JP2002219611A - 平版印刷版用帯板切断装置、平版印刷版用帯板切断方法及び平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用帯板切断装置、平版印刷版用帯板切断方法及び平版印刷版

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JP2002219611A
JP2002219611A JP2001013994A JP2001013994A JP2002219611A JP 2002219611 A JP2002219611 A JP 2002219611A JP 2001013994 A JP2001013994 A JP 2001013994A JP 2001013994 A JP2001013994 A JP 2001013994A JP 2002219611 A JP2002219611 A JP 2002219611A
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Yasuhiro Anura
泰広 案浦
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断によって発生する残膜の少ない平版印刷
版と、切断により残膜の発生を少なくすることのできる
平版印刷版用帯板切断装置及び平版印刷版用帯板切断方
法を得る。 【解決手段】 画像形成面12U側に位置する上刃50
は、その接触面50Sと画像形成面12Uとの接触角θ
が10°以上60°以下となるように、その形状が決め
られている。接触角θを10°以上とすることで、アル
ミウエブ12に作用する圧力の領域も狭くなり、残膜の
発生領域も狭くなるので、印刷時にブランケットに付着
する不要インクも少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用帯板
切断装置、平版印刷版用帯板切断方法及び平版印刷版に
関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版(PS版)は、一般に、シー
ト状又はコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例え
ば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成
処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次
いで、感光液の塗布、乾燥処理により表面処理層を形成
してウェブを作製し、このウェブを所望のサイズに切断
するという手順で製造される。前記手順で製造された平
版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理
後、印刷に使用される。
【0003】図7(A)及び(B)には、従来の平版印
刷版用帯板切断装置の一例であるカッタ112が示され
ている。
【0004】このカッタ112は、一定方向に搬送され
るアルミウエブ114に対し、この搬送速度に同期して
移動する下刃ダイセット116を有している。また、下
刃ダイセット116には、上刃ダイセット118が取り
つけられている。上刃ダイセット118及び下刃ダイセ
ット116には、それぞれ上刃120及び下刃122が
固定されており、上刃ダイセット118が上下動するこ
とで、上刃120と下刃122とでアルミウエブ114
を板厚方向に挟みつけて切断する。このとき、下刃ダイ
セット116をアルミウエブ114の搬送速度に同期さ
せて移動させることで、上刃120及び下刃122もア
ルミウエブ114と同期して移動するので、アルミウエ
ブ114の搬送を停止することなく、高精度且つ高効率
にアルミウエブ114を切断できる。
【0005】ところで、上刃120及び下刃122の、
アルミウエブ114に対する接触面120S、122S
は、アルミウエブ114と略並行になっている。アルミ
ウエブ114は、一般に感光層が上になる向きで搬送さ
れるので、切断時に上刃120の接触面120Sが感光
層に接触して押圧し、平版印刷版の外縁部近傍にいわゆ
る押し跡が残って、圧力かぶりとなってしまうことがあ
る。そして、このような押し跡が形成されてしまった平
版印刷版を使用して印刷を行うと、残膜が発生する。
【0006】この残膜は、例えば印刷紙面と比較して十
