JP4205054B2 - 露光システム及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ等の基板上に転写する露光システム、及び、当該露光システムを用いて半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
本出願は、日本国特許出願2002−122567号を基礎としており、その内容を本明細書に組み込む。
背景技術
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のデバイスの製造工程の1つであるフォトリソグラフィ工程においては、マスクやレチクル(以下、これらを総称する場合は、マスクという)に形成されたパターンを、フォレジスト等の感光剤が塗布されたウェハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合は、基板という)に転写する露光装置が用いられる。
近年多用されている露光装置として、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置、例えば縮小投影型の露光装置(所謂ステッパー)及びステップ・アンド・スキャン方式の露光装置がある。ステップ・アンド・リピート方式の露光装置は、ウェハをステップ移動させてレチクルに形成されたパターンを一括して各ショット領域に転写する動作を繰り返す露光装置である。また、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、レチクルとウェハとを同期移動させつつ、レチクルに形成されたパターンを逐次ショット領域に転写する動作を各ショット領域毎に繰り返す露光装置である。
近年、特に半導体素子は高集積化が進んでいるため、露光装置は露光光の短波長化及び投影光学系の高NA(Numerical Aperture:開口数)化による解像力の向上、並びに、ベースライン量の正確且つ厳密な管理による重ね合わせ精度の向上が図られている。ここで、ベースライン量とは、ウェハ上に投影されるレチクルのパターン像の基準点(例えば、投影中心)と、オフ・アクシス方式のアライメントセンサの基準点(例えば、計測視野中心)との距離である。
また、近年のデバイスの製造においては生産性の向上が要求されており、スループット(単位時間に処理されるウェハの枚数)を向上させるため、レチクルステージ及びウェハステージの加速度が高められており、これらのステージを駆動するモータの発熱量が増大している。ステージを駆動するモータは露光装置内部に設けられているため、露光動作を繰り返す度に露光装置内部の温度が大きく変動することになる。特に、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置では、露光中にウェハステージとレチクルステージとの双方がモータにより駆動されるため、温度変化の割合が大きくなる。尚、ウェハステージ及びレチクルステージに設けられたモータのみならず、露光装置内部の駆動系(例えば、投影光学系のレンズ駆動系及びレチクルブラインド駆動系)を駆動する場合にも露光装置内における温度の変化が生ずる。
露光装置内部の温度が変化すると、投影光学系の光学特性の変化(例えば、ベストフォーカス位置の変動及び収差の変化)によって解像力の低下等が生じるとともに、アライメントセンサ及びステージの熱膨張や熱変形によってベースライン量が変動し、投影されるパターンとショット領域との重ね合わせ精度の低下が生ずる。これらの不具合を防止するため、露光装置と露光装置内の温度を一定に保つための温度制御装置とから露光システムが構成される。近年の露光システムは、大型で冷却能力の高い液冷式の温度制御装置を備えることが多いが、クリーンルーム内における露光システムの設置面積(フットプリント)の増加を防止するため、温度制御装置の一部又は全部が、露光装置が設置された床面(設置面)よりも下方(本明細書では「床面下」又は「設置面下」とも称す)に配置されることが多くなっている。
ところで、温度制御装置が上述した形態で設置される場合には、露光装置が設置された床面以上に温度制御対象(レチクルステージ、ウェハステージ等)が配置され、床面下に温度制御対象を循環してきた冷媒を回収するタンク、冷媒を循環させるポンプ、及び冷媒の温度を設定する温度調整器等が配置される。従って、冷媒はポンプによって温度制御対象の高さ位置まで圧送され、温度制御対象を通過した後は高低差により落下してタンクに回収され、再びポンプにより圧送される経路を循環することになる。
以上の循環経路を有する温度制御装置は、冷媒が温度制御対象を通過した後で落下する構成となっているため、温度制御対象の位置において負圧が生ずることがある。例えば、循環経路において冷媒の循環を停止させたときに大きな負圧が生ずる。この負圧が生ずると、温度制御対象としてのレチクルステージ及びウェハステージに設けられた冷却管(これは循環経路の一部をなす)の変形等を引き起こし、ステージの動作性能の低下を招く虞がある。一例として、ステージを駆動するリニアモータ(ムービングマグネット型)内に冷却管を設けている場合において、負圧により冷却管が変形すると、固定子(コイル)と冷却管との間のギャップが不安定となり、その結果、そのギャップを流れる冷媒の流量が不安定になってモータの温度安定性が不安定になり、リニアモータの推力の安定性に悪影響を与えたり、あるいは、冷却管の表面に温度分布ができ、ベースライン等の重ね合せ精度に悪影響を与える虞がある。
また、温度制御装置が上述した形態で設置される場合には、設置時において冷媒の循環経路内に残存する空気を全て抜き去って冷媒を充満させる必要がある。ポンプが大型で圧送能力が高ければ、冷媒を循環経路に供給する位置及び空気を抜く位置が循環経路の最高位置よりも低くても、循環経路の最高位置まで冷媒を揚げることが可能であるため、循環経路から空気を抜き去って冷媒を充満させることができる。
一方、設置面積の制約等により小型のポンプを使用せざるを得ない場合には、循環経路の最高位置付近から冷媒を循環経路内に供給するとともに、循環経路の最高位置付近から空気を抜き、循環経路内に重力で液体を満たし、ポンプを循環させる能力のみとする方法が用いられる。しかしながら、この方法を用いる場合には、必ずしも循環経路の最高位置から空気を抜くことができるとは限らないため、循環経路内の空気を完全に抜き去ることができないことがある。あるいは何らかの原因で空気が残る場合がある。循環経路内に空気が残存していると、循環経路内に背圧が生じるため、空気が下から上へ上昇しようとする力に抗するに充分な圧送能力を有していない小型ポンプを使用していた場合には、その結果として循環経路に所望の流量を流せずにステージの冷却能力の低下、ひいてはステージの動作性能の低下を招く虞がある。また、リニアモータ等の冷却管はスペース的に耐圧の高い冷却管を用いることが難しい場合が多く、循環経路内の背圧が上がると液体流量を増やすことができなくなるという問題点があった。
発明の開示
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、設置面積の制約から露光装置の設置面の下方に温度調整器の一部又は全部を配置した場合であっても、液体(冷媒)の循環経路における負圧の発生及び背圧の上昇を防止することで冷却能力を維持することにより露光装置の性能を安定して所期の性能に保ち、結果としてデバイスの製造効率を向上させることができる露光システム及び当該露光システムを用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による露光システムは、レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続されるタンクとを有することを特徴としている。
この発明によれば、露光装置の設置面以上に配置されたタンクを、物体から循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続し、タンクの高さ位置に応じた液体の圧力を循環装置の上流側に加えているため、露光装置の設置面下に温度調整器の一部又は全部を配置した場合であっても、液体の循環経路における負圧の発生を防止することができる。
ここで、前記タンクは大気開放型のタンクであり、前記設置面に対する前記タンク内の液体の液面の高さは、前記レチクルステージの高さ位置と前記基板ステージの高さ位置との間に設定されることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点による露光システムは、レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路内に設けられた密閉型の第1タンクと、その内部に前記液体が収容されるとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記第1タンクに第1配管を介して接続された第2タンクとを有することを特徴としている。
この発明によれば、露光装置の設置面下であって、物体から循環装置へ向かう経路内に密閉型の第1タンクを設けるとともに、露光装置の設置面以上に配置された第2タンクを設けて、第2タンクと第1タンクとを第1配管を介して接続している。かかる構成の場合には、物体と第1タンクとの高低差が大きいため大きな負圧が生ずることになるが、設置面以上に配置された第2タンクと設置面下に配置された第1タンクを第1配管を介して接続しているため、第2タンクと第1タンクとの高低差に応じた大きな圧力が第1タンク(循環装置の上流側)に加わり、第1の観点による露光システムと同様に、液体の循環経路における負圧の発生を防止することができる。
