JP4175617B2 - 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具 - Google Patents

落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具 Download PDF

Info

Publication number
JP4175617B2
JP4175617B2 JP2002382327A JP2002382327A JP4175617B2 JP 4175617 B2 JP4175617 B2 JP 4175617B2 JP 2002382327 A JP2002382327 A JP 2002382327A JP 2002382327 A JP2002382327 A JP 2002382327A JP 4175617 B2 JP4175617 B2 JP 4175617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
parent
child
bolt
ropes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002382327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004124689A (ja
Inventor
直人 岩佐
貴章 加藤
茂夫 射場
美咲 杉村
正彦 市村
孝人 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Metal Products Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Metal Products Co Ltd
Priority to JP2002382327A priority Critical patent/JP4175617B2/ja
Publication of JP2004124689A publication Critical patent/JP2004124689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4175617B2 publication Critical patent/JP4175617B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
この発明は、主として自然斜面において、斜面に設置するアンカーと、アンカーの頭部間を連結するロープとを用いて、また必要があればさらにアンカーの頭部に取り付ける支圧部材を用いて、不安定な斜面の安定を図ると同時に、斜面上に存在する浮石・転石等の落下防止を図る落石防止兼用の斜面安定化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、不安定な斜面を安定させる斜面安定化工法として、斜面に複数本のアンカーを分布させて打設し、各アンカーの頭部に支圧部材を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ、前記各アンカー間を例えばワイヤロープで連結する工法が知られている。この種の従来の斜面安定化工法において、浮石・転石等の落下防止を図ることはあまり一般的ではないが、斜面全体に例えばラス材金網等の網を敷設することは行われている(例えば特許第2969449号参照)。この場合は、斜面全体を覆う網が、地面を押さえる効果とともに、落石防止の機能を備えることになる。
その他、法面の保護と落石防止を兼ねた従来技術として、特開昭56−119037号、特開昭56−9527号、特開昭62−107113号等が知られている。これらは、いずれも先に述べた特許第2969449号と同様に、アンカーとロープで法面の保護を図ると共に金網で落石を防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の斜面安定化工法は、地面を整形する必要がなくかつ樹木の伐採をほとんど必要としないので、樹木の保全、景観維持等の点で、自然斜面の斜面安定化工法として優れている。
自然斜面においては一般に、不安定な土塊、浮石が混在しているため、安定化施工をしたその斜面から落石が生じる場合があるが、単にアンカー頭部間をワイヤロープで連結する工法では、落石防止を図ることができない。一方、前記の斜面全体に金網等を敷設する工法は、落石の有無に関らず斜面全体を金網等で覆うのであるから、樹木の存在する箇所や不陸の大きい箇所では金網敷設の作業性が著しく悪い。また、落石対策を必要としない場所までも覆ってしまうので、景観上からは好ましくない。また、斜面全体でなく部分的に金網を敷設するとしても、樹木が生い茂っている場所では、金網を敷設して落石を防止することは困難である。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、主として自然斜面において、斜面安定化とともに落石防止を図ることができ、しかも作業性が低下することが少なく、かつ景観上からも好ましい落石防止兼用の斜面安定化工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の落石防止兼用の斜面安定化工法は、斜面に多数のアンカーを該斜面の安定地盤に挿入して設置し、各アンカー間をロープで連結する斜面安定化工法において、
