JP4186136B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる3Dゲーム装置やアクションパズルゲームに適用される画像処理技術に係り、特に、ビルなどの建造物が壊れる様を臨場感豊かに表現するための画像処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
3Dゲーム装置は、三次元仮想空間に配置した数々の被表示体(画面上に表示されるビットマップの集合体。以下「オブジェクト」という。)を表示可能に構成されている。例えばオブジェクトとして建造物やゲームの登場人物(以下「キャラクタ」という。)を表示させ、これらオブジェクトの表示位置を垂直同期期間単位で変更していくことにより、街中での戦闘シーンを模擬した動画像を表示させることが可能であった。
【0003】
従来、建造物のオブジェクトは立方体などの単純な形状をしているので、その壁面にそれぞれ一つのポリゴンを適用しテクスチャマッピングを行っていた。そして建造物のオブジェクトと他のオブジェクト(弾やキャラクタなど)とが衝突した場合には、衝突点に閃光や炎、煙など爆発を連想させる画像を表示していた。衝突後の建造物のオブジェクトとしては、それ自体に何の変化も与えず衝突前と同じ画像を表示するか、予め用意してあった崩壊後の建造物のオブジェクトを代わりに表示していた。
【0004】
また、キャラクタの移動範囲に制限を加えることがあった。これはキャラクタが建造物のオブジェクトが設定されている領域に近づき、建造物が設定されていない領域が表示されることを防止するためである。このため例えば建物の壁や川などを表示したり操作不能にしたりして、それ以上キャラクタが進めないようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらゲームの一つの目的には遊技者が爽快感を得ることができる点にあり、物体の崩壊や爆発の映像をリアルに表現することが重要である。例えば怪獣が街中を暴れまわるといったゲームでは、怪獣がどのようにビルを壊すか、そのビルが如何に臨場感豊かに、つまり怪獣映画のシーンを見るように崩壊していくかがゲームの価値の重要な決め手になる。従来のゲーム装置のように、ビルに変化を与えなかったりいきなり壊れた状態を表示したりするのでは魅力の乏しい画像になる。
【0006】
またこのようなゲームではビルが次々怪獣によって壊されていく不気味さを演出する要請がある。怪獣があらゆる建造物をなぎ倒していく点に特徴がある。したがって従来のゲーム装置のようにキャラクタ、すなわち怪獣の移動範囲に操作上の制限を加えるのでは面白味に欠ける。
【0007】
さらにこのような怪獣のオブジェクトが攻撃された場合には、そのダメージの程度を怪獣の姿勢に反映させ、生身の生物が負傷するような画像を表示させることが好ましい。
【0008】
そこで本願発明者は、上記不都合に鑑み、臨場感豊かに怪獣映画のような画像を表示させることを目的として本発明に想到した。
【0009】
本願発明の課題は、キャラクタの行動範囲を自然に制限することのできる画像処理技術を提供することである。
【0017】
上記課題を解決する画像処理装置は、キャラクタと視点とを仮想空間内に配置し、前記視点から見た該キャラクタを含む仮想空間を表示可能に構成された画像処理装置において、前記キャラクタは仮想空間を移動可能に設定されており、仮想空間内でオブジェクトが設定される領域外に前記キャラクタが出た場合に、前記キャラクタの背後に前記視点を設定し、前記キャラクタと前記領域の境界との距離に応じてキャラクタを表示する画素の輝度または/および彩度を一様に変更させるとともに、前記視点から遠ざかる前記キャラクタを含む画像を表示させることが可能に構成されたことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決する画像処理方法は、キャラクタと視点とを仮想空間内に配置し、前記視点から見た該キャラクタを含む仮想空間を表示可能に構成された画像処理方法において、前記キャラクタは仮想空間を移動させるステップと、仮想空間内でオブジェクトが設定される領域外に前記キャラクタが出たか否かを判定するステップと、当該キャラクタが仮想空間に設定された前記領域外に出た場合に、前記キャラクタの背後に前記視点を設定するステップと、前記キャラクタと前記領域の境界との距離に応じてキャラクタを表示する画像全体の画素の輝度または/および彩度を一様に変更させるとともに、前記視点から遠ざかる前記キャラクタを含む画像を表示させるステップと、を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明は上記画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたことを特徴とする機械読み取り可能な記録媒体である。ここで「記録媒体」とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。要するに、何等かの手段でもってコンピュータにプログラムをダウンロードし、所定の機能を実行させるものであればよい。例えば、フレキシブルディスク、固定ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD、CD−ROM、CD−R、DVD−RAM,DVD−ROM、DVD−R、PD、MD,DCC、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。有線または無線の通信回線(公衆回線、データ専用線、衛星回線等)を介してホストコンピュータからデータの転送を受ける場合を含むものとする。いわゆるインターネットをここにいう記録媒体に含まれるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
(構成)
図1に、本実施形態における画像処理装置を適用したゲーム装置の接続概念図を示す。本ゲーム装置は、ゲーム装置本体1およびコントローラ2を相互に接続して構成される。