分に大きな平版印刷版を使用することで、残膜の部分が
印刷紙面の外部に位置することとなるため、印刷紙面へ
の影響(汚れなど)は防止することができる。
【0007】しかし、印刷時には平版印刷版から印刷機
のブランケットに一旦画像を転写するため、平版印刷版
の外縁部近傍に付着したインク(残膜部分のインク)も
ブランケットに転移されてしまう。このため、ブランケ
ットの清掃頻度が高くなっていた。
【0008】特に、近年では、いわゆるフォトポリマー
タイプ(あるいは感熱タイプ)の平版印刷版が広く用い
られているが、このような平版印刷版では残膜が発生し
やすく、ブランケットの清掃頻度も高くなることが多
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、切断によって発生する残膜の少ない平版印刷版
と、切断により残膜の発生を少なくすることのできる平
版印刷版用帯板切断装置及び平版印刷版用帯板切断方法
を得ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、平版印刷版用帯板を少なくとも一対の切断刃によっ
て板厚方向に挟みこんで切断する平版印刷版用帯板切断
装置であって、前記一対の切断刃を構成する刃のうち前
記平版印刷版用帯板の画像形成面側に位置する画像形成
面側切断刃の感光層との接触部が平版印刷版用帯板に対
して10°以上60°以下で接触するように画像形成面
側切断刃が配置されていることを特徴とする。
【0011】この平版印刷版用帯板切断装置では、一対
の切断刃を構成する刃のうち、画像形成面側切断刃は、
感光層との接触部が、平版印刷版帯板に対して10°以
上60°以下で接触する。このように、接触部と平版印
刷版との成す角を10°以上とすることで、従来の一般
的な平版印刷版用帯板切断装置と比較して、より裁断縁
の近傍にせん断応力が集中し、広い領域にせん断応力が
作用してしまうことがない。
【0012】これにより、この平版印刷版用帯板切断装
置を使用して切断した平版印刷版の感光層に作用する圧
力の領域が狭くなり、圧力かぶりの発生領域も狭くな
る。このため、現像時に生じる残膜の幅も狭くなり、印
刷機のブランケットに付着してしまうインクの量も少な
くなるので、ブランケットの清掃頻度を低くすることが
できる。
【0013】しかも、接触部と平版印刷版との成す角を
60°以下とすることで画像形成面側切断刃の刃先角度
が大きくなるため、画像形成面側切断刃の損傷や摩耗も
少なくなる。画像形成面側切断刃の交換頻度を低くでき
るので、切断効率が向上し、低コストとなる。
【0014】請求項2に記載の発明では、平版印刷版用
帯板を少なくとも一対の切断刃によって板厚方向に挟み
こんで切断する平版印刷版用帯板切断方法であって、前
記一対の切断刃を構成する刃のうち前記平版印刷版用帯
板の画像形成面側に位置する画像形成面側切断刃の感光
層との接触部を平版印刷版用帯板に対して10°以上6
0°以下で接触させて切断することを特徴とする。
【0015】この平版印刷版用帯板切断方法では、一対
の切断刃を構成する刃のうち、画像形成面側切断刃の感
光層との接触部を、平版印刷版帯板に対して10°以上
60°以下で接触させている。このため、従来の一般的
な平版印刷版用帯板切断方法と比較して、より裁断縁の
近傍にせん断応力が集中し、広い領域にせん断応力が作
用してしまうことがない。
【0016】これにより、この平版印刷版用帯板切断方
法を使用して切断した平版印刷版の感光層に作用する圧
力の領域が狭くなり、圧力かぶりの発生領域も狭くな
る。このため、現像時に生じる残膜の幅も狭くなり、印
刷機のブランケットに付着してしまうインクの量も少な
くなるので、ブランケットの清掃頻度を低くすることが
できる。
【0017】しかも、接触部と平版印刷版との成す角を
60°以下とすることで画像形成面側切断刃の刃先角度
が大きくなるため、画像形成面側切断刃の損傷や摩耗も
少なくなる。画像形成面側切断刃の交換頻度を低くでき
るので、切断効率が向上し、低コストとなる。
【0018】請求項3に記載の発明では、平版印刷版用
帯板を少なくとも一対の切断刃によって所定位置で切断
して得られる平版印刷版であって、前記一対の切断刃を
構成する刃のうち平版印刷版帯板の画像形成面側に位置
する画像形成面側切断刃の感光層との接触部を平版印刷
版用帯板に対して10°以上60°以下で接触させて切
断されたことを特徴とする。
