JP4206753B2 - 光変調器集積半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザ素子と光変調器とが同一基板上に集積された光変調器集積半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信用の光源として、光変調器集積半導体発光素子が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。この発光素子は、分布帰還型半導体レーザ素子(以下、「DFBレーザ素子」と呼ぶ)と電界吸収型光変調器(以下、「EA変調器」と呼ぶ)が同一基板上に集積された構造を有している。
【0003】
図19〜図22は、従来の光変調器集積半導体発光素子の製造方法の一例を示している。図19に示されるように、まず、基板51の上面にn型InP下部クラッド層52、GaInAsP下部ガイド層53、GaInAsP活性層54、GaInAsP上部ガイド層55、およびp型InPキャップ層56が順次に形成される。活性層54は、多重量子井戸(MQW)構造を有している。キャップ層56を形成する前に、上部ガイド層55の上面に回折格子70が形成される。
【0004】
次に、図20に示されるように、キャップ層56の上面の一部にSiO2マスクを形成してから、反応性イオンエッチング(RIE)を実行する。これにより、基板51上の半導体積層構造のうちマスク80によって覆われていない部分が除去され、基板51の上面の一部が露出する。こうして、DFBレーザ素子の一部を成すレーザ積層構造50が形成される。
【0005】
次に、図21に示されるように、EA変調器の一部を成す変調器積層構造60を基板51の露出上面に形成する。変調器積層構造60は、n型InP下部クラッド層62、GaInAsP下部ガイド層63、GaInAsP活性層64、GaInAsP上部ガイド層65、およびp型InP第1上部クラッド層66から構成されている。これらの層は、選択再成長によって形成される。レーザ積層構造50と変調器積層構造60は、接合面85で端面同士を突き合わせて接合されている。接合面85は、バットジョイント部とも呼ばれる。
【0006】
この後、図22に示されるように、マスク80が除去され、キャップ層56および第1上部クラッド層66の上面にp型InP第2上部クラッド層71およびp型GaInAsコンタクト層72が形成される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−228558号公報
【特許文献2】
特開平7−263655号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図21に示されるように、層62〜66を形成する際、接合面85の付近で半導体結晶の異常成長が発生する。この異常成長は、二つに分類できる。
【0009】
第1の異常成長は、マスク80の付近で発生する。これは、マスク80上に堆積した原料が拡散することによりマスク80の付近で局所的に結晶成長速度が高まることに起因する。この結果、第1上部クラッド層66のうち接合面85に隣接する部位90は、マスク80上までせり上がるように成長し、突起68を形成する。この突起68のために、第2上部クラッド層71およびコンタクト層72を形成した後にも、コンタクト層72の上面に突起78が残る。
【0010】
第2の異常成長は、層62〜65のうち接合面85に隣接する部位91で発生する。これは、結晶成長前の昇温時にマストランスポートにより結晶成長の垂直性が崩されることに起因する。この結果、層62〜65のうち接合面85と隣接する端部は、上方に湾曲する。
【0011】
このような半導体結晶の異常成長は、次のような不具合を生じさせる。すなわち、コンタクト層72の突起78は、コンタクト層72上に形成される層に表面段差を生じさせる原因となるため、好ましくない。また、ガイド層63、65おおび光吸収層64の接合面85付近での湾曲は、ガイド層53,55および活性層54との位置ズレおよび光散乱を発生させやすくする。これは、光結合効率を低下させ、光学的ロスを増やすので、好ましくない。
【0012】
そこで、この発明は、半導体結晶の異常成長による不具合が抑えられた光変調器集積半導体発光素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光変調器集積半導体発光素子では、同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積されている。この光変調器集積半導体発光素子は、レーザ積層構造および変調器積層構造を備えている。これらの積層構造は、基板の上面に設けられ、互いの端面同士を突き合わせて接合されている。レーザ積層構造は、半導体レーザ素子の少なくとも一部を成す。レーザ積層構造では、レーザ活性層を含む複数の半導体層が積層されている。変調器積層構造は、光変調器の少なくとも一部をなす。変調器積層構造では、変調器活性層を含む複数の半導体層が積層されている。レーザ活性層と変調器活性層とは、光学的に結合されている。変調器積層構造は、レーザ積層構造および基板の双方と接触する角部を有している。レーザ積層構造の端面に沿って、変調器積層構造の変調器活性層より基板側の半導体層の接合端部が基板側へ湾曲して、角部は変調器積層構造内の変調器活性層より基板側に位置する。この角部は、レーザ積層構造および基板の少なくとも一方へ向かって突出している。