ゲーム装置本体1はゲーム進行を司る制御装置本体である。ゲーム装置本体1は、複数のコントローラ2が接続可能になっており、そのために複数のコネクタ141および通信回線用モジュラージャック131を備えている。またゲーム装置本体1はCD−ROM用ホルダー105を備え、CD−ROM等の記録媒体を着脱自在に装着できるようになっている。コントローラ2は、各遊技者が操作する操作部としての構成を備えており、操作ボタン群22、十字キー23等を備え、ゲーム機本体1と接続するためのコネクタを備えている。コントローラ2には、サブユニット21が着脱自在に装着するためのスロットを備えている。サブユニット21は、副画像表示を表示したり遊技者がサブゲームをしたりするためのユニットであり、サブモニタ211および操作ボタン群212などを備え、コントローラ2のスロットに接続するためのコネクタを備えている。接続ケーブル150は、コネクタ151および152を有し、ゲーム機本体1とコントローラ2とを相互に接続するようになっている。ゲーム機本体の映像信号出力や音声信号出力は、例えばTV装置に出力される。
【0024】
図2に本ゲーム装置のブロック図を示す。ゲーム装置本体1は、図2に示すように、CPUブロック10、ビデオブロック11およびサウンドブロック12などを備えている。
CPUブロック10は、バスアビータ100、CPU101、メインメモリ102、ROM103およびCD−ROMドライブ104を備えている。バスアビータ100は、バスを介して相互に接続されるデバイスにバス占有時間を割り振ることにより、データの送受信を制御可能に構成されている。CPU101は、メインメモリ102、ROM103、CD−ROMドライブ104、ビデオブロック11およびサウンドブロック12、コントローラ2を介してサブユニット21にアクセス可能に構成されている。CPU101は、電源投入時にROM103に格納されたイニシャルプログラム(初期実行プログラム)を実行し装置全体の初期化を行うようになっている。CD−ROMドライブ104にCD−ROMが装着されたことを検出すると、CPUはCD−ROMに格納されているオペレーティングシステム用プログラムデータをメインメモリ102に転送するようになっている。その後、CPU101はオペレーティングシステムに従って動作するようになり、引き続きCD−ROMに格納されている本発明の画像処理方法のプログラムをメインメモリ102に転送し実行するようになっている。またCPU101は、本発明の画像処理用の画像データをグラフィックメモリ111に転送し、音声データをサウンドメモリ121に転送可能になっている。CPU101が実行するプログラム処理は、コントローラ2からの操作信号や通信装置からの通信データの入力、それらに基づくサブユニット21へのコマンド出力やビデオブロック11に行わせる画像出力の制御およびサウンドブロック12に行わせる音声出力の制御などである。
【0025】
メインメモリ102は、主として上記オペレーティングシステム用プログラムデータおよびプログラムを格納する他、静的変数や動的変数等を格納するワークエリアを提供可能になっている。ROM103は、イニシャルプログラムローダの格納領域である。CD−ROMドライブ104は、CD−ROMが着脱可能になっており、CD−ROMが装着されるとCPU101にその旨のデータを出力し、CPU101の制御によりデータを転送可能になっている。CD−ROMには、本ゲーム装置に本発明の画像処理方法を実行させるためのプログラム、画像表示のための画像データ、および音声出力のための音声データなどが格納される。なお記録媒体はCD−ROMに限ることなく、他の各種記録媒体を読取可能に構成してもよい。通信装置130経由でCD−ROMに格納されるデータ群を各メモリに転送するように構成してもよい。このように設定すれば遠隔地のサーバの固定ディスクなどからデータの転送が可能である。
【0026】
ビデオブロック11は、VDP(Video Display Processor)110、グラフィックメモリ111およびビデオエンコーダ112を備えている。グラフィックメモリ111は、CD−ROMから読み取られた画像データの格納領域およびフレームメモリ領域を備えている。画像データ格納領域には、仮想空間に表示されるオブジェクトを表示するためのポリゴンの各頂点座標を定めるポリゴンデータが、オブジェクト単位にまとめられて格納されている。ここで、オブジェクトとして建造物を表示させるためのポリゴンデータに特殊な設定がされている点に本発明の特徴がある。詳しくは後述する。VDP110は、CPU101の制御に基づいてグラフィックメモリ111に格納されている画像データの一部を参照してビットマップデータを生成しフレームメモリ領域に格納するように構成されている。CPU101から供給される画像表示に必要な情報としては、コマンドデータ、視点位置データ、光源位置データ、ポリゴン指定データ、オブジェクト指定データ、ポリゴン位置データ、ポリゴン方法データ、テクスチャ指定データ、テクスチャ濃度データ、視野変換マトリクスデータ等である。VDP110はこの情報に従ってポリゴンに対し座標変換(ジオメトリ演算)、テクスチャマッピング処理、表示優先処理、シェーディング処理等を実行可能になっている。ビデオエンコーダ112は、VDP110が生成した画像データをNTSC方式等の所定の映像信号に変換し外部に接続されるTV装置内のメインモニタ113に出力可能に構成されている。
【0027】
サウンドブロック12は、サウンドプロセッサ120、サウンドメモリ121およびD/Aコンバータ122を備えている。サウンドメモリ121には、上記したようにCD−ROMから読み取られた音声データが格納されている。サウンドプロセッサ120は、CPU101から供給されるコマンドデータに基づいて、サウンドメモリ121に格納されている波形データ等の音声データを読み取って、DSP(Digital Signal Processor)機能に基づく各種エフェクト処理、デジタル/アナログ変換処理等を行うようになっている。そしてD/Aコンバータ122は、サウンドプロセッサ120により生成された音声データをアナログ信号に変換し、外部に接続されるTV装置のスピーカ123に出力可能に構成されている。
【0028】
通信装置130は、例えばモデムやターミナルアダプタであり、本ゲーム装置本体1と外部回線とを接続するアダプターとして機能可能になっている。通信装置130は、公衆回線網に接続されるゲーム供給用サーバから送信されたデータを受信し、CPUブロック10のバスに供給可能になっている。公衆回線網としては、加入者回線、専用線、有線無線の別を問わない。