【0019】すなわち、平版印刷版用帯板を切断する一
対の切断刃は、平版印刷版の画像形成面側に位置する画
像形成面側切断刃の感光層との接触部が平版印刷版用帯
板に対して10°以上60°以下で接触している。切断
時に裁断縁の近傍にせん断応力が集中し、広い領域にせ
ん断応力が作用していないないので、切断された平版印
刷版の感光層に作用する圧力の領域が狭くなり、圧力か
ぶりの発生領域も狭くなる。このため、現像時に生じる
残膜の幅も狭くなり、印刷機のブランケットに付着して
しまうインクの量も少なくなるので、ブランケットの清
掃頻度を低くすることができる。
【0020】しかも、接触部と平版印刷版との成す角を
60°以下とすることで画像形成面側切断刃の刃先角度
が大きくなるため、画像形成面側切断刃の損傷や摩耗も
少なくなる。画像形成面側切断刃の交換頻度を低くでき
るので、切断効率が向上し、低コストとなる。
【0021】なお、本発明(上記した請求項1〜請求項
3の発明)における「切断」とは、平版印刷版用帯板を
所定位置で板厚方向に貫通して断ち切ることをいい、例
えば、長尺状の平版印刷版用帯板を幅方向に沿って切断
することに加えて、このような長尺状の帯板を長手方向
に沿って切断(いわゆる裁断)することや、斜め方向に
切断すること等を全て含む。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施形態の
平版印刷版切断装置であるカッタ28を備えた、平版印
刷版の加工ライン90が示されている。
【0023】この加工ライン90の上流側(図1右上
側)には、あらかじめロール状に巻かれたウエブを順次
送り出す送出機14が配設されている。送出機14から
送り出された長尺状のアルミウエブ12がレベラ15で
カール矯正され、送りローラ16に至ると、合紙18が
貼り合わされ、帯電により密着されて、ノッチャー20
に至る。
【0024】なお、アルミウエブ12には、図4に示す
ように、アルミニウム製の支持体54上にあらかじめ感
光層56(又は感熱層)が形成されており、この感光層
56(又は感熱層)が形成された面が、平版印刷版30
の画像形成面30Uとなっている。アルミウエブ12
は、加工ライン90によって加工されて所望のサイズと
されることで、印刷に使用可能な平版印刷版30とな
る。
【0025】本発明の平版印刷版用帯板切断装置及び平
版印刷版用帯板切断方法によって切断されて得られる平
版印刷版30は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が
施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷
版原版あるいは平版印刷版材と称されることもある。
【0026】また、支持体54としてのアルミニウム板
は、例えば、JIS1050材、JIS1100材、J
IS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合
金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al
−Mg−Si系合金等を適用し得る。メーカにおけるア
ルミニウム板の製造過程では、上記規格に適合するアル
ミニウムの鋳塊を製造し、このアルミニウム鋳塊を熱間
圧延した後、必要に応じて焼鈍と呼ぶ熱処理を施し、冷
間圧延により所定の厚さとされた帯状のアルミニウム板
に仕上げる。
【0027】このアルミニウム板に対し、必要に応じて
表面処理を施し、さらに所望の塗布液を塗布して、平版
印刷版のアルミウエブ12とする。
【0028】ノッチャー20は、アルミウエブ12に打
ち抜き部を設け、スリッタ10の上刃22及び下刃24
が、打ち抜き位置でアルミウエブ12の幅方向へ移動で
きるようにする。これにより、アルミウエブ12と合紙
18とをまとめて連続裁断しながら、アルミウエブ12
の裁断幅を変更することが可能となる。
【0029】スリッタ10による裁断で生じた裁断屑
は、図示しないチョッパへ送られて細かく切断された
後、回収コンベヤ82によって回収箱84に回収され、
裁断屑86に貼り合わされていた合紙18は吸引パイプ
23で吸引処理される。
【0030】なお、本実施形態の加工ライン90では、
スリッタ10と周辺部材(図示省略)とで裁断ユニット
21が構成されると共に、この裁断ユニット21が2組
用意されている。これにより、刃交換等の段取作業を、
