JP2003269447A - センサ付軸受装置及びセンサ付軸受装置の異常検知方法 - Google Patents
センサ付軸受装置及びセンサ付軸受装置の異常検知方法Info
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Abstract
に検知できるセンサ付軸受装置及びセンサ付軸受装置の
異常検知方法を提供する。 【解決手段】 転がり軸受3と、温度センサ30とを有
するセンサ付軸受装置であって、温度センサ30から発
生する温度情報を所定時間毎に得て、前記温度情報の変
化率が所定の閾値を超える場合に、異常が発生したと判
定する制御手段35を備えていることを特徴とするセン
サ付軸受装置。
Description
に関し、温度センサが検出する温度から軸受の焼き付き
や剥離などの異常を検知するものである。特に、外気温
や風雨などの気象条件や運転条件によって、軸受や温度
センサ部の温度が影響を受ける鉄道車両や自動車などの
車軸軸受や機械設備等の軸受の異常判定に有効である。
この鉄道車両に固定した軸受箱(ハウジング)に対し回
転自在に支持するために、転がり軸受が用いられてい
る。転がり軸受部分で異常が発生してこの転がり軸受が
焼き付くのを防止するために、転がり軸受に温度センサ
が組み込まれ、温度センサによる検出温度から異常発生
を検知することが行われている。
回転支持装置の一例を示す。図示しない車輪を支持固定
した状態で、使用時に回転する回転部材である車軸1
は、使用時にも回転しない静止部材である軸受箱2の内
径側に、転がり軸受である複列円すいころ軸受3によ
り、回転自在に支持されている。この複列円すいころ軸
受3は、互いに同心に配置された静止側軌道輪である外
輪4及び回転側軌道輪である一対の内輪5,5と、複列
に配置された転動体である円すいころ6,6とを備えて
いる。外輪4は、全体が円筒状に形成され、内周面に、
静止側軌道である複列の外輪軌道7,7を有している。
外輪軌道7,7は、それぞれが円すい内面状で、外輪4
の軸方向端部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜
している。
に形成され、それぞれの外周面に、回転側軌道である円
すい外面状の内輪軌道8を有している。これら内輪5,
5は、小径側の端面同士を間座9を介して互いに突き合
わせた状態で、外輪4の内径側に外輪4と同心に配置さ
れている。円すいころ6は、上記各外輪軌道7,7と内
輪軌道8,8との間に、それぞれ複数個ずつ配置され、
保持器10,10により転動自在に保持されている。
る。各内輪5,5は、間座9と共に、車軸1の外端(図
8の左端)寄り部分に外嵌されている。車軸1の外端部
で軸方向外側の内輪5よりも突出した部分には、油切り
と称される環状部材11が外嵌されている。また、内側
の内輪5の内端面は、別の環状部材11aを介して、車
軸1の中間部に形成された段差面12に突き当てられて
いる。したがって、一対の内輪5,5が、図8の状態よ
りも車軸1の中央寄り(図8の右寄り)に変位すること
はない。そして、車軸1の外端部に外嵌した有底円筒状
の押さえブラケット13により、環状部材11を外側の
内輪5の外端面に向けて押し付けている。押さえブラケ
ット13は、車軸1の外端面に複数本のボルト14,1
4により固定され、各ボルト14の締め付け力に基づ
き、外側の内輪5を軸方向内方に押圧している。
断面クランク形で全体を略円筒状に形成したシールケー
ス15,15の基端部を内嵌固定している。これらシー
ルケース15,15の内周面と各環状部材11,11a
の外周面との間に、それぞれシールリング16,16を
設けることにより、複数個の円すいころ6,6を設置し
た空間17の両端開口部を塞いでいる。この構成によ
り、空間17の内外を遮断して、空間17内に封入した
潤滑用のグリースが外部に漏洩するのを防止すると共
に、外部から空間17内に雨水や塵埃等の異物が進入す
るのを防いでいる。
に固定したカバー18により塞いでいる。カバー18
は、合成樹脂若しくは金属材料により全体を有底円筒状
に形成され、円筒部19と、円筒部19の一端(図8の
左端)の開口を塞ぐ底板部20と、円筒部19の他端
