JP4043831B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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JP4043831B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー工程では,ウエハの表面に塗布されたレジスト液内の溶剤を蒸発させるための加熱処理(プリベーキング),パターンの露光後に,ウェハ上の塗布膜の化学反応を促進させるための加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング),現像処理後の加熱処理(ポストベーキング)等の種々の加熱処理が行われている。
【0003】
上述の加熱処理は,加熱処理装置で行われ,この加熱処理装置は,通常図17に示すようにウェハWを載置し加熱する円盤状の熱板200と,熱板200の外周部を支持するサポートリング201,サポートリング201と一体となって処理室Sを形成する蓋体202等で主に構成されている。蓋体202の中央部には,処理室S内にパージ用のガスを供給する供給口203が設けられている。また,熱板200の外方に位置するサポートリング201の上面には,処理室S内の雰囲気を排気する複数の排気口204が設けられている。
【0004】
そして,加熱処理時には,蓋体202とサポートリング201によって形成された処理室S内において,ウェハWが熱板200上に載置されて加熱される。また,加熱処理中は,蓋体202の供給口203から処理室S内にガスが供給され,処理室S内を通過したガスがサポートリング201の各排気口204から排気される。このため,処理室S内には,処理室S上部から下降し,ウェハW表面上を径方向に進んで,ウェハWの外縁部付近を通過し,ウェハWの下方に流れ込む気流が形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の加熱処理装置では,処理室S内を流れる気流がウェハWの外縁部付近や排気口204付近で急激に圧力損失するので,当該ウェハW外縁部付近で気流が乱れ,所々で渦やよどみ等が発生する。このため,ウェハW外縁部上を流れる気流は,不安定であり,例えば気流の流速,方向,圧力等がウェハ外縁部面内において不均一になる。このように,ウェハ外縁部の気流が不均一になると,例えばプリベーキングの場合,ウェハ外縁部における溶剤の揮発量が不均一になり,ウェハ外縁部のレジスト膜が凸凹に形成される。また,ポストエクスポージャーベーキングの場合,ウェハ外縁部における化学反応の速度が不均一になり,例えばレジスト膜の現像液に対する溶解性が場所によって異なってくる。
【0006】
このようにウェハ外縁部において,不均一な処理が行われると,例えば最終的に形成される回路パターンの線幅等にもばらつきが生じて,品質のばらつきを招く。このような品質のばらつきは,G/W歩留まり(ウェハ面内における良品チップの割合)の低下を招き好ましくない。また,従来から,ウェハ外縁部のカット幅(製品として用いることができず,カットされる部分の幅)の狭小化が望まれており,ウェハ外縁部における均一な処理は,カット幅の狭小化にも繋がる。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,加熱処理等の熱処理において,ウェハ等の基板の外縁部付近に不安定な気流が形成されることを防止し,基板外縁部における適正な熱処理を実現する熱処理装置を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明によれば,処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,基板を載置し熱処理する熱処理板と,この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ,前記蓋体は,前記排気口に通じ,前記蓋体の側部内を通る排気通路と,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する不純物回収部と,を備えていることを特徴とする熱処理装置が提供される。
【0009】
この熱処理装置によれば,蓋体の上方から導入された気体が,基板の載置位置より高い位置の排気口から排気されるので,従来のように気流が基板外縁部付近を通過し基板下方に流れることがない。したがって,基板外縁部表面付近に不安定で不均一な気流が流れることがなく,熱処理が基板外縁部面内においても均一に行われる。
【0010】
別の観点による本発明は,処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,基板を載置し熱処理する熱処理板と,この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ,前記蓋体の内側であって,前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,当該基板に対向する整流板が設けられており,前記整流板は,複数の通気孔を有し,前記整流板の通気孔は,前記上面部側から流入した気体が鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方側に向いて流出するように斜めに形成されていることを特徴とする。この熱処理装置によれば,上面部の供給から導入され,整流板を通過した気体が,基板の外方向側に向かって流れるようになる。したがって,蓋体の側部方向に向かって気体が流れることになり,当該気体が排気口にスムーズに流れ込むと共に,基板上の外縁部付近に気流が形成されることをより確実に防止できる。
