JP4192266B2 - 限流ヒューズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部に発煙、発火等することなく、過電流を遮断することができる車載用の限流ヒューズに関する。
【0002】
【従来の技術】
限流ヒューズとは、外部に発煙、発火等することなく大きな短絡電流等の事故電流を遮断することができる方式のヒューズであり、その構造は、狭小断面を有する可溶体を絶縁筒内に組み込み、その可溶体の周囲に消弧剤を充填し、密閉した構造とされている。
【0003】
限流ヒューズの従来技術例としては、図15及び図16に示す限流ヒューズ90がある。この図15及び図16に示す限流ヒューズ90には、ターミナル91と、ケース体92と、エレメント93と、消弧剤94と、固定ピン95とが設けられている。このように構成された限流ヒューズ90によれば、短絡電流などの事故電流が流れた場合に溶解するエレメント93に対し、アーク吸収、冷却のための消弧剤94によってアーク通路が制限されるため、アーク抵抗が高められ、事故電流をその予定最高値に達しないように制限抑制して遮断することが可能である。従って、短絡事故が発生した場合、負荷の許容電流を超える電流(過電流)が回路(電路)に流れても、その過電流により電源、負荷、電線(配線)等が損傷することを防止することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の限流ヒューズ90によれば、ターミナル91とエレメント93とが通常、半田付け等により接合されるので、車両に取り付けた場合に、耐振性もしくは耐環境性の面で十分な強度特性および耐久性を維持できないという問題点があり、更には、部品点数が多いので、組立が煩雑になるし、コスト低減の支障になるという問題点もあった。
【0005】
更に、上記限流ヒューズ90を製造するためには、ターミナル91とエレメント93とを接合する工程、その後、その接合されたターミナル91及びエレメント93をケース体92内に通して固定ピン95により固定する工程、その後、両端の開放された略円錐状のホッパ100の先端部を差し込むとともに、このホッパ100を介して、ケース体92内に消弧剤94を充填蓋91cをする工程の各工程を行わなければならなかった。このように本限流ヒューズ90を製造するには、多数の組み付け工程を要するとともに、各組み付け工程が煩雑であるために、製造時間の短縮を図ることができないという問題点もあった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、部品点数の低減を図るとともに、各個体間の性能にばらつきが生じてしまうことを防止し、更には、組み付け工程の簡略化を図ることができる限流ヒューズを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1記載の限流ヒューズは、通電電流の大きさに応じて溶断する溶断部と、該溶断部と電極側の配線又は端子とを通電可能に連結するための連結部と、前記溶断部を被覆する絶縁性の被覆部と、前記溶断部の溶断に際して発生するアークを冷却するとともに消弧する消弧部とによって構成されており、
前記溶断部は、前記連結部を構成する金属片と同一片の金属片より構成され、該金属片の中間部が所望の溶断電流しきい値に応じた厚みに形成され、且つ該溶断電流しきい値に応じた幅に切断されて成り、
前記被覆部は、前記溶断部を覆うカバー本体と、該カバー本体に嵌合されるキャップ体とより構成され、前記カバー本体の周壁部であって、且つ前記キャップ体により覆われる位置に、消弧剤充填孔が形成されて成ることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の限流ヒューズは、請求項1記載の限流ヒューズにおいて、溶断部には、該溶断部の断面積を所望の溶断電流しきい値に応じた面積とするための透孔、又は切欠きが形成されている。
【0009】
請求項3記載の限流ヒューズは、請求項2記載の限流ヒューズにおいて、溶断部は、透孔形成箇所の周囲が圧潰されることにより、透孔形成箇所以外の溶断部の厚みより板厚が更に薄く形成されている。
【0010】
請求項4記載の限流ヒューズは、請求項1から3の何れかに記載の限流ヒューズにおいて、被覆部のカバー本体は、溶断部を覆うように連結部に組付けられる中空円柱状のものであり、キャップ体は、前記カバー本体の両端に嵌合される蓋状のものであることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の限流ヒューズは、請求項4記載の限流ヒューズにおいて、カバー本体及びキャップ体には、該カバー本体からのキャップ体の不用意な分離を防止するための分離防止機構が形成され、又は分離防止加工が施されている。
【0012】
請求項6記載の限流ヒューズは、請求項5記載の限流ヒューズにおいて、分離防止機構は、カバー本体の周部に周方向に沿って形成された第1掛止凹部を有しており、前記カバー本体に対するキャップ体の嵌合後に、前記第1掛止凹部と重なる前記キャップ本体の部位が圧潰されることにより、前記カバー本体とキャップ体とが掛止し合うようにされている。
