JP4209501B2 - スクータ型車両のフロントフェンダ構造 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスクータ型車両のフロントフェンダ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクータ型車両において、フロントフェンダにバンパを設けたものがあり、例えば、特公平5−5711号公報「スクータ型自動二輪車等の前フェンダ構造」が提案されている。
上記前フェンダ構造は、その公報の第3図及び第4図によれば、前フェンダ6(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)を、上フェンダ6aと下フェンダ6bとに上下二分割し、さらに、下フェンダ6bを左右二分割し、上フェンダ6aと下フェンダ6bとの水平分割部分で、3個の部材6a,6b,6bの端同士を3重に重ねて、リベット11で固定し、重ね合わせ部分の外面を帯状の横モール7で覆うというものである。横モール7は、バンパの役割を果たす部材であって、この部材は、上・下フェンダ6a,6b同士の重ね合わせ部分に、接着するとともに多数のリベット9…で固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記左右の下フェンダ6b,6bの一方を交換するときには、先ず、多数のリベット9…を外し、下フェンダ6b,6bに接着された横モール7を外し、リベット11を外し、新旧の下フェンダ6bを入れ替え、再び、上・下フェンダ6a,6b,6b同士をリベット11で止め、横モール7を接着すると共にリベット9…で止めることになる。このように、1つの下フェンダ6bを交換するのに、他の下フェンダ6bと横モール7も取外し・取付けることになる。これでは、下フェンダ6b,6bの交換作業は、かなり面倒である。
【0004】
また、上記従来の前フェンダ構造は、前フェンダ6の先端を通る水平線の近くで、上フェンダ6aと下フェンダ6bとに分割するものであって、これらの上・下フェンダ6a,6bで、車体前部を覆うものである。このような前フェンダ構造では、下フェンダ6bを外しただけで、前フェンダ6の内部上方まで見渡すことは容易でない。従って、ステアリング廻りの保守・点検をするときには、上フェンダ6aも外す必要があり、作業は面倒である。
さらにまた、上・下フェンダ6a,6b間の分割線が、レッグシールド5の前端まで延びたものであり、レッグシールド5付近における分割部分から前フェンダ6の内部へ、泥水が浸入しないような配慮が必要であり、構成が複雑になる。
【0005】
そこで本発明の目的は、(1)フロントフェンダの交換を容易にすること、(2)ステアリング廻りの保守・点検作業が容易なフロントフェンダにすること、及び(3)フロントカバーやフロントフェンダから車体前部付近への泥水の浸入を低減させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体フレームのヘッドパイプを車体前方から覆うフロントカバーと、前記車体フレームのヘッドパイプを車体後方から覆うレッグシールドとを備えたスクータ型車両において、前記レッグシールドは、前記フロントカバーと別体に形成されて前記フロントカバーの背面に結合されるとともに、前記フロントカバーは、前記レッグシールドの左右幅に対応する幅を有するとともに、上方のハンドル近傍のレッグシールドの上縁まで延びる上半部と、前記レッグシールドの左右幅に対応して下方のステップフロア近傍まで延びる左右一対の下半部とを一体に形成した単一部材であり、前記フロントカバーは、前記フロントカバー上半部と、前記フロントカバー下半部とで側面視略逆く字状に形成し、前記フロントカバーの高さ中央から斜め前方へ、傾斜させつつ延びる一体成形品からなるセンタフェンダ部を一体に延ばして備え、該センタフェンダ部は車両前端部まで延びる前端壁を備えて前輪の上方まで延び、前記フロントカバー及び前記センタフェンダ部で側面視略逆Y字状をなし、前記センタフェンダ部の右側面及び前記フロントカバー下半部の右側面に、前記センタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡って形成される略三角形の右フェンダ部を取付け、前記センタフェンダ部の左側面及び前記フロントカバー下半部の左側面に、前記センタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡って形成される略三角形の左フェンダ部を取付けたことを特徴とする。
