JPH11219902A - 露光装置及びデバイス製造装置 - Google Patents

露光装置及びデバイス製造装置

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JPH11219902A
JPH11219902A JP10324901A JP32490198A JPH11219902A JP H11219902 A JPH11219902 A JP H11219902A JP 10324901 A JP10324901 A JP 10324901A JP 32490198 A JP32490198 A JP 32490198A JP H11219902 A JPH11219902 A JP H11219902A
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gas
helium
exposure
exposure apparatus
chamber
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JP10324901A
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Nobutaka Umagome
伸貴 馬込
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光の光路の少なくとも一部に高透過率
(不活性)で熱伝導率が良好な気体を供給する場合に、
その気体の使用量を抑制する。 【解決手段】 床F1上の環境チャンバ7内に露光本体
部26が設置され、外部のF2 レーザ光源3を収納する
カバー1から環境チャンバ7の内側までの照明光学系の
大部分がサブチャンバ6で覆われている。階下の床F2
上の所定のボンベ内の高純度のヘリウムガスを配管31
を介してサブチャンバ6、及び露光本体部26の投影光
学系PL内に供給し、環境チャンバ7の天井近傍に集ま
るヘリウムガスと、主に窒素よりなる空気の成分との混
合気体を配管33を介して階下の集塵排水装置35に導
き、集塵排水装置35を通過した混合気体を冷凍装置3
7に通して液化した空気の成分を所定のボンベに回収
し、気体のままのヘリウムを配管41、混合温調装置、
及び配管31を介して再循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子、又は薄膜磁気ヘッド等の
マイクロデバイスを製造するためのリソグラフィ工程で
マスクパターンを基板上に転写するために使用される露
光装置に関し、特に波長200nm程度以下の真空紫外
域(VUV)の露光光を使用する場合に使用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイスを製造する際に使
用されるステッパー等の露光装置においては、半導体デ
バイスの集積度及び微細度の向上に対応するため、特に
解像力を高めることが要求されている。その解像力は、
ほぼ露光光の波長に比例するため、従来より露光波長は
次第に短波長化されている。即ち、露光光は水銀ランプ
の可視域のg線(波長436nm)から紫外域のi線
(波長365nm)へと代わり、最近ではKrFエキシ
マレーザ光(波長248nm)が使用されるようになっ
ている。そして、現在は、ArFエキシマレーザ光(波
長193nm)、F 2 レーザ光(波長157nm)、更
にはAr2 レーザ光(波長126nm)の使用が検討さ
れている。更に、従来からのX線リソグラフィの研究に
よって、いわゆる極端紫外(EUV、又はXUV)域の
殆どX線に近い波長13nm、11nm、又は7nm等
の光、更には波長1nm程度のX線等の使用も検討され
ている。
【0003】しかし、ArFエキシマレーザ光程度以下
の波長域、即ちほぼ200nm程度以下の真空紫外域
(VUV)では、空気中の酸素による吸収が起こってオ
ゾンが発生し、透過率が低下してしまう。そこで、例え
ばArFエキシマレーザ光を使用する露光装置では、露
光光の光路の大部分の気体を窒素で置き換える、いわゆ
る窒素パージが行われる。更に、F2 レーザ程度以下の
波長域では窒素でも吸収がある。この場合、窒素を通過
する領域がごく狭い領域であれば、その吸収量は少なく
露光には支障があまりないが、長い光路では光量が減少
して適正な露光量が得られなくなる。そこで、ArFエ
キシマレーザの波長よりも短い波長域(190nm程度
以下)、特にF2 レーザの波長程度以下の波長域の光を
使用する場合には、その光の光路の大部分をその光を透
過する別の気体(窒素以外の不活性ガス)で置き換える
か、又は真空にする必要がある。
【0004】一方、露光光が照明光学系、及び投影光学
系中のレンズやミラー等の光学素子を通過する際に、こ
れらの光学素子においても熱エネルギーの吸収がある。
このように吸収される熱エネルギーによって光学素子が
熱膨張すると、倍率変化や焦点ずれ等の結像性能の劣化
を招くことになる。そこで、このような結像性能の劣化
を防止するために、従来より所定のレンズ間の空間内に
温度制御された気体を流したり、レンズの側面やミラー
の裏面等を空冷、又は液冷したりする廃熱処理が行われ
ている。最近は、結像性能の安定性に対する要求も高ま
っているため、廃熱処理についても一層高いレベルの処
理が必要となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、露光装置
において、190nm程度以下の波長域の露光光を使用
する場合には、その光路の大部分を窒素よりも吸収率の
小さい気体で置き換えるか、又は真空にすることが望ま
しい。ところが、後者のように光路の大部分を真空にす
るのでは、露光装置の製造コストが上昇すると共に、露
光装置のスループットが低下する。また、露光装置にお
いては、露光光の熱エネルギーをより効率的に廃熱する
ことも求められている。
【0006】これらの問題に同時に対処するには、露光
光の光路の大部分に不活性で透過率が高く、熱伝導率が
良好で(即ち、原子量が小さい)あると共に、温度制御
された気体を供給すればよい。現状で、そのように不活
性で熱伝導率が良好であり、かつ安全な気体として最も
高性能な気体はヘリウム(He)である。しかしなが
ら、ヘリウムは地殻や大気中での存在度が極めて低く高
価であるため、使用量が増えると露光装置の運転コスト
が上昇するという不都合がある。また、ヘリウムは原子
量が小さいために露光装置の光路を覆うカバー等の隙間
から漏れ易く、単にそのカバー内にヘリウムを循環させ
るのみでは、次第にヘリウムが減少するという不都合が
あった。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、露光エネルギー
ビーム(露光光)の光路の少なくとも一部に高透過率
(不活性)で熱伝導率が良好な気体を供給する場合に、
その気体の使用量を抑制できる露光装置及びデバイス製
造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による露光装置
は、転写用のパターンが形成されたマスクに露光エネル
ギービームを照射する照明系(3,11,13,14,
17〜19)と、そのマスクのパターンが転写される基
板を位置決めするステージ系(20〜24)と、を有す
る露光装置において、その露光エネルギービームの光路
の少なくとも一部に、その露光エネルギービームに対す
る透過率が高く、かつ熱伝導率の良好な気体を供給する
気体供給装置(31,43,46)と、この気体供給装
置(31,43,46)からその露光エネルギービーム
の光路上に供給された後にその気体の少なくとも一部を
回収する気体回収装置(33〜37,41,42)と、
を備えたものである。
【0009】斯かる本発明によれば、その光路上に供給
されたその気体の一部は回収されて再使用(リサイク
ル)することができるため、その気体の使用量を抑制で
きる。従って、その気体が高価である場合に運転コスト
が低下する。この場合、その気体の一例はヘリウム(H
e)である。ヘリウムは、安全であり、150nm程度
以下の波長域の露光光を使用する場合でも透過率が高い
と共に、熱伝導率が窒素(N2)の約6倍程度と高いた
め、光学素子に対する冷却効果が高い。
【0010】また、その気体回収装置が例えば空気中に
拡散したヘリウムを回収する場合、混合気体中の酸素は
酸素吸収材で処理し、窒素は冷却することでヘリウムと
分離できるため、残されたヘリウムを回収すればよい。
又は、その混合気体を液体空気温度まで冷却し、生成さ
れた液体を除去することで、まだ気体のままのヘリウム
のみを容易に回収できる。
【0011】また、その気体回収装置は、複数の露光装
置で共用されることが望ましい。これによって、その気
体回収装置の設備費が低減される。また、その気体回収
装置で回収されたその気体をその気体供給装置の少なく
とも一部(31,43)を介してその露光エネルギービ
ームの光路上に再循環させることが望ましい。
【0012】また、その気体供給装置は、一例としてそ
の気体回収装置から供給されるその気体の濃度を計測す
る濃度計(44)と、その気体が気体の状態、又は液化
された状態で封入された気体源(46)と、その濃度計
の計測結果に応じて気体源(46)からの気体をその気
体回収装置から供給される気体に補充する制御部(4
3,45,48)と、を有するものである。その制御部
は、その濃度計で計測されるその気体の濃度が所定の許
容レベルより低くなったときに、その気体源からの気体
を補充する。これによって、その気体源内の気体を無駄
に使用することがなくなる。
【0013】また、その気体供給装置は、別の例として
その気体を液化保存、又は高圧保存する気体源(46)
と、この気体源内の液化ガス、又は高圧ガスをその気体
に戻す変換装置と、その気体源からその気体がその露光
装置に供給される前にその気体の温度、及び圧力を調整
する調整装置(43)とを有するものである。これによ
って、その気体を狭い空間に大量に保存できる。
【0014】また、その気体回収装置は、その回収した
気体を液化、又は高圧化して保存することが望ましい。
これによってその気体を大量に狭い空間に保存できる。