また,別の観点による本発明は,処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,基板を載置し熱処理する熱処理板と,この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ,前記蓋体の内側であって,前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,前記基板に対向する整流板が設けられており,前記整流板には,複数の通気孔が設けられており,前記整流板の通気孔の出口には,通過した気体を鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方向側に向けて流すガイド部材が取り付けられていることを特徴とする。かかる場合,整流板を通過した気体が蓋体の側部方向に流れるので,気体の排気を好適に行うことができ,また,基板外縁部付近に気流が形成されることも防止できる。
また,前記蓋体は,前記排気口に通じ,前記蓋体の側部内を通る排気通路と,前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する不純物回収部と,を備えていてもよい。かかる場合,処理室内に供給された気体は,排気口から蓋体の側部内に流入し,排気通路を通り,その後不純物回収部によって不純物が回収されてから排出される。したがって,処理室内の雰囲気排気を好適に行うことができる。また,蓋体に,排気通路と不純物回収部が備えられているので,排気管等を別途設ける必要がなく,装置の排気系統を単純化できる。さらに,例えば装置本体から蓋体を取り外すことによって,排気系統も一緒に取り外せるので,メンテナンスが容易になる。
【0011】
前記蓋体の側部は,内周壁と外周壁とを有し,前記内周壁と外周壁との間には,隙間が形成されており,当該隙間が,前記排気通路になっていてもよい。また,前記内周壁と外周壁は,互いに取り外し自在であり,少なくとも内周壁又は外周壁を取り外すことによって,前記排気通路が露出可能であってもよい。かかる場合,排気通路の洗浄等のメンテナンスをより簡単に行うことができる。特に排気通路は,基板から発生した揮発物等で汚れやすく,頻繁にメンテナンスが必要なので,その効果は大きい。
【0012】
前記排気通路には,排気用整流板が設けられており,前記排気用整流板には,気体が通過する通気孔が設けられていてもよい。この排気用整流板によって,排気口から流入した気体を適切に不純物回収部に導くことができる。また,例えば排気通路の下流の一箇所で印加された排気圧力を,排気用整流板で圧損することができ,上流の前記排気口における排気圧を調整できる。したがって,排気口からの排気圧を調節して,処理室内の気体を均等に排気することができる。前記排気用整流板は,前記排気通路に沿って複数設けられ,前記排気用整流板の通気孔による開口率は,上流側に近づくにつれて高くなっていてもよい。かかる場合,例えば排気通路の下流の一箇所にかかる排気圧力を上流側に近づくにつれて徐々に分散させ,排気口からの気体の排気を基板周りにおいて均等に行うことができる。
【0013】
前記蓋体の内側であって前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,当該基板に対向する整流板が設けられており,前記整流板は,複数の通気孔を有し,前記整流板の通気孔は,前記上面部側から流入した気体が鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方側に向いて流出するように斜めに形成されていてもよい。
【0014】
この熱処理装置によれば,上面部の供給から導入され,整流板を通過した気体が,基板の外方向側に向かって流れるようになる。したがって,蓋体の側部方向に向かって気体が流れることになり,当該気体が排気口にスムーズに流れ込むと共に,基板上の外縁部付近に気流が形成されることをより確実に防止できる。
【0015】
前記蓋体の内側であって前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,前記基板に対向する整流板が設けられており,前記整流板には,複数の通気孔が設けられており,前記整流板の通気孔の出口には,通過した気体を鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方向側に向けて流すガイド部材が取り付けられていてもよい。かかる場合も,整流板を通過した気体が蓋体の側部方向に流れるので,気体の排気を好適に行うことができ,また,基板外縁部付近に気流が形成されることも防止できる。
【0018】
発明によれば,処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,基板を載置し熱処理する熱処理板と,この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,前記蓋体の内側であって前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,前記基板に対向する整流板が設けられており,前記整流板は,通気孔を有し,前記通気孔は,前記上面部側から流入した気体が鉛直下方向よりも基板の外縁部側に向いて流出するように斜めに形成されていることを特徴とする熱処理装置が提供される。
