JP4193178B2 - 平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4193178B2
JP4193178B2 JP2004046175A JP2004046175A JP4193178B2 JP 4193178 B2 JP4193178 B2 JP 4193178B2 JP 2004046175 A JP2004046175 A JP 2004046175A JP 2004046175 A JP2004046175 A JP 2004046175A JP 4193178 B2 JP4193178 B2 JP 4193178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
bundle
cutting
lithographic printing
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004046175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005231872A (ja
Inventor
泰広 案浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2004046175A priority Critical patent/JP4193178B2/ja
Publication of JP2005231872A publication Critical patent/JP2005231872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4193178B2 publication Critical patent/JP4193178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は平版印刷版の製造方法に係り、特に平版印刷版と合紙との積層束を反転させて包装する平版印刷版の製造方法に関する。
近年の製版法(電子写真製版法を含む)では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や感熱性印刷板等の平版印刷版が広く用いられている。平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造される。この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。
この平版印刷版を荷扱い(運搬や保管等)する場合、支持体に塗布された塗布膜を保護するために、合紙と呼ばれる紙を塗布膜に接触させることがある。特に、平版印刷版を効率よく荷扱いするために、複数の平版印刷版を厚み方向に積層して平版印刷版性の積層束を構成し、この積層束を包装した状態で荷扱いすることがあり、この場合は上記した合紙を塗布膜に接触させることが好ましい。
また、平版印刷版と合紙との積層束を反転させて包装する形態がある(例えば特許文献1参照)。この場合には、平版印刷版の膜面(感光層側)が上側になるようにして積層した積層束を、反転機を用いて反転させた後、包装機によって包装する。
ところで、必要ロット数が少ない製品は、裁切断ラインにおいて予め、製品サイズよりも大きいサイズ(以下、マスターサイズという)にまとめ切りして積層しておく。そして、反転機で積層束を反転させた後、その積層束を包装する直前に束断裁機を用いて製品サイズに最終カットする。これにより、製品サイズを変更するたびに裁切断ラインの設定を変更する必要がなくなり、少ロット製品を効率良く製造することができる。
特開2002−370818号公報
しかしながら、従来の製造方法は、合紙の種類によっては、束断裁機での断裁不良を発生するおそれがあった。例えば、合紙の種類を従来のポリエチレンラミネートから、天然木材パルプを用いた普通紙に変更すると、断裁面が凸凹になるという不具合を発生するおそれがあった。
本発明の発明者がこの原因を調べたところ、普通紙は潤滑作用が少ないため、断裁刃を積層束に押し込んだ際に、断裁刃に平版印刷版の基材であるアルミが付着することが原因であるとの知見を得た。さらに、このような不具合は、束断裁時における平版印刷版の膜面の向きに依存するとの知見を得た。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、膜面(感光層側)が下側に配置された平版印刷版と合紙との積層束の包装体を製造する製造方法において、合紙の種類に依らず、積層束の束断裁を良好に行うことのできる平版印刷版の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために、平版印刷版の感光層側が下側に配置された平版印刷版と普通紙から成る合紙との積層束の包装体を製造する平版印刷版の製造方法において、平版印刷版用のウエブを裁切断することによって製品サイズよりも大きいマスターサイズの平版印刷版を形成するとともに、前記平版印刷版の感光層側が上側に配置された状態で該平版印刷版と合紙との積層束を形成する裁切断ラインと、前記裁切断ラインで形成された積層束を製品サイズに束断裁する束断裁工程と、前記束断裁工程で束断裁された積層束を上下反転させる反転工程と、前記反転工程で上下反転された積層束を包装する包装工程と、を含むことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、平版印刷版と合紙との積層束を上下反転する前に束断裁するので、平版印刷版の感光層側が上側に配置された状態で積層束の束断裁が行われる。