また、本発明によるデバイス製造装置は、本発明による
露光装置を含む複数の露光装置を有し、これら複数の露
光装置で複数のデバイスパターンを露光対象の基板上に
重ね合わせて転写してマイクロデバイスを製造するもの
である。この場合にも、その気体の使用量が抑制でき
る。また、上記の露光装置においては、その少なくとも
一部の光路内に供給されるその気体の清浄度に関する情
報を検出するセンサ(90)を更に備え、その検出され
る情報に応じてその気体の供給及びその停止を制御する
ことが望ましい。
【0015】また、その露光エネルギービームの光路に
配置される少なくとも1つの光学素子が収納される気密
室にその気体を供給するようにしてもよい。これによっ
て、その気体を効率的に使用できる。また、その気密室
は、一例としてその光源の光学素子が収納される第1気
密室と、その光源とそのマスクとの間に配置される光学
素子が収納される第2気密室とを含むものである。ま
た、その気密室の少なくとも一部が収納される筐体と、
その筐体内に第2気体を供給する第2気体供給装置とを
更に備えることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
につき図1及び図2を参照して説明する。本例は、露光
光の光路の大部分にヘリウムガスが供給される半導体デ
バイス製造用の投影露光装置に本発明を適用したもので
ある。図1は、本例の投影露光装置、及びヘリウム循環
装置の一部の概略構成を示し、図2はそのヘリウム循環
装置の主要部の概略構成を示し、図1及び図2におい
て、半導体製造工場の或る階の床F1上のクリーンルー
ム内に投影露光装置が設置され、その階下の床F2上の
いわゆる機械室(ユーティリティスペース)内に、階上
の投影露光装置にヘリウムガスを供給し、更に回収する
ヘリウム循環装置が設置されている。このように発塵し
易いと共に、振動発生源となり易い装置を、投影露光装
置が設置されている階と別の階に設置することによっ
て、投影露光装置が設置されているクリーンルーム内の
清浄度を極めて高く設定できると共に、投影露光装置に
対する振動の影響を小さくできる。
【0017】但し、ヘリウムガスは軽くて上昇し易いた
め、本例のヘリウム循環装置を、投影露光装置が設置さ
れている階の階上に置いても構わない。また、ヘリウム
循環装置内の後述の供給装置は床F2上に配置し、回収
装置は床F1又はその階上に配置するというように、ヘ
リウム循環装置を部分毎に異なる階上に設置してもよ
い。
【0018】先ず、図1の床F1上のクリーンルーム内
において、防振台2A,2Bを介して箱状のケース1が
設置され、ケース1内に露光光源としてのF2 レーザ光
源3(発振波長157nm)、露光本体部との間で光路
を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等を含む
ビームマッチングユニット(BMU)4、及び遮光性の
材料から形成され内部を露光光が通過するパイプ5が設
置されている。また、ケース1の隣に箱状の気密性の良
好な環境チャンバ7が設置され、環境チャンバ7内で床
F1上に床からの振動を減衰するための防振台25A,
25Bを介して定盤24が設置され、定盤24上に露光
本体部26が設置されている。また、ケース1内から突
き出ているパイプ5から環境チャンバ7の内部まで気密
性の良好なサブチャンバ6が架設され、サブチャンバ6
内に照明光学系の大部分が収納されている。
【0019】なお、F2 レーザ光源3を床F1の階下の
床F2上に配置してもよい。この場合、床F1上のクリ
ーンルーム内での投影露光装置による専有面積(フット
プリント)を小さくできると共に、露光本体部26への
振動の影響も小さくできる。また、露光エネルギービー
ム(露光光)として、ArFエキシマレーザ光(波長1
93nm)、若しくはKrFエキシマレーザ光(波長2
48nm)、又はX線等を使用する場合でも、その露光
エネルギービームの光路の少なくとも一部にヘリウム等
を供給するような場合には、本発明が適用できる。ま
た、本例の露光本体部26は、以下で説明するように走
査露光型、例えばステップ・アンド・スキャン方式であ
るが、一括露光型、例えばステップ・アンド・リピート
方式であっても本発明が適用されるのは言うまでもな
い。
【0020】先ず、露光時に、ケース1内のF2 レーザ
光源3から射出された露光光としての波長157nmの
紫外パルス光ILは、BMU3及びパイプ5の内部を経
てサブチャンバ6内に至る。サブチャンバ6内におい
て、紫外パルス光ILは、光アッテネータとしての可変
減光器8、レンズ系9A,9Bよりなるビーム整形光学
系を経てフライアイレンズ11に入射する。フライアイ
レンズ11の射出面には照明条件を種々に変更するため
の照明系の開口絞り系12が配置されている。
【0021】フライアイレンズ11から射出されて開口
絞り系12中の所定の開口絞りを通過した紫外パルス光
ILは、反射ミラー13、及びコンデンサレンズ系14
を経てレチクルブラインド機構16内のスリット状の開
口部を有する固定照明視野絞り(固定ブラインド)15
Aに入射する。更に、レチクルブラインド機構16内に
は、固定ブラインド15Aとは別に照明視野領域の走査
方向の幅を可変とするための可動ブラインド15Bが設
けられ、この可動ブラインド15Bによってレチクルス
テージの走査方向の移動ストロークの低減、及びレチク
ルRの遮光帯の幅の低減を図っている。
【0022】レチクルブラインド機構16の固定ブライ
ンド15Aでスリット状に整形された紫外パルス光IL
は、結像用レンズ系17、反射ミラー18、及び主コン
デンサレンズ系19を介して、レチクルRの回路パター
ン領域上のスリット状の照明領域を一様な強度分布で照
射する。本例では、遮光性の材料からなるパイプ5の射
出面から主コンデンサレンズ系19までがサブチャンバ
6内に収納され、更にパイプ5の内部からF2 レーザ光
源3の射出面までの空間も密閉されて、サブチャンバ6
内の空間に連通している。そして、サブチャンバ6内の
空間には、階下のヘリウム循環装置から配管31の分岐
管31a、及び分岐管31bを介して2箇所で所定の純
度以上で温度制御されたヘリウムガス(He)が供給さ
れている。但し、ヘリウムは分子量が小さく漏れ易いた
め、サブチャンバ6から自然に漏れ出たヘリウムの一部
は上昇して環境チャンバ7の天井近傍の空間7aに溜ま
る。
【0023】図2に示すように、配管31には開閉バル
ブV11が設けられており、制御系45によって開閉バ
ルブV11の開閉を制御することで、投影露光装置への
ヘリウムガスの供給、及びその停止を切り換えることが
できる。図1に戻り、配管31の分岐管31aには開閉
バルブV13が設けられ、分岐管31bには投影光学系
PLとの間に開閉バルブV14が、照明光学系(サブチ
ャンバ6)との間に開閉バルブV15がそれぞれ設けら
れている。また、配管31の別の分岐管31c(図2参
照)、及び開閉バルブV12を介して、F2 レーザ光源
3、及びBMU4などが収納されたケース1内に、所定
純度以上で温度制御されたヘリウムガスが供給される。
そして、図2の制御系45によって開閉バルブV12〜
V15をそれぞれ独立に開閉することで、ケース1、サ
ブチャンバ6(照明光学系)、及び投影光学系PLの内
の所望の少なくとも1つにヘリウムガスを供給すること
が可能となっている。
【0024】紫外パルス光ILのもとで、レチクルRの
照明領域内の回路パターンの像が投影光学系PLを介し
てウエハ(wafer)W上のレジスト層のスリット状の露光
領域に転写される。その露光領域は、ウエハ上の複数の
ショット領域内の1つのショット領域上に位置してい
る。本例の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折
系)であるが、このような短波長の紫外光を透過できる
硝材は限られているため、投影光学系PLをカタジオプ
トリック系(反射屈折系)、又は反射系として、投影光
学系PLでの紫外パルス光ILの透過率を高めるように
してもよい。以下では、投影光学系PLの光軸AXに平
行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平
行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0025】このとき、レチクルRは、レチクルステー
ジ20上に吸着保持され、レチクルステージ20は、レ
チクルベース21上にX方向(走査方向)に等速移動で
きると共に、X方向、Y方向、回転方向に微動できるよ
うに載置されている。レチクルステージ20(レチクル
R)の2次元的な位置、及び回転角は、レーザ干渉計を
備えた不図示の駆動制御ユニットに制御されている。
【0026】一方、ウエハWはウエハホルダ22上に吸
着保持され、ウエハホルダ22はウエハステージ23上
に固定され、ウエハステージ23は定盤24上に載置さ
れている。ウエハステージ23は、オートフォーカス方
式でウエハWのフォーカス位置(Z方向の位置)、及び
傾斜角を制御してウエハWの表面を投影光学系PLの像
面に合わせ込むと共に、ウエハWのX方向への等速走
査、及びX方向、Y方向へのステッピングを行う。ウエ
ハステージ23(ウエハW)の2次元的な位置、及び回
転角も、レーザ干渉計を備えた不図示の駆動制御ユニッ
トに制御されている。走査露光時には、レチクルステー
ジ20を介して紫外パルス光ILの照明領域に対してレ
チクルRが+X方向(又は−X方向)に速度Vrで走査
されるのに同期して、ウエハステージ23を介して露光
領域に対してウエハWが−X方向(又は+X方向)に速
度β・Vr(βはレチクルRからウエハWへの投影倍
率)で走査される。
【0027】また、サブチャンバ6内と同様に本例の投
影光学系PLの鏡筒内部の空間(複数のレンズ素子間の
空間)の全体にも、階下のヘリウム循環装置より配管3
1の分岐管31b、及び開閉バルブV14を介して、所
定の濃度以上で温度制御されたヘリウムガスが供給され
ている。投影光学系PLの鏡筒から漏れ出るヘリウムも
上昇して、環境チャンバ7の天井付近の空間7aに溜ま
る。
【0028】更に、本例では、環境チャンバ7の内部に