【0014】
このような角部を有する変調器積層構造は、レーザ積層構造との接合端部における上方への異常成長を抑えながら成長させることができる。これは、角部を突出させるために、半導体結晶が上方のみならずレーザ積層構造および基板の少なくとも一方へ成長する必要があるからである。上方への異常成長が抑えられるので、それに応じて、変調器積層構造の上面の突起が小さくなり、また、変調器積層構造の接合端部の上方への湾曲が低減される。
【0015】
本発明の光変調器集積半導体発光素子は、レーザ積層構造に駆動電圧を供給するためのアノード電極およびカソード電極、ならびに変調器積層構造に駆動電圧を供給するためのアノード電極およびカソード電極をさらに備えていてもよい。レーザ用のアノード電極と変調器用のアノード電極とは、電気的に絶縁されていてもよい。
【0016】
レーザ積層構造と変調器積層構造との接合面は、基板の上面のうち変調器積層構造を搭載している部分とほぼ一定の鋭角を成すように傾斜していてもよい。接合面がこのような傾斜を有していると、変調器積層構造の角部がレーザ積層構造へ向かって突出する。
【0017】
基板の上面のうち変調器積層構造を搭載している部分には、溝が設けられていてもよい。この溝は、レーザ積層構造と変調器積層構造との接合面に隣接しつつ接合面に沿って延びている。このような溝が設けられていると、変調器積層構造の角部が基板へ向かって突出する。
【0018】
レーザ積層構造と変調器積層構造との接合面の近傍において変調器積層構造の上面が平坦であってもよい。変調器積層構造の上面に突起がないので、その上面に別の半導体層を好適に形成できる。
【0019】
基板上に集積された半導体レーザ素子が分布帰還型であり、光変調器が電界吸収型であってもよい。変調器活性層のうちレーザ積層構造に隣接する端部は、変調器積層構造の積層方向において変調器活性層の中心軸に対して対称な形状を有している。この場合、変調器活性層の端部での光散乱が低減され、レーザ活性層および変調器活性層間の光結合効率が高まる。
【0020】
本発明に係る方法は、同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積された光変調器集積半導体発光素子を製造する。第1工程では、レーザ活性層を含む半導体積層構造を基板の上面に形成すると共に、半導体積層構造の一部に設けられたマスクを用いて半導体積層構造の上面の一部に異方性エッチングを施してレーザ活性層を含む複数の半導体層が積層されたレーザ積層構造を基板の上面に形成する。第2工程では、変調器活性層を含む複数の半導体層が積層された変調器積層構造を、基板の上面においてレーザ積層構造の一端面に沿って成長させる。第1工程では、レーザ積層構造のうち変調器積層構造と隣接する端面と基板の上面とが、レーザ積層構造および基板の少なくとも一方へ向かって窪んだ凹部を形成するようにレーザ積層構造を形成する。第2工程では、レーザ積層構造と変調器積層構造とが互いの端面同士を突き合わせて接合され、レーザ活性層と変調器活性層が光学的に結合されるように変調器積層構造を成長させる。上記の凹部を、変調器積層構造によって充填して角部を変調器積層構造に形成し、レーザ積層構造の端面に沿って、変調器積層構造の変調器活性層より基板側の半導体層の接合端部が基板側へ湾曲して、角部は変調器積層構造内の変調器活性層より前記基板側に位置している。
【0021】
第2工程では、半導体結晶が、上方のみならず、凹部を充填するためにレーザ積層構造および基板の少なくとも一方へ向かって成長する。このため、変調器積層構造は、レーザ積層構造との接合端部における上方への異常成長を抑えながら成長させられる。この結果、変調器積層構造の上面の突起が小さくなり、また、変調器積層構造の接合端部の上方への湾曲が低減される。
【0022】
第1工程は、レーザ活性層を含む半導体積層構造を基板の上面に形成する工程と、半導体積層構造の一部を異方性エッチングにより除去してレーザ積層構造を形成し、突合せ端面を露出させる工程とを有していてもよい。異方性エッチングは、基板の上面に対して斜めの方向に沿って半導体積層構造をエッチングし、基板の上面のうち変調器積層構造を搭載すべき部分に対してほぼ一定の鋭角で傾斜した突合せ端面を形成してもよい。突合せ端面がこのような傾斜を有していると、この突合せ端面と基板の上面とが、レーザ積層構造へ向かって窪んだ凹部を形成する。
【0023】
前記第1工程は、レーザ活性層を含む半導体積層構造を基板の上面に形成する工程と、半導体積層構造の上面の一部に異方性エッチングを施して、半導体積層構造を横断する第1の溝を形成する工程と、半導体積層構造の上面において第1溝によって分断される一方の領域および前記第1溝に異方性エッチングを施し、レーザ積層構造を形成するとともに、基板の上面のうちレーザ積層構造と隣接する位置に第2の溝を形成する工程を有していてもよい。この第2の溝は、レーザ積層構造の突合せ端面に沿って延びる。この第2の溝のために、突合せ端面と基板の上面は、基板へ向かって窪んだ凹部を形成する。
【0024】
第2工程は、レーザ積層構造と変調器積層構造との接合面の近傍において変調器積層構造の上面が平坦になるように変調器積層構造を成長させてもよい。変調器積層構造の上面に突起がないので、その上面に別の半導体層を好適に形成できる。
