JP4199871B2 - 非水電解液二次電池負極材料および非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムイオン電池等の非水電解液二次電池、およびこれに用いる負極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的な非水電解液二次電池であるリチウムイオン電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質と集電体などからなる正極、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質と集電体などからなる負極、リチウム塩を非水溶媒に溶解してなる電解液、セパレータ、及び電池容器などから構成されるものであるが、高エネルギー密度という優れた特長を有するため、近年その需要が急激に高まっている。
【0003】
該リチウムイオン電池においては、充電時には正極活物質中から放出されたリチウムイオンは負極活物質中に吸蔵され、放電時には負極活物質中に吸蔵されたリチウムイオンが放出されて正極活物質中に吸蔵される。このため、リチウムイオン電池の重要な特性の一つである充放電容量は、使用する負極活物質の影響を強く受ける。現在実用化されているリチウムイオン電池は、負極活物質としてカーボンを使用しており、その充放電容量も600mAh/gという値を示すことが報告されているが、カーボンはその比重が小さいため体積当たりの容量では充放電容量が十分ではなく、より高い充放電容量を達成するために、さらに高いリチウムイオン吸蔵能及び放出能を有する負極活物質が検討されている。
【0004】
珪素は古くからリチウムイオンを吸蔵・放出することが知られており(Ram A. Sharma and Randoll N. Seafurth, J.Electrochem. Soc. Dec. 1763-1768 1976年)、該性質を利用して珪素をリチウムイオン電池の電極活物質として使用することが検討されている。珪素はカーボンに比べ比重が大きく、多量のリチウムイオンを吸蔵、放出することができる。よって、非水電解液二次電池の負極活物質として珪素を用いることにより、カーボンに比べ体積エネルギー密度が大幅に向上する。このため、珪素は高容量のリチウムイオン電池を与える負極活物質として注目され始めている。
【0005】
しかしながら、珪素を負極活物質として用いた場合には、初期の充電容量は大きくなるものの放電容量が小さくてその容量差が大きく、更に充放電サイクルを重ねるにつれて容量が急激に低下するという問題を残していた。また、珪素の単結晶を活物質として用いたものも提案されているが(特開平5−74463号公報)、前記問題を解決するには至っていない。
【0006】
近年、負極活物質として珪素の低級酸化物を用い容量及びサイクル特性の向上を試みたものがある(特開平10−270088号公報、特開平10−50312号公報)。しかし、初期の充電容量と放電容量の差(以下、不可逆容量とも呼ぶ)が大きく、放電容量が小さかった。また、珪素にホウ素やリンをドープすることにより容量を大きくすることを試みたものがあるが(特開平10−83817号公報)、放電容量は453mAh/gと依然として小さく、満足できるところまで至っていない。また、珪素の導電性が10-5Scm-1以上で、導電性付与材であるアセチレンブラックの添加量が1〜30重量%のものが(特開平10−284129号公報)、非水電解液二次電池負極として優れていると提案されているが、初期効率(初期放電容量/初期充電容量×100)は平均70%と低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、初期不可逆容量が小さく、初期効率が例えば80%以上となるような放電容量の大きな非水電解液二次電池、及びこの様な電池特性を与える珪素系負極活物質を用いた非水電解液二次電池負極材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
通常、非水電解液二次電池負極においてアセチレンブラック等の導電性付与材の添加量が多くなるとその導電性付与効果が飽和するだけでなく、使用できる負極活物質量が少なくなって却って放電容量が低下するために、導電性付与材の添加量は負極活物質100重量部に対して30重量部程度が好適とされ、従来のほとんどの非水電解液二次電池負極材料における導電性付与材の添加量もこの程度である。
【0009】
本発明者等は、上記のような常識にとらわれずに、添加する導電性付与材の量を大きく変えて種々検討を行ったところ、偶然にも、負極活物質として珪素系材料に硼素やリンがドープされてなる負極活物質を用いた場合には、導電性付与材を負極活物質と同重量以上となるように多量添加すると負極活物質の使用量の低下に伴う容量の低下を補って余りあるほどの著しい充放電効率の向上、およびサイクル特性の向上が見られるという知見を得、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、珪素単体又は無機珪素化合物に周期律表13族および15族から選ばれる少なくとも1種の元素がドープされてなる珪素系負極活物質100重量部、並びに導電性付与材100〜180重量部を混合することにより調製される組成物からなることを特徴とする非水電解液二次電池負極材料である。