階下の窒素循環装置(33〜40,82〜87,89な
ど)から、配管88を介して酸素の含有量を極めて低く
抑えると共に、温度、及び圧力が制御された窒素ガス
(N2)が供給されている。そして、環境チャンバ7内を
循環した窒素ガスは、例えば環境チャンバ7の底面側の
排気孔(不図示)、及びその環境チャンバ7の側面に接
続された配管95を介して配管33に回収され、回収さ
れた窒素ガスは後述のようにその窒素循環装置に戻され
ている。配管95の途中には開閉バルブV19が設けら
れている。
【0029】このように本例では、F2 レーザ光源3の
射出面から主コンデンサレンズ系19までの紫外パルス
光ILの光路、及び投影光学系PL内の紫外パルス光I
Lの光路に、190nm程度以下の光に対しても高い透
過率を有するヘリウムガスが供給されている。また、主
コンデンサレンズ系19から投影光学系PLの入射面ま
で、及び投影光学系PLの射出面からウエハWの表面ま
では、190nm程度以下の光に対してはあまり透過率
の良くない窒素ガスが供給されているが、その窒素ガス
内を通過する光路は極めて短いため、窒素ガスによる吸
収量も僅かである。なお、窒素ガスは通常の空気(主に
酸素)に比べて200nm〜150nm程度の波長の光
に対する透過率が高く、かつ窒素ガスは大気中に多く存
在してヘリウムガスに比べて安価であるため、特に短い
光路の部分に使用する際のコストパフォーマンスが優れ
ている。従って、F2 レーザ光源3から射出された紫外
パルス光ILは、全体として高い透過率(利用効率)で
ウエハWの表面に達するため、露光時間(走査露光時
間)を短縮でき、露光工程のスループットが向上する。
【0030】また、ヘリウムは窒素に比べて熱伝導率が
6倍程度良好であるため、F2 レーザ光源3内の光学素
子、照明光学系内の光学素子、及び投影光学系PLの光
学素子において紫外パルス光ILの照射によって蓄積さ
れた熱エネルギーは、ヘリウムガスを介して効率的にそ
れぞれケース1、サブチャンバ6のカバー、及び投影光
学系PLの鏡筒に伝導する。また、ケース1、サブチャ
ンバ6のカバー、及び投影光学系PLの鏡筒の熱エネル
ギーは、クリーンルーム内の温度制御された空気、又は
環境チャンバ7内の温度制御された窒素ガスによって階
下等の外部に効率的に廃熱される。従って、照明光学
系、及び投影光学系PLの光学素子の温度上昇が極めて
低く抑えられて、結像性能の劣化が最小限に抑制され
る。更に、ヘリウムは気圧変化に対する屈折率の変化量
が極めて少ないため、例えば投影光学系PL内での屈折
率変化量が極めて少なくなり、この面でも安定な結像性
能が維持される。
【0031】次に、本例のヘリウム循環装置につき詳細
に説明する。環境チャンバ7内で、サブチャンバ6から
漏れ出たヘリウム、及び投影光学系PLから漏れ出たヘ
リウムは、窒素に比べて軽いため上昇して天井近傍の空
間7aに溜まる。但し、空間7a内の気体は、ヘリウム
の他に窒素や、環境チャンバ7の外部から入り込む空気
が混じった混合気体である。
【0032】本例では、環境チャンバ7の外部からその
空間7aに配管33が接続され、配管33は、床F1に
設けられた開口を通過して階下のヘリウム循環装置に通
じている。更に、ケース1は配管92によって配管33
と接続されており、配管92の途中には開閉バルブV1
6が設けられている。また、照明光学系が収納されたサ
ブチャンバ6、及び投影光学系PL内でヘリウムが供給
される空間もそれぞれ配管93及び94によって配管3
3と接続され、配管93及び94の途中にはそれぞれ開
閉バルブV17及びV18が設けられている。従って、
図2の制御系45によって開閉バルブV16,V17,
V18をそれぞれ独立に開閉することで、ケース1、サ
ブチャンバ6、及び投影光学系PLの内の所望の少なく
とも1つから、有機物や塵埃などを含んだヘリウムガス
を回収することが可能となっている。
【0033】また、床F1の底面側の配管33の途中に
吸引用のポンプ(又はファン)34が配置されており、
配管33、及びポンプ34によってその空間7a、及び
ケース1の内部等から吸引された混合気体は、階下のヘ
リウム循環装置に向かう。そして、ポンプ34を通過し
た混合気体は集塵排水装置35に達し、ここで後の断熱
圧縮冷却の通路の目詰まり避けるために、微少な塵埃、
及び水分が除去される。即ち、集塵排水装置35には、
例えばHEPAフィルタ(high efficiency particulat
e air-filter)、又はULPAフィルタ(ultra low pe
netration air-filter)が備えられている。
【0034】更に、集塵排水装置35で塵埃や水分など
が除去された混合気体は配管36を通って不純物除去装
置80に達し、ここで混合気体に含まれる塵埃及び水分
以外の不純物(汚染物質)が除去される。ここで除去さ
れる不純物は、F2 レーザ光源3、照明光学系、及び投
影光学系PLの光学素子の表面に付着してその曇りの原
因となる物質、あるいは露光光の光路内に浮遊して照明
光学系や投影光学系PLの透過率(照度)若しくは照度
分布などを変動させる物質、又はウエハW(レジスト)
の表面に付着して現像処理後のパターン像を変形させる
物質などである。
【0035】本例の不純物除去装置80としては、活性
炭フィルタ(例えば、ニッタ株式会社製のギガソーブ
(商品名))、又はゼオライトフィルタ、あるいはこれ
らを組み合わせたフィルタが使用できる。これにより、
環境チャンバ7、照明光学系、及び投影光学系PLの内
部に存在するシロキサン(siloxane: Si−Oの鎖が軸
となる物質)又はシラザン(silazane: Si−Nの鎖が
軸となる物質)などのシリコン系有機物が除去される。
【0036】ここで、シロキサンの1つである、Si−
Oの鎖が軸となった「環状シロキサン」という物質が、
投影露光装置で用いられるシリコン系の接着剤、シーリ
ング剤、塗料等に含まれており、これが経年変化により
脱ガスとして発生する。環状シロキサンは、感光基板や
光学素子(レンズなど)の表面に付着し易く、更に紫外
光が当たると酸化されて、光学素子表面におけるSiO
2 系の曇り物質となる。
【0037】また、シラザンとしては、レジスト塗布工
程で前処理剤として用いられるヘキサ・メチル・ジ・シ
ラザン(hexamethyldisilazane: 以下「HMDS」とい
う)がある。HMDSは、水と反応してシラノール(si
lanol)という物質に変化(加水分解)する。シラノール
は、感光基板や光学素子などの表面に付着し易く、更に
紫外光が当たると酸化されて、光学素子表面におけるS
iO2 系の曇り物質となる。なお、シラザンは上記加水
分解でアンモニアを発生するが、このアンモニアがシロ
キサンと共存すると更に光学素子表面を曇り易くする。
【0038】ところで、照明光学系や投影光学系PLの
光学素子の表面などに付着した有機物(例えば炭化水素
(hydrocarbon))が光洗浄によって分解され、ヘリウム
ガスに混入するが、本例では不純物除去装置80によっ
てこの炭化水素も除去される。更に、前述のシリコン系
有機物だけでなく、環境チャンバ7内の配線やプラスチ
ックなどの脱ガスとして、可塑剤(フタル酸エステルな
ど)、難燃剤(燐酸、塩素系物質)なども発生するが、
本例ではこれら可塑剤や難燃剤なども不純物除去装置8
0で除去される。なお、クリーンルーム内に浮遊するア
ンモニウムイオンや硫酸イオンなどが環境チャンバ7内
に進入しても、これらのイオンも不純物除去装置80で
除去される。また、本例では集塵排水装置35よりも下
流側に不純物除去装置80を設けたが、これを集塵排水
装置35よりも上流側に設けてもよいし、あるいは集塵
排水装置35内のHEPAフィルタ、又はULPAフィ
ルタと不純物除去装置80内の活性炭フィルタなどとを
一体的に構成してもよい。
【0039】さて、不純物除去装置80を通過した混合
気体は、配管36を経て冷凍装置37に達し、ここで断
熱圧縮冷却によって液体窒素温度まで冷却される。これ
によって、窒素及び空気の成分は液化するため、液化し
た窒素を含む空気の成分と気体のままのヘリウムとを容
易に分離できる。冷凍装置37内で液化した主に窒素
(N2)よりなる空気の成分は、配管38及びこの途中に
配置された吸引用のポンプ39を介して図2のボンベ4
0に回収される。ボンベ40内で気化した窒素等の空気
の成分は、例えば再利用(リサイクル)することができ
る。一方、図1の冷凍装置37内で気体のまま存在する
ヘリウムは、配管41及びこの途中に配置された吸引用
のポンプ(又はファン)42を介して、図2の混合温調
装置43の第1の流入口に向かう。
【0040】図2において、混合温調装置43の第2の
流入口には、高純度のヘリウムガスが高圧で封入された
ボンベ46から、配管47及び開閉バルブ48を介して
高純度のヘリウムガスが供給されている。なお、ボンベ
46内に液化したヘリウムを収納しておいてもよい。更
に、図1の冷凍装置37を介して回収されたヘリウムが
通過する配管41内の、混合温調装置43に対する流入
口の近傍にヘリウムの濃度(又は純度)を計測するため
のヘリウム濃度計44が設置され、この測定データがコ
ンピュータよりなる制御系45に供給されている。制御
系45は、ヘリウム濃度計44で測定される回収された
ヘリウムの濃度が所定の許容値に達しないときに、開閉
バルブ48を開放して、ボンベ46から混合温調装置4
3内に高純度のヘリウムを加える。そして、ヘリウム濃
度計44で測定されるヘリウム濃度がその許容値以上で
あるときには、制御系45は開閉バルブ48を閉じる。
また、露光動作が行われない期間でも、開閉バルブ48
は閉じられている。なお、ヘリウム濃度計の代わりに酸
素濃度を検出するセンサを用いるようにし、酸素濃度が
その許容値以下であるときには開閉バルブ48を閉じて
おくように制御してもよい。
【0041】更に、混合温調装置43は、回収されたヘ
リウム、及びボンベ46からのヘリウムを所定の気圧範
囲内で混合してから所定の温度及び湿度に制御し、温
度、圧力、及び湿度が制御されたヘリウムを配管31に
供給する。集塵排水装置35から混合温調装置43まで
