JP4200354B2 - センサ付軸受装置及びその軸受温度推定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両等の運転状態での軸受の温度を検出するためのセンシング機能を備えたセンサ付軸受装置及びその軸受温度推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両に固定した軸受箱(ハウジング)に対して車軸を回転自在に支持するために、転がり軸受が用いられている。この転がり軸受部分で異常が発生して、転がり軸受が焼き付くのを防止するために、転がり軸受に温度センサが組み込まれ、この温度センサにより転がり軸受の異常が検出されるようにしている。
【0003】
図4及び図5に、従来の鉄道車両用の温度センサ付回転支持装置の一例を示す。図示しない車輪を支持固定した状態で、使用時に回転する回転部材である車軸1は、使用時にも回転しない静止部材である軸受箱2の内径側に、転がり軸受である複列円すいころ軸受3により、回転自在に支持されている。
複列円すいころ軸受3は、互いに同心に配置された静止側軌道輪である外輪4及び回転側軌道輪である一対の内輪5,5と、複列に配置された転動体である円すいころ6,6とを備えている。
外輪4は、全体が円筒状に形成され、内周側に静止側軌道である複列の外輪軌道7,7を有している。外輪軌道7,7は、それぞれが円すい内面状で、外輪4の軸方向端部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜している。
【0004】
一対の内輪5,5は、略短円筒形状に形成され、それぞれの外周面に、回転側軌道である円すい外面状の内輪軌道8を有している。これら内輪5,5は、小径側の端面同士を間座9を介して互いに突き合わせた状態で、外輪4の内径側に外輪4と同心に配置されている。
円すいころ6は、上記各外輪軌道7,7と内輪軌道8,8との間に、それぞれ複数個ずつ配置され、保持器10,10により転動自在に保持されている。
【0005】
外輪4は、軸受箱2に内嵌保持されている。各内輪5,5は、間座9と共に、車軸1の外端(図5の左端)寄り部分に外嵌されている。車軸1の外端部で軸方向外側の内輪5よりも突出した部分には、油切りと称される環状部材11,11aが外嵌されている。内側の内輪5の内端面は、別の環状部材を介して、車軸1の中間部に形成された段差面12に突き当てられている。したがって、一対の内輪5,5が車軸1の中央寄り(図5中右寄り)に変位することはない。
車軸1の外端部に外嵌した有底円筒状の押さえブラケット13は、環状部材11,11aを外側の内輪5の外端面に向けて押し付けている。この押さえブラケット13は、車軸1の外端面に複数本のボルト14,14により固定され、各ボルト14の締め付け力に基づき、外側の内輪5を軸方向内方に押圧している。
【0006】
外輪4の両端部は、軟鋼板等の金属板を断面クランク形で円筒状に形成したシールケース15,15の基端部を内嵌固定している。このシールケース15,15の内周面と各環状部材11,11aの外周面との間には、シールリング16,16が設けられており、複数個の円すいころ6,6を設置した空間17の両端開口部を塞いでいる。
したがって、空間17の内外を遮断して、空間17内に封入した潤滑用のグリースが外部に漏洩するのを防止すると共に、外部から空間17に内に雨水や塵埃等の異物が侵入するのを防いでいる。
【0007】
軸受箱2の外端開口は、軸受箱2の一端部に固定したカバー18により塞がれている。このカバー18は、合成樹脂若しくは金属材料により有低円筒形状に形成され、円筒部19と、該円筒部19の一端(図5中左端)の開口を塞ぐ底板部20と、円筒部19の他端部分(図5中右寄り)の外周面に設けられた外向フランジ状の取付部21とを備えている。
カバー18は、円筒部19の他端部を軸受箱2の一端に内嵌させると共に、取付部21を軸受箱2の一端に突き当てた状態でボルト固定され、軸受箱2の外端開口を塞いでいる。
【0008】
軸受の温度を検出する温度ヒューズを組み込んだ温度センサユニット24が軸受箱2に鉛直軸線にある程度の角度を有するように取り付けられている(図4参照)。
複列円すいころ軸受3の回転抵抗が、各列円すいころ6,6のスキュー、或いは空間17内に封入したグリースの劣化等、何らかの原因で異常に上昇して、複列円すいころ軸受3の温度が上昇すると、温度センサ24がこの温度上昇を検出する。
温度センサ24による検出温度が所定値(アラームしきい値)を超えたことが検出されると、図示しない制御手段が、運転席に設置した警告灯を点灯させる等の警報を発する。このような警報が出された場合、運転手は緊急停止等の措置をとる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の温度センサユニット24は、取付位置が軸受箱2に取り付けられているために、ある角度傾いて取り付けられている。そのため、図4に示した温度センサユニット24の取付位置では、車両の走行方向によって風を直接受ける場合と、受けない場合がある。例えば、鉄道車両では、上り走行時に1両目が先頭であれば、下り走行時は1両目が最後尾となって走行するため、温度センサの出力が上りと下りでは異なってしまう。
【0010】
すなわち、温度センサユニット24が傾けて取り付けられた場合、車両が図4の左側に進行するときは、センサ取付位置が進行方向前側になるので、風の影響を受け検出温度がその冷却効果により低めに検出される。それに対して、車両が図4の右側に進行するときには、センサ取付位置が進行方向後側になるので、風の影響を受けず検出温度が高めに検出される。
また、温度センサユニット24を取り付けている軸受箱2も走行方向によって冷却条件が異なることから、温度センサの出力に影響を与える。したがって、正確な軸受温度を推定することが困難であり、異常な温度上昇を精度良く検出することが困難であった。