【0029】
コントローラ2は、操作ボタン群22や十字キー23の操作状況を定期的にコードに変換してゲーム機本体1に送信するようになっている。各コントローラ2からの操作信号は、当該ゲームで表示されるキャラクタの各々を動かすために用いられる。サブユニット21は、独立したゲームとして動作可能に、独自のCPUやメモリ等のコンピュータ装置としての構成を備え、ゲーム中に発生するゲームの進行状況やゲームの成績、操作方法などの設定を含む設定データを格納可能に構成されている。ゲーム機本体からゲーム処理状況を特定する設定データが送信されてきた場合にはこれらをサブユニット21に格納することが可能になっている。これら設定データは、電源遮断時に電源遮断直前の状態からゲームを再開するためのバックアップデータとしてゲーム機本体に転送される。またサブユニットを交換することにより他のゲーム装置の操作状態をそのまま当該ゲーム装置に反映するためのデータとなる。
【0030】
(動作の説明)
次に、本ゲーム装置における動作を説明する。本ゲームは、キャラクタとして動きまわる怪獣が表示される。怪獣の体が建造物オブジェクトであるビルディングに衝突すると、そのビルディングの一部または全部が崩壊する。ユーザは怪獣の動きを操作して怪獣の尾や手、体をビルディングに当てたり光線を発射したりすることで、ビルディングを次々壊していく。ゲーム装置はその壊し方を点数化してゲームの評価をするというものである。
【0031】
崩壊処理
まず本実施形態における建造物オブジェクトの構成を図6に基づいて説明する。図6(c)は、仮想空間に配置されるオブジェクトと視点との関係を示す平面図である。オブジェクトOBJはビルディングを模擬した形状になるように形成され、4つの壁面A、B,CおよびDを備えている。視点VPは、このオブジェクトOBJを観察する3D画像の視点である。図6(a)は、実際にモニタ113に表示されるオブジェクトOBJの表示例である。視点側を向いている壁面AおよびBには、ビルディングらしく見せるためのテクスチャデータがマッピングされている。図6(b)は、このオブジェクトOBJを構成する表示要素を破線で区切って示したものである。壁面Aは表示要素1〜13、壁面Bは表示要素20〜29で構成されている。表示されない壁面CやDもそれぞれ表示要素(壁面Cは30番台、壁面Dは40番台)の集合により構成されている。なお本実施形態では表示要素を最小表示単位であるポリゴンと同義であるとして取り扱うが、表示要素は、複数のポリゴンにより同時に移動可能に構成されるポリゴンデータ群として設定されていてもよい。いずれにせよ、通常の単純な三角形や四角形のポリゴンと異なり、一つの表示要素の輪郭は、複雑な輪郭になるように多数の頂点を設定して構成されている。この表示要素の形状は、実際に建造物が崩壊するときにできるブロック塊に似るように、ぎざぎざの破断面らしく設定される。表示要素が分離しただけでビルディングが壊れたように表示するためである。またこれら表示要素は互いに隣接する複数の表示要素ごとにブロック分けされていてもよい。ブロック分けされた表示要素は、ブロックごとに分離されずに移動が可能になっている。以下、図に示す座標軸X,Y,Zのように、視点から見た座標方向を定める。
【0032】
CPUブロック10は、このオブジェクトOBJを指定するオブジェクト指定データ、表示すべきポリゴンを指定するポリゴン指定データ、各ポリゴンのワールド座標系における位置を指定するポリゴン位置データ、各ポリゴンの法線方向を指定するポリゴン方向データ、視点VPの視点位置データおよび各ポリゴンにマッピングするテクスチャデータを指定するテクスチャ指定データをビデオブロック11に転送する。ビデオブロック11は、オブジェクト指定データにより表示すべきオブジェクトOBJのポリゴンデータ群を特定し、ポリゴン指定データにより表示すべきポリゴンデータを抽出する。そしてビデオブロック11は視点位置データとポリゴン位置データに基づいて、各ポリゴンの頂点座標を透視変換し、各ポリゴンにテクスチャデータをマッピングする。これによって特定の視点から本物のビルディングを観察したようなオブジェクトOBJの画像が表示される。
【0033】
ビルディングを崩壊させるために特定の表示要素を消滅させる場合、CPUブロックは消滅させる表示要素を特定するポリゴン指定データの転送を禁止する。特定の表示要素を落とす場合、CPUブロックはその表示要素に加わった衝撃の大きさと方向に基づいて、落下させる方向と回転速度を計算し、表示要素のポリゴン位置データとポリゴン方向データをフレーム表示期間ごとに変化させることで、回転しながら落ちていくような表示要素を表示させる。
【0034】
次に、図3に示すフローチャートに基づいて具体的なオブジェクトの崩壊処理方法について説明する。このフローチャートは一つの表示要素または当該表示要素が含まれるブロックについての処理である。他の表示要素やブロックについても同様の表示処理が行われる。
【0035】
フレーム画像データの更新は、フレーム表示期間ごとに行なわれる。CPUブロック10は、この更新タイミングを待ち(S101、NO)、新規画像の生成タイミングになったら(S101;YES)、衝突判定を行う(S102)。衝突判定には公知の技術を用いる。すなわち建造物オブジェクトOBJの各表示要素と怪獣の一方または双方に所定半径の衝突円を設定し、両衝突円の中心間距離が両衝突円半径の和以内になったら衝突したものと判定する。衝突判定の結果、衝突したと判定される場合には(S102;YES)、CPUブロックは衝突した表示要素の消滅処理を行う(S103)。消滅処理はこの表示要素を指定するポリゴン指定データの転送をCPUブロックが禁止するによって完遂される。表示要素が消滅する場合とは、怪獣が表示要素に当たった場合と落下中の表示要素が地面に着地した場合である。衝突した対象が怪獣である場合(S104;怪獣)、CPUブロックはその衝撃の大きさと方向とを定める衝突ベクトルIを生成する(S103)。衝突ベクトルは、任意に設定できる。例えば怪獣の尾や光線が当たった場合にはそのオブジェクトへの入射方向と移動速度とに対応させて設定できる。オブジェクトを構成する各表示要素に共通した一の衝突ベクトルが設定される。またビルの内部爆発のような雰囲気を出すために、怪獣の衝突とは無関係に、オブジェクトOBJの壁面A〜Dそれぞれについて外方向へ向かう衝突ベクトルを設定してもよい。さらに表示要素ごとに異なる衝突ベクトルを設定してもよい。
