JP4180304B2 - 処理装置 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー工程では,ウエハの表面に塗布されたレジスト液内の溶剤を蒸発させるための加熱処理(プリベーキング),パターンの露光後に,ウェハ上のレジスト膜の化学反応を促進させるための加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング),現像処理後の加熱処理(ポストベーキング)等の種々の加熱処理が行われている。
【0003】
上述の加熱処理は,加熱処理装置で行われ,この加熱処理装置は,通常図10に示すようにウェハWを載置し加熱する円盤状の熱板200と,熱板200の外方を囲み,熱板200を収容する略円筒状のサポートリング201,サポートリング201と一体となって処理室Sを形成する蓋体202等で主に構成されている。蓋体202の中央部には,処理室S内にパージ用の気体を供給する供給口203が設けられている。また,熱板200の外方に位置するサポートリング201の上面には,処理室S内の雰囲気を排気する複数の排気口204が設けられている。サポートリング201の内部には,排気口204に通じる排気通路205が形成されている。
【0004】
そして,加熱処理時には,蓋体202とサポートリング201によって処理室Sが形成され,当該処理室S内においてウェハWが熱板200上に載置され,加熱される。また,加熱処理中は,蓋体202の供給口203から処理室S内にパージ用の気体が供給され,当該気体がサポートリング201の排気口204から排気される。排気口204に流入した気体は,排気通路205を通って,装置外に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上述したような加熱処理では,ウェハWから揮発物,昇華物等の多くの不純物が発生する。したがって,当該不純物が流れる排気通路205内は,汚れやすく,頻繁な洗浄等のメンテナンスが必要である。
【0006】
従来の加熱処理装置における排気通路205内のメンテナンスは,サポートリング201全体を装置から取り外すことによって行われていた。このため,洗浄作業が大がかりになり,時間がかかっていた。このようにメンテナンス時間の長くなると,装置の稼働率の低下を招き,好ましくない。また,従来の加熱処理装置では,排気通路205内の隅々まで手が届き難くく,排気通路205内に付着した不純物を完全に落とすことは困難であった。このように排気通路205内に不純物等の汚れが残ると,当該汚れによって排気通路205内の流路が狭くなり,処理室S内の排気圧力が低下することになる。そして,排気圧力が低下すると,処理室S内の不純物の排気が不十分になり,排気されなかった不純物がウェハに再付着するおそれがある。このようなウェハWに対する不純物の付着は,言うまでもなくウェハの製品不良を招くものである。また,従来の加熱処理装置では,排気通路205が汚染されると,排気通路以降に繋がる配管も汚れてしまい,広い範囲でのメンテナンスが必要になっていた。この結果,メンテナンス時間が長くなり装置の稼働率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,サポートリング等の囲み部材内に形成された排気通路内のメンテナンスの間隔を延ばし,そのメンテナンスをより短時間で,かつ適正に行うことができる処理装置を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,基板を処理する処理室を有する処理装置であって,前記処理室には,基板を載置する載置台と,前記処理室に気体を供給する気体供給口と,前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,前記囲み部材の側部の囲み部材本体以外の部分は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,当該分離によって,前記排気通路内が露出可能であり,前記囲み部材において,前記分離可能な2以上の部分は,囲み部材本体から取り外し自在であることを特徴とする処理装置が提供される。
【0009】
この発明によれば,排気通路の設けられた囲み部材の側部の囲み部在外の部分が分離可能であり,当該分離によって排気通路内が露出できるので,囲み部材全体を装置本体から取り外さなくても,排気通路内の洗浄等のメンテナンスができる。したがって,排気通路のメンテナンスが容易になり,メンテナンス時間を短縮できる。また,排気通路を露出した状態で洗浄できるので,洗浄し易く,排気通路内をより綺麗に洗浄できる。この結果,排気通路内に不純物が詰まることがなく,処理室内の排気が適切に行われるので,処理室内の基板を清浄な雰囲気内で処理できる。また,囲み部材本体を装置から取り外さなくても,排気通路のある部分のみを取り外すことによって,排気通路のメンテナンスを行うことができる。したがって,排気通路のメンテンナンスをより簡単に行うことができ,メンテナンス時間が短縮できる。なお,前記処理装置は,前記囲み部材の前記排気通路を構成する部分と前記囲み部材本体とを係止する係止部材を備えていてもよい。
