JP4190415B2 - チタン構成要素表面から鉄酸化物堆積物を除去する方法 - Google Patents

チタン構成要素表面から鉄酸化物堆積物を除去する方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタン構成要素表面から鉄酸化物堆積物を除去する方法及び組成物に関し、特に、溶解した鉄又は鉄化合物の形態で不純物を含み得る液体プロセスストリームが存在し、処理設備と接触するようになる化学製造プロセスにおける処理設備のチタン表面上の鉄酸化物の蓄積を減少させ若しくは制御する上記方法及び組成物の使用に関する。
チタン構成要素(チタン金属製、チタン金属被覆又はチタン金属で覆われた設備及び設備構成要素、さもなければチタン金属の表面を有する設備もしくは設備構成要素として定義される)は、耐腐食性が重要である種々のシステム、プロセス及び雰囲気において有用である。例えば、チタン金属は、腐食性物質(溶媒、反応物質及び副産物を含む)又は酸化雰囲気などの雰囲気を用いるか又はこれらに暴露される化学産業プロセス及び他の産業プロセスにおいて、反応容器、ライナー及び他の反応器内部構成用の構築材料又は構成要素材料として用いられている。チタン構成要素としては、チタンの耐腐食性及び長期化された設備寿命ゆえに熱交換機も含まれる。充填材形態としてのチタン構成要素は、腐食性物質を含む気−液分離用の蒸留塔及び他の分離装置において用いられることが多い。チタン構成要素自身は耐腐食性であるが、チタン構成要素がプロセスストリーム中に不純物として存在するかもしれない可溶性鉄又は鉄化合物などの鉄源と接触するようになるシステム又はプロセスにて用いられる場合には、鉄酸化物堆積物がこのようなチタン構成備品の表面上に形成され得る。例えば、チタン構成要素は、しばしば、耐腐食性があまり重要ではない領域に比較的高価ではないステンレススチール材料をも用いるシステムに一体化される。これらのステンレススチール材料は、チタン構成要素の表面に鉄酸化物として蓄積され得る溶解した鉄をシステム中に導入するかもしれない。他のシステムにおいて、鉄源として考えられるものとしては、触媒、液体プロセスストリーム及び不純物が挙げられる。
チタン構成要素表面上での鉄酸化物の蓄積は、徐々になされることが多いが、長時間にわたり蓄積した鉄酸化物の量は、チタン構成要素の有用性に影響を与え得る。たとえば、熱交換器の形態でのチタン構成要素の場合においては、チタン構成要素表面上での鉄酸化物の蓄積は、熱移動に影響を与えるかもしれない。チタン構成要素が充填材として蒸留塔に用いられる場合には、溶解した鉄に繰り返し暴露されるときに、チタン充填材の表面上に鉄酸化物の薄層が形成され、「チタン構造充填材上の鉄酸化物の蓄積はチタンの燃焼を促進または加速することもある」ことが報告されている。「このような物質の蓄積を化学的手段または他の手段によって定期的に除去することが適切であるかもしれない。しかし、除去がチタンの損失によって達成される場合には、着火に感応的であり得る、より薄い層を作り出すこともある。」(Centerline, Vol. 5, No.2, Summer 2001, pp. 6-8, 15-18, Mary Kay O'Connor Process Safety Center)この文献は、鉄酸化物の存在が「燃焼用の酸素が反応性の低い金属酸化物から得られるテルミット反応として知られている機構によって、チタン(充填材)の酸化を加速した」とも報告している。チタン金属及び鉄酸化物を含むテルミットタイプの反応の例は、下記式:
Figure 0004190415
により表される。
酸化物蓄積物を除去するための方法及び組成物は、硫酸及びクエン酸を含む洗浄溶剤及び金属表面を洗浄するための該洗浄溶剤の使用を開示する米国特許U. S. 3,957,529号明細書;アミン、強鉱酸及びクエン酸を含む組成物で金属酸化物を除去する方法を開示する米国特許U. S. 4,174,290号明細書;及びアミンなどのアンモニア誘導体、強鉱酸及びpH約0.5〜3.0の水溶液である金属酸化物用の有機キレート剤を含む組成物で金属酸化物を除去する方法を開示する米国特許U. S. 4,250,048号明細書により公知である。米国特許U. S. 4,623,399号明細書は、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及び蟻酸などの有機酸を含む組成物で、金属表面から鉄酸化物スケールを除去する方法を開示する。フェロ鉄金属腐食生成物は、クエン酸またはクエン酸−タンニン複合剤をエリソルビン酸塩還元剤と一緒に用いることにより除去されることも報告されている。
伝統的な方法及び組成物は、種々の表面から鉄酸化物を除去するためにしばしば有用ではあるが、これらの特定の用途における有用性は、存在するかもしれない他の所望金属の中からの鉄酸化物に対する不十分な選択性、及び用途の他の側面との親和性の欠如または一体化の困難性など、種々の観点にて制限されることがある。チタン構成要素表面上の鉄酸化物蓄積物の場合、チタン構成要素に実質的に損傷を与えず又はチタン構成要素の溶解を実質的に生じさせずに鉄酸化物が除去されるような選択的除去は、チタン構成要素が比較的高価であることから特に重要である。
したがって、チタン構成要素に損傷を与えずに、チタン構成要素から鉄酸化物堆積物を除去するための方法及び組成物を提供することが望ましい。チタン構成要素が化学プロセス及び他の産業プロセスにおいて用いられる場合、プロセスの他の側面と一体化されたチタン構成要素上の鉄酸化物の表面堆積の除去又は制御を提供することが特に望ましい。
我々は、チタン構成要素の表面から、鉄酸化物堆積物を選択的に除去することができる方法及び溶剤組成物を開示する。
本発明によれば、溶剤組成物は、有機酸及びハロゲン化水素酸の水溶液を含む。
本発明によれば、鉄酸化物堆積物は、チタン構成要素と本発明の溶剤組成物を接触させることにより、チタン構成要素表面から選択的に除去される。溶剤組成物との接触は、1回の操作で行うことができ、あるいは溶解した種を含む組成物を再循環させて、チタン構成要素と1回以上繰り返し接触させることもできる。
本発明の別の実施形態によれば、存在するかもしれない鉄酸化物堆積物は、分子状酸素の実質的不在下にて、有機酸とハロゲン化水素酸との水溶液を含む溶剤組成物を1又は複数のチタン構成要素に接触させることにより、蒸留塔などの気−液分離装置内部のチタン構成要素表面から選択的に除去される。好ましくは、このような実施形態において、水性有機酸は加熱され、装置に導入され、及び装置内を循環する。一方、水性ハロゲン化水素酸は水性有機酸に添加され、得られた結果物は分離装置を通過する。好ましい実施形態において、有機酸は、分離装置に導入される前に、及び実質量のハロゲン化水素酸が添加される前に、熱交換器表面と接触して加熱される。加熱された酸は、分離装置に導入されて分離装置内を循環し、内部のチタン構成要素と接触する。熱交換器表面は、ハロゲン化水素酸への暴露時の損傷を避けるに十分低い温度まで冷却される。ハロゲン化水素酸が有機酸に添加されて、本発明の溶剤組成物を形成する。溶剤組成物は、分離装置内を通過して、内部のチタン構成要素と接触する。
本発明は、蒸留塔の内部が鉄源(典型的には溶解した鉄)に暴露されている蒸留塔内部のチタン構成要素から固体鉄酸化物を選択的に除去するために、特に有用であり、特に、分子状酸素への暴露など酸化剤又は環境に暴露されている場合に有用である。
[実施形態]