【0019】
このように,前記蓋体の上面部から流入した気体を,整流板によって基板の外縁部側に向けて供給することによって,基板外縁部に,多量気体が均等に供給され,基板全面の処理が均一に行われる。
【0020】
前記整流板の少なくとも基板との対向面には,鏡面化処理,表面エネルギーを低下させる処理若しくは,親水化処理が施されていてもよい。整流板にかかる処理を施すことによって,処理室内で発生した昇華物等の不純物が整流板の表面に付着しにくくなる。したがって,不純物は,排気口から適切に排気される。また,整流板のメンテナンスが容易になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,第1の実施の形態にかかる熱処理装置が搭載された塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0032】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0033】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0034】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0035】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。該塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は,塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,処理装置群の数は,1つ以上であれば任意に選択可能である。
【0036】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,ウェハWにレジスト液を塗布し,ウェハW上にレジスト膜を形成するレジスト塗布装置17と,露光後にウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2の場合も同様に,レジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に積み重ねられている。
【0037】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すようにウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,第1の実施の形態にかかる熱処理装置としてのプリベーキング装置33,34及び現像処理後の加熱処理を施すポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に重ねられている。
【0038】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45及びポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0039】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0040】
ここで,プリベーキング装置33,34の構成について,プリベーキング装置33を例に採って説明する。プリベーキング装置33は,塗布後のレジスト膜中に残存する溶剤を蒸発させる加熱処理を行うものである。
【0041】
プリベーキング装置33は,図4に示すようにケーシング60内に,上下動自在な蓋体61と,蓋体61の下側に位置し当該蓋体61と一体となって処理室Sを形成するサポートリング62を備えている。
【0042】
サポートリング62は,例えば上下面が開口した略円筒状の形態を有し,その内側に熱処理板としての熱板63を収容できる。熱板63を収容することにより,サポートリング62の下面が閉鎖されている。熱板63は,厚みのある円盤形状を有し,ウェハWを載置し加熱するものである。例えば熱板63には,給電により発熱するヒータ64が内蔵されており,熱板63自体を所定の温度に加熱し維持できる。つまり,所定の温度に加熱された熱板63にウェハWを載置することによって,ウェハWを所定温度に加熱できる。
【0043】
熱板63には,例えば3つの貫通孔65が形成されている。各貫通孔65には,ウェハWの裏面を支持して昇降する昇降ピン66がそれぞれ挿入されている。昇降ピン66は,例えばシリンダ等を備えた昇降機構67により上下動する。昇降ピン66は,熱板63の上方まで上昇して主搬送装置13との間でウェハWを授受したり,受け取ったウェハWを熱板63に載置したりできる。
【0044】
サポートリング62の上面には,Oリング68が設けられ,サポートリング62の上面と蓋体61の側部61aの下端部との隙間から処理室S内の気体が流出しないようになっている。
【0045】
蓋体61は,上面側が上面部である天板70により閉口し下面側が開口した略円筒形状の形態を有している。天板70は,熱板63上のウェハWに対向している。天板70上の中央部には,図示しないガス供給源に連通したパージ用ガスのガス供給部71が設けられている。天板70の中央部には,ガス供給部71に通じる供給口72が設けられている。したがって,図示しないガス供給源の空気,窒素ガス又は不活性ガス等のガスを,ガス供給部71を介して供給口72に供給し,供給口72から処理室S内に導入することができる。
【0046】