【0010】
前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,前記第1の部分と第2の部分との間には,隙間があり,前記隙間が前記排気通路になっていてもよい。この発明によれば,第1の部分と第2の部分を分離することにより,排気通路が露出し,排気通路内のメンテナンスを好適に行うことができる。
【0011】
前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていてもよい。
【0012】
前記水平部の上面には,囲み部材の外部に通じる排出口が開口しており,当該排出口には,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する回収部材が設けられていてもよい。この場合,排気通路内の気体中の不純物を回収してから,例えば装置外の排気系に気体を排出できる。また,回収部材が水平部の上面の排出口に設けられるので,排気通路を露出させ排気通路を洗浄する際に,回収部材の洗浄,取り替え等のメンテナンスも併せて行うことができる。
【0013】
別の観点による本発明は,基板を処理する処理室を有する処理装置であって,前記処理室には,基板を載置する載置台と,前記処理室に気体を供給する気体供給口と,前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,前記囲み部材の側部は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,前記囲み部材の側部を分離することによって,前記排気通路内が露出可能であり,前記囲み部材は,前記載置台の下面を支持する下面部を有し,前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていることを特徴とする。なお,前記載置台は,基板を載置して熱処理する熱処理板であってもよい。
【0014】
前記囲み部材の側部の上面には,前記排気通路に通じる排気口が開口しており,前記排気口は,前記囲み部材の側部の形状に沿って環状に形成されていてもよい。また,前記囲み部材の側部の上面には,前記排気通路に通じる複数の排気口が開口しており,前記排気口は,前記側部の上面の同一円周上に等間隔に設けられていてもよい。これらの発明によれば,処理室内の雰囲気が,載置台上の基板の外周方向から偏りなく均等に排気される。したがって,基板周辺の雰囲気が基板面内において均等に排気されるので,例えば基板上の溶剤の揮発量を基板面内において均一にすることができる。また,排気によって生じる気流が与える基板への影響を基板面内で同じにすることができる。この結果,基板処理の面内均一性が確保される。なお,前記複数の排気口は,スリット状に形成されていてもよい。
【0015】
前記排気通路内には,当該排気通路内を通過する気体の圧力を損失させるための圧力損失部が設けられていてもよい。この場合,例えば排気通路の下流側一箇所に印加された排気圧力を,排気通路内において損出させ,上流の前記排気口における排気圧力を均等にすることができる。したがって,処理室内の雰囲気を基板の外周方向から均等に排気することができる。
【0016】
別の観点による本発明は,基板を処理する処理室を有する処理装置であって,前記処理室には,基板を載置して熱処理する熱処理板である載置台と,前記処理室に気体を供給する気体供給口と,前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,前記囲み部材の側部は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,前記囲み部材の側部を分離することによって,前記排気通路内が露出可能であり,前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていることを特徴とする。また,前記処理装置は,前記載置台上の基板を上方から覆い,前記処理室の一部を形成する蓋体を備え,前記気体供給口は,前記蓋体の中心部に設けられていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる処理装置が搭載された塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0018】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0019】
カセットステーション2では,カセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0020】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。またウェハ搬送体7は,θ方向(Z軸を中心とする回転方向)に回転自在であり,後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0021】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。この塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は,塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,任意に選択可能である。
