JP2004328136A - ローパスフィルタ及びそれを用いた高周波スイッチ - Google Patents

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Keisuke Fukamachi
啓介 深町
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Abstract

【課題】本発明は、小型で性能の優れたローパスフィルタ、およびそれを用いた高周波スイッチを提供する。
【解決手段】本発明は、直列共振回路(L3とC4でなる)と並列共振回路(L1とC1でなる)が縦続されたローパスフィルタ1であって、前記並列共振回路の両端に接地容量C2、C3が接続され、前記直列共振回路と前記並列共振回路との間に位相調整用の伝送線路L2が介挿されたローパスフィルタ1およびそれを用いた高周波スイッチ20である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器等に組み込まれて用いられるローパスフィルタおよびそれを用いた高周波スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波スイッチは、一般にデジタル携帯電話等において送信回路と受信回路とを切り換えるために用いられる。図14に、特許文献1に開示された従来の高周波スイッチを示す。
この高周波スイッチ20は、送受信用スイッチ回路2と、この送受信スイッチ回路2の送信側に接続された3次ローパスフィルタ5とを備えている。送受信スイッチ回路2の送信用端子Tx側には、ダイオードD1のカソードが接続されている。ダイオードD1のカソードはローパスフィルタ5を構成する伝送線路L1に接続されている。ダイオードD1のアノードは、アンテナ用端子ANTに接続されている。
【0003】
アンテナ用端子ANTには、伝送線路L4を介して受信用端子Rxが接続されている。さらに、受信用端子Rxには、ダイオードD2のカソードが接続されている。ダイオードD2のアノードは容量C5を介してグランドに接地されている。ダイオードD2とコンデンサC5の接続点には抵抗Rcを介して電圧制御用端子Vcが接続されている。
【0004】
一方、3次ローパスフィルタ5は、伝送線路L1と、伝送線路L1の両端とグランドとの間にそれぞれ接続された容量C2、C3及び伝送線路L1に対して並列に接続された容量C1により構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−261398号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高周波スイッチの送信用端子Tx側にはパワーアンプが接続される。そして、このパワーアンプからは、送信周波数の信号波(基本波)だけでなく、その2倍波、3倍波なども漏れてくる。この2倍波や3倍波を減衰させるためにローパスフィルタが用いられる。
図3(b)に、従来の3次ローパスフィルタ5を用いた場合の減衰量特性を示す。基本波の周波数として1.8GHzを想定した場合、2倍波(3.6GHz)、3倍波(5.4GHz)は20〜25dB程度の減衰量しか得られないため、パワーアンプからの2倍波、3倍波を十分に低減することが出来なかった。
【0007】
ローパスフィルタの減衰量は、図15に示した5次のローパスフィルタ6などを用いることで改善できなくはない。しかし、5次のローパスフィルタは構成素子数が多く、更に高周波スイッチの挿入損失が大きくなるという問題があった。
【0008】
また、小型化の要求されるデジタル携帯電話等においては、その内部で使用される部品においての小型化が要求されている。このため、ローパスフィルタおよびそれを用いた高周波スイッチの小型化が要求されている。かかる要求に対して、構成素子数の多い5次のローパスフィルタを用いることには問題があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、小型で性能の優れたローパスフィルタ、およびそれを用いた高周波スイッチを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明は、下記の構成を主旨とする。