【0013】
請求項7記載の限流ヒューズは、請求項5または6記載の限流ヒューズにおいて、分離防止機構は、キャップ体の周部に該キャップ体の内周面より突出するように形成された掛止片部と、カバー本体の外周面に形成され、該掛止片部と掛止可能な第2掛止凹部とを有しており、前記カバー本体に対して前記キャップ体が嵌合されることにより、前記掛止片部と前記第2掛止凹部とが掛止し合うようにされている。
【0014】
請求項8記載の限流ヒューズは、通電電流の大きさに応じて溶断する溶断部と、該溶断部と電極側の配線又は端子とを通電可能に連結するための連結部と、前記溶断部を被覆する絶縁性の被覆部と、前記溶断部の溶断に際して発生するアークを冷却するとともに消弧する消弧部とによって構成されており、
前記溶断部は、前記連結部を構成する金属片と同一片の金属片より構成され、該金属片の中間部が所望の溶断電流しきい値に応じた厚みに形成され、且つ該溶断電流しきい値に応じた幅に切断されて成り、
前記消弧部は、溶断部の周囲に配設された消弧剤によって構成されており、
被覆部は、加熱処理に伴って凝固する接着剤が混合された消弧剤の外側部を焼結硬化させて成るものである。
【0015】
請求項9記載の限流ヒューズの製造方法は、一枚の金属平板に対し、少なくとも次の工程を加えて成ることを特徴とするものである。
I:一枚の金属平板から、溶断部と該溶断部の両側に連結部とを有する形状のヒューズ素材を打ち抜く打ち抜き工程、
II:前記金属平板の略中央部をプレスし、所望の溶断電流しきい値に応じた厚みと、溶断電流しきい値に応じた幅とを有する寸法に形成する溶断部形成工程、
III:前記溶断部を覆う被覆部を、絶縁性のカバー本体と、該カバー本体に嵌合されるキャップ体とよりなる被覆カバーで構成し、前記カバー本体の周壁部であって、且つ前記キャップ体により覆われる位置に、消弧剤充填孔を形成する被覆カバー形成工程、
IV:前記溶断部を、前記カバー本体により被覆する被覆工程、
V:前記カバー本体の消弧剤充填孔を通じて、溶断部と、前記カバー本体との間に、消弧部材を充填する消弧部材充填工程。
請求項10記載の限流ヒューズの製造方法は、一枚の金属平板に対し、少なくとも次の工程を加えて成ることを特徴とするものである。
I:一枚の金属平板から、溶断部と、該溶断部の両側に連結部とを有する形状のヒューズ素材を打ち抜く打ち抜き工程、
II:前記金属平板の略中央部をプレスし、所望の溶断電流しきい値に応じた厚みと、溶断電流しきい値に応じた幅とを有する寸法に形成する溶断部形成工程、
III:前記一枚の金属平板の両端部を折り曲げて、前記溶断部の両側に、電極側の配線又は端子を通電可能に連結する連結部を形成する連結部形成工程、
IV:ダイスの凹部内に、前記連結部形成工程を終えたヒューズエレメントを載置し、その溶断部の上から消弧剤を充填する消弧剤充填工程、
V:前記消弧材充填後のダイスの凹部内に、パンチによりプレス加工して、前記消弧材を所定の外形形状に形成する被覆部成形工程。
請求項11記載の限流ヒューズの製造方法は、請求10記載の限流ヒューズの製造方法において、更に、次の工程を加えて成ることを特徴とするものである。
VI :前記被覆部成形工程後、加熱処理に伴って凝固する接着剤が混合された消弧剤の外側部を硬化させる焼結工程。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。ここで、限流ヒューズは、電源と負荷との間に直列接続され、短絡事故の発生に伴い回路に流れる短絡電流その他の事故電流が流れた場合に、この事故電流により電源、負荷、電線等が損傷してしまうことを防止するためのものである。勿論、下記実施例は、本発明の好ましい実施例を示すに過ぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0017】
「第1実施例」
図1は、本発明の一実施例である限流ヒューズ(以下、便宜上「本限流ヒューズ」と称する。)1の部分断面斜視図であり、図2は、本限流ヒューズ1を構成するエレメント10のみの斜視図である。図1に示すように、本限流ヒューズ1は、エレメント10と、消弧剤(一部のみ図示)20と、被覆カバー30とによって構成されている。
【0018】
図1及び図2に示すエレメント10は、常時は電源から負荷へと繋がる電路の一部を構成するとともに、短絡事故等の事故が発生した場合には負荷に事故電流(例えば、短絡電流)が流れ続けてしまうことを防止するための部材である。エレメント10は、溶断部10aと、連結部10bの二つの部位によって構成されている。溶断部10aは、通電電流の大きさに応じて溶断する部位である。従って、短絡電流などの過電流が流れた場合にも、その過電流により負荷が損傷してしまうこと(破壊されてしまうこと)を防止することができるのである。かかる溶断部10aには、行列状(複数行且つ複数列。列方向が通電方向(エレメント10の長手方向))に穿設された複数の透孔10c,…,10c及び複数の切欠き10f,…,10fと、透孔10c及び切欠き10fの穿設部分周囲であって列方向(エレメント10の幅方向)全域に形成された第1凹部10dとが設けられている。そして、これら透孔10c、切欠き10f及び第1凹部10dの数量、形成位置、厚みを変更すれば、溶断電流しきい値を適宜(所望)の大きさに調整することができる。勿論、透孔10c及び切欠き10fの大きさや、形状、組合せ(一方のみであってもよい)、配列方式は、上述の実施例に限られるものではないことは容易に推察される。