本発明は、芳香族カルボン酸を作るための液相酸化プロセス中に発生したオーバーヘッドガス中の水と酸とを分離するために用いられる蒸留塔からのチタン充填材の表面上に固体形状で存在し、溶解した鉄化合物を含む気化したプロセス液体又は蒸留還流から沈殿又は堆積した結果として充填材上に蓄積していると考えられる鉄酸化物が、鉄(II)酸化物よりも有意に高濃度の鉄(III)酸化物、特にαFe2O3を有する、という開示に部分的に基づく。プロセスに用いられる種々の液体ストリーム中に溶解している鉄含有不純物は、高濃度の鉄(II)を有すると考えられるが、高温及び酸性で腐食性のプロセス環境が、液体ストリーム中に溶解している、あまり可溶性ではない鉄(III)酸化物へのより可溶性の鉄(II)種の酸化を促進し、鉄(III)酸化物は、プロセス設備機器の金属表面に堆積する傾向にある。チタン構成要素は、プロセス条件及び物質の厳しさゆえに、このようなプロセスに多く使用されており、したがって、構成要素のチタンに損傷を与えず又はチタンを溶解させずに、形成されるかもしれない鉄酸化物、特に鉄(III)酸化物を除去することが、プロセス運転及び設備維持のために重要である。
チタン構成要素表面から鉄酸化物を選択的に除去するための公知の方法及び組成物の有効性が制限されているのは、鉄(III)酸化物に起因すると考えられる。鉄(III)酸化物ならびに鉄(II)酸化物がこれらのチタン構成要素表面上に形成された鉄酸化物としてしばしば存在するが、前者が主として、すなわち多量に存在し得る。堆積した鉄(II)酸化物の除去に有効な溶剤は、堆積した鉄(III)酸化物の除去にはあまり有効ではない。よって、鉄(III)酸化物の除去は、典型的には、鉄(II)酸化物の除去と比較して、より強い溶剤を必要とする。チタン構成要素表面から鉄酸化物を完全に又は実質的に除去することができるが、より強い溶剤は、構成要素から高レベルのチタン金属を偶発的に溶解させてしまい、構成要素に損傷を与えてしまう。本発明の方法及び溶剤組成物を用いることによって、鉄酸化物堆積物は、多量の鉄(III)酸化物が存在する場合でも、チタン構成要素表面から選択的に除去され得る。
一側面によれば、本発明は、チタン構成要素表面から鉄酸化物を選択的に除去するために有用な溶剤組成物を提供する。本溶剤組成物は、ハロゲン化水素酸、水、及び有機酸を含む。好ましくは、溶剤組成物は、臭化水素酸、水及び有機酸から本質的になる。溶剤組成物は、チタン構成要素表面から、鉄酸化物堆積物の目に見える全量を含む多量の鉄酸化物を選択的に除去することができる。鉄酸化物の除去は、チタン構成要素から、チタンの除去なしに、あるいはチタンの実体のない除去のみを伴って、達成される。
一実施形態において、溶剤組成物は、好ましくは2000ppmw以下のチタン摂取容量を有し、より好ましくは500ppmw以下のチタン摂取容量を有し、さらにより好ましくは100ppmw以下のチタン摂取容量を有し、またさらにより好ましくは50ppmw以下のチタン摂取容量を有し、もっとも好ましくは15ppmw以下のチタン摂取容量を有する。チタン摂取容量とは、所与の溶剤組成物が用いられるべき条件下で、チタン金属サンプルとの接触時に、所与の溶剤組成物が溶解することができるチタン金属の量を意味する。本発明の方法及び溶剤組成物の好ましい使用について、チタン摂取容量は、80℃にて少なくとも48時間の接触時間に基づいて利便に決定される。
別の実施形態において、溶剤組成物を用いて、チタン構成要素表面から、目に見える鉄酸化物堆積物の全量又は実質的に全量を除去することができるが、一方、チタン構成要素中のチタン金属総量の1wt%未満だけを除去することができる。チタン構成要素表面から、目に見える鉄酸化物堆積物が少なくとも実質的に除去され、一方、チタン構成要素中のチタン金属の総量の0.5wt%未満が除去されることが好ましく、チタン構成要素中のチタン金属の総量の0.25wt%未満が除去されることがさらにより好ましい。
溶剤組成物中に存在するハロゲン化水素酸、水及び有機酸の量は、組成物がチタン構成要素表面から鉄酸化物堆積物を選択的に除去することができるように選択される。多すぎるハロゲン化水素酸が存在する場合には、溶剤組成物は、典型的には、チタン構成要素中のチタンの望ましくない量をも溶解してしまう。したがって、ハロゲン化水素酸の量は、得られる溶剤組成物が2000ppmw以下のチタン摂取容量を有するように、好ましくは500ppmw以下のチタン摂取容量を有するように、より好ましくは100ppmw以下のチタン摂取容量を有するように、さらにより好ましくは50ppmw以下のチタン摂取容量を有するように、またさらにより好ましくは15ppmw以下のチタン摂取容量を有するように、選択されることが好ましい。適切には、ハロゲン化水素酸は、溶剤組成物の総量の0.5〜20wt%の範囲の量で、好ましくは約1〜約10wt%の範囲の量で、より好ましくは4〜8wt%の量で、溶剤組成物中に存在する。好ましくは、ハロゲン化水素酸は、臭化水素酸又は塩酸であり、臭化水素酸が最も好ましい。
溶剤組成物中に存在する水の量は、得られる溶剤組成物がチタン構成要素表面から鉄酸化物の選択的除去に効果的であるように選択される。比較的高レベルの水では、溶剤組成物は、典型的には、鉄酸化物堆積物除去における有効性を失う。適切には、水は、溶剤組成物の総量の0.5〜25wt%の範囲の量で、より好ましくは3〜15wt%の範囲の量で、さらにより好ましくは4〜8wt%の範囲の量で存在する。
ハロゲン化水素酸及び水の適量が選択された後、溶剤組成物の残りは、主として有機酸を含む。溶剤組成物の残りは、好ましくは有機酸から本質的になり、より好ましくは有機酸からなる。
好ましい一実施形態において、溶剤組成物は、4〜8wt%のハロゲン化水素酸と、4〜8wt%の水と、約84〜約92wt%の範囲である残りの有機酸と、を含む。
溶剤組成物中に存在する有機酸は、2〜6個の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸、安息香酸、又はこれらの混合物である。適切な脂肪族カルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸及びヘキサン酸を挙げることができる。酢酸を有機酸として用いることが好ましい。なぜなら、酢酸は比較的廉価であり、リサイクルしやすい、すなわち他の成分から分離しやすいからである。
1以上のチタン構成要素を含むプロセス設備が、鉄含有不純物が溶解しているか又は存在しているかもしれないプロセスストリーム又は物質と接触し、及び反応物質、溶剤、生成物もしくは他のプロセス物質もしくは中間体が本発明により用いられる溶剤組成物において用いるに適切な有機酸を含む化学プロセス又は産業プロセスに使用するに際して、溶剤組成物中に含まれる酸がプロセス酸と同じであるならば、効率的な物質処理及びリサイクルクス運転にとって有利である。たとえば、反応溶媒として酢酸を用いて、芳香族炭化水素を含む供給物質を芳香族酸に液相酸化する場合には、本発明の溶剤組成物の有機酸成分として酢酸を用いることで、取り扱い、分離、精製、リサイクル、及び酢酸用に用いられる他の設備及びシステムを排除もしくは余剰削減を図ることができる。
所与のチタン構成要素表面から鉄酸化物堆積物を選択的に除去するために用いられる溶剤組成物の量は、溶剤組成物の鉄摂取容量、鉄酸化物堆積物中に存在する鉄の量、及び鉄が除去されるべき程度を含む因子によって決定することができる。鉄摂取容量とは、使用条件下で鉄と接触した際に所与の溶剤組成物が溶解することができる、元素状鉄を基準として計算した鉄の最大量を意味する。チタン摂取容量と同様に、本発明による溶剤組成物の好ましい使用に対して、約80℃の温度で少なくとも48時間の接触時間を基準として決定された鉄摂取容量が利便である。よって、いくつかの用途において、除去されるべき鉄酸化物堆積物の量及び鉄酸化物中に含まれる鉄の量を近似させて、用いられるべき溶剤組成物の量を計算することによって、用いられるべき既知の鉄摂取容量の溶液の量を決定してもよい。