これにより、合紙の種類に依らず、切断面が凸凹になることを防止できる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記積層束をパレットで支持し、該パレットとともに前記積層束を反転させることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、積層束をパレットとともに反転させるので、反転作業を迅速、且つ容易に行うことができる。
本発明に係る平版印刷版の製造方法によれば、平版印刷版と合紙との積層束を反転する前に束断裁するので、合紙の種類に依らず、積層束の束断裁を良好に行うことができる。
以下添付図面に従って本発明に係る平版印刷版の製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
まず、本発明を用いて製造される平版印刷版の積層束について図1に基づいて説明する。
平版印刷版10は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム製の支持体の表面に各種の表面処理を施し、その上に塗布膜(感光性印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱層、さらに必要に応じて、オーバーコート層やマット層等)を塗布することにより形成されている。感材層の塗布前にプレコート層を塗布する場合には、支持体の裏面に機能性の塗膜を付与する場合もある。また、フィルム露光システム用の印刷版では、フィルム密着をよくする目的でマットを感光層表面に付与したり、感光層の化学変化制御機能を付与する目的で機能制御層を塗布する場合もある。このような感光性塗布膜に露光、現像処理、ガム引き等の製版処理を行い、印刷機にセットし、インクを塗布することで、紙面に文字、画像等が印刷される。
なお、上述した表面処理は、凹凸形状など親水性を付与させる等の目的で機械的、化学的、電気化学的に行われ、さらには陽極酸化皮膜付与等の目的で行われる。また、平版印刷版10の支持体に用いられるアルミニウムとしては、例えばJIS1050材、JIS1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等を適用することができる。
本実施形態の平版印刷版10は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるいは平版印刷版材と称されることもある。このような構成とされていれば、平版印刷版10の具体的構成は特に限定されないが、例えば、ヒートモード方式およびフォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることができる。
また、平版印刷版10は、感光層又は感熱層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明の平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜(11)の態様が挙げられる。
(1)感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する態様。
(2)感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。
(3)感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。
(4)感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。
(5)感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。
(6)感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。
(7)感光層が、有機光導電体を含む態様。
(8)感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層とからなる2〜3層を含む態様。
(9)感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。
(10)感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。
(11)感光層が、光又は紫外線により分解して自己もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
特に、レーザー光の照射により現像液に対する可溶性が変化する感光層(又は感熱層)を有する平版印刷版では、画像形成面(感光層又は感熱層)が損傷を受けやすいため、本発明を適用すると、後述するようにいわゆる膜剥れを確実に防止でき、好ましい。