【0007】
(1)右フェンダ部だけ又は左フェンダ部だけを、極めて簡単に取外し、取付けることができる。
(2)左・右フェンダ部は、センタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡った、大きな面積の部材である。これらの部材を取付けるべく、フロントカバー並びにセンタフェンダ部に開けた、取付け開口の面積も大きい。大きな取付け開口から、フロントカバー内のステアリング廻り等を、容易に保守・点検することができる。
(3)フロントカバーには、その高さ中央に分割部分がないので、レッグシールド付近において、フロントカバーの高さ中央部分から泥水が浸入する心配はない。
請求項2は、前記センタフェンダ部は、その先端部が、前記左右のフェンダ部の先端部に沿って下方へ湾曲されていることを特徴とする。
請求項3は、前記フロントカバー下半部の前面と、これに連なる前記センタフェンダ部の下端面とに、前記左右のフェンダ部を取付ける取付け開口を形成したことを特徴とする。
請求項4は、前記左右のフェンダ部を前記フロントカバー下半部に取付ける取付部を備え、前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部を備え、前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部には、前記左右のフェンダ部から前記センタフェンダ部の内部へ延びる延長部を備えたことを特徴とする。
請求項5は、前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部のうち、前記左右のフェンダ部の先端部を取付ける取付部は、前記先端部をビスによって車体前後方向に固定し、それ以外の取付部は、前記左右のフェンダ部をビスによって車体幅方向に固定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、CLは車幅中心を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るスクータ型車両の右側面図である。
スクータ型車両1は、車体フレーム(車体)2と、車体フレーム2のヘッドパイプ2aに取付けたフロントフォーク3と、フロントフォーク3に取付けた前輪4と、フロントフォーク3に連結したハンドル5と、車体フレーム2の後部に取付けたエンジン6付パワーユニット7と、パワーユニット7の後部に取付けた後輪8と、車体フレーム2の後部上部に配置したシート9と、車体フレーム2を覆うボディカバー10とからなる、スクータ型自動二輪車である。
【0009】
ボディカバー10は、ハンドル5周りを覆うハンドルカバー11と、車体フレーム2の前部を覆うフロントカバー12と、運転者の脚部を覆うレッグシールド13と、運転者の足を載せる低床式のステップフロア14と、ステップフロア14の外縁から下方へ延ばしたフロアスカート15と、ステップフロア14の後端部から立上がって車体フレーム2の中間部を覆うセンタカバー16と、センタカバー16から後方へ延びてパワーユニット7の上部及び後輪8の上部を覆うリヤカバー17とからなる。リヤカバー17はマフラプロテクタ18を備える。
【0010】
フロントカバー12は、ステップフロア14からハンドル5の近傍にかけて、車体フレーム2の前部を覆うカバーであり、このカバーは、その前端から前輪4の上方まで、センタフェンダ部21を一体に延した、樹脂製一体成形品である。
この図は、フロントカバー12の右側面12a並びにセンタフェンダ部21の右側面21aに、樹脂製の右フェンダ部22を取付けたことを示す。
【0011】
図中、31はヘッドランプ、32はウインカランプ、33はフロントクッションユニット、34はステップフロア14の下方に配置した燃料タンク、35は排気管、36はマフラ、37はキャリア、38はテイルランプ、39はリヤフェンダである。