前記アンカー間を連結するロープである親ロープが形成する多角形である親多角形の一部の親多角形のそれぞれの内部に、ロープどうしを互いに連結する連結金具を用いて、別のロープである子ロープによる複数の小さな子多角形からなる落石防止用網を、他の親多角形から独立した態様で形成することを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1記載の斜面安定化工法において、各アンカーの頭部に支圧部材を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与えることを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、親多角形が三角形であり、落石防止用網を形成すべき親三角形の三つの辺の各々の任意の位置と他の辺の任意の位置との間を子ロープで連結して、子ロープおよび親ロープによる複数の小さな子三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1、2または3記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、親多角形が三角形であり、落石防止用網を形成すべき親三角形の各辺における頂点から2分の1位置の3箇所を通る三角形状に第1の子ロープを引き回し、前記各辺における頂点から4分の1位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第2の子ロープを引き回して、前記第1、第2の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな子三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項4記載の落石防止兼用の斜面安定化工法により第1、第2の子ロープおよび親ロープによる複数の子三角形からなる落石防止用網を形成した後、親三角形の各辺における頂点から8分の1位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第3の子ロープを引き回し、前記各辺における頂点から8分の3位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第4の子ロープを引き回して、前記第1、第2、第3、第4の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項6は、請求項4の落石防止兼用の斜面安定化工法において、それぞれ1本からなる第1の子ロープおよび第2の子ロープに代えて、それぞれ複数本の短尺ロープを連続させて第1の子ロープおよび第2の子ロープを構成するとともに、各短尺ロープは、その端部が親ロープに連結される態様で第1の子ロープとしてまたは第2の子ロープとして連続させることを特徴とする。
【0011】
請求項7は、請求項6記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、それぞれ両端が親ロープに連結される等長の3本の第1短尺ロープで第1の子ロープを構成し、中間部が親ロープの一辺にスライド可能に連結され両端が親ロープの他の二辺に連結される等長の3本の第2短尺ロープで第2の子ロープを構成することを特徴とする。
【0012】
請求項8は、請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープを引き回し、一方の親四角形対角線上の2つの頂点からそれぞれ4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第2の子ロープを引き回し、他方の親四角形対角線上の2つの頂点から4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第3の子ロープを引き回し、前記第1、第2、第3の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項9は、請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通りかつ十字に交差する態様で第1の子ロープを引き回し、前記第1の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0014】
請求項10は、請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法において、親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープを引き回し、この第1の子ロープによる四角形の各辺の中央点の4箇所を通る四角形状に第2の子ロープを引き回し、さらに、前記親四角形の2つの対角線方向にそれぞれ第3および第4の子ロープを掛け渡して、前記第1、第2、第3、第4の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする。
【0022】
請求項11は、請求項1乃至5のいずれかの落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープを親ロープに連結するための連結金具であって、
Uボルトと、子ロープを通すための貫通穴を中央部に備え、この貫通穴の片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容される、抜け止め用の幅狭開口部を持ちかつ上面に座ぐりを持つボルト収容溝を備えた金具本体と、前記Uボルトの前記一方のねじ部に螺合するナットと、前記他方のねじ部に外嵌するワッシャ及び螺合するナットとを備え、前記ワッシャが前記座ぐりに嵌合することでUボルトの他方のねじ軸部の抜け止めが図られ、Uボルトの両ねじ部に螺合するナットを締め付けることで金具本体の底面とUボルトの底部との間に挿通された親ロープが金具本体の底面とUボルトの底部とで挟持固定されるようにしたことを特徴とする。
【0023】
請求項12は、請求項11記載の連結金具において、金具本体のUボルト底部側の面に、前記Uボルト底部と金具本体面との間を通される親ロープとこの親ロープを挟持するUボルト底部とがなす十字形部分が谷となるように、4箇所の突出部を形成したことを特徴とする。
【0025】
請求項13は、請求項4乃至10のいずれかの落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープどうしを連結するための連結金具であって、
Uボルトと、片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容されるボルト収容溝を備えた金具本体と、前記Uボルトのねじ部に螺合するナットとを備え、Uボルトの両ねじ部に螺合するナットを締め付けることで金具本体の底面とUボルトの底部との間に挿通された複数本の子ロープが金具本体の底面とUボルトの底部とで挟持固定されるようにしたことを特徴とする。
【0026】