【0022】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すようにウェハWにレジスト液を塗布し,ウェハW上にレジスト膜を形成するレジスト塗布装置17と,露光後にウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2の場合も同様に,レジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に積み重ねられている。
【0023】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すようにウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,本実施の形態にかかる処理装置としてのプリベーキング装置33,34及び現像処理後の加熱処理を施すポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に重ねられている。
【0024】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45及びポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0025】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0026】
ここで,プリベーキング装置33,34の構成について,プリベーキング装置33を例に採って説明する。プリベーキング装置33は,ウェハW上に形成されたレジスト膜中に残存する溶剤を揮発させるための加熱処理を行う装置である。
【0027】
プリベーキング装置33は,図4に示すようにケーシング60内に,上下動自在な蓋体61と,蓋体61の下方に位置し蓋体61と一体となって処理室Sを形成する囲み部材としてのサポートリング62と,サポートリング62内に収容され,ウェハWを載置して加熱する載置台,熱処理板としての熱板63とを備えている。
【0028】
熱板63は,厚みのある略円盤状に形成されており,サポートリング62は,熱板63の外周を囲むように,例えば上下面が開口した略円筒状に形成されている。サポートリング62の側部64は,肉厚に形成されており,側部64の上面には,図5に示すように処理室S内の雰囲気を排気するためのリング状の排気口65が開口している。排気口65は,図4に示すようにサポートリング62の側部64の内部を通過する排気通路66に連通しており,排気通路66は,サポートリング62の下部に取り付けられた排気管67に連通している。排気管67は,図示しない負圧発生手段に接続されており,例えば排気管67の下流側に負圧を印加することによって,排気口65,排気通路66を介して処理室S内の雰囲気を排気できる。
【0029】
サポートリング62は,図4,図6及び図7に示すように第2の部分としての上部リング部材70,第1の部分としての中部リング部材71,下面部としての下部リング部材72の3つの分離可能な部分で主に構成されている。
【0030】
上部リング部材70は,図4,図7に示すように縦断面が略方形状のリング形状を有している。図6に示すように上部リング部材70の内周壁70aには,内側に突出した二つの圧力損失部70b,70cが形成されている。圧力損失部70b,70cは,内周壁70aに沿ってリング状に形成されている。圧力損失部70bは,内周壁70aの上端部に位置し,後述する中部リング部材71の垂直部71aとの隙間が排気口65になっている。圧力損失部70cは,例えば内周壁70aの下部に設けられている。なお,サポートリング62の上面となる上部リング部材70の上面には,シール部材であるOリング80が設けられ,サポートリング62の上面と蓋体61の下端部との隙間から処理室S内の気体が流出しないようになっている。
【0031】
中部リング部材71は,図4,図7に示すように縦断面が略L字型のリング形状を有している。中部リング部材71は,図6に示すようにリング状の垂直部71aとリング状の水平部71bとで主に形成されている。水平部71bは,垂直部71aの下部から外方に向けて形成されている。垂直部71aの外周壁71cは,前記上部リング部材70の内周壁70aに面している。また垂直部71aの外周壁71cと前記上部リング部材70の内周壁70aとの間には,環状の隙間K1が設けられている。また,水平部71bの上面71dは,上部リング部材70の下面70dに面している。水平部71bの上面71dと上部リング部材70の下面70dとの間には,環状の隙間K2が設けられている。この隙間K2は,前記隙間K1に連通しており,連通する隙間K1と隙間K2は,排気通路66を形成している。水平部71bの外方側は,上方に突出しており,上部リング部材70の下面70dに接触して排気通路66を閉鎖している。なお,本実施の形態においては,上部リング部材70の内周側面は,内周壁70aと下面70dで構成されている。