が本例のヘリウム循環装置を構成している。また、配管
31は、上階の床F1に設けられた開口を通過して上階
のクリーンルーム内に達していると共に、配管31の途
中で、かつ床F1の底面側に送風用のポンプ(又はファ
ン)32が設置され、床F1の上面側に開閉バルブV1
1が設置されている。そして、混合温調装置43によっ
て所定の気圧の範囲内で、所定の濃度以上であると共
に、所定の温度、圧力、及び湿度に制御されたヘリウム
ガスは、配管31に供給された後、ポンプ32によって
送風されながら配管31の分岐管31a,31b及び3
1cを介して、図1の床F1上の投影露光装置のサブチ
ャンバ6内、投影光学系PL内、及びケース1内にそれ
ぞれ供給されている。
【0042】また、図2において、配管31内の開閉バ
ルブV11よりも上流側(ポンプ32側)に、ヘリウム
ガスに混入している不純物(前述のシリコン系有機物な
どを含む)の濃度を検出する不純物濃度計90が配置さ
れており、その測定値に基づいて制御系45が開閉バル
ブV11の開閉、即ちヘリウムの供給、及びその停止を
制御している。この不純物濃度計90で計測される不純
物の濃度が所定の許容値以上となったときは、開閉バル
ブV11を閉じて投影露光装置へのヘリウムの供給を停
止し、例えば図1の不純物除去装置80のフィルタ交換
を行う。あるいは回収したヘリウムを不純物と共にその
ヘリウム循環装置外に放出する。しかる後、開閉バルブ
V11を開けてヘリウムの供給を再開すると共に、図1
の開閉バルブV12〜V18も開けてヘリウムを循環さ
せる。そして、一例として不純物の濃度が許容値よりも
低いことが確認された時点で開閉バルブV16〜V18
を閉じる。更に、ケース1、サブチャンバ6、及び投影
光学系PL内でのヘリウムの濃度がそれぞれ所定値に達
した時点で開閉バルブV12〜V15を順次閉じてい
く。
【0043】そして、図1のウエハステージ23に設け
られた光検出器(不図示)を用いて、投影光学系PLの
露光光(紫外パルス光IL)に対する透過率(又はウエ
ハW上での照度)、更にはレチクルR又はウエハW上で
の照度分布を検出し、これらの検出結果に基づいてウエ
ハWへの露光を開始する。なお、前述のフィルタ交換、
又は回収したヘリウムの放出の代わりに、回収したヘリ
ウムを保存するためのボンベ(後述の図3中のボンベ5
0に相当する)を別のボンベと交換し、別の再生工場な
どでその純度を高めるようにし、環境チャンバ7にはボ
ンベ46内の高純度のヘリウムを供給するようにしても
よい。また、不純物濃度計90は配管31の内部以外の
位置に配置してもよく、例えば配管41内、又は配管3
6内で不純物除去装置80よりも下流側に配置してもよ
い。
【0044】更に、本例の投影露光装置の稼働の立ち上
げ時、若しくは長時間停止後の再稼働時、あるいは照明
光学系、及び投影光学系PLの光洗浄開始時、若しくは
その終了後などでは、図2の制御系45によって配管3
1の開閉バルブV11を閉じ、かつ図1の配管92〜9
4の開閉バルブV16〜V18を開けた状態で、ポンプ
34によってケース1、サブチャンバ6、及び投影光学
系PL内の気体(ヘリウムなど)を吸引するものとす
る。このとき、環境チャンバ7の上部空間7a内の混合
気体が配管33に流入しないように、配管33の流入口
付近に設けられる開閉バルブ(不図示)を閉じておくこ
とが望ましい。しかる後、開閉バルブV16〜V18を
閉じると共に、開閉バルブV11を開けてケース1、サ
ブチャンバ6、及び投影光学系PLにそれぞれヘリウム
を供給し、その内部でのヘリウム濃度が所定値に達した
ものから順に対応する開閉バルブV12〜V15を閉じ
ていき、開閉バルブV12〜V15が全て閉じられた後
でバルブV11を閉じる。これにより、ウエハWの露光
動作、又はその準備動作などの開始が可能となる。
【0045】図示していないが、ケース1、サブチャン
バ6、及び投影光学系PLの内部にはそれぞれヘリウム
濃度計又は酸素濃度計が設けられており、制御系45は
この濃度計の出力に基づいて開閉バルブV12〜V15
の開閉を制御する。このとき、ケース1、サブチャンバ
6、及び投影光学系PLでそれぞれヘリウムの濃度がそ
の許容値に達する、あるいは酸素濃度がその許容値以下
となるまでF2 レーザ光源3の発振、即ちウエハWの露
光が禁止されるようになっている。なお、環境チャンバ
7内、特に照明光学系(コンデンサーレンズ19)と投
影光学系PLとの間、及び投影光学系PLとウエハWと
の間にそれぞれ窒素濃度計又は酸素濃度計を配置し、更
にこの濃度計の出力を併用して前述と同様にF2 レーザ
光源3の発振を制御してもよい。
【0046】また、投影露光装置の稼働中にケース1、
サブチャンバ6、及び投影光学系PLの少なくとも1
つ、例えば投影光学系PLの内部でのヘリウム濃度が所
定値よりも低くなったときは、開閉バルブV11,V1
4を開けてヘリウムを供給する。このとき、投影光学系
PL内、特に光学素子間での圧力を変化させないよう
に、混合温調装置43やポンプ32などによってその供
給するヘリウムガスの流量や圧力などを調整しておく。
これは、圧力変化による投影光学系PLの結像特性の変
化、及びレチクルR又はウエハW上での照度、又はその
分布の変化を防止するためである。図示していないが、
照明光学系(サブチャンバ6)及び投影光学系PLの内
部にはそれぞれ圧力センサが設けられており、制御系4
5はこれらの圧力センサの測定値に基づいてヘリウムガ
スの流量や圧力などを制御する。なお、照明光学系、及
び投影光学系PLの内部にそれぞれ温度センサ、及び湿
度センサを更に配置し、それらのセンサの測定値も利用
してヘリウムガスの温度や湿度をより正確に制御するよ
うにしてもよい。
【0047】このように本例では、投影露光装置の露光
光(紫外パルス光IL)の光路の大部分を流れるように
供給されたヘリウムガスの大部分は、環境チャンバ7の
上部空間7aを介して、あるいはケース1、サブチャン
バ6、及び投影光学系PLから直接、配管33を通って
階下のヘリウム循環装置に回収されているため、高価な
ヘリウムの使用量を減らすことができる。従って、露光
光に対する透過率を高め、光学素子の冷却効率を高めた
上で、投影露光装置の運転コストを低減することができ
る。
【0048】なお、上記の実施の形態において、図1の
冷凍装置37と混合温調装置43との間に、回収したヘ
リウムを保存するためのボンベ(例えば後述する図3中
のボンベ50に相当するもの)を更に設けてもよい。こ
の場合、大量に保存できるようにするために、コンプレ
ッサによってヘリウムを100〜200気圧程度に圧縮
してそのボンベに収納することが望ましい。これによっ
て体積はほぼ1/100〜1/200に減少する。更
に、タービン等を用いた液化機によってヘリウムを液化
して蓄積してもよい。液化によってヘリウムの体積はほ
ぼ1/700に減少できる。このように高圧縮、又は液
化したヘリウムを再利用する際に、例えば1気圧程度の
状態に戻したときには、膨張によって温度が下がるた
め、ヒータ等での加熱温度管理が必要となる。また、圧
力を一定にするためのバッファ空間を設けることが望ま
しい。更に、混合温調装置43の上流側(ポンプ42
側)に開閉バルブを設け、回収したヘリウムを保存する
ボンベから取り込むヘリウムの量を調整したり、あるい
はその流路(配管41)の開閉を制御するようにしても
よい。この開閉バルブと配管47の開閉バルブ48とを
併用することで、配管31に送るヘリウムの濃度調整を
より一層容易に行うことができる。
【0049】なお、上記の実施の形態では、ヘリウムガ
スは露光光の光路の大部分を流通するように供給されて
いるが、更にその光路の全部を覆うと共に、かつレチク
ルステージ20やウエハステージ23の冷却効率も高め
るために、環境チャンバ7内の全体にヘリウムガスを供
給するようにしてもよい。この場合でも、大部分のヘリ
ウムは回収されるため、運転コストの上昇は僅かであ
る。
【0050】また、上記の実施の形態では、混合温調装
置43によって回収されたヘリウムと高純度のヘリウム
とを混合しているが、回収されたヘリウムの濃度(純
度)が低いような場合には、単に混合しても急速には投
影露光装置側に供給されるヘリウムの濃度を許容範囲ま
で高められない恐れがある。このような場合には、回収
されたヘリウムは別のボンベに蓄えて、別の再生工場等
で純度を高めるようにして、投影露光装置にはボンベ4
6内の高純度のヘリウムを供給するようにしてもよい。
【0051】なお、図1の投影露光装置では開閉バルブ
V11〜V18を用いて、ケース1、サブチャンバ6、
及び投影光学系PL内にそれぞれヘリウムを充填(封
入)しておくものとしたが、本例ではヘリウム循環装置
を備えているので、例えば開閉バルブV16〜V18を
閉じた状態で、ケース1、サブチャンバ6、及び投影光
学系PLからそれぞれ漏れ出すヘリウムを補充するよう
に、ヘリウムの流量を調整しながら常時供給するように
してもよい。あるいは、開閉バルブV11〜V18を開
いたまま所定流量でヘリウムを常時供給するようにして
もよい。後者の方法では、特に開閉バルブV11〜V1
8を設けなくてもよい。このとき、照明光学系、及び投
影光学系PLの内部にそれぞれ設けられる圧力センサ
(不図示)の測定値に基づいて、その内部での圧力がほ
ぼ一定値に維持されるように、その供給するヘリウムの
流量や圧力などを制御すればよい。
【0052】ここで、前述のようにヘリウムを常時供給
する場合、不純物濃度計90で計測される不純物の濃度
が所定の許容値に達した時点で開閉バルブV11を閉じ
るようにしているが、このとき投影露光装置全体の動作
を統轄制御する主制御系(不図示)は露光装置本体での
動作を確認し、例えばウエハの露光処理の途中であると
きには、制御系45に対してその露光処理が終了するま
で開閉バルブV11を閉じる動作(閉成)を待つように
指令を送るようにする。又は、その主制御系は、不純物
の濃度が許容値に達する直前では、次のウエハの露光処
理を開始させることなく開閉バルブV11を閉じさせ
て、前述のように不純物濃度を所定値以下に下げる動作
を開始させるようにしてもよい。
【0053】また、本例では前述の不純物の混入を考慮
して、ケース1、サブチャンバ6、及び投影光学系PL