本発明の溶剤組成物は、鉄(II)酸化物(FeO)、α体及びγ体の両者であるFe2O3及びFeO(OH)を含む鉄(III)酸化物の両者、及び混合酸化物Fe3O4の選択的除去に有用である。チタン構成要素から実質的にチタンを溶解させずに、鉄(III)酸化物、特にαFe2O3を含む鉄(III)酸化物を選択的に除去するために、特に有用である。鉄(III)酸化物は、典型的には、鉄(II)酸化物と比較して、選択的に除去することがより困難である。本発明の溶剤組成物は、鉄酸化物堆積物が主として鉄(III)酸化物を含む場合に、チタン構成要素から鉄酸化物堆積物を選択的に除去することができる。少なくとも60wt%の鉄(III)酸化物を含む鉄酸化物堆積物、及び少なくとも90wt%程度に高い鉄(III)酸化物を含む鉄酸化物堆積物であっても、本発明により効果的に除去又は減少される。したがって、本発明は、プロセス液体もしくはストリーム中に溶解している鉄含有不純物が、可溶性鉄(II)種を鉄(III)酸化物に酸化することができる酸化剤もしくは雰囲気の存在下で構成要素に暴露されるプロセスにおいて用いられるチタン構成要素上の鉄酸化物堆積物の蓄積を減少させ又は制御するために、特に有用である。
本発明の溶剤組成物を用いて、チタン構成要素表面上に形成された鉄酸化物堆積物を、このようなチタン構成要素を本発明の溶剤組成物と接触させることにより、選択的に除去することができる。好ましくは、いくつかの用途に対して、溶剤組成物をチタン構成要素と接触させた後、溶剤組成物を再循環させて、再び用いて、追加の鉄酸化物堆積物を選択的に除去するためにチタン構成要素に接触させる。溶剤組成物は、鉄酸化物堆積物の所望量が除去されるまで、バッチ式モードもしくは連続モードで再循環されてもよい。使用条件下で、所与の溶液の鉄摂取容量の制限内で、各連続再循環は、鉄酸化物堆積物の追加量を除去する。好ましくは、チタン構成要素中のチタン総量の1wt%未満、好ましくは0.5wt%未満、より好ましくは0.25wt%未満が除去され、目に見える鉄酸化物堆積物の全量が除去されるまで、溶剤組成物は再循環される。
チタン構成要素表面に接触する際、溶剤組成物の温度は、新鮮な溶剤であろうが又は多量の溶解した鉄を含むかもしれないリサイクル溶剤であろうが、溶剤組成物が連続的に均質且つ液相のままであるが、溶剤に暴露されるかもしれないチタン構成要素又は他の設備に損傷を与えないように選択されるべきである。好ましくは、温度は、溶剤組成物又はそのリサイクル組成物中への鉄酸化物堆積物の溶解度を最大にするほど十分高く、一方、チタン構成要素のチタンの溶解を最小にするべく十分低い。好ましくは、温度は、チタン構成要素中のチタン総量の1wt%未満、好ましくは0.5wt%未満、さらにより好ましくは0.25wt%未満が、チタン構成要素から目に見える鉄酸化物堆積物の全量を除去する際に溶剤組成物に溶解するように、十分低くするべきである。臭化水素酸を含む溶剤組成物については、約135℃よりも低い温度が好ましい。なぜなら、より高温では、チタン金属の望ましくないレベルの溶解を引き起こすことがあるからである。チタン構成要素に接触する際、溶剤組成物もしくはそのリサイクル組成物の温度は、適切には約10℃〜約135℃の範囲にあり、好ましくは10℃〜125℃の間を含み、より好ましくは55℃〜100℃の間であり、さらにより好ましくは70℃〜90℃の間である。
チタン構成要素が溶剤組成物と接触する圧力は、選択された温度に対して適切な任意の圧力である。大気圧よりも高い圧力を用いると、溶剤組成物もしくはそのリサイクル組成物に対して、より高い温度範囲が可能である。大気圧よりも低い圧力を用いると、より低い温度を用いることが必要となる。好ましくは、チタン構成要素が溶剤組成物と接触する圧力は、おおよそ大気圧である。
溶剤組成物もしくはそのリサイクル組成物は、潜在的に可燃性の混合物の形成を避けるために、分子状酸素の実質的不在下で、チタン構成要素表面と接触することが好ましい。実質的に分子状酸素不在である雰囲気は、処理されるべきチタン構成要素の周囲もしくはチタン構成要素内を窒素などの不活性ガス雰囲気もしくは不活性ガスフロー下に維持することにより、利便に提供される。
溶剤組成物を混合し加熱するために、及び溶剤組成物で処理されるべきチタン構成要素へ溶剤組成物を搬送し又はチタン構成要素から溶剤組成物を搬送するために用いることができるタンク、ポンプ、熱交換器及び管路などの設備は、組成物によって溶解してしまって、使用前に鉄摂取容量を減少させてしまうかもしれない鉄の可溶性形態をそれ自身含まない物質から構築されるべきである。ステンレススチール及び他のスチール及び他の鉄含有金属は、この点に関して特に不利である。チタン設備は、溶剤の攻撃に抵抗するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド及び他のプラスチック樹脂から組み立てられている設備である限り、使用に良好に適する。
本発明のより特定の実施形態によれば、ハロゲン化水素酸、及び2〜約6個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸、安息香酸又はこれらの組み合わせを含む水溶性溶剤組成物は、チタン構成要素、特に芳香族カルボン酸の製造用のプロセスにおいて用いられる蒸留塔もしくは他の気−液分離設備のチタン構成要素上の固体鉄酸化物堆積物を除去もしくは制御するために用いられる。このようなプロセスにおいて、アルキル芳香族化合物又は他の酸化可能な芳香族炭化水素、触媒組成物、モノカルボン酸(たとえば、酢酸)を含む溶剤、及び水を含む供給物質は、反応容器に装填される。アルキル芳香族を芳香族酸に変換する接触液相酸化を完了させるために必要な酸素(O2)源を提供するために、空気が反応容器に導入される。空気は、分子状酸素の好ましい源であるが、純酸素、酸素が豊富な空気及び他の源もまた適切である。芳香族酸を含む生成物への芳香族炭化水素供給物質の酸化は、酸化反応条件下で行われる。約120℃〜約250℃の範囲にある温度が適切であり、約150℃〜約230℃が好ましい。反応容器中の圧力は、少なくとも、容器内に、供給物及び溶剤を含む実質的な液相を維持するに十分高い。これは、所与の運転において用いられる供給物及び溶剤の蒸気圧とともに変動するであろう。例として、酢酸を含む溶剤及びパラ−キシレンを含む供給物の酸化によるテレフタル酸の製造において、反応容器内の適切なゲージ圧力は、約0〜約35kg/cm2であり、好ましくは約10〜約20kg/cm2である。
酸化は、水を製造し、その少なくとも一部は典型的にシステムから取り出される。酸化は、発熱反応であり、液体反応混合物は、通常、液体混合物の揮発性成分の気化による反応熱の損失のために、沸騰状態に維持される。これは、反応容器内にオーバーヘッドガスを発生させ、オーバーヘッドガスは好ましくは容器の頂部にて取り出される。このオーバーヘッドガスは、気化したモノカルボン酸、水蒸気、酸素(O2)、及び気体状の酸化副産物を含む。空気が分子状酸素源として用いられる場合、窒素もまた、オーバーヘッドガス相内に存在する。他の成分(たとえば、モノカルボン酸)を反応に戻すように再循環させながら、水を除去するために、オーバーヘッドガスは、反応器から蒸留塔もしくは他の還流コンデンサなどの分離装置に取り出される。分離装置は、オーバーヘッドガスの腐食性ゆえに、充填材もしくはトレイなどの内部チタン構成要素を含む。チタン構成要素充填材の例としては、Kock-Glitsch Inc.(Wichita, Kansas)から市販されている、チタン充填材、Titanium grade 1、0.10mm厚、GEMPAK 2Aがある。