【0019】
連結部10bは、溶断部10aと電源側に繋がる端子部との間、及び、溶断部10aと負荷側に繋がる端子部との間とを通電可能に連結する部位である。また、連結部10bの両脇には、第2凹部10eが形成されている。この第2凹部10eにより被覆カバー30をエレメント10に対して位置決め固定することができるのである。
【0020】
ここで、かかるエレメント10は、詳細は後述するが、厚みの均一な一枚の金属平板100から打ち抜き加工された金属片200により構成される部材である。そして、エレメント10を構成する溶断部10aは、金属片200がプレス加工(圧潰加工)されて成る部位であり、連結部10bは、金属片200が二層に折り曲げられて成る部位である(本実施例の場合は二層なのであって、別に三層等に折り曲げられても良い)。従って、本限流ヒューズ1を構成するエレメント10は、厚みの均一な一枚の金属平板100より打ち抜き加工された金属片200により構成されているにも拘わらず、各部位に応じた厚み(断面積)とすることができるのである。これは、溶断部10aは、過電流(溶断電流しきい値以上の電流)が流れた場合に溶断する構成とするために薄く形成する必要がある一方、連結部10bは、電源側及び負荷側の端子部と連結された本限流ヒューズ1を保持するために厚く形成する必要があることに起因している。
【0021】
また、溶断部10aの厚みを変更するようにすれば、エレメント10を構成するための材料として、厚みが大きく(適宜の厚みを有し)且つ均一な厚みを有する金属平板100を使用することができる。ひいては、連結部10bを構成するために多層に金属片200を折り曲げ加工する煩雑さを解消することもできる。更には、本限流ヒューズ1によれば、透孔10c及び第1凹部10dにより溶断電流しきい値を設定(調整)するようにされているが、予め溶断部10aの厚みを薄くしておくことにより、溶断部10aの厚みが無駄に厚くなってしまうこと、即ち、資源を無駄遣いしてしまうことを防止することができるのである。
【0022】
消弧剤20は、溶断部10aの溶解に伴って発生するアークを消弧する(即ち、アークを冷却するとともに吸収する)部材であり、多数の粒材に形成されている。従って、溶断部10aの溶解に伴ってアークが発生した場合にも、かかる消弧剤20によりアーク通路が制限されるので、アーク抵抗を高めることができる。即ち、事故電流をその予定最高値に達しないように制限抑制して遮断することができる。
【0023】
被覆カバー30は、溶断部10aを被覆する部材であり、絶縁性及び耐熱性を有する材質から成り、溶断部10aの周囲に配設されている。この被覆カバー30は、筒状に形成されたカバー本体31と、このカバー本体31の展開を防止するための、蓋状に形成されたキャップ体32とによって構成されている。カバー本体31及びキャップ体32により、溶断部10a及び消弧剤20を外部より保護することができるとともに、アークが発生した場合には、該アークに伴う発煙や発火が本限流ヒューズ1外へ漏れてしまうことを防止することもできるのである。そして、図1に示すように、このカバー本体31の内部には、エレメント10の周囲を覆うように消弧剤(一部のみを図示)20が充填されている。
【0024】
次に、図3から図9を参照して、上記のように構成された限流ヒューズ1の製造方法について説明する。具体的には、一枚の金属平板100よりエレメント10を成形するエレメント成形工程、およびエレメント10に被覆カバーを被せる被覆工程について説明する。
【0025】
図3から図5までは、上記エレメント10の成形工程を説明するための概略図である。図3に示すように、エレメント10は、均一な膜厚とされた金属平板100より製造されるものである。
【0026】
まず、一枚の金属平板100より金属片200を打ち抜くための打抜加工が施される(部分的に金属片100と結合している)。また、この打抜加工の際には、第2凹部2eを構成するための溝200dも形成される。
【0027】
打抜加工後、図3及び図4に示すように、金属片200にプレス加工が施され、金属片200の中央部200aが溶断電流に応じた厚みに潰される。従って、元の金属平板100の厚みの如何に拘わらず、所望の厚みを有する(複数の種類の)溶断部10aを形成することができるのである。
【0028】
なお、一枚の薄厚(厚み均一)の金属片200を用いてエレメント10を成形する方法もあるが、この場合、連結部10bの成形のために、金属片200を多層に折り曲げる必要がある。この場合、溶断部10aの厚みは溶断電流の大きさに応じた厚みとされているから、即ち薄厚であるから、しっかりとした(必要十分な)強度を有する連結部10bを成形するためには、多層に折り曲げなければならず、多数の工程を要してしまうという問題点を有する。しかしながら、本限流ヒューズ1によれば、かかる問題点をも解消することができるのである。