(図8の右端)寄り部分の外周面に設けられた外向フラ
ンジ状の取付部21とを備えている。カバー18は、円
筒部19の他端部を軸受箱2の一端部に内嵌されると共
に、取付部21を軸受箱2の一端面に突き当てられた状
態で、取付部21を軸受箱2の一端面にボルトで固定さ
れることにより、軸受箱2の外端開口を塞いでいる。
れている。温度センサ24は、カバー18の内面と外面
とを貫通する取付孔22aに挿着されている。複列円す
いころ軸受3が剥離を起こしたり、空間17内に封入し
たグリースの劣化やもれ等、何らかの原因で複列円すい
ころ軸受3の温度が上昇すると、温度センサ24がこの
温度上昇を検出する。温度センサ24による検出温度が
所定値(アラーム閾値)を超えたことが検知されると、
図示しない制御手段が、運転席に設置した警告灯を点灯
させる等の警報を発する。このような警報が出された場
合、運転手は緊急停止等の措置をとる。
温度センサ24によって検出される値は、実際の軸受温
度からずれていることがある。特に、鉄道車両や自動車
などの場合、走行中と停止中とで温度センサ付近に当た
る風の強さが変わったり、温度センサ付近が外気にさら
され冷却されたりするため、温度センサ24によって検
出される値が実際の軸受温度と異なることがある。軸受
に焼き付きや剥離などによる異常な温度上昇が発生して
も、低い外気温や風雪などの気象条件の影響により、温
度センサの検出温度がアラーム閾値に達せず、軸受の異
常を検知できないことがある。
きるようにアラーム閾値を下げると、夏期など外気温が
高い場合に、軸受が正常な温度範囲にあっても、軸受の
異常と誤って判定してしまうおそれがある。このよう
に、季節の違いや気候の急変によっては、アラーム閾値
が不適当になるという問題があった。
で、その目的は、センサ検出温度に基づいて、異常発生
を確実に検知できるセンサ付軸受装置及びセンサ付軸受
装置の異常検知方法を提供することにある。
成により達成される。 (1) 転がり軸受と、温度センサとを有するセンサ付
軸受装置であって、前記温度センサから発生する温度情
報を所定時間毎に得て、前記温度情報の変化率に基づ
き、前記転がり軸受の発熱量の推移を推定する制御手段
を備えていることを特徴とするセンサ付軸受装置。 (2) 転がり軸受と、温度センサとを有するセンサ付
軸受装置であって、前記温度センサから発生する温度情
報を所定時間毎に得て、前記温度情報の変化率が所定の
閾値を超える場合に、異常が発生したと判定する制御手
段を備えていることを特徴とするセンサ付軸受装置。 (3) 前記制御手段は、所定時間毎に得られる温度情
報のうちの先に検出された温度情報を第一の記憶手段に
格納し、所定時間後に検出された温度情報を第二の記憶
手段に格納し、先の温度情報及び後の温度情報に基づき
変化率を算出した後、前記後の温度情報を前記第一の記
憶手段に上書きして、所定時間後に次の温度情報を前記
第二の記憶手段へ格納する前記(1)又は(2)に記載
のセンサ付軸受装置。 (4) 転がり軸受と温度センサとを有するセンサ付軸
受装置の異常検知方法であって、前記温度センサから発
生する温度情報を所定時間毎に得て、前記温度情報の変
化率が所定の閾値を超える場合に、異常が発生したと判
定することを特徴とするセンサ付軸受装置の異常検知方
法。
ンサから温度情報を得て、それらから変化率を算出し、
算出された変化率から軸受の発熱量の推移を推定した
り、又は変化率と閾値との比較により異常の有無を調べ
たりする。ある環境で異常が生じたセンサ付軸受装置の
温度特性は、同一環境にある正常に作動しているセンサ
付軸受装置の温度特性と大きく異なる。具体的には、異
常が生じたセンサ付軸受装置では、所定時間あたりの温
度変化率(温度上昇率)が、正常に作動しているセンサ
付軸受装置のそれより、大幅に高くなる。温度変化率を
求めて、その温度変化率を閾値と比較することで、軸受
異常を確実に検知することが可能となる。すなわち、温
度センサから得られる温度情報をそのまま用いる場合
は、季節の違い(夏と冬との温度差等)や運転状況の違
い(走行時と停止時との風量差等)による影響から、ア
ラーム閾値が適切でなくなる場合があるが、本発明によ
れば、温度変化率を用いるので季節の違いや運転状況の