(第1手段)
本発明は、直列共振回路(L3+C4)と並列共振回路(L1+C1)が縦続されたローパスフィルタ(1)であって、前記並列共振回路の両端に接地容量(C2、C3)が接続され、前記直列共振回路(L3+C4)と前記並列共振回路(L1+C1)との間に位相調整用の伝送線路(L2)が介挿されたことを特徴とするローパスフィルタ(1)である。
【0011】
第1手段によると、小型で減衰特性の優れたローパスフィルタが得られる効果がある。位相調整用の伝送線路の電気長により、直列共振回路と並列共振回路との間のインピーダンスの位相が最適化され、両方の共振回路による周波数選択性が相乗的に作用して、2倍波、3倍波のみならず、4倍波以上の高調波が除去できる。
【0012】
(第2手段)
また本発明は、少なくとも2つのスイッチング素子を有する送受信用スイッチ回路と、この送受信用スイッチ回路の送信側経路に接続されたローパスフィルタを備え、このローパスフィルタは、直列共振回路と並列共振回路が縦続され、前記並列共振回路の両端に接地容量が接続され、前記直列共振回路と前記並列共振回路との間に位相調整用の伝送線路が介挿されたものであることを特徴とする高周波スイッチである。
すなわち、(第1手段)記載のローパスフィルタと、少なくとも2つのスイッチング素子を有する送受信用スイッチ回路との組合せである。
【0013】
第2手段によると、小型で高性能の高周波スイッチが得られる効果がある。(第1手段)記載のローパスフィルタとの相乗効果が期待できるからである。
【0014】
(第3手段)
第2手段記載の高周波スイッチにおいて、前記送受信用スイッチ回路が、送信側に第1のダイオードと第1の伝送線路を有するとともに、受信側に第2のダイオードと第2の伝送線路を有することが好ましい。
【0015】
第3手段によると、低コストで前記(第2手段)記載の作用効果が得られる。
【0016】
(第4手段)
第2手段または第3手段記載の高周波スイッチにおいて、前記第1の伝送線路は、前記並列共振回路と前記位相調整用の伝送線路の接続点と接地導体との間に接続されることが好ましい。
【0017】
第4手段によると、前記第1の伝送線路の長さが短縮できるため、高周波スイッチの更なる小型化でき、前記(第2手段)または(第3手段)記載の作用効果が得られる。
【0018】
本発明における位相調整用の伝送線路は、伝送線路の電気長を調整して位相を回転(スミスチャート上で右回転)することにより、前記並列共振回路(L1、C1)と前記調整用の伝送線路の接続点からみた前記直列共振回路(L3、C4)側のインピーダンスを調整し、所望の周波数において減衰量を改善するために用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るローパスフィルタおよびこれを用いた高周波スイッチの実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明にかかるローパスフィルタ1の一実施例を示す。図1(a)において、伝送線路L1と容量C1は並列共振回路を形成し、基本波の周波数の略2倍波で減衰極を持つように、伝送線路L1の長さやインピーダンスおよび容量C1の大きさが調整されている。
伝送線路L3と容量C4は、直列共振回路を形成し、基本波の周波数の略n倍波(n=2,3,4、…)で減衰極を持つように伝送線路L3の長さやインピーダンスおよび容量C4の大きさが調整されている。接地容量C2、C3は伝送線路L1の両端に接続されている。また、直列共振回路と並列共振回路との間に位相調整用伝送線路(L2)が介挿されている。
【0021】
図1(a)において、伝送線路L3と容量C4からなる並列共振回路の減衰極を、基本波の周波数の略3倍波で減衰極を持つように設定した。伝送線路L3と容量C4との直列共振回路が共振すると、伝送線路L2と伝送線路L3との接続点は短絡(ショート)状態となる。伝送線路L2は位相調整手段として機能するものであって、伝送線路L2の線路長、線路幅などを調整することにより前記の短絡位置が調整でき、その結果、基本波の周波数の略n倍波(n=2,3,4、…)で十分な減衰極を形成できる。