【0011】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、温度センサが検出した温度から実際の軸受温度を正確に検出して、異常発生を早期かつ確実に検知できるセンサ付き軸受装置及びその軸受温度推定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のセンサ付き軸受装置は、前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備えた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置であって、前記温度センサユニットを前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付け、前記転がり軸受の実際の温度と前記温度センサによる検出温度との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を格納する記憶手段と、車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明の請求項2記載のセンサ付き軸受装置は、前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備えた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置であって、前記温度センサユニットを前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付け、前記転がり軸受の実際の温度上昇と前記温度センサによる検出温度上昇との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を格納する記憶手段と、車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定する制御手段と、を有することを特徴とするセンサ付軸受装置である。
【0013】
本発明の請求項3記載のセンサ付き軸受装置は、前記前方及び後方の両方向に移動する車両は、高速で両方向に移動する鉄道車両である請求項1又は2に記載のセンサ付軸受装置である。
【0014】
本発明の請求項4記載のセンサ付き軸受装置は、前記温度センサユニットは、前記軸受装置の前記軸受以外の場所に取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ付軸受装置である。
本発明の請求項5記載のセンサ付き軸受装置は、前記温度センサユニットは、前記車両の台車との位置的な干渉を避けるために前記軸受の周囲に設けられた軸受箱以外のセンサハウジングに取り付けられている請求項1〜4のいずれかに記載のセンサ付軸受装置である。
本発明の請求項6記載のセンサ付き軸受装置は、前記温度センサユニットは、前記センサハウジングの鉛直方向上側に取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ付軸受装置である。
本発明の請求項7記載の軸受温度推定方法は、前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備え前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付けられた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置において、前記転がり軸受の実際の温度と前記温度センサによる検出温度との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を記憶手段に格納し、車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定することを特徴とする軸受温度推定方法である。
本発明の請求項8記載の軸受温度推定方法は、前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備え前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付けられた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置において、前記転がり軸受の実際の温度上昇と前記温度センサによる検出温度上昇との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を記憶手段に格納し、車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定することを特徴とする軸受温度推定方法である。
【0015】
上記構成のセンサ付軸受装置によれば、温度センサユニットが走行方向によって影響を受けることなく、どちらの進行方向についても正確な軸受温度を推定することができ、異常な温度上昇を精度良く検知することができる。
また、転がり軸受の実際の温度と温度センサによる検出温度との関係に基づいて、温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から転がり軸受の正確な温度を推定できる。
【0016】
また、温度センサユニットが軸受箱以外のセンサハウジングに取り付けられているため、台車との位置的な干渉が避けられ、従来通りの取付方法を変えることなく軸受を取り付けることができる。
また、鉄道車両用軸受装置の場合は、外部の冷却効果や軸受の発熱、熱伝導および熱伝達等の構造的問題から上部の方が温度が高くなるので、温度センサユニットを外筒上部に設ける方が温度センサによる精度をより高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセンサ付軸受装置の一実施形態を図1乃至図3に基づいて詳しく説明する。なお、既に説明した部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。図1は本発明のセンサ付軸受装置の一実施形態を示す正面図であり、図2は図1における縦断面図であり、図3は予め求められた実際の軸受温度とセンサ検出温度との関係を表すグラフである。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施形態のセンサ付軸受装置は、鉄道車両用温度センサ付回転支持装置である。車軸1は、軸受箱2の内径側に複列円すいころ軸受3により回転自在に支持されている。