蒸留において、内部チタン構成要素充填材は、水からのモノカルボン酸の分離を促進するので、酸の大半がオーバーヘッドガスから濃縮されて塔底部に隔離されて反応容器に戻され得るが、水蒸気及び非濃縮性種を含む第2気相は塔の頂部から除かれる。充填材は、典型的には、チタン金属の薄いシートの形態であり、典型的には、波形を付されており、束として塔内に並んで配置されていて、上向に流れる気相と、下向に流れる還流及び濃縮物を含む液相と、の間での熱交換のための大きな表面積を提供する。蒸留は、還流水を用いる。還流水は、任意の源からのものでもよいが、システムからの水を用いることが好ましい。たとえば、蒸留塔の頂部から取り出された水を濃縮して、この濃縮物の一部を還流として蒸留塔に送ってもよい。還流水は、米国特許U. S. 5,723,656に記載されているように、芳香族酸生成物を洗浄又は精製するために用いられる水からのものでもよい。還流水は、液相酸化プロセスあるいは生成物回収及び精製などの下流プロセス工程において用いられる他の設備のスチール構成要素との接触から得られる溶解した鉄源であってもよい。これらのスチール構成要素の例としては、管路、結晶化装置、貯蔵タンク、乾燥機、遠心分離機、フィルタ、コンデンサ、ポンプ、スクラバーなどを挙げることができる。上述したように、還流水の鉄(主としてFe+2を含むと考えられる)は、オーバーヘッドガスの酸素と反応して、充填材の表面上に、主として鉄(III)酸化物を形成すると考えられる。溶解した鉄を含有する還流水及び酸素含有オーバーヘッドガスに暴露される内部充填材は、X線回折(XRD)及びエネルギー分散スペクトル分光(EDS)によって分析され、固体鉄酸化物堆積物の約90wt%以下が鉄(III)酸化物で、残りが鉄(II)酸化物からなることが示された。
鉄酸化物堆積物は、酸化反応器からのオーバーヘッドガスフローを分離装置に断続的に流す工程と、分子状酸素の実質的不在下で、分離装置を本発明の溶剤組成物で処理する工程と、を含むことにより、芳香族酸製造プロセスにおいて用いられる蒸留塔充填材などの分離設備の内部チタン構成要素から除去される。分離装置への反応器オフガスフローの断続的な流れは、通常、プロセス遮断中に生じるが、2以上の分離システムを用いるプロセスにあっては、このようなシステムの1以上を隔離して、他の1以上のシステムを連続的に運転させることも適切であろう。酸素の実質的不在雰囲気は、窒素等の不活性ガスのフローを装置内にパージ又は維持することによって、蒸留塔内部又は他の分離装置内に、利便に確立される。処理中の酸素レベルは、潜在的な可燃性混合物の形成を避けるに充分低く維持されるべきである。
蒸留塔又は同様の分離装置の内部チタン構成要素表面(内部チタン充填材を含む)から鉄酸化物堆積物を除去するために用いるには、溶剤組成物を蒸留塔の頂部に適切に導入して、下降流として、塔全体に分散させ、こうして塔及び充填材と接触させる。塔の頂部にて還流液体を導入するために通常用いられる手段を含む適切なスプレイ又は他の液体分散手段による塔の頂部からの充填材への溶剤のスプレイ又は滴下は、液体が塔を貫通して、典型的には重力により、下降流として流れて、他の充填材表面と接触することができるように、溶剤又はその成分を塔に導入するために効果的である。好ましくは、塔への導入前に、反応性酸素を除去するために、塔及び溶剤溶液を窒素等の不活性ガスでパージする。下降流として流れた後、溶剤組成物は、蒸留塔底部で集められて、廃棄されても、あるいは、適宜、追加のメークアップ用の新鮮な溶剤又はリサイクル溶剤と一緒に、蒸留塔の頂部に再び供給及び導入することによって、塔の頂部に戻されてもよい。溶剤溶液は、塔又は他の分離装置を連続的に貫通して循環させてもよいし、あるいは、バッチモードで複数回循環させてもよい。塔又は分離装置を通しての溶剤組成物の循環後、チタン構成要素を水でリンスすることは、溶剤及びその残留物を除去するために有利である。
蒸留塔又は他の分離装置を処理する際に用いるために、溶剤組成物は加熱されてもよい。大気圧における適切な温度としては、10℃〜135℃の間、好ましくは約30℃〜約125℃の間、より好ましくは55℃〜100℃の間、さらにより好ましくは70℃〜90℃の間を挙げることができる。分離装置の内部構成要素であるチタン構成要素の接触は、大気圧にて行われることが最も好ましい。
本発明のさらに特定の実施形態において、溶剤組成物は、保持タンクなどのリザーバに含まれていて、リザーバから蒸留塔の頂部に揚水され、下降流とされ、全体に分配される。溶解している可溶性の鉄化合物を含む溶剤組成物が蒸留塔底部に到達すると、溶剤組成物はリザーバに戻され、集められて、メークアップ溶剤又は成分と一緒に、蒸留塔の頂部にポンプで揚水されて戻されることによって循環させられる。
別の特定の実施形態において、溶剤組成物は、水性である有機酸及び好ましくは水性形態であるハロゲン化水素酸を蒸留塔に逐次的に導入することによって作られる。この実施形態において、有機酸は、好ましくは加熱後、蒸留塔の頂部に導入され、下降流として流され、塔全体に分散されて、塔及び充填材と接触する。有機酸は、好ましくは10wt%未満の水含量、より好ましくは5wt%未満の水含量、さらにより好ましくは1wt%未満の水含量を伴って、導入される。蒸留塔の頂部への導入前に、反応性酸素を除去するために、有機酸及び塔の両者は、窒素等の不活性ガスでパージされる。有機酸が蒸留塔底部に到達すると、有機酸を蒸留塔の頂部に導入することによって、塔を貫通して再循環するように循環され得る。有機酸が塔を通過する際に、ハロゲン化水素酸は、蒸留塔又は有機酸を含むためのリザーバに導入され、こうして本発明による溶剤組成物を形成する。この溶剤組成物は、次いで、所望であればリサイクルを伴って、塔全体を循環する。ハロゲン化水素酸は、好ましくは30wt%を超える量の水、より好ましくは40wt%を越える量の水、さらにより好ましくは約45〜55wt%の量の水を含む水溶液として導入される。有機酸は、好ましくは、塔への導入前に、熱交換機表面と接触することによるなどして、第1の温度にて加熱される。加熱は断続的に行われ、ハロゲン化水素酸が熱交換機表面に損傷を与えないように、ハロゲン化水素酸の添加前に熱交換機表面は十分に冷却される。ハロゲン化水素酸を添加した後、得られる溶剤組成物は、第2の温度まで冷却される。典型的には、第2の温度は、第1の温度よりも少なくとも10℃低い。第1の温度は、好ましくは30℃〜135℃の間、より好ましくは55℃〜100℃の間、さらにより好ましくは80℃〜100℃の間である。第2の温度は、好ましくは30℃〜110℃の間、より好ましくは55℃〜100℃の間、さらにより好ましくは70℃〜90℃の間である。有機酸の量、ハロゲン化水素酸の量及びこれらのそれぞれの水含量は、これらを塔に逐次的に導入した後、所望の結果物たる溶剤組成物を達成するように選択される。得られる溶剤組成物中の有機酸は、好ましくは50wt%よりも多く、より好ましくは75wt%よりも多く、さらにより好ましくは70〜90wt%である。得られる溶剤組成物中に存在するハロゲン化水素酸は、好ましくは0.5〜20wt%の間であり、好ましくは約1〜10wt%の間であり、より好ましくは4〜8wt%の間である。得られる溶剤組成物中に存在する水は、溶剤組成物の総量の好ましくは0.5〜25wt%の間であり、より好ましくは約3〜15wt%の間であり、より好ましくは4〜8wt%の間である。
図面を参照しながら本発明をさらに記載する。図面に示されているのは、20aにおける頂部と20bにおける底部とを有し、チタン構成要素内部充填材21を有する蒸留塔20である。本発明によれば、有機酸、好ましくは酢酸は、リザーバ22内に含まれている。好ましくは、有機酸は、1wt%を越える水を含まない。蒸留塔20及び有機酸を含むリザーバ22の両者は、不活性ガス、好ましくは窒素でパージされる。有機酸は、ポンプ(図示せず)を用いて、蒸留塔の頂部20aに揚水される。有機酸は、蒸留塔の頂部にて蒸留塔内部にスプレイ又は滴下され、重力によって蒸留塔20全体を下降するようになり、充填材21の全体、周囲及び間を通過する。有機酸は、蒸留塔の底部20bから集められ、リザーバ22に戻され、ここで揚水されて蒸留塔20に再循環して戻される。有機酸は、第1の温度、最も好ましくは80℃〜100℃の間の温度まで、熱交換機であることが好ましい加熱装置23によって加熱される。加熱装置23は蒸留塔の頂部に供給するライン内に配置されているように図示されているが、有機酸を加熱するための適宜の加熱装置を用いることができる。第1の温度に到達したならば、更なる加熱は与えられないことが好ましく、より好ましくはハロゲン化水素酸の追加前に、熱交換機表面を十分に冷却させて、熱交換機表面と接触状態にあるハロゲン化水素酸が、表面に損傷を与えるに充分高い温度まで加熱されないようにする。次いで、ハロゲン化水素酸、好ましくは臭化水素酸は、源24から導入されて、リザーバ22に揚水されて、有機酸と混合し、こうして本発明の溶剤組成物を形成する。好ましくは、有機酸との平衡混合を促進するために、ハロゲン化水素酸の総量が、延長された時間(例えば、1〜4時間以上)にわたりゆっくりと添加される。次いで、溶剤組成物は、蒸留塔20全体を循環する。典型的には、溶剤組成物は、1〜48時間の時間をかけて循環する。最良の結果のために、溶剤組成物と接触するようになる構成要素の表面の全部が、チタン又は溶剤組成物に実質的に不溶性である他の物質を含むべきである。