【0022】
図1(b)は、図1(a)と鏡像関係にあり、ローパスフィルタ1を接続する相手側回路の入力インピーダンス、出力インピーダンスとの整合を取るために、図1(a)と場合に応じて選択、使い分けできる。
【0023】
図2(a)〜(e)は、図1(a)に示すローパスフィルタ1において伝送線路L2の線路長を0〜λ/2まで変化させたときの減衰量特性を示す。ここで、λは伝送線路L3と容量C4からなる並列共振回路の減衰極の周波数に対応する波長である。
【0024】
本実施例では、基本波の周波数はDCS帯(Digital CellularSystem)およびPCS帯(Personal Communication Service)の送信帯域である1.710〜1.910GHzとしたため、伝送線路L3と容量C4からなる並列共振回路の減衰極を基本波の3倍の周波数である約5.4GHzに設定した。
【0025】
減衰量は30dB以上が望ましいので、本発明の目的である、基本波の周波数の略n倍波(n=2,3,4、…)で十分な減衰量を得るためには、伝送線路L2の線路長はλ/8〜3/8λが好ましいことが分かる。
【0026】
図3(a)は本発明に係るローパスフィルタの減衰量特性を示した図、図3(b)は従来の3次ローパスフィルタ5の減衰量特性を比較例として示した図である。なお、図3(a)は2倍波、3倍波減衰量が最適になるように伝送線路L2の電気長を調整したときの特性である。
図3(a)より、本発明に係るローパスフィルタにおいては、2倍波、3倍波減衰量ともに30dB以上を達成している。これは、図3(b)で示した従来の3次ローパスフィルタ5の減衰量特性と比較すると、2倍波において10dB、3倍波減衰量において20dBの改善である。また、基本周波数における挿入損失も、従来の3次ローパスフィルタと比較して同等の特性が得られている。
【0027】
本実施例では、伝送線路L3と容量C4からなる直列共振回路の共振周波数を基本波の周波数の略3倍波に設定したが、実際の携帯電話端末に組み込んだ場合には、2倍波、3倍波、…等々、どの周波数が一番問題となるかは、パワーアンプの設計、周辺回路により状況が異なる。
従って、伝送線路L3と容量C4からなる直列共振回路の共振周波数を、状況に応じて変更することにより、携帯端末から発生する高調波発生量を効率良く抑制することが可能である。さらに、伝送線路L2の電気長を調整することにより、更なる減衰量の改善が可能になる。
【0028】
次に、図1(a)に示したローパスフィルタ1の電気回路を具現化した積層型ローパスフィルタについて、図4、図5を参照して説明する。
図4は、図1(a)に示した電気回路を有する積層型ローパスフィルタの積層図である。誘電体シート7iが最下層のシートであり、順に誘電体シート7h、誘電体シート7g、誘電体シート7f、誘電体シート7e、誘電体シート7d、誘電体シート7c、誘電体シート7bと、誘電体シート7aまで積層したものである。符号7jは、誘電体シート7iの裏面を示し、ローパスフィルタ1を裏面から見た電極配置を示す。
図4に示すローパスフィルタは、伝送線路L1の電極パターンを設けた誘電体シート7c〜7e、伝送線路L2の電極パターンを設けた誘電体シート7c、伝送線路L3の電極パターンを設けた誘電体シート7d,7eと、広い面積のグランド電極を設けた誘電体シート7b、7f、7iと、容量C1〜C4の電極パターンを設けた誘電体シート7g、7hと、上面電極を設けた誘電体シート7aなどで構成されている。
図4において各誘電体シート上に示す電極パターンL1〜L3は、それぞれビアホール(via hole)にて電気的に接続され、ローパスフィルタ1の電気回路を構成する。
【0029】
以上の構成からなる各誘電体シート7a〜7iは積み重ねられ、一体的に焼成される。その後、積層体側面に側面電極10を印刷し、更に電極焼成を行えば、図5に示すような積層体11となる。図5において、長手中央の端子がローバスフィルタの入出力端子であり、残りの端子はグランド端子に相当する。
【0030】
(第2の実施形態)