【0025】
第2工程は、変調器活性層のうちレーザ積層構造に隣接する端部が、変調器積層構造の積層方向において変調器活性層の中心軸に対して対称な形状を有するように、変調器積層構造を成長させてもよい。この場合、変調器活性層の端部での光散乱が低減され、レーザ活性層および変調器活性層間の光結合効率が高まる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0027】
第1実施形態
図1は、本実施形態の光変調器集積半導体発光素子100の構成を示す断面図である。発光素子100は、基板1上に分布帰還型レーザ素子(以下、「DFBレーザ素子」と呼ぶ)および電界吸収型光変調器(以下、「EA変調器」と呼ぶ)が集積された構造を有している。基板1の上面1aには、二つの半導体積層構造10および20が設けられている。これらの半導体積層構造は、互いの端面同士を接合面35で突き合わせて接合されている。半導体積層構造10は、DFBレーザ素子の一部を成している。半導体積層構造20は、EA変調器の一部を成している。以下では、半導体積層構造10を「レーザ積層構造」と呼び、半導体積層構造20を「変調器積層構造」と呼ぶことにする。
【0028】
レーザ積層構造10は、基板1の上面1aに順次に設けられた下部クラッド層2、下部ガイド層3、レーザ活性層4、上部ガイド層5、およびキャップ層6から構成されている。基板1および下部クラッド層2は、n型InPからなる。下部ガイド層3、レーザ活性層4および上部ガイド層5は、GaInAsPからなる。レーザ活性層4は、多重量子井戸(MQW)構造を有している。上部ガイド層5の上面には、回折格子7が設けられている。キャップ層6は、p型InPからなる。レーザ活性層4は、下部ガイド層3および上部ガイド層5よりも高い屈折率を有している。下部ガイド層3および上部ガイド層5は、下部クラッド層2およびキャップ層6よりも高い屈折率を有している。下部ガイド層3、レーザ活性層4および上部ガイド層5は、レーザ活性層4で発生した光を閉じ込めて導波する光導波路を形成している。
【0029】
変調器積層構造20は、基板1の上面1aに順次に設けられた下部クラッド層12、下部ガイド層13、活性層14、上部ガイド層15、および第1上部クラッド層16から構成されている。下部クラッド層12は、n型InPからなる。下部ガイド層13、変調器活性層14および上部ガイド層15は、GaInAsPからなる。変調器活性層14は、多重量子井戸(MQW)構造を有している。第1上部クラッド層16は、p型InPからなる。変調器活性層14は、下部ガイド層13および上部ガイド層15よりも高い屈折率を有している。下部ガイド層13および上部ガイド層15は、下部クラッド層12および第1上部クラッド層16よりも高い屈折率を有している。下部ガイド層13、変調器活性層14および上部ガイド層15は、変調器活性層4で発生した光を閉じ込めて導波する光導波路を形成している。
【0030】
後述するように、変調器活性層4は、レーザ光を増幅する作用を有するとともに、EA変調器の光吸収層としても動作する。したがって、以下では、変調器活性層14を光吸収層と呼ぶことにする。光吸収層14は、接合面35においてレーザ活性層4と端面同士を突き合わせて接合されている。光吸収層14とレーザ活性層4は、光学的に結合されている。したがって、レーザ活性層4で発生した光は光吸収層14へ伝搬する。
【0031】
積層構造10および20の上面には、第2上部クラッド層21が被着されている。第2上部クラッド層21は、p型InPからなり、キャップ層6および第1上部クラッド層16よりも低い屈折率を有している。第2上部クラッド層21の上面には、互いに離間したコンタクト層22aおよび22bが被着されている。コンタクト層22aおよび22bは、ともにp型GaInAsからなる。コンタクト層22a、22bの上面には、互いに離間したアノード電極25a、25bがそれぞれ被着されている。一方、基板1の下面1bには、カソード電極26が被着されている。アノード電極25aは、レーザ積層構造10に駆動電圧を印可するために使用される。アノード電極25bは、変調器積層構造20に駆動電圧を印可するために使用される。コンタクト層22aと22b、アノード電極25aと25bは、それぞれ絶縁膜24によって電気的に絶縁されている。コンタクト層22a、22bとアノード電極25a、25bとの間には、部分的に絶縁膜23a、23bが介在している。絶縁膜23a、23bおよび24は、SiO2からなる。
【0032】
図10に示されるように、積層構造10および20はメサ形状をしている。積層構造10および20の両側には、埋め込み層27、電流ブロック層28および層間絶縁膜29が設けられている。この点については後述する。
【0033】
レーザ積層構造10は、電極25aおよび26を通じて駆動電圧が印加されると、その全体がDFBレーザ素子として動作する。したがって、発光素子100のうちレーザ積層構造10およびその上下に位置する部分をレーザ発振部40と呼ぶことにする。一方、変調器積層構造20は、電極25bおよび26を通じて駆動電圧が印加されると、その一部がEA変調動作を行う。EA変調動作を行うのは、電極25bの直下に位置する部分である。そこで、発光素子100のうち電極25bの直下に位置する部分42を光変調部と呼ぶことにする。レーザ発振部40と光変調部42の間には、アイソレーション部41が存在する。アイソレーション部41は、レーザ発振部40と光変調部42とを分離している。