【0036】
衝突した対象が地面である場合(S104;地面)、消滅した表示要素とともに落下したが直接地面に着地していないため表示されたままである表示要素についてはその移動を停止させる必要がある。そこでCPUブロックは既に落下中の一群の表示要素に対して設定されていた落下速度や回転速度などのデータをリセットする(S106)。なお地面に着地した場合に表示可能な表示要素数を予め設定しておき、これを越える表示要素が着地していた場合には、ランダムに表示要素を消していくことも可能である。
【0037】
一方、表示要素が怪獣にも地面にも衝突していない場合(S102;NO)、移動速度や回転速度が設定されているか否かをCPUブロックは判定する(S107)。何らかの速度が設定されているということは(S107;YES)、当該表示要素が落下中であることを意味しているので落下処理をする(S108)。落下処理の詳細についてはS112で説明する。
【0038】
表示要素に速度が設定されていない場合(S107;NO),この表示要素は直接怪獣に当たっておらず落下もしていないことになる。ただし本実施形態では本物らしく見せるために、ある表示要素が消滅した場合には、その表示要素に隣接している表示要素を、衝撃の強さに応じて飛ばすような表示をさせる。そのため、隣接していた表示要素が消滅したと判定した場合には(S110;YES)、CPUブロックはステップS105で設定した衝突ベクトルIの大きさを参照して、衝撃の大きさが最低値Pminより大きいか否かを判定する(S111)。そして衝撃の大きさが最低値Pminより大きい場合には(S111;YES)、CPUブロックはこの表示要素が回転しながら落ちていく画像を表示させるためのパラメータである移動速度、移動方向、回転方向・回転速度などを計算する(S112)。
【0039】
また、オブジェクトの中間部分が壊されたようなときには、一部の表示要素のみで上部の大きな塊を支えるような表示になる。本実施形態では、このような場合に、重さに耐え兼ねてビルディングが自然に崩壊する様子を再現できるように、支えている表示要素数に応じてビル全体を崩壊させたり残したりする。そのため、怪獣による衝撃の大きさが最低値Pminより小さい場合であっても(S111;NO)、同一XY平面にある表示要素についてオブジェクトを支えている表示要素の数が一定値minより少なくなっているときには(S113l;YES)、上記したパラメータ計算を行う(S112)。このパラメータは、支えとなっている表示要素、およびそれらの上に消滅せずにまとまって表示されている表示要素のブロック全体について、それぞれ算出される。これによりごく一部のブロックのみが残されたビルディングが自然倒壊するような画像を表示させることができる。
【0040】
ステップS112で計算されたパラメータ群は、ステップS108において実際の表示要素の座標位置計算に用いられる。つまりCPUブロックは画像更新期間ごとに新たな落下位置や回転角度を計算する。頂点座標が確定した表示要素について、CPUブロックはテクスチャデータをマッピングしてビットマップデータを完成させる(S114)。
【0041】
図6(d)に一つの表示要素について設定されるこれらパラメータの説明図を示す。各表示要素には法線ベクトルNが設定されている。この表示要素の移動方向は、最初はこの表示要素について設定されている衝突ベクトルIの方向であり、それぞれの座標成分に対応した速度Vx、Vy、Vzが設定される。さらに重力が働く様子を再現するために重力の速度成分VgをZ軸成分に加える。この重力速度成分Vgは、衝突から時間が経過するほどに大きくなるように設定される。このように設定しておけば、重力にしたがってブロックが落ちていくような画像を表示可能になる。ただし速度設定は任意である。加速度により移動位置を定めても、衝突ベクトルとは無関係に定めてもよい。複数の表示要素によりブロックが構成されている場合であって、ブロック内の表示要素が無償であるときには、そのブロックについて一の移動速度を計算し、ブロックを一体的に落下させてもよい。
【0042】
回転については衝突ベクトルIと法線ベクトルNとの関係に応じて定める。CPUブロックは、法線ベクトルNと衝突ベクトルIとのなす角度θが大きいほど速い回転速度を設定する。また回転するのが、同時に分離することなく移動可能に設定されたブロックである場合には、ブロックを構成する表示要素の数に応じて回転速度を定めてもよい。例えば大きなブロックほどゆっくり回転し小さいブロックほど速く回転するように設定することで、物理法則に準じた臨場感ある崩壊を表現させることが可能である。回転方向は、法線ベクトルNと衝突ベクトルIとを含む平面で正逆いずれかの方向を設定可能である。またベクトルとは無関係に一方向に回転する可能に設定することも可能である。さらに表示要素と衝突地点との位置関係に応じて回転方向を定めることも可能である。例えば衝突地点の上にある表示要素の回転方向とその下にある表示要素の回転方向とを逆に設定できる。
【0043】
図7〜図14に、上記処理によって建造物オブジェクトが崩壊する一表示例を示す。図7は、ステップS102において、図6で示した建造物オブジェクトOBJに怪獣の尻尾Tが衝突したと判定した直後の画像表示例である。衝突した瞬間の閃光を示すオブジェクトEや硝煙を示すオブジェクトS1、S2が表示されている。
【0044】
図8は、ステップS103において直接衝突した表示要素が消滅し、それに隣接していた表示要素が落下を始めている場合の画像表示例である。表示要素10,11、27が直接怪獣と衝突して消滅している。そして表示要素9,12、26,28,40が隣の表示要素が消滅し衝突時に計算された衝突ベクトルの大きさが最低値Pminより大きかったために(S110;YES、S111;YES)計算されたパラメータに基づいて、表示位置が変更されて移動および回転を始めている(S108)。表示要素9および12、26および28のように分離することなく移動するように表示要素の接続関係を設定しておいてもよい。
【0045】