【0029】
プレス加工により溶断部10aが所望の厚みに形成された後、図3に示すように、プレス加工が施されて第1凹部10dが形成される。第1凹部10dの形成後、上記二つのプレス加工により生じたバリ201が切断されるとともに、第1凹部10dの形成箇所におけるエレメント10の断面積を小さくするために、更に透孔10cが穿設される。このように、エレメント10に対して第1凹部10d及び透孔10cが穿設されることにより、プレス部200bを、必要最小限度の剛性を有し、且つ断面積の小さい溶断部10aに形成することができる。ひいては、限流ヒューズ1の溶断電流しきい値を適宜の小さい値に変更することができるのである。ここで、図5は、所望の厚みに成形された溶断部10aに対して、透孔10c及び第1凹部10dの形成後におけるエレメント10の側面図である。勿論、溶断電流の大きさの如何によっては、透孔10c又は第1凹部10dの何れか一方、又は双方を省略しても良い。
【0030】
第1凹部10dの成形後、図3に示すように、金属片200の両端部200cを内側に折り畳む。折り畳むことにより、必要十分な剛性を有する連結部10bが成形される。以上により、エレメント成形工程を終了する。このように、一枚の金属片200より、溶断部10a及びその溶断部10aと同一体の連結部10bの両方の部位を形成することができるのである。
【0031】
従って「従来の技術」及び「発明が解決しようとする課題」の欄において説明したような接合工程、即ち、本限流ヒューズ1の構成要素である溶断部10aと連結部10bとをロー付けしたり溶接する工程を施さなくても良いのである。ひいては、本限流ヒューズ1の製造工程を簡素化することができるとともに、車両に取り付けた場合、耐振性、耐環境性の面で、十分な強度特性、耐久性の低下を防止することができるのである。更に、個体差のばらつきを押さえることにより、不良品の発生を抑制することが、換言すれば歩留まりを改善することができるのである。
【0032】
次に、溶断部10aを被覆する被覆工程、具体的には、図6から図9までに示される、エレメント10に対して被覆カバー30を取着する工程について説明する。まず、図6に示すように、エレメント10の両側よりカバー本体31,31を組み付ける(組み合わせる)。カバー本体31の組み付け後、図7から図9までに示すように、両キャップ体32、32を夫々、カバー本体31の両端面部311,311より夫々嵌合させる(被せる)のである。このキャップ体32のカバー本体31への嵌合により、エレメント10に取着される両カバー本体31,31の不用意な分離が防止される。
【0033】
ところで、カバー本体31内には、消弧剤20を充填する必要がある。このため、長手方向(軸方向)の両端部が中央部よりも短径とされているカバー本体31の両短径周部311,311には、透孔である充填孔311aが夫々穿設されており、この充填孔311aは、キャップ体32をカバー本体31に嵌合させた際にキャップ体32により隠れる位置(覆われる位置)に形成されている。このため、充填孔311aを介してカバー本体31内へ消弧剤20を充填する場合には、両キャップ体32,32のうちの何れか一方のキャップ体32のみが嵌合された状態で行われ、消弧剤20の充填完了後、他方のキャップ体32も嵌合されるのである。そして、このように充填孔311aがカバー本体31内の両端部に夫々形成されているが故に、消弧剤20の充填前にキャップ体32を嵌合可能なカバー本体31の端部が、何れか一方の端部に限定されてしまうことが防止される。ひいては、消弧剤20の充填前にキャップ体32をカバー本体31へ嵌合させる際の煩雑さ、具体的には、カバー本体31の何れの端部側に充填孔311aが形成されているかの判別等の煩雑さが解消される。勿論、カバー本体31の一の端部側にのみ充填孔311aが穿設される構成とされても良いことはいうまでもないが、上記の理由により両端部に設けられている方が好ましい。
【0034】
キャップ体32のカバー本体31への嵌合後、図9に示すように、カバー本体31の短径周部311と長径周部312との境目部分に周設されている掛止凹部311bを介して、キャップ体32の開口側端部321を加締める。即ち、第1掛止凹部311及びキャップ体32の開口側端部321により分離防止機構が形成されており、これにより、掛止凹部311bとキャップ体32の端部とが掛止し合い(圧着し合い)、カバー本体31とキャップ体32とが一体化されるのである。この加締め作業は、各キャップ体32のカバー本体31へ嵌合された際に行われる。従って、一体化のための別部材を設けることなく(部品点数を多くすることなく)、カバー本体31とキャップ体32とを一体化させることができる。ひいては、カバー本体31内への消弧剤20の充填時、又は充填後にカバー本体31内より消弧剤20が洩れ(抜け)出てしまうことを防止することができるのである。
【0035】
