JP2012098253A - 軸受異常診断装置および軸受異常診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この軸受異常診断方法は、転がり軸受に温度センサ付設した複数のセンサ付き軸受装置に対し、複数の温度センサからリアルタイムに得られる複数の温度情報の平均値を算出し(ステップS3)、その平均値に基づく複数の転がり軸受の相対温度差が所定の第一の閾値に達したときに(ステップS6)、最大値を記録した温度センサの温度情報に対して点数付けを行ない(ステップS7)、所定期間内に前記最大値を記録した温度センサの点数履歴を監視し(ステップS8)、その監視する点数履歴の総和が所定の第二の閾値に達したときに、点数の総和が当該第二の閾値を超えたセンサ付き軸受装置を異常と判定する(ステップS9)。
【選択図】図4
Description
この異常検出方法は、転がり軸受の状態を温度測定によってモニタリングし、回転速度に基づき、異常検出用の温度アラーム閾値を回転速度の変化に従って決定している。そして、複数の軸受から得られる温度情報から最大値を求め、その最大値を除いた他の温度情報の平均値と標準偏差に基づく温度アラーム閾値を最大温度値が超えた場合に、その最大値の温度情報を発生したセンサ付き軸受装置を異常と判定するものである。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、転がり軸受の状態を温度測定によってモニタリングして軸受異常診断を行なう上での外乱因子の影響を少なくして、軸受異常発生を精度良く検出し得る軸受異常診断装置および軸受異常診断方法を提供することを目的としている。
また、第一の発明に係る軸受異常診断装置において、前記温度情報が、絶対温度、温度上昇率、または相対温度差のいずれかであることは好ましい。
さらに、本発明に係る軸受異常診断装置ないし異常診断方法は、その平均値に基づく前記複数の転がり軸受の相対温度差が所定の第一の閾値レベルに達した転がり軸受についてこれを抽出し、その抽出したセンサ付き軸受装置について、そのときのパラメータ(例えば、絶対温度、温度上昇率、相対温度差等)を重み付け(点数付け)し、所定期間内における点数履歴の総和が所定の第二の閾値を超えた場合を軸受異常と判定するので、センサ付き軸受装置の温度情報が記録されるようなイベントが発生したときに、そのときの温度情報に対して重み付けを行ない、所定期間での転がり軸受の点数履歴を監視することにより、突発的に発生する外乱の影響を除去することができる。そのため、転がり軸受の状態を温度測定によってモニタリングして軸受異常診断を行なう上での外乱因子の影響を少なくして、軸受異常検出精度を向上させることができる。
まず、軸受異常診断装置10の構成を説明する。
上記鉄道車両100の1つの台車は、図2に示すように、2つの車軸の端部に取り付けられた4つの車輪1と、車輪1毎に設けられた4つのセンサ付き軸受装置14とを有している。各センサ付き軸受装置14には、軸受装置14内の転がり軸受の温度を測定するための温度センサSが1個ずつ取り付けられている。なお、同図においては、1つの台車分のセンサ信号(温度情報)が制御部20に入力されているが、図1に示すように、2台車分(1車両分)のセンサ信号が制御部20に入力されていてもよい。
制御部20は、内部に、ROM20a、RAM20b、およびカレンダー機能付きリアルタイムクロック20cを備え、また、軸受装置14内の転がり軸受に異常が発生した場合に、外部装置と通信するシリアル通信機能およびI/Oポートを備えている。なお、本実施形態の例では、更に、外部からの速度信号(速度情報)を取り込む速度信号取得手段12を有し、制御部20は、軸受の回転速度を算出することができ、また、必要な表示を表示器16に表示できるようになっている。
この軸受異常診断装置および軸受異常診断方法によれば、制御部20は、センサ付き軸受装置14の温度情報が記録されるイベントが発生したときに、そのときの温度情報に対して重み付けを行なうとともに、所定期間でのセンサ付き軸受装置14の点数履歴を監視することにより、突発的に発生する外乱の影響を除去し、軸受異常検出精度を向上させる効果を有する。
つまり、この制御部20は、まず、速度情報取得手段12から取得された速度情報が所定の速度α(所定の第三の閾値)以上のときに限ってステップを進める(ステップS1〜S2)ので、速度α以上の場合に限った温度情報を取得することで、鉄道車両100の停止時の温度情報を無視することができる。