なお、ここでいうレーザー光の波長は特に限定されず、例えば、(A)波長域350〜450nmのレーザー(具体例としては、波長405±5nmのレーザーダイオード)、(B)波長域480〜540nmのレーザー(具体例としては、波長488nmのアルゴンレーザー、波長532nmの(FD)YAGレーザー、波長532nmの固体レーザー、波長532nmの(グリーン)He−Neレーザー)、(C)波長域630〜680nmのレーザー(具体例としては、波長630〜670nmのHe−Neレーザー、波長630〜670nmの赤色半導体レーザー)、(D)波長域800〜830nmのレーザー(具体例としては、波長830nmの赤外線(半導体)レーザー)、(E)波長1064〜1080nmのレーザー(具体例としては、波長1064nmのYAGレーザー)、等を挙げることができる。これらのうち、例えば、(B)及び(C)の波長域のレーザー光はいずれも、上記した(3)又は(4)の態様の感光層又は感熱層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。また、(D)及び(E)の波長域のレーザー光はいずれも、上記した(1)又は(2)の態様の感光層又は感熱層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。もちろん、レーザー光の波長域と感光層又は感熱層との関係はこれらに限定されない。
上記した(1)〜(11)の全ての態様の平版印刷版は、後述する積層束12を構成した状態で、自動給版機能を持った自動製版機やいわゆるプレートセッター等にセットされ、製版工程への供給(給版)される場合がある平版印刷版である。もちろん、(1)〜(11)以外の態様の平版印刷版であっても、前記自動製版機やプレートセッター等にセットされて製版工程へ供給される平版印刷版であれば本発明を適用することができる。
また、平版印刷版10の形状等は特に限定されず、例えば、厚み0.1〜0.5mm、長辺(幅)300〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500mmのアルミニウム板の片面に感光層または感熱層が塗布されたもの等とすることができる。
図1に示すように、平版印刷版10の積層束12は、上述した平版印刷版10と、塗布膜を保護する合紙14と、を交互に厚み方向に重ね合わせ、さらにこの上面及び下面に保護用厚紙22を配置して構成されている。1つの積層束12を構成する平版印刷版10の数は特に限定されないが、運搬や保管の効率化の観点等から、例えば10枚〜100枚とすることができる。また、このように10枚〜100枚の平版印刷版10によって積層束12を構成した場合には、平版印刷版10と保護用厚紙22とがずれないように、粘着テープ等の固定手段でこれらを固定することが好ましい。また、さらに多くの平版印刷版10によって積層束12を構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や保管をできるようにすることも可能である。例えば、平版印刷版10の枚数を最大で3000枚程度とし、平版印刷版10の20〜100枚ごとに保護用厚紙22を入れるようにしてもよい。さらに、平版印刷版10の枚数を最大で3000枚程度とし、その上下にのみ保護用厚紙22を配置してもよい。加えて、平版印刷版10の種類によっては、保護用厚紙22を省略してもよい。
このようにして構成された積層束12を、図2に示すように、遮光性及び防湿性を有する内装紙16によって内装し、粘着テープ24によって内装紙16を所定位置で張り付ける。これによって、不用意に内装紙16が広がったり脱落したりしないように固定され、平版印刷版10は確実に遮光及び防湿される。なお、平版印刷版10の種類や運搬方法等に応じて、積層束12をさらに外装箱によって外装したり、パレットに積載したりしてもよい。
ここで、前述した合紙14は、後述の裁断特性を有していれば、その材料や物性は特に限定されない。したがって、材料コストの低いものを選択することで、合紙14を低コストで製造することができる。例えば、合紙14として、木材パルプを100%使用した紙や木材パルプを100%使用せずに合成パルプを使用した紙等を使用できる。特に、合成パルプを使用しない紙では、材料コストが低くなるので、低コストで合紙14を製造することができる。より具体的には、漂白クラフトパルプから抄造した坪量30〜60g/m2 、密度0.7〜0.85g/cm3 、水分4〜6%、pH4〜6の合紙が挙げられるが、もちろんこれに限定されるものではない。また、感光層との接触部のベック平滑度が3秒以上900秒以下のものが、プレートセッターでの合紙取りの安定化に効果的である。
図3は、上述した平版印刷版10の積層束12を製造する製造方法を示すブロック図である。
平版印刷版10の積層束12は、図3に示すように、裁切断ライン100、束断裁工程200、反転工程220、及び包装工程240を経て製造される。裁切断ライン100では、製品サイズよりも大きいマスターサイズの平版印刷版10の積層束12を製造する。そして、この積層束12を束断裁工程200において製品サイズにカットした後、反転工程220において平版印刷版10の膜面(感光層側)が下側になるように反転させる。これを包装工程230において積層束12を包装することによって、図2に示した積層束12が製造される。以下、各工程について説明する。