ここで、上記第1の観点による露光システム及び第2の観点による露光システムにおいて、前記循環配管及び前記第1配管は、圧力に対する容積変動が所定値よりも小さい素材から構成されていることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点による露光システムは、レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路内に接続され、前記循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するための除去用配管とを有することを特徴としている。
この発明によれば、液体に混入した気泡を除去するための除去用配管が循環経路に接続されているので、循環装置が液体の循環動作を行えば、循環経路を循環する気泡を含んだ液体が除去用配管に自然に流入することとなり、液体の循環動作を行うだけで自動的に液体に混入した気泡が除去される。かかる動作は液体が循環経路を循環している間において常時継続されるため、液体の循環時間(回数)を経るにつれて液体に混入している気泡に起因する背圧を徐々に低下させることができ、最終的には空気による背圧を皆無にすることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第4の観点による露光システムは、レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続される大気開放型のタンクと、前記タンク内に収容されている前記液体の液面位置を検出する検出手段とを有することを特徴としている。
この発明によれば、大気開放型のタンクを設けたことにより、配管の圧力による容積変動があった場合でも、液面の変動を小さくすることができ、その結果液面変動を監視することがで液漏れの信頼性を向上させることができる。
ここで、上記第1の観点から第4の観点の何れかの観点による露光システムにおいて、前記設置面下に配置され、前記液体の温度を所定温度よりも過冷却又は過加熱する第1温度調整器と、前記設置面下に配置されるとともに、前記循環経路内の、前記液体が前記物体へ向かう経路上において前記第1温度調整器よりも前記物体の近傍に配置され、前記第1温度調整器で温度調整された前記液体の温度を前記所定温度に調整する第2温度調整器とを有することが好適である。
以上の露光システムにおいては、液体の循環経路における負圧の発生及び背圧の上昇を防止することができ、冷却能力が維持されて露光装置の性能が安定して所期の性能に保たれ、その結果としてデバイスの製造効率を向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による露光システム及びデバイス製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置の概略構成を示す図である。本実施形態においては、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに転写して半導体素子を製造するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
尚、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウェハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウェハWに対して直交する方向(投影光学系PLの光軸AXに沿った方向)に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態では露光中(パターン転写中)にレチクルR及びウェハWを移動させる方向(走査方向)をY方向に設定している。尚、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
図1に示す露光装置1は、照明光学系IU、ステージ装置4、投影光学系PL、ステージ装置7、及びリアクションフレーム8から概略構成されている。照明光学系IUは、光源(不図示)からの露光用照明光によりマスクとしてのレチクルR上の矩形状(又は円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する。ステージ装置4は、レチクルRを保持して移動するマスクステージとしてのレチクルステージ2とレチクルステージ2を支持するレチクル定盤3とを含んで構成される。投影光学系PLは、レチクルRに形成されたパターンを縮小倍率1/α(αは、例えば5又は4)で基板としてのウェハW上に投影する。ステージ装置7は、ウェハWを保持して移動する基板ステージとしてのウェハステージ5とウェハステージ5を保持するウェハ定盤6とを含んで構成される。リアクションフレーム8は、上記ステージ装置4及び投影光学系PLを支持する。
照明光学系IUは、リアクションフレーム8の上面に固定された支持コラム9によって支持される。尚、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、又はArFエキシマレーザ光(波長193nm)若しくはF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV)等が用いられる。リアクションフレーム8は、床面に水平に載置されたベースプレート10上に設置されており、その上部側及び下部側には、内側に向けて突出する段部8a,8bがそれぞれ形成されている。
ステージ装置4の一部をなすレチクル定盤3は、各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8aに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン像が通過する開口3aが形成されている。尚、図1においては、X方向に配置された防振ユニット11のみを図示しており、Y方向に配置された防振ユニットは図示を省略している。
尚、レチクル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いることができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエアマウント12とボイスコイルモータ13とが段部8a上に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニット11によって、ベースプレート10及びリアクションフレーム8を介してレチクル定盤3に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている(Gは重力加速度)。
レチクル定盤3上には、レチクルステージ2がレチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支持されている。レチクルステージ2の底面には、複数のエアベアリング(エアパッド)14が固定されており、これらのエアベアリング14によってレチクルステージ2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。また、レチクルステージ2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成されている。
ここで、レチクルステージ2について詳述する。図2は、本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置に設けられるレチクルステージの外観斜視図である。図2に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定盤3上を一対のYリニアモータ(駆動源)15,15によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステージ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のXボイスコイルモータ(駆動源)17Xと一対のYボイスコイルモータ(駆動源)17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動されるレチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている。このように、レチクルステージ2は、レチクル粗動ステージ16とレチクル微動ステージ18とから構成されるが、図1においては簡略化して図示している。
各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定された可動子21とから構成されている。このため、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて、固定子20はカウンターマスとして−Y方向に移動する。
この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。尚、Yリニアモータ15における移動子21と固定子20とはカップリングされているため、これらが相対移動した際には、元の位置に止まろうとする力が作用する。そのため、本実施の形態では、固定子20が所定の位置に到達するようにその移動量を補正する不図示のトリムモータが設けられている。
レチクル粗動ステージ16は、レチクル定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定されY軸方向に延びる一対のYガイド51,51によってY軸方向に案内されるようになっている。また、レチクル粗動ステージ16は、これらYガイド51,51に対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持されている。