【0032】
水平部71aの上面71dには,凹状の排出口71eが形成されている。この排出口71eには,排気通路66を通過する気体中の不純物を回収するための回収部材としてのフィルタ81が取り付けられている。このフィルタ81は,排出口71eに対して取り外し自在である。排出口71eには,中部リング部材71及び下部リング部材72を貫通する排気管67が接続されている。したがって,排気口65から排気通路66内に流入した気体は,排出口71eに流入し,排気管67から排出される。
【0033】
下部リング部材72は,図7に示すようにリング状に形成されている。図6に示すように下部リング部材72の上面72aは,中部リング部材71の下面の形状に適合するように形成されている。下部リング部材72は,熱板63の裏面を支持する底板72bを備えている。例えば底板72bは,図4に示すように中央部が開口しており,当該開口部は,サポートリング62内に熱板63を収容することにより閉口するようになっている。下部リング部材72は,プリベーキング装置33に固定されている。
【0034】
上部リング部材70と中部リング部材71とは,図6に示すように例えばねじ82によって固定されており,ねじ82を外すことによって上部リング部材70と中部リング部材71とを分離できる。この結果,上部リング部材70を中部リング部材71から取り外し,排気通路66を露出することが可能になる。
【0035】
中部リング部材71は,下部リング部材72上に載置されており,中部リング部材71は,下部リング部材72に対して取り外し自在である。下部リング部材72の外側面には,例えば下部リング部材72と中部リング部材71とを係止するための係止板83が取り付けられている。係止板83は,中部リング部材71の外側面に対向する位置にまで延びている。係止板83には,バネDによって中部リング部材71側に付勢された係止部材84が取り付けられている。中部リング部材71の外側面には,係止部材84が適合する穴85が設けられている。したがって,下部リング部材72側の係止部材84を,中部リング部材71側の穴85にはめ込むことによって,中部リング部材71を下部リング部材72に係止できる。
【0036】
また,下部リング部材72の上面には,例えばリング状で縦断面が三角形状のガイド部86が形成されている,中部リング部材71の下面には,ガイド部86に適合するリング状のリング溝87が形成されている。リング溝87をガイド部86に合わせることによって,中部リング部材71を下部リング部材72上の所定の位置に載置できる。
【0037】
一方,サポートリング62内に収容される熱板63には,図4に示すように給電により発熱するヒータ90が内蔵されており,熱板63自体を所定の温度に加熱し維持できる。つまり,所定の温度に加熱された熱板63にウェハWを載置することによって,ウェハWを所定温度に加熱できる。
【0038】
熱板63には,例えば3つの貫通孔91が形成されている。各貫通孔91には,ウェハWの裏面を支持して昇降する昇降ピン92がそれぞれ挿入されている。昇降ピン92は,例えばシリンダ等を備えた昇降機構93により上下動する。昇降ピン92は,熱板63の上方まで上昇して主搬送装置13との間でウェハWを授受したり,受け取ったウェハWを熱板63に載置したりできる。
【0039】
蓋体61は,上面側が天板94により閉口し下面側が開口した略円筒形状の形態を有している。天板94は,熱板63上のウェハWに対向している。天板94上の中央部には,図示しない気体供給源に連通したパージ用気体の気体供給部95が設けられている。天板94の中央部には,気体供給部95に連通した気体供給口96が設けられている。したがって,図示しない気体供給源のエア,窒素ガス又は不活性ガス等の気体を,気体供給部95を介して気体供給口96に供給し,気体供給口96から処理室S内に導入することができる。
【0040】
蓋体61の内側であって天板94と熱板63との間には,例えば円形状のバッフル板97が設けられている。バッフル板97は,天板94及び熱板63に対して水平になるように蓋体61に固設されている。バッフル板97は,天板94と所定距離,例えば15mmの位置に配置されている。バッフル板97には,図示しない複数の通気孔が均等に分散されて開けられており,気体供給口96から処理室S内に供給された気体をウェハW上に均等に供給できる。
【0041】
なお,蓋体61全体は,シリンダ等を備えた図示しない昇降機構により上下動自在であり,ウェハWの搬入出時に蓋体61が上下動される。また,ケーシング60の側面には,ウェハWをケーシング60内に搬入出するための搬入出口98が設けられている。
【0042】
本実施の形態にかかるプリベーキング装置33は,以上のように構成されており,次にその作用について説明する。先ずプリベーキング処理におけるプリベーキング装置33の作用について説明する。ウェハWがプリベーキング装置33に搬送される前に,気体供給口96からパージ用の気体,例えばエアが供給され始める。また,熱板63は,ヒータ90により所定の加熱温度に維持される。
【0043】