【0034】
電極25aおよび26を通じて発光素子100にレーザ駆動電圧が印加されると、レーザ活性層4でレーザ光が生成される。このレーザ光は、レーザ活性層4から光吸収層14へ伝搬する。電極25bおよび26を通じて発光素子100に変調駆動電圧が印加されると、レーザ光の強度が変調される。
【0035】
発光素子100の特徴的な構成は、図1に示されるように、接合面35が、基板1の上面のうち変調器積層構造20を搭載している部分とほぼ一定の鋭角を成すように傾斜していることである。この結果、変調器積層構造20のうちレーザ積層構造10および基板1の双方と接触する角部36は、レーザ積層構造10へ向かって突出している。このような変調器積層構造20の形状は、積層構造10および20をバットジョイント法により形成する場合に特に有益である。以下では、この点について説明する。
【0036】
図21に示されるように、従来の光変調器集積半導体発光素子では、レーザ積層構造と変調器積層構造との接合面が基板上面に対して垂直である。このため、変調器積層構造はレーザ積層構造へ向かって突出する角部を有さない。バットジョイント法では、基板上にレーザ積層構造を形成した後、選択再成長によって変調器積層構造を形成する。このとき、変調器積層構造においてレーザ積層構造との接合端部に上方への異常成長が生じる。この異常成長により、変調器積層構造中の各層の接合端部は上方に湾曲し、変調器積層構造の上面には突起が生じる。
【0037】
これに対し、本実施形態では、変調器積層構造20の角部36がレーザ積層構造10へ向かって突出している。このような形状の積層構造20を成長させる場合、半導体結晶は上方のみならず横方向にも成長しなければならない。これにより、上方への異常成長が抑えられる。
【0038】
特に、接合面35は、変調器積層構造20中の層12〜16の上方への成長を妨げるような向きに傾斜している。このため、バットジョイント法により変調器積層構造20を形成する際、層12〜16の接合端部の上方への湾曲が抑えられる。本実施形態では接合面35が十分に傾斜しているので、図1に示されるように、層12〜16の接合端部が下方に湾曲する。これにより、第1上部クラッド層16の上面に異常成長による突起が生じることを防止し、その上面を平坦にすることができる。また、ガイド層3、5およびレーザ活性層4からなるレーザ側の光導波路とガイド層13、15および光吸収層14からなる変調器側の光導波路との位置ズレも十分に抑えられる。このため、光結合効率が良好である。
【0039】
以下では、図2〜11を参照しながら、本実施形態の発光素子100の製造方法を説明する。図2〜10は、発光素子100の製造工程を示す斜視図である。図11は、この製造方法で実施される「斜めエッチング」を示す概略側面図である。
【0040】
図2に示されるように、まず、基板1の上面1aの全体に下部クラッド層2、下部ガイド層3、レーザ活性層4、上部ガイド層5およびキャップ層6を順次に形成する。上部ガイド層5の上面には、キャップ層6を形成する前に回折格子7を設ける。これらの層2〜6は、エピタキシャル成長させられる。これらの層2〜6から構成される半導体積層構造を符号45で表す。
【0041】
次に、図3に示されるように、半導体積層構造45の上面の片側にだけマスク30を設け、反応性イオンエッチング(RIE)を実施する。RIEは異方性エッチングである。図11に示されるように、本実施形態では、エッチング方向36に対して基板1を斜めに傾けてRIEを実施する。すなわち、エッチング方向36は基板1の上面1aと直交しない。この「斜めエッチング」により、基板1上の積層構造45のうちマスク30によって覆われていない部分、すなわち符号11で示される部分が除去される。この結果、レーザ積層構造10が基板1上に残る。また、基板1の上面1aのうちレーザ積層構造10に隣接する部分が露出する。
【0042】
以下では、上面1aの露出部分を符号1cで表し、レーザ積層構造10のうち斜めエッチングによって露出した端面を符号10aで表す。端面10aは、レーザ積層構造10と変調器積層構造20との接合面35を形成することになる。また、上面1aのうちレーザ積層構造10を搭載している非露出部分を符号1dで表す。
【0043】
図11に示されるように、レーザ積層構造10の端面10aと基板1の上面露出部1cとは、ほぼ一定の鋭角αを成す。このため、レーザ積層構造10の幅は、上部から下部に向かうにつれて徐々に小さくなる。端面10aの傾斜角度αは、60°≦α<90°を満たすことが好ましい。本実施形態では、α=80°である。なお、端面10aと上面非露出部1dとは、鈍角(180°−α)を成す。
【0044】
次に、図4に示されるように、選択再成長によって上面露出部10cの上に変調器積層構造20を形成する。具体的には、上面露出部10cの上に下部クラッド層12、下部ガイド層13、光吸収層14、上部ガイド層15および第1上部クラッド層16を順次に形成する。これらの層12〜16は、エピタキシャル成長させられる。以下では、変調器積層構造20を搭載する上面部分10cを変調器搭載部と言い換えることにする。
【0045】