ライン外の使用していない裁断ユニット21で行うこと
ができ、加工ライン90のライン停止時間を最小限にす
ることが可能となっている。
【0031】このようにして、所定の裁断幅とされたア
ルミウエブ12は、測長装置26で送り長が検出され、
指示されたタイミングでカッタ28がアルミウエブ12
を切断して、設定されたサイズの平版印刷版30を製造
する。
【0032】次に、平版印刷版30は、コンベヤ32に
よって集積部34に送られ、所定枚数積み重ねられて、
集積束31が構成される。なお、集積部34では、この
集積束31の上下若しくは片側に、厚紙等からなる保護
シート(一般に「当てボール」と称される)を配置する
ことも可能である。
【0033】そして、集積束31は、搬送部35を経て
パレット33に積み重ねられる。その後、ラック倉庫等
の保管庫あるいは包装工程に送られ、包装材料(テー
プ、内装材、外装材等)によって包装される。また、自
動製版機用のスキッド(平台スキッド、縦型スキッド
等)に積み重ねることも可能である。なお、これらのス
キッドに積み重ねて包装する場合には、加工ライン90
に、集積束31をスキッドに集積するための集積装置を
設け、加工ライン90内において直接スキッドに集積す
るようにしてもよい。
【0034】このようにして、平版印刷版30は包装さ
れて出荷されるが、包装形態によっては、合紙18や、
その他の包装材料を省略してもよい。
【0035】図2及び図3に示すように、カッタ28
は、シャフト42、44に固定された上ドラム46及び
下ドラム48を有している。シャフト42、44はそれ
ぞれ、ギヤ等の伝達部材を介してモータ(いずれも図示
省略)に連結されており、モータの駆動力を受けること
で、上ドラム46及び下ドラム48のアルミウエブ12
との対向部分がアルミウエブ12の搬送方向と同方向と
なるように(矢印R方向)回転させる。
【0036】上ドラム46及び下ドラム48には、それ
ぞれ外周の所定位置に、上刃50及び下刃52が固定さ
れている。上刃50及び下刃52は、いずれもその長手
方向がアルミウエブ12の幅方向と一致するように固定
されている。そして、図3及び図4に示すように、上ド
ラム46及び下ドラム48の矢印R方向の回転によっ
て、上刃50と下刃52とでアルミウエブ12を板厚方
向に挟みこんで切断することができるようになってい
る。
【0037】図4に詳細に示すように、上刃50には、
その先端の刃先部50Tから斜めに傾斜する接触面50
Sが形成されている。上刃50がアルミウエブ12を切
断したとき、接触面50Sはアルミウエブ12の画像形
成面12U(本実施形態では上面)に対して、所定の接
触角θ(10°以上60°以下)で部分的に接触してい
るように、上刃50の形状が決められている。このよう
に、接触角θを10°以上としたことで、切断時に接触
面50Sが画像形成面12Uに接触する範囲が狭くなる
ので、アルミウエブ12に作用する圧力の領域も狭くな
り、圧力かぶりの発生領域も狭くなっている。また、接
触角θを60°以下としたことで、刃先部50Tの近傍
部分において、上刃50は所定の厚さを確保している。
【0038】下刃52には、アルミウエブ12の切断時
にアルミウエブ12を支持する支持面52Sが形成され
ている。この支持面52Sによってアルミウエ12を支
持しつつ、上刃50からせん断力を作用させることで、
アルミウエブ12を切断する。
【0039】表1には、接触角θとして特定の値を設定
したときの、つぶれ幅、残膜評価及び上刃寿命が示され
ている。また、図5(A)には、接触角θを30°とし
たときの平版印刷版30の断面形状が、図5(B)には
比較のため、接触角θを10°としたときの平版印刷版
の断面形状がそれぞれ示されている。
【0040】
【表1】
【0041】表1の「つぶれ幅」とは、図5(A)及び
(B)に示すように、加工ライン90によって得られた
平版印刷版30の断面又は端面を観察し、接触面50S
によって押しつぶされた凹部30Dの幅をルーペ等で拡
大観察して、切断縁30Eから測った長さLをいう。ま
た、「残膜評価」は、平版印刷版を実際に印刷に使用
し、印刷紙面に発生した残膜を同じくルーペ等で拡大観
察して評価したものであり、「○」は全く問題がないこ
とを、「△」は実用上は問題がない程度に残膜の発生が
抑えられていることを、「×」は問題となる程度の残膜
の発生が見られることをそれぞれ示す。この残膜が多く
発生しているほど、印刷機のブランケットに付着する不