図4は、裁切断ライン100の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、裁切断ライン100の上流側(図4右上側)には、送出機102が設けられ、この送出機102に、長尺状のアルミウエブ104がコイル状に巻回されて装着されている。
このアルミウエブ104は、メーカでの製造過程において、前述のアルミ材規格に適合するアルミニウムの鋳塊を製造し、このアルミニウム鋳塊を熱間圧延した後、必要に応じて焼鈍と呼ぶ熱処理を施し、冷間圧延により所定の厚さとした帯状体を、さらに平版印刷版の製造工程において、必要に応じて表面処理を施し、所望の塗布液を塗布して形成されたものである。よって、アルミウエブ104は、アルミニウム製の支持体上に感光層を予め形成したものであり、この感光層が平版印刷版10の画像形成面となる。
アルミウエブ104は、裁切断ライン100によって裁切断されて所望のサイズとされるが、必要数が数束程度の少量ロットの場合は、マスターサイズにまとめ切りした後、後述する束断裁機で各々の製品サイズに最終カットされ、平版印刷版10が製造される。この平版印刷版10は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版、或いは平版印刷版と称されることもある。
送出機102に装着されたアルミウエブ104は送出機102から巻き戻され、裁切断ライン100に連続して送り出される。送り出されたアルミウエブ104は、レベラ106でカール矯正された後、重ね合わせ装置108の位置で、合紙14が重ね合わされて帯電接着される。以下、アルミウエブ104と合紙14が重ね合わされたものをウエブ116という。
ウエブ116は、ノッチャー118に移送され、ノッチャー118によってウエブ116の耳部が打ち抜かれる。この打ち抜き位置に応じて、後述するスリッタ装置120のトリミング上刃122とトリミング下刃124が平版印刷版10の幅方向に移動される。
ノッチャー118によって耳部が打ち抜かれたウエブ116は、スリッタ装置120に移送され、スリッタ装置120のトリミング上刃122とトリミング下刃124とによって所定幅にトリミングされる。その際、トリミング上刃122及びトリミング下刃124が、打ち抜き位置に応じてウエブ116の幅方向へ移動するので、ウエブ116を連続裁断しながら、トリミング幅(幅サイズ)を変更することができる。スリッタ装置120による裁断で生じたアルミの裁断屑は、不図示のチョッパに送られて細かく切断された後、回収コンベアによって回収箱に回収される。なお、スリッタ装置120を含む裁断ユニットを二組用意し、一方の裁断ユニットでアルミウエブ104の裁断を行うようにすると、もう一方の裁断ユニットで刃交換等の段取り作業を行うことができ、ライン停止時間を最小限にすることができる。
所定幅に裁断された平版印刷版10は、測長装置126で送り長が検出され、支持されたタイミングで走間カッタ128により切断される。これにより、設定されたサイズ(以下、マスターサイズという)の平版印刷版10が製造される。マスターサイズとなった平版印刷版10は、合格品と不良品に振り分けられた後、合格品がコンベア132によって集積装置134に移送される。
集積装置134では、合紙14が貼り合わされた複数の平版印刷版10をパレット136上に所定枚数積層する。これにより、平版印刷版10と合紙14とが交互に積層され、図1に示した平版印刷版10の積層束12が構成される。なお、積層束12の上下に若しくは片側に、厚紙等から成る保護シート(一般に「当てボール」と称される)22を配置することも可能である。また、集積装置134を二つ設け、交互に積層するようにしてもよい。これにより、積層束12を搬出する間も連続的にウエブ116の裁切断を行うことができる。
パレット136に積層された積層束12は、ラック倉庫(不図示)に搬送され、マスターシートとして保管される。そして、生産計画に基づいて出庫指示が出されると、指示されたマスターシートが束断裁工程200(図3参照)に搬送される。
束断裁工程200では、例えば図5に示すギロチン式の束断裁機が用いられる。図5に示す束断裁機は、断裁刃202を若干スイングさせながら下降させることによって、積層束12の裁断を行うように構成される。
断裁刃202は、母材204の先端に鋼206を取り付けることによって構成されている。母材204は、機械構造用炭素鋼鋼材S45C/S55C(JISG4051)または一般構造用圧延鋼材SS400(JISG3101)で作られており、また、鋼206の材質は、高速度工具鋼SKH51(JISG4403)または合金工具鋼SKD11(JISG4404)で、銀または銅等の金属を主成分とした蝋付け材で母材に蝋付けされている。さらに、鋼206の材質としては、粉末状の金属原料を混合後、粉末冶金法により製造(燒結)された、均一で微細な炭化物組織を有する超硬合金、粉末高速度工具鋼、粉末合金工具鋼等であっても良い。特に超硬合金は、超硬工具協会CIS019C”耐摩耐衝撃工具用超硬合金の材種選択基準”に記載されたV10〜V60や、粉末合金工具鋼では、一般の合金工具鋼SKD11と類似した化学成分でクロム量がより多い組成のものであっても良い。さらに、鋼206の硬さは、ショア硬さ(JISZ2246)で73〜95とされ、粉末原料を燒結した鋼では、ピッカース硬さ(JISZ2244)でHV600〜1800とされ、寸法は、高さ20〜80mm、厚さ2〜6mm(主に3mm)とされている。