請求項14は、請求項6または7の落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープを親ロープに連結するための連結金具であって、
Uボルトと、片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容されるボルト収容溝を備えた親ロープ挟持板と、この親ロープ挟持板の上方で前記Uボルトの2本のねじ軸部が挿入される2つのボルト挿通穴を持つ子ロープ抜け止め板と、前記Uボルトの各ねじ部に螺合するナットとを備えたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態の落石防止兼用の斜面安定化工法を施工した自然斜面を模式的に示す。この実施形態の落石防止兼用の斜面安定化工法は、斜面に複数本のアンカー1を分布させて設置し、各アンカー1の頭部に支圧部材2を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与え、かつ、前記各アンカー1間をワイヤロープ等のロープ3で連結する斜面安定化工法である。この段階までは(すなわち斜面安定化のための施工法としては)従来の一般的な斜面安定化工法と同じであるが、各アンカー1の頭部近傍の詳細構造を図2、図3を参照して説明すると、図示例の支圧部材2は鋼板製であり、頂部を切り欠いた略三角形状をなし中央部にアンカー挿通穴12aをあけた底板12の中央部に短尺丸鋼管による筒部13を溶接固定し、この筒部13の側面の3方で筒部13の側面と底板12との間に補強リブ14を溶接固定し、各補強リブ14の隅部にロープ3を通すための切り欠き14aを形成した構造である。斜面に打設されたアンカー1の頭部に支圧部材2の筒部13を被せ、筒部13の上端に座金プレート15を配置し、アンカー1の頭部に形成したネジ部1aにナット16を螺合させ締め付けて、支圧部材2に地盤に対する支圧力を与える。
この実施形態では、図1に示す通り、アンカー1の配置を、縦方向(斜面傾斜方向)には列をなし横方向には交互に千鳥状にずれた配置として、縦の2本のアンカー1とその中間位置の横のアンカー1との3本のアンカー1が三角形の頂点をなすようにし、その3本のアンカー1間を1本のロープ3で連結して、このロープ3が三角形5を形成するようにしている。この3本のアンカー1間を連結して三角形5を形成するロープ3を親ロープと呼び、この親ロープ3が形成する三角形5を親三角形と呼ぶ。
【0029】
この実施形態では、図1に示すように、アンカー1間を連結する親ロープ3が形成する親三角形5の一部の親三角形5、すなわち落石が生じる恐れのある箇所の親三角形5の内部に、または全部の親三角形5の内部に、ロープどうしを互いに連結する後述の連結金具7または8を用いて、別のロープである子ロープ6による複数の小さな三角形(これを子三角形9と呼ぶ)からなる落石防止用網10を形成する。すなわち、アンカー1間を連結するロープ(親ロープ3)による大きな三角形網目(親三角形5)の中に別のロープ(子ロープ6)による網目の細かい落石防止用の網10を形成する。
【0030】
前記落石防止用網10を形成する要領の詳細を図4を参照して説明すると、図4(イ)に示すように、まず、3本のアンカー1を連結する親ロープ3(二重線で示す)による親三角形5の各辺の中央(親三角形5の1辺の長さを「L」としたときに、頂点からL/2の位置)の3箇所に、子ロープを親ロープ3に連結するための親子ロープ間連結金具7(○印で示す)を固定する。次いで、この連結金具7(○印)に通して第1の子ロープ6を引き回し、両端を接続して三角形を形成する。17は親ロープ3の両端を接続して環状にするターンバックル等の接続金具である。なお、子ロープの両端もターンバックル等の接続金具で接続して環状にするが、その接続金具の図示は省略する。
次いで、図4(ロ)に示すように、親三角形5の各辺における頂点と前記連結金具7(○印)との間の中央(すなわち、頂点からL/4の位置)の6箇所に、子ロープを親ロープ3に連結するための親子ロープ間連結金具7(□印で示す)を固定する。次いで、この6箇所の連結金具7(□印)を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第2の子ロープ6bを引き回す。ここで、「6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で」とは、図4(ロ)に実線で示した子ロープ6bのように、3箇所で交差して同サイズの4つの三角形をつくるように一筆書きする場合のパターンを指している。なお、図4(ロ)では、第2の子ロープ6bを区別し易いように、既に連結済みの第1の子ロープ6aは1点鎖線で示した。なお、□印で示した連結金具7も○印で示した連結金具7も同一構造のものであるが、手順を説明する便宜のため別の記号で示した。なお、第1の子ロープ6aを張る図4(イ)の作業と第2の子ロープ6bを張る図4(ロ)の作業の順序を入れ替えることも可能である。
次いで、図4(ハ)に示すように、子ロープ6a、6bどうしの交点を、子ロープ同士を連結する子ロープ連結金具8(◎印で示す)で固定する。これにより、前記第1の子ロープ6aと第2の子ロープ6bによる16個の小さな三角形(子三角形9)からなる落石防止用網10が形成される。
なお、落石防止用網10の網目サイズの一例をあげると、例えば1辺2mの親三角形5に対して、1辺50cmの子三角形9の網目を形成する。多くの場合、この程度の網目サイズで落石防止を図ることができ、かつ、樹木を避けて子三角形網目を形成するのに適当である。ただし、網目をさらに細かくする必要がある場合もあるので、図24で後述するが、その場合は、1辺25cmの子三角形9’の網目を形成する。
【0031】
上記の落石防止兼用の斜面安定化工法を施工した自然斜面では、アンカー1と支圧部材2と親ロープ3とによる斜面安定化工法として斜面の安定化が図られるとともに、落石防止用網10を設けた箇所では、子ロープ6による細かい網目で、浮石・転石を押さえて、落石が発生することを防止することができる。
また、落石対策を斜面安定化の施工とは別途施工する必要はなく、斜面安定化の施工と同時に施工できるので、効率的であり、施工費も安く済む。
また、斜面安定化の施工終了後に、浮石・転石の存在箇所をチェックして落石防止用網10を形成することができる。すなわち、現場の状況に応じて、必要な箇所のみに落石対策を施すことができるので、柔軟に対応可能であり、有効かつ効率的な落石対策を施すことができる。
