減させる機能を持つ。
このローパスフィルタLPF20と送受信スイッチ回路3aとを接続する線路を番号5で表す。分布定数線路5のローパスフィルタLPF20側の端子をP3、分布定数線路5の送受信スイッチ回路3a側の端子をP4で表す。
送受信スイッチ回路3a,3bは、GaAs(ガリウム砒素)化合物、Si(シリコン)又はAl23(サファイア)を主成分とする基板上に、pーHEMTなどの半導体素子を搭載して、これらの半導体素子を利用したスイッチング回路パターンを形成したものである。前記制御用デコーダ3cも、同様に、集積回路素子などで構成される。
次に、高周波モジュール1の素子構造を説明する。高周波モジュール1は、同一寸法形状の複数の誘電体層が積層された多層基板構造を有している。
誘電体層は、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって配線導体層が形成されたもの、または、セラミック材料などの無機系誘電体基板に種々の配線導体層を誘電体基板と同時に焼成して形成されたものが用いられる。
誘電体基板は、誘電率を高くすることで、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができ、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができることから、比誘電率εが4から25と比較的高い、セラミック材料が用いられる。
前記セラミック材料としては、(1)Al23、AlN、Si34、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
前記(2)の混合物としては、BaO−TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料に、SiO2、Bi23、CuO、Li2O、B23等の助剤を適宜添加したものが用いられる。(3)のガラス組成物としては、少なくともSiO2を含み、Al23、B23、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、具体的には、SiO2−B23−RO系、SiO2−BaO−Al23−RO系、SiO2−B23−Al23−RO系、SiO2−Al23−RO系、さらにはこれらの系にZnO、PbO、Pb、ZrO2、TiO2等を配合した組成物が挙げられる。また、ガラスとしては、焼成処理することによっても非晶質ガラスであるもの、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスなどが用いられる。
また、前記(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al23、SiO2(クォーツ、クリストバライト)、フォルステライト、コージェライト、ムライト、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、AlN、Si34、SiC、MgTiO3、CaTiO3などのチタン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラス20〜80質量%、フィラー20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
一方、配線導体層は、誘電体基板と同時焼成して形成するために、誘電体基板を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガン、銅の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。セラミック材料が前記(2)(3)の低温焼成セラミック材料を用いる場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする低抵抗導体材料が用いられる。
配線や線路などを低損失の低抵抗導体によって形成できることから、前記(1)(2)の低温焼成セラミック材料によって形成することが望ましい。
この多層基板の具体的な製造方法を説明する。アルミナ、ムライト、フォルステライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラスなどをベースとして、公知の焼結助剤や高誘電率化に寄与するチタン酸塩などの化合物をこれに添加混合してセラミックグリーンシートを作成する。
セラミックグリーンシートの表面に導体層を形成する。導体層の形成方法は、前記金属を含有する導体ペーストをセラミックグリーンシートの表面に塗布したり、金属箔を貼付したりする。
上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し、焼成する。この場合、各誘電体層には、複数の層にわたって形成された回路を厚み方向に接続するために、貫通孔に導体ペーストが充填してなるビアホール導体が適宣形成される。
そして、セラミックグリーンシートを、これらの導体層と同時焼結する。
図3は、セラミック多層基板に実装された本発明の高周波モジュール1の概略斜視図である。
多層基板10の表層52には、各種の導体パターン、各種チップ部品のほか、送受信スイッチ回路3a,3bを構成するスイッチング用半導体素子、電力増幅器4を構成する電力増幅用半導体素子などが搭載され、これらは半田などで誘電体層21上の導体パターンに接合されている。
電力増幅用半導体素子は、多層基板10上の導体パターンとワイヤーボンディングで接続されている。電力増幅用半導体素子の周囲には、同じく電力増幅器4の一部を構成する出力整合回路がチップ部品や導体パターンで形成されている。さらにシールドケース19が半田付けによって基板側部に取り着けられている。シールドケース19に代えて、樹脂による封止をしてもよい。
多層基板10の内部には、方向性結合器や、前記分波回路2の構成部品である分布定数線路SL1〜SL5が、いずれかの誘電体層11〜18の上に、導体パターンとして形成されている。また、前記分波回路2の構成部品であるコンデンサC1〜C16が誘電体層11〜18中にそれぞれ形成されている。
そして図示しないが、各誘電体層11〜18には複数の層にわたって、回路を縦に接続するため必要なビアホール導体が形成されている。また、多層基板10の底面には、共通のビアを通して裏面グランド導体層が設けられている。
図4は、表面の誘電体層11と、その下の誘電体層12,13とに形成された導体パターンの要部を模式的に示す一部切欠き斜視図である。図5は、図4に示された導体パターンの要部を平面視した透視図である。