図6は、本発明にかかる高周波スイッチ20の一実施例である。この高周波スイッチ20は、送受信用スイッチ2と、この送受信スイッチ2の送信側に接続されたローパスフィルタ1を備えている。送受信スイッチ回路2の送信用端子Tx側には、ダイオードD1のカソードが接続されている。ダイオードD1のカソードはローパスフィルタ1を構成する伝送線路L1に接続され、伝送線路L5を介して接地している。ダイオードD1のアノードは、アンテナ用端子ANTに接続されている。
【0031】
アンテナ用端子ANTには伝送線路L4を介して受信用端子Rxが接続されている。さらに、受信用端子Rxには、ダイオードD2のカソードが接続されている。ダイオードD2のアノードは容量C5を介してグランドに接地されている。ダイオードD2とコンデンサC5の接続点には抵抗Rcを介して電圧制御用端子Vcが接続されている。
【0032】
ここに、伝送線路L4、L5として特性インピーダンス25Ω以上の分布定数線路、あるいは高周波インダクタが使用される。分布定数線路の場合、伝送線路L4、L5の線路長は、λ/10以上λ/3以下(ここで、λ:所望周波数の波長)の範囲に設定される。
【0033】
次に、この高周波スイッチ20を用いての送受信について説明する。
【0034】
電圧制御用端子Vcに正電圧を印加した場合、伝送線路L1、L5によりバイアス電流が流れるため、ダイオードD1、D2がON状態となる。この結果、送信用端子Txに入った送信信号は、ローパスフィルタ1、ダイオードD1を経由してアンテナ用端子ANTに伝送される。この時、送信信号は受信端子Rxに殆ど伝送されない。なぜならば、ダイオードD2がON状態の時のダイオードD2自身が有するインダクタンス成分と容量C5が送信信号の周波数で直列共振するように設定されており、インピーダンスがショートになるからである。つまり、伝送線路L4、L5はλ/4ショートスタブとして動作するため、送信用端子Txとアンテナ用端子ANTが接続され、受信用端子Rxはグランドへ接地される。
【0035】
電圧制御端子Vcを接地(グランド)電位にした場合、ダイオードD1、D2はOFF状態になる。したがって、送信用端子Txとアンテナ用端子ANTとの間が遮断されるとともに、受信用端子Rxとの間も遮断される。この結果、アンテナ用端子ANTに入力された受信信号は、伝送線路L4を介して受信用端子Rxに伝送され、送信用端子Txにはほとんど伝送されない。
このように、図6に示す高周波スイッチは、電圧制御用端子Vcに印加するバイアス電圧をコントロールすることにより、送受信の信号の伝送経路を切り換えることが可能である。
【0036】
図7(a)は、本発明に係る高周波スイッチ20の減衰量特性を示した図、図7(b)は比較例として従来例の高周波スイッチの減衰量特性を示した図である。
この場合、基本波の周波数はDCS帯およびPCS帯の送信帯域である1.710〜1.910GHzを前提とした。伝送線路L3と容量C4からなる直列共振回路の減衰極を、基本波の周波数の略3倍波で減衰極を持つように設定した。
図7(a)から、本発明に係る高周波スイッチ20においては、2倍波、3倍波減衰量ともに40dB以上を実現できることが分かる。一方、従来の高周波スイッチの減衰量特性を図7(b)に示した。従来の高周波スイッチと比較すると、本発明の高周波スイッチ20における2倍波、3倍波減衰量は、それぞれ、10dB、20dB改善していることが分かる。また、基本波の周波数における挿入損失も従来の3次ローパスフィルタを用いた場合と比較して同等の特性が得られる。
【0037】
図6の実施例では、伝送線路L3と容量C4からなる直列共振回路の共振周波数を、基本波の周波数の略3倍波に設定したが、実際の携帯電話端末に組み込んだ場合には、2倍波、3倍波、…等々、どの周波数が一番問題となるかは、パワーアンプの設計、周辺回路により状況が異なる。伝送線路L3と容量C4からなる直列共振回路の共振周波数を、状況に応じて変更することにより、携帯端末から発生する高調波発生量を効率良く抑制することが可能である。
【0038】
次に、図6に示した高周波スイッチの電気回路を具現化した、積層型高周波スイッチについて、図8、図9を参照して説明する。図8は図1に示した電気回路を有する積層型高周波スイッチの積層図である。8hが最下層のシートであり順に8aまで積層したものである。