また、斜面全体に網を配置する従来方法と異なり、樹木の存在する箇所や不陸の大きい箇所でも、作業性が悪くなることは少ない。
また、ロープと連結金具のみという極めてシンプルなもので施工できるので、施工性が優れるとともに、既存の斜面安定化工法施工斜面に容易に適用することができる。
【0032】
上記の落石防止用網10を形成する際に用いる連結金具7、8の具体例について説明する。子ロープ6と親ロープ3とを連結する親子ロープ間連結金具7の実施形態を図5〜図18に示し、子ロープ6同士を連結する子ロープ間連結金具8の実施形態を図19〜図23に示す。
図5、図6に第1実施形態の親子ロープ間連結金具7Aを示す。図5(イ)は親子ロープ間連結金具7Aの斜視図、図6(イ)は同断面図、図6(ロ)は図6(イ)の底面図である。図示のように、この親子ロープ間連結金具7Aは、並べて配置した2つのボルト挿通用筒部18を介して2枚の穴あき平板19を接合した金具本体20と、2つのボルト挿通穴21aを持ち前記金具本体20に面して配されるワッシャ板21と、前記ワッシャ板21のボルト挿通穴21aを経て前記ボルト挿通用筒部18内にそれぞれ通される2本のボルト22およびこれに螺合するナット23とを備えた構成である。
この親子ロープ間連結金具7Aを親ロープ3に固定する場合、親ロープ3を金具本体20の下面とワッシャ板21とで挟み、各ボルト22をボルト挿通穴21aからボルト挿通用筒部18内に挿入しナット23を螺合させ締め付けて、親ロープ3を金具本体20とワッシャ板21との間で挟持固定する。一方、子ロープ6は連結部として機能するボルト挿通用筒部18に掛け渡して、当該親子ロープ間連結金具7Aに長手方向に移動可能に連結する。なお、図5(イ)は図5(ロ)のように隣接する親三角形5にも落石防止用網を形成する場合の親子ロープ間連結金具7Aの使用状況を示すもので、隣接する親三角形5に設ける各子ロープ6は共通の親子ロープ間連結金具7Aに連結される。
この親子ロープ間連結金具7Aによれば、当該連結金具を親ロープ3には固定し、子ロープ6には対しては長手方向に移動可能に連結することを適切にかつ作業性よく行うことができる。
【0033】
図7に第2実施形態の親子ロープ間連結金具7Bを示す。同図(イ)は親子ロープ間連結金具7Bの断面図、同図(ロ)は(イ)の底面図である。この親子ロープ間連結金具7Bは、並べて配置した2つのボルト挿通用筒部18を介して2枚の穴あき平板19を接合した金具本体20と、前記ボルト挿通用筒部18内にそれぞれネジ棒部が通されるUボルト24およびこれに螺合するナット23とを備えた構成である。すなわち、この親子ロープ間連結金具7Bは、第1実施形態の親子ロープ間連結金具7Aにおけるワッシャ板21と2本のボルト22の機能を、Uボルト24で置き換えた構成である。この場合、親ロープ3は金具本体20の下面とUボルト24の底部24aとの間で挟持固定される。その他の点は、概ね第1実施形態の場合と同様である。
この親子ロープ間連結金具7Bによれば、Uボルト24を用いているので、部品点数を削減でき、また、作業性も向上する。
【0034】
図8に第3実施形態の親子ロープ間連結金具7Cを示す。この親子ロープ間連結金具7Cは、親ロープ3を通す溝26aを形成した細長い矩形の板材26と、両端部にシャックル(子ロープ通し連結用部材)28を取り付けたさらに長い矩形の板材27とを重ね合わせ、両者26、27をボルト29とナット30で締め付けて互いに固定した構成である。26bはボルト29を通すボルト挿通穴である。シャックル28は、長い方の板材27の両端にあけた穴27cに通したボルト31およびナット32で板材27に取り付けられる。
親ロープ3は2枚の板材26、27で挟持固定される。子ロープ6は左右両端部のシャックル28に通して連結される。この親子ロープ間連結金具7Cも図5(ロ)のような取り付け箇所(隣接する親三角形5に落石防止用網10を形成する場合)に用いるものであるが、落石防止用網10を独立して設ける場合は、一方のシャックル28は不要である。
【0035】
図9〜図12に第4実施形態の親子ロープ間連結金具7Dを示す。図9は親子ロープ間連結金具7Dの斜視図、図10は親子ロープ間連結金具7Dを断面で示すもので、(イ)は親子ロープ間連結金具7Dを親ロープ3に固定する前の状態、(ロ)は親ロープ3に固定した後の状態である。図11(イ)は図10(イ)のA−A断面図、図11(ロ)は図10(イ)のB−B断面図である。図12(イ)は図10(ロ)のC−C断面図、図12(ロ)は図10(ロ)のD−D断面図である。
この親子ロープ間連結金具7Dは、中間の一部開放筒体35と、その両側に配される2つの一部開放筒体36を一体化した部材37とを同一軸線回りに回動可能に係合させた蝶番構造を有しており、中間の一部開放筒体35の両側にアイボルト38をねじ込んで取り付けている。37aは左右の一部開放筒体36、を一体結合させる一体結合部である。そして、一部開放筒体35および2つの一部開放筒体36は内部に突出部35a、36aを有している。
この親子ロープ間連結金具7Dを親ロープ3に固定する場合、図10(イ)の状態で、親ロープ3を一部開放筒体35、36の開放部(スリット部)35b、36bから内側に入れる。この状態では親ロープ3は拘束されない。次いで、一方の一部開放筒体35を他方の一部開放筒体36に対して適宜の角度だけ回転させると、図10(ロ)に示すように、内部を通る親ロープ3が中間の一部開放筒体35の突出部35aとその両側の一部開放筒体36の突出部36aとにより凸状に曲がった状態で挟持され、これにより親子ロープ間連結金具7Dが親ロープ3に固定される。
この親子ロープ間連結金具7Dによれば、主たる部分が一部開放筒体35、36であり、親ロープ3に横から簡単に取り付けることができるので、作業性がよい。
この親子ロープ間連結金具7Dも図5(ロ)のような取り付け箇所に用いるものであるが、落石防止用網10を独立して設ける場合は、一方のアイボルト38は不要である。
【0036】