複列円すいころ軸受3は、内周側に外輪軌道7,7を有する外輪4、外周面に内輪軌道8を有し、小径側の端面同士を間座9を介して互いに突き合わされる一対の内輪5,5と、外輪軌道7,7と内輪軌道8,8との間に配置され、保持器10,10により転動自在に保持されている円すいころ6,6とを備えている。
【0019】
車軸1の外端部に外嵌され、ボルト14,14により固定されている押さえブラケット13は、環状部材11,11aを外側の内輪5の外端面に向けて押し付けている。外輪4の両端部は、金属製のシールケース15,15の基端部を内嵌固定している。
このシールケース15,15の内周面と各環状部材11,11aの外周面との間には、シールリング16,16が設けられており、円すいころ6,6を設置した空間17の両端開口部を塞いでいる。したがって、空間17内に封入した潤滑用のグリースが外部に漏洩するのを防止すると共に、外部から雨水や塵埃等の異物が侵入するのを防いでいる。
【0020】
軸受箱2の外端開口は、合成樹脂若しくは金属材料により形成され、軸受箱2の一端部に固定されたカバー18により塞がれている。このカバー18は、円筒部19の他端部を軸受箱2の一端に内嵌させると共に、取付部21を軸受箱2の一端に突き当てた状態でボルト固定され、軸受箱2の外端開口を塞いでいる。
【0021】
上述した構成に加えて、本実施形態の温度センサユニット30は、軸受3の軸方向中心から所定距離、軸方向に離れた位置で、カバー18に一体的に形成されたセンサハウジング31の走行方向に対して鉛直となる位置に設けられた取付孔22aに装着され、ボルト23により取り付けられている。この温度センサユニット30内には、温度センサ(図示せず)が収容されており、センサハウジング31の内面より径方向内側に突出した位置に配置されている。
【0022】
温度センサユニット30は、例えば複列円すいころ軸受3の回転抵抗が空間17内に封入したグリースの劣化等の原因で異常に上昇して、軸受内の温度が上昇すると、この温度上昇を検出する。
すなわち、温度センサユニット30による検出温度が所定値(アラームしきい値)を超えたことが検出されると、温度センサの検出信号を処理して異常の有無等の判定を行う制御手段(図示せず)が運転席に設置した警告灯を点灯させる等の警報を発する。
【0023】
前記制御手段は、温度センサユニット30内に配置されるか、温度センサユニット30から離れた位置に配置しても良い。また、制御手段の機能の一部を担う部品が、温度センサユニット30内に配置されていても良い。
【0024】
次に、本実施形態の温度センサユニット30の作用について説明する。
図2に示すように、車両が走行し始めると、車軸1の回転と共に内輪5,5等が回転して、軸受3内に摩擦が発生し、その摩擦熱に応じて軸受温度が上昇する。この摩擦熱は、外周側にはハウジング2を通じて、内周側には車軸1を通じて、放熱される。
【0025】
軸受3に生じた熱は、温度センサユニット30の温度センサに到達するまでの間に徐々に放熱され、温度センサユニット30でも放熱される。また、車両速度の増加に伴って、温度センサユニット30に当たる風量も増加するため、さらに放熱される。例えば、軸受中心からセンサまでの距離が160mmの場合、車両加速時及び定速走行時で、軸受発熱量の70%(軸受中心とセンサとの距離により変わる)が温度センサユニット30の温度センサに到達するまでの間に放熱される。
【0026】
車両が停止すると、軸受3の温度は下降し始めるが、当たる風量が略ゼロになるので、放熱量が減少する。その結果、軸受箱2及び軸受3に蓄えられていた熱量が温度センサに少しずつ伝達され、温度センサによる検出温度が徐々に上昇する。
【0027】
実際の車両を模した試験装置での結果を図3に示す。図3のグラフの横軸は、軸受温度上昇値(軸受の実温度から雰囲気温度を差し引いた値)を示し、縦軸は、センサ検出温度上昇値(センサ検出温度から雰囲気温度をさし引いた値)を示す。
【0028】
図3に示すように、回帰曲線である温度曲線A(以降、走行時温度曲線Aと称す)は、車両加速時及び定速走行時相当における軸受温度上昇値とセンサ検出温度上昇値との関係を示す。走行時温度曲線Aは、右上がりの略直線になっており、軸受温度上昇値とセンサ検出温度上昇値とが線形正比例の関係にあることが分かる。
したがって、走行時温度曲線を求めておけば、車両加速中及び定速走行中に温度センサからリアルタイムで得られるセンサ検出温度から、その時点における実際の軸受温度を推定することができる。
【0029】
例えば、走行時温度曲線Aを示すような計算式やデータテーブル又はデータ補正値を、ROM等の記憶手段に予め格納しておき、車両加速中及び定速走行中に、その計算式やデータテーブル又はデータ補正値を読み出すようにする。これにより、その時点における実際の軸受温度を推定することができる。
【0030】
具体的には、軸受装置周りの雰囲気温度を検出する手段(温度センサ)を、温度センサユニット30付近又は温度センサユニット30から離れた位置に設けて、雰囲気温度を常時検出する。そして、温度センサユニット30内の温度センサより得られるセンサ検出温度から雰囲気温度を差し引いた値を求め、その値から図3で示したような関係を示す計算式やデータテーブルを参照して実際の軸受温度を推定する。
【0031】
上述した走行時温度曲線Aは、設備又は装置の種類や軸受3の形式、温度センサユニットの取付位置などの違いによって異なるものである。各種軸受装置について、予め試験運転を行い、これらの曲線を得ておくことで本発明のセンサ付軸受装置が適用できる。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、温度上昇を計算するときの参照温度を、周囲雰囲気温度ではなく、始動時のセンサ検出温度とすることで、雰囲気温度の検出を不要にすることも可能である。