図9は、消滅した表示要素の真上に隣接していた表示要素が崩壊する画像表示例である。落下していた表示要素9,12,26,28および40は、地面に接触したためにステップS103において消滅させられている。新たに表示要素7,8,24,25がステップS112において計算されたパラメータに基づく落下を始めている。なお、真下にある表示要素が消滅して支えるものが無くなった表示要素については、パラメータ計算(S112)とは無関係に落下させるように設定してもよい。
【0046】
図10は、支える表示要素が少ないために、建造物オブジェクト全体が落下を始めた場合の画像表示例である。当該オブジェクトOBJでは二つの表示要素30と41のみで上部のオブジェクトを支えていたことろ、ステップS113において支え切れないと判定され、S112で計算されたパラメータに基づいて回転落下を始めたところを示している。表示要素03と41については、表示要素群を形成していないために、別個に計算されたパラメータに基づいて独自に落下している。これら表示要素の上に乗っかっていた表示要素群については、全体が一個のオブジェクトとして一つのパラメータが計算され、それにしたがって落下を開始している。先に落下していた表示要素7,8,24,25については地面と接触したためにステップS103において消滅させられている。
【0047】
図11は、まとまって落下していた上部オブジェクトが倒壊し地面に着地した最終的な画像表示例である。支えていた表示要素30と41は地面に落ち消滅している。一方まとまって落下していた上部オブジェクトも着地しているが、直接地面に接触している表示要素21,23,25のみがステップS103で消滅させられている。残りの表示要素については消滅していないがステップS106において移動パラメータがリセットされているので、崩壊したオブジェクトの一部は静止している。そして地面に落ちた残骸のように表示されている。一次崩壊ははこれで完了する。
【0048】
図12は、崩壊したオブジェクトの一部にさらに二次攻撃が加えられた場合の画像表示例である。本実施形態では、オブジェクトは地面に直接衝突するか完全に分離されてそれ以上分離できない最小単位、つまり個々の表示要素にならない限り表示が継続する。したがって一次攻撃により落下し着地したオブジェクトの一部に攻撃を加えたり持ち上げて投げたりすることが可能になっている。怪獣Cが発射した光線Lが崩壊したオブジェクトの一部に当たっている。つまり光線Lを表現するオブジェクトと倒壊した建造物のオブジェクトとが衝突している。画像表示装置は衝突地点に閃光Eのオブジェクトを表示し、直接光線Lと衝突したと判定できる表示要素を消滅させる。
【0049】
図13は、光線照射時の衝撃によって消滅した表示要素に隣接していた表示要素が飛ばされている場合の画像表示例である。すなわちステップS105で設定された衝突ベクトルの大きさが最低値Pminより大きいために(S111:YES)、ステップS112で移動や回転のパラメータが設定された場合である。ここで表示要素7、8および32と表示要素3および6は、互いに分離されずに一塊の表示要素群として移動している。また表示要素7、8および32からなるブロックが崩壊せずに残っていたビルディングの基礎部分を構成する表示要素29と42に衝突している。このように表示要素同士が衝突して消滅等する場合もある。
【0050】
図14は、二次攻撃が完了した場合の画像表示例である。怪獣から発射された光線の衝撃により飛ばされ分離された表示要素3,6,7,8,20,22,24は、直接地面と接触したことにより、または最小単位に分離されたことにより、消滅させられている。またブロックとして飛ばされていた表示要素7,8および32は、ビルディングの基礎部分に直接衝突したり分離されたりすることで、同様に消滅している。さらにビルディングの基礎部分を構成して残留していた表示要素39および42もブロックが直接衝突したことにより消滅している。このように、各表示要素は、直接キャラクタや地面に衝突するか、または分離されることを条件として消滅する。一次攻撃のみでオブジェクトを粉砕消滅させてしまう場合に比べ、現実的な壊れ方を表現可能である。またこのような方法を採る方が短時間にかかるCPUの負担が小さいという利点もある。
【0051】
図15にテクスチャをマッピングした建造物オブジェクトと怪獣キャラクタとの表示例を示す。キャラクタCが建造物オブジェクトOBJ1に接触することにより、閃光Eが生じ、建造物オブジェクトが複数のブロックに分解されて崩壊を開始している。画面右上にはゲーム開始からの経過時間が表示され、画面右下にはオブジェクト全体に対する壊されたオブジェクトの割合が示されている。
【0052】
図16は、他の建造物オブジェクトと怪獣キャラクタとの表示例を示す。オブジェクトOJB2が、キャラクタCの発射した光線Lによって破壊されている。オブジェクトOBJ3とOBJ4は無償である。
【0053】
エリアアウト処理
次に、本実施形態のエリアアウト処理を説明する。本ゲーム装置は、一定の移動範囲を怪獣が越えるとエリアアウト処理を行う。無制限に怪獣を動かしたのでは、一定数のオブジェクトが設定されている範囲から外れてしまうからである。
【0054】
図17に、このエリアアウト処理を説明する、仮想空間における平面概念図を示す。ゲームの中心位置Oを中心に、半径rのエリアAが設定されている。怪獣C0はエリア内にいる。怪獣C1とC2はエリア外に出ている。怪獣を捕らえる仮想空間内の視点位置は、怪獣と相対的な位置関係に設定されている。怪獣のワールド座標系における位置に応じて視点の位置が定められる。怪獣がエリアAから出るような場合には、視点はその背後から怪獣を捕らえるような位置に設定される。怪獣が遠のいていってしまうような印象を与えるためである。その場合に、本実施形態では図4のフローチャートに基づいて霧処理を行う。怪獣が遠のくにしたがって霧に隠れるような印象を与え、何もオブジェクトが設定されておらずそのまま表示したのでは殺風景で不自然なエリア外の景色を隠すためである。
【0055】
まず画像の更新タイミングを待ち(S200;NO)、更新タイミングになったら(S200;YES)、キャラクタがエリアAの内外どちらにいるかをキャラクタ中心座標を参照して判定する(S201)。キャラクタがエリア内にいる場合(S201;NO)、他の処理に移行する(S208)。このとき画面には図18(a)に示すように、通常の怪獣C0の姿が表示される。一方、キャラクタがエリア外に出ている場合(S201;YES)、エリアアウト処理に移行する。
【0056】