蓋体61の内側であって天板70と熱板63との間には,例えば円形状の2つの整流板73,74が上下に並設されている。この第1及び第2の整流板73,74は,天板70及び熱板63に対して水平になるように固設されている。第1の整流板73には,図5に示すように複数の通気孔75が均等に分散されて開けられている。通気孔75は,例えば図6に示すように第1の整流板73の外方に向けて斜めに開けられており,上方から通気孔75内に流入したガスは,鉛直下方向から外方向側に傾いた俯角方向に流出する。
【0047】
第2の整流板74は,図7及び図8に示すように第1の整流板73と同様の鉛直下方向から外方側に傾いた通気孔75を備えている。第2の整流板74は,第1の整流板73よりも開口率が高く,より多くの通気孔75が開けられている。したがって,供給口72から導入されたガスは,第1の整流板73により大きく圧損し,第2の整流板74により分散されて熱板63上方に流出する。また,当該ガスは,ウェハWの外方側,つまり蓋体61の側部61aに向かって流れる。なお,第1の整流板73の通気孔75の傾斜を第2の整流板74の通気孔75の傾斜よりも大きくしてもよい。また,第1の整流板73と第2の整流板74の表面には,不純物を付着しにくくするため平坦又は鏡面化処理が施されており,例えば表面粗さ(Ra)が2.0×10−3程度に加工されている。
【0048】
蓋体61の側部61aは,図4に示すように肉厚に形成されており,略円筒状の内周壁61bとその外側の略円筒状の外周壁61cからなる二重構造を有している。内周壁61bと外周壁61cとの間には,隙間があり,当該隙間は,ガスの排気通路80になっている。したがって,排気通路80は,側部61a内を垂直方向に,かつ図9に示すようにリング状に通っている。側部61aの内側の下部,つまり内周壁61bの下部には,図4に示すように処理室S内のガス等の雰囲気を排気する排気口81が設けられている。排気口81は,例えば内周壁61bに沿ってリング状に設けられている。蓋体61とサポートリング62によって処理室Sが形成された際に,排気口81の位置が熱板63上のウェハWより高い位置になるように,排気口81は開けられている。
【0049】
排気通路80には,複数,例えば3つの排気用整流板としての整流板82,83,84が上下方向に並設されている。これらの整流板82〜84は,排気通路80を覆うように排気通路80の形状に沿ってリング状に形成されている。整流板82〜84は,排気通路80に沿って直列的に設けられており,下から第3の整流板82,第4の整流板83,第5の整流板84の順に配置されている。各整流板82〜84には,図10に示すように複数の通気孔85が開けられており,排気口81から吸入されたガスは,各整流板82〜84の通気孔85を通過して排気通路80内を上昇する。各整流板82〜84の通気孔85の数は異なっており,例えば第3の整流板82には八箇所,第4の整流板83には四箇所,第5の整流板84には二箇所設けられている。このように上流側,つまり排気通路80の吸入側から排出側に近づくにつれて通気孔85の数が多くなっている。これは,下流の排出側にある後述する通過孔86にかかる排気圧力を損失させるためである。つまり,下流の通過孔86において一箇所に集中している排気圧力を,上流に行くにつれて分散させ,処理室S内の雰囲気をリング状の排気口81から均等に排気するためである。なお,各整流板82〜84の通気孔85は,等間隔に配置されており,ガスは排気通路80内を偏りなく流れる。
【0050】
天板70は,図4に示すように側部61aの上蓋にもなっており,当該天板70には,排気通路80のガスを通過させる通過孔86が設けられている。通過孔86は,一箇所に設けられている。通過孔86上には,ガス内の不純物,例えば昇華物を回収するための不純物回収部87が設けられている。不純物回収部87は,その内部に不純物回収通路88を備えており,この不純物回収通路88は,通過孔86に連通している。不純物回収通路88には,フィルタ89が取り付けられており,不純物回収通路88を通過したガス中の不純物は,このフィルタ89によって回収される。不純物回収部87は,例えばプリべーキング装置33外に設けられた工場内のポンプ等の負圧発生手段(図示せず)に接続されており,不純物回収部87側に負圧が印加され,処理室S内の雰囲気を排気口81から吸気できるようになっている。なお,不純物回収部87を,例えば供給用ガスタンクに接続し,排気されたガスを処理室S内への供給ガスとして再利用できるようにしてもよい。
【0051】
上記構成によって,処理室Sの上部から導入されたガスは,第1の整流板73,第2の整流板74を通過し,ウェハW外方でウェハWより高い位置にある排気口81に流入し,蓋体61の側部61aの排気通路80を通過して不純物回収部87で不純物が除去された後,プリベーキング装置33外に排気される。
【0052】
また,図10に示すように蓋体61の外周壁61cは,内周壁61bに対して取り外し自在になっている。例えば天板70と外周壁61cが固着されており,天板70と一体化した外周壁61cを持ち上げることによって外周壁61cと内周壁61bとを切り離すことができる。この結果,排気通路80内がむき出しになり,昇華物や溶剤によって汚れた排気通路80内の洗浄を容易に行うことができる。
【0053】
なお,蓋体61全体は,シリンダ等を備えた図示しない昇降機構により上下動自在であり,ウェハWの搬入出時に蓋体61が上下動される。また,ケーシング60の側面には,主搬送装置13によってウェハWを搬入出するための搬入出口90が設けられている。
【0054】