層12〜16のうちレーザ積層構造10と接合される端部(以下、単に「接合端部」と呼ぶ)は、端面10aに沿って成長する。端面10aは、変調器搭載部10cの垂線と交差するように傾斜している。したがって、端面10aは、層12〜16の接合端部の上方への成長を妨げる。このため、層12〜16の接合端部は、上方への湾曲が抑えられる。鋭角αが小さいほど上方湾曲を抑える効果が高い。鋭角αが十分に小さければ、図1および図4に示されるように、層12〜16の接合端部は下方へと湾曲する。鋭角αを適切に選択すれば、本実施形態のように、層16の下面だけを下方に湾曲させ、上面を平坦にすることもできる。
【0046】
次に、図5に示されるように、キャップ層6および第1上部クラッド層16の上面に帯状のマスク32を形成する。このマスク32は、積層構造10および20をメサ形状に成形するためのものである。マスク32は、SiNからなる。この後、エッチングを実施し、積層構造10および20においてマスク32により覆われていない部分を除去する。この結果、図6に示されるようなストライプメサ構造48が形成される。
【0047】
続いて、図7に示されるように、電流狭窄構造を形成する。具体的には、基板1の上面およびストライプメサ構造48の両側面を覆うように埋め込み層27、電流ブロック層28および層間絶縁膜29を順次に形成する。
【0048】
次に、図8に示されるように、マスク32を除去し、メサ構造48、埋め込み層27、電流ブロック層28および層間絶縁膜29の上面に第2上部クラッド層21およびコンタクト層22を順次に形成する。これらの層21、22はエピタキシャル成長させられる。
【0049】
次いで、図9に示されるように、コンタクト層22の中央部分をエッチングにより除去し、分離した二つのコンタクト層22aおよび22bを形成する。この後、図10に示されるように、コンタクト層22a、22bの上面に部分的に絶縁膜23a、23bを設けてからアノード電極25a、25bを形成する。この後、アノード電極25aと25bの間に絶縁膜24を形成する。さらに、基板1の下面にカソード電極26を形成する。これにより、本実施形態の発光素子100が得られる。
【0050】
第2実施形態
以下では、図12〜15を参照しながら、第2の実施形態に係る光変調器集積半導体発光素子について説明する。図12は、本実施形態の発光素子の構造を示す概略断面図である。図13〜15は、この発光素子の製造方法を示す概略側面図である。本実施形態は、レーザ積層構造、変調器積層構造および基板が第1実施形態と異なる。他の構成要素は、第1実施形態と同じである。このため、図12では、基板101、レーザ積層構造110および変調器積層構造120のみが描かれ、第2上部クラッド層、コンタクト層、電極等は省略されている。しかし、実際には、第1実施形態と同様に、レーザ積層構造110および変調器積層構造120の上面に第2上部クラッド層21が被着され、その上にコンタクト層22aおよび22b、絶縁膜23a、23bおよび24、ならびにアノード電極25aおよび25bが設けられている。また、基板101の下面にはカソード電極26が設けられている。
【0051】
図12に示されるように、基板101の上面の部分101dには、レーザ積層構造110が設けられ、部分101cには変調器積層構造120が設けられている。以下では、部分101dをレーザ搭載部と呼び、部分101cを変調器搭載部と呼ぶことにする。レーザ積層構造110と変調器積層構造120とは、接合面135において互いの端面同士を突き合わせて接合されている。第1実施形態と異なり、接合面135は、基板101の上面に対して垂直である。
【0052】
レーザ積層構造110は、DFBレーザ素子の一部を成す。レーザ積層構造110は、レーザ搭載部101d上に順次に設けられた下部クラッド層102、下部ガイド層103、活性層104、上部ガイド層105およびキャップ層106から構成されている。これらの層102〜106の組成は、それぞれ第1実施形態の層2〜6と同じである。上部ガイド層105の上面には、回折格子107が設けられている。
【0053】
変調器積層構造120は、EA変調器の一部を成す。変調器積層構造120は、変調器搭載部101c上に順次に設けられた下部クラッド層112、下部ガイド層113、光吸収層114、上部ガイド層115および第1上部クラッド層116から構成されている。これらの層112〜116の組成は、それぞれ第1実施形態の層12〜16と同じである。
【0054】
本実施形態の特徴的な構成は、基板101の上面の変調器搭載部101cに直線状の溝118が設けられていることである。溝118は、接合面135に隣接しつつ、接合面135に沿って延在する。溝118の幅は5μm以下、深さは1μm以下が好ましい。本実施形態では、溝118の幅は2μmであり、深さは0.5μmである。
【0055】
変調器積層構造120の下部クラッド層112は、この溝118を充填している。この結果、変調器積層構造120のうちレーザ積層構造110および基板101の双方と接触する角部136は、基板101へ向かって突出している。このような変調器積層構造120の形状は、積層構造110および120をバットジョイント法により形成する場合に特に有益である。以下では、この点について説明する。
【0056】