レチクル微動ステージ18には、不図示のバキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持されるようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動鏡52a,52bが固定され、また、レチクル微動ステージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そして、これらのY移動鏡52a,52b及びX移動鏡53に対して、測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルステージ2のX方向及びY方向の位置並びにZ軸回りの回転θZが高精度に計測される。
図1に戻り、投影光学系PLは、複数の屈折光学素子(レンズ素子)を含んで構成され、物体面(レチクルR)側と像面(ウェハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有する。尚、投影光学系PLが備える複数のレンズ素子の硝材は、露光用照明光の波長に応じて、例えば石英又は蛍石が選択される。照明光学系IUから射出される照明光がレチクルRを照明すると、レチクルRを透過した照明光が投影光学系PLに入射し、レチクルに形成されたパターンの部分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像される。これにより、投影されたパターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウェハW上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
投影光学系PLに設けられる(投影光学系PLを構成する)レンズ素子の一部(例えば、5つのレンズ素子)は圧電素子を用いたアクチュエータ、磁歪アクチュエータ、流体圧アクチュエータ等の駆動源によって、光軸AX方向(Z方向)に移動可能且つX方向又はY方向を軸として傾斜(チルト)可能に構成されている。これらの移行可能及び傾斜可能に構成されたレンズ素子の1つの姿勢を調整することにより、又は、複数のレンズ素子の姿勢を互いに関連付けて調整することにより、例えば投影光学系PLで生ずる5つの回転対称収差及び5つの偏心収差を個別に補正することができる。ここでいう5つの回転対称収差とは、倍率、ディストーション(歪曲収差)、コマ収差、像面湾曲収差、及び球面収差をいう。また、5つの偏心収差とは、偏心ディストーション(歪曲収差)、偏心コマ収差、偏心アス収差、及び偏心球面収差をいう。
投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持された鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸AX方向をZ方向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が係合している。ここで、防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コーナーに配置され、内圧が調整可能なエアマウント26とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置された構成になっている。尚、図1においては、X方向に配置された防振ユニット24のみを図示しており、Y方向に配置された防振ユニットは図示を省略している。これらの防振ユニット24によって、ベースプレート10及びリアクションフレーム8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
ステージ装置7は、ウェハステージ5、このウェハステージ5をXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウェハ定盤6、ウェハステージ5と一体的に設けられウェハWを吸着保持する試料台ST、これらウェハステージ5及び試料台STを相対移動自在に支持するXガイドバーXGを主体に構成されている。ウェハステージ5の底面には、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)28が固定されており、これらのエアベアリング28によってウェハステージ5がウェハ定盤6上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
ウェハ定盤6は、ベースプレート10の上方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、ウェハ定盤6の各コーナーに配置され、内圧が調整可能なエアマウント30とボイスコイルモータ31とがベースプレート10上に並列に配置された構成になっている。尚、図1においては、X方向に配置された防振ユニット29のみを図示しており、Y方向に配置された防振ユニットは図示を省略している。これらの防振ユニット29によって、ベースプレート10を介してウェハ定盤6に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
ここで、ウェハステージ5について詳述する。図3は、本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置に設けられるウェハステージの外観斜視図である。図3に示すように、XガイドバーXGは、X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両端には電機子ユニットからなる可動子36,36がそれぞれ設けられている。これらの可動子36,36に対応する磁石ユニットを有する固定子37,37は、ベースプレート10に突設された支持部32、32に設けられている(図1参照。尚、図1では可動子36及び固定子37を簡略して図示している)。
これらの可動子36及び固定子37によってリニアモータ(駆動源)33,33が構成されており、可動子36が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動されることでXガイドバーXGがY方向に移動し、リニアモータ33,33の駆動を調整することでθZ方向に回転移動する。すなわち、このリニアモータ33によってXガイドバーXGとほぼ一体的にウェハステージ5(及び試料台ST、以下単に試料台STという)がY方向及びθZ方向に駆動されるようになっている。
また、XガイドバーXGの−X方向側には、Xトリムモータ34の可動子が取り付けられている。Xトリムモータ34は、X方向に推力を発生することでXガイドバーXGのX方向の位置を調整するものであって、その固定子(不図示)はリアクションフレーム8に設けられている。このため、ウェハステージ5をX方向に駆動する際の反力は、リアクションフレーム8を介してベースプレート10に伝達される。
試料台STは、XガイドバーXGとの間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドを介して、XガイドバーXGにX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持されている。また、ウェハステージ5は、XガイドバーXGに埋設された固定子を有するXリニアモータ(駆動源)35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動される。Xリニアモータの可動子は図示していないが、ウェハステージ5に取り付けられている。試料台STの上面には、ウェハホルダ41を介してウェハWが真空吸着等によって固定される(図1参照。図3では図示略)。
尚、駆動源としての上記リニアモータ33よりもXリニアモータ25の方がウェハステージ5上に載置されるウェハWに近い位置に配置されている上、リニアモータの可動子が試料台STに固定されている。このため、Xリニアモータ35は発熱源であるコイルが固定子となりウェハWから遠ざかり直接試料台STに固定されないムービングマグネット型のリニアモータを用いることが望ましい。また、リニアモータ33は、Xリニアモータ35、XガイドバーXG、及び試料台STを一体とし駆動するため、Xリニアモータ35より遙かに大きい推力を必要とする。そのため、多くの電力を必要とし発熱量もXリニアモータ35より大きくなる。従って、リニアモータ33は、ムービングコイル型のリニアモータを用いることが望ましい。しかしながら、ムービングコイル型のリニアモータは可動子36に冷媒(液体)を循環させる必要があるため、装置構成上の不具合がある場合には、可動子36側にマグネットを設けるムービングマグネット型のリニアモータを用いても良い。
ウェハステージ5のX方向の位置は、投影光学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡42(図1参照)を基準として、ウェハステージ5の一部に固定された移動鏡43の位置変化を計測する図1に示したレーザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。尚、上記参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ直交するように配置された不図示の参照鏡、レーザ干渉計及び移動鏡によってウェハステージ5のY方向の位置が計測される。尚、これらレーザ干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に基づいてウェハステージ5(ひいてはウェハW)のX方向の位置及びY方向の位置のみならず、θ回転量及びレベリング量をも求めることができるようになっている。