第1の実施の形態にかかるプリベーキング装置33は,以上のように構成されており,次にその作用等について説明する。先ずウェハWがプリベーキング装置33に搬送される前に,ガス供給部71からパージ用のガスが供給され始める。また,熱板63は,ヒータ64により所定の加熱温度,例えば90℃〜200℃に維持される。
【0055】
そして,露光装置において露光処理が終了し,主搬送装置13に保持されたウェハWは,搬入出口90からケーシング60内に搬送され,熱板63の上方で予め上昇して待機していた昇降ピン66に受け渡される。続いて蓋体61が下降し,サポートリング62と一体となって処理室Sが形成される。このとき,供給口72から供給されたガスは,図4に示すように第1の整流板73,第2の整流板74を通過して,気流の方向が蓋体61の側部61a側に向けられる。第2の整流板74を通過したガスは,ウェハW表面に達することなく,排気口81から排気される。排気口81から排気されたガスは,排気通路80の各整流板82〜84を通過し,不純物回収通路88に流れ込み,フィルタ89を通過して不純物が回収されてから排気される。
【0056】
処理室S上方から下降し,ウェハWの外方であってウェハWより高い位置に流れる気流が形成されると,続いて昇降ピン66が下降し,ウェハWが熱板63上に載置される。こうしてウェハWの加熱が開始され,所定時間の加熱が行われる。この加熱により発生した溶剤は,上記ガスの気流に取り込まれ,排気口81から排気される。不純物回収部87においては,溶剤と共にウェハW等から発生した不純物がフィルタ88に回収され,当該不純物を除去されたガスは,例えば工場排気に送られる。
【0057】
所定時間の加熱が終了すると,再び昇降ピン66が上昇し,ウェハWが熱板63上に持ち上げられる。続いて例えば蓋体61が上昇し,処理室Sが開放される。処理室Sが開放されると,例えばガスの供給が停止される。
【0058】
昇降ピン66上のウェハWは,再び搬入出口90から進入した主搬送装置13に受け渡され,プリベーキング装置33から搬出される。
【0059】
この第1の実施の形態によれば,蓋体61の側部61aにおけるウェハWよりも高い位置に排気口81を設けたので,蓋体61の天板70から導入されたガスが蓋体61の側部61aに向かって流れる。この結果,ガスがウェハW表面に直接吹き付けられることがなくなり,ウェハW表面のレジスト膜中の溶剤の揮発が気流の動向に左右されることがなくなる。したがって,ウェハWの外縁部が不安定な気流により悪影響を受けることがなくなり,ウェハW外縁部においても均一な膜厚のレジスト膜が形成される。
【0060】
蓋体61に,排気口81,排気通路80及び不純物回収部87を設けたので,装置本体から蓋体61を取り外すことによって排気系統の機構も取り外すことができる。したがって,プリベーキング装置33本体から蓋体61を取り外した時に,排気系統の洗浄等のメンテナンスも行うことができる。特に,プリベーキング装置33では,溶剤が蒸発し排気系統が汚染されやすいので,その効果は大きい。
【0061】
また,蓋体61の側部61aを内周壁61bと外周壁61cとの二重構造にし,外周壁61cと内周壁61bとを切り離し自在にしたので,排気通路80をむき出しにすることができる。この結果,汚染されやすい排気通路80内のメンテナンスをより簡単に行うことができる。
【0062】
排気通路80に,3つの整流板82〜84を設け,通気孔85の数を上流に行くにつれ多くなるように開けたので,下流側からの排気圧力が段階的に圧損して処理室S内の雰囲気をリング状の排気口81から均等に排気できる。したがって,ウェハW上の溶剤の排気が均等に行われ,ウェハW上のレジスト膜の揮発速度もウェハ面内において均一に保たれる。
【0063】
蓋体61内の整流板73,74の通気孔75を斜めに形成したので,供給口72から供給されたガスは,整流板73,74を通過するとウェハW外方向側に向きを変え,排気口81側に流れる。したがって,ウェハW表面付近に気流が形成されることがより確実になくなり,ウェハ外縁部の加熱処理が適正に行われる。
【0064】
整流板73,74に,平坦又は鏡面化処理を施したので,ウェハW等から発生した不純物が付着し難く,不純物を排気口81を通じて排出できる。また,不純物が付着し難いので,メンテナンスの回数を減らし,その分装置の稼働率を上げることができる。なお,不純物を付着し難くする処理として,例えば整流板73,74の表面をフッ素化処理し,表面エネルギを低下させる処理を行ってもよい。なお,このとき整流板73,74の表面エネルギは,2.0×10−4N/cm程度以下であることが好ましい。また,整流板73,74の表面にプラズマイオンを打ち込む表面親水化処理を施すようにしてもよい。
【0065】
上記実施の形態で記載した整流板73,74の通気孔75は,気流が外方に向くように斜めに設けられていたが,図11に示すように整流板100の通気孔101を鉛直方向に開け,通気孔101の出口101aに,気流をウェハW外方向側に向けて流すガイド部材102を取り付けるようにしてもよい。ガイド部材102は,例えば各通気孔101毎に設けられ,気流の当たる面が鉛直下方向からウェハWの外方向側に傾斜している。かかる場合においても,処理室S上部から供給されたガスが,蓋体61の側部61a側に向かって流れ,気流がウェハW表面付近を通過することがないので,気流による加熱処理への影響がなく,ウェハW外縁部においても膜厚の均一なレジスト膜が形成される。
【0066】
上記第1の実施の形態では,気流をウェハWに直接当てないようにして,ウェハW外縁部の熱処理を均一に行っていたが,均一で多量の気流をウェハW外縁部に積極的に供給することによって,ウェハW外縁部の均一な熱処理を行ってもよい。以下,かかる実施の形態を第2の実施の形態として記載する。図12は,第2の実施の形態にかかるプリベーキング装置120の構成を示す縦断面の説明図である。