【0012】
図2は本発明に係るスクータ型車両の前部の左側面図であり、フロントカバー12の左側面12b並びにセンタフェンダ部21の左側面21bに、樹脂製の左フェンダ部23を取付けたことを示す。左フェンダ部23は、右フェンダ部22に対して、左右対称である他には同一構成であり、その説明を省略する。
センタフェンダ部21と右フェンダ部22(図1参照)と左フェンダ部23との組合せ構造は、前輪4の上部を覆うフロントフェンダ24をなす。
【0013】
以下、フロントカバー12並びにフロントフェンダ24を詳細に説明する。
図3は本発明に係るフロントカバー並びにフロントフェンダの右側面図である。
フロントカバー12は右側面視略逆く字状のカバーであり、その高さ中央の前端から斜め前下方へ、センタフェンダ部21を傾斜させつつ延ばし、その先端部分を下方へ湾曲させたものである。センタフェンダ部21は、正面断面視で下開放の略コ字状断面体であり、この断面体の幅Aは概ね均一である。センタフェンダ部21は、このような形状であるので、長手中央部分における下端面21dが、先端21cを通る水平線Lよりも、上方へ深く切込んだ形状を呈する。この結果、フロントカバー12の下半部前面12cと、これに連なるセンタフェンダ部21の下端面21dとに開けた、取付け開口25(以下、「開口25」言う。)の面積は比較的広い。
このようなフロントカバー12とセンタフェンダ部21とからなる一体成形品は、側面視略逆Y字状の部材である。
【0014】
右フェンダ部22は、センタフェンダ部21の先端21cを通る水平線Lの、上下に渡って延び、開口25に取付けるカバーである。詳しくは、右フェンダ部22は、センタフェンダ部21の右側面21aに、前部の第1の取付部26と、上部の第2の取付部27によって取付け、また、フロントカバー12の右側面12aに、後部上部の第3の取付部28と、後部下部の第4の取付部29によって取付けるものである。さらに右フェンダ部22は、開口25と対向する部分の周囲にフランジ22aを形成し、このフランジ22aを開口25の縁に掛けるようにしたものである。
なお、フロントカバー12は、ヘッドランプ取付部12dと、ウインカランプを取付けるためのランプ取付凹部12eとを、形成したものである。
【0015】
図4は図3の4−4線断面図であり、第1の取付部26の断面構造を示す。
第1の取付部26は、センタフェンダ部21の湾曲した裏面から開口25側へ第1ボス21eを延ばし、一方、右フェンダ部22の先端部から開口25内へ第1延長部22bを延ばし、第1延長部22bを第1ボス21eの先端に重ねて、後方(図の左側)からビスB1で取付けるものである。右フェンダ部22は、開口25の内側縁部分25aに掛ける抜止め突部22cを備える。
【0016】
図5は図3の5−5線断面図であり、第2の取付部27の断面構造を示す。
第2の取付部27は、センタフェンダ部21の湾曲した裏面から開口25側へ第2延長部21fを延ばし、一方、右フェンダ部22の上端部から開口25内へ第3延長部22dを延ばし、第3延長部22dを第2延長部21fとオーバーラップするように延ばし、その先端に第2ボス22eを形成し、第2ボス22eの先端に第2延長部21fを重ねて、内方からビスB2で取付けるものである。
【0017】
図6は図3の6−6線断面図であり、第3の取付部28の断面構造を示す。
第3の取付部28は、フロントカバー12の湾曲した裏面から内方へ第4延長部12fを延ばし、第4延長部12fの先端を開口25の縁よりも突出させ、一方、右フェンダ部22の後端部から開口25内へ第3ボス22fを延ばし、第3ボス22fの先端に第4延長部12fの先端部12gを重ねて、内方からビスB3で取付けるものである。
【0018】
図7は図3の7−7線断面図であり、右フェンダ部22の周囲に形成したフランジ22aの断面構造を示す。
フランジ22aは、右フェンダ部22の端部から開口25内へ延びる平断面視フック状部材である。フランジ22aをフロントカバー12の開口25の内側縁部分25aに掛けることにより、フロントカバー12から右フェンダ部22の抜け止めをすることができる。
【0019】
図8は図3の8−8線断面図であり、第4の取付部29の断面構造を示す。