更に、図1に示すように、投影光学系PLのフランジ23には、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が固定されている(ただし、図1においてはこれらのレーザ干渉計のうち1つを代表して図示している)。各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤25の部分には、開口25aがそれぞれ形成されており、これらの開口25aを介して各レーザ干渉計45からZ方向のレーザビーム(測長ビーム)がウェハ定盤6に向けて照射される。ウェハ定盤6の上面の各測長ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されている。このため、上記3つのレーザ干渉計45によってウェハ定盤6の異なる3点のZ位置がフランジ23を基準としてそれぞれ計測される。
次に、本実施形態の露光システムが備える温度制御装置について説明する。図4は、本発明の一実施形態による露光システムが備える温度制御装置の構成を示す図である。図4に示した温度制御装置は、冷媒(液体)を用いて投影光学系PL及びアライメント系ALを制御対象として温度制御・管理する第1制御系61と、冷媒(液体)を用いてレチクルステージ2及びウェハステージ5を制御対象として、第1制御系61とは独立して温度制御・管理する第2制御系62とに大別される。
尚、これら第1制御系61と第2制御系62とは、それぞれ個別の筐体(図4においては不図示)内に配置されている。このように、本実施形態では、発熱量又は温度変化量が所定量以内である投影光学系PL及びアライメント系ALと、発熱量又は温度変化量が所定量よりも大きいレチクルステージ2及びウェハステージ5を個別に制御している。尚、温度調節用の冷媒としては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナートや水(純水)を用いることができるが、本実施形態では地球環境保護の観点から、地球温暖化係数が低く、オゾン破壊係数がゼロであるHFEを用いている。
第1制御系61において温度調節が施されたタンク63内の冷媒は、ポンプ64を経た後に投影光学系PL及びアライメント系ALを順次循環する循環系C1と、蒸発器65で冷却される冷却系C2とに分岐される。ポンプ64から吐出された直後の冷媒温度は温度センサ66で検出されてコントローラ67に出力される。循環系C1に関して、投影光学系PLは、鏡筒68の周りを螺旋状に配管されることで冷媒による温度調節範囲が広く設定されている。本実施形態では、図4において、冷媒が鏡筒68の周りを螺旋状に上から下へ循環されるように構成したが、これに限らず下から上へ螺旋状に循環するように構成しても良い。
また、この循環系C1では、投影光学系PLを循環する前の冷媒温度を検出する温度センサ69が設けられており、その検出結果はコントローラ67に出力される。尚、本実施形態では上述の如く、鏡筒68の周りをほぼ全面に渡って螺旋状に配管することで投影光学系PLの温調を行うが、本発明はこれに限らず、投影光学系PLを保持する部材(フランジ23)の部分に配管させて温調を行う(フランジ温調方式)ようにしても良い。
オフアクシス系のアライメント系ALとしては、LSA(Laser Step Alignment)方式、FIA(Field Image Alignment)方式、又はLIA(Laser Interferometric Alignment)方式のアライメントセンサを用いることができる。LSA方式は、He−Ne等のレーザ光をウェハW上のドット列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出する方式である。また、FIA方式は、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光で照明し、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測する方式である。
更に、LIA方式は、ウェハW上の回折格子状のアライメントマークにピッチ方向に対照的に傾斜した2つのコヒーレントビーム(半導体レーザ等)を照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置を計測する方式である。尚、アライメントセンサとしては、例えばWO98/39689に開示されているような方式、即ちウェハ上のアライメントマークに対して、アライメント検出光(He−NeやYAGレーザ光等)を垂直に照射し、マークから発生した同一次数の回折光を検出する方式のものを用いることも可能である。本実施形態においては、上記のうちのFIA方式のアライメントセンサを用いているものとする。
上記の循環系C1ではアライメント系ALの中、アライメント光源に対して冷媒を循環させて温度調節を行っている。循環方式としては、例えば投影光学系PLと同様に、光源を収納する筺体に螺旋状に配管することが可能である。尚、アライメント系ALにおいて、アライメント光源のみならず、アライメント用光学系を収納する筺体に対しても冷媒を循環させて温度調節を実施する構成としてもよい。また、オフアクシス系ではなく、投影光学系PLを介してウェハW上のマークを検出するTTR(Through The Reticle)方式やTTL(Through The Lens)方式においても同様に、アライメント光源や筺体に対して冷媒を循環させて温度調節を行うことができる。循環系C1でアライメント系AL及び投影光学系PLを循環した冷媒は、上下2段に連通して仕切られたタンク63の上側チャンバに還流する。
一方、冷却系C2の冷媒は、蒸発器65で冷却された後にタンク63の上側チャンバに還流する経路C3と、第1温度調整器としての熱交換器70に向かう経路C4とに分岐される。尚、蒸発器65は、気体冷媒を循環させる冷凍機73により冷却されている。冷却された冷媒は、経路C4で第1温度調整器としての熱交換器70で熱交換に使用された後に、タンク63の上側チャンバに還流し改めて冷却される。タンク63の下側チャンバにはコントローラ67に制御されたヒータ71が配設されている。このコントローラ67は、温度センサ66,69の検出結果に基づいてヒータ71の駆動を制御することで、冷媒を介してアライメント系AL及び投影光学系PLの温度を所定温度、例えば23□±0.01□に制御(管理)する。尚、図4において符号FLを付した破線は、図1に示した露光装置1の設置面(露光装置1が設置される床面)を示している。従って、以上の説明した第1制御系61を構成する殆どの部材は設置面FL以上に配置され、熱交換器70のみが設置面FL下に配置されることになる。
第2制御系62において、第1温度調整器としての熱交換器70で冷却された冷媒は、レチクルステージ2を循環する循環系C5と、ウェハステージ5を循環する循環系C6とに分岐される。第2制御系62における冷媒は、タンク63に還流せずに閉じた系で循環する構成になっている。尚、循環系C5は本発明にいう第1循環経路に、循環系C6は本発明にいう第2循環経路にそれぞれ相当し、循環系C5及び循環系C6が本発明にいう液体の循環経路に相当する。
循環系C5には、熱交換器70の下流の位置に第2温度調整器の一部に相当するヒータ75が設けられるとともに、レチクルステージ2に循環させる前の冷媒温度及びレチクルステージ2を循環させた後の冷媒温度をそれぞれ検出する温度センサ76a,76bが設けられており、温度センサ76a,76bの検出結果はコントローラ77に出力される。コントローラ77は、温度センサ76a,76bから出力される検出結果を単純平均又は加重平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ75をフィードバック制御することで、レチクルステージ2の温度を所定温度、例えば23℃±0.1℃に制御(管理)する。
また、循環系C6には、熱交換器70の下流の位置に第2温度調整器の一部に相当するヒータ78が設けられるとともに、ウェハステージ5に循環させる前の冷媒温度及びウェハステージ5を循環させた後の冷媒温度をそれぞれ検出する温度センサ79a,79bが設けられており、温度センサ79a,79bの検出結果はコントローラ77に出力される。コントローラ77は、温度センサ79a,79bから出力される検出結果を平均又は加重平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ78をフィードバック制御することで、ウェハステージ5の温度を所定温度、例えば23℃±0.1℃に制御(管理)する。循環系C5によってレチクルステージ2を循環した冷媒及び循環系C6によってウェハステージ5を循環した冷媒は、密閉型のタンク80に回収された後で、循環装置としてのポンプ74を介して熱交換器70に圧送される。尚、タンク80は、本発明にいう第1タンク又は密閉型タンクに相当する。
以上のように、第2制御系62を構成する各部材のうち、レチクルステージ2、ウェハステージ5、温度センサ76a,76b、及び温度センサ79a,79bが設置面FL以上に設置され、タンク80、ポンプ74、熱交換器70、ヒータ75,78、及びコントローラ77が設置面FL下に設置されるため循環系C5,C6に高低差が生ずる。循環系C5によってレチクルステージ2を循環した冷媒及び循環系C6によってウェハステージ5を循環した冷媒は、ポンプ74の出力のみならず重力による影響も受けてタンク80に回収されるため、例えば、冷媒の循環を停止させたときにレチクルステージ2及びウェハステージ5において大きな負圧が生ずる可能性がある。