一方、前記の通り、充填孔311aは、キャップ体32をカバー本体31に嵌合させた際にキャップ体32により隠れる位置(覆われる位置)に形成されている。このため、キャップ体32を嵌合することにより、単に、カバー本体31,31の不用意な分離を防止することができるのみならず、充填孔311aを塞ぐこともできるのである。ひいては、別途、充填孔311aを塞ぐ部材を設けなくても良くなり、部品点数の削減や組立工数が低減される。
【0036】
消弧剤の充填完了後、他方の(残りの)キャップ体32をカバー本体31へ嵌合するとともに、カバー本体31とキャップ体32とを掛止させれば、被覆工程及び充填工程が終了する。勿論、キャップ体32とカバー本体31とを一体化させるために、接着剤を使用した接着、ロー材等を使用したロー付けを併用しても良い。
【0037】
「第2実施例」
次に、図10から図12までを参照して、本発明の他の実施例(第2実施例)について説明する。なお、この説明においては、上記実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0038】
図10から図12に示す第2実施例の本限流ヒューズ2は、主として、カバー本体31とキャップ体32との不用意な分離を防止する分離防止機構(方式)、及び消弧材20の充填機構(方式)が異なる。具体的には、カバー本体31に設けられた掛止凹部311b及び充填孔311aが限流ヒューズ2には設けられておらず、各キャップ体32の周部322に、夫々内周面より突出する掛止片部322aが形成され、一方、カバー本体31の両細径周部311,311に、掛止凹部311cが凹設されている。このため、単にキャップ体32をカバー本体31に嵌合させるのみで、掛止片部322aと掛止凹部311cとが掛止し合い、カバー本体31とキャップ体32とが不用意な分離不能に一体化することができる。即ち、一体化のための別部材を設けることなく(部品点数を多くすることなく)、カバー本体31とキャップ体32とを一体化させることができる。
【0039】
カバー本体31とキャップ体32とを一体化させる際、掛止片部322aは、キャップ体32の径方向に対して弾性的に可撓するように設けられているので、キャップ体32のカバー本体31への嵌合中に、掛止片部322aが嵌合を阻害してしまうことが防止されるとともに、掛止片部322aが掛止凹部311cの形成位置と合わされば、人為的な操作をすることなく、掛止片部322aと掛止凹部311cとが掛止されて、カバー本体31とキャップ体32とを不用意な分離不能に一体化させることができる。
【0040】
また、本限流ヒューズ2においては、カバー本体31の端面部313に穿設された充填孔313aを備えており、両キャップ体32,32をカバー本体31に嵌合させた後、かかる充填孔313aを介して、カバー本体31内に消弧剤20を充填するのである。充填後、充填孔313aに対して充填蓋33を嵌合すれば、被覆工程及び充填工程が終了する。なお、消弧剤20の充填後又は充填前に、キャップ体32とカバー本体31とを圧着させることにより、更なる一体化を図っても良い。
【0041】
「第3実施例」
次に、図13及び図14を参照して、本発明の更に他の実施例(第3実施例)について説明する。図13は、第3実施例の本限流ヒューズ3の部分断面斜視図である。なお、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0042】
図13に示す第2被覆カバー330は、溶断部10aを被覆する部材であり、内部空間を有する略直方体状に形成されている。また、第2被覆カバー330内には、消弧剤20が充填されている。ここで、第2被覆カバー330は、消弧剤20と同様に消弧剤により構成されるものであり、エレメント10の周囲に充填される消弧剤を焼結硬化させて成る部材である。従って、従来技術の限流ヒューズ90のように、煩雑な組み付け工程を省略することができるのである。
【0043】
次に、第3実施例の本限流ヒューズ3の製造方法、より具体的には、上記実施例の限流ヒューズ1,2の製造方法とは異なる工程、消弧剤の充填工程および被覆部の成形工程について説明する。
【0044】
図14は、消弧剤充填工程および被覆部成形工程を示す図である。図14に示すように、まず、ダイス(金型の一方)51の凹部51a内に消弧剤20を充填する。消弧剤20の充填後、ダイス51の凹部51a内にエレメント10を載置するとともに、更にエレメント10の上から消弧剤20を充填する。ここで、消弧剤20の充填は、接着剤の一種である液状のバインダー(図示せず)が混ぜられた状態で充填され、エレメント10の近傍に充填される(内側部の)消弧剤20に混ぜられるバインダー(以下、便宜上、「第1バインダー」と称する。)の種類と、エレメント10の遠傍に充填される(外側部の)消弧剤20に混ぜられるバインダー(以下、便宜上、「第2バインダー」と称する。)の種類とは異なる種類のものが用いられる。換言すれば、その第1バインダーの混じった消弧剤20の周囲に充填される消弧剤20に対して混ぜられる第2バインダーの種類は、第1バインダーの種類と異なる種類のものが用いられるのである。消弧剤20の充填後、ダイス及びパンチ(金型の他方)52によりプレス加工をして、消弧剤20を矩形状(直方体状)に成型するのである。