要インクも多くなり、ブランケットの清掃頻度が高くな
る。「上刃寿命」とは、上刃50が実用上切断不能(全
く切断できない状況にまでは至らなくても、加工ライン
90内においてアルミウエブ12の搬送速度に対応して
アルミウエブ12を確実に切断できなくなった状況を含
む)となって交換を要するまでの、切断回数をいう。
【0042】なお、上記した3つの評価項目は、接触角
θに対する依存性が、アルミウエブ12を切断するとき
の切断条件(アルミウエブ12のサイズや搬送速度)に
対する依存性よりも高い。このため、異なる切断条件で
切断した場合でも、結果としてはほぼ同様のものが得ら
れる。
【0043】この表1から分かるように、接触角θを1
0°以上とすれば、残膜を実用上問題がない程度に抑え
ることができ、特に30°以上とすれば、全く問題が生
じていないことが分かる。従って、印刷機のブランケッ
トの清掃頻度を低くする観点からは、接触角θを10°
以上とすることが好ましく、30°以上とすることがよ
り好ましい。
【0044】また、上刃寿命に関しては、接触角θが7
0°の場合には、50万回と低くなっている。これは、
実質的に刃先部50Tの近傍での刃幅が狭くなるので、
上刃50の摩耗や欠損が生じやすくなるためであると考
えられる。接触角θが60°の場合には、上刃寿命は1
00万回となり、実用上は問題がない程度の寿命とな
る。さらに、接触角θを45°とすれば、上刃寿命は3
00万回となるので好ましく、接触角θを30°以下と
すれば、上刃寿命は500万回(実際にはそれ以上のケ
ースもある)となるので、より好ましい。
【0045】従って、印刷機のブランケットに付着する
不要インクを少なくしてブランケットの清掃頻度を低く
すると共に、上刃寿命を長くして上刃の交換頻度を低く
する観点からは、接触角θが10°以上60°以下とな
るような上刃50の形状とすればよく、さらには、接触
角θが30°以上45°以下となるようにすれば、より
好ましい。
【0046】なお、平版印刷版30(アルミウエブ1
2)の感光層(又は感熱層)具体的構成は特に限定され
ないが、例えば、ヒートモード方式およびフォトン方式
のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジ
タルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることが
できる。
【0047】また、平版印刷版30は、感光層又は感熱
層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方
法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明の
平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜
(11)の態様が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0048】特に、いわゆるフォトポリマータイプの感
光層を有する平版印刷版30(例えば、上記の(3)の
態様)は、いわゆる圧力かぶりによる残膜が発生しやす
く、印刷機のブブランケットに不要インクが付着するお
それも高くなるため、本発明の平版印刷版用帯板切断装
置及び平版印刷版用帯板切断方法を適用することが好ま
しい。
【0049】また、上記説明では、アルミウエブ12を
幅方向に切断するカッタ28を例に挙げたが、本発明の
平版印刷版切断装置がこれらに限られないのはもちろん
である。例えば、平版印刷版12の搬送に同期して移動
する下刃ダイセット及び上刃ダイセットにそれぞれ下刃
及び上刃が取りつけられ、上刃が下刃に接近することで
アルミウエブ12を挟みこんで切断するようなカッタ
(図7に示すものと略同一構成のもの)や、図1に示す
スリッタ10において、接触角θが上記した条件を満た
すような上刃の形状としてもよい。
【0050】また、アルミウエブ12を幅方向に切断す
るカッタにおいて、上ドラム46及び下ドラム48のそ
れぞれに対する、上刃50及び下刃52の固定構造も上
記したものに限定されない。例えば、図6に示すよう
に、上刃50及び下刃52がそれぞれ、上ドラム46及
び下ドラム48に対して、これらの回転方向に沿って傾
斜するように取り付けられているカッタ29でもよい。
すなわち、このような上刃50及び下刃52の固定構造