レチクルステージ2及びウェハステージ5に負圧が生ずると、これらのステージに備えられているリニアモータに付随して設けられる冷却管の変形等を招き、リニアモータの発熱部と冷却管との間の冷却液が流れる隙間がせまくなり冷却液が流れにくくなるため冷却効率が低下し、ひいてはリニアモータの性能低下を招く。以上の不具合を招く原因となる負圧の発生を防止するため、本実施形態では、設置面FL以上の位置に大気開放型のタンク81を設け、このタンク81と設置面FL下に設けられたタンク80とを第1配管としての接続配管82により接続した構成としている。このタンク81は、本発明にいうタンク又は第2タンクに相当するものであり、設置面FL以上の所望の位置に配置することができるが、循環系C5及び循環系C6を循環する冷媒の動的な圧力を考慮すると、収容する冷媒の液面が高さ方向(Z方向)に関しては、ウェハステージ5の背圧、レチクルステージ2の負圧、及びポンプ74の能力等を考慮して、レチクルステージ2とウェハステージ5との間に配置されることが好ましい。更に好ましくは、レチクルステージ2側のモータ(被冷却対象)の耐圧と、ウェハステージ5側のモータ(被冷却対象)の耐圧それぞれの上限値及び下限値とのバランスを鑑みた上で、タンク81内の冷媒の液面高さを設定することが望ましい。
かかる構成にすると、大気に開放されたタンク81がウェハステージとレチクルステージとの間に配置されているため、循環経路内に冷媒を満たすと、ウェハステージ(ウェハステージ側のリニアモータを循環する配管)に対しては正圧がかかる。その一方、レチクルステージ(レチクルステージ側のリニアモータを循環する配管)に対しては僅かな負圧がかかるが、その負圧はレチクルステージ側リニアモータとタンク81との高低差(例えば、0.3m)分しかかからない。この場合のレチクルステージ側にかかる僅かな負圧は、設置面FLより下に配置されたタンク80とレチクルステージとの高低差(例えば、7m)によってかかる場合の負圧と比較するとはるかに小さなものである。そして、レチクルステージ側の配管の耐圧と、この僅かな負圧とを鑑みると、結果的にレチクルステージ側の配管にかかる圧力は、正圧となるか、あるいは負圧となったとしても配管の耐圧からみるとほんの僅かな(無視しうる)負圧とすることができる。このため、レチクルステージ側リニアモータとタンク81との高低差によりレチクルステージに対してかかる負圧によって引き起こされるレチクルステージ側配管の変形(圧損)はほとんど無視しうるものとすることができる。
尚、この大気開放型のタンク81には、その内部に収容されている液体の液面(表面)をモニタ(検出)する検出用センサ200(検出手段)が設けられている。このセンサ200により、循環経路C5又はC6を流れる液体が、どこかで漏れたりしたとしても、その液面の上下動をモニタすることで液漏れを検知することができる。このセンサ200の出力は、コントローラ77に送られる。コントローラ77は、センサ200より、液面が下がったことが検出されると、その旨を使用者に報知(警告)するための表示を行う報知装置210を作動せしめるよう構成されている。尚、本実施形態では、センサ200の出力をコントローラ77に送るようにしたが、本発明はこれに限らず、露光装置1内の不図示のメインCPUにセンサ200の出力を送って露光装置1に付設されたモニタに、その旨を報知するようにしても良い。
また、図4に示すように、循環系C5,C6内に対して設けられるタンク80が設置面FL下に配置される場合には、ポンプ74の負荷を低減し、小型化するために、設置時に重力によって循環系C5,C6全体に亘って残存する空気を抜き去って冷媒を充満させる必要がある。しかしながら、前述のようにタンク81がレチクルステージ2の循環系C5の最高点より低い場合等、装置の構成上、循環系C5,C6の最高位置から冷媒を注入できない場合には、循環系C5,C6に残存する空気を完全に抜き去ることができず、残存した空気(気泡)に起因して背圧が生じ、リニアモータの冷却管の耐圧制限等から循環系C5,C6の流量を所望の値に設定することができないことがある。
この背圧を防止するために、冷媒に混入している気泡を除去するための配管83を循環系C5の一部(レチクルステージ2とタンク80との間)に接続するとともに、配管84を循環系C6の一部(ウェハステージ5とタンク80との間)に接続し、これらの配管83,84とタンク81とを接続している。また、配管83,84には、流量調整用のバルブ85,86がそれぞれ設けられている。尚、配管83が本発明にいう第1除去用配管に、配管84が本発明にいう第2除去用配管にそれぞれ相当し、配管83及び配管84が本発明にいう第2配管又は除去用配管に相当する。また、バルブ85,86は、本発明にいう流量調整部材に相当する。
図4に示すように、配管83,84は循環系C5,C6に接続されているため、循環系C5,C6の流量が異なると、一方の循環系を循環する冷媒のみが配管(83又は84の一方)を介してタンク81に流れ込み、他方の循環系を循環する冷媒が配管(83又は84の他方)を介してタンク81に流れ込まないという現象が生ずることがある。この現象が生ずると、冷媒がタンク81に流れ込む一方の循環系を循環する冷媒に混入した気泡は除去することができるが、他方の循環系を循環する冷媒に混入した気泡を除去することができないといった不具合が生ずる。かかる不具合を解消すべく、バルブ85,86は、循環系C5から配管83を介してタンク81に流入する冷媒の流量と、循環系C6から配管84を介してタンク81に流入する冷媒の流量とのバランスを調整するために設けられている。
以上の構成にすると、冷媒が循環系C5,C6を循環している最中に、気泡が混入している冷媒が配管83,84を介してタンク81に流れ込み、タンク81に蓄えられてる冷媒の液面から気泡が大気中に放出される。このように本実施形態では、冷媒が循環系C5,C6を循環している間に冷媒に混入している気泡が徐々に除去されるため、冷媒に混入している気泡に起因する背圧を徐々に低下させることができ、最終的には気泡による背圧を皆無にすることができる。また、冷媒を循環させるだけで気泡が自動的に除去されるため、循環系C5,C6を循環する冷媒に混入した気泡を作業者が定期的に除去する作業を無くすことができ、露光システムのメンテナンスに要するコスト低減を図ることができる。
尚、本実施形態では、循環系C5,C6のそれぞれに、気泡除去用の配管83,84を1つずつ接続するように構成したが、本発明はこれに限られず、各循環系C5,C6毎に気泡除去用の配管を複数本ずつ接続する(この場合、その複数本の配管それぞれに対してバルブ(85,86と同様のもの)が設けられることになる)ように構成しても良い。このように、気泡除去用の配管を1つの循環系に対して複数本設けておけば、それだけ気泡排出に要する時間を短縮することができるという効果がある、尚、複数本配する場合の気泡除去用配管の配置位置は任意の位置とすることができる。
次に、以上説明した温度制御装置の配置例について説明する。図5は、本発明の一実施形態による露光システムが備える温度制御装置の配置例を示す図である。尚、図5においては、図4に示した第1制御系61の図示は殆ど省略して第2制御系62に関する構成を図示し、図4に示した部材に相当する部材には同一の符号を付している。
図5に示すように、照明光学系IU、並びに、レチクルステージ2、投影光学系PL、及びウェハステージ5等を含んで構成される露光本体部90は露光チャンバ91内に収容され、温度制御装置に設けられるタンク80、ポンプ74、熱交換器70、ヒータ75,78、及びコントローラ77は温度調整装置93内に収容される。
露光本体部90を収容する露光チャンバ91は床F1上に防震パッド94,94を介して設置され、温度調整装置93は床1下に位置する床F2上に防振パッド95,95を介して設置されており、露光チャンバ91と温度調整装置93とは分離して設置されている。尚、図4中の設置面FLは、図5中の床F1の高さ位置を示している。露光チャンバ91と温度調整装置93の間は配管されており、図4に示す温度制御装置と同様に循環系C5及び循環系C6からなる温度制御系が設けられている。
また、図5に示すように、露光チャンバ91の側方であって、高さ位置がレチクルステージ2とウェハステージ5との間にタンク81が設けられている。このタンク81に蓄えられた液面変動により冷媒の液漏れを検出する検出装置を備える場合には、冷媒が液漏れせずに通常に循環している状態における液面変動を極力抑えるために、循環系C5,C6に用いる配管(本発明にいう循環配管に相当する)及び接続配管82としては冷媒の圧力による変形(容積変動)が所定値よりも小さい素材の配管を用いることが良い。この配管の材質としては、例えばSUS等の剛性が高い素材を用いることが好ましく、曲げが必要な箇所はSUSフレキを用いることが望ましい。また、本実施形態では循環系C5,C6に用いる配管及び接続配管82に用いる素材の圧力に対する変形は、配管83,84に用いる素材(樹脂)の圧力に対する変形よりも小さい(互いに異なっている)が、これに限られるものではなく、配管(循環配管や配管82〜84)を全て同一素材で形成するようにしても良い。
ここで、タンク81と接続配管82及び配管83,84との接続例について説明する。図6は、タンク81と接続配管82及び配管83,84との接続例を示す図であり、図6Aはタンク81が小型の場合の接続例を示し、図6Bはタンク81が大型の場合の接続例を示す図である。図6Aに示すように、タンク81が小型である場合には、配管83,84はタンク81に直接接続されず、タンク81の底部近傍において接続配管82の側壁を貫通して接続配管82の内部に一度引き回され、タンク81と接続配管82との接続部を介してタンク81内に配置され、いわば間接的にタンク81と接続された構成である。
配管83の端部83aと配管84の端部84aは共にタンク81に蓄えられる冷媒の液面よりも上方に位置するように配置される。このように、配管83,84の端部83a,84aをタンク81に蓄えられた冷媒の液面よりも上方に配置することにより、配管83,84を介してタンク81に流入した冷媒に混入している気泡は、タンク81内に蓄えられた冷媒からの圧力(液圧)を受けずに大気中に放出されるため、冷媒から気泡を効率良く取り除くことができる。