【0045】
消弧剤20の成型後、焼結工程、即ち、消弧剤20の周囲(外側部)を高温で加熱処理する。ここで、第1バインダーは、高温時に固着強度がなくなる種類の接着剤であり、第2バインダーは、高温時に完全に凝固する種類の接着剤である。従って、加熱処理の後、エレメント10(溶断部10a)の周囲には、未硬化状態の消弧剤20を形成することができ、その消弧剤20の周囲には硬化状態の消弧剤、即ち、被覆カバー30を形成することができるのである。ひいては、従来技術の限流ヒューズ90のように、ケース体92や固定ピン95が不要となり、部品点数を低減することができ、ひいては、部品管理を簡略化することができるとともに、部品代(材料費)を削減することもできる。また、図14に示すような、エレメント10の周囲にケース体92を外嵌させたり、その外嵌させたケース体92を固定ピン95によって固定するといった煩雑な工程を省略することもできる。
【0046】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は当然に上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察することができるものである。そして、本発明の技術的範囲には、それらの改良変形をも含まれる。
【0047】
例えば、本実施例によれば、被覆カバー30,330の外観形状が円柱状とされているが、被覆カバー30,330の形状は、当然に、円柱状に限定されるものではなく、例えば、直方体状など、種々の形状に形成されても良いことはいうまでもない。
【0048】
また、第3実施例によれば、消弧剤20の成型後、第2被覆カバー330を成型するために、焼結工程が実施される。しかしながら、必ずしも焼結工程を行わなくても、接着剤であるバインダーの混合された消弧剤20をエレメント10の周囲に充填(配設)し成型するだけでも良い。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の限流ヒューズによれば、溶断部と連結部とが同一の金属片より構成されて成るので、車両に取り付けた場合、耐振性、耐環境性の面で十分な強度特性、耐久性を得ることができるとともに、部品点数を低減することができ、ひいては、部品管理をする際の煩雑さの改善、及び製造コストの削減を図ることができるという効果を奏する。
【0050】
また、かかる金属片が所望の溶断電流しきい値に応じた厚みに形成されるとともに、該溶断電流しきい値に応じた幅に切断されることにより溶断部が形成されるので、溶断部と連結部とを接合する煩雑な工程自体を省略することができるという効果を奏する。ひいては、本限流ヒューズの製造工程の簡略化を図ることができるとともに、接合具合の如何によって本限流ヒューズに不良品が生じてしまうことを防止することができるという効果を奏する。
更に、上記効果に加え、消弧材充填孔がカバー本体の周壁部であって、カバー本体に嵌合されたキャップ体により覆われる位置に形成されているので、キャップ体を嵌合することにより、単に、カバー本体の不用意な分離を防止することができるのみならず、充填孔を塞ぐことができるという効果を奏する。
【0051】
請求項2記載の限流ヒューズによれば、請求項1記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、更に、溶断部の断面積を所望の溶断電流しきい値に応じた面積とするための透孔、又は切欠きが溶断部に形成されているので、材料となる金属片の厚みの如何によらず、溶断部の断面積を適宜の断面積とすることができる。ひいては、溶断電流しきい値を適宜の値に設定することができるという効果を奏する。
【0052】
請求項3記載の限流ヒューズによれば、請求項2記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、更に、透孔形成箇所の溶断部(即ち、溶断部の溶損部位)の板厚が透孔形成箇所以外の溶断部の厚みより更に薄く形成されているので、材料となる金属片の厚みの如何によらず、溶断部の断面積を適宜の断面積とすることができる。ひいては、溶断電流しきい値を適宜の値に設定することができるという効果を奏する。
【0053】
請求項4記載の限流ヒューズによれば、請求項1から3の何れかに記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、溶断部を覆うように連結部に組付けられる中空円柱状のカバー本体及び、カバー本体の両端に嵌合される蓋状のキャップ体とによって被覆部が構成されているので、消弧材の充填作業をカバー本体の連結部の組み付け後に行うことができる。ひいては、溶断部の周囲へ消弧剤の充填する作業の煩雑さを解消することができるという効果を奏する。
【0054】
請求項5記載の限流ヒューズによれば、請求項4記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、更に、カバー本体とキャップ体との不用意な分離を防止するための分離防止機構が形成され、又は分離防止加工が施されているので、不用意な分離不能に一体化させることができ、ひいては、カバー本体内の消弧剤が洩れ(抜け)出てしまうことを防止することができるという効果を奏する。