違いによる影響を受けない。また、雰囲気温度を測定す
るための別途の温度センサ等が不要である。さらに、車
両等の走行・停止や走行速度を検出するセンサや、振動
センサを併用することで、異常検知をより正確に行え
る。
が備えられた構造体などにおいて、複数のセンサ付軸受
装置の中から異常が発生したものを検知することもでき
る。複数のセンサ付軸受装置が、ほぼ同一仕様で、ほぼ
同一環境に置かれる場合、複数のセンサ付軸受装置につ
いて、同一の閾値を用いて異常判定を行うこともでき
る。また、同一の(共通の)制御手段によって、温度変
化率の算出や異常判定を行うこともできる。同一の閾値
を用いる以外に、次のような異常判定方法もある。 ・ 共通の制御手段が、複数のセンサ付軸受装置から得
られる複数の温度変化率から平均値を計算し、その平均
値との差が所定の閾値を超える温度変化率を示したセン
サ付軸受装置を異常と判定する方法。 ・ 共通の制御手段が、複数のセンサ付軸受装置から得
られる複数の温度変化率から最大値を求め、その最大値
を除いた他の温度変化率の平均値を計算し、最大値と平
均値との差が所定の閾値を超える場合に、前記最大値の
温度変化率を示したセンサ付軸受装置を異常と判定する
方法。 ・ 共通の制御手段が、複数のセンサ付軸受装置から得
られる複数の温度変化率から最大値と最小値との差を計
算し、その差が所定の閾値を超える場合に、前記最大値
の温度変化率を示したセンサ付軸受装置を異常と判定す
る方法。 ・ 共通の制御手段が、複数のセンサ付軸受装置から得
られる複数の温度変化率から平均値と標準偏差(σ)を
計算し、その標準偏差に基づく所定範囲(平均値+nσ
の範囲。なお、nは整数で3以上が望ましい。)を超え
る温度変化率を示したセンサ付軸受装置を異常と判定す
る方法。 ・ 共通の制御手段が、複数のセンサ付軸受装置から得
られる複数の温度変化率から最大値を求め、その最大値
を除いた他の温度変化率の平均値と標準偏差(σ)を計
算し、その標準偏差に基づく所定範囲(平均値+nσの
範囲。なお、nは整数で3以上が望ましい。)を前記最
大値が超える場合に、前記最大値の温度変化率を示した
センサ付軸受装置を異常と判定する方法。
車、鉄鋼設備、印刷設備等が挙げられる。例えば鉄道車
両においては、1台の車両に2つの台車がある。各台車
には2つの車軸があり、各車軸の左右に車輪が取り付け
られており、1つの台車には4個の軸受装置が使用され
ている。これら4個の軸受装置は、運転条件及び負荷荷
重がほぼ同じである。
ンサ付軸受装置の温度変化率の平均値等を用いてもよい
し、1車両(2台車、8軸受)、あるいは全車両の軸受
の温度変化率の平均値等を用いてもよい。また、列車進
行方向の左右で冷却条件の異なる場合などは、右側の軸
受のグループと左側の軸受のグループのように分けて
(進行方向一方側と他方側のグループに分けて)平均値
等を計算してもよい。また、同様な環境で使用している
軸受が異なるメーカーのものであったり、異なる構造の
ものであったりする場合は、同一メーカーのグループ
や、同一構造のグループで、平均値等を計算することも
できる。
基づいて詳しく説明する。なお、既に説明した部材等に
ついては、図中に同一符号又は相当符号を付すことによ
り、説明を簡略化或いは省略する。図1に、本発明の第
1実施形態に係るセンサ付軸受装置(鉄道車両用温度セ
ンサ付回転支持装置)を示す。本実施形態では、温度セ
ンサ30が、軸受3の軸方向中心から所定距離L軸方向
に離れた位置で、カバー18の円筒部19に設けられて
いる。温度センサ30は、センサケース31内に収容さ
れて、センサユニットが構成されている。センサケース
31は、円筒部19に設けられた取付孔22aに挿着さ
れ、温度センサ30は、センサケース31内部に収めら
れている。
ュータ等によって構成される制御手段35に、有線又は
無線で伝送される。制御手段35は、温度センサ30の
検出信号を処理し、異常の有無等の判定を行う。制御手
段35は、温度センサ30から離れた位置にあってもよ
いし、センサケース31内に配置されてもよい。制御手
段35の機能の一部を担う部品が、センサケース31内
に配置されてもよい。
に内輪5,5等が回転して、軸受3内に摩擦が発生し、