表面の誘電体層11には、ローパスフィルタLPF20の端子P3と送受信スイッチ回路3aの端子P4とを接続する、ほぼ直線状の分布定数線路5が、導体パターンにより形成されている。
内部の誘電体層12,13には、ローパスフィルタLPF10の両端子P1,P2を接続する分布定数線路SL2が導体パターンにより形成されている。分布定数線路SL2は、誘電体層12で一巻きした導体パターンと、誘電体層13で同じ方向に一巻きした導体パターンとを、層間に介在されたビアホール導体6で接続した構成になっている。これにより、分布定数線路SL2に一定のインダクタンスを与えている。分布定数線路SL2の途中端子Pr,Pqは、それぞれ平面状に広く形成され、これらの端子Pr,Pq間に誘電体層12が介在することによって、分布定数線路SL2に並列接続されるコンデンサC2を形成している。
前記分布定数線路5における送信高周波信号の伝送方向と、前記分布定数線路SL2における送信高周波信号の伝送方向とは、図4、図5に矢印で示したとおり、両線路が接近している部位において、同一方向となっている。
前記分布定数線路5と前記分布定数線路SL2との平面上の距離を、図5に示すようにそれぞれ”D”,”E”で表す。これらの距離D,Eは、ともに200μm未満である。通常、この周波数帯では、干渉による信号の漏洩が起こる配置となっている。この結果、高周波モジュ-ル特性で重要な電気特性項目であるハーモニクス特性、特に基本波の2倍波、3倍波特性が劣化するという課題があった。
本発明の実施形態では、送信高周波信号の伝送方向を揃えたことにより、前記欠点を避けることができる。
従来、図6に示すように、前記分布定数線路5と前記分布定数線路SL2とが平面上で接近している部位において、分布定数線路SL2における送信高周波信号の伝送方向と、前記分布定数線路5における送信高周波信号の伝送方向とは、逆方向になっていた。このため、分布定数線路SL2と分布定数線路5とが接近しているこの部分において、分布定数線路SL2と分布定数線路5との間に干渉が起こって、アイソレーション特性が劣化していた。実測結果の結果、送信ハーモニクス特性が-30dBm程度しか得られなかった。
そこで、この距離D,Eを変数として、アイソレーションとハーモニクスの関係を、シミュレーションにより確認した結果、前記距離を200μmよりも近づけると、アイソレーション特性が極端に悪くなり、GSM規格さえもクリアできないことが判明した。
図7は、距離Dに対するアイソレーション特性を示すグラフであり、距離Dが短くなるにつれて、アイソレーションが低下することを示している。
しかし本発明では、図5のように、分布定数線路SL2の巻き方向を逆にして、ローパスフィルタLPF10の高周波信号の流れと、分布定数線路5との高周波信号の流れと同一方向にすることによって、線路間の電磁結合が緩和されてアイソレーションが向上し、送信ハーモニクス特性は−40dBm以下になることを、シミュレーションと実測により確認した。図8は、本発明と従来技術との送信ハーモニクス特性を対比して描いたグラフである。これにより、送信ハーモニクス特性を約10dBm以上改善することが可能となる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の各形態に限定されるものではない。例えば、高周波信号の流れを同一方向にすることによって本発明の効果が得られる部位は、ローパスフィルタLPF20の端子P3と送受信スイッチ回路3aの端子P4とを接続する分布定数線路5と、ローパスフィルタLPF10の両端子P1,P2を接続する分布定数線路SL2とに限られるわけではない。多層基板の表面又は内部で、異なる送受信系の間で、信号伝送線路同士の距離が接近してアイソレーション特性が極端に悪くなっている部位であれば、いかなる部位においても、本発明を適用すれば、アイソレーションが向上し、優れた送信ハーモニクス特性を得ることが可能である。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
携帯電話機等の移動体無線通信装置に用いられる、マルチバンド方式の高周波信号処理部のブロック構成図を示す。 高周波モジュール1に含まれる分波回路2、送受信スイッチ回路3a,3bの詳細な回路図である。 セラミック多層基板に実装された本発明の高周波モジュール1の概略斜視図である。 表面の誘電体層11と、その下の誘電体層12,13とに形成された導体パターンの要部を模式的に示す一部切欠き斜視図である。 図4に示された導体パターンの要部を平面視した透視図である。 従来の多層基板内部の導体パターンの要部を平面視した透視図である。 距離Dに対するアイソレーション特性を示すグラフである。 本発明と従来技術との送信ハーモニクス特性を対比して描いたグラフである。
符号の説明
1 高周波モジュール
2 分波回路
3a,3a 送受信スイッチ回路
3c 制御用デコーダ
4 電力増幅器
5 線路
6 ビア導体
10 多層基板
11〜18 誘電体層
19 シールドケース
21 多層基板の表面

Claims (4)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる多層基板の表面及び内部に導体パターンが形成された高周波モジュールであって、
    アンテナ端子に接続され、周波数帯の異なる複数の送受信系を分ける分波回路を備え、
    分波回路は、各送受信系に対応したフィルタ回路を備えており、
    各送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路は、前記多層基板の表面又は内に形成され、
    1つの送受信系の高周波信号が流れる前記分布定数線路と、他の送受信系の高周波信号が流れる前記分布定数線路とは、両分布定数線路の間隔が200μm以下の最も近接する部位において、送信高周波信号の流れる方向が同一となるように配置されている高周波モジュール。
  2. 前記1つの送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路は、前記多層基板の表に形成されており、
    前記他の送受信系の高周波信号が流れる分布定数線路は、前記他の送受信系に対応するフィルタ回路の、前記多層基板の内に形成された分布定数線路である請求項1記載の高周波モジュール。
  3. 前記他の送受信系に対応するフィルタ回路は、低域通過フィルタである請求項2に記載の高周波モジュール。
  4. 求項1から請求項のいずれかに記載の高周波回路モジュールを搭載した無線通信装置。
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