【0011】
また、他の本発明は、正極、負極、非水電解液、及びセパレータを容器内に収納してなる非水電解液二次電池において、負極が上記の非水電解液二次電池負極材料より構成されることを特徴とする非水電解液二次電池である。
【0012】
本発明により上記のような優れた効果が発現する理由は今のところ不明であるが、珪素系負極活物質の導電性はドープにより既に高められており、しかも導電性付与材の添加による導電性の向上効果は少ない添加量で飽和していると考えられることから、導電性付与材を高度に添加したときに特有の導電性以外の何らかの要因が作用しているものと考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0014】
本発明の非水電解液二次電池負極材料においては、珪素単体又は無機珪素化合物に周期律表13族および15族から選ばれる少なくとも1種の元素がドープされた珪素系負極活物質を使用する。
【0015】
ここで、珪素または無機珪素化合物(以下、珪素材料とも言う。)としては、単結晶珪素、多結晶珪素、アモルファス珪素等の珪素単体;一般式SiOx(0<X<2)で表される珪素の低級酸化物;珪素の窒化物及び炭化物;B、Al、Ga、In等の周期律表13族元素、Ge、Sn、Pb等の周期律表14族元素、P、As、Sb等の周期律表15族元素、Ti、Zr、Hf等の周期律表4族元素、V、Nb、Ta等の周期律表5族元素、Cr、Mo、W等の周期律表6族元素、Mn、Re等の周期律表7族元素、Fe、Ru等の周期律表8族元素、Co等の周期律表9族元素、及びCu、Ag等の周期律表11族元素から選ばれる1つ以上の元素と珪素との合金等が使用できる。
【0016】
上記の各珪素材料としては、従来公知の製造方法により製造されたものが何ら制限なく用いられる。例えば、珪素単体についてはケイ石を炭素還元した金属級珪素を用いても良い。また、性能の安定性という観点からは金属系珪素を塩酸と反応させて精製したSiCl4,SiHCl3,SiH2Cl2等のシラン系ガスを熱分解又はプラズマ分解して得られる高純度多結晶珪素を用いることもできる。さらに、多結晶珪素からFZ法、CZ法等の公知の方法によって得られる単結晶珪素やプラズマCVD法等により得られるアモルファス珪素を用いても良い。珪素の低級酸化物については、例えば、珪素と二酸化珪素を等量混合し真空中で加熱し凝縮させた後、得られた凝集物質を10-1Torr以下の不活性ガス中で1000℃以上に加熱して得られたもの、或いは酸化珪素系混合材料を電子ビーム加熱によって真空蒸発させ蒸着させて得られたものなどが使用できる。
【0017】
本発明で使用する珪素系負極活物質においては、初期の不可逆容量を低減させるために、珪素材料に周期律表13族および15族から選ばれる少なくとも1種の元素(以下、ドープ元素とも言う。)をドープすることが重要である。その理由は、必ずしも明確ではないが、1つの理由としてこれらの元素をドープすることにより導電性を含めた物性が大きく変化するためではないかと考えられる。
【0018】
ドープ元素は周期律表13族、15族元素であれば特に限定されないが、ホウ素(B)、リン(P)、アンチモン(Sb)、砒素(As)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等の3価または5価の元素をドープするのが好適である。この中でもホウ素、リン、アンチモンはドープしやすく、ひいては導電性を制御しやすいという点で特に好ましい。
【0019】
ドープ元素のドープ量は特に限定されず、ドープ元素の種類に応じて適宜決定すれば良いが、例えばホウ素、リン、及びアンチモンをそれぞれ単独でドープする場合には、活物質の体積当たりのドープ元素の原子数で表して、それぞれホウ素につて1.5×1019原子/cm3以上、リンについて9.0×1018原子/cm3以上、アンチモンについて1.0×1018原子/cm3以上ドープするのが好適である。ホウ素、リン、及びアンチモンのこれらのドープ量は通常の半導体用途でのドープ量と比較してかなり大きい量であるが、このようなドープ量のものを非水電解液二次電池負極活物質として用いた場合には、不可逆容量の低減効果は特に高い。
【0020】
ドープ元素を珪素材料へドープする方法は特に制限されず、拡散法、イオン打ち込み法、世代法、ガスドープ法等の公知の方法が何ら制限なく用いられる。また、珪素材料作製時に同時にドープしても良いし、作製後にドープしても良い。
【0021】
本発明では、効果の高さや調製の容易さの観点から、単結晶や多結晶珪素等の珪素単体にホウ素、リン、又はアンチモンが、ホウ素について1.5×1019原子/cm3以上、リンについて9.0×1018原子/cm3以上、アンチモンについて1.0×1018原子/cm3以上ドープされた珪素系負極活物質を用いるのが好適である。
【0022】
本発明の非水電解液二次電池負極材料においては、前記珪素系負極活物質に導電性付与材を珪素系負極活物質100重量部に対して100〜180重量部添加する必要がある。珪素系負極活物質100重量部に対する導電性付与材の添加量が100重量部より少ない時には、ドープ元素をドープした前記珪素系負極活物質を用いても不可逆容量の低減効果が不十分であり、導電性付与材の添加重量は珪素系負極活物質の重量より僅かでも多い方が好ましい。また、導電性付与材の添加量の上限は特に制限されないが、あまり添加量を多くすると負極中の活物質量が相対的に少なくなり放電容量が減少するため、上限としては180重量部が適当である。