リザーバ22に元来含まれている有機酸は、好ましくは、水及び主要な有機酸を含む混合物である。ここで、混合物の水含量は、好ましくは10wt%未満であり、より好ましくは5wt%未満であり、さらにより好ましくは1wt%未満である。源24に元来含まれているハロゲン化水素酸は、好ましくは30wt%を越える量の水、より好ましくは40wt%を越える量の水、さらにより好ましくは約45〜約55wt%の量の水を含む水溶液であることが好ましい。最も好ましくは、ハロゲン化水素酸は、48wt%臭化水素酸水溶液である。
本発明の特定の実施形態において、充填材などのチタン構成要素は、溶剤組成物で処理されて、構成要素表面上の鉄酸化物堆積を制御して、チタン構成要素に不利な影響を与えるかもしれないレベルまで堆積物が蓄積しないようにする。ゆえに、本発明による処理は、チタン構成要素を有する設備が用いられるプロセスの遮断又は他の中断の間に用いられるメンテナンス手順に含まれてもよい。所与のプロセスに特定の条件下で用いられる設備に対して適宜の反復処理を含む本発明による処理によって、チタン構成要素表面上の鉄酸化物堆積物の厚みは、300ミクロン未満、好ましくは100ミクロン未満、より好ましくは50ミクロン未満、さらには25ミクロン未満にでさえも、容易に維持され得る。
したがって、例えば、本発明の方法及び溶剤組成物は、芳香族カルボン酸の製造用のプロセスと一体化されてもよい。一般に、本発明の方法及び溶剤組成物は、芳香族化合物、水、低分子量モノカルボン酸溶剤、酸化触媒及び分子状酸素源を含む液相反応混合物中にて、反応条件下で、芳香族化合物を芳香族カルボン酸に酸化して、芳香族酸生成物と、水蒸気、未反応分子状酸素及び気体状低分子量モノカルボン酸溶剤を含む気相と、を生成する工程;反応ゾーンから気相の全部又は一部を、内部チタン構成要素を有する分離装置に取り出す工程;及び分離装置内の気相を、モノカルボン酸溶剤を含む液相と、水蒸気を含む第2の気相と、に分離する工程を含む芳香族カルボン酸の製造用のプロセスと一体化されてもよい。酸化は、液体反応混合物及び気相を収容するに充分な容積を有する閉鎖型定格圧力撹拌タンク反応器又は容器により与えられるなどの反応ゾーン内で行われる。気相は、最も一般的には、反応ゾーン内の液体レベルよりも上方のオーバーヘッド気相として存在する。
このようなプロセスの特定の実施形態において、パラ−キシレンを含む供給材料は、酢酸及び分子状酸素源としての空気を含む溶剤を用いて、テレフタル酸を含む生成物に酸化される。このようなプロセス用の触媒は、典型的には、重金属成分、最も好ましくはコバルト、マンガン及び臭素源を含む。
気相は、反応ゾーンから、好ましくは気相を液相及び気相に分離するためのチタン充填材を有する蒸留塔装置であるか又は蒸留塔装置を含む分離装置に取り出される。液相中のモノカルボン酸は、反応ゾーンに利便に再循環させられる。残りの気相は、凝縮されて、他の用途の為に水を回収し、回収された水は熱交換機に使用されるか又はエクスパンダーなどの適切なエネルギー回収装置に送られる。
本発明を利用することができる芳香族カルボン酸の製造用のプロセスの例示は、本明細書に参照として組み込まれている米国特許US 5,925,786、US 5,723,656、US 5,510,521、US 5,463,113、5,621,007及び英国特許British Patent 1373230に開示されている。
分離装置は、反応ゾーンからの気相の分離装置への取り出し及び分離装置内での気相の分離を断続的に行い、本発明による水性溶剤組成物を分子状酸素の実質的不在下で、チタン構成要素表面と接触状態で分離装置を通過させることにより、分離装置の内部チタン構成要素表面上に存在するかもしれない固体鉄酸化物堆積物を除去するべく処理される。断続的な取り出し及び分離工程は、プロセス遮断又は中断と共になど、適宜の手段により効果的になされ得る。上述のように、多数の分離装置で行われるプロセスにおいて、プロセス物質の排出後、このような装置の1個以上をバイパスさせるか又は隔離して処理し、他の1個以上の装置の運転を続行することも適切であり得る。分離装置からのプロセス物質の排出及び装置の例えば苛性アルカリ、水または逐次的な両者によるリンスは、好ましくは、存在するかもしれない鉄酸化物堆積物の除去のための溶剤組成物による装置の処理の前に行われる。溶剤組成物による処理の前の不活性ガスによる装置のパージもまた、分子状酸素の実質的不在雰囲気を維持するために有益である。
分離装置への溶剤組成物又はその成分の通過は、装置内での潜在的可燃性混合物の発生を避けるために、分子状酸素の実質的不在下で行われる。分子状酸素の実質的不在下雰囲気とは、溶剤組成物による処理中の有機種の存在、存在するかもしれない鉄酸化物のレベル、及び温度並びに圧力等の条件を考慮して、装置内での可燃性蒸気混合物の形成を避けるために分子状酸素が十分に低いレベルで存在することを意味する。当業者は、可燃性ガス混合物に関する標準的な源を参照することによって、このようなレベルを決定することができる。より簡便には、溶剤組成物又はその成分を導入する前に窒素等の不活性ガスで分離装置をパージすることにより、処理中に装置内での不活性ガスのフローを維持することにより、あるいは両者により、分子状酸素の実質的不在下雰囲気が分離装置内に維持される。
上述のように、分離装置に導入する前に溶剤組成物を配合することができ、あるいは溶剤組成物の成分を別個に添加することもできる。特定の実施形態において、分離装置を貫通する溶剤組成物の通過は、有機酸成分を、場合によっては水と共に、分子状酸素の実質的不在下で装置に通過させ、ハロゲン化水素酸及び水を分子状酸素の実質的不在下で有機酸に添加して、溶剤組成物を得て;分子状酸素の実質的不在下で、溶剤組成物を装置に通過させてチタン構成成分と接触させることにより達成される。このような実施形態において、最良の結果は、有機酸が第1の温度、好ましくは約40℃〜約125℃まで加熱され、実質的に第1の温度にて装置を通過して、その後、より低温で水性ハロゲン化水素酸を有機酸に添加し、より低温で、酸の組み合わせにより溶剤組成物を形成し、装置を通過して分子状酸素の実質的不在下でチタン構成要素と接触する場合に、達成される。このような用途に対する好ましい溶剤組成物は、約4〜約8wt%のハロゲン化水素酸と、約5〜約15wt%の水と、約77〜約91wt%の有機酸とを含み、臭化水素酸及び酢酸がそれぞれ最も好ましいハロゲン化水素酸及び有機酸である。
低分子量モノカルボン酸反応溶剤が本発明による溶剤組成物の有機酸成分としても適切な物質であるプロセスにおいて、反応溶剤及び溶剤組成物成分の両者として同一の酸を用いることは、更なる利点を呈し得る。例えば、反応溶剤としての酢酸中で、パラ−キシレン供給物の酸化によりテレフタル酸を製造する場合、分離装置を処理するための溶剤組成物の有機酸として酢酸を用いることは、溶剤の取り扱い及び精製を促進し得る。分離装置への通過後、溶解した鉄化合物を含む溶剤の取り出し及び蒸留によるなどのそこからの有機酸の回収は、反応溶剤として使用するための有機酸のリサイクルを可能とするために用いることができる。逆に言えば、反応ゾーンから取り出された気相の分離の結果として回収された液体モノカルボン酸溶剤は、分離装置のチタン内部構成要素を処理するための溶剤組成物の有機酸成分として使用するためにリサイクルすることができる。