第4の取付部29は、上記図6の第3の取付部28と同様の構成である。詳しくは、第4の取付部29は、フロントカバー12の湾曲した裏面から内方へ第5延長部12hを延ばし、第5延長部12hの先端を開口25の縁よりも突出させ、一方、右フェンダ部22の後端部から開口25内へ第4ボス22gを延ばし、第4ボス22gの先端に第5延長部12hの先端部12iを重ねて、内方からビスB4で取付けるものである。
【0020】
図9は図3の9−9線断面図であり、ウインカランプ取付構造を示す。
ウインカランプ取付構造は、フロントカバー12の側部にランプ取付凹部12eを形成し、ランプ取付凹部12eの係止孔12jに、ウインカランプ32の弾性係止爪32aを掛け止め、さらに、ランプ取付凹部12eにウインカランプ32をビスB5で取付けるものである。12kはランプ用ハーネス挿通孔である。
【0021】
図10は図3の10−10線断面図であり、ランプ取付凹部12eにウインカランプ32をビスB5で取付けた側面断面構造を示す。
【0022】
図11は図3の11−11線断面図であり、フロントカバー12とレッグシールド13との結合構造を示す。
結合構造は、フロントカバー12の背面から後方(図の左側)へ第5ボス12mを延ばし、一方、レッグシールド13の内面から第5ボス12mへ向って第6ボス13aを延ばし、これらの第5・第6ボス12m,13a同士をビスB6で取付けるものである。
【0023】
フロントカバー12とレッグシールド13との結合部分には、モール41を介在させたことを特徴とする。モール41は、レッグシールド13の端に嵌める溝41aと、フロントカバー12の端に嵌める溝41bとを備えた、略逆S字断面の部材である。フロントカバー12の端とレッグシールド13の端に、モール41の溝41a,41bを嵌めた(係合した)ので、両者12,13のシール性が向上するとともに、両者12,13の部品精度のバラツキをモール41で吸収することができる。
【0024】
次に、右・左フェンダ部22,23の取付手順を説明する。
図12は本発明に係るフロントカバー、レッグシールド、右・左フェンダ部の分解斜視図兼取付け手順説明図である。
先ず、右フェンダ部22のフランジ22aを、開口25から内方へ差込む。
次に、第1ボス21eに第1延長部22bを合わせ、第2延長部21fに第2ボス22eを合わせ、第4延長部12fの先端部12gに第3ボス22fを合わせ、第5延長部12hの先端部12iに第4ボス22gを合わせる。
位置合わせが完了したら、フロントカバー12の内方やセンタフェンダ部21の内方から、4個のビスB1〜B4で互いに止める。
【0025】
左フェンダ部23も、右フェンダ部22と同じ手順によって、フロントカバー12の内方やセンタフェンダ部21の内方から、4個のビスB1〜B4(左側は省略)で互いに止める。
以上で、右・左フェンダ部22,23の取付作業を完了する。右・左フェンダ部22,23を取外すには、上記取付作業と逆手順にすればよい。
【0026】
以上の説明から明らかなように、右フェンダ部22だけ又は左フェンダ部23だけを、極めて簡単に取外し、取付けることができる。
しかも、フロントカバー12の内方やセンタフェンダ部21の内方からビス止めするので、ビスが見えず、外観性が良い。
【0027】
次に、上記構成のフロントフェンダ構造の作用を、図1及び図2に基づき説明する。
(1)右・左フェンダ部22,23は、水平線Lの上下に渡る大きな面積の部材である。大面積の右・左フェンダ部22,23を取付ける、取付け開口25の面積は大きい。従って、右フェンダ部22又は左フェンダ部23を外すだけで、大きな取付け開口25から、フロントカバー12内を広く見渡すことができる。この結果、フロントカバー12内、特に、ステアリング廻り(フロントフォーク3、フロントクッションユニット33等)の保守・点検作業性は高い。
【0028】
(2)センタフェンダ部21には、その両側部にのみ右・左フェンダ部22,23を取付ける構造なので、右・左フェンダ部22,23は極めて単純な形状であり、成形が容易である。この結果、水平線Lよりも下方へ、右・左フェンダ部22,23を適宜延すことは容易である。従って、右・左フェンダ部22,23を下方へ十分に延して、前輪4からの泥水の飛散を効果的に防止することができる。