そして,露光装置(図示しない)において露光処理が終了し,主搬送装置13に保持されたウェハWは,搬入出口98からケーシング60内に搬送され,熱板63の上方で予め上昇して待機していた昇降ピン92に受け渡される。続いて蓋体61が下降し,サポートリング62と一体となって処理室Sが形成される。このとき,気体供給口96から導入されたエアは,図4に示すようにバッフル板97を通過して,ウェハW上に均等に供給される。ウェハW上に供給されたエアは,図5に示すようにサポートリング62のリング状の排気口65から排気される。このときエアは,排気通路66内の圧力損失部70b,70cの作用によってウェハWの外周方向から均等に排気される。排気口65に流入したエアは,上部リング部材70と中部リング部材71との間の排気通路66を通過し,排出口71eに流入する。排出口71eに流入したエアは,フィルタ81を通過し,排気管67を介してプリベーキング装置33外に排出される。
【0044】
処理室S内に上述したような気体供給口96から排気口65に向かう下降気流が形成されると,昇降ピン92が下降し,ウェハWが熱板63上に載置される。こうしてウェハWの加熱が開始され,所定時間の加熱が行われる。この加熱によりウェハWから発生した溶剤等の揮発物や昇華物は,上記気流に取り込まれ,排気口65から排気される。気流中に含まれる揮発物,昇華物等の不純物は,排出口71aのフィルタ81により回収され,当該不純物を除去されたエアは,排出管67を介して例えば工場の排気系に送られる。
【0045】
所定時間の加熱が終了すると,再び昇降ピン92が上昇し,ウェハWが熱板63上に持ち上げられる。これと同時に蓋体61が上昇し,処理室Sが開放される。この処理室Sの開放時に,エアの供給を停止してもよい。昇降ピン92上のウェハWは,再び搬入出口98から進入した主搬送装置13に受け渡され,プリベーキング装置33から搬出される。こうして,一連のプリベーキング処理が終了する。
【0046】
次に,排気通路66内を洗浄する際のプリベーキング装置33の作用について説明する。先ず,例えば上部リング部材70と中部リング部材71が持ち上げられ,図7に示すように下部リング部材72から取り外される。取り外された上部リング部材70と中部リング部材71は,例えば洗浄作業を行い易い場所に搬送される。
【0047】
続いて上部リング部材70と中部リング部材71を固定していたねじ82が外され,図7に示すように上部リング70と中部リング部材71とが分離される。こうして,排気通路66が露出され,排気通路66内の洗浄が行われる。このとき,フィルタ81の洗浄,取り替えを行ってもよい。
【0048】
排気通路66内の洗浄が終了すると,例えば上部リング部材70と中部リング部材71がねじ82によって固定され,一体となった上部リング部材70と中部リング部材71がプリベーキング装置33の下部リング部材72上に重ねられる。このとき,中部リング部材71のリング溝87は,ガイド部86に合わせられる。また,下部リング部材72の係止部材84が中部リング部材71の穴85に填って,中部リング部材71が下部リング部材72に係止される。こうして,上部リング部材70,中部リング部材71が元の位置に戻され,一連の洗浄作業が終了する。
【0049】
以上の実施の形態によれば,サポートリング62の側部64を分離可能にして,排気通路66を露出可能にしたので,排気通路66内の洗浄等のメンテナンスをより簡単に行うことができる。それ故,メンテナンス時間を短縮できる。また,排気通路66内を洗浄し易いので,排気通路66に付着した不純物等の汚れを残らず洗浄することができる。この結果,排気通路66内をエアがスムーズに流れて,処理室S内の排気が適切に行われるので,処理室S内のウェハWが清浄な雰囲気内で処理され,ウェハWの処理が適切に行われる。
【0050】
排気通路66を形成する上部リング部材70と中部リング部材71とが,下部リング部材72に対して取り外し自在であるので,排気通路66内の洗浄をより洗浄し易い場所で行うことができる。したがって,排気通路66の洗浄作業を効率よく行うことができる。
【0051】
フィルタ81が排気通路66の排出口71eに取り付けられたので,排気通路66の洗浄時にフィルタ81の洗浄又は取り替えを併せて行うことができる。また,このフィルタ81により,排気通路66に繋がる配管内の汚染が抑制され,当該配管等のメンテナンスの回数を減らし,またそのメンテナンス時間を短縮できる。
【0052】
中部リング部材71を所定位置で係止する係止部材84が,下部リング部材72に取り付けられたので,中部リング部材71を下部リング部材72上の所定位置で係止できる。
【0053】
サポートリング62の上面の排気口65をリング状に形成したので,処理室S内の雰囲気をウェハW外方から均等に排気できる。この結果,ウェハW上の溶剤がウェハW面内において均等に揮発し,ウェハWの加熱処理がウェハW面内において均一に行われる。また,排気通路66内に圧力損失部70b,70cが形成されたので,リング状の排気口65上における排気圧力を一定にし,排気口65からの排気をより均一に行うことができる。
【0054】