本実施形態では、変調器積層構造120の角部136が基板101へ向かって突出している。このような形状の積層構造20を成長させる場合、半導体結晶は上方のみならず下方へも成長しなければならない。これにより、変調器積層構造120の接合端部での上方への異常成長が抑えられる。この結果、溝118の深さに応じて、層112〜116の接合端部の上方への湾曲が低減する。本実施形態では、光吸収層114の形状が変調器積層構造120の積層方向(すなわち、上下方向)において光吸収層114の中心軸に対して対称となるように溝118の深さを設定した。このため、光吸収層114の下方に位置する層112および113の接合端部は下方に湾曲し、光吸収層114の上方に位置する層115および116の接合端部は上方に湾曲する。第1上部クラッド層116の上面には、突起178が生じる。しかし、異常成長が抑えられているので、突起178は従来よりも小さい。
【0057】
光吸収層114が上下方向で対称な形状を有しているため、接合面135での光の散乱が低減される。また、ガイド層103、105および活性層104からなるレーザ側の光導波路とガイド層113、115および光吸収層114からなる変調器側の光導波路との位置ズレが大きく低減される。このため、光結合効率が極めて良好である。
【0058】
以下では、図13〜15を参照しながら、本実施形態の発光素子の製造方法を説明する。以下では、溝118の形成方法を中心に説明する。
【0059】
まず、基板101の上面全体に層102〜106を順次に被着し、半導体積層構造145を形成する。次に、積層構造145の上面にマスク130aおよび130bを設ける。マスク130aおよび130bは、互いに離間している。マスク130aおよび130b間の間隙から層構造145の上面が露出する。この間隙の平面形状は、溝118の平面形状に対応する。
【0060】
この後、エッチングを2段階に分けて実施することにより、溝118を形成する。まず、図13に示されるように、等方性の反応性イオンエッチングを実施し、層構造145の上面に一定の深さを有する直線上の溝148を形成する。この溝148は、層構造145の上面を横断する。溝148の形状は、基板101に形成されるべき溝118の形状に対応する。
【0061】
次に、図14に示されるように、溝148によって分断された一方の領域に対して、等方性の反応性イオンエッチングを実施する。このエッチングは、溝148に対しても実施される。具体的には、片方のマスク130bだけを除去し、マスク130aを用いてエッチングを実施する。これにより、マスク130aによって被覆されていない部分が一定の厚さだけ除去される。この結果、レーザ積層構造110が形成されるとともに、レーザ積層構造110の端面110aに隣接した溝118が基板101の上面に形成される。溝118の形状は、事前に形成した溝148とほぼ同じである。
【0062】
次いで、図15に示されるように、マスク130aを除去し、基板101の上面においてエッチングにより露出した部分101cに変調器積層構造120をエピタキシャル成長させる。後の工程は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0063】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0064】
第1実施形態では、光吸収層14がその中心軸に対して上下非対称の形状を有している。しかし、接合面35の角度を調整すれば、光吸収層14をその中心軸に対して上下対称の形状にすることが可能である。この場合、第1上部クラッド層16の上面に突起が生じる可能性がある。しかし、接合面付近での異常成長が抑えられているため、この突起は従来よりも小さい。
【0065】
第2実施形態では、第1上部クラッド層116の上面に突起が生じている。しかし、溝118の深さを調整すれば、第1上部クラッド層116の上面を平坦にすることが可能である。この場合、光吸収層114の形状がその中心軸に対して上下非対称になる可能性がある。しかし、光吸収層114およびガイド層113、115の接合端部での湾曲を低減することは可能なので、十分に良好な光結合効率を得ることができる。
【0066】
第1実施形態では、レーザ積層構造10と変調器積層構造20との接合面35が基板1の上面に対して傾斜しており、変調器積層構造20が、レーザ積層構造10へ向かって突出した角部36を有している。しかし、レーザ積層構造へ向かって突出する角部を設けるために、接合面の全体を傾斜させる必要は必ずしもない。例えば、図16に示される変調器集積半導体発光素子では、レーザ積層構造160にくさび状の溝168が設けられている。この溝168は、接合面165と基板150との交差部に位置する。溝168を除く接合面165の大部分は、基板150の上面に対して垂直である。この例でも、変調器積層構造170は、レーザ積層構造160へ向かって突出する角部180を有する。したがって、第1実施形態と同様に、上方への異常成長を抑えることができる。
【0067】
第2実施形態では、変調器積層構造120が、基板101へ向かって突出した角部136を有している。この角部136は、溝118と同じ直方体形状を有している。しかし、本発明では、基板またはレーザ積層構造へ向かって突出する角部の形状は任意である。例えば、図17に示される変調器集積半導体発光素子では、基板151の上面にくさび状の溝158が形成されている。溝158は、レーザ積層構造161の端面と隣接しながら、端面に沿って延びている。変調器積層構造171の角部181は、基板151へ向かって突出し、溝158を充填している。したがって、第2実施形態と同様に、上方への異常成長を抑えることができる。