すなわち、温度センサユニット30の温度センサにより、車軸1が回転を開始する直前或いは直後の始動時検出温度を得ておき、回転開始時に温度センサからリアルタイムで得られる検出温度を差し引くように構成することができる。したがって、別途の雰囲気温度検出手段を省略することができる。
【0033】
また、軸受温度上昇値とセンサ検出温度上昇値との関係に基づいて軸受温度を推定しているが、実際の軸受温度と温度センサによる検出温度との関係に基づいて推定しても良い。例えば、センサ検出信号を、ローパスフィルタやオペアンプを介して、温度センサユニット30の外部に伝送するようにしても良い。
また、センサ付軸受装置における転がり軸受は、複列円すいころ軸受に限らず、玉軸受、円筒ころ軸受、球面ころ軸受、単列・複列を問わず適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のセンサ付軸受装置によれば、温度センサユニットにより検出された温度から実際の軸受温度を正確に得て、異常発生を早期かつ確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ付軸受装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1における縦断面図である。
【図3】予め求められた実際の軸受温度とセンサ検出温度との関係を表すグラフである。
【図4】従来のセンサ付軸受装置の正面図である。
【図5】図4における縦断面図である。
【符号の説明】
1 車軸
2 軸受箱
3 複列円すいころ軸受
4 外輪
5 内輪
6 円すいころ
22a 取付孔
30 温度センサユニット
Claims (8)
- 前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備えた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置であって、
前記温度センサユニットを前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付け、
前記転がり軸受の実際の温度と前記温度センサによる検出温度との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を格納する記憶手段と、
車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定する制御手段と、
を有することを特徴とするセンサ付軸受装置。 - 前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備えた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置であって、
前記温度センサユニットを前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付け、
前記転がり軸受の実際の温度上昇と前記温度センサによる検出温度上昇との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を格納する記憶手段と、
車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定する制御手段と、
を有することを特徴とするセンサ付軸受装置。 - 前記前方及び後方の両方向に移動する車両は、高速で両方向に移動する鉄道車両である請求項1又は2に記載のセンサ付軸受装置。
- 前記温度センサユニットは、前記軸受装置の前記軸受以外の場所に取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ付軸受装置。
- 前記温度センサユニットは、前記車両の台車との位置的な干渉を避けるために前記軸受の周囲に設けられた軸受箱以外のセンサハウジングに取り付けられている請求項1〜4のいずれかに記載のセンサ付軸受装置。
- 前記温度センサユニットは、前記センサハウジングの鉛直方向上側に取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ付軸受装置。
- 前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備え前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付けられた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置の軸受温度推定方法であって、
前記転がり軸受の実際の温度と前記温度センサによる検出温度との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を記憶手段に格納し、
車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定することを特徴とする軸受温度推定方法。 - 前方及び後方の両方向に移動する車両の静止側軌道輪及び回転側軌道輪の間に転動体が複数個設けられた転がり軸受と、前記転がり軸受の温度を検出するための温度センサを備え前記車両の走行方向に対して鉛直となる位置に取り付けられた温度センサユニットとを備えたセンサ付軸受装置の軸受温度推定方法であって、
前記転がり軸受の実際の温度上昇と前記温度センサによる検出温度上昇との関係を予め求めた計算式、データテーブル又はデータ補正値を記憶手段に格納し、
車両加速中及び低速走行中に、前記計算式、データテーブル又はデータ補正値を読み出すことにより、前記温度センサからリアルタイムで求められる検出温度から前記転がり軸受の実際の温度を推定することを特徴とする軸受温度推定方法。
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