また、図6Bに示すように、タンク81が大型である場合には、配管83,84を直接タンク81の底面を貫通させて接続することも可能である。この場合に於いても、配管83,84の端部83a,83bが共にタンク81に蓄えられた冷媒の液面よりも上方に配置するように構成するのが好ましい。尚、図5においては、気泡の浮力を考え循環系C5,C6の一部を構成する配管を露光チャンバ91から床F1に対してほぼ平行に引き出し、この引き出された配管83,84に対してほぼ直交する方向(Z方向)に配管83,84を接続しているが、循環系C5,C6の一部をなす配管と気泡を除去するための配管83,84との接続形態は図5の例に制限されず、例えば常に上向きの傾斜であれば効率よく気泡の浮力を利用して除去することができ、任意の接続形態とすることができる。
以上、本発明の一実施形態による露光システムが備える温度制御装置の配管の接続形態を中心に説明したが、次に、コントローラ67,77の構成について簡単に説明する。図7は、コントローラ77の中の、特にウェハステージ5の温度を制御する部位の構成を示すブロック図である。尚、レチクルステージ2の温度を制御する部位も同様の構成であるため、図7においては図示を省略している。また、コントローラ67の構成も、図7に示したコントローラ77の構成と同様の構成である。
つまり、図7において、ヒータ78、温度センサ79a、及び温度センサ79bをそれぞれヒータ75、温度センサ76a、及び温度センサ76bと読み替えれば、コントローラ77のレチクルステージ2の温度を制御する部位の構成を説明することができる。また、図7において、コントローラ77、ヒータ78、温度センサ79a、及び温度センサ79bをそれぞれヒータ71、温度センサ66、及び温度センサ69と読み替えればコントローラ67の構成を説明することができる。尚、以下においては、説明を重複を避けるため、コントローラ77のウェハステージ5の温度を制御する部位の構成のみを説明する。図7においては、ウェハステージ5の図示を省略している。
図7に示すように、コントローラ77のウェハステージ5の温度を制御する部位は、目標温度出力部100、演算部101、PID(Proportional Integral Derivative:比例積分微分)コントローラ102、及び演算部103を含んで構成される。目標温度出力部100は、ウェハステージ5の目標温度(例えば、23℃)を与える目標温度信号を出力する。演算部51は、目標温度出力部100から出力される目標温度信号SG1と、演算部103から出力される帰還信号SG4との差分に応じた偏差信号SG2を出力する。
PIDコントローラ102は、入力される偏差信号SG2に基づいて、ヒータ78の加熱量を制御するための制御信号SG3を出力する。演算部103は、温度センサ79a,79bの検出結果に対して所定の演算処理(例えば、平均処理)を施して、帰還信号SG4として出力する。このように、コントローラ77は、フィードバック制御によってウェハステージ5の温度制御を行っている。
以上、本発明の一実施形態による露光システムの構成について説明したが、次に本露光システムの露光時の動作について説明する。露光動作が開始されると、不図示のステージコントローラがレチクルステージ2及びウェハステージ5を加速させ、レチクルステージ2及びウェハステージ5が所定の速度に達したときに、不図示の主制御系が照明光学系IUから照明光を射出させ、レチクルR上の所定の矩形状の照明領域を均一な照度で照明させる。
この照明領域に対してレチクルRがY方向に走査されるのに同期して、この照明領域と投影光学系PLに関して光学的に共役な露光領域に対してウェハWを走査する。これにより、レチクルRのパターン領域を透過した照明光が投影光学系PLにより1/α倍に縮小され、レジストが塗布されたウェハW上にパターンの縮小像が投影される。そして、ウェハW上の露光領域には、レチクルRのパターンが逐次転写され、1回の走査でレチクルR上のパターン領域の全面がウェハW上のショット領域に転写される。
レチクル粗動ステージ16が、例えば+Y方向に移動した場合には固定子20が−Y方向に移動することで、運動量が保存され、レチクル粗動ステージ16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。また、このときトリムモータ72が作動することで、移動子21と固定子20とのカップリングに抗して、固定子20を所定の位置に到達させることができる。
これらの一連の露光処理に関しては、照明光により投影光学系PLに熱が生じ(投影光学系PLでの熱吸収)、アライメント光によりアライメント系ALに熱が生じる(アライメント系ALの光学系での熱吸収)とともに、レチクルステージ2及びウェハステージ5の駆動に伴って各モータから熱が生じる。第1制御系61については、コントローラ67が温度センサ66,69の検出結果に基づいてフィードバック制御してヒータ71の駆動を制御することで、投影光学系PL及びアライメント系ALを±0.01℃の範囲で温度制御する。また、第2制御系62については、コントローラ77が温度センサ76a,76b,79a,79bの検出結果に基づいてフィードバック制御してヒータ75,78の駆動を制御することで、レチクルステージ2及びウェハステージ5を±0.1℃の範囲でそれぞれ温度制御する。
レチクルステージ2に関して、コントローラ77は、温度センサ76a,76bが検出した冷媒温度を単純平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ75の駆動を調節、管理する。同様に、ウェハステージ5に関して、コントローラ77は、温度センサ79a,79bが検出した冷媒温度を単純平均し、得られた冷媒温度に基づいてヒータ78の駆動を調節、管理する。
以上、本発明の露光システムの動作について説明したが、本実施形態の露光システムは、各部材を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。
各種サブシステムから露光システムへの組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光システムへの組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光システム全体としての各種精度が確保される。なお、露光システムの製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、以上説明した露光システムを用いたデバイスの製造について説明する。図8は、本発明の実施形態による露光システムを用いてデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)を製造する工程の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS13(ウェハプロセスステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(組立ステップ)において、ステップS13において処理されたウェハを用いてチップ化する。このステップS14には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS15で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
以上説明したように、本発明の一実施形態による露光システムによれば、例えばクリーンルーム内における露光装置の設置面積の制約から、図5等に示すように、温度制御装置を構成する多くの部材、特にポンプ74及びタンク80を露光装置1の設置面FL(床F1)下に配置せざるを得ない場合であっても、設置面FL(床F2)以上の位置に配置された大気開放型のタンク81とタンク80とを接続配管82により接続しているため、冷媒の循環経路(循環系C5,C6)における負圧の発生を防止することができる。
また、循環系C5,C6各々に対して、循環系C5,C6を循環する冷媒に混入した気泡を除去するための配管83,84をそれぞれ接続したため、冷媒が循環系C5,C6を循環している間に、自動的に冷媒に混入した気泡が除去されるため、冷媒に混入している気泡に起因する背圧を徐々に低下させることができ、最終的には背圧を皆無にすることができる。
更に、本実施形態では、大気開放型のタンク81を設けるとともに、そのタンク81における液面変動(液面の上下動)を検出するセンサ200をタンク81に設ける構成としたため、循環系を循環する液体の漏れ(リーク)の検出の信頼性を向上させることができる。もし、この液面変動の検出を、タンク81で検出するのでは無く、例えば配管の何れかの部分を大気開放にしておいて検出する場合を考えたとすると、ポンプ74のON/OFF(駆動/停止)に応じて配管には圧力がかかるため、その圧力の影響を受けて配管は膨張や収縮等の変形を生じ、配管の容積が変動してしまう(この変動は樹脂製の配管であれば顕著に発生するものであり、またSUS製の配管においても発生するものである)。
配管の径(断面積)は余り大きなものでは無いので、この容積変動の影響を受けて配管の液面も上下動することになる。このため、もし配管に上述のセンサ200のような液面センサを設けた場合には、このようなポンプのON/OFFの度に生じる液面変動をも敏感に検出してしまい、その液面変動が、液体の漏れにより生じたものであるのか、或いは配管の容積変動により生じたものなのか判断がつきにくいといった問題がある。これに対して本願の実施形態では、配管の断面積よりもはるかに大きい断面積を持つタンク81(このため配管の容積変動くらいでは、タンク81の液面変動はほとんど生じない)に、上述のセンサ200を設けるような構成としたので、ポンプ74のON/OFFによるポンプ81内の液面変動は発生しないか、発生したとしてもごく僅か(ほとんど無視しうるもの)となり、液体漏れによる液面変動のみを確実に検出することができ、結果として液体漏れの検出の信頼性を向上させることができる。