その摩擦熱に応じて軸受温度が上昇する。この熱は、外
周側にはハウジング2を通じて、内周側には車軸1を通
じて、放熱される。軸受3に生じた熱は、温度センサ3
0に到達するまでの間に徐々に放熱され、センサケース
31においても放熱される。また、車両速度の増加に伴
って、この軸受装置の付近に当たる風量も増加するた
め、さらに放熱される。
始めるが、軸受装置に当たる風速がほぼゼロになること
により、放熱量が減少する。その結果、軸受3及びハウ
ジング2に蓄えられていた熱量が温度センサ30に少し
ずつ伝達され、温度センサ30による検出温度がしばら
くの間徐々に上昇し、その後低下する。
常な複列円錐ころ軸受を組み込んだ場合の温度特性図で
ある。なお、軸受回転中は風冷を行い、軸受停止の際は
風冷を止めることで、実際の鉄道車両の走行状態を再現
した。図2において、横軸は運転時間(hour)を示
す。図2に点線で示した温度特性は、軸受の実際の温度
を示し、実線で示した温度特性は、温度センサにより検
出された温度を示している。軸受回転中のセンサ検出温
度は、回転開始と共に上昇し、次第に一定値に近づいて
いく。停止した際には、風による冷却効果がなくなるた
め、軸受及び途中の熱伝導経路で蓄えていた熱が温度セ
ンサに伝わり、一時的に温度が上昇する。このように、
軸受が正常に作動した場合、センサ検出温度の上昇率
は、通常回転時で0.2〜0.5℃/min程度であ
り、停止直後時で最大0.9℃/min程度であった。
同型番の軸受を組み込んだ場合、図3に示すような温度
特性が得られた。図3において、横軸は運転時間(mi
n)を示す。軸受に何らかの異常が生じた場合、軸受外
輪温度の上昇率は、軸受が正常なときに比べて大幅に高
くなり、センサ検出温度の上昇率も同様に高くなる。軸
受が正常なときは回転開始から2時間程度かけて軸受温
度が40℃に達した(図2参照)のに対し、異常がある
ときは図3に示すように回転開始から10分後には軸受
温度が100℃を超え、センサ検出温度の上昇率は最大
で6℃/minにも達した。
度上昇率の最大値以上の値(例えば2℃/min)を閾
値として設定することで、センサ検出温度がこの閾値を
超える上昇率を示す時、異常が発生したと判定すること
が可能である。なお、適切な閾値は、設備又は装置の種
類や軸受形式、温度センサ取付位置などによって異なる
ものであり、予め試験運転を行って閾値を得ることで、
本発明が適用できることは言うまでもない。
路は、1個の温度センサ30からの温度情報に基づいて
判定を行うものである。時刻t1において温度センサ3
0が検出した温度を示すアナログ出力信号が、A/D変
換器でA/D変換された後、マイクロコンピュータに入
力される。マイクロコンピュータはそのセンサ検出温度
を、第一の記憶手段M1に格納する。それから所定時間
後の時刻t2(=t1+Δt)において温度センサ30
が検出した温度を示すアナログ出力信号が、A/D変換
器でA/D変換された後、マイクロコンピュータに入力
される。マイクロコンピュータはそのセンサ検出温度
を、第二の記憶手段M2に格納する。マイクロコンピュ
ータは、第一の記憶手段M1に格納されたセンサ検出温
度と第二の記憶手段M2に格納されたセンサ検出温度と
の差、及び時刻t2と時刻t1との差Δtに基づいて、
温度上昇率を計算する。マイクロコンピュータは、その
温度上昇率が予め設定された閾値を超えるか否かの判定
を行い、超える場合は、表示器あるいは警報器で運転者
などに知らせる。判定を行った後、マイクロコンピュー
タは、第二の記憶手段M2に格納されているセンサ検出
温度を第一の記憶手段M1に上書きする。そして、所定
時間後(=t2+Δt)に得られる次のセンサ検出温度
を第二の記憶手段M2へ格納するべく待機する。
回路は、4個の温度センサ30a〜30dからの温度情
報に基づいて判定を行うものである。時刻t1において
温度センサ30aが検出した温度を示すアナログ出力信
号が、A/D変換器でA/D変換された後、マイクロコ
ンピュータに入力される。マイクロコンピュータはその
センサ検出温度を、第一の記憶手段M1aに格納する。
それから所定時間後の時刻t2(=t1+Δt)におい
て温度センサ30aが検出した温度を示すアナログ出力