内のヘリウムを交換する、あるいはヘリウムを循環させ
るために、ケース1、サブチャンバ6、及び投影光学系
PLの各々と配管33とを配管92〜94で接続した。
しかしながら、回収したヘリウムを精度良く浄化(純
化)でき、不純物の混入が無視できる程度であり、照明
光学系や投影光学系PLの内部で不純物がほぼ発生しな
い状態であれば、その配管92〜94(及び開閉バルブ
V16〜V18)は設けなくともよい。このとき、更に
開閉バルブV11〜V15を設けなくともよい。この場
合、ケース1、サブチャンバ6、及び投影光学系PLか
らそれぞれヘリウムが漏れ出すので、それを補充する、
即ちヘリウム濃度が許容値以上に維持されるように、ヘ
リウムを常時若しくは随時(又は定期的に)供給すれば
よい。
【0054】更に、本例では図1のF2 レーザ光源3と
BMU4とをケース1内に収納するものとしたが、F2
レーザ光源3とは別にBMU4などを筐体に収納し、F
2 レーザ光源3とその筐体とにそれぞれヘリウムを供給
するようにしてもよい。このとき、F2 レーザ光源3と
その筐体とを機械的に接続し、両者の仕切板としてF 2
レーザが透過するガラスプレートを設ければよい。この
とき、F2 レーザ光源3の全体を筐体内に収納してもよ
いし、あるいは光源3内に設けられるリアミラー、フロ
ントミラー、及び波長選択素子(プリズム、又はグレー
ティング等を含む)等の光学素子とレーザガスチューブ
とを筐体内に配置するだけでもよい。
【0055】次に、本例の窒素循環装置につき詳細に説
明する。本例では、図2の配管88を介して図1の環境
チャンバ7内に窒素ガス(N2)を供給すると共に、配管
95,33を介してその環境チャンバ7から窒素を回収
している、即ち環境チャンバ7内で窒素を循環させてい
る。さて、図1の冷凍装置37でヘリウムなどと分離さ
れた窒素は、ポンプ39によって吸引されて配管38を
通って図2のボンベ40に回収される。更に、ボンベ4
0内の窒素は、ポンプ83によって吸引されて配管81
を通って温調装置86に送られる。配管81の途中には
開閉バルブV21が設けられると共に、温調装置86に
送られる窒素の濃度を計測する窒素濃度計(又は酸素濃
度計)82が設置されており、この濃度計の測定値が制
御系45に供給されている。制御系45は、濃度計82
で計測される窒素濃度が所定値に達していないときに、
窒素ボンベ84と温調装置86とを接続する配管85の
開閉バルブV22を開放して、ボンベ84から温調装置
86に高純度の窒素を供給する。一方、窒素濃度がその
所定値以上であるときには、制御系45は開閉バルブV
22を閉じておく。なお、濃度計82で計測される窒素
濃度が極端に低いときは、開閉バルブV21を閉じて窒
素ボンベ84からの窒素のみを温調装置86に送るよう
にしてもよい。そして、濃度計82で計測される窒素濃
度が許容値(前述の所定値よりも小さい値)に達した時
点で、開閉バルブV21を開放すればよい。
【0056】更に温調装置86は、回収、浄化された窒
素と窒素ボンベ84からの窒素とを混合して所定の温
度、圧力、湿度に制御し、この温度、圧力、及び湿度が
制御された窒素ガスを床F1を貫通する配管88に供給
する。配管88の途中で、床F1の底面側に送風用のポ
ンプ(又はファン)87が設けられており、このポンプ
87によって窒素が図1の配管88の分岐管88a,8
8bを通って環境チャンバ7内に供給される。分岐管8
8aは、投影光学系PLとウエハWとの間の露光光の光
路に向けて窒素ガスを吹き出し、分岐管88bはサブチ
ャンバ6と投影光学系PLとの間の露光光の光路(レチ
クルRの上下の空間)に向けて窒素ガスを吹き出してい
る。
【0057】また、配管88には床F1の上面側に開閉
バルブV23が設置され、開閉バルブV23よりも上流
側(ポンプ87側)の配管88内に、窒素に混入してい
る不純物(前述のシリコン系有機物などを含む)の濃度
を検出する不純物濃度計89が配置されている。この不
純物濃度計89で計測される不純物濃度が所定の許容値
以上となったときは、制御系45は、開閉バルブV23
を閉じて投影露光装置への窒素の供給を停止し、例えば
不純物除去装置80のフィルタ交換を行う。あるいは、
回収した窒素を不純物と共にその窒素循環装置外に放出
する。しかる後、開閉バルブV23(及び開閉バルブV
24,V25)を開けて窒素の供給を再開すると共に、
図1の配管95の開閉バルブV19も開けて窒素を循環
させる。そして、不純物濃度が許容値よりも低いことが
確認された時点で、開閉バルブV19を閉じる。更に、
環境チャンバ7内での窒素濃度が所定値に達した時点で
開閉バルブV24,V25を順次閉じていく。そして、
ウエハステージ23に設けられた光検出器(不図示)を
用いて、投影光学系PLの透過率(又はウエハW上での
照度)、更にはレチクルR又はウエハW上での照度分布
を検出し、これらの検出結果に基づいてウエハWへの露
光を開始する。
【0058】なお、上記の実施の形態において、環境チ
ャンバ7内での窒素濃度が所定値に達した時点で窒素の
供給を停止し、配管88(又はその分岐管88a,88
b)、及び配管95をそれぞれ開閉バルブV23(又は
開閉V24,V25)、及び開閉バルブV19で閉じる
と共に、環境チャンバ7内での窒素濃度が所定値よりも
低くなったときに、開閉バルブV23(及び開閉バルブ
V24,V25)を開けて窒素を供給するようにしても
よい。
【0059】また、前述のフィルタ交換、又は回収した
窒素の放出の代わりに、回収した窒素を保存するボンベ
40を別のボンベと交換し、別の再生工場などでその純
度を高めるようにし、環境チャンバ7には窒素ボンベ8
4内の高純度の窒素を供給するようにしてもよい。ま
た、不純物濃度計89は配管88の内部以外の位置に配
置してもよく、例えば配管81内、又は配管36内で不
純物除去装置80よりも下流側に配置してもよい。特に
後者の配置では、前述の不純物濃度計90を設ける必要
がなくなる、即ちヘリウム供給装置と窒素供給装置とで
1つの不純物濃度計を兼用することが可能となる。
【0060】更に、図示していないが、環境チャンバ7
内には窒素濃度計又は酸素濃度計が設けられており、環
境チャンバ7内での窒素濃度が所定の許容値を下回らな
いように、制御系45はその濃度計の出力に基づいて開
閉バルブV23〜V25の開閉を制御する。また、環境
チャンバ7内には温度センサ、圧力センサ、及び湿度セ
ンサ(不図示)も配置されており、環境チャンバ7内で
の温度、圧力、及び湿度がそれぞれ所定値にほぼ維持さ
れるように、制御系45はそれらセンサの測定値に基づ
いて、温調装置86やポンプ87などによってその供給
する窒素の流量、温度、圧力、及び湿度などを調整す
る。
【0061】ところで、本例では図1において、配管8
8の第1の分岐管88aの排出口を投影光学系PLとウ
エハWとの間の近傍に設置し、投影光学系PLとウエハ
Wとの間を窒素が流れるようにしている。一方、配管8
8の第2の分岐管88bは更に2つに分岐され、一方の
排出口はコンデンサレンズ19とレチクルRとの間の近
傍に設置され、他方の排出口はレチクルRと投影光学系
PLとの間に設置されている。そこで、分岐管88a,
88bからそれぞれ窒素が常時噴き出されるように、開
閉バルブV19の開閉を制御して環境チャンバ7内で窒
素を循環させるとよい。この場合、照明光学系(コンデ
ンサレンズ19)と投影光学系PLとの間、及び投影光
学系PLとウエハWとの間に純度の高い窒素を優先的に
供給することができるので、レチクルR又はウエハWの
交換時などに環境チャンバ7の開閉によってその内部の
窒素濃度が低下しても、その交換動作終了後直ぐに露光
動作又は準備動作を開始することができ、スループット
の低下を最小限に抑えることが可能となる。また、分岐
管88a,88bを設けずに配管88を環境チャンバ7
に接続しただけで窒素を循環させる場合に比べて窒素の
供給量を少なくすることができる。更に、露光光の照射
時にウエハW(レジスト表面)から発生する飛散粒子
(汚染物質)が投影光学系PL(最もウエハ側の光学素
子の表面)に付着することを大幅に低減することもでき
る。なお、環境チャンバ7内で窒素を循環させる場合、
その汚染物質が窒素と共にその外部に排出され、環境チ
ャンバ7内でのクリーン度を高めることができる。
【0062】なお、本例では環境チャンバ7内を窒素雰
囲気としたが、例えば不純物が除去された空気を環境チ
ャンバ7に供給し、前述のように照明光学系と投影光学
系PLとの間、及び投影光学系PLとウエハWとの間に
窒素を供給してその両空間を窒素雰囲気とするだけでも
よい。このとき、窒素の代わりにヘリウムを供給するよ
うにしてもよく、この場合は窒素循環装置を設ける必要
がなくなり、例えば配管31と分岐管88a,88bと
を接続して、上記両空間にそれぞれヘリウムを供給すれ
ばよい。また、環境チャンバ7に供給する空気として、
前述の有機物などが除去された化学的にクリーンなドラ
イエア(例えば湿度が5%程度以下)を用いてもよい。
なお、この構成はArFエキシマレーザを露光用光源と
して用いる投影露光装置に対して特に有効であり、この
場合はケース1、サブチャンバ6、及び投影光学系PL
にそれぞれ窒素を供給するようにしてもよいし、あるい
はケース1、及びサブチャンバ6には窒素を供給し、投
影光学系PLにはヘリウムを供給するようにしてもよ
い。
【0063】また、本例では環境チャンバ7内に窒素
(又はヘリウム)などを供給するものとしたが、露光用
照明光の波長域によっては環境チャンバ7内に化学的に
クリーンで、かつ温度制御された空気(前述のドライエ
ア)を供給するだけでもよい。例えば、露光波長が19
0nm程度以上であれば、環境チャンバ7内を空気雰囲
気としてもよい。この場合、ケース1、サブチャンバ
6、及び投影光学系PLにそれぞれ供給されるヘリウ
ム、又は窒素などを回収する循環装置と同様に、環境チ
ャンバ8に供給されるドライエアを回収するドライエア
循環装置を設けてもよく、例えば配管33を介さずに配
管95のみによって環境チャンバ7とそのドライエア循
環装置とを接続してもよい。
【0064】更に、前述したヘリウム循環装置と同様
に、回収した窒素をコンプレッサによって100〜20