図13、図14に第5実施形態の親子ロープ間連結金具7Eを示す。図13は親子ロープ間連結金具7Eの斜視図、図14(イ)は断面図、図14(ロ)は図13におけるクランプ部材の圧縮前の斜視図である。この親子ロープ間連結金具7Eは、内外2つの一部開放筒体41,42をその開放部41a、42aを逆向きにして嵌合させた準二重管43と、この準二重管43の両側に設けたネジ穴にねじ込まれたアイボルト44と、前記準二重管43の親ロープ3に沿う移動を制限するように親ロープ3に取り付けられたストッパ45とを備えた構成である。この親子ロープ間連結金具7Eを親ロープ3に取り付ける場合、左右のアイボルト44を内側の一部開放筒体42に螺合していない状態(抜け出た状態)にして、内外2つの一部開放筒体41、42の開放部41a、42aを揃え、この状態で親ロープ3を準二重管43内に横から入れる。次いで、内側の一部開放筒体42を180°回して開放部41a、42aを互いに逆の位置とし、アイボルト44を内側の一部開放筒体42のネジ穴42bにねじ込む。次いで、この親子ロープ間連結金具7Eの両側において親ロープ3にクランプ45を固定して、親子ロープ間連結金具7Eが親ロープ3に沿って移動しないようにする。クランプ45は、親ロープ3への取り付け前は図14(ロ)のような一部開放筒状であり、内側に親ロープ3を通した状態で圧縮すると、図13のように親ロープ3に固定される。
【0037】
図15に第6実施形態の親子ロープ間連結金具7Fを示す。同図(イ)は親子ロープ間連結金具7Fの断面図、同図(ロ)は(イ)の底面図である。この親子ロープ間連結金具7Fは、台板51を中央に溶接固定した矩形の平板52と、2つのUボルト53およびナット54と、平板52の両側にボルト56で取り付けられる2つのシャックル55とを備えている。平板52は、図15(ロ)に示すように、中央部のシャックル取付穴(図示されない)と、その両側のネジ棒部挿通穴52b、52cとを、それぞれ左右に持つ。
この親子ロープ間連結金具7Fでは、親ロープ3は平板52に固定した台板51とUボルト53の底部53aとの間に挟持固定される。子ロープ6は左右のシャックル55に通して連結する。
【0038】
図16に第7実施形態の親子ロープ間連結金具7Gを示す。同図(イ)は親子ロープ間連結金具7Gのみを示した斜視図、同図(ロ)は子ロープ6を親ロープ3を連結した状態の斜視図、(ハ)は金具本体81の平面図である。この親子ロープ間連結金具7Gは、鋳物製の金具本体81とUボルト82と2つのナット83とからなっている。金具本体81は、子ロープ6を通すための貫通穴81aを中央部に備え、この貫通穴81aの片側に、Uボルト82の一方のねじ軸部82aが通される、貫通穴方向と直交する向きのボルト挿通穴81bを備え、他側にUボルト82の他方のねじ軸部82bを横から収容可能な、抜け止め用の幅狭開口部81fを持つボルト収容溝81cを備えている。ボルト挿通穴81b、ボルト収容溝81cはいずれも座ぐり81d、81eを施している。そして、Uボルト82の一方のねじ軸部82aを前記ボルト挿通穴81bに通し、ワッシャ84aを嵌めナット83を螺合させて、Uボルト82を金具本体81に係合させておく。なお、Uボルト82の他方のねじ軸部82bには単にワッシャ84bを嵌めナット83を螺合させておく。
上記の親子ロープ間連結金具7Gで子ロープ6を親ロープ3に連結する場合、図16(ロ)に示すように、先に子ロープ6を金具本体81の貫通穴81aに通しておく。Uボルト82の他方のねじ軸部82bを図16(イ)のように開いた状態で、Uボルト82の底部82cと金具本体81の底面との間に親ロープ3を通し、次いで、Uボルト82のねじ軸部82bをボルト収容溝81cに収容する。この場合、ワッシャ84bおよびナット83は、ねじ軸部82bを幅狭開口部81fを通す時に干渉しないように、ねじ軸部82bの先端側に位置させておき、ねじ軸部82bをボルト収容溝81cに収容した後に、ワッシャ84bを座ぐり81e上に落とし、かつ、ナット83を回して下ろす。これにより、Uボルト82のねじ軸部82bをボルト収容溝81cから抜き取る方向の力が働いても、座ぐり81eに載置されているワッシャ84bが幅狭開口部81fから抜け出せないので、Uボルト82のねじ軸部82bの抜け止めが図られる。次いで、両ねじ軸部82a、82bに螺合している各ナット83を締め付けると、親ロープ3はUボルト82の底部82cと金具本体81の底面との間で挟持固定され、こうして子ロープ6は親子ロープ間連結金具7Gを介して親ロープ3に連結される。なお、図示例は隣接する親三角形5にも落石防止用網を形成する場合である。
この実施形態の親子ロープ間連結金具7Gによれば、既に施工されている親ロープ3に横から簡単に取り付けることができるので、作業性が良い。また、その際の操作も、Uボルト82の他方のねじ軸部82bを回してボルト収容溝81cに入れ、ナット83を締め付けるという簡単な操作で済むので、作業性が極めて良好である。また、各部品81、82、83が分離しておらず1つにまとまって結合しているので、部品紛失の恐れもなく、また、管理・現場作業において取り扱いが容易である。
【0039】
図17、図18に第8実施形態の親子ロープ間連結金具7Hを示す。図17は子ロープ6を親ロープ3を連結した状態の親子ロープ間連結金具7Hを下面側(地面側)から見た斜視図である。この親子ロープ間連結金具7Hは、鋳物製の金具本体81’とUボルト82と2つのナット83とからなっており、図16の親子ロープ間連結金具7Gと基本構造は同じであるが、この実施形態の金具本体81’は、図18(イ)の正面図、(ロ)の底面図、(ハ)の左側面図にも示すように、そのUボルト底部82c側の面81dに、Uボルト底部82cと金具本体面8dとの間を通される親ロープ3とUボルト底部82cとがなす十字形部分が谷となるように、4箇所の突出部85a、85b、85c、85dを形成したものである。その他の点は図16と概ね同じである。
この実施形態の親子ロープ間連結金具7Hによれば、親ロープ3が左右の突出部85a、85b間(および85c、85d間)に挟まれ、また、Uボルト82の底部82cが前後の突出部85a、85c間(および85bc、85d間)に挟まれるので、Uボルト82で親ロープ3を安定堅固に挟持固定することができる。
【0040】
次に、子ロープ6同士を連結する子ロープ間連結金具8の実施形態について説明する。図19は第1実施形態の子ロープ間連結金具8Aの斜視図、図20(イ)は同断面図、図20(ロ)は(イ)の底面図である。この子ロープ間連結金具8Aは、2枚の矩形の平板61、62間に子ロープ6を挟み、両側でボルト63およびナット64により締め付け固定する構成である。各平板61、62にあけたボルト挿通穴を61a、62aで示す。