まずタイマがまだ動いていない場合には(S202;NO)、CPUブロックは内部タイマをオンにする(S203)。このタイマはエリアアウトのカウントダウンのために使用する。タイマが動いている場合(S202;YES)、タイムアウトになっているか否かが判定され、タイムアウトになっていない場合(S204;NO)、エリアAの境界とキャラクタとの距離を計算する(S206)。そして計算された距離に対応させてキャラクタのビットマップデータに加算すべき輝度および彩度を定め、ビットマップデータの加算を行う(S207)。キャラクタ以外のエリア外のオブジェクトについてもエリア境界からの距離に応じて輝度および彩度を定めて加算を行うことが好ましい。この処理によれば、例えば図17においてエリアA境界との距離がd1である場合、キャラクタC1を含んだ画像は図18(b)のように表示される。図18(a)に比べ、キャラクタの輝度や彩度が変更されており、霧の中にキャラクタが入っていくように霞んで見え出す。エリアAとキャラクタとの距離が離れるほど、強く霞んで表示される。画面のウインドウW1にはタイマの値に応じた残り時間などを表示する。ウインドウW2には、エリアアウトした旨を報知するための文字表示がされる。タイムアウトになった場合(S204;YES)、ゲームオーバー処理をする(S205)。例えば図17においてキャラクタC2の位置でタイムオーバーになった場合の画像は、図18(c)のように表示される。キャラクタの輪郭はさらに霞んでいる。ウィンドウW1に表示されている残り時間はゼロとなり、ウィンドウW2にはタイムオーバーである旨が文字表示される。なお、キャラクタに霧を掛ける処理は、ソフトウェアの制御により行う他、ハードウェアにより与えられたパラメータに応じた濃度で自動的に全体の輝度や彩度を上げるように設定してもよい。特にオブジェクトと視点との距離に応じた濃度でビットマップの合成が行われるように構成すれば、遠くのオブジェクトは完全に霧に隠れ、近くのキャラクタはその距離に応じて霞んで見えるといった表示が可能になる。
【0057】
ダメージ処理
次に、本実施形態のダメージ処理を説明する。従来品のゲームでは、キャラクタが攻撃を受けると突然倒れるか全く変化が生じないかしか表示されなかった。しかし本実施例のようにキャラクタが怪獣であり大きい場合に、簡単にやられてしまうのでは不自然である。また全く不死身というのもゲームとしての面白味に欠ける。そこで本ゲーム装置は、キャラクタが攻撃を受けた場合にダメージ処理を行い、負傷状態のキャラクタを表示する。図5にダメージ処理を説明するフローチャートを示す。
【0058】
まず画像の更新タイミングを待ち(S300;NO)、更新タイミングになったら(S300;YES)、キャラクタがダメージを受けたか否かを判定する(S301)。ダメージを受けたか否かは、例えば弾のオブジェクトとキャラクタとの衝突判定によって判定できる。ダメージを新たに受けたときに限り(S301;YES)、ダメージフラグをオンにする(S302)。ダメージフラグには、ダメージを受けた旨とダメージ箇所を示す位置データまたはポリゴン特定データが記録される。新たにダメージを受けるたびにダメージフラグが生成される。例えばキャラクタ200の腹部201に「砲弾」が当たった場合、図19に示すように閃光Eを表示する。
【0059】
そしてCPUブロックは、ダメージフラグの有無に応じてキャラクタの姿勢を設定する。ダメージフラグがオンになっていない場合には(S303;NO)、通常設定されている姿勢を設定する(S304)。一方、ダメージフラグがオンになっている場合(S303;YES)、CPUブロックはダメージ箇所に応じた姿勢でキャラクタを表示させる(S305)。例えば図20に示すように、腹部201に血が流れるオブジェクト202を表示させる。そしてその腹部を庇うような姿勢になるように、キャラクタ200を構成する各ポリゴンの位置を微調整する。
【0060】
さらにCPUブロックは、回復条件が満たされたか否かを判定する(S306)。回復条件は任意に設定する条件である。具体的には、キャラクタが所定の行為、例えば「餌を食べる」等の行為を行った場合に、回復条件が満たされるものとする。またはダメージを受けた時から一定時間が経過したら回復条件が満たされたものとする。すなわち生物がダメージから回復する様子を表示させるのである。回復条件が満たされない場合には(S306;NO)他の処理(S308)に移行し、ダメージを受けた姿勢が継続される。一方回復条件が満たされた場合には(S306;YES)、CPUブロックはダメージフラグをリセットする(S307)。これで次回の画像更新期間からは通常の姿勢でキャラクタが表示される。ただし複数のダメージを受けておりリセットされていないダメージフラグが存在する場合には、引き続きダメージを受けた姿勢が維持される。
【0061】
評価処理
ゲームオーバーになった場合に、CPUブロックは図21に示すような画面を表示して、ゲーム内容の評価を行う。ウィンドウW3には、項目別にユーザの操作の稚拙を評価するインジケータINDが複数表示される。ウィンドウW4には、総合評価として与えられるキャラクタの称号を文字表示する欄である。
【0062】
ウィンドウW3の項目評価において、「DESTROY」欄は、破壊可能なオブジェクトのポリゴン数を100とした場合に破壊できたポリゴン数を指標Mでパーセンテージ表示するものである。「SPEED」欄は、ゲームにおける制限時間(例えば5分)を100とした場合にゲームクリアに要した時間の割合を指標Mでパーセンテージ表示するものである。「SHOOT」欄は、ゲーム中に出現した敵(例えば戦闘機)の数を100とした場合にゲームクリア時に幾つの敵を破壊したかを指標Mでパーセンテージ表示するものである。「POWER」欄は、怪獣キャラクタの最大パワーを100とした場合にゲームクリア時のパワー値を指標Mでパーセンテージ表示するものである。「COMBO」欄は、どれだけ連続攻撃できたかを評価するものである。つまり建造物オブジェクトを構成する表示要素は、幾つかのブロックに分けられている。オブジェクトに対して攻撃すると、これらのブロックを単位として消滅したり落下したりする。ブロックが一次攻撃により落下を開始した場合に、当該ブロックに対して二次攻撃を加えることが可能である。「COMBO」欄は、全体のブロック数を100とした場合に連続攻撃で破壊することができたブロック数を指標Mでパーセンテージ表示するものである。「BALANCE」欄は、キャラクタが繰り出した技のバランスを評価するものである。つまり建造物オブジェクトを構成するブロックを攻撃する際に、CPUブロックは破壊にかかる「技」を記録していく。「技」には尻尾攻撃、手攻撃、光線などの種類がある。「技」をバランス良く繰り出して破壊した方が好ましいという前提で、CPUブロックは、各技ごとにブロックの破壊数を記録していく。「BALANCE」欄は、各技により破壊されたブロックの破壊率の差を、基準となる値と比較し、ゲームクリア時にそのバランス評価を指標Mでパーセンテージ表示するものである。