図8の高周波スイッチは、伝送線路L1、L2、L3、L4の電極パターンを設けた誘電体シート8c〜8eと、広い面積のグランド電極を設けた誘電体シート8f、8hと、容量C1〜C5の電極パターンを設けた誘電体シート8f、8gと、上面電極を設けた誘電体シート8aなどにて構成されている。図において各誘電体シート上に示す電極パターンL1〜L4は、それぞれビアホールにて電気的に接続され、図6の高周波スイッチの電気回路を構成する。
【0039】
以上の構成からなる各シート8a〜8hは積み重ねられ、一体的に焼成される。その後、図9に示すよう積層体側面に側面電極10を印刷し、更に電極焼成を行えば積層部品となる。図において、長手奥の中央の端子がアンテナ用端子ANT、長手奥の左側の端子が電圧制御用端子Vc、長手手前の左側の端子が送信用端子Tx、長手手前の右側が受信用端子Rxであり、残りの端子はグランド端子に相当する。さらに積層体11の上面の電極には、それぞれダイオードD1、D2、抵抗Rcが半田付けされる。
【0040】
このようにして、図6に示した電気回路を具現化した表面実装タイプの積層型高周波スイッチが得られる。この積層型高周波スイッチは、一つの部品内に必要な回路が内蔵されており、小型化を図ることができる。
【0041】
(第3の実施形態)
図10(b)と図10(c)は、本実施例にかかる高周波スイッチの別実施例である。
図10(a)は、第2の実施形態で説明した回路である。図10(a)〜図10(c)は、伝送線路L5の接続位置を変えて最適位置を見出したものである。
これらの高周波スイッチは、送受信回路2の回路構成が、第2の実施形態で示した高周波スイッチと異なる。
図10(b)の送受信用スイッチ2bは、伝送線路L5が送信用端子Txとローパスフィルタ1の接続点に接続され、グランドに接地されている。また図10(c)の送受信用スイッチ2cは、伝送線路L4がダイオードD1のカソードとローパスフィルタ1の接続点に接続され、グランドに接地されている。
【0042】
図10(b)において、電圧制御用端子Vcに正電圧を印加した場合、伝送線路L1、L2、L5を経由してバイアス電流が流れ、ダイオードD1、D2がON状態となる。図10(c)においても同様に、電圧制御用端子Vcに正電圧を印加した場合、伝送線路L5を経由してバイアス電流が流れ、ダイオードD1、D2がON状態となる。したがって、図10(b)、図10(c)ともに、図10(a)と同様に問題なく送受信の切り換え動作が可能である。
【0043】
しかしながら、伝送線路L5の接続位置を変更すると、通過帯域の反射ズレが起きるため、伝送線路L5の長さ、接地容量C2、C3の大きさなどを変更することにより、通過帯域におけるインピーダンスを50Ωへ整合させる必要がある。
例えば、基本波の周波数をDCS帯およびPCS帯の送信帯域である1.710〜1.910GHzを前提とした場合、第2の実施形態で示した回路における伝送線路L5の長さ、接地容量C2、C3は図10(a)に示す様に、それぞれ、8mm、2pF、3pFであった。
これに対して図10(b)の回路に関しては、伝送線路L5の長さ、接地容量C2、C3はそれぞれ、20mm、1.5pF、1.8pFであった。また図10(c)の回路に関しては、伝送線路L4の長さ、接地容量C2、C3はそれぞれ、15mm、2.0pF、1.2pFであった。
なお、図10(a)〜(c)において、伝送線路L1、L2、L3および容量C1、C4、C5は変更していない。
【0044】
図10(a)〜(c)のいずれの回路においても、挿入損失特性、減衰量特性はほぼ同等であり実使用上問題ないレベルである。しかしながら、伝送線路L5の長さに関しては、図10(a)が8mmと一番短くでき、他の図10(b)、図10(c)と比較して40%〜53%も小型化が可能であることがわかる。
【0045】
図10(b)、図10(c)では入出力端子を50Ωに整合させる必要があるため、伝送線路L5の電気長を通過帯域の信号のλ/4に設定し、接続点からみたグランドのインピーダンスを開放状態に設定する必要がある。