この子ロープ間連結金具8A(8)は、図4(ハ)にも示したように120°間隔で3方向をなす3本の子ロープ6(但し、使用しているロープの本数としては、第1、第2の子ロープ6a、6bの2本)をまとめて固定するものであり、3本の子ロープ6を2枚の平板61、62で挟み、各ボルト63をボルト挿通穴61a、62aに挿入しナット64を螺合させ締め付けて、各子ロープ6を2枚の平板61、62間で挟持固定する。なお、3本の子ロープ6の交点を挟持固定する態様は、ロープの重なり部を直接挟む態様でもよいが、ロープの重なり部から若干離れた箇所を挟む態様とすると堅固に挟持固定し易い。
この子ロープ間連結金具8Aによれば、単に2枚の平板61、62で挟持固定するものであるから、交差した状態の3本の子ロープ6を、その交差状態をあまり気にせずに比較的無造作に固定することができ、作業性がよい。
【0041】
図21に第2実施形態の子ロープ間連結金具8Bを示す。図21(イ)は断面図、図21(ロ)は子ロープ6を固定した状態で示した底面図である。この子ロープ間連結金具8Bは、1枚の平板71と2つのUボルト72およびナット73からなり、交差する2本の第2の子ロープ6b間に第1の子ロープ6aを通し、2本の第2の子ロープ6bの交差部の両側の2箇所をUボルト72およびナット73で締め付け固定する構成である。
この子ロープ間連結金具8Bによれば、構造が極めて簡単に済む。
なお、この子ロープ間連結金具8Bは、親多角形が四角形である後述の場合に、十字に交差する2本の子ロープの十字交差部を連結する場合にも使用できる。この場合には、図21(ハ)に示すように、平板71に添わせた一方の子ロープ6’の上に他方の子ロープ6’を直交させて配置し、一方の子ロープ6’の両側で他方の子ロープ6’をUボルト72およびナット73で締め付け固定する。
【0042】
図22、図23に第3実施形態の子ロープ間連結金具8Cを示す。図22(イ)は子ロープ間連結金具8Cのみを示した斜視図、図22(ロ)は3本の子ロープ6a、6b、6bを連結した状態の斜視図である。この子ロープ間連結金具8Cは、鋳物製の金具本体91とUボルト92と2つのナット93とからなっている。金具本体91は、図23(イ)の正面図、(ロ)の底面図、(ハ)の左側面図にも示すように、Uボルト92の一方のねじ軸部92aが通されるボルト挿通穴91b、Uボルト92の他方のねじ軸部92bを横から収容可能なボルト収容溝91cを備えている。ボルト挿通穴91b、ボルト収容溝91cはいずれも座ぐり91d、91eを施している(図22では省略)。そして、Uボルト92の一方のねじ軸部92aを前記ボルト挿通穴91bに通しナット93を螺合させて、Uボルト92を金具本体91に係合させておく。なお、Uボルト92の他方のねじ軸部92bには単にナット93を螺合させておく。
また、この金具本体91は、そのUボルト底部92c側の面91dに、Uボルト底部92cと金具本体面91dとの間を通される3本の子ロープ6a、6b、6bのずれ防止のための対向する一対のガイド突起96を設けている。また、このガイド突起96の中央部にUボルト92の底部92cが収容される凹所96aを形成している。
上記の子ロープ間連結金具8Cで3本の子ロープ6を連結する場合、図22(イ)のようにUボルト92を開いた状態で、3本の子ロープ6をUボルト92の底部92cと金具本体91の底面との間に通し、次いで、Uボルト92のねじ軸部92bをボルト収容溝91cに収容し、次いで、両ねじ軸部92a、92bに螺合している各ナット93を締め付けると、3本の子ロープ6はUボルト92の底部92cと金具本体91の底面との間で挟持固定される。
また、この実施形態の子ロープ間連結金具8Cによれば、図16の親子ロープ間連結金具7Gと同様に、作業性が極めて良好であり、部品紛失の恐れもなく、また、管理・現場作業において取り扱いが容易である。また、3本の子ロープ6が対向するガイド突起96でガイドされ、また、Uボルト92の底部92cが凹所96aに収容されるので、Uボルト92で3本の子ロープ6を安定堅固に挟持固定できる。
【0043】
次に、落石防止用網10の網目をさらに細かくしたい場合には、図24に示すように、これまで説明してきた図4(ハ)の落石防止用網10(図24(イ)に破線で示されたものがこれに相当する)に、第3の子ロープ6cおよび第4の子ロープ6dを用いて、網目のさらに細かい落石防止用網10を形成することができる。
すなわち、図24(イ)に示すように、落石防止用網を形成すべき親三角形5の各辺における頂点から8分の1位置の6箇所を通って4つの三角形(中央の三角形と頂点側の3つの小さな三角形)をつくる一筆書きの態様で第3の子ロープ6c(実線で示している)を引き回す。次いで、図24(ロ)に示すように、親三角形5の各辺における頂点から8分の3位置の6箇所を通って4つの三角形(中央の小さな三角形とこれを含む態様の3つの三角形)をつくる一筆書きの態様で第4の子ロープ6d(実線で示している)を引き回す。その際、子ロープ6c、6dと親ロープ3との連結部には前述した親子ロープ間連結金具7を用いて連結し、子ロープ6どうしの連結部には前述した子ロープ間連結金具8を用いて連結する。こうして、図24(ハ)に示すように、第1、第2、第3および第4の子ロープ6a、6b、6c、6dによる複数のさらに細かい子三角形9’からなる落石防止用網10を形成することができる。
【0044】
なお、上述の各実施形態では、1本のロープ(親ロープ3)が1つの親三角形5を形成する張り方で、親三角形5を形成しているが、ロープの張り方はこの張り方に限定されない。例えば、長い1本のロープを用いて、複数の親三角形5を順次、連続して形成することも可能であり、また、縦方向のロープと右上がり斜め方向のロープと左上がり斜め方向のロープとで複数の親三角形5が形成される張り方でもよい。要するに、3本のアンカー1を頂点とする三角形網目が形成される張り方であればよい。
【0045】
上述の各実施形態は、アンカー1間を連結するロープ(親ロープ)3が三角形(三角形網目)を形成する場合であるが、四角形以上の多角形を形成する場合にも本発明を適用することができる。