【0063】
ウィンドウW4の称号は、上記項目評価によって得られた6つの項目をそれぞれ6段階評価し、6項目の評価段数の総合割合によって判定される。高い評価から順に幾つかの称号が予め対応づけられている。CPUブロックは、6項目の評価に基づいて総合のパーセンテージを求め、これに対応する称号を読み取ってウィンドウW4に文字表示する。
【0064】
(利点)
これまで述べたように本実施形態によれば以下の利点がある。
1)本実施形態によれば、建造物オブジェクトを崩壊後のブロック形状の表示要素により構成したので、オブジェクトを表示要素ごとに分解するだけで臨場感豊かな建造物の崩壊を表現可能である。
【0065】
2)本実施形態によれば、各表示要素の輪郭を現実に建造物が倒壊した場合に生じるブロック塊に似せて設定したので、臨場感豊かな建造物の崩壊を表現可能である。
【0066】
3)本実施形態によれば、表示要素がキャラクタや地面と衝突した場合にその表示要素を消滅させるので、建造物の一部を破壊したり粉砕したブロックが消滅したりする様子を臨場感豊かに表現できる。
【0067】
4)本実施形態によれば、表示要素が消滅した場合にその真上にある表示要素を落下させるので、怪獣映画で建造物が壊されるような時間差をおいた建造物の崩壊を臨場感豊かに表現できる。
【0068】
5)本実施形態によれば、表示要素が消滅した場合に、隣接する表示要素を衝撃の強さに応じた速度で移動させるので、衝突の大きさに応じて遠くに表示要素が飛ぶような画像を表示できる。
【0069】
6)本実施形態によれば、表示要素が消滅した場合に、隣接する表示要素を衝撃の方向に応じた方向に移動させるので、衝突の方向に応じた方向に表示要素が飛ぶような画像を表示できる。
【0070】
7)本実施形態によれば、表示要素が消滅した場合に、隣接する表示要素を表示要素の大きさに応じた回転速度で回転させるので、物理法則に準じて自然に回転するブロックを擬似的に表示することが可能である。
【0071】
8)本実施形態によれば、オブジェクトに加えられた衝撃の強さが一定値以上である場合に隣接する表示要素の表示位置を変化させるので、辛うじて一部の柱で支えられているような臨場感溢れる崩壊目前の建造物を表示可能である。
【0072】
9)本実施形態によれば、表示要素が消滅したために残された表示要素が辛うじて支えられているような場合に、その支えている表示要素の数が所定数より少ないときに上部に乗っかっているブロックをまとめて落とすので、建造物が倒壊する様子を臨場感豊かに表示可能である。
【0073】
10)本実施形態によれば、崩壊後に残っているオブジェクトも一つの別個のオブジェクトとして崩壊可能に構成するので、より現実的なリアルが画像が提供される。例えば崩壊した建造物の一部をさらに踏みつけて潰す、といった怪獣映画さながらの現実感溢れる画像を提供できる。また一次崩壊のみで粉々に粉砕させる場合よりも処理負担が少なくてするという効果もある。
【0074】
11)本実施形態によれば、最小単位に分離された表示要素を消滅させるので、不自然さなく崩壊後のブロックの消去が可能である。つまり最小単位であれば画面から消去させても目立たないので、いきなり物が消えるという超自然的な不自然さを遊技者に与えずに済む。またキャラクタが崩壊後に最小単位に分離されていないオブジェクトの一部を武器として(例えば投石)使用することも可能になる。この武器となったオブジェクトの一部は他のキャラクタなどに衝突して最小単位に分離され消滅する。ゲームで使用可能に設定する武器の数を徒に増やさず、キャラクタに武器を与えることができるという新たなゲーム処理方法を提供可能である。
【0075】
12)本実施形態によれば、キャラクタがエリア外に出た場合に、霧がかかるような画像を表示するので、不要なエリア外の表示を自然に防止可能である。まただんだん見えなくなるキャラクタを表示することで、キャラクタの可動範囲をユーザに自然に知らせることが可能である。
【0076】
13)本実施形態によれば、キャラクタとエリア境界との距離に応じて霧の濃度を変化させるので、エリアから遠のくほど霞んでいくような自然な画像を表示可能である。
【0077】
14)本実施形態によれば、キャラクタがエリア外に出ている時間にタイムアウト処理を行うので、霧の中で自然にゲームオーバーに持っていくことができる。
【0078】
15)本実施形態によれば、キャラクタが他のオブジェクトと衝突したと判定された場合に、回復条件が満たされるまでキャラクタの姿勢を変化させるので、ダメージを受けたような画像を自然に表示させることが可能である。
【0079】
16)本実施形態によれば、衝突した箇所を庇うような姿勢に設定されるので、生物の本能的な行動を表現することが可能である。
【0080】
17)本実施形態によれば、予め定められた動作をキャラクタがすることで回復させるので、エネルギーの補給で回復するという生物の本能的な行動を表現することが可能である。
【0081】
18)本実施形態によれば、予め定められた時間が経過したことで回復させるので、時間の経過に連れて回復するという生物の本能的な行動を表現することが可能である。
【0082】
19)本実施形態によれば、COMBOにより連続攻撃を評価するので、連続攻撃の可能な上級者にとって手応えのたるゲームを提供可能である。
【0083】
20)本実施形態によれば、BALANCEにより技のバランスを評価するので、多数の技を組み合わせることが可能な上級者にとって手応えのたるゲームを提供可能である。
【0084】
21)本実施形態によれば、称号を総合評価として与えるので、ユーザに目標とする評価(称号)を示すことにより、飽きの来ないゲームを提供可能である。