なお,排気通路66の内面に,テフロン(デユポン社の登録商標)処理等の防汚処理を施してもよく,かかる場合,処理室S内で発生した昇華物等の不純物が排気通路66に固着することが抑制され,洗浄等のメンテナンス間隔を延ばすことができる。
【0055】
なお,図8に示すようにサポートリング100の上面に開口する円形状の排気口101が複数形成され,当該複数の排気口101は,同一円周上に等間隔に配置されていてもよい。この場合にも,処理室S内の雰囲気が等間隔の各排気口101に流入するので,ウェハW上の雰囲気がウェハWの外周方向から均一に排気される。なお,排気口101は,スリット状,例えば図9に示すような円弧形状になっていてもよい。
【0056】
以上の実施の形態で記載したサポートリング62は,3つの部分に分離可能であったが,その数は,任意に選択できる。また,排気通路66に開口する排出口71eの数も任意に選択できる。
【0057】
以上,本発明の実施の形態の一例について説明したが,本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。例えば本発明を,プリベーキング装置以外の他の処理装置,例えばポストエクスポージャーベーキング装置,ポストベーキング装置,クーリング装置等にも適用できる。また,基板を上記ウェハWに限定せず,方形の他の基板,たとえばLCD基板を処理する処理装置に対しても適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば,排気通路内のメンテナンスをより短時間で行うことができるので,その分処理装置の稼働率を向上することができる。また,排気通路内を清浄に維持できるので,処理室内の雰囲気の排気が適切に行われ,処理室内の基板処理を適切な環境で行うことができる。したがって,基板処理の歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるプリベーキング装置を備えた塗布現像処理システムの平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】プリベーキング装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図5】熱板を収容したサポートリングの平面図である。
【図6】サポートリングの側部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図7】分割したサポートリングを示す説明図である。
【図8】排気口を複数設けた場合のサポートリングの平面図である。
【図9】図8の排気口がスリット状になった場合のサポートリングの平面図である。
【図10】従来の加熱処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
33 プリベーキング装置
61 蓋体
62 サポートリング
64 側部
65 排気口
66 排気通路
70 上部リング部材
71 中部リング部材
72 下部リング部材
S 処理室
W ウェハ

Claims (15)

  1. 基板を処理する処理室を有する処理装置であって,
    前記処理室には,
    基板を載置する載置台と,
    前記処理室に気体を供給する気体供給口と,
    前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,
    前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,
    前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,
    前記囲み部材の側部の囲み部材本体以外の部分は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,当該分離によって,前記排気通路内が露出可能であり,
    前記囲み部材において,前記分離可能な2以上の部分は,前記囲み部材本体から取り外し自在であることを特徴とする,処理装置。
  2. 前記囲み部材の前記排気通路を構成する部分と前記囲み部材本体とを係止する係止部材を備えたことを特徴とする,請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,
    前記第1の部分と第2の部分との間には,隙間があり,
    前記隙間が排気通路になっていることを特徴とする,請求項1又は2に記載の処理装置。
  4. 前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,
    前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,
    前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,
    前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていることを特徴とする,請求項3に記載の処理装置。
  5. 前記水平部の上面には,囲み部材の外部に通じる排出口が開口しており,