信号が、A/D変換器でA/D変換された後、マイクロ
コンピュータに入力される。マイクロコンピュータはそ
のセンサ検出温度を、第二の記憶手段M2aに格納す
る。マイクロコンピュータは、第一の記憶手段M1aに
格納されたセンサ検出温度と第二の記憶手段M2aに格
納されたセンサ検出温度との差、及び時刻t2と時刻t
1との差Δtに基づいて、温度上昇率を計算する。マイ
クロコンピュータは、その温度上昇率が予め設定された
閾値を超えるか否かの判定を行い、超える場合は、表示
器あるいは警報器で運転者などに知らせる。判定を行っ
た後、マイクロコンピュータは、第二の記憶手段M2a
に格納されているセンサ検出温度を第一の記憶手段M1
aに上書きする。そして、所定時間後(=t2+Δt)
に得られる次のセンサ検出温度を第二の記憶手段M2a
へ格納するべく待機する。マイクロコンピュータは、温
度センサ30b,30c,30dについても同様に、第
一の記憶手段M1b,M1c,M1d及び第二の記憶手
段M2b,M2c,M2dを活用して、それら温度セン
サ30b,30c,30dが備えられたセンサ付軸受装
置のそれぞれについて、異常判定を行う。なお、マルチ
プレクサの代わりに、複数のA/D変換器を使用しても
良い。
サ付軸受装置(鉄道車両用温度センサ付回転支持装置)
を示す。本実施形態では、油切りと称される環状部材1
1の外周面に、外向フランジ状の鍔部40が全周にわた
って設けられている。鍔部40の外周縁部に、凹部と凸
部とを円周方向に関して交互に且つ等間隔で形成して、
この外周縁部の磁気特性を円周方向に関して交互に且つ
等間隔で変化させて、鍔部40にエンコーダとしての機
能を持たせている。
トのセンサケース31内には、温度センサ30と、回転
速度センサ32とが収容されている。回転速度センサ3
2としては、磁気抵抗素子、ホール素子、永久磁石と磁
気コイルとの組み合わせ等、磁束の密度或いは方向の変
化に対応して出力を変化させるものを使用できる。回転
速度センサ32は、センサケース31の先端部に収容保
持され、鍔部40に近接対向されている。軸受の発熱
は、軸受箱2及びカバー18の円筒部19を伝わり、セ
ンサユニットの温度を上昇させ、これにより温度センサ
30にて軸受の発熱を検出できる。温度センサ30及び
回転速度センサ32は、モールド樹脂によってセンサケ
ース31内にモールド固定されてもよいし、ねじ等の機
械的固定具により固定されてもよい。なお、温度センサ
30は、第1実施形態で示したような、カバー18の温
度を測定する温度センサでもよいし、軸受箱2の温度を
測定する温度センサでもよい。
出力信号は、1本のケーブル41を介して図示しない制
御手段へ伝送されるが、これに限定はされず、無線で制
御手段へ伝送されてもよい。ケーブル41内に収められ
た、温度センサ30の出力信号を取り出すための信号線
と、回転速度センサ32の出力信号を取り出すための信
号線とは、個別にシールドするのが好ましい。回転速度
センサ32から出力されるパルス状の信号を送る信号線
と、温度センサ30から出力されるアナログ信号を送る
信号線とを一緒に束ねると、アナログ信号にノイズがの
り易いが、上記のように個別にシールドすることで、ア
ナログ信号にノイズがのるのを防ぐことができる。ケー
ブル41内で、個々のセンサ30,32の出力信号を取
り出すための信号線とグランド線とをツイストしておく
ことや、そのツイストペアをシールドすることは、さら
に好ましい。
(加速度センサ)33を収容しておくことはさらに好ま
しい。振動センサ33により、軸受3に剥離等の異常が
発生した際に、その剥離の状態を速やかに検出すること
ができる。転がり軸受の異常監視と回転速度の監視との
双方を目的とする場合は、本例のように、温度センサ3
0、回転速度センサ32、振動センサ33の、3種類の
センサを組み合わせることが好ましい。しかしこれに限
定はされず、温度センサ30と回転速度センサ32、或
いは温度センサ30と振動センサ33など、2種類のセ
ンサを組み合わせてもよい。さらに、センサケース31
内に、基準電圧発生回路を備えてもよい。基準電圧発生
回路は、温度センサ30や振動センサ33に供給する基
準電圧を発生するためのもので、例えば、定電圧レギュ