鋼206の正面側には、傾斜した刃先面206Aが形成され、その背面側には微少に傾斜した刃先殺し面(不図示)が形成されている。この刃先殺し面によって、研磨したての鋼206でも刃こぼれがし難く、当初より安定した状態で断裁できるとともに、断裁面の角部にバリが少なくなる。また、鋼206の背面は、ピッカース屑硬さ(JISZ2244)3000〜5000のアモルファス構造の炭素膜がイオンプレーティングにより蒸着されており(図示省略)、膜厚が0.3〜3μmの通称ダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれるコーティング膜が形成されている。このようにコーティングして平版印刷版の断裁面との金属親和力を下げることで、鋼206に切り屑が付着し難くなるので(構成刃先が発生し難くなるので)、断裁面の質が良好となり、断裁刃202の寿命が長くなる。
上記の如く構成された束断裁機は、まず、受け台208の上に1〜10束の積層束12を積み重ね、4〜6トンの力が加えられたクランプ210で積層束12を押え、断裁刃202を下降しながら(スイングしながら)押し切る。そして、刃先が受け台(或いは受け台に埋め込んだ当て木)208に当たるまで押し込む。これにより、積層束12は、鋼206の刃先面206Aによってカットされる。その際、平版印刷版10の膜面が上になった状態で束断裁が行われるため、断裁刃202にアルミが付着しにくい。したがって、断裁面が凸凹になることがなく、積層束12を綺麗に束断裁することができる。なお、マスターシートの積層束12の束断裁は、所要所定の製品サイズになるまで行われる。
製品サイズに断裁された積層束12はそれぞれパレット136(図4参照)に搭載され、不図示のラック倉庫に再度、搬送される。また、残ったマスターシートの積層束12もパレット136に搭載してラック倉庫に搬送され、保管される。その際、マスターシートの残量の情報を生産管理装置に書き込むとよい。
製品サイズに断裁された積層束12は、包装工程240への出庫指示があった際にラック倉庫から出庫される。その際、出庫指示とともに、膜面に関する包装条件(平版印刷版の膜面を上側にして包装するのか、或いは下側にして包装するのか)が指示される。そして、膜面を上側にして包装する場合には、ラック倉庫から出庫された積層束12が包装工程240に直接搬送され、膜面を下側にして包装する場合には積層束12が反転工程220を経て包装工程240に送られる。
反転工程220では、例えば図6に示す反転機222が用いられる。この反転機222は、本体224からシャフト226が水平に突設されており、このシャフト226の先端にジョイント部228を介して一対のクランプ爪230、230が水平方向に取り付けられている。一対のクランプ爪230、230は、シャフト226の高さ位置を基準として対称的に上下動するようになっており、ジョイント部228に設けられた油圧シリンダ等の駆動機構(不図示)によって上下動される。また、一対のクランプ爪230、230は、パレット136に挿入できるようになっており、パレット136を介して積層束12を挟持できるようになっている。したがって、一対のクランプ爪230、230の間隔を調節して積層束12を挟持すると、積層束12は、その高さ方向のセンタ位置がシャフト336の高さ位置になるようにして挟持される。
一方、シャフト226は不図示の駆動装置によって回転するように構成されている。シャフト226を回転させることによって、一対のクランプ爪230、230がジョイント部338を介して回転するので、一対のクランプ爪230、230で挟持した積層束12を回転(反転)させることができる。
上記の如く構成された反転機222では、まず、上側のクランプ爪239に予め搬送用のパレット136を用意しておく。そして、製品サイズの積層束12がパレット136ごと搬送されると、そのパレット136に下側のクランプ爪230を挿入してパレット136を保持する。次いで、下側のクランプ爪230を上昇させるとともに、上側のクランプ爪230を下降させ、一対のクランプ爪230、230で積層束12を挟持する。
次に、シャフト226を回転させることによってクランプ爪230、230を回転させ、積層束12を反転させる。その際、積層束12の回転中心と積層束12のセンタ位置とが合致しているので、一対のクランプ爪230、230の負荷バランスがとりやすくなるとともに、小さいクランプ圧力で積層束12を挟持することができる。これにより、クランプ爪230による押し跡や圧力カブリを防止することができる。
反転終了後の積層束12は、パレット136とともに包装工程240へ搬送し、包装工程240において、図2に示した包装体を形成する。これにより、所定の製品サイズに切断された平版印刷版10の積層束12が、膜面が下を向いた状態で包装される。なお、包装工程240において、端数が出た場合には、その端数の積層束12を前述した反転機222で反転させ、ラック倉庫に戻して保管する。これにより、ラック倉庫内で保管している積層束12は、全て平版印刷版10の膜面が上側に配置された状態になるので、製品管理を容易に行うことができる。すなわち、膜面がどちらを向いているかという情報を管理する必要がなくなるので、製品管理を容易に扱うことができる。したがって、ラック装置に返送された積層束12を再度、束断裁する際に、そのままの状態(膜面が上側に配置された状態)で搬送すればよく、効率よく作業することができる。