0気圧程度に圧縮するか、あるいはタービンなどを用い
た液化機によって液化してボンベ40に保存するように
してもよい。なお、分岐管88a,88bにそれぞれ設
けた開閉バルブV24,V25は、照明光学系と投影光
学系PLとの間、及び投影光学系PLとウエハWとの間
の一方のみに窒素を供給可能とするものであり、両空間
に窒素を同時に供給する場合には開閉バルブV24,V
25を設けなくてもよい。
【0065】また、本例では照明光学系と投影光学系P
Lとの間、及び投影光学系PLとウエハWとの間にそれ
ぞれ窒素を流すようにしたが、分岐管88a,88bを
設けず、単に環境チャンバ7に配管88を接続して、環
境チャンバ7内での窒素濃度が所定値以上となった時点
で開閉バルブV23を閉じるようにしてもよい。また、
分岐管88a,88bの有無にかかわらず、開閉バルブ
V23,V19を開けたまま所定流量で窒素を供給して
環境チャンバ7内で窒素を循環させるようにしてもよ
い。この場合、特に開閉バルブV23,V19を設けな
くてもよい。
【0066】更に、本例では照明光学系の大部分をサブ
チャンバ6に収納し、サブチャンバ6の一部を環境チャ
ンバ7内に設置したが、例えばサブチャンバ6の全てを
環境チャンバ7内に設置してもよい。この場合、サブチ
ャンバ6から漏れ出すヘリウムの回収率を向上させるこ
とができる。また、環境チャンバ7外に設置されるサブ
チャンバ6の一部から漏れ出すヘリウムをも回収するた
めに、環境チャンバ7外のサブチャンバ6を所定の筐体
で覆い、その筐体上部に配管33の別の流入口を接続し
てもよい。
【0067】また、本例ではケース1、サブチャンバ
6、及び投影光学系PLにそれぞれ単一の気体(窒素、
又はヘリウム)を供給するものとしたが、例えば窒素と
ヘリウムとを所定比で混合した気体を供給するようにし
てもよい。この場合、ヘリウム循環装置の配管31に対
してその開閉バルブV11よりも下流側で窒素循環装置
の配管88を接続すればよい。なお、混合気体は窒素と
ヘリウムとの組み合わせに限られるものではなく、ネオ
ン、水素などと組み合わせてもよい。また、環境チャン
バ7に供給する気体も前述の混合気体であってもよい。
【0068】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
3を参照して説明する。本例は複数台の投影露光装置か
らのヘリウムを1台のヘリウム回収装置で回収するもの
であり、図3において、図1、図2に対応する部分には
同一符号を付してその詳細説明を省略する。なお、図
1、図2中に示したケース1、サブチャンバ6、及び投
影光学系PLの各々と配管33とを接続する配管92〜
94、及び環境チャンバ7と配管33とを接続する配管
95は図示省略している。
【0069】図3は、本例の複数台の投影露光装置、及
び1台のヘリウム回収装置を示す断面図であり、この図
3において、床F1上に複数個の環境チャンバ7A,7
B,7Cが設置され、各環境チャンバ7A,7B,7C
内にそれぞれ図1の露光本体部26と同様の露光本体部
が設置され、かつ不図示の露光光源が近接して配置され
ている。そして、環境チャンバ7A,7B,7C内にそ
れぞれ階下の不図示のヘリウム供給装置から所定の純度
以上のヘリウムガスが供給されている。そして、環境チ
ャンバ7A,7B,7C内に供給されて内部の天井近傍
の空間に上昇したヘリウム、窒素、及び空気の混合気体
は、それぞれ配管33A,33B,33Cを介して共通
配管49に導かれている。共通配管49は、床F1の開
口を通過して階下の床F2上のヘリウム回収装置に通じ
ている。共通配管49の床F1の底面側には吸引用のポ
ンプ34が設置されている。
【0070】階下のヘリウム回収装置において、共通配
管49及び吸引用のポンプ34を介して回収されたヘリ
ウム、窒素、及び空気の混合気体は、集塵排水装置3
5、不純物除去装置80、配管36を経て冷凍装置37
に達し、冷凍装置37で液化された窒素はボンベ40に
回収される。そして、冷凍装置37で液化されなかった
ヘリウムは、配管41及び吸引用のポンプ42によって
ヘリウムを蓄積するためのボンベ50に例えば高圧で圧
縮されて回収される。回収されたヘリウムは、ボンベ5
0に設けられた配管51を介して、純度を高めるための
再生工場、又は図1中に示したヘリウム供給装置に供給
される。
【0071】ところで、前述の第1実施の形態(図1、
図2)で説明したように、図3中のヘリウム回収装置
(33A〜33C,34〜42,49,50)は窒素回
収装置を兼ねている。そこで、複数台の投影露光装置と
1台の窒素供給装置(図2中の配管81〜配管88まで
の部材)とを接続し、この窒素供給装置によってボンベ
40に保存された窒素を複数台の投影露光装置にそれぞ
れ供給するようにしてもよい。これにより、複数台の投
影露光装置で1台の窒素循環装置を兼用することが可能
となる。
【0072】このように本例では、複数台の露光装置に
対して1台のヘリウム回収装置、及び窒素循環装置で対
応しているため、回収コストが低減されている。次に、
図4を参照して図1及び図2の第1の実施の形態の投影
露光装置の変形例につき説明する。本例は、環境チャン
バ7内に配置されるレチクルステージ20とウエハステ
ージ23とをそれぞれサブチャンバCH1,CH2内に
収納したものであり、図4において、図1に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0073】図4において、サブチャンバCH1は照明
光学系(コンデンサレンズ19)と投影光学系PLとの
間の光路が空気に曝されないように、その間の空間を密
閉して窒素雰囲気とするものであり、配管88の分岐管
88b、及び配管33に接続される配管96が接続さ
れ、配管96には開閉バルブV20が設けられている。
図4では、サブチャンバCH1は投影光学系PLと接続
されているが、実際にはサブチャンバCH1の振動が投
影光学系PLに伝わらない構造となっている。なお、サ
ブチャンバCH1はサブチャンバ6と一体的に構成して
もよく、更にはサブチャンバCH1を投影光学系PLが
固定される架台とは別の架台を介して床F1上に固定し
てもよい。
【0074】一方、サブチャンバCH2は床F1(正確
には露光装置本体が配置されるベースプレート)上に固
定されると共に、投影光学系PL(最もウエハ側の光学
素子)とウエハWとの間の光路が空気に曝されないよう
に、その間の空間を密閉して窒素雰囲気とするものであ
り、配管88の分岐管88a、及び配管95が接続され
ている。また、サブチャンバCH1と同様にサブチャン
バCH2もその振動が投影光学系PLに伝わらない構造
となっている。
【0075】なお、サブチャンバCH1,CH2ではそ
の内部の窒素濃度が所定値以上となった時点でその前後
の開閉バルブ(開閉バルブV25とV20、又は開閉バ
ルブV24とV19)を閉じるようにしてもよいし、あ
るいはそれらの開閉バルブを開けたまま所定流量で窒素
を循環させるようにしてもよい。また、サブチャンバC
H1,CH2にそれぞれ配管31の分岐管を接続して、
窒素の代わりにヘリウムを供給するようにしてもよい。
【0076】図示していないが、ウエハステージ23の
位置情報を検出するレーザ干渉計、ウエハW上のアライ
メントマーク等を検出するオフ・アクシス方式のアライ
メント光学系、及びウエハWの表面位置を検出する斜入
射光方式の位置検出光学系の少なくとも一部はサブチャ
ンバCH2内に配置されている。なお、アライメント光
学系や位置検出光学系の光源、及びディテクタ等はサブ
チャンバCH2の外に配置することが好ましい。また、
レチクルステージ20、及びウエハステージ23の位置
制御に用いるレーザ干渉計(不図示)もそれぞれサブチ
ャンバCH1,CH2内に配置されている。
【0077】更に、本例では循環チャンバ7は空調機
(不図示)と接続されており、サブチャンバ6,CH
1,CH2以外の空間で、前述の不純物(有機物等)が
除去され、かつ温度、圧力、及び湿度が制御された空気
が循環され、環境チャンバ7内の環境(温度等)がほぼ
一定に維持されるようになっている。なお、環境チャン
バ7内の空気がサブチャンバCH1,CH2に混入しな
いように、サブチャンバCH1,CH2内の圧力を環境
チャンバ7内の圧力よりも高く設定しておくことが望ま
しい。
【0078】このように本例では、照明光学系と投影光
学系PLとの間、及び投影光学系PLとウエハWとの間
での露光光(紫外パルス光IL)の減衰を防止すること
ができると共に、環境チャンバ7の内部全体を窒素雰囲
気にする場合に比べて窒素の供給量(使用量)が少なく
て済み、かつ露光光の照射によってレジスト表面から発
生する汚染物質を効率よくサブチャンバCH2の外に排
出することができる。なお、本例はサブチャンバCH
1,CH2、及び上記空調機以外の構成は図1と同一で
あり、第1及び第2の実施の形態で説明した変形例もそ
のまま適用することができる。例えば、サブチャンバC
H2内で分岐管88aを延長して、図1と同様に投影光
学系PLとウエハWとの間に窒素を噴き付ける(流す)
ようにしてもよく、これによって投影光学系PLへの汚
染物質の付着量が低減でき、かつ汚染物質の回収(排
出)を効率よく行うことができる。
【0079】なお、本例ではサブチャンバCH1,CH
2にそれぞれ窒素、又はヘリウムを供給するものとした
が、これら以外の不活性ガス(ネオン、水素等)、又は
これらを組み合わせた混合気体を供給してもよいし、あ
るいは露光光の波長によっては(例えば波長が190n
m程度以上の場合には)前述した化学的にクリーンなド
ライエアを供給するようにしてもよい。また、サブチャ
ンバCH1,CH2にそれぞれ窒素等を供給する代わり
に、その内部を真空としてもよい。
【0080】さて、図1〜図4に示した投影露光装置で
はアライメント光学系や斜入射光方式の焦点検出光学系
等を図示していないが、照明光学系の大部分を収納する
サブチャンバ6と同様に、アライメント光学系、又は焦
点検出光学系の少なくとも一部を対応する筐体内に収納
し、その筐体内に窒素、又はヘリウム等を供給するよう
に構成してもよい。この場合、その筐体に配管31又は