【0055】
請求項6記載の限流ヒューズによれば、請求項5記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、カバー本体に対するキャップ体の嵌合後に、掛止凹部と重なるキャップ本体の部位が圧潰されることにより、カバー本体とキャップ体とが掛止し合うので、部品点数を多くすることなく、換言すれば、一体化させるための別部材を用いることなく、カバー本体とキャップ体とを一体化させることができるという効果を奏する。
【0056】
請求項7記載の限流ヒューズによれば、請求項5または6に記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、カバー本体に対してキャップ体が嵌合されることにより、掛止片部と前記掛止凹部とが掛止し合うようにされているので、部品点数を多くすることなく、換言すれば、一体化させるための別部材を用いることなく、カバー本体とキャップ体とを一体化させることができるという効果を奏する。
【0057】
請求項8記載の限流ヒューズによれば、請求項1に記載の限流ヒューズの奏する効果に加え、更に、加熱処理に伴って凝固する種類の接着剤の混合された消弧材の表面を焼結硬化させることにより、溶断部を被覆する被覆部が成るので、被覆部を構成する工程を簡素化することができるという効果があり、ひいては、本限流ヒューズの製造工程の簡素化を更に図ることができるという効果を奏する。
【0058】
請求項9記載の限流ヒューズの製造方法によれば、充填孔は、キャップ体をカバー本体に嵌合させた際にキャップ体により隠れる位置(覆われる位置)に形成されている。このため、キャップ体を嵌合することにより、単に、カバー本体の不用意な分離を防止することができるのみならず、充填孔を塞ぐこともできる。
【0059】
請求項10記載の限流ヒューズの製造方法によれば、上記工程に加えて、ダイスの凹部内に連結部形成工程を終えたヒューズエレメントを載置し、その溶断部の上から消弧剤を充填し、消弧材充填後のダイスの凹部内にパンチによりプレス加工して消弧材を所定の外形形状に形成するので、また、請求項11記載の限流ヒューズの製造方法によれば、更に前記被覆部成形工程後、加熱処理に伴って凝固する接着剤が混合された消弧剤の外側部を硬化させる焼結工程を経るので、従来技術の限流ヒューズのように、ケース体や固定ピンが不要となり、部品点数を低減することができ、ひいては、部品管理を簡略化することができるとともに、部品代(材料費)を削減することもできる。
また、エレメントの周囲にケース体を外嵌させたり、その外嵌させたケース体を固定ピンによって固定するといった煩雑な工程を省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である限流ヒューズの部分断面斜視図である。
【図2】 本限流ヒューズ1を構成するエレメント10のみの斜視図である。
【図3】 エレメント成形工程を説明するための概略図である。
【図4】 エレメント成形工程の一工程であるプレス加工工程を説明するための図である。
【図5】 プレス加工、バリ除去工程、透孔穿設工程および凹部成形工程の施された後のエレメント10の側面図である。
【図6】 被覆工程の一工程であるカバー本体組付工程を説明するための図である。
【図7】 被覆工程の一工程であるキャップ体の嵌合工程を説明するための斜視図である。
【図8】 図7の部分拡大図である。
【図9】 図8のIX-IX線における断面図である。
【図10】 第2実施例の限流ヒューズの、キャップ体がカバー本体と分離している状態を示す斜視図である。
【図11】 図10の部分拡大図である。
【図12】 図10のXII-XII線における断面図である。
【図13】 第3実施例の限流ヒューズの部分断面斜視図である。
【図14】 第3実施例の限流ヒューズの製造工程の一部である、消弧剤充填工程および被覆部成形工程を示す図である。
【図15】 従来技術の限流ヒューズの製造方法の一部を示す概略図である。
【図16】 従来技術の限流ヒューズの製造方法の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
1,2,3 限流ヒューズ
10 エレメント
10a 溶断部
10b 連結部
10c 透孔
10d 第1凹部
10f 切欠き
20 消弧剤
30 被覆カバー(被覆部)
31 カバー本体
32 キャップ体
33 充填蓋
40 第2被覆カバー(被覆部)
321 開口側端部(分離防止機構の一部)
311a 充填孔(消弧材充填孔)
311b 掛止凹部(掛止凹部、分離防止機構の一部)
311c 掛止凹部(掛止凹部、分離防止機構の一部)
313a 充填孔(消弧材充填孔)
322a 掛止片部(分離防止機構の一部)
Claims (11)
- 通電電流の大きさに応じて溶断する溶断部と、該溶断部と電極側の配線又は端子とを通電可能に連結するための連結部と、前記溶断部を被覆する絶縁性の被覆部と、