これに対し、図10(a)では必ずしもλ/4の電気長である必要はなく、伝送線路L5がλ/4以下の長さでグランドに対するインピーダンスが有限の値になった(開放状態ではない)場合でも、容量C3の値を調整することにより、ローパスフィルタ1の入出力インピーダンスを50Ωに調整可能である。
以上の理由により、伝送線路L5が最も小型化可能であることがわかる。
【0046】
以上、スイッチ回路を構成する伝送線路L5を、ローパスフィルタ1を構成する伝送線路L1と位相調整用伝送線路L2の接続点との間に接続することにより、伝送線路L5の長さが短縮可能となり、高周波スイッチの更なる小型化を図ることができる。
【0047】
(第4の実施形態)
本発明にかかるローパスフィルタおよびこれを用いた高周波スイッチは、以上の実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、以下の様な実施形態が挙げられる。
【0048】
図11に示すように、送信側のダイオードD1に並列に伝送線路L6、容量C6を接続した回路を採用することにより、ダイオードD1のOFF時のアイソレーションを向上できる。この回路によれば、受信モード時の送信用端子Txからアンテナ用端子ANTのアイソレーションを向上できる。
【0049】
(第5の実施形態)
図12に示すように、ダイオードD1、D2のカソードとアノードを逆にするとともに、電圧制御用端子Vc1、Vc2に印加する電位を変更する。送信モードの時にはVc1を正電圧、Vc2を接地電位に設定し、受信モードの時にはVc1を接地電位、Vc2を正電圧に設定することにより、送受信切り換えを行う。
【0050】
(第6の実施形態)
図13(a)に示すように、高周波スイッチ20に関して、アンテナ用端子ANT、ローパスフィルタ1が接続される送信用端子Txのほかに、複数の信号入出力用端子P1、P2、…を有する高周波スイッチも考えられる。
この場合スイッチング素子として、PINダイオードスイッチを用いることも可能であるが、GaAs電界効果トランジスタSP3T(Single Pole 3 Throw)、SP4T(Single Pole 4 Throw)などを利用することにより、更なる小型化が可能である。
【0051】
高周波スイッチ前後の整合条件によっては、図13(b)に示すようにローパスフィルタ1の接続方向が逆である高周波スイッチも有効である。
ローパスフィルタ1の伝送線路L1および容量C1からなる第1の並列共振回路は、接地容量C2、C3が接続されるため、低インピーダンス側への調整が可能である。
一方、伝送線路L2および容量C4からなる第2の並列共振回路は、接地容量が接続されていないため、高インピーダンス側への調整が可能である。
これにより、アンテナ用端子ANT側が高インピーダンス、送信用端子Txが低インピーダンスの場合は、ローパスフィルタ1の図13(b)の回路が望ましく、逆にアンテナ用端子ANT側が低インピーダンス、送信用端子Txが高インピーダンスの場合は、ローパスフィルタ1の図13(a)の回路が望ましい。
【0052】
以上、具体的な実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。
例えば、送受信用スイッチ回路の送信側経路に接続するローパスフィルタについては、通常は第1のダイオードと送信端子との間の経路に設けるが、アンテナ端子と第1のダイオードとの間に設けることを排除するものではない。また、本発明のローパスフィルタおよびこれを用いた高周波スイッチを構成する伝送線路および容量の一部を高周波チップインダクタ、高周波チップコンデンサなどを使用してもよいことは言うまでもない。
更に、高周波スイッチを構成する送受信用切り換え回路のスイッチング素子としてダイオード以外にも、可変容量ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタなどを用いてもよい。
【0053】