以下の実施例は、本発明を説明するが、限定するものではない。
[実施例1]
水13g、酢酸85g、及びHBr水溶液2g(48wt% HBr)をコンデンサ及び撹拌装置付の丸底4首フラスコに装填した。こうして、14.04wt%水、85wt%酢酸及び0.96wt%HBrの溶剤組成物を得た。フラスコ内の溶液に窒素ガスをバブリングして、溶液をガスでパージした。撹拌しながら、鉄(III)酸化物0.30gをフラスコ内に装填した。一定の窒素ガスパージ下で、フラスコの内容物を加熱して80℃に維持した。24時間後、これらの条件下で、未溶解鉄(III)酸化物が観察された。未溶解鉄(III)酸化物を回収するために、真空フラスコ、漏斗、及びWhatman International Ltd.(英国)からの5.5cm WHATMAN濾紙#1(Cat. No. 1001.055)を用いて、減圧下(15in. Hg, 381mmHg)85℃で、フラスコ内容物を熱濾過した。回収された鉄(III)酸化物の量は0.025gであり、最初に装填した鉄(III)酸化物の0.30gの8.63wt%に相当する。
[実施例2〜6]
Table 1に示した変更以外は、実施例1の手順を実質的に繰り返した。
実施例1〜6の結果は、下記Table 1にまとめた。これらの結果から、水、酢酸及び臭化水素酸を含む種々の溶剤組成物が、鉄(III)酸化物を溶解させるのに効果的であったことがわかる。
Figure 0004190415
[実施例7]
水18.0g、酢酸170.0g及びHBr水溶液(48wt%HBr)12.0gを、コンデンサ及び撹拌装置付の丸底4首フラスコに装填した。こうして、12.12wt%の水、85wt%の酢酸及び2.88wt%のHBrを含む溶剤組成物を得た。この溶液を前述の実施例のように窒素でパージした。撹拌しながら、フラスコに、鉄(III)酸化物3.0gを装填して、30℃に加熱して維持した。溶剤組成物の約3gサンプルを取り出した。次に、フラスコの内容物を、撹拌して30℃の温度に維持した。溶剤組成物のサンプルを、2時間の間隔で撹拌を停止させた後に取り出して、未溶解の鉄(III)酸化物を沈殿させた。各サンプリング後、フラスコ内容物の撹拌を再開した。サンプルを8時間かけて取り出した。すべてのサンプルについて、誘導結合プラズマ分光分析計(ICP)によりFe含量を分析した。結果を7aとしてTable 2にまとめた。サンプリング時間の後に残った未溶解鉄(III)酸化物を、真空フラスコ、漏斗及び5.5cm WHATMAN濾紙#1を用いて減圧下(15 in. Hg, 381 mmHg)で熱濾過(85℃)した。未溶解鉄(III)酸化物の量は、g(グラム)で記録し、3.0g(装填した鉄の初期量)で割って、未溶解鉄(III)酸化物のwt%を算出した。
溶液を撹拌しながら60℃に維持した点を除いて、この手順を繰り返した。結果を7bとしてTable 2にまとめた。
鉄(III)酸化物サンプル1.5gとして、温度を108℃に維持して、撹拌しながら15.5時間かけて、再度、手順を繰り返した。結果を7cとしてTable 2にまとめ、議論はTable 2の後に示す。
実施例7a〜7cの結果は、鉄(III)酸化物を溶解させる溶剤組成物の効果における時間と温度の影響を説明する。
Figure 0004190415
実施例7cの条件下で15.5時間後、未溶解鉄酸化物が観察され、フラスコの内容物を真空フラスコ、漏斗及び5.5cm WHATMAN濾紙#1を用いて、減圧下(15 in. Hg, 381 mmHg)で熱濾過(85℃)することにより回収した。回収された鉄(III)酸化物の量は、0.101gであったが、これは、最初に装填した鉄(III)酸化物1.5gの6.73wt%に対応する。
[実施例8]
GEMPACK 2A、チタングレード1で指定される0.10mm厚の波形チタン充填材シート100gをKock-Glitsch Inc.から入手した。このシートを1平方インチ(2.54cm2)の四角形サンプルに切り出した。酢酸(1575g)及び48wt% HBr水溶液(225g)を、コンデンサ及び撹拌装置付の2リットル容器に装填した。こうして、水6.5wt%、酢酸87.5wt%及びHBr6.0wt%を含む溶剤組成物を得た。この溶液を前述の実施例のように窒素でパージした。撹拌しながら、四角形サンプルのすべてを容器に装填して、内容物を一定の窒素パージ下に維持しながら80℃に加熱して維持した。溶剤組成物のサンプル(約5g)を取り出した。次いで、容器の内容物を撹拌して、一定の窒素パージ下に80℃の温度に維持した。溶剤組成物のサンプル(約5g)を1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、24時間後及び48時間後に取り出した。各サンプリングの前に、撹拌を停止して、容器の内容物を静置するようにさせた。各サンプリング後、フラスコ内容物の撹拌を再開した。すべてのサンプルをICPにより分析して、溶解したチタンの量を決定した。48時間後、わずかに9.9ppmwのチタンが溶剤組成物中に溶解していた。これは、チタン充填材のサンプル初期量100gの0.018wt%に対応する。異なる時間におけるサンプリングの結果をTable 3にまとめた。これらの結果は、水、酢酸及び臭化水素酸を含む溶剤組成物が、チタン金属を実質的に溶解しなかったことを示す。
Figure 0004190415
[実施例9〜13及び比較例14]
実施例9〜13では、鉄酸化物堆積物を有するチタンサンプルを用いた。チタンサンプルは、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定したところ、15μm〜25μmの範囲での鉄酸化物堆積物の層を有していた。X線回折(XRD)及びエネルギー分散分光光度計(EDS)により測定したところ、鉄酸化物堆積物の約90wt%は鉄(III)であった。チタンサンプルは、商業規模のパラ−キシレン供給物からの液相酸化によるテレフタル酸製造ユニットの蒸留塔にて用いられていた充填材から得た。蒸留塔は、液相酸化反応器の頂部にて稼動されていたもので、反応器から蒸留塔に取り出された反応器オフガス中の水から酢酸を分離するために用いられていた。充填材は、実施例8で未使用のサンプルと同じ0.10mm厚の波形チタン充填材、チタングレード1であった。実施例9〜10は、水、酢酸及び臭化水素酸を含む溶剤組成物が、使用済みチタン充填材から鉄酸化物堆積物を除去するに有効であったことを示す。実施例11a〜11cは、溶液中の鉄の量が、溶液のチタン構成要素の表面からの鉄酸化物コーティング除去能にどのような影響を与えたかを示す。少量の鉄を有するか鉄が存在しない11aからの溶液は、非常に効果的であった。しかし、非常に多量の鉄を有し、最大鉄摂取容量に近かった11cからの溶液は、鉄酸化物コーティングを効果的に除去しなかった。実施例12は、臭化水素酸の代わりに塩酸を用いた場合を示す。実施例13は、酢酸の代わりにプロピオン酸を用いた場合を示す。比較例14は、鉄酸化物を除去するために一般的な溶剤、二水素シュウ酸が、多量のチタンをも溶解したことを示す。
[実施例9]
水(218.75g)、酢酸(2125g)、及び48wt%HBr水溶液(156.25g)を混合して、水12wt%、酢酸85wt%、及びHBr3wt%の溶剤組成物を得た。コンデンサ及びバンドヒーター付の1200ml塔を横方向に組み立てて、溶剤組成物で充填した。塔内部の液体レベルの上方のヘッドスペース内に、窒素雰囲気を維持した。次に、塔内で、溶剤組成物を加熱して60℃に維持した。鉄酸化物堆積物を有するチタン充填材から切り出したサンプルを計量して、初期重量を記録し、漏斗内で水平方向に支持させた。210ml/hrの平均流速で、20時間かけて、洗浄溶液を塔からサンプル全体に流した。溶剤組成物がサンプルに接触する温度は45℃であった。この温度は、溶剤組成物液体フローのライン内でサンプルとの接触ポイントに、熱電対を置くことによって計測した。20時間後、サンプルを取り出して、乾燥し、計量した。9aとして示される、この実施例における初期重量及び最終重量から計算した重量損失は、8.05wt%であった。
塔内での溶剤温度を30℃として、接触温度を22.5時間にわたり25℃としたが、実施例9aの手順を繰り返した。9bとして示される、この実施例における計算した重量損失は3.33wt%であった。
9bにおけるサンプリング後、215ml/hrの平均流速で、加熱を継続させ、サンプルを全体で34時間にわたる加熱の後、取り出した。9cとして示される、このサンプルでの計算した重量損失は、4.27wt%であった。
9cにおけるサンプリング後、212ml/hrの平均流速で、再び加熱を継続させた。その後、9dで示されるサンプルを取り出した。総加熱時間は41時間であった。9dで示される、この実施例における計算した重量損失は、4.81wt%であった。
これらの実施例の結果をTable 4に示す。溶剤組成物との接触後、9a〜dからのサンプルの肉眼観察により、サンプル表面上での鉄酸化物のレベルが減少し、チタン表面に損傷を与えないか又は無視し得る損傷であったことがわかり、重量損失がサンプル表面から溶解した固体鉄酸化物に本質的に起因するものであったことを示す。
Figure 0004190415
[実施例10]
水(104.56g)、酢酸(1015.75g)、及び48wt%HBr水溶液(74.68g)を混合して、水12wt%、酢酸85wt%及びHBr3wt%の溶剤組成物を得た。コンデンサ及びバンドヒーター付の1200ml塔を横方向に組み立てて、溶剤組成物を充填した。溶剤を塔内で80℃まで加熱して80℃に維持した。鉄酸化物被覆チタン充填材から切り出したサンプルを計量して初期重量を記録し、漏斗内で水平に支持させた。平均流速208ml/hrで洗浄溶液を塔からサンプル全体に流した。溶剤組成物がサンプルと接触する温度は59℃として、実施例9と同様に測定した。4時間、11.5時間、18.25時間、21.25時間の間隔で、フローを停止させて、サンプルを漏斗から取り出して計量して重量損失を決定した。計量後、サンプルを漏斗に戻して、プロセスを再開した。各時間間隔における重量損失は、Table 5に示す。21.25時間後、チタンサンプル上には、目に見える鉄酸化物堆積物は観察されなかった。
Figure 0004190415
18.25時間及び21.25時間における高い割合での重量損失は、サンプル物質上の重い鉄酸化物コーティングに起因していた。
[実施例11]
酢酸(87.5g)及び48wt% HBr水溶液(12.5g)をコンデンサ及び撹拌装置付の丸底4首フラスコに装填した。こうして、水6.5wt%、酢酸87.5wt%及びHBr6.0wt%の溶剤組成物を得た。前述の実施例と同様に、溶液を窒素ガスでパージした。撹拌しながら、0.2473gのチタン充填材の鉄酸化物被覆サンプルをフラスコ内に装填した。フラスコの内容物を加熱し、撹拌し、一定の窒素ガスパージ下で、80℃に維持した。48時間後、サンプルは光沢があり、目に見える鉄酸化物堆積物はなかった。溶液は、ICPにより分析したところ、溶解したチタン0.7ppm及び溶解した鉄143ppmを含んでいた。
別の実験において、水(2.42g)、酢酸(87.5g)、48wt% HBr水溶液(7.8465g)及びFeBr3(2.754g)を、コンデンサ及び撹拌装置付の丸底4首フラスコに装填した。こうして、水6.5wt%、酢酸87wt%、HBr3.7wt%及び鉄0.52wt%の溶剤組成物を得た。前述の実施例と同様に、溶液を窒素ガスでパージした。撹拌しながら、鉄酸化物被覆充填材のサンプル(0.3312g)をフラスコに装填した。フラスコの内容物を加熱し、撹拌して、一定の窒素ガスパージ下で80℃に維持した。48時間後、鉄酸化物はサンプル上でまだ目に見えていたが、溶液は、ICPにより分析したところ、溶解したチタン0.8ppmと溶解した鉄5300ppmを含んでいた。
別の実験において、水(5.586g)、酢酸(87.5g)、48wt%HBr水溶液(1.758g)及びFeBr3(6.356g)を、コンデンサ及び撹拌装置付の丸底4首フラスコに装填した。こうして、水6.4wt%、酢酸86.5wt%、HBr0.83wt%及び鉄1.2wt%の溶剤組成物を得た。前述の実施例と同様に、溶液を窒素ガスでパージした。撹拌しながら、鉄酸化物被覆充填材のサンプル(0.3125g)をフラスコに装填した。フラスコの内容物を加熱し、撹拌して、一定の窒素ガスパージ下で80℃に維持した。48時間後、サンプルは光沢があり、目に見える鉄酸化物はなかった。溶液は、ICPにより分析したところ、溶解したチタン0.6ppmと溶解した鉄12160ppmを含んでいた。
[実施例12]
水6.892g、酢酸85g、HCl水溶液(37wt%HCl)8.108gを、コンデンサ及び撹拌装置付の250ml丸底4首フラスコに装填した。こうして、水12.0wt%、酢酸85wt%、HCl3.0wt%の溶剤組成物を得た。撹拌した溶剤を窒素でパージして、60℃まで加熱した。鉄酸化物コーティングを有するチタン充填材のサンプルを熱溶液に添加した。6時間後、これらの条件下で、チタンサンプルは光沢があり、鉄酸化物を有しているようには目に見えなかった。サンプルを計量して、記録された重量損失0.0129gを決定した。こでは、初期サンプル重量に基づいて8.6wt%に相当する。
[実施例13]
水12.0g、プロピオン酸85.0g、HBr水溶液(48wt%HBr)6.0gを、コンデンサ及び撹拌装置付の250ml丸底4首フラスコに装填した。こうして、水14.68wt%、プロピオン酸82.52wt%、HBr2.80wt%の溶剤組成物を得た。撹拌した溶液を窒素でパージして、60℃まで加熱した。鉄酸化物で被覆されたチタン充填材のサンプルを熱溶液に添加した。サンプルを8時間、32時間、40時間及び56時間後に取り出して計量して、鉄酸化物の除去の割合を決定した。56時間後、0.0071gすなわち4.21wt%(コーティングの総量0.0094gの75.53wt%)がチタン充填材から除去された。溶液を80℃まで加熱して、チタンサンプルをこの条件下でさらに2.5時間接触させてから、計量した。チタン充填材は、目に見える鉄酸化物を含んでいなかった。追加の2.5時間の終了時に、サンプルは、目に見える鉄酸化物を有しておらず、重量損失は0.0094gであった。これは、初期サンプルの5.58wt%に相当する。この実施例のサンプリングの結果は、以下に示す。
Figure 0004190415
[比較例14]
水(17.660g)及び純度99%の二水素シュウ酸(883g)を、9個のポート口を有するコンデンサ及び撹拌装置付19リットルガラスタンクに装填して、水96.60wt%及びシュウ酸3.40wt%の溶剤組成物を準備した。3個の新しいチタン波形充填材束(GEMPACK 2A, Titanium grade 1、0.10mm厚、Kock-Glitsch Inc.から商業的に入手した)を個々に計量して記録した。各チタン充填材束を、5.0〜6.3gの間の重量を有する6枚のプレカットシートに作製した。束に束#1、束#2、束#3と標識付した。シュウ酸水溶液を撹拌して、80℃まで加熱した。チタン束を熱溶液中に懸濁させ、定期的に計量した。3時間5分後の束#1のチタン重量損失は、3.92g(11.13wt%)であった。5時間40分後の束#2のチタン重量損失は、8.704g(26.12wt%)であった。5時間40分後の束#3のチタン重量損失は、26wt%をわずかに下回った。溶剤中でさらに1.5時間後、束#3について、26wt%を僅かに上回る重量損失を記録した。溶剤の新しいバッチ(水17660g及び二水素シュウ酸883g)を調製し、80℃まで加熱した。さらに4時間53分、束#3を熱溶液中に懸濁させた。この時間の後の束#3の重量損失は、17.769g(50.47wt%)であった。
鉄酸化物被覆チタン充填材サンプルもシュウ酸溶液で処理したが、鉄酸化物の除去は、チタン金属の多量の溶解を伴って達成された。
本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明の多くの異なる実施形態が可能であるから、本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではないことは理解されるべきである。
図1は、鉄酸化物堆積物が、蒸留塔の内部のチタン構成要素から除去され得る本発明の実施形態を示す。

Claims (19)

  1. チタン金属を含む構成要素表面上での固体鉄酸化物堆積物の蓄積制御するためにチタン金属を含む内部構成要素を含む蒸留装置を処理する方法であって、
    (a)蒸留塔に、2〜6個の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸、安息香酸又はこれらの混合物を含む有機酸を、30℃〜125℃の範囲にある第1の温度にて導入し、可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下で、該有機酸を該蒸留塔に通過させる工程と;
    (b)可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、第1の温度にある該有機酸に、該第1の温度よりも低い温度にある水性ハロゲン化水素酸を添加して、該第1の温度よりも低い第2の温度にある水性溶剤組成物を得る工程と;
    (c)該蒸留塔内で、可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、該溶剤組成物とチタン金属を含む構成要素とを接触させる工程と;
    を含む方法。
  2. 前記有機酸は、2〜6個の炭素原子の水性アルキルカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機酸は、酢酸である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記有機酸は、安息香酸である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ハロゲン化水素酸は、臭化水素酸である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記水性ハロゲン化水素酸は、少なくとも30wt%の臭化水素酸を含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記有機酸及び前記ハロゲン化水素酸は、溶剤組成物が0.5〜20wt%の間のハロゲン化水素酸及び0.5〜25wt%の間の水を含むような量で導入される、請求項に記載の方法。
  8. 前記第2の温度は、55℃〜100℃の間である、請求項に記載の方法。
  9. 前記蒸留塔を通過する不活性ガスフローを維持することを含む追加の工程を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 芳香族カルボン酸の製造方法であって、
    (a)反応ゾーン内で、芳香族化合物、水、モノカルボン酸溶剤、酸化触媒及び分子状酸素源を含む液相反応混合物中で、芳香族化合物を含む供給物質を酸化して、芳香族カルボン酸を含む生成物と、水蒸気、未反応分子状酸素及び気体状モノカルボン酸溶剤を含む気相と、を形成する工程と;
    (b)該反応ゾーンから該気相の全部又は一部を、少なくとも1種のチタン金属を含む内部構成要素を含む分離装置に取り出す工程と;
    (c)該分離装置内で該気相を、モノカルボン酸溶剤を含む液相と、水蒸気を含む第2の気相と、に分離させる工程と;
    を含み、該分離装置は、少なくとも工程(b)及び(c)を断続させ、該分離装置内で可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、チタン金属を含む構成要素を損傷する量のチタン金属の溶解なしに、固体鉄酸化物堆積物を溶解させる有効量の2〜6個の炭素原子の少なくとも1種のアルキルモノカルボン酸、安息香酸又はこれらの混合物を含む有機酸及びハロゲン化水素酸を含む水性溶剤組成物と、チタン金属を含む構成要素の表面とを接触させる接触工程を含むプロセスによって、チタン金属を含む内部構成要素の表面上での固体鉄酸化物堆積物の蓄積制御するように処理されることを特徴とする方法。
  11. 前記有機酸は、第1の温度にて、可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、前記分離装置に導入され;該第1の温度よりも低い温度にある前記ハロゲン化水素酸及び水は、可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、該有機酸に添加されて、該第1の温度よりも低い第2の温度にある溶剤組成物を得て;該溶剤組成物は、該分離装置内で可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にてチタン金属を含む構成要素の表面と接触する、請求項 に記載の方法。
  12. 前記ハロゲン化水素酸は、臭化水素酸である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記有機酸は、酢酸である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記有機酸は、安息香酸である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記(a)におけるモノカルボン酸溶剤及び前記溶剤組成物の前記有機酸は、同じ酸を含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記溶剤組成物及び前記装置から溶解した鉄化合物を含む溶液を取り出す工程と、該溶液から酢酸を回収する工程と、該酢酸の少なくとも一部を前記反応ゾーンに再循環させる工程と、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記工程(c)は、チタン金属を含む内部構成要素を含む蒸留塔内での蒸留によって、前記気相を前記液相及び第2の気相に分離することを含む、請求項10に記載の方法。
  18. 前記分離装置のチタン金属を含む内部構成要素は、充填材を含む、請求項17に記載の方法。
  19. テレフタル酸の製造方法であって、
    (a)反応ゾーン内で、パラ−キシレン、水、酢酸、酸化触媒及び分子状酸素源を含む液相反応混合物中で、パラ−キシレンを含む供給物質を酸化させて、テレフタル酸を含む生成物と、水蒸気、未反応分子状酸素及び気体状酢酸を含む気相と、を形成させる工程と;
    (b)該反応ゾーンから、該気相の全部又は一部を、チタン金属を含む内部構成要素を含む蒸留塔に取り出す工程と;
    (c)該蒸留塔内で、該気相を蒸留して、酢酸を含む液相と、水蒸気を含む第2の気相と、に分離させる工程と、
    を含み、該蒸留塔は、少なくとも工程(b)及び(c)を断続させ、チタン金属を含む内部構成要素を損傷する量のチタン金属を溶解させることなく、固体鉄酸化物堆積物を溶解するに有効な割合で酢酸、臭化水素酸及び水を含む水性溶剤組成物を、チタン金属を含む内部構成要素と接触状態で且つ可燃性の混合物を形成するレベルの分子状酸素を含まない条件下にて、該蒸留塔に通過させる工程を含む方法によって、チタン金属を含む内部構成要素の表面上での固体鉄酸化物堆積物の蓄積を制御するように処理されることを特徴とする方法。
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