であっても、アルミウエブ12を切断する部分におい
て、図4に示すような接触角θ(10°≦θ≦60°)
の条件を満たしてればよい。
【0051】さらに、上記したような、感光層56が塗
布されてコイル状に巻き取られたアルミウエブ12を順
次巻き出して加工する加工ライン90だけでなく、感光
層56を塗布した後、巻き取ることなく連続して加工す
る加工ラインや、加工後にコイル状に巻き取る加工ライ
ン等、種々の工程を組み入れた加工ラインに、また、マ
スターシートに切断後、最終出荷形態の寸法となるよう
シート状に切断する加工に、本発明の平版印刷版用帯板
切断装置及び平版印刷版用帯板切断方法を適用すること
ができる。
【0052】アルミウエブ12の搬送形態としても、必
ずしも感光層56を上にして搬送する加工ラインだけで
なく、感光層56を下にして搬送する加工ラインや、さ
らにはアルミウエブ12をその幅方向が上下方向となる
ように縦位置で搬送する加工ライン等でもよく、要する
にアルミウエブ12の搬送形態は、一対の切断刃のうち
製品となる側の感光層に接触する接触部とアルミウエブ
12との相対的な位置が上記したような関係を満たして
いれば、特に限定されない。
【0053】
【発明の効果】本発明では、画像形成面側切断刃の感光
層との接触部が平版印刷版用帯板に対して10°以上6
0°以下で接触するようにしているので、現像時に生じ
る残膜の幅が狭くなり、印刷機のブランケットに付着し
てしまうインクの量も少なくなるので、ブランケットの
清掃頻度を低くすることができると共に、画像形成面側
切断刃の交換頻度を低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカッタが適用された平版
印刷版の加工ラインを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のカッタを示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態のカッタを示す側面図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態のカッタによってアルミウ
エブを切断している状態を示す拡大断面図である。
【図5】切断された平版印刷版を示す断面図であり、
(A)は上刃との接触角が30°の平版印刷版、(B)
は上刃との接触角が10の平版印刷版をそれぞれ示す。
【図6】本発明の一実施形態のカッタのさらに別の例を
示す側面図である。
【図7】従来のカッタを示す側面図であり、(A)は切
断前の状態、(B)は切断中の状態である。
【符号の説明】
28 カッタ(平版印刷版用帯板切断装置) 50 上刃(画像形成面側切断刃、切断刃) 50S 接触面(接触部) 52 下刃(切断刃)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平版印刷版用帯板を少なくとも一対の切
    断刃によって板厚方向に挟みこんで切断する平版印刷版
    用帯板切断装置であって、 前記一対の切断刃を構成する刃のうち前記平版印刷版用
    帯板の画像形成面側に位置する画像形成面側切断刃の感
    光層との接触部が平版印刷版用帯板に対して10°以上
    60°以下で接触するように画像形成面側切断刃が配置
    されていることを特徴とする平版印刷版用帯板切断装
    置。
  2. 【請求項2】 平版印刷版用帯板を少なくとも一対の切
    断刃によって板厚方向に挟みこんで切断する平版印刷版
    用帯板切断方法であって、 前記一対の切断刃を構成する刃のうち前記平版印刷版用
    帯板の画像形成面側に位置する画像形成面側切断刃の感
    光層との接触部を平版印刷版用帯板に対して10°以上
    60°以下で接触させて切断することを特徴とする平版
    印刷版用帯板切断方法。
  3. 【請求項3】 平版印刷版用帯板を少なくとも一対の切
    断刃によって所定位置で切断して得られる平版印刷版で
    あって、 前記一対の切断刃を構成する刃のうち平版印刷版帯板の
    画像形成面側に位置する画像形成面側切断刃の感光層と
    の接触部を平版印刷版用帯板に対して10°以上60°
    以下で接触させて切断されたことを特徴とする平版印刷
    版。
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