レータ、DC−DCコンバータ、基準電圧IC、定電圧
ダイオード等が使用可能である。
て、列車の走行及び停止を検知できる場合、走行時のみ
異常の判定を行うようにすれば、停止時の影響を受け
ず、軸受の異常判定の精度を向上することができる。
サ32と、コンパレータ(比較手段)及びアラーム閾値
設定回路(アラーム閾値設定手段)とを組み合わせるこ
とにより、運転速度が低速から高速まで頻繁に変化する
転がり軸受の異常検知を高い信頼性で行える。図7に示
す判定回路は、回転速度センサ32より得られる車軸1
の回転速度と、温度センサ30より得られる軸受3の温
度とから、軸受3の異常の有無を判定するものである。
回転速度センサ32の検出信号は、回転速度検出回路に
て処理されて速度信号とされる。その速度信号に基づ
き、閾値設定回路44はアラーム閾値を決定する。この
閾値と、温度センサ30から送られてくる温度信号とを
コンパレータ45により比較し、この比較結果を表す信
号を軸受異常判定回路46により判定して、軸受3の異
常の有無を判定する。そして、異常がある場合には、ブ
ザー、警告灯等の警報器47に信号を送って警報器47
を作動させ、運転者や作業者に異常発生を知らせる。こ
のような構成の判定回路により、車軸の回転速度の変化
に従って、異常検出用の温度のアラーム閾値をリアルタ
イムで変更できるので、高速回転時だけでなく、低速回
転時に発生する軸受の異常も検出できる。また、速度信
号の代わりに、回転駆動用モータに供給する電流値を用
いても同様の効果を得ることができる。
されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能であ
る。例えば、センサ検出信号を、ローパスフィルタやオ
ペアンプを介して、センサユニットの外部に伝送するよ
うにしてもよい。また、軸受装置における転がり軸受は
複列円すいころ軸受に限らず、玉軸受、円筒ころ軸受、
球面ころ軸受など、単列・複列を問わず適用できること
は言うまでもない。
センサ検出温度に基づいて、異常発生を確実に検知でき
るセンサ付軸受装置及びセンサ付軸受装置の異常検知方
法を提供できる。
係を表すグラフである。
係を表すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 転がり軸受と、温度センサとを有するセ
ンサ付軸受装置であって、 前記温度センサから発生する温度情報を所定時間毎に得
て、前記温度情報の変化率に基づき、前記転がり軸受の
発熱量の推移を推定する制御手段を備えていることを特
徴とするセンサ付軸受装置。 - 【請求項2】 転がり軸受と、温度センサとを有するセ
ンサ付軸受装置であって、 前記温度センサから発生する温度情報を所定時間毎に得
て、前記温度情報の変化率が所定の閾値を超える場合
に、異常が発生したと判定する制御手段を備えているこ
とを特徴とするセンサ付軸受装置。 - 【請求項3】 前記制御手段は、所定時間毎に得られる
温度情報のうちの先に検出された温度情報を第一の記憶
手段に格納し、所定時間後に検出された温度情報を第二
の記憶手段に格納し、先の温度情報及び後の温度情報に
基づき変化率を算出した後、前記後の温度情報を前記第
一の記憶手段に上書きして、所定時間後に次の温度情報
を前記第二の記憶手段へ格納する請求項1又は2に記載
のセンサ付軸受装置。 - 【請求項4】 転がり軸受と温度センサとを有するセン
サ付軸受装置の異常検知方法であって、 前記温度センサから発生する温度情報を所定時間毎に得
て、前記温度情報の変化率が所定の閾値を超える場合
に、異常が発生したと判定することを特徴とするセンサ
付軸受装置の異常検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002072701A JP2003269447A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | センサ付軸受装置及びセンサ付軸受装置の異常検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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