前記溶断部の溶断に際して発生するアークを冷却するとともに消弧する消弧部とによって構成されており、
前記溶断部は、前記連結部を構成する金属片と同一片の金属片より構成され、該金属片の中間部が所望の溶断電流しきい値に応じた厚みに形成され、且つ該溶断電流しきい値に応じた幅に切断されて成り、
前記被覆部は、前記溶断部を覆うカバー本体と、該カバー本体に嵌合されるキャップ体とより構成され、前記カバー本体の周壁部であって、且つ前記キャップ体により覆われる位置に、消弧剤充填孔が形成されて成ることを特徴とする限流ヒューズ。 - 溶断部には、該溶断部の断面積を所望の溶断電流しきい値に応じた面積とするための透孔、又は切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1記載の限流ヒューズ。
- 溶断部は、透孔形成箇所の周囲が圧潰されることにより、透孔形成箇所以外の溶断部の厚みより板厚が更に薄く形成されていることを特徴とする請求項2記載の限流ヒューズ。
- 被覆部のカバー本体は、溶断部を覆うように連結部に組付けられる中空円柱状のものであり、キャップ体は、前記カバー本体の両端に嵌合される蓋状のものであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の限流ヒューズ。
- カバー本体及びキャップ体には、該カバー本体及びキャップ体の不用意な分離を防止するための分離防止機構が形成され、又は分離防止加工が施されていることを特徴とする請求項4記載の限流ヒューズ。
- 分離防止機構は、カバー本体の周部に周方向に沿って形成された第1掛止凹部を有しており、
前記カバー本体に対するキャップ体の嵌合後に、前記第1掛止凹部と重なる前記キャップ本体の部位が圧潰されることにより、前記カバー本体とキャップ体とが掛止し合うことを特徴とする請求項5記載の限流ヒューズ。 - 分離防止機構は、キャップ体の周部に該キャップ体の内周面より突出するように形成された掛止片部と、カバー本体の外周面に形成され、該掛止片部と掛止可能な第2掛止凹部とを有しており、
前記カバー本体に対して前記キャップ体が嵌合されることにより、前記掛止片部と前記第2掛止凹部とが掛止し合うことを特徴とする請求項5または6に記載の限流ヒューズ。 - 通電電流の大きさに応じて溶断する溶断部と、
該溶断部と電極側の配線又は端子とを通電可能に連結するための連結部と、
前記溶断部を被覆する絶縁性の被覆部と、
前記溶断部の溶断に際して発生するアークを冷却するとともに消弧する消弧部とによって構成されており、
前記溶断部は、前記連結部を構成する金属片と同一片の金属片より構成され、該金属片の中間部が所望の溶断電流しきい値に応じた厚みに形成され、且つ該溶断電流しきい値に応じた幅に切断されて成り、
前記消弧部は、溶断部の周囲に配設された消弧剤によって構成されており、
被覆部は、加熱処理に伴って凝固する接着剤が混合された消弧剤の外側部を焼結硬化させて成るものであることを特徴とする限流ヒューズ。 - 一枚の金属平板に対し、少なくとも次の工程を加えて成ることを特徴とする限流ヒューズの製造方法。
I:一枚の金属平板から、溶断部と該溶断部の両側に連結部とを有する形状のヒューズ素材を打ち抜く打ち抜き工程、
II:前記金属平板の略中央部をプレスし、所望の溶断電流しきい値に応じた厚みと、溶断電流しきい値に応じた幅とを有する寸法に形成する溶断部形成工程、
III:前記溶断部を覆う被覆部を、絶縁性のカバー本体と、該カバー本体に嵌合されるキャップ体とよりなる被覆カバーで構成し、前記カバー本体の周壁部であって、且つ前記キャップ体により覆われる位置に、消弧剤充填孔を形成する被覆カバー形成工程、
IV:前記溶断部を、前記カバー本体により被覆する被覆工程、
V:前記カバー本体の消弧剤充填孔を通じて、溶断部と、前記カバー本体との間に、消弧部材を充填する消弧部材充填工程。 - 一枚の金属平板に対し、少なくとも次の工程を加えて成ることを特徴とする限流ヒューズの製造方法。
I:一枚の金属平板から、溶断部と、該溶断部の両側に連結部とを有する形状のヒューズ素材を打ち抜く打ち抜き工程、
II:前記金属平板の略中央部をプレスし、所望の溶断電流しきい値に応じた厚みと、溶断電流しきい値に応じた幅とを有する寸法に形成する溶断部形成工程、
III:前記一枚の金属平板の両端部を折り曲げて、前記溶断部の両側に、電極側の配線又は端子を通電可能に連結する連結部を形成する連結部形成工程、
IV:ダイスの凹部内に、前記連結部形成工程を終えたヒューズエレメントを載置し、その溶断部の上から消弧剤を充填する消弧剤充填工程、
V:前記消弧剤充填後のダイスの凹部内にパンチによりプレス加工して、前記消弧剤を所定の外形形状に形成する被覆部成形工程。 - 更に、次の工程を加えて成ることを特徴とする請求項10記載の限流ヒューズの製造方法。
VI :前記被覆部成形工程後、加熱処理に伴って凝固する接着剤が混合された消弧剤の外側部を硬化させる焼結工程。
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