【0068】
本発明では、変調器積層構造の角部が、レーザ積層構造および基板の双方に向かって突出していてもよい。このような構成の一例を図18に示す。この例では、接合面185と基板152との交差部に円柱状の溝178が設けられている。変調器積層構造172の角部182は、この溝178を充填している。このため、角部182は、レーザ積層構造162および基板152の双方へ向かって突出している。このような形状の積層構造172を成長させる場合、半導体結晶は上方のみならず横方向および下方向にも成長しなければならない。これにより、上方への異常成長が抑えられる。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、レーザ積層構造および基板の少なくとも一方へ向かって突出した角部を有する変調器積層構造を採用する。このような変調器積層構造は、レーザ積層構造との接合端部における半導体結晶の上方への異常成長を抑えながら成長させることができる。したがって、本発明は、異常成長による不具合を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の光変調器集積半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図7】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図8】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図9】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図10】第1実施形態の発光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図11】斜めエッチングを示す概略側面図である。
【図12】第2実施形態の光変調器集積半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【図13】第2実施形態の発光素子の製造工程を示す概略側面図である。
【図14】第2実施形態の発光素子の製造工程を示す概略側面図である。
【図15】第2実施形態の発光素子の製造工程を示す概略側面図である。
【図16】本発明の光変調器集積半導体発光素子の他の例を示す概略側面図である。
【図17】本発明の光変調器集積半導体発光素子の他の例を示す概略側面図である。
【図18】本発明の光変調器集積半導体発光素子の他の例を示す概略側面図である。
【図19】従来の光変調器集積半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
【図20】従来の光変調器集積半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
【図21】従来の光変調器集積半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
【図22】従来の光変調器集積半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2、12…下部クラッド層、3、13…下部ガイド層、4…活性層、5…上部ガイド層、6…キャップ層、7…回折格子、10…レーザ積層構造、14…光吸収層、15…第1上部クラッド層、20…変調器積層構造、21…第2上部クラッド層、22a、22b…コンタクト層、25a、25b…アノード電極、26…カソード電極、35…接合面、36…角部、100…光変調器集積半導体発光素子。
Claims (10)
- 同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積された光変調器集積半導体発光素子であって、
前記基板の上面に設けられ、レーザ活性層を含む複数の半導体層が積層されたレーザ積層構造と、
前記基板の上面に設けられ、変調器活性層を含む複数の半導体層が積層された変調器積層構造と
を備え、
前記レーザ積層構造と前記変調器積層構造とは、前記レーザ活性層と前記変調器活性層とが光学的に結合されるように、互いの端面同士を突き合わせて接合されており、
前記変調器積層構造は、前記レーザ積層構造および前記基板の双方と接触する角部を有しており、前記レーザ積層構造の前記端面に沿って、前記変調器積層構造の前記変調器活性層より基板側の半導体層の接合端部が前記基板側へ湾曲して、前記角部は前記変調器積層構造内の前記変調器活性層より前記基板側に位置し、
前記角部は、前記レーザ積層構造および前記基板の少なくとも一方へ向かって突出している
光変調器集積半導体発光素子。 - 前記レーザ積層構造と前記変調器積層構造との接合面は、前記基板の上面のうち前記変調器積層構造を搭載している部分とほぼ一定の鋭角を成すように傾斜している
請求項1に記載の光変調器集積半導体発光素子。 - 前記基板の上面のうち前記変調器積層構造を搭載している部分には、前記レーザ積層構造と前記変調器積層構造との接合面に隣接しつつ前記接合面に沿って延びる溝が設けられている
請求項1に記載の光変調器集積半導体発光素子。 - 前記変調器活性層は多重量子井戸構造を有し、
前記レーザ活性層は多重量子井戸構造を有する