【0067】
プリベーキング装置120は,そのケーシング121内に,下面が開口した略円筒状の蓋体122と,蓋体122と一体となって処理室Sを形成する略円筒状のサポートリング123を備えている。サポートリング123は,第1の実施の形態と同様に熱板124を収容できるものである。例えばサポートリング123の上面には,処理室S内の雰囲気を排気する排気口125が設けられている。蓋体122の上面部である天板126には,ガスの供給口127が設けられている。供給口127から供給されたガスは,サポートリング123の排気口125から排気できる。
【0068】
蓋体122の内側であって熱板124に対向する位置には,2つの円形状の整流板128,129が設けられている。2つの整流板128,129は,上下に並設されており,例えば第1の整流板128が下側,第2の整流板129が上側に配置されている。第1の整流板128には,図13に示すように複数の通気孔130が設けられている。第1の整流板128の中央部から外縁部に行くにつれ通気孔130の数が増加するように,通気孔130は形成されている。第2の整流板129にも,第1の整流板128と同様に複数の通気孔130が開けられ,中央部から外縁部側に行くにつれて通気孔130の数が多くなり,開口率が高くなるように通気孔130が形成されている。なお,このプリベーキング装置120には,第1の実施の形態と同様の構成を有する昇降ピン131,昇降機構132,Oリング133,ガス供給部134,ヒータ135,搬入出口136等が設けられている。
【0069】
そして,加熱処理の際には,天板126の供給口127から処理室S内にガスが導入される。当該ガスは,第2の整流板129,第1の整流板128を順に通過し,ウェハW上に供給される。このとき第1の整流板128,第2の整流板129の外縁部側の開口率が高いので,ガスがウェハW外縁部に対して十分かつ均等に供給される。ウェハWの表面付近を通過したガスは,ウェハW外方の排気口125から排気される。なお,ウェハWの一連の加熱処理プロセスは,上記第1の実施の形態と同様であるので省略する。
【0070】
この第2の実施の形態によれば,第1及び第2の整流板128,129の外縁部側の開口率が高いので,多量のガスがウェハW外縁部に均等に供給される。この結果,ウェハW外縁部においても溶剤が均一に揮発し,ウェハW外縁部に凹凸のないレジスト膜を形成することができる。なお,整流板の外縁部に行くにしたがって通気孔の径を次第に大きくすることによって,整流板の外縁部側の開口率を高くするようにしてもよい。
【0071】
また,前記第2の実施の形態において,整流板の通気孔の開口率を変えずに,通気孔の向きを変えることによって,ウェハW外縁部に多量のガスを均等に供給するようにしてもよい。このような場合,図14に示すように整流板140の通気孔141が,鉛直下方向からウェハW外縁部側に向けて斜めに開けられる。こうすることによって,通気孔140を通過したガスがウェハW外縁部に多量に供給される。この結果,ウェハW外縁部の溶剤が均一に揮発し,ウェハW外縁部においても所定膜厚の均一なレジスト膜が形成される。
【0072】
次に,処理室S内にガスを供給しない第3の実施の形態について説明する。図15に示すように第3の実施の形態にかかるプリベーキング装置150は,そのケーシング151内に,蓋体152とサポートリング153を備えている。蓋体152は,下面が開口した略円筒状である。サポートリング153は,例えば上下面が開口した略円筒状であり,その内側に熱板154を収容することによって下面が閉口している。蓋体152の下端部152aとサポートリング153上端部153aは,対応しており,蓋体152を下降させ,蓋体152の下端部152aとサポートリング153の上端部153aを合致させることによって処理室Sを形成できる。蓋体152の下端部152aとサポートリングの上端部153aとの間には,例えばOリング155が設けられており,処理室Sを密閉できる。
【0073】
熱板154には,第1の実施の形態と同様にヒータ156が内蔵されており,熱板154を所定温度に加熱し維持できる。蓋体152の上面部である天板157と熱板154との距離Dは,熱板154を所定温度に維持した際に処理室S内に自然対流が発生しない距離,例えば8mm以下に調整されている。また,蓋体152の内側表面は,例えば表面粗さ(Ra)が6.3μm程度の粗面化処理が施されており,不純物が付着し易い状態になっている。なお,熱板154には,第1の実施の形態と同様の構成を有する昇降ピン158,昇降機構159が設けられており,熱板154上のウェハWを昇降できる。また,ケーシング151の側面には,ウェハWの搬入出口160が設けられている。
【0074】
以上のように構成されたプリベーキング装置150の作用について説明すると,先ず,主搬送装置13によってケーシング151内に搬入されたウェハWが,予め上昇して待機していた昇降ピン158に受け渡される。次に蓋体152が下降し,処理室Sが形成される。続いて昇降ピン158が下降しウェハWが熱板154に載置され,所定時間加熱される。このときウェハW等から発生した不純物は,蓋体152の表面に吸着する。そして,所定時間が経過すると,ウェハWが上昇され,その後蓋体152が上昇する。こうして処理室Sが開放されると,ウェハWは主搬送装置13に受け渡され,ケーシング151外に搬出されて,一連の加熱処理が終了する。