配管88の分岐管を接続すればよく、更に必要ならばそ
の筐体と配管33とを接続してもよい。
【0081】また、レチクルステージ20にレチクルR
を搬送するレチクルローダ、及びウエハステージ23に
ウエハWを搬送するウエハローダも図示されていない
が、レチクルローダ及びウエハローダはそれぞれ独立に
サブチャンバに収納され、それらサブチャンバは環境チ
ャンバ7(図4の例ではサブチャンバCH1,CH2)
に接続されている。この場合、レチクルローダ、又はウ
エハローダが配置されるサブチャンバ内に窒素、又はド
ライエア等を供給するように、例えば配管88の分岐管
をそのサブチャンバに接続してもよいし、あるいはその
チャンバ内には前述の不純物が除去され、温度等が制御
された空気を供給するだけでもよい。前者では、更にサ
ブチャンバと配管33とを接続して窒素を循環させるよ
うに構成してもよく、後者では特に環境チャンバ7(サ
ブチャンバCH1,CH2)に窒素、ヘリウム、又はド
ライエア等が供給されているときは、レチクルローダ、
又はウエハローダが配置されるサブチャンバ内の空気が
流入しないように、その内部圧力よりも環境チャンバ7
(又はサブチャンバCH1,CH2)内の圧力を高く設
定しておくとよい。
【0082】更に、前述の実施の形態では環境チャンバ
7、又はサブチャンバCH1,CH2に窒素、又はヘリ
ウムを供給するものとしたので、その内部に設置される
酸素濃度計の測定値が所定値(例えば空気中の酸素濃度
と同程度)を下回っているときは、オペレータが環境チ
ャンバ7、又はサブチャンバCH1,CH2を開放でき
ないようにその扉がロックされるようになっている。ま
た、電源の供給が停止されたときなどは、窒素又はヘリ
ウムの供給が自動的に停止され、かつ配管95等とは別
に環境チャンバ7、又はサブチャンバCH1,CH2に
接続される排気ダクトの開閉バルブ(ノーマル・クロー
ズ・バルブ)が開放されて、その内部の窒素又はヘリウ
ムの濃度を下げるようになっている。更に、オペレータ
が環境チャンバ7、又はサブチャンバCH1,CH2を
開けるときは、窒素又はヘリウムの供給が停止されると
共に、その内部に酸素が供給されるように酸素ボンベが
接続されている。
【0083】これにより、酸素濃度が前述の所定値に達
するまでの時間を短縮することができる。ここで、前述
した不活性ガス(窒素又はヘリウム等)の供給停止は、
環境チャンバ7、サブチャンバ6,CH1,CH2、及
びケース1の開放時、即ち露光装置(例えばF2 レーザ
光源3、照明光学系、投影光学系PL、レチクルステー
ジ20、及びウエハステージ23等)のメンテナンス
時、ウエハカセット又はレチクルケースの交換時、及び
露光装置への電源供給の停止時等に行われる。このと
き、不活性ガスの供給停止と同時に、ケース1、サブチ
ャンバ6、及び投影光学系PLにそれぞれ前述した化学
的にクリーンなドライエアを供給するようにして、不活
性ガスの供給停止に伴う光学素子表面での曇りの発生を
防止することが望ましい。
【0084】なお、配管95等とは別に環境チャンバ7
に接続する前述の排気ダクトは、環境チャンバ7内の酸
素濃度を早急に前述の所定値以上とするために、配管9
5等に比べてその排気能力が大幅に大きい。また、その
排気ダクトの他端はクリーンルーム(半導体工場)外、
即ち大気中に開放するようにしてもよいが、大容量のタ
ンク等に接続して不活性ガスを回収するように構成して
おくことが望ましい。このタンクに回収された不活性ガ
スは、配管を通して前述のヘリウム回収装置に送るよう
にしてもよいし、あるいは再生装置でその純度を高める
ようにしてもよい。
【0085】また、上記の実施の形態では、露光エネル
ギービームに対する透過率が高く(不活性で)、かつ熱
伝導率が良好な気体としてヘリウムガスが使用されてい
るが、そのような気体としてヘリウム以外の気体(例え
ばネオン(Ne)、水素(H 2)、又はヘリウムと窒素と
の混合気体等)を使用する場合にも本発明が適用でき
る。また、例えば波長が190nm程度以上である露光
光を用いる露光装置では、投影光学系PL等に供給する
気体として窒素(特に純度の高いもの)も使用すること
ができるが、この場合にも本発明を適用してもよい。
【0086】また、上記の実施の形態では、F2 レーザ
を露光用光源として用いたが、例えばKrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長
193nm)、Kr2 レーザ(波長147nm)、又は
Ar2 レーザ(波長126nm)等を用いてもよく、こ
れらの光源を備えた露光装置に対しても本発明を適用す
ることができる。但し、例えばKrFエキシマレーザを
用いる露光装置では、投影光学系内の空気を窒素、又は
ヘリウム等に置換する必要はなく、KrFエキシマレー
ザ光源、及び照明光学系内の空気を窒素等に置換するだ
けでよい。また、環境チャンバ7に供給する気体は窒素
等である必要はなく、前述の不純物が除去された空気を
用いることができる。このように光源と照明光学系と
に、あるいは照明光学系のみに窒素等を供給する露光装
置であっても本発明を適用することができる。なお、こ
の種の露光装置では窒素の代わりに、前述した化学的に
クリーンなドライエアを用いることもできるが、このド
ライエアを用いる露光装置にしても本発明を適用するこ
とができる。
【0087】更に、エキシマレーザの代わりに、露光光
として例えば波長248nm、193nm、157nm
の何れか、又はこれらの近傍に発振スペクトルを持つY
AGレーザ等の固体レーザの高調波を用いる場合にも本
発明が適用される。また、露光光として、例えばDFB
半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外
域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム
(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)と
の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非
線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用
いる場合にも本発明が適用される。
【0088】具体的には、単一波長レーザの発振波長を
1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が
189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発
生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調
波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.55
3μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内
の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波
長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.5
8μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内
の10倍高調波、即ちF2 レーザとほぼ同一波長となる
紫外光が得られる。
【0089】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると発生波長が147〜160nmの範囲
内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.0
99〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が1
57〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちF2 レー
ザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一
波長発振レーザとしてはイッテルビウム・ドープ・ファ
イバーレーザ等を用いることができる。
【0090】更に、本発明を適用する露光装置は、一括
露光型(例えばステップ・アンド・リピート方式)、又
は走査露光型(例えばステップ・アンド・スキャン方
式)の何れであってもよい。また、ミラープロジェクシ
ョン方式、又はプロキシミティ方式の露光装置に対して
も本発明を適用することができる。なお、投影光学系が
使用される場合、その光学系は屈折系、反射系、又は反
射屈折系の何れであってもよいし、更には縮小系、等倍
系、又は拡大系の何れであってもよい。
【0091】なお、前述の第1及び第2の実施の形態で
はオプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)と
してフライアイレンズ11を用いるものとしたが、フラ
イアイレンズ11の代わりにロッドインテグレータを用
いてもよいし、あるいはフライアイレンズとロッドイン
テグレータとを組み合わせて用いるようにしてもよい。
更に、半導体素子、液晶表示素子(ディスプレイ装
置)、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCD)等のマ
イクロデバイスの製造に用いられる露光装置だけでな
く、レチクル、又はマスクを製造するために、ガラス基
板、又はシリコンウエハ等に回路パターンを転写する露
光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫
外)光やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では
一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板とし
ては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍
石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。ま
た、EUV光(極端紫外光)を露光エネルギービームと
する露光装置では反射型マスクが用いられ、プロキシミ
ティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置等では透
過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が
用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用い
られる。
【0092】ところで、複数の光学素子から構成される
照明光学系、及び投影光学系を露光装置本体に組み込ん
で光学調整を行うと共に、多数の機械部品からなるレチ
クルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付
けて配線や配管を接続すると共に、ケース1、照明光学
系(サブチャンバ6)、投影光学系PL、及び環境チャ
ンバ7をそれぞれヘリウム循環装置や窒素循環装置等と
接続し、更に、総合調整(電気調整、動作確認等)をす
ることにより上記実施の形態の露光装置を製造すること
ができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度
等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0093】また、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエ
ハを制作するステップ、前述の実施の形態の露光装置に
よりレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を
経て製造される。
【0094】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0095】
【発明の効果】本発明の露光装置及びデバイス製造装置
によれば、露光エネルギービーム(露光光)に対する透
過率が高く熱伝導率の良好な気体の少なくとも一部を回
収しているため、露光エネルギービームの利用効率を高
め、かつ露光装置の光学部材等の冷却効率を高めた上
で、その気体の使用量を抑制できる利点がある。即ち、
その気体を或る程度までリサイクルできて、露光装置の
運転コストを低減できる。
【0096】また、その気体がヘリウムである場合に
は、ヘリウムは透過率が高く熱伝導率が高い上に安全で
あるため、特に露光エネルギービームの利用効率を高め
て冷却効率も高められる。一方、ヘリウムは存在度が低
く高価であるため、本発明による運転コストの低減効果
は特に大きい。また、気体回収装置は、複数の露光装置
で共用される場合には、回収コストを更に低減できる。
【0097】また、気体回収装置で回収された気体を気
体供給装置の少なくとも一部を介して露光エネルギービ
ームの光路上に再循環させる場合には、補充用の気体の
量を減らすことができる。また、気体供給装置は、気体
回収装置から供給される気体の濃度を計測する濃度計
と、その気体が封入された気体源と、その濃度計の計測
結果に応じてその気体源からの気体をその気体回収装置
から供給される気体に補充する制御部と、を有する場合
には、露光エネルギービームの光路上に所定の純度(濃
度)以上のその気体を常に供給できる利点がある。ま
た、その気体を高圧に圧縮して、又は液化して保存する
ときには、狭い空間にその気体を大量に保存できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の投影露光装置、
ヘリウム循環装置の一部、及び窒素循環装置の一部を示
す一部を切り欠いた概略構成図である。
【図2】 その実施の形態のヘリウム循環装置及び窒素
循環装置の主要部を示す一部を切り欠いた概略構成図で
ある。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の複数台の投影露
光装置、及び1台のヘリウム回収装置を示す一部を断面
図とした概略構成図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態の投影露光装置の
変形例を示す一部を断面図とした概略構成図である。
【符号の説明】
F1,F2…床、3…F2 レーザ光源、6…サブチャン
バ、7…環境チャンバ、R…レチクル、PL…投影光学
系、W…ウエハ、20…レチクルステージ、23…ウエ
ハステージ、26…露光本体部、31,33…配管、3
5…集塵排水装置、37…冷凍装置、40…主に窒素用
のボンベ、43…混合温調装置、44…ヘリウムの濃度
計、45…制御系、46…高純度のヘリウムのボンベ、
48…開閉バルブ、50…回収されたヘリウム用のボン
ベ、84…窒素ボンベ、86…温調装置、89…不純物
濃度計

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写用のパターンが形成されたマスクに
    露光エネルギービームを照射する照明系と、前記マスク
    のパターンが転写される基板を位置決めするステージ系
    と、を有する露光装置において、 前記露光エネルギービームの光路の少なくとも一部に、
    前記露光エネルギービームに対する透過率が高く、かつ
    熱伝導率の良好な気体を供給する気体供給装置と、 前記気体供給装置から前記露光エネルギービームの光路
    上に供給された後に前記気体の少なくとも一部を回収す
    る気体回収装置と、を備えたことを特徴とする露光装
    置。
  2. 【請求項2】 前記気体はヘリウムであることを特徴と
    する請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記気体回収装置は、複数の露光装置で
    共用されることを特徴とする請求項1、又は2記載の露
    光装置。
  4. 【請求項4】 前記気体回収装置で回収された前記気体
    を前記気体供給装置の少なくとも一部を介して前記露光
    エネルギービームの光路上に再循環させることを特徴と
    する請求項1、2、又は3記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記気体供給装置は、 前記気体回収装置から供給される前記気体の濃度を計測
    する濃度計と、 前記気体が気体の状態、又は液化された状態で封入され
    た気体源と、 前記濃度計の計測結果に応じて前記気体源からの気体を
    前記気体回収装置から供給される気体に補充する制御部
    と、を有することを特徴とする請求項4記載の露光装
    置。
  6. 【請求項6】 前記気体供給装置は、 前記気体を液化保存、又は高圧保存する気体源と、 該気体源内の液化ガス、又は高圧ガスを前記気体に戻す
    変換装置と、 前記気体源から前記気体が前記露光装置に供給される前
    に前記気体の温度及び圧力を調整する調整装置と、を有
    することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の
    露光装置。
  7. 【請求項7】 前記気体回収装置は、前記回収した気体
    を液化、又は高圧化して保存することを特徴とする請求
    項1〜6の何れか一項記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の露光装置を含む複数の露
    光装置を有し、該複数の露光装置で複数のデバイスパタ
    ーンを露光対象の基板上に重ね合わせて転写してマイク
    ロデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも一部の光路内に供給され
    る前記気体の清浄度に関する情報を検出するセンサを更
    に備え、前記検出される情報に応じて前記気体の供給及
    びその停止を制御することを特徴とする請求項1〜6の
    何れか一項記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 前記回収された気体を、前記気体供給
    装置の少なくとも一部を介して前記露光エネルギービー
    ムの光路に供給し、前記回収された気体の流路内に前記
    センサを配置することを特徴とする請求項9記載の露光
    装置。
  11. 【請求項11】 前記露光エネルギービームの光路に配
    置される少なくとも1つの光学素子が収納される気密室
    に前記気体を供給することを特徴とする請求項1〜6、
    9、10の何れか一項記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 前記照明系は前記露光エネルギービー
    ムを発生する光源を含み、前記気密室は前記照明系の少
    なくとも一部に設けられることを特徴とする請求項11
    記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記気密室は、前記光源の光学素子が
    収納される第1気密室と、前記光源と前記マスクとの間
    に配置される光学素子が収納される第2気密室とを含む
    ことを特徴とする請求項12記載の露光装置。
  14. 【請求項14】 前記露光エネルギービームを前記基板
    上に投射する投影光学系を更に備え、前記投影光学系を
    構成する複数の光学素子の少なくとも1つを前記気密室
    内に配置することを特徴とする請求項11又は12記載
    の露光装置。
  15. 【請求項15】 前記気密室の少なくとも一部が収納さ
    れる筐体と、前記筐体内に第2気体を供給する第2気体
    供給装置とを更に備えることを特徴とする請求項11〜
    14の何れか一項記載の露光装置。
  16. 【請求項16】 前記筐体を前記気体回収装置に接続し
    て、前記第2気体を回収することを特徴とする請求項1
    5記載の露光装置。
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