【0029】
(3)ステップフロア14からハンドル5の近傍にかけて、車体フレーム2の前部をフロントカバー12で覆うようにしたので、フロントカバー12には、その高さ中央に分割部分がない。分割部分がないので、レッグシールド13付近において、フロントカバー12の高さ中央部分から泥水が浸入する心配はない。従って、フロントカバー12に、泥水浸入を防止するための特別の配慮は不要である。
【0030】
なお、上記本発明の実施の形態において、右・左フェンダ部22,23の形状、寸法は任意である。
また、右・左フェンダ部22,23は、フロントカバー12並びにセンタフェンダ部21に着脱可能に取付けるようにした構成であればよく、ビス止めの他に、例えばクリップで止めてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1は上記構成により次の効果を発揮する。
(1)フロントカバーから前輪の上方まで一体にセンタフェンダ部を延し、このセンタフェンダ部の右側面並びにフロントカバーの右側面に右フェンダ部を取付け、センタフェンダ部の左側面並びにフロントカバーの左側面に左フェンダ部を取付けたので、右フェンダ部だけ又は左フェンダ部だけを、極めて簡単に取外し、取付けることができる。
【0032】
(2)フロントカバーから前輪の上方まで一体にセンタフェンダ部を延し、このセンタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡って、センタフェンダ部の右側面並びにフロントカバーの右側面に右フェンダ部を取付け、水平線の上下に渡って、センタフェンダ部の左側面並びにフロントカバーの左側面に左フェンダ部を取付けるようにしたので、これらの左・右フェンダ部を、水平線の上下に渡る大きな面積の部材とすることができる。従って、フロントカバー並びにセンタフェンダ部には、大きな面積の取付け開口を開けることになるので、左フェンダ部又は右フェンダ部を外すだけで、大きな取付け開口から、フロントカバー内を広く見渡すことができる。この結果、フロントカバー内、特に、ステアリング廻りの保守・点検作業性を高めることができる。
さらに、センタフェンダ部には、その両側部にのみ左・右フェンダ部を取付ける構造なので、左・右フェンダ部は極めて単純な形状であり、成形が容易である。この結果、センタフェンダ部の先端を通る水平線よりも下方へ、左・右フェンダ部を適宜延すことは容易である。従って、左・右フェンダ部を下方へ十分に延して、前輪からの泥水の飛散を効果的に防止することができる。
【0033】
(3)ステップフロアからハンドル近傍にかけて、車体前部をフロントカバーで覆うようにしたので、フロントカバーには、その高さ中央に分割部分がない。分割部分がないので、レッグシールド付近において、フロントカバーの高さ中央部分から泥水が浸入する心配はない。従って、フロントカバーに、泥水浸入を防止するための特別の配慮は不要であり、フロントカバー並びにフロントフェンダの構成は簡単である。
請求項2は、センタフェンダ部の先端部が、左右のフェンダ部の先端部に沿って下方へ湾曲されている
請求項3は、フロントカバー下半部の前面と、これに連なるセンタフェンダ部の下端面とに、左右のフェンダ部を取付ける取付け開口を形成した
請求項4は、左右のフェンダ部をフロントカバー下半部に取付ける取付部を備え、左右のフェンダ部をセンタフェンダ部に取付ける取付部を備えた。
さらに、左右のフェンダ部をセンタフェンダ部に取付ける取付部には、左右のフェンダ部からセンタフェンダ部の内部へ延びる延長部を備えた。
請求項5において、左右のフェンダ部をセンタフェンダ部に取付ける取付部のうち、左右のフェンダ部の先端部を取付ける取付部は、先端部をビスによって車体前後方向に固定し、それ以外の取付部は、左右のフェンダ部をビスによって車体幅方向に固定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクータ型車両の右側面図
【図2】本発明に係るスクータ型車両の前部の左側面図
【図3】本発明に係るフロントカバー並びにフロントフェンダの右側面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図3の8−8線断面図