例えば、上記実施形態では、センサ付き軸受装置14の温度情報が記録されるようなイベントとして、速度情報取得手段12から取得された速度情報が所定の速度α(所定の第三の閾値)以上のときに限ってステップを進め、予め設定したおいた点数(閾値ζ点(第二の閾値))を超えたセンサ付き軸受装置を異常と判定する例で説明したが、これに限定されず、速度情報取得手段12およびこれに基づく処理を行なわない構成としてもよい。しかし、速度α以上の場合のみ温度情報を取得することで、鉄道車両100の停止時の温度情報を無視することができるため、軸受温度が上昇する走行中のみを診断する上で好適である。なお、加速度や減速度を算出して、転がり軸受の温度が低下する減速時の温度情報を無視してもよい。
上記実施形態において、複数の温度センサからの温度情報を処理する制御部における判定ステップでの具体的な処理につき、閾値の設定や点数化する際に参照するデータテーブルの内容の具体的構成について、以下実施例に基づき説明する。
この例では、軸受異常診断装置は、外部からの速度情報により、軸受がある速度以上で回転しているか否かを判断し、時速30km/h以上の速度(低速では軸受が発熱しにくいため)になると温度計測を開始する。
正常な軸受の場合、平均温度は40℃〜60℃程度であり、低温時の誤判定を除くために、算出した平均温度が40℃以上の場合に次のステップへと移行する。
第二の閾値は、10日間の温度履歴を監視し、軸受単体の絶対温度の履歴を判定値としている。仮に、第二の閾値を200点とおいた場合、10日間で相対温度差30〜40℃で絶対温度80〜100℃が10回以上記録された場合に軸受異常と判定する。第二の期間に軸受異常の判定に用いるデータは第一の期間とは別のデータであり、10日間のデータは古い順に新しいデータが上書きされる。
10 軸受異常診断装置
12 速度信号取得手段
14 センサ付き軸受装置
16 表示器
20 制御部
100 鉄道車両
S(S1〜S4(〜Sx)) 温度センサ
Claims (4)
- 転がり軸受を有する複数のセンサ付き軸受装置に用いられて前記転がり軸受の温度を測定する複数の温度センサと、該複数の温度センサからの温度情報を処理する制御部とを有する軸受異常診断装置であって、
前記制御部は、前記複数の温度センサからリアルタイムに得られる複数の温度情報の平均値を算出する平均値算出手段と、その平均値に基づく前記複数の転がり軸受の相対温度差が所定の第一の閾値に達したときに、最大値を記録した温度センサの温度情報に対して点数付けを行なうとともに、所定期間内における前記最大値を記録した温度センサの点数履歴を監視する点数履歴監視手段と、その監視する点数履歴の総和が所定の第二の閾値に達したときに、その点数の総和が当該第二の閾値を超えたセンサ付き軸受装置を異常と判定する異常判定手段とを有することを特徴とする軸受異常診断装置。 - 外部からの速度情報を取得する速度情報取得手段を更に備え、前記異常判定手段は、前記速度情報取得手段から取得された速度情報が所定の第三の閾値以上のときに限って前記第二の閾値を超えたセンサ付き軸受装置を異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の軸受異常診断装置。
- 前記温度情報が、絶対温度、温度上昇率、または相対温度差のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受異常診断装置。
- 転がり軸受と、該転がり軸受の温度を測定する温度センサとを有する複数のセンサ付き軸受装置に用いられ、前記複数の温度センサからの温度情報に基づいて前記センサ付き軸受装置の異常を診断する方法であって、
前記複数の温度センサからリアルタイムに得られる複数の温度情報の平均値を算出する平均値算出工程と、その平均値に基づく前記複数の転がり軸受の相対温度差が所定の第一の閾値に達したときに、最大値を記録した温度センサの温度情報に対して点数付けを行なうとともに、所定期間内に前記最大値を記録した温度センサの点数履歴を監視する点数履歴監視工程と、その監視する点数履歴の総和が所定の第二の閾値に達したときに、その点数の総和が当該第二の閾値を超えたセンサ付き軸受装置を異常と判定する異常判定工程とを含むことを特徴とする軸受異常診断方法。
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