また、本発明の高周波スイッチをパワーアンプと一体化して積層複合部品にすれば、位相調整やインピーダンス整合が別体のときよりも遥かに容易、効果的となる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の第1手段によると、小型で性能の優れたローパスフィルタが得られる効果がある。第1の共振回路と第2の共振回路との間のインピーダンスの位相が最適化され、両方の共振回路による周波数選択性が相乗的に作用して、2倍波、3倍波のみならず、4倍波以上の高調波が除去できる。
【0055】
本発明の第2手段によると、小型で高性能の高周波スイッチが得られる効果がある。
【0056】
本発明の第3手段によると、低コストで前記第2手段記載の作用効果が得られる。
【0057】
本発明の第4手段によると、高周波スイッチの更なる小型化ができ、前記第2手段または第3手段記載の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b)は、本発明に係るローパスフィルタの一例を示す回路図である。
【図2】図2(a)〜(e)は、図1(a)に示すローパスフィルタにおいて伝送線路L2の線路長を変化させたときの減衰量特性を示す図である。
【図3】図3(a)は本発明に係るローパスフィルタの減衰量特性の一例を示す図、図3(b)は従来のローパスフィルタの減衰量特性の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るローパスフィルタの積層図である。
【図5】本発明に係るローパスフィルタの積層体の斜視図である。
【図6】本発明に係る高周波スイッチの一例を示す回路図である。
【図7】図7(a)は、本発明に係る高周波スイッチの減衰量特性の一例を示す図、7(b)は従来の高周波スイッチの減衰量特性の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る高周波スイッチの積層図である。
【図9】本発明に係る高周波スイッチの積層体の斜視図である。
【図10】図10(a)〜図10(c)は、本発明に係る高周波スイッチにおいて、伝送線路L5の接続位置を変えた変形例を示す図である。
【図11】本発明に係る高周波スイッチにおいて、伝送線路L5を好適な接続位置に配置した回路図である。
【図12】本発明に係る高周波スイッチの別例を示す回路図である。
【図13】本発明に係る高周波スイッチの更に別例を示す回路図である。
【図14】従来の高周波スイッチを示す図である。
【図15】従来の5次ローパスフィルタを示す図である。
【符号の説明】
ANT:アンテナ用端子
Tx:送信用端子
Rx:受信用端子
P1、P2:信号入出力端子
Vc、Vc1、Vc2:電圧制御用端子
D1、D2:ダイオード
Rc:抵抗
L1〜L5:伝送線路、インダクタまたはチョークコイル
C1〜C6:容量
1、5、6:ローパスフィルタ
2、2a、2b、2c、3、4、9:送受信スイッチ回路
7a〜7j、8a〜8h:誘電体シート
10:側面端子
11:積層体
20:高周波スイッチ

Claims (4)

  1. 直列共振回路と並列共振回路を縦続したローパスフィルタであって、
    前記並列共振回路の両端に接地容量が接続され、前記直列共振回路と前記並列共振回路との間に位相調整用の伝送線路が介挿されたことを特徴とするローパスフィルタ。
  2. 少なくとも2つのスイッチング素子を有する送受信用スイッチ回路と、
    該送受信用スイッチ回路の送信側経路に接続されたローパスフィルタを備え、該ローパスフィルタは、直列共振回路と並列共振回路が縦続され、前記並列共振回路の両端に接地容量が接続され、前記直列共振回路と前記並列共振回路との間に位相調整用の伝送線路が介挿されたことを特徴とする高周波スイッチ。
  3. 前記送受信用スイッチ回路が、送信側に第1のダイオードと第1の伝送線路を有するとともに、受信側に第2のダイオードと第2の伝送線路を有することを特徴とする請求項2記載の高周波スイッチ。
  4. 前記第1の伝送線路は、前記並列共振回路と前記位相調整用の伝送線路の接続点と接地導体との間に接続されたことを特徴とする請求項2または3記載の高周波スイッチ。
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