【0023】
本発明で使用する導電性付与材としては、アセチレンブラック、天然黒鉛、鱗片状黒鉛、膨張黒鉛、粒状黒鉛、繊維状黒鉛等の炭素系導電性付与材;酸化錫繊維などの導電付与効果のある材料等が挙げられる。
【0024】
本発明の非水電解液二次電池負極材料は、それぞれ所定量の前記珪素系負極活物質と導電性付与材とを適宜混合することにより調製することができる。このとき、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤やN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒を添加しても良い。これら結着剤や溶媒と混練してペースト状にしたものは、取扱いが容易で非水電解液二次電池を製造するのに適している。結着剤及び溶媒の添加量は特に限定されないが、通常、珪素系負極活物質と導電性付与材との混合物100重量部に対して1.0〜50重量部程度及び0.1〜10重量部程度である。
【0025】
これら各材料の混合方法は特に限定されないが、混練機、混合機などを用いて、それぞれ所定量の珪素系負極活物質、導電性付与材、及び結着剤を先ず混練し、次いで所定量の溶媒を添加・混練し、ペーストを製造するのが好適である。
【0026】
本発明の非水電解液二次電池負極材料は、正極、負極、非水電解液、及びセパレータを容器内に収容してなる一般的な非水電解液二次電池の負極材料として使用した場合に、電池の初期の充放電効率、放電容量、およびサイクル特性を改善する。
【0027】
本発明の非水電解液二次電池は、負極材料として前記した本発明の非水電解液二次電池負極材料を使用する以外は、従来の非水電解液二次電池と特に変わるところはない。
【0028】
即ち、正極、集電体、非水電解液、セパレータなどは、従来の非水電解液二次電池に用いられている材料が何ら制限なく使用される。
【0029】
正極活物質としては、TiS2、MoS2、FeS2などの硫化物、NbSe3などのセレン化物などのカルコゲン化合物、あるいはCr2O5、Cr3O8、V3O8、V2O5、V6O13などの遷移金属の酸化物、LiMn2O4、LiMnO2、LiV3O5、LiNiO2、LiCoO2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物、あるいはポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジスルフィド結合を有する架橋高分子などのリチウムを吸蔵、放出することが可能な材料を使用することができる。
【0030】
集電体としては、銅、アルミニウムなどからなる帯形状の薄板あるいはメッシュなどを用いることができる。
【0031】
非水電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの単独あるいは2種類以上の混合非水溶媒に、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Liなどのリチウム塩が溶解してなる非水電解液がいずれの組合せにおいても使用可能である。
【0032】
セパレータとしては、イオンの移動に対して低抵抗であり、かつ溶液保持性に優れたものを用いればよい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリフロンなどからなる高分子ポアフィルター、ガラス繊維フィルター、不織布、あるいはガラス繊維とこれらの上記高分子からなる不織布が使用可能である。更に、電池内部が高温になったとき、溶融して細孔をふさぎ、正極及び負極のショートを防ぐ材料が好ましい。
【0033】
本発明の非水電解液二次電池の製造方法も従来の非水電解液二次電池の製造方法と特に変わるところはなく、例えば次のような方法により好適に製造することが出来る。
【0034】
すなわち、まず、前記したような方法によりペースト状の本発明の非水電解液二次電池負極材料を調製する。次いで、調製したペーストを集電体に塗布、充填あるいは含浸させ、溶媒を乾燥、除去した後、加圧、切断などを行って所望の形状に加工して負極とする。この様に加工した負極と、これと同様にして製造した正極をセパレータを介して帯状に重ね、円筒型非水電解液二次電池であれば円柱状に巻回し、また角型非水電解液二次電池であれば折り重ねて、電極部分を製造する。そして、その後、この電極部分を所望の電池容器に挿入し、非水電解液を注入後、安全装置などを挿入し、封缶することにより製造することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
なお、各実施例及び比較例における充放電容量の測定、及び充放電サイクル試験は、次のようにして行った。
【0037】
充放電容量の測定: 充放電装置(北斗電工製)を用いて、各実施例及び比較例で作成した簡易型リチウム電池の充放電サイクル試験を行い、放電時間t(単位;時間)を測定することにより負極活物質の第1サイクル目の充放電容量を測定した。