図25(イ)、(ロ)、(ハ)はアンカー1間を連結するロープ(親ロープ3’(二重線で示す))が四角形(親四角形)を形成する場合の実施形態を示す。各アンカー1は縦方向にも横方向にも直線状に並ぶ配置で設置されており、図示例では、縦方向に並ぶ複数本のアンカー1を連結するロープ3’と横方向に並ぶ複数本のアンカー1を連結するロープ3’とで格子を形成して、親四角形5’を形成している。なお、親四角形5’を形成するロープの張り方は、上記の例に限定されず、例えば斜め格子その他の種々の張り方を採用できる。
図25(イ)は、1つの親四角形5’に3本の子ロープ6’(6’a、6’b、6’c)を用いて落石防止用網10’を形成する方法である。この場合、親四角形5’の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープ6’a(実線で示す)を引き回し、一方の親四角形対角線上の2つの頂点からそれぞれ4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第2の子ロープ6’b(破線で示す)を引き回し、他方の親四角形対角線上の2つの頂点から4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第3の子ロープ6’c(1点鎖線で示す)を引き回す。その際、子ロープ6’と親ロープ3’との交点を前述した親子ロープ間連結金具7等で連結し、子ロープ6’どうしの交点を前述の子ロープ間連結金具8等で連結する。これにより、第1の子ロープ6’a、第2の子ロープ6’b、第3の子ロープ6’cによる複数の小さな四角形(子四角形)および三角形(子三角形)からなる落石防止用網10’が形成される。
【0046】
図25(ロ)は、1つの親四角形5’に1本の子ロープ6’を用いて落石防止用網10’を形成する方法である。この場合、親四角形5’の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通りかつ十字に交差する態様で子ロープ6’を引き回す。その際、子ロープ6’と親ロープ3’との交点を前述した親子ロープ間連結金具7等で連結し、子ロープ6’どうしの交点を前述の子ロープ間連結金具8等で連結する。これにより、子ロープ6’による複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網10’が形成される。
【0047】
図25(ハ)は、1つの親四角形5’に4本の子ロープ6’を用いて落石防止用網10’を形成する方法である。この場合、親四角形5’の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープ6’aを引き回し、この第1の子ロープ6’aによる四角形の各辺の中央点の4箇所を通る四角形状に第2の子ロープ6’bを引き回し、さらに、前記親四角形の2つの対角線方向にそれぞれ第3の子ロープ6’cおよび第4の子ロープ6’dを掛け渡す。その際、子ロープ6’と親ロープ3’との交点を前述した親子ロープ間連結金具7等で連結し、子ロープ6’どうしの交点を前述の子ロープ間連結金具8等で連結する。これにより、第1、第2、第3、第4の子ロープ6’による複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網10’が形成される。
【0048】
図26は図1における1つの親三角形5に落石防止用網10を形成する方法の他の実施形態を説明する図である。図4で説明した落石防止用網形成方法では、第1の子ロープ6aおよび第2の子ロープ6bがそれぞれ1本のロープであり一筆書きの態様で引き回しているが、図26の実施形態の落石防止用網形成方法では、図4のそれぞれ1本からなる第1の子ロープ6aおよび第2の子ロープ6bに代えて、それぞれ複数本の短尺ロープ101aまたは102aを連続させて第1の子ロープ101および第2の子ロープ102を構成する。そして、各短尺ロープ101a、102aは、その端部が親ロープ3に連結される態様で第1の子ロープ101としてまたは第2の子ロープ102として連続させる。
図示例では、それぞれ両端が親ロープ3に連結される等長の3本の第1短尺ロープ101aで第1の子ロープ101を構成し、中間部(連結金具7の部分)が親ロープ3の一辺にスライド可能に連結され両端が親ロープ3の他の二辺に連結される等長の3本の第2短尺ロープ102aで第2の子ロープ102を構成している。
さらに具体的に述べると、三角形を形作る第1の子ロープ101を構成する等長の3本の第1短尺ロープ101aは、それぞれ三角形の1辺をなし、その両端は図27に詳細を示す親子ロープ間連結金具107で親ロープ3に連結される。
また、第2の子ロープ102を構成する3本の第2短尺ロープ102aは、その長さの4分の1の箇所が親ロープ3の一辺に親子ロープ間連結金具7(図4の親子ロープ間連結金具7と同じもの)により連結され、両端は親ロープ3の他の二辺に図27の親子ロープ間連結金具107により連結されて「く字形」をなしている。また、子ロープどうしが交差する箇所(短尺ロープ101a、102aどうしが交差する箇所)は、子ロープ間連結金具8(図4で説明した子ロープ間連結金具8と同じもの)を用いる。なお、短尺ロープ101a、102aの端部は、通常のワイヤロープの端部と同様に、シンブルとワイヤグリップを用いて環状にする。
【0049】
前記親子ロープ間連結金具107は、図27、図28に詳細を示すように、Uボルト111と、片側に前記Uボルト111の一方のねじ軸部111aが挿入されるボルト挿通穴112b、他側にUボルト111の他方のねじ軸部111bが横から収容されるボルト収容溝112cを備えた親ロープ挟持板112と、この親ロープ挟持板112の上方で前記Uボルト111の2本のねじ軸部111a,111bが挿入される2つのボルト挿通穴113a,113bを持つ子ロープ抜け止め板113と、前記Uボルト11の各ねじ部に螺合するナット114、115とを備えた構造である。
上記の親子ロープ間連結金具107で、短尺ロープ101aまたは102aの端部を親ロープ3に連結する要領を図28(イ)、(ロ)、(ハ)を参照して説明する。