【0075】
かかる第3の実施の形態によれば,前記第1,第2の実施の形態のようにウェハWの加熱中に気流が形成されないので,気流によるウェハ外縁部への悪影響を確実に防止できる。また,蓋体152の天板157の高さを調節し,熱板154と天板157との温度差で生じる自然対流を防止したので,処理室S内の雰囲気を完全に定常状態にすることができる。さらに,蓋体152の内側を粗面化処理したので,処理中にウェハWから発生した不純物を吸着させ,不純物がウェハWに再付着することを抑制できる。なお,プリベーキング装置150に,前記第1の実施の形態と同様のガスの供給手段,排気手段を設けて,ウェハWの加熱の終了した後に処理室S内の雰囲気を換気してもよい。
【0076】
この第3の実施の形態において,蓋体152の内側表面に粗面化処理を施すことによって蓋体152に不純物を付着し易くしていたが,他の方法によって不純物を付着し易くしてもよい。例えば蓋体152の内側表面に表面エネルギを上昇させる処理を施してもよい。また,蓋体152自体の材質に,鉄等の表面エネルギが高いものを用いてもよい。なお,このときの表面エネルギは,2.0×10−2N/cm以上であることが望ましい。また,蓋体152表面を光触媒で被膜し,洗浄時に汚れを落とし易いようにしてもよい。
【0077】
第3の実施の形態では,天板156の高さを調節して処理室S内の自然対流の発生を防止していたが,蓋体152の温度を調節して自然対流の発生を防止してもよい。例えば図16に示すように蓋体170の天板171に,給電により発熱するヒータ172が内蔵される。ヒータ172の電源173は,例えば制御部174により制御されており,電源173の供給電圧を変えることによってヒータ172の発熱量を調節して,天板171温度を制御できる。なお,この実施の形態においては,ヒータ172,電源173及び制御部174が温度調節手段に相当する。
【0078】
そして,ウェハWの加熱中は,天板171を熱板154と同じ温度に調整し維持する。こうすることによって,熱板154と天板171との温度差が無くなり,処理室S内に自然対流が起こることが防止される。
【0079】
なお,本発明の実施の形態の一例について説明したが,本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。例えば本発明を,プリベーキング装置以外の他の熱処理装置,例えばポストエクスポージャーベーキング装置,ポストベーキング装置,クーリング装置等にも適用できる。また,基板を上記ウェハWに限定せず,方形の他の基板,たとえばLCD基板を熱処理する熱処理装置に対しても適用可能である。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば,不安定な気流が基板の外縁部に悪影響を及ぼすことを防止できるので,基板外縁部の熱処理が適切に行われ,G/W歩留まりの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるプリベーキング装置を備えた塗布現像処理システムの平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】プリベーキング装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図5】第1の整流板の平面図である。
【図6】第1の整流板の縦断面図である。
【図7】第2の整流板の平面図である。
【図8】第2の整流板の縦断面図である。
【図9】蓋体の横断面図である。
【図10】蓋体の構成を示す斜視図である。
【図11】整流板の他の構成例を示す縦断面図である。
【図12】第2の実施の形態のプリベーキング装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図13】第1の整流板の平面図である。
【図14】整流板の他の構成例を示す縦断面図である。
【図15】第3の実施の形態のプリベーキング装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図16】図15のプリベーキング装置の他の構成例を示す縦断面の説明図である。
【図17】従来の加熱処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
33 プリベーキング装置
61 蓋体
61a 側部
62 サポートリング
63 熱板
70 天板
73 第1の整流板
74 第2の整流板
80 排気通路
81 排気口
87 不純物回収部
S 処理室
W ウェハ

Claims (12)

  1. 処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,
    基板を載置し熱処理する熱処理板と,
    この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,
    前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,
    前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,
    前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,
    前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ
    前記蓋体は,
    前記排気口に通じ,前記蓋体の側部内を通る排気通路と,