【0038】
充放電サイクル試験: 該試験は、各簡易型リチウム電池について、48mA/gに相当する電流値(一定)、および充放電0〜1.0Vの範囲内で充放電を10回繰り返した。サイクル特性は、サイクル数増加に伴う放電容量の低下の度合い(低下が少ない方がサイクル特性が高い)で評価される。
【0039】
上記の測定結果に基づいて初回の充放電容量を求めた。充放電容量は、ペースト中に添加した活物質の単位重量当たりの量として算出した。即ち、導電性付与材であるアセチレンブラックの充放電容量は0と仮定して計算を行った。さらに、充放電1サイクル目の充電容量と放電容量より不可逆容量を算出し、初期効率を求めた。
【0040】
実施例1
ホウ素(B)が1.5×1019原子/cm3ドープされた単結晶珪素を乳鉢で粉砕した。
【0041】
珪素粉末100重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン2.5重量部と、導電性付与材としてアセチレンブラック102重量部とを乳鉢で混練後、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに混練後、ペーストを得た。このペーストを銅箔に塗布し100℃の真空乾燥機にて24時間乾燥した後、圧延し負極とした。非水電解液には、LiPF6(1モル/リットルの濃度)をエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの等体積混合溶媒に溶解したものを使用し、リチウム金属を対極として、コイン型電池を作成した。
【0042】
この様にして作製したコイン型電池について充放電容量の測定、及び充放電サイクル試験を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
実施例2
11Nの多結晶珪素((株)トクヤマ製)及び高純度金属ボロンをアルゴンガス雰囲気中で黒鉛製サセプターの石英るつぼに入れて加熱溶解させて、金属ボロンのドープ量が1.6×1019原子/cm3である多結晶珪素を得た。この多結晶珪素を粉砕して用いること以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1及び図1に示す。
【0045】
比較例1
ホウ素(B)がドープされていない珪素単体を負極活物質として用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製した。得られたコイン型電池について充放電容量の測定、及び充放電サイクル試験を行った。結果を表1及び図1に示す。ドーピングされていない珪素単体を用いた場合には、導電性付与材の添加量を多くしても、実施例の結果と比べて効率およびサイクル特性が悪いことが分かる。
【0046】
比較例2
導電性付与材であるアセチレンブラックの量を珪素粉末100重量部に対して44重量部とした以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製した。得られたコイン型電池について充放電容量の測定、及び充放電サイクル試験を行った。結果を表1及び図1に示す。導電性付与材の添加量が少ない場合には、ドーピングされた珪素粉末を用いても、実施例の結果と比べて効率およびサイクル特性が悪いことが分かる。
【0047】
【発明の効果】
珪素単体又は無機珪素化合物に、ホウ素、リンあるいはアンチモン等の13族あるいは15族から選ばれる少なくとも1種の第二元素をドープした珪素系負極活物質とアセチレンブラック等の導電性付与材を特定量配合した組成物からなる非水電解液二次電池負極材料を用いて作成した本発明の非水電解液二次電池は、初期の充放電効率が80%以上と高いばかりでなく、サイクル特性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各実施例および比較例で作成したコイン型電池のサイクル特性(サイクル回数と各サイクルに於ける放電容量の関係)を示すグラフである。
Claims (3)
- 珪素単体又は無機珪素化合物に周期律表13族および15族から選ばれる少なくとも1種の元素がドープされてなる珪素系負極活物質100重量部、並びに導電性付与材100〜180重量部を混合することにより調製される組成物からなることを特徴とする非水電解液二次電池負極材料。
- 珪素単体又は無機珪素化合物にドープされる周期律表13族および15族から選ばれる少なくとも1種の元素がホウ素、リン、又はアンチモンであり、これら元素のドープ量が珪素系負極活物質の体積当たりの原子数で表して、それぞれホウ素について1.5×1019原子/cm3以上、リンについて9.0×1018原子/cm3以上、アンチモンについて1.0×1018原子/cm3以上であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池負極材料。
- 正極、負極、非水電解液、及びセパレータを容器内に収納してなる非水電解液二次電池において、負極が請求項1又は請求項2に記載の非水電解液二次電池負極材料より構成されることを特徴とする非水電解液二次電池。
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