請求項1〜3のいずれかに記載の光変調器集積半導体発光素子。 - 前記変調器活性層のうち前記レーザ積層構造に隣接する端部は、前記変調器積層構造の積層方向において前記変調器活性層の中心軸に対して対称な形状を有している
請求項1または請求項3に記載の光変調器集積半導体発光素子。 - 同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積された光変調器集積半導体発光素子を製造する方法であって、
レーザ活性層を含む半導体積層構造を前記基板の上面に形成すると共に、前記半導体積層構造の一部に設けられたマスクを用いて前記半導体積層構造の上面の一部に異方性エッチングを施してレーザ積層構造を前記基板の上面に形成する第1工程と、
変調器活性層を含む複数の半導体層が積層された変調器積層構造を、前記基板の上面において前記レーザ積層構造の一端面に沿って成長させる第2工程と、
を備え、
前記レーザ積層構造はレーザ活性層を含む複数の半導体層の積層を有し、
前記第1工程は、前記レーザ積層構造のうち前記変調器積層構造と接合されるべき突合せ端面と前記基板の上面とが、前記レーザ積層構造および前記基板の少なくとも一方へ向かって窪んだ凹部を形成するように前記レーザ積層構造を形成し、
前記第2工程は、前記レーザ積層構造と前記変調器積層構造とが互いの端面同士を突き合わせて接合され、前記レーザ活性層と前記変調器活性層とが光学的に結合されるように前記変調器積層構造を成長させ、前記凹部を前記変調器積層構造で充填して角部を前記変調器積層構造に形成し、
前記レーザ積層構造の前記端面に沿って、前記変調器積層構造の前記変調器活性層より基板側の半導体層の接合端部が前記基板側へ湾曲して、前記角部は前記変調器積層構造内の前記変調器活性層より前記基板側に位置している
光変調器集積半導体発光素子の製造方法。 - 同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積された光変調器集積半導体発光素子を製造する方法であって、
レーザ活性層を含む複数の半導体層が積層されたレーザ積層構造を前記基板の上面に形成する第1工程と、
変調器活性層を含む複数の半導体層が積層された変調器積層構造を、前記基板の上面において前記レーザ積層構造の一端面に沿って成長させる第2工程と、
を備え、
前記第1工程は、
レーザ活性層を含む半導体積層構造を前記基板の上面に形成する工程と、
前記半導体積層構造の一部を異方性エッチングにより除去して前記レーザ積層構造を形成し、前記突合せ端面を露出させる工程と
を有しており、
前記異方性エッチングは、前記基板の上面に対して斜めの方向に沿って前記半導体積層構造をエッチングし、前記基板の上面のうち前記変調器積層構造を搭載すべき部分に対してほぼ一定の鋭角で傾斜した前記突合せ端面を形成することによって角部を前記変調器積層構造に形成し、
前記レーザ積層構造の前記端面に沿って、前記変調器積層構造の前記変調器活性層より基板側の半導体層の接合端部が前記基板側へ湾曲して、前記角部は前記変調器積層構造内の前記変調器活性層より前記基板側に位置している
光変調器集積半導体発光素子の製造方法。 - 同一の基板上に半導体レーザ素子および光変調器が集積された光変調器集積半導体発光素子を製造する方法であって、
レーザ活性層を含む複数の半導体層が積層されたレーザ積層構造を前記基板の上面に形成する第1工程と、
変調器活性層を含む複数の半導体層が積層された変調器積層構造を、前記基板の上面において前記レーザ積層構造の一端面に沿って成長させる第2工程と、
を備え、
前記第1工程は、
レーザ活性層を含む半導体積層構造を前記基板の上面に形成する工程と、
前記半導体積層構造の上面の一部に隙間を有するマスクを前記半導体積層構造の上面に形成した後にエッチングを施して、前記半導体積層構造を横断する溝を形成する工程と、
前記半導体積層構造の上面において前記溝によって分断される一方の領域と前記溝とに異方性エッチングを施し、前記レーザ積層構造及び凹部を形成する工程と
を有し、
前記凹部は、前記基板の上面のうち前記レーザ積層構造と隣接する位置にあり、
前記凹部は、前記レーザ積層構造のうち前記変調器積層構造と接合されるべき突合せ端面と前記基板の上面とが、前記基板に向かって窪んでおり、
前記第2工程は、前記レーザ積層構造と前記変調器積層構造とが互いの端面同士を突き合わせて接合され、前記レーザ活性層と前記変調器活性層とが光学的に結合されるように前記変調器積層構造を成長させ、前記凹部を前記変調器積層構造で充填して角部を前記変調器積層構造に形成し、
前記レーザ積層構造の前記端面に沿って、前記変調器積層構造の前記変調器活性層より基 板側の半導体層の接合端部が前記基板側へ湾曲して、前記角部は前記変調器積層構造内の前記変調器活性層より前記基板側に位置している
光変調器集積半導体発光素子の製造方法。 - 前記変調器活性層は多重量子井戸構造を有し、
前記レーザ活性層は多重量子井戸構造を有する
請求項6〜8のいずれかに記載の方法。 - 前記第2工程は、前記変調器活性層のうち前記レーザ積層構造に隣接する端部が、前記変調器積層構造の積層方向において前記変調器活性層の中心軸に対して対称な形状を有するように、前記変調器積層構造を成長させる
請求項6または請求項8に記載の方法。
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