    前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する不純物回収部と,を備えていることを特徴とする,熱処理装置。
  2. 処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,
    基板を載置し熱処理する熱処理板と,
    この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,
    前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,
    前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,
    前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,
    前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ,
    前記蓋体の内側であって,前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,当該基板に対向する整流板が設けられており,
    前記整流板は,複数の通気孔を有し,
    前記整流板の通気孔は,前記上面部側から流入した気体が鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方側に向いて流出するように斜めに形成されていることを特徴とする,熱処理装置。
  3. 処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,
    基板を載置し熱処理する熱処理板と,
    この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,
    前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,
    前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,
    前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,
    前記蓋体の側部であって前記熱処理板上の基板よりも高い位置には,前記処理室内の気体を排気するための排気口が設けられ,
    前記蓋体の内側であって,前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,前記基板に対向する整流板が設けられており,
    前記整流板には,複数の通気孔が設けられており,
    前記整流板の通気孔の出口には,通過した気体を鉛直下方向よりも径方向に沿って基板の外方向側に向けて流すガイド部材が取り付けられていることを特徴とする,熱処理装置。
  4. 前記蓋体は,
    前記排気口に通じ,前記蓋体の側部内を通る排気通路と,
    前記排気通路を通過した気体中の不純物を回収する不純物回収部と,を備えていることを特徴とする,請求項2又は3に記載の熱処理装置。
  5. 前記蓋体の側部は,内周壁と外周壁とを有し,
    前記内周壁と外周壁との間には,隙間が形成されており,
    当該隙間が,前記排気通路になっていることを特徴とする,請求項1又は4に記載の熱処理装置。
  6. 前記内周壁と外周壁は,互いに取り外し自在であり,少なくとも内周 壁又は外周壁を取り外すことによって,前記排気通路が露出可能であることを特徴とする,請求項5に記載の熱処理装置。
  7. 前記排気通路には,排気用整流板が設けられており,
    前記排気用整流板には,気体が通過する通気孔が設けられていることを特徴とする,請求項1,4,5又は6のいずれかに記載の熱処理装置。
  8. 前記排気用整流板は,前記排気通路に沿って複数設けられ,
    前記排気用整流板の通気孔による開口率は,上流側に近づくにつれて高くなっていることを特徴とする,請求項7に記載の熱処理装置。
  9. 処理室内で基板を熱処理する熱処理装置であって,
    基板を載置し熱処理する熱処理板と,
    この熱処理板を上方から覆い,処理室の一部を形成する蓋体と,を備え,
    前記蓋体は,上面部と側部を有し下面側が開口した略筒状の形態を有し,
    前記上面部は,前記熱処理板上の基板に対向し,
    前記上面部には,処理室内に気体を供給する供給口が設けられ,
    前記蓋体の内側であって前記上面部と前記熱処理板上の基板との間には,前記基板に対向する整流板が設けられており,
    前記整流板は,通気孔を有し,
    前記通気孔は,前記上面部側から流入した気体が鉛直下方向よりも基板の外縁部側に向いて流出するように斜めに形成されていることを特徴とする,熱処理装置。
  10. 前記整流板の少なくとも基板との対向面には,鏡面化処理が施されていることを特徴とする,請求項2,3又は9のいずれかに記載の熱処理装置。
  11. 前記整流板の少なくとも基板との対向面には,表面エネルギーを低下させる処理が施されていることを特徴とする,請求項2,3又は9のいずれかに記載の熱処理装置。
  12. 前記整流板の少なくとも基板との対向面には,親水化処理が施されていることを特徴とする,請求項2,3又は9のいずれかに記載の熱処理装置。
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