よって、本実施形態においては、冷媒の循環経路において、負圧の発生及び背圧の上昇を防止することができ、レチクルステージ4及びウェハステージ5に設けられたリニアモータ等の発熱源を冷却するための温度制御装置の冷却能力が維持されるため、露光装置の性能を安定して所期の性能に保つことができる。その結果として、微細なデバイスを忠実に、且つ、高スループットで製造することができ、デバイスの製造効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、冷媒流量の温度を制御してレチクルステージ2、ウェハステージ5、及び投影光学系PL等の制御対象の温度を制御する構成を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、冷媒の流速、流量を制御して制御対象の温度を制御するよう構成しても良い。
また、上記実施形態では、図4に示すように、露光装置1の設置面FL以上に設けられた第1制御系61が投影光学系PLの温度制御を行っていたが、第2制御系62と同様に、投影光学系PLについても設置面FL下に設けられた温度制御系により冷媒を循環させて温度制御を行うようにしても良い。また、上記実施形態においては、設置面FL以上に設けられたタンク81と設置面FL下であって、ポンプ74の上流側に設けられたタンク80とを接続配管82を介して接続していた。しかしながら、接続配管82を介したタンク81の接続先はこれに限られず、レチクルステージ2又はウェハステージ5とポンプ74との間の経路であれば任意の位置で良い。
また、上記実施の形態では、第1制御系61及び第2制御系62を循環させる冷媒として、同一種類の冷媒(HFE)を用いる構成としたが、各循環系に要求される温度制御精度や設置環境に応じて、各循環系毎に異なる冷媒を用いてもよい。また、図5においては、タンク81を剥き出し他状態で備えた場合を例に挙げて説明したが、タンク81を収容するチャンバを設けても良い。かかる構成にする場合には、図4に示した第1制御系61に設けられる部材(例えば、タンク63、蒸発器65、及び冷凍機73等)もチャンバ内に配置することが設置面積を省略する上から好ましい。
また、上記実施形態では、ヒータ75,78が設置面FL下に配置されているため、これらのヒータ75,78である温度に設定された冷媒がレチクルステージ2及びウェハステージ5に到達するまで時間を要するため、制御上の無駄時間が生じて露光チャンバ91内の温度を高精度に制御する上で好ましくない。このため、コントローラ77が温度センサ76a,76b,79a,79bの検出結果に基づいてフィードバック制御するのみならず、レチクルステージ2及びウェハステージ5等の駆動回数、動作距離等に応じてフィードフォワード制御することが好適である。
更には、上記実施形態では、ヒータ75,78及びコントローラ77が設置面FL下に配置された場合を例に挙げて説明したが、設置面FL以上(床F1以上の位置)に設置面積の余裕があるのであれば、これらを設置面FL以上の位置に配置することが好ましい。かかる構成とすることで、ヒータ75,78を温度制御対象たるレチクルステージ2及びウェハステージ5の近傍に配置することができ、制御上の無駄時間を短縮することができる。また、コントローラ77が温度センサ76a,76bの近くに配置されることで、温度センサ76a,76b,79a,79b等の検出結果とノイズとのレベルの比(S/N比)を高くなることが期待され、高精度の温度制御を行う上で好ましい。
ここで、制御上の無駄時間は極力短い方が良いため、ヒータ75,78等は、温度制御対象に近ければ近い方が良い。しかしながら、露光チャンバ91内部には図5に示した部材以外に、種々の部材が配置されているため、ヒータ75,78等を任意の位置に配置することができるとは限らない。このため、ヒータ75,78等は、露光チャンバ91内の温度を、露光装置の性能を維持する上で求められる温度変化の許容値内に保つことができる程度の一定の応答性及び温度センサ76a,76b,79a,79bのS/N比を得ることができる程度に温度制御対象に近づけて配置することが好ましい。
また、図7に示したコントローラ77を構成する各ブロックは、電子回路によりハードウェア的に構成されていても良く、ソフトウェア的に構成されていても良い。各ブロックをソフトウェア的に構成する場合には、各ブロックの機能を規定するプログラムをCPU(中央処理装置)が実行することにより、各ブロックの機能が実現される。また、上記実施の形態では、温度調整器(熱交換器70)及び冷媒駆動用のポンプを一部共用する構成としたが、制御対象(循環系)毎にそれぞれ分離したり、全ての循環系で共用する等、種々の構成を採用可能である。
また、上記実施形態では、レチクルステージ2及びウェハステージ5を循環させる前の冷媒温度と循環させた後の冷媒温度とを単純平均する構成としたが、重み付け平均としてもよい。重み付け平均する方法としては以下の方式を採用することができる。(1)モータ等の熱源から入口側温度センサの設置位置までの距離と、熱源から出口側温度センサの設置位置までの距離とが異なる場合には、距離が近い温度センサほどその検出結果の重みが大きくなる等、距離に応じた重み付けを行う。(2)モータ等の熱源の入口近傍を構成する材料が出口近傍を構成する材料と異なる場合には、熱伝導率等、その材料の材質に応じて重み付けする(吸熱される割合が大きい(熱伝導率が大きい)材料ほど重みを大きくする)。(3)入口近傍又は出口近傍に別の熱源が存在する場合には、その別熱源の有無や発熱量に応じた重み付けを行う。例えば、流路上に別熱源が存在する場合には、別熱源に近い側の温度センサ出力の重みを大きくする。また、流路外に別熱源が存在する場合には、別熱源の発熱が空気を介して温度センサに伝達されるため、別熱源に近い側の温度センサ出力の重みを大きくする。(4)ベースライン計測時に、入口側温度センサの検出温度、出口側温度センサの検出温度、冷媒の制御温度(単純平均で算出された制御温度)と計測されたベースライン量(又はベースライン量の変動量)とを組で記憶し、この記憶動作をベースライン計測毎に繰り返す。そして、蓄積された複数のデータ組に基づいて、入口側温度と出口側温度とのいずれに、どの程度重みを持たせればベースライン変動が小さくなるかを推定演算する。そして、推定された重みに基づいて重み付け平均を行う。
また、上記各実施形態では、ウェハステージ5の温度制御とレチクルステージ2の温度制御とを同一のコントローラ77で温度制御(ヒータ75とヒータ78とを同一のコントローラ77で温度管理)するように構成したが、本発明はこれに限らず、ウェハステージ系(ヒータ78)とレチクルステージ系(ヒータ75)とを、互いに独立した別々の専用コントローラで、それぞれ独立に温度制御するように構成しても良い。
尚、本実施形態の基板としては、半導体素子のウェハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウェハ、あるいは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウェハ)等が適用される。露光装置1としては、レチクルRとウェハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウェハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウェハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。露光装置1の種類としては、ウェハWに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、露光用照明光の光源として、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)等の輝線を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)、Kr2レーザ(波長146nm)、YAGレーザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発生装置を用いることができる。また、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよいし、レチクルRを用いずに直接ウェハ上にパターンを形成する構成としてもよい。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系又は屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。尚、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、レチクルRとウェハWとを密接させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
ウェハステージ5やレチクルステージ2にリニアモータ(USP5,623,853又はUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型及びローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