【0085】
(その他の変形例)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨の範囲で種々に変形して適用することが可能である。例えば本発明の表示要素は、建造物のオブジェクト以外にも適用が可能である。例えばキャラクタや山などの自然物を表すオブジェクトに適用してもよい。
表示要素の消滅のさせ方、落し方は上記に限定されることなく、種々に設計変更して適用可能である。表示要素群としてのブロックの組み合わせも任意に設定可能である。
【0086】
【発明の効果】
本願発明によれば、建造物等のオブジェクトを崩壊させたいブロックで構成することにより、建造物を臨場感豊かに崩壊させることができる。
本願発明によれば、キャラクタの移動位置に応じて霧に隠れる様子を表現可能に構成したので、キャラクタの行動範囲を自然に制限することができる。
本願発明によれば、ダメージを受けたキャラクタの姿勢を変更可能に構成したので、キャラクタに対するダメージの程度を臨場感豊かに表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の接続概念図である。
【図2】本実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
【図3】本実施形態の建造物表示方法を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態のエリアアウト処理を説明するフローチャートである。
【図5】本実施形態のダメージ処理を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態の建造物オブジェクトの表示概念図である。
【図7】建造物オブジェクトの衝突時の表示概念図である。
【図8】建造物オブジェクトの崩壊時の表示概念図(その1)である。
【図9】建造物オブジェクトの崩壊時の表示概念図(その2)である。
【図10】建造物オブジェクトの崩壊時の表示概念図(その3)である。
【図11】建造物オブジェクトの崩壊完了時(一次崩壊)の表示概念図である。
【図12】建造物オブジェクトの二次攻撃時の表示概念図である。
【図13】建造物オブジェクトの二次攻撃後の崩壊途中の表示概念図である。
【図14】建造物オブジェクトの二次攻撃完了時の表示概念図である。
【図15】本実施形態における画像の実表示例(その1)である。
【図16】本実施形態における画像の実表示例(その2)である。
【図17】キャラクタのエリアアウト処理を説明する位置関係図である。
【図18】エリアアウト処理の表示概念図である。
【図19】ダメージを受けた瞬間のキャラクタの表示概念図である。
【図20】ダメージを受けている最中のキャラクタの表示概念図である。
【図21】本実施形態における評価画像の表示例である。
【符号の説明】
1…ゲーム装置本体
2…コントローラ
10…CPUブロック(処理装置)
11…ビデオブロック(画像生成装置)
CD−ROM…記憶媒体
Claims (5)
- キャラクタと視点とを仮想空間内に配置し、前記視点から見た前記キャラクタを含む仮想空間を表示可能に構成された画像処理装置において、
前記キャラクタは仮想空間を移動可能に設定されており、
仮想空間内でオブジェクトが設定される領域外に前記キャラクタが出た場合に、前記キャラクタの背後に前記視点を設定し、前記キャラクタと前記領域の境界との距離に応じて前記キャラクタを表示する画素の輝度または/および彩度を一様に変更させるとともに、前記視点から遠ざかる前記キャラクタを含む画像を表示させることが可能に構成されたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記キャラクタが前記領域外に出ている時間が一定時間に達し場合に、ゲームが終了した旨の画像を表示させることが可能に構成されている、請求項1に記載の画像処理装置。
- キャラクタと視点とを仮想空間内に配置し、前記視点から見た該キャラクタを含む仮想空間を表示可能に構成された画像処理方法において、
前記キャラクタを仮想空間で移動させるステップと、
仮想空間内でオブジェクトが設定される領域外に前記キャラクタが出たか否かを判定するステップと、
当該キャラクタが仮想空間に設定された前記領域外に出た場合に、前記キャラクタの背後に前記視点を設定するステップと、
前記キャラクタと前記領域の境界との距離に応じて前記キャラクタを表示する画像全体の画素の輝度または/および彩度を一様に変更させるとともに、前記視点から遠ざかる前記キャラクタを含む画像を表示させるステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。 - キャラクタと視点とを仮想空間内に配置し、前記視点から見た該キャラクタを含む仮想空間を所定の平面に展開させた画像データを生成する画像処理方法において、
前記画像データを生成する更新タイミングごとに、前記キャラクタを仮想空間で移動させるステップと、
仮想空間内でオブジェクトが設定される領域外に前記キャラクタが出たか否かを判定するステップと、
前記キャラクタが前記領域外に出たと判定された場合に、前記キャラクタの背後に前記視点を設定し、経過時間の計測を開始させるステップと、
前記キャラクタの位置を検出し、前記領域の境界から前記位置までの離間距離を計算するステップと、
計測された前記経過時間と予め定めた終了時間とを比較し、計測された前記経過時間が前記終了時間に達したか否かを判定するステップと、
前記終了時間に達していないと判定された場合に、計算された前記離間距離に応じて輝度または/および彩度を決定するステップと、
前記視点から遠ざかる前記キャラクタを含み、決定された前記輝度または/および前記彩度を一様に変更した画像データを生成するステップと、 前記終了時間に達したと判定された場合には、ゲームが終了した旨の画像データを生成するステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項3または4に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたことを特徴とする機械読み取り可能な記憶媒体。
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