【図9】図3の9−9線断面図
【図10】図3の10−10線断面図
【図11】図3の11−11線断面図
【図12】本発明に係るフロントカバー、レッグシールド、右・左フェンダ部の分解斜視図兼取付け手順説明図
【符号の説明】
1…スクータ型車両、2…車体(車体フレーム)、2a…ヘッドパイプ、4…前輪、5…ハンドル、12…フロントカバー、12c…下半部前面、13…レッグシールド、14…ステップフロア、21…センタフェンダ部、22…右フェンダ部、22b…第1延長部(延長部)、22d…第3延長部(延長部)、23…左フェンダ部、24…フロントフェンダ、25…開口(取付け開口)、26…第1の取付部(取付部)、27…第2の取付部(取付部)、28…第3の取付部(取付部)、29…第4の取付部(取付部)、B1,B2,B3,B4…ビス、L…センタフェンダ部の先端を通る水平線。

Claims (5)

  1. 車体フレームのヘッドパイプを車体前方から覆うフロントカバーと、前記車体フレームのヘッドパイプを車体後方から覆うレッグシールドとを備えたスクータ型車両において、
    前記レッグシールドは、前記フロントカバーと別体に形成されて前記フロントカバーの背面に結合されるとともに、
    前記フロントカバーは、前記レッグシールドの左右幅に対応する幅を有するとともに、上方のハンドル近傍のレッグシールドの上縁まで延びる上半部と、前記レッグシールドの左右幅に対応して下方のステップフロア近傍まで延びる左右一対の下半部とを一体に形成した単一部材であり、
    前記フロントカバーは、前記フロントカバー上半部と、前記フロントカバー下半部とで側面視略逆く字状に形成し、
    前記フロントカバーの高さ中央から斜め前方へ、傾斜させつつ延びる一体成形品からなるセンタフェンダ部を一体に延ばして備え、該センタフェンダ部は車両前端部まで延びる前端壁を備えて前輪の上方まで延び、
    前記フロントカバー及び前記センタフェンダ部で側面視略逆Y字状をなし、
    前記センタフェンダ部の右側面及び前記フロントカバー下半部の右側面に、前記センタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡って形成される略三角形の右フェンダ部を取付け、
    前記センタフェンダ部の左側面及び前記フロントカバー下半部の左側面に、前記センタフェンダ部の先端を通る水平線の上下に渡って形成される略三角形の左フェンダ部を取付けた、
    ことを特徴とするスクータ型車両のフロントフェンダ構造。
  2. 前記センタフェンダ部は、その先端部が、前記左右のフェンダ部の先端部に沿って下方へ湾曲されていることを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両のフロントフェンダ構造。
  3. 前記フロントカバー下半部の前面と、これに連なる前記センタフェンダ部の下端面とに、前記左右のフェンダ部を取付ける取付け開口を形成したことを特徴とする請求項2記載のスクータ型車両のフロントフェンダ構造。
  4. 前記左右のフェンダ部を前記フロントカバー下半部に取付ける取付部を備え、前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部を備え、
    前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部には、前記左右のフェンダ部から前記センタフェンダ部の内部へ延びる延長部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスクータ型車両のフロントフェンダ構造。
  5. 前記左右のフェンダ部を前記センタフェンダ部に取付ける取付部のうち、前記左右のフェンダ部の先端部を取付ける取付部は、前記先端部をビスによって車体前後方向に固定し、
    それ以外の取付部は、前記左右のフェンダ部をビスによって車体幅方向に固定したことを特徴とする請求項4記載のスクータ型車両のフロントフェンダ構造。
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