上述したように本実施の形態によれば、積層束12を反転する前に束断裁するので、平版印刷版10の膜面が上側に配置された状態で、積層束12が束断裁される。したがって、膜面が下側に配置された状態で積層束12を束断裁した時のように束断裁機の断裁刃202にアルミが付着して断裁面が凸凹になることを防止できる。よって、合紙14の種類に依らず、良好な束断裁を行うことができ、少ロット製品の製造も効率よく行うことができる。
また、上述した実施の形態は、束断裁機及び反転機222をラック倉庫の出入り口に設け、ラック倉庫で保管した積層束12の束断裁動作や反転動作を行うシステムを形成したので、従来のように各包装機に束断裁機能や反転機能を設ける必要がなくなる。
なお、上述した実施の形態は、裁切断ライン100で裁切断した積層束12を、ラック倉庫に一旦保管したが、これに限定するものではなく、裁切断ライン100に束断裁機や反転機160を配設し、裁切断した積層束12を必要に応じて直接、束断裁操作や反転動作を行うようにしてもよい。
また、反転機222の構造は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、反転アタッチメント付きのフォークリフトを用いてもよい。さらに、図7に示すように二連方式の反転機を用いて、二束の積層束12、12を同時に反転してもよい。図7に示す反転機は、下側に二本のクランプ爪232、232が設けられ、上側に四本のクランプ爪234、234…が設けられている。そして、下側のクランプ爪232、232で大型のパレット236を支持し、上側のクランプ爪234、234…で二つの小型のパレット238、238を支持する。よって、上側のクランプ爪234、234…と下側のクランプ爪232、232とを上下動させることによって、二束の積層束12、12を挟持することができる。この場合には、二つの積層束12、12の中心となるP点を中心に回転するようにするとよい。
合紙として、坪量50g/m2 、厚み74μm、透気度15sec、平滑度20sec、水分7%のものを使用した。また、当てボールとして、坪量770g/m2 、厚み1mm、平滑度10sec、水分7%、pH5.5のものを使用した。内装紙としては、クラフト紙73g/m2 、低密度ポリエチレン15μm、アルミ箔7μm、ポリエチレン15μm、黒ポリフイルム70μmの積層体を使用した(黒ポリフイルムは内側に使用)。外装箱として、段ボール Kライナー/SCP125中芯/Aフルートを使用した。製品サイズは、厚み0.24mmで、マスターシート(1200mm×1310mm)から、594mm×625mmを三束、590mm×620mmを六束、580×618mmを八束)加工した。
本実施の形態では、マスターサイズの積層束を製品サイズに束断裁するため、束断裁機のサイズ変更をすればよく、裁切断ラインのサイズ変更を行う必要がない。したがって、サイズ変更の段取りを含めた作業時間を短縮することができ、正味45分で加工することができた。
これに対して、裁切断ラインで製品サイズの平版印刷版を形成する場合には、サイズ変更の段取り時間に手間がかかり、90分も必要になった。
また、積層束の反転後に束断裁を行う従来のシステムの場合には、断裁面に凸凹が発生するという不具合を生じた。
本発明に係る製造方法で製造される平版印刷版の積層束の構成を示す斜視図 図1の積層束の包装体を示す斜視図 本発明に係る製造方法を示すブロック図 裁切断ラインの構成を示す斜視図 束断裁機の構成を示す斜視図 反転機を示す側面図 二連式の反転機の構造を説明する正面図
符号の説明
10…平版印刷版、12…積層束、14…合紙、16…内装紙、22…保護シート、24…粘着テープ、100…裁切断ライン、102…送出機、104…アルミウエブ、106…レベラ、108…重ね合わせ装置、116…ウエブ、118…ノッチャー、120…スリッタ装置、122…トリミング上刃、124…トリミング下刃、126…測長装置、128…走間カッタ、132…コンベア、134…集積装置、136…パレット、200…束断裁工程、202…断裁刃、204…母材、206…鋼、208…受け台、210…クランプ、220…反転工程、222…反転機、224…本体、226…シャフト、228…ジョイント部、230…クランプ爪

Claims (2)

  1. 平版印刷版の感光層側が下側に配置された平版印刷版と普通紙から成る合紙との積層束の包装体を製造する平版印刷版の製造方法において、
    平版印刷版用のウエブを裁切断することによって製品サイズよりも大きいマスターサイズの平版印刷版を形成するとともに、前記平版印刷版の感光層側が上側に配置された状態で該平版印刷版と合紙との積層束を形成する裁切断ラインと、
    前記裁切断ラインで形成された積層束を製品サイズに束断裁する束断裁工程と、
    前記束断裁工程で束断裁された積層束を上下反転させる反転工程と、
    前記反転工程で上下反転された積層束を包装する包装工程と、
    を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法。