    当該排出口には,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する回収部材が設けられていることを特徴とする,請求項4に記載の処理装置。
  6. 基板を処理する処理室を有する処理装置であって,
    前記処理室には,
    基板を載置する載置台と,
    前記処理室に気体を供給する気体供給口と,
    前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,
    前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,
    前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,
    前記囲み部材の側部は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,
    前記囲み部材の側部を分離することによって,前記排気通路内が露出可能であり,
    前記囲み部材は,前記載置台の下面を支持する下面部を有し,
    前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,
    前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,
    前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,
    前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,
    前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていることを特徴とする,処理装置。
  7. 前記水平部の上面には,囲み部材の外部に通じる排出口が開口してお り,
    当該排出口には,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する回収部材が設けられていることを特徴とする,請求項6に記載の処理装置。
  8. 前記載置台は,基板を載置して熱処理する熱処理板であることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の処理装置。
  9. 基板を処理する処理室を有する処理装置であって,
    前記処理室には,
    基板を載置して熱処理する熱処理板である載置台と,
    前記処理室に気体を供給する気体供給口と,
    前記載置台の外周を囲む囲み部材と,が備えられ,
    前記囲み部材は,側部を有する略筒形状を有し,
    前記囲み部材の側部の内部には,前記処理室内の雰囲気を排気する排気通路が設けられ,
    前記囲み部材の側部は,少なくとも2以上の部分に分離可能であり,
    前記囲み部材の側部を分離することによって,前記排気通路内が露出可能であり,
    前記囲み部材の側部は,内周側の第1の部分と,外周側の第2の部分とに分離可能であり,
    前記第1の部分は,環状の垂直部と環状の水平部を有し,
    前記水平部は,前記垂直部の下部から外方側に向けて形成されており,
    前記第2の部分は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面に対向する内周側面を備えており,
    前記排気通路は,前記垂直部の外側面及び前記水平部の上面と前記第2の部分の内周側面との隙間により形成されていることを特徴とする,処理装置。
  10. 前記水平部の上面には,囲み部材の外部に通じる排出口が開口しており,
    当該排出口には,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する回収部材が設けられていることを特徴とする,請求項9に記載の処理装置。
  11. 前記囲み部材の側部の上面には,前記排気通路に通じる排気口が開口しており,
    前記排気口は,前記囲み部材の側部の形状に沿って環状に形成されていることを特徴とする,請求項1〜10のいずれかに記載の処理装置。
  12. 前記囲み部材の側部の上面には,前記排気通路に通じる複数の排気口が開口しており,
    前記排気口は,前記側部の上面の同一円周上に等間隔に設けられていることを特徴とする,請求項1〜10のいずれかに記載の処理装置。
  13. 前記排気口は,スリット状に形成されていることを特徴とする,請求項12に記載の処理装置。
  14. 前記排気通路内には,当該排気通路内を通過する気体の圧力を損失させるための圧力損失部が設けられていることを特徴とする,請求項1〜13のいずれかに記載の処理装置。
  15. 前記載置台上の基板を上方から覆い,前記処理室の一部を形成する蓋体を備え,
    前記気体供給口は,前記蓋体の中心部に設けられていることを特徴とする,請求項1〜14のいずれかに記載の処理装置。
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