レチクルステージ2及びウェハステージ5の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力によりレチクルステージ2及びウェハステージ5を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をレチクルステージ2及びウェハステージ5に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をレチクルステージ2及びウェハステージ5の移動面側(ベース)に設ければよい。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、露光装置の設置面以上に配置されたタンクを、物体から循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続し、タンクの高さ位置に応じた液体の圧力を循環装置の上流側に加えているため、露光装置の設置面下に温度調整器の一部又は全部を配置した場合であっても、液体の循環経路における負圧の発生を防止することができるという効果がある。
また、本発明によれば、露光装置の設置面下であって、物体から循環装置へ向かう経路内に密閉型の第1タンクを設けるとともに、露光装置の設置面以上に配置された第2タンクを設けて、第2タンクと第1タンクとを第1配管を介して接続している。かかる構成の場合には、物体と第1タンクとの高低差が大きいため大きな負圧が生ずることになるが、設置面以上に配置された第2タンクと設置面下に配置された第1タンクを第1配管を介して接続しているため、第2タンクと第1タンクとの高低差に応じた大きな圧力が第1タンク(循環装置の上流側)に加わり、上記の発明と同様に、液体の循環経路における負圧の発生を防止することができるという効果がある。
また、本発明によれば、液体に混入した気泡を除去するための除去用配管が循環経路に接続されており、循環経路を循環する気泡を含んだ液体が配管に流入することで、自動的に液体に混入した気泡が除去される。かかる動作は液体が循環経路を循環している間において常時継続されるため、液体の循環時間(回数)を経るにつれて液体に混入している気泡に起因する背圧を徐々に低下させることができ、最終的には背圧を皆無にすることができるという効果がある。
また、本発明によれば、大気開放型のタンクを設けたことにより、配管の圧力による容積変動があった場合でも、液面の変動を小さくすることができ、その結果液面変動を監視することで液漏れの信頼性を向上させることができるという効果がある。
以上の露光システムにおいては、液体の循環経路における負圧の発生及び背圧の上昇を防止することができ、冷却能力が維持されて露光装置の性能が安定して所期の性能に保たれ、その結果としてデバイスの製造効率を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置の概略構成を示す図である。
図2は本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置に設けられるレチクルステージの外観斜視図である。
図3は本発明の一実施形態による露光システムが備える露光装置に設けられるウェハステージの外観斜視図である。
図4は本発明の一実施形態による露光システムが備える温度制御装置の構成を示す図である。
図5は本発明の一実施形態による露光システムが備える温度制御装置の配置例を示す図である。
図6A及びBはタンク81と接続配管82及び配管83,84との接続例を示す図であり、図6Aはタンク81が小型の場合の接続例を示し、図6Bはタンク81が大型の場合の接続例を示す図である。
図7はコントローラ77の中の、特にウェハステージ5の温度を制御する部位の構成を示すブロック図である。
図8は本発明の実施形態による露光システムを用いてデバイスを製造する工程の一例を示すフローチャートである。
Claims (19)
- レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、
前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、
その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続されるタンクと
を有する露光システム。 - 請求項1記載の露光システムであって、
前記タンクは大気開放型のタンクであり、
前記設置面に対する前記タンク内の液体の液面の高さは、前記レチクルステージの高さ位置と前記基板ステージの高さ位置との間に設定される露光システム。 - 請求項1記載の露光システムであって、
前記液体の循環経路に接続され、前記循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するための第2配管を有する露光システム。 - 請求項3記載の露光システムであって、前記第2配管は、前記タンクに接続されている露光システム。
- 請求項4記載の露光システムであって、前記第2配管は、その端部が前記タンク内の液体の液面よりも上方に位置するように配置される露光システム。
- 請求項3記載の露光システムであって、
前記第2配管は、前記循環配管及び前記第1配管の形成素材とは異なる素材で形成されている露光システム。 - 請求項1記載の露光システムであって、
前記循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路内に設けられるとともに、前記設置面下に配置された密閉型タンクを有する露光システム。 - 請求項7記載の露光システムであって、前記タンクは、前記第1配管を介して前記密閉型タンクと接続されている露光システム。
- レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、
前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、
その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路内に設けられた密閉型の第1タンクと、
その内部に前記液体が収容されるとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記第1タンクに第1配管を介して接続された第2タンクと
を有する露光システム。 - 請求項9記載の露光システムであって、
前記循環経路内の、前記液体が前記物体から前記第1タンクへ向かう経路内に接続され、前記循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するための第2配管を更に有する露光システム。 - 請求項10記載の露光システムであって、
前記循環装置は、前記レチクルステージを含む第1循環経路、及び前記基板ステージを含む第2循環経路に対してそれぞれ前記液体を循環させ、
前記第2配管は、前記第1循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するために前記第1循環経路内に接続された第1除去用配管と、前記第2循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するために前記第2循環経路内に接続された第2除去用配管とを含む露光システム。 - 請求項11記載の露光システムであって、
前記第1、第2除去用配管各々には、前記第1、第2循環経路各々を循環する液体の流量に応じて、前記第1、第2除去用配管を流れる液体の流量を調整する流量調整部材がそれぞれ設けられる露光システム。 - 請求項1記載の露光システムであって、
前記循環配管及び前記第1配管は、圧力に対する容積変動が所定値よりも小さい素材から構成されている露光システム。 - レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、
前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、
前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路内に接続され、前記循環経路を循環する液体に混入した気泡を除去するための除去用配管と
を有する露光システム。 - 請求項14記載の露光システムであって、
その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続されるタンクを更に有し、
前記除去用配管は、前記タンクに接続されている露光システム。 - レチクルステージ上に保持されたレチクルのパターンの像を、基板ステージ上に保持された基板上に投影光学系を介して投影して転写する露光装置を備えた露光システムであって、
前記露光装置の設置面下に配置され、且つ前記レチクルステージ、前記基板ステージ、及び前記投影光学系の少なくとも何れか1つの物体の温度を制御するために、前記物体に対して液体を循環配管を介して循環させる循環装置と、
その内部に前記液体を収容するとともに、前記露光装置の設置面以上に配置され、且つ前記液体の循環経路内の、前記液体が前記物体から前記循環装置へ向かう経路の途中に第1配管を介して接続される大気開放型のタンクと、
前記タンク内に収容されている前記液体の液面位置を検出する検出手段と
を有する露光システム。 - 請求項16記載の露光システムであって、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記循環経路内を循環する前記液体の量の変動を報知する報知手段を更に有する露光システム。 - 請求項1記載の露光システムであって、
前記設置面下に配置され、前記液体の温度を所定温度よりも過冷却又は過加熱する第1温度調整器と、
前記設置面下に配置されるとともに、前記循環経路内の、前記液体が前記物体へ向かう経路上において前記第1温度調整器よりも前記物体の近傍に配置され、前記第1温度調整器で温度調整された前記液体の温度を前記所定温度に調整する第2温度調整器と
を有する露光システム。 - デバイス製造方法であって、
請求項1から請求項18の何れか一項に記載の露光システムを用いて、前記レチクル上に形成されたパターンを前記基板上に転写する工程を含む。
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