  2. 前記積層束をパレットで支持し、該パレットとともに前記積層束を反転させることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の製造方法。
JP2004046175A 2004-02-23 2004-02-23 平版印刷版の製造方法 Expired - Fee Related JP4193178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004046175A JP4193178B2 (ja) 2004-02-23 2004-02-23 平版印刷版の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004046175A JP4193178B2 (ja) 2004-02-23 2004-02-23 平版印刷版の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005231872A JP2005231872A (ja) 2005-09-02
JP4193178B2 true JP4193178B2 (ja) 2008-12-10

Family

ID=35015228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004046175A Expired - Fee Related JP4193178B2 (ja) 2004-02-23 2004-02-23 平版印刷版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4193178B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005231872A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4684685B2 (ja) 感光性平版印刷版及びその製造方法
EP2042255B1 (en) Planographic printing plate manufacturing apparatus
JP4193178B2 (ja) 平版印刷版の製造方法
EP1816515B1 (en) Package for planographic printing plates and method for packaging planographic printing plates
US6732864B2 (en) Method for measuring strength of image forming surface of planographic printing plate, planographic printing plate and packaging structure for planographic printing plates
JP2008265274A (ja) 平版印刷版及びその製造装置並びに方法
JP2001281873A (ja) 平版印刷版の保護用合紙及び包装方法
JP2007237338A (ja) ウェブの裁断方法及び装置
JP2009520607A (ja) 感光性シート及びその製造方法と装置
JP2003081447A (ja) 平版印刷版積層束及び平版印刷版積載部材
EP1974843A2 (en) Planographic printing plate, and apparatus and method for manufacturing the same
JP2002219611A (ja) 平版印刷版用帯板切断装置、平版印刷版用帯板切断方法及び平版印刷版
EP1160098A1 (en) Stacked planographic printing plates and stacking method for planographic printing plates
JP2008080500A (ja) 平版印刷版用の合紙及び平版印刷版原反の加工方法
JP2005231299A (ja) 平版印刷版の製造方法
JP2001205949A (ja) 光重合性平版印刷版切断装置、光重合性平版印刷版切断方法及び光重合性平版印刷版
JP2002234271A (ja) 平版印刷版用合紙、平版印刷版積層構造体、平版印刷版切断方法及び平版印刷版積層方法
JP2006051764A (ja) 平版印刷版及びその加工方法
JP2005041643A (ja) 積層束反転方法
JP2006248585A (ja) 平版印刷版の輸送方法
JP2001247155A (ja) 平版印刷版用包装材及び平版印刷版包装構造
JP2007084304A (ja) スキッド供給ライン
JP2005096118A (ja) 平版印刷版積層体及び平版印刷版包装構造
JP2008068588A (ja) 平版印刷版用合紙及びそれを用いた平版印刷版積層体並びにその製造方法
JP2005231715A (ja) 平版印刷版包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060413

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080829

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees