JP4188050B2 - ゼオライト微小球状成形体の製造方法 - Google Patents

ゼオライト微小球状成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、高収率のゼオライト微小球状成形体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ゼオライト(結晶性アルミノシリケート)は、吸着剤、触媒、触媒担体等として工業的に広く用いられている。通常、合成ゼオライトはサブミクロン〜数十ミクロンオーダーの粒子径を有する粒子として得られ、このため、多くの場合そのまま微粒粉体ゼオライトを使用することは少なく、多くの場合ペレット状、球状等に成形して用いられている。しかしながら、ゼオライト単独で成形することは困難である場合が多く、通常バインダー(結合材)を加えて成形されている。
【0003】
ところで、ゼオライト成形体の大きさや形状は、使用目的、条件等によって適宜選択して用いられているが、ペレットではエッジが破損・摩耗して粉化することがあり、また均一に充填することが困難であったり、充填効率が低いなどの問題がある場合があった。
このため、球状の成形体の使用が望まれているが、充分な強度、摩耗性等を有するゼオライトの成形体を得ることが困難であった。特に、拡散性等に優れる微細なゼオライト成形体は、得ることが困難であったり、得られたとしても収率や生産能力が低い等、経済性に問題があった。
【0004】
なお、従来、球状の微細ゼオライト成形体は、たとえばゼオライトを流動接触分解用触媒として用いる場合にゼオライトとカオリン等の粘土鉱物とバインダー等を分散させたスラリーを噴霧乾燥して得られる平均粒子径が概ね50〜100μmの範囲にあり、20μm〜150μmの範囲に分布を有する球状粒子が知られていたが、このような方法では、非常に微細なものしか成形することができず、ミリメートルオーダーの比較的大きい球状粒を成形することは困難であった。
【0005】
ゼオライトを用いたこのようなミリメートルオーダーの球状粒子の成型方法としては、特開平6−64916号公報(特許文献1)に開示された方法が知られている。かかる公報には、a)ゼオライトと無機系バインダーとからなる造粒用核粒子を使用し、該核粒子を、転動造粒機にチャージし、これに、予め水分調整したb)ゼオライト微粉末と無機系バインダーとからなる造粒用微粉末を一定速度で供給し、核粒子に造粒用微粉末を、水を媒体として付着させて球状ゼオライト成形体を得る方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、この方法は、
1)核粒子として緻密なものを調製して用いる必要があり、
2)核粒子に対する製品粒子の大きさの比を大きくしすぎると粒度分布が広くなり、
3)このため分級すると収率が低下することがあった。
【0007】
また、このように核粒子を使用する場合、
4)さらに、核粒子に対する製品粒子の大きさの比が小さいと所望の大きな粒子を得るためには、元々真球度に優れ、均一な粒度分布等を有し、本来球状ゼオライト成形体自体に要求される粒子径他の性能を有した核粒子を作ることが要求されるが、このような核粒子を得ること自体困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−64916号公報
【0009】
【発明の目的】
本発明は、機械的強度・耐摩耗性に優れ、均一な粒度分布を有するゼオライト微小球状成形体の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明は、上記従来技術に伴う問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ゼオライトとバインダーとしてのアルミナ微粒子とからなる粉体から特定のpHのスラリーを調製し、そして、押し出し成形後の球形化する際にペレットが互いに付着しない範囲の水分含有量に調整したのち、これを押し出し成形し、ついで球形機により造粒(マルメ)することによって、上記問題点を解消できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、下記の工程(a)〜工程(e)からなることを特徴としている;
(a)ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散し、pHが3.5〜11.5の範囲にあるスラリーを調製し、
(b)水分含有量がK±4重量%の範囲にあるゼオライトとアルミナ微粒子との混合物粉体を調製し(但し、Kはゼオライトの種類によって異なり、バインダーの含有量が全固形分中の2〜40重量%の範囲にあるときに押し出し成形可能な適性水分量を表す)、
(c)混合物粉体を、径(D)が0.5〜5mmの範囲にあるペレット状成形体に形成した後、
(d)前記ペレット状成形体を球状成形体とし
(e)ついで、乾燥および/または焼成する。
【0012】
前記アルミナ微粒子源としてはアルミナゾルが好ましい。
前記工程(a)におけるアルミナ微粒子の含有量がAl23として全固形分中に2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
工程(b)において、ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーを噴霧乾燥することで混合物粉体を調製することが好ましい。
【0013】
前記工程(b)において、あらかじめ(a)〜(e)を経て得られたゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体を、全固形分中の含有量が2〜40重量%の範囲となるように加えることが好ましい
工程(b)において、さらに成形助剤を加えてもよい。
得られたゼオライト微小球状成形体の平均粒子径が0.5〜5mmの範囲にあることが好ましい。
【0014】
【発明の具体的な説明】
以下、本発明に係るゼオライト微小球状成形体の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るゼオライト微小球状成形体の製造方法は、下記の工程(a)〜工程(e)からなることを特徴としている。
(a)ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散し、pHが3.5〜11.5の範囲にあるスラリーを調製し、
(b)水分含有量がK±4重量%の範囲にあるゼオライトとアルミナ微粒子との混合物粉体を調製し(但し、Kはゼオライトの種類によって異なり、バインダーの含有量が全固形分中の2〜40重量%の範囲にあるときに押し出し成形可能な適性水分量を表す)、
(c)混合物粉体を、径(D)が0.5〜5mmの範囲にあるペレット状成形体に形成した後、
(d)前記ペレット状成形体を球状成形体とし
(e)ついで、乾燥および/または焼成する。
[工程(a)]
ゼオライト
本発明に用いるゼオライトの種類としては特に制限はなく、通常吸着剤、触媒、触媒担体等として用いられるゼオライトを使用することができる。たとえば、A型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト(X型、Y型ゼオライト)、L型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、FMI型ゼオライト(ZSM-5型ゼオライト)、β型ゼオライト等を用いることができる。
【0015】
このようなゼオライトは、粒子径が0.01〜30μm、好ましくは0.1〜20μmの範囲にあることが好ましい。なお、粒子径が前記範囲にあれば凝集した粒子であっても用いることができるが、できるだけ分散させて用いることが好ましい。
また、前記ゼオライトは予め所望のカチオンにイオン交換されていてもよい。
【0016】
なお、粒子径が0.01μm未満のゼオライトは得ることが困難であり、ゼオライトの粒子径が30μmを越えると、ゼオライト自体の粒子強度や耐摩耗性が不充分となることがある。
アルミナ微粒子
本発明では、ゼオライト粒子間に存在して、成型時の可塑性を増して成形性を良くするために、また得られるゼオライト微小球状成形体の強度を高めるためにバインダーとしてアルミナ微粒子を用いる。
【0017】
アルミナ微粒子としては、粒子径(ここでは繊維状の一次粒子の長さをいう)が概ね3〜100nm、さらには5〜50nmの範囲にあることが好ましい。このとき、アルミナ微粒子としてはアルミナ微粒子が分散したゾルを用いることが好ましい。
スラリー
本発明では、前記ゼオライトとアルミナ微粒子とを水に分散させ、スラリーとする。
【0018】
分散スラリーは、pHが3.5〜11.5、さらには4〜11の範囲にあることが好ましい。
ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーのpHが3.5未満の場合は、ゼオライトの種類によってはゼオライトの結晶性を損なったり、得られるゼオライト微小球状成形体の細孔容積、特に細孔径が100〜10,000nmの細孔容積が小さく、このためゼオライトが充分有効に利用されないことがある。
【0019】
ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーのpHが11.5を越えると、得られるゼオライト微小球状成形体の強度や耐摩耗性が不充分となることがある。
ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーのpHが上記範囲にあると比較的大きな細孔径を有する細孔(メソポア)の細孔容積が大きく、このためゼオライトの性能を充分に発揮することができ、加えて細孔容積が大きいにも拘わらず充分な強度や耐摩耗性を有し、均一な粒径分布を有するゼオライト微小球状成形体が得られる。
【0020】
ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーのpHを上記範囲に調整する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法により調整することができる。たとえば、ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散したスラリーにアルカリ水溶液を添加することによって調整することができる。このとき、アルカリとしてはアンモニア水溶液を用いることが好ましい。また、ゼオライト分散スラリーにアンモニア水を加え、これにアルミナ微粒子あるいはアルミナゾルを混合することによっても調整することができる。一方、アルミナゾルにアンモニア水を加えて、ゼオライトスラリーと混合する場合は、アルミナゾルがゲル化することがあり、このため強度や耐摩耗性に優れたゼオライト微小球状成形体が得られないことがある。
【0021】
なお、通常のゼオライトと通常のアルミナ微粒子とが分散したスラリーのpHは通常3.5未満にあり、これを前記範囲のpHに調整しない場合は、比較的大きな細孔径の細孔(メソポア)の細孔容積が小さく、このためゼオライトの性能を充分に発揮することができず、またゼオライトの種類によってはゼオライトの結晶性を損なうためにゼオライトの性能を充分に発揮することができない場合がある。
[(b)工程]
次にこうして調製されたスラリーから、水分含有量がK±4重量%の範囲にあるゼオライトとアルミナ微粒子との混合物粉体を調製する。但し、Kはゼオライトの種類によって異なり、バインダーの含有量が全固形分中の2〜40重量%の範囲にあるときに押し出し成形可能な適性水分量を表す。水分含有量がK−4重量%未満の場合は、押し出し成形が困難であり、押し出し成形できたとしても、ついで造粒する際に容易に粉化することがある。水分含有量がK+4重量%を越えると、押し出し成形されたペレットの長さが不均一であったり、長くなる傾向にあり、造粒工程で球状の粒子とすることが困難となり、このため後述するペレットの長さ(L)に切断する必要が生じる。また、ペレットが互いに付着して凝集した成形体となることがある。
【0022】
上記した水分含有量は、K±4重量%、さらにはK±3重量%の範囲にあることが好ましい。
K値は、たとえばA型ゼオライトでは47重量%、フォージャサイト型ゼオライト(X型、Y型ゼオライト)では46重量%、モルデナイト型ゼオライトでは42重量%、FMI型ゼオライト(ZSM-5型ゼオライト)では41重量%、β型ゼオライトでは52重量%である。
【0023】
本発明では、水分含有量が上記した数値になるようにすれば、その水分調整方法は特に制限されるものではなく、たとえば、スラリーを乾燥し、必要に応じて水分調整してもよい。
本発明では、特に、スラリーを噴霧乾燥し、必要に応じて水分調整して得られた混合物粉体を用いることが好ましい。
【0024】
噴霧乾燥に用いるスラリーの濃度は固形分として1〜40重量%、さらには2〜35重量%の範囲にあることが好ましい。
スラリーの濃度が固形分として1重量%未満の場合は、噴霧乾燥熱効率が低いだけでなく、後述する所望の粒子径の噴霧乾燥粉体が得られないことがある。
スラリーの濃度が固形分として40重量%を越えると、スラリーの粘度が高くなり安定的に噴霧乾燥できないことがある。
【0025】
また、ゼオライトとアルミナ微粒子との混合割合は、ゼオライトの種類や粒子径によっても異なるが、混合物中のアルミナ微粒子の含有量が固形分(Al23)として2〜40重量%、さらには5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
混合物中のアルミナ微粒子の含有量が固形分として2重量%未満の場合は、可塑性が不充分なために成形性が低下し、また最終的に得られるゼオライト微小球状成形体の機械的強度や耐摩耗性が不充分となることがある。
【0026】
混合物中のアルミナ微粒子の含有量が固形分として40重量%を越えると、最終的に得られるゼオライト微小球状成形体の触媒や吸着剤としての性能が不充分となることがある。
噴霧乾燥方法としては、平均粒子径が20〜150μm、好ましくは30〜120μmの範囲にある粒子が得られれば特に制限はなく、従来公知の噴霧乾燥方法を採用することができる。なお、原料ゼオライト粉末の平均粒子径(D1)、噴霧乾燥して得られた粉体の平均粒子径(D2)の比(D2)/(D1)が5以下であることが好ましい。
【0027】
たとえば、スラリーの固形分濃度によっても異なるが、通常70〜500℃の熱風気流中に、前記スラリーをディスクあるいはノズルを用いて噴霧する方法は好適に採用することができる。
噴霧乾燥して得た粒子の平均粒子径が20μm未満の場合は、押し出し成形するために水分を加えて水分調整する際に噴霧乾燥して得た粒子が凝集し、均一な水分調整ができないためか押し出し成形が困難であったり、ついで造粒する際にペレットが互いに付着して凝集することがあり、均一な粒子径のゼオライト微小球状成形体が得られないことがある。
【0028】
噴霧乾燥粒子の平均粒子径が150μmを越えると、押し出し成型時の圧力を高くする必要があり、前記範囲の平均粒子径の粒子の場合と同程度の圧力で押し出し成形すると、得られるゼオライト微小球状成形体の強度や耐摩耗性が不充分となることがある。
本発明では、上記混合物粉体として、工程(a)〜(e)で得られたゼオライト微小球状成形体を粉砕して(または粉砕したのち焼成して)得た粉末を混合物粉体と混合して使用してもよい。
【0029】
この際、ゼオライト微小球状成形体粉砕物の平均粒子径が10〜100μm、さらには20〜80μmの範囲にあることが好ましくを、このような粉体を全固形分(すなわち、ゼオライトおよびバインダー)中の含有量が2〜40重量%、さらには5〜30重量%の範囲となるように含んでいることが好ましい。
このような、ゼオライト微小球状成形体粉砕物の全固形分中の含有量が2重量%未満の場合は、粉砕物を混合する効果、すなわち(成形性の向上、最終的に得られるゼオライト微小球状成形体の強度、耐摩耗性の向上)が充分得られないことがある。ゼオライト微小球状成形体粉砕物の全固形分中の含有量が40重量%を越えると、かえって押し出し成形が困難となったり、球状化する際に粉化する傾向がある。
【0030】
また、ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の平均粒子径が10μm未満の場合は、粉砕して得た粉体を混合する効果、すなわち(成形性の向上、ゼオライト微小球状成形体の強度、耐摩耗性の向上)が充分得られないことがある。
ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の平均粒子径が100μmを越えると、含有量にもよるが押し出し成形が困難となったり、球状化する際に粉化する傾向がある。
【0031】
このような粉砕粉体は、前記混合スラリーを噴霧乾燥する際に、前記混合スラリーに上記重量範囲となるように混合してもよく、さらに噴霧乾燥した混合粉末に混合してもよい。
このような、工程(e)で得られたゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の全固形分中の含有量が2重量%未満の場合は、粉砕して得た粉体を混合する効果、すなわち成形性の向上効果、ゼオライト微小球状成形体の強度、耐摩耗性の向上効果等が充分得られないことがある。
【0032】
ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の全固形分中の含有量が40重量%を越えると、押し出し成形が困難となったり、球状化する際に粉化する傾向がある。
また、ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の平均粒子径が10μm未満の場合は、粉砕して得た粉体を混合する効果、すなわち成形性の向上効果、ゼオライト微小球状成形体の強度、耐摩耗性の向上効果等が充分得られないことがある。
【0033】
ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の平均粒子径が100μmを越えると、粉体の含有量にもよるが押し出し成形が困難となったり、球状化する際に粉化する傾向がある。
なお、本発明では、前記ゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体の代わりに、前述した噴霧乾燥して得た粉体を焼成し、必要に応じて粉砕して用いることができる。このときの粉砕品の平均粒子径および焼成温度はゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体と同様である。
【0034】
さらに、こうして調製された混合物粉体には、必要に応じて成形助剤(可塑剤ということがある)が添加されていてもよい。成形助剤としては結晶セルローズ、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ポリビニルアルコール、澱粉、リグニン等が挙げられる。このような成形助剤は、固形分の10重量%、さらには1〜6重量%の範囲で添加されることが好ましい。
【0035】
このような成形助剤を加えると、後述する押し出し成型時の水分含有量の範囲を広くすることができる。例えば、フォージャサイト型ゼオライト(Y型ゼオライト)の場合、成形助剤を添加しない場合の水分含有量の範囲は46重量%±1.5重量%であるが、成形助剤として結晶セルローズを固形分の3重量%使用すると水分含有量の範囲は46重量%±4重量%であっても成形性が良く、造粒持に付着することがなく、充分な強度と耐摩耗性を有するゼオライト微小球状成形体を得ることができる。さらに、理由は明らかではないが、後述する押し出し成形した際にペレットは、ペレットの長さ(L)と径(D)の比L/Dが概ね1〜2の範囲となるように折れるので、人為的にカットすることなく造粒することができる。
【0036】
このときの成形助剤の添加量は、全固形分(ゼオライト、バインダー、粉砕粉体)の0.5〜15重量%、さらには1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
成形助剤の添加量が、全固形分の0.5重量%未満の場合は、上記した成形助剤を添加する効果が充分得られず、成形助剤の添加量が、全固形分の15重量%を越えると、造粒時に粉化したり、得られるゼオライト微小球状成形体の強度や耐摩耗性が低下する傾向にある。
【0037】
水分調整した混合物粉体は、必要に応じて成形助剤を添加し、必要に応じて混練した後、直ちに押し出し成形することも可能であるが、適当な時間、水分含有量を維持しながら放置して熟成した後、押し出し成形してもよい。このような熟成を行うと、得られるゼオライト微小球状成形体の強度や耐摩耗性が向上することがある。
[(c)工程]
ついで、得られた混合物粉体を成形機にて押し出し成形し、径(D)が0.5〜5mmの範囲にあるペレット状成形体とする。
【0038】
ペレット状成形体の径(D)が0.5mm未満のものは、ダイスの孔径が小さいために押し出し成形することができず、ペレット状成形体の径(D)が5mmを越えると、最終的に得られる球状成形体の粒子径も5mm越えてしまい、触媒として用いる場合は有効係数が低下する場合があり、ゼオライト微小球状成形体より活性が劣ることがある。
【0039】
押し出し成形機としては、ペレットの径(D)が前記範囲にあり、後述する工程(c)で球状化することができれば特に制限はなく従来公知の押し出し成形機を採用することができる。例えば、前押しスクリュウ型、横押しスクリュウ型、前押しラム型、横押しロール型、下押しロール型、横押しバスケット型、下押しスクリーン型等の成形機が挙げられる。なかでも、下押しロール型は、他の成形機に比べて水分の少ない混合物粉体を押し出し成形することができ、このため球状化する際にペレットが互いに付着することなく、高収率で均一な粒子径分布のゼオライト微小球状成形体を得ることができる。
【0040】
また、ペレットの長さ(L)は、押し出し成形機のダイスの孔径(あるいは得られるペレットの径(D)によって異なるが、0.5〜10mm、好ましくは0.6〜7.5mmの範囲にあり、ペレットの径(D)は概ね所望のゼオライト微小球状成形体の粒子径とすることが好ましい。このとき、ペレットの長さ(L)とペレットの径(D)との比L/Dは1〜2、さらには1〜1.5の範囲にあることが好ましい。前記L/Dが1未満とすることは困難であり、できたとしても球状になりにくい傾向がある。前記L/Dが2を越えると、得られる粒子が球状となりにくく、できたとしても球状化に長時間を要するので生産効率が低下することがある。また、L/Dが2を越えたものについては、2以下にカットすることもできるが、やはり生産効率が低下する問題がある。
【0041】
上記したように、本発明では前記したような特定の水分含有量に調整された混合物粉体を押出成形により特定のペレット径に調整することにより、極めて均一な粒子径分布を有するゼオライト微小球状成形体を得ることができる。
[(d)工程]
ついで、球形機にて球状成形体とする。
【0042】
ついで、上記工程(c)で調製したペレットを、球形整粒機にて球状成形体とする。
球形整粒機としては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、たとえば高速転動式整粒機(マルメライザー)として広く市販されている。転動式整粒機を用いる場合、工程(c)で得たペレットを充填して造粒機を回転させ、あるいは回転させた転動式整粒機にペレットを充填することによって球状とする。このときの球形化条件、例えば、回転速度、周速、造粒時間等は、整粒機の大きさ、充填するペレットのサイズ、球状の度合い等によって異なり、適宜選択して設定することが好ましい。なお、本発明では、工程(b)で所定の水分含有量に調整し、工程(c)で所定のサイズに押し出し成形されているのでペレット同士が付着して凝集することがなく、このため球形化前、あるいは球形化時に凝集を防ぐためのペレットの乾燥等を行う必要がなく、また乾燥することによる成形性の悪化もない。
【0043】
なおこのような(c)および(d)工程のペレット成形および球状化は、同一の装置で行うこともできる。
[工程(e)]
ついで、乾燥および/または焼成する。
成形された球状成形体は、ついで、乾燥および/または焼成する。
【0044】
得られた成形体を乾燥する場合、用途によって乾燥程度を適宜設定すればよいが、粒子径の小さい粒子は乾燥速度を比較的早めに設定できるが、粒子径の大きな粒子はゆっくり乾燥することが好ましい。乾燥温度は、50〜200℃、さらには80〜150℃の範囲にあることが好ましい。また乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、10分〜48時間、さらには30分〜24時間の範囲にあることが好ましい。
【0045】
焼成する場合、温度は200〜1000℃、さらには300〜800℃の範囲にあることが好ましい。焼成温度が200℃未満の場合は、得られる粒子の強度が不充分であったり、摩耗による粉化が顕著になることがある。焼成温度が1000℃を越えても、粒子の強度がさらに向上することもなく、ゼオライトの種類によっては結晶性が大きく低下してゼオライトの機能を発揮できないことがある。
【0046】
本発明では、乾燥および焼成はいずれか一方を行えばよく、また双方とも行ってもよい。
上記工程(a)〜工程(e)により得られるゼオライト微小球状成形体は、平均粒子径が0.5〜5mmの範囲にある。
平均粒子径が0.5mm未満のものは、前記押し出し成形が困難なために得ることが困難であり、平均粒子径が5mmを越えるものは、本願発明の方法によらずとも他の方法で可能であったり、触媒として用いる場合は有効係数が低下する場合があり、前記範囲の平均粒子径を有するゼオライト微小球状成形体より活性が劣ることがある。
【0047】
なお、本発明で言う球状とは、必ずしも真球状である必要はなく、適度に流動性を有し、粉化が起きない程度に角がなく曲率を持った形状をしていればよい。このとき、球状粒子の長径(DL)と短径(DS)との比(DL)/(DS)(球状係数と言うことがある)は1〜2、さらには1〜1.5、特に1〜1.2の範囲にあることが好ましい。
【0048】
上記平均粒子径は、粒子の光学写真を撮影し、ノギスにて粒子の長径(DL)と短径(DS)とを測定し、その平均値を粒子の粒子径とし、これを20個の粒子について求め、その平均値として求める。
こうして得られた成形体は吸着剤、吸着分離剤、触媒、触媒担体、乾燥剤等に使用できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、凝集粒子が生成することがなく、分級を必要とせず、高収率で、強度・耐摩耗性に優れ、均一な粒度分布を有するゼオライト微小球状成形体の製造方法を提供することができる。
このようなゼオライト微小球状成形体は吸着剤、吸着分離剤、触媒、触媒担体、乾燥剤等に好適である。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
【0051】
【実施例1】
ゼオライトとしてNa-Y型ゼオライトスラリー(固形分濃度36.4重量%)17.6Kgとバインダーとして粉末状アルミナ(触媒化成工業(株)製:Cataloid-AP、固形分(Al23)濃度70.3重量%、CH3COOH含有量10.8重量%、水分18.9重量%)2.28Kgと水43Kgとを混合して、固形分濃度12.0重量%のスラリーを得た。ついで、濃度15重量%のアンモニア水697gを添加してpHを10.77に調整し、95℃で3時間熟成した。
【0052】
熟成したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥(熱風の入口温度300〜320℃、出口温度120〜130℃)して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は65μm、水分含有量は24.5重量%であった。
この粉末1.32Kgを高速攪拌粉体混合機(三井鉱山(株)製:ヘンシェルミキサー、FM-20C/I型)に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.56Kgを入れて充分混合し、水分を47.0重量%に調整した。
【0053】
この水分調整した粉末を、下押しロール型の押出し機(不二パウダル(株)製:デイスクペレッター、F-5(PV-S)/11-175型)にてペレットに成形した。このとき、先ず、押出し機のノズル径3mmφで1回押し出しを行い、次いでノズル径1.5mmφで1回押し出しを行いペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的に均一で、平均長さは1.8mmであった。
【0054】
得られた径1.5mmφのペレットを球形機(不二パウダル(株)製:マルメライザー、QJ-400型)で球状粒子とした。このときのマルメライザーの回転数は600rpm、外熱温度は60℃、処理時間は3.5分間であった。得られた球状成形体を130℃で24時間乾燥し、ついで670℃で3時間焼成してゼオライト微小球状成形体(1)を得た。
【0055】
ゼオライト微小球状成形体(1)の収率(所望粒径をDとし、粒子径がD±0.3Dの範囲にあるゼオライト微小球状成形体(1)の重量/(全成形体固形分重量))×100(%)、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
なお、圧縮強度は圧縮強度計((株)藤原製作所製:木屋式硬度計、max5Kg)により測定し、摩耗強度は磨耗強度測定法(JIS K1464)に基づき測定した。
【0056】
平均短径、平均長径は光学顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について測定し、平均粒子径は(平均短径+平均長径)/2として示した。
また、凝集粒子の有無は、100個の粒子について目視観察し、以下の評価基準に評価した。
凝集粒子無し :◎
凝集粒子1〜3個 :○
凝集粒子4個〜9個 :△
凝集粒子10個以上 :×
【0057】
【実施例2】
実施例1で得られたゼオライト微小球状成形体(1)を粉砕して、平均粒子径80μmの粉体を調製した。この粉体0.21Kg(固形分93.9重量%)と、実施例1と同様にして得た噴霧乾燥粉末(平均粒子径68μm、水分含有量は24.5重量%)1.06Kgとを高速攪拌粉体混合機に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.59Kgを入れて充分混合し、水分を46.1重量%に調整した。
【0058】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様にして、下押しロール型の押出し機にてペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは1.7mmであった。
ついで、実施例1と同様にして球状粒子とし、乾燥、焼成してゼオライト微小球状成形体(2)を得た。
【0059】
ゼオライト微小球状成形体(2)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0060】
【実施例3】
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水57.0gを添加してpHを9.40に調整した以外は同様にして熟成したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は70μm、水分含有量は23重量%であった。この粉末0.98Kgと実施例1で得られたゼオライト微小球状成形体(1)を粉砕して得た平均粒子径80μmの粉体0.21Kg(固形分93.9重量%)とを高速攪拌粉体混合機に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.61Kgを入れて充分混合し、水分を45.8重量%に調整した。
【0061】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様にして、下押しロール型の押出し機にてペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは2.0mmであった。
ついで、実施例1と同様にして球状粒子とし、乾燥し、670℃で焼成してゼオライト微小球状成形体(3)を得た。
【0062】
ゼオライト微小球状成形体(3)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0063】
【実施例4】
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水34.2gを添加してpHを7.4に調整した以外は同様にして熟成したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は74μm、水分含有量は25.8重量%であった。この粉末0.98Kgと実施例1で得られたゼオライト微小球状成形体(1)を粉砕して得た平均粒子径80μmの粉体0.21Kg(固形分93.9重量%)とを高速攪拌粉体混合機に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.59Kgを入れて充分混合し、水分を45.5重量%に調整した。
【0064】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様にして、下押しロール型の押出し機にてペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは2.0mmであった。
ついで、実施例1と同様にして球状粒子とし、乾燥し、670℃で焼成してゼオライト微小球状成形体(4)を得た。
【0065】
ゼオライト微小球状成形体(4)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0066】
【実施例5】
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水17.1gを添加してpHを6.5に調整した以外は同様にして熟成したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は78μm、水分含有量は26.3重量%であった。この粉末0.98Kgと実施例1で得られたゼオライト微小球状成形体(1)を粉砕して得た平均粒子径80μmの粉体0.21Kg(固形分93.9重量%)とを高速攪拌粉体混合機に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.59Kgを入れて充分混合し、水分を45.5重量%に調整した。
【0067】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様にして、下押しロール型の押出し機にてペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは2.0mmであった。
ついで、実施例1と同様にして球状粒子とし、乾燥し、670℃で焼成してゼオライト微小球状成形体(5)を得た。
【0068】
ゼオライト微小球状成形体(5)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0069】
【実施例6】
実施例1において、濃度15重量%のアンモニア水を添加しなかった以外は同様にして熟成したスラリーを調製した。このときのスラリーのpHは5.2であった。
ついでスプレードライヤーにて噴霧乾燥して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は80μm、水分含有量は25.0重量%であった。この粉末0.98Kgと実施例1で得られたゼオライト微小球状成形体(1)を粉砕して得た平均粒子径80μmの粉体0.21Kg(固形分93.9重量%)とを高速攪拌粉体混合機に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.58Kgを入れて充分混合し、水分を45.0重量%に調整した。
【0070】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様にして、下押しロール型の押出し機にてペレットに成形した。このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは2.3mmであった。
ついで、実施例1と同様にして球状粒子とし、乾燥し、670℃で焼成してゼオライト微小球状成形体(6)を得た。
【0071】
ゼオライト微小球状成形体(6)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0072】
【実施例7】
ゼオライトとしてNa-Y型ゼオライトスラリー(固形分濃度36.4重量%)17.6Kgとバインダーとして粉末状アルミナ(触媒化成工業(株)製:Cataloid-AP)2.28Kgと水43Kgとを混合して、固形分濃度12.7重量%のスラリーを得た。ついで、濃度15重量%のアンモニア水55.6gを添加してpHを9.65に調整し、ドラムドライヤーにて撹拌しながら90℃で5時間加熱して濃縮した。ついで、ヤリヤ粉砕機(YARIA MACHINE WORKS (株)製:TYPE NO,2)にて粉砕して平均粒子径が68μm、水分が24.1重量%の粉体を得た。
【0073】
この粉末1.32Kgを高速攪拌粉体混合機(三井鉱山(株)製:ヘンシェルミキサー、FM-20C/I型)に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.55Kgを入れて充分混合し、水分を46.4重量%に調整した。
この水分調整した粉末を、実施例1と同様に下押しロール型の押出し機(不二パウダル(株)製:デイスクペレッター、F-5(PV-S)/11-175型)にてペレットに成形した。
【0074】
このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは1.8mmであった。
得られた径1.5mmφのペレットを球形機(不二パウダル(株)製:マルメライザー、QJ-400型)で球状粒子とした。このときのマルメライザーの回転数は600rpm、外熱温度は60℃、処理時間は3.5分間であった。得られた球状成形体を130℃で24時間乾燥し、ついで670℃で3時間焼成してゼオライト微小球状成形体(7)を得た。ゼオライト微小球状成形体(7)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0075】
【比較例1】
ゼオライトとしてNa-Y型ゼオライトスラリー(固形分濃度36.4重量%)17.6Kgとバインダーとして粉末状アルミナ(触媒化成工業(株)製:Cataloid-AP)2.28Kgと水43Kgとを混合して、固形分濃度12.7重量%のスラリーを得た。ついで、濃度20重量%の硝酸95gを添加してpHを3.2に調整し、95℃で3時間熟成した。
【0076】
熟成したスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥(熱風の入口温度290〜310℃、出口温度120〜130℃)して粉末化した。得られた粉末の平均粒子径は55μm、水分含有量は21.8重量%であった。
この粉末1.28Kgを高速攪拌粉体混合機(三井鉱山(株)製:ヘンシェルミキサー、FM-20C/I型)に入れ、予め結晶セルロース30gを溶解した水0.41Kgを入れて充分混合し、水分を40.8重量%に調整した。
【0077】
この水分調整した粉末を、実施例1と同様に下押しロール型の押出し機(不二パウダル(株)製:デイスクペレッター、F-5(PV-S)/11-175型)にてペレットに成形した。
このときのペレットの長さは比較的均一で、平均長さは1.2mmであった。
得られた径1.5mmφのペレットを球形機(不二パウダル(株)製:マルメライザー、QJ-400型)で球状粒子とした。このときのマルメライザーの回転数は600rpm、外熱温度は60℃、処理時間は3.5分間であった。得られた球状成形体を130℃で24時間乾燥し、ついで670℃で3時間焼成してゼオライト微小球状成形体(R1)を得た。ゼオライト微小球状成形体(R1)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0078】
【比較例2】
ゼオライトとしてNa-Y型ゼオライトスラリー(固形分濃度29.0重量%)27.6Kgとバインダーとして粉末状アルミナ(触媒化成工業(株)製:Cataloid-AP、固形分濃度70.3重量%)2.84Kgと水19.6Kgとを混合して、固形分濃度20重量%のスラリーを得た。
【0079】
次いで、混練機にて、外部からスチーム加熱しながら濃縮し、水分51.2重量%のねつ和物(捏和物)を調製した。
このねつ和物(捏和物)を前押しスクリュー形の押出し機(本田鐵工(株)製:DE-75型)にてペレットに成形した。このとき、先ず、押出し機のノズル径3mmφで1回押し出しを行い、次いでノズル径1.5mmφで1回押し出しを行いペレットに成形した。このときのペレットの長さは2〜20mmとバラツキがあった。
【0080】
得られた径1.5mmφのペレットを、マルメライザーの回転数600rpm、外熱温度70℃、処理時間4分間で造粒を行った。このとき、長いペレットは折れることなく互いに付着し、さらに短いペレットも付着し、大きな球状体や小さな球状体の混合物となり、所望する粒子径より大きくかつ粒子径の不均一な成形体が得られた。得られた成形体を130℃で24時間乾燥し、ついで600℃で3時間焼成してゼオライト微小球状成形体(R2)を得た。
【0081】
ゼオライト微小球状成形体(R2)の収率、平均短径、平均長径、平均粒子径、球状係数、圧縮強度、摩耗性および凝集粒子の有無を観察した。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
Figure 0004188050

Claims (7)

  1. 下記の工程(a)〜工程(e)からなることを特徴とするゼオライト微小球状成形体の製造方法;
    (a)ゼオライトとアルミナ微粒子とが分散し、pHが3.5〜11.5の範囲にあるスラリーを調製し、
    (b)前記スラリーを噴霧乾燥することで平均粒子径が20〜150μmの範囲にある混合物粉体を調製し、該混合物粉体の水分含有量をK±4重量%の範囲に調整し(但し、Kはゼオライトの種類によって異なり、バインダーの含有量が全固形分中の2〜40重量%の範囲にあるときに押し出し成形可能な適性水分量を表し、A型ゼオライトでは47重量%、フォージャサイト型ゼオライト(X型、Y型ゼオライト)では46重量%、モルデナイト型ゼオライトでは42重量%、FMI型ゼオライト(ZSM−5型ゼオライト)では41重量%、β型ゼオライトでは52重量%である)、
    (c)混合物粉体を、径(D)が0.5〜5mmの範囲にあるペレット状成形体に形成した後、
    (d)前記ペレット状成形体を球状成形体とし、
    (e)ついで、乾燥および/または焼成する。
  2. 前記アルミナ微粒子源がアルミナゾルであることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
  3. 前記工程(a)におけるアルミナ微粒子の含有量がAl23として全固形分中に2〜40重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
  4. 工程(b)において、あらかじめ(a)〜(e)を経て得られたゼオライト微小球状成形体を粉砕して得た粉体を、全固形分中の含有量が2〜40重量%の範囲となるように加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
  5. 工程(b)において、さらに成形助剤を加えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
  6. 得られたゼオライト微小球状成形体の平均粒子径が0.5〜5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
  7. 工程(a)において、pHを、アルカリ水溶液を添加することで6.5〜11.5の範囲に調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライト微小球状成形体の製造方法。
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