まず、Uボルト111の他方のねじ軸部111bを親ロープ挟持板112のボルト収容溝112cから外して開いた状態として、Uボルト111の底部111cと親ロープ挟持板112の底面との間に親ロープ3を通し、次いで、Uボルト111のねじ軸部111bをボルト収容溝112cに収容し、次いで、両ねじ軸部111a、111bに螺合している各ナット114を締め付けて、親ロープ3をUボルト111と親ロープ挟持板112tpで挟持固定する(図28(イ)の状態)。
次いで、Uボルト111のねじ軸部111a、111bに、例えば第1の子ロープ101の場合であれば第1短尺ロープ101a(第2の子ロープ12の場合であれば第2短尺ロープ102a)の環状端部を引っ掛ける(図28(ロ))。
次いで、子ロープ抜け止め板113のボルト挿通穴113a、113bをUボルト111に通してナット15を螺合させ締め付ける(図28(ハ))。なお、子ロープ抜け止め板113は抜け止めのためなので、ナット15が外れなければ、強く締め付ける必要はない。
上記の説明では隣接する親三角形5にも落石防止用網を形成する場合として説明したが、単独の落石防止用網を形成する場合は、短尺ロープはUボルト111の一方のねじ軸部111aまたは111bだけに連結する。
この実施形態の親子ロープ間連結金具107によれば、Uボルト111の一方のねじ軸部111bを親ロープ挟持板112のボルト収容溝112cに後から収容できる構造であり、既に施工されている親ロープ3に横から取り付けることができるので、親ロープ3を固定する作業の作業性がよい。また、短尺ロープの環状端部を引っ掛け、子ロープ抜け止め板113を取り付け、ナット締めするだけで、短尺ロープを連結できるので、この短尺ロープの連結の作業性も良好である。このように、環状端部を持つ短尺ロープ101a(または102a)を親ロープ3に連結する作業を能率的に行なうことができる。
【0050】
上述の説明では、一部の親多角形に子ロープによる網部すなわち落石防止用網部を形成しているが、全部の親多角形に落石防止用網部を形成することを除外しない。
本発明において用いるロープは通常はワイヤロープであるが、合成繊維ロープその他のロープを用いることができ、また、帯状のものも含む。
また、支圧部材は、実施形態のような構造のものに限らず、適宜設計変更できる。
また、アンカーを設置する方法は、地山に打ち込む方法、あるいは地山にあけた穴にアンカーを挿入した後モルタルを充填して固定する方法等、適宜の方法を採用できる。
【0051】
また、上述した実施形態の斜面安定化工法では、アンカーの頭部に支圧部材を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与えているが、支圧部材を省略する工法であってもよい。すなわち、斜面に多数のアンカーを該斜面の安定地盤(岩盤など)に挿入して設置し各アンカー間をロープで連結するだけの斜面安定化工法においても、親多角形の内部に、子ロープによる小さな子多角形からなる落石防止用網を形成することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の落石防止兼用の斜面安定化工法によれば、アンカー間を連結する親ロープが形成する親多角形の一部の親多角形のそれぞれの内部に、子ロープ(別のロープ)および連結金具を用いて、子ロープによるさらに小さな子多角形からなる落石防止用網を、他の親多角形から独立した態様で形成するので、斜面の安定化が図られるだけでなく、次のような効果を奏する。
< >落石防止用網の網目を十分細かくすることができ、浮石・転石を押さえて、落石が発生することを有効に防止することができる。
また、金網の場合、金網は伸びやすいため落石が動く可能性があるが、ロープは伸びにくいので、落石が動いた際の変形が少なく、落石の動きを押さえる効果が高い。
< >落石対策を斜面安定化の施工とは別途施工する必要はなく、斜面安定化の施工と同時に施工できるので、効率的であり、施工コストも安く済む。
< >従来の金網の場合、斜面安定化工法の施工を完了する前に、落石を有する箇所に金網を張り巡らせておかなければならないが、本発明によれば、斜面安定化の施工終了後に、浮石・転石の存在箇所をチェックして落石防止用網を形成することができる。すなわち、現場の状況に応じて柔軟に対応可能であり、必要な箇所に落石対策を施すことができるので、有効な落石対策を施すことができる。
< >必要な箇所のみに落石防止用網を形成するので、斜面全体に網を敷設して不必要な部分まで覆ってしまう従来方法と比べて、効率的であり、材料や労力を節約することができ、施工コストが安く済む。また、斜面全体に金網を敷設した場合、見た目に圧迫感を与えるが、ロープを引き回した状態はそのような圧迫感等はなく、景観を損なうことが少ない。
また、斜面全体に網を敷設する従来方法と異なり、樹木の存在する箇所や不陸の大きい箇所でも、作業性が悪くなることは少ない。
また、樹木の生い茂る場所において金網すなわち面的なものを敷設することは難しく、また不陸の大きい場所に面的なものを敷設するいことは難しいいが、本発明は現場でのロープ引き回しによるものであるから、金網のような困難さはなく、樹木の存在する場所や不陸の大きい場所への対応が容易であり、現地に対応させた施工が可能である。
< >ロープと連結金具のみという極めてシンプルなもので施工できるので、施工性が優れるとともに、既存の斜面安定化工法施工斜面に容易に適用することができる。
< >従来方法のように斜面全体に網を敷設する場合、一様な網目サイズ・太さの網を敷設することになり、落石対策として効果の小さい部分が生じ易いが、本発明ではその場所に状況に応じた網目サイズ・太さの網(落石防止用網)を形成することができるので、実効のある落石対策を施すことができる。
【0053】
請求項4や請求項5のように一筆書き方式で子ロープを引き回して、親三角形内に細かい網目を形成する方法によれば、子ロープで細かい網目を形成する要領が分り易く、かつ作業が極めて容易かつ能率的である。また、網目のサイズをさらに細かくする際に、混雑した態様とならずに、比較的シンプルに細かい網目を得ることができる。
【0054】
請求項6のように、上記の第1の子ロープや第2の子ロープをそれぞれ複数本の短尺ロープで構成するようにすると、上記の一筆書き方式によるロープ引き回しがしにくいような斜面でも容易にロープを張ることができ、容易に落石防止用網を形成することができる。また、請求項7のように等長の短尺ロープを用いると、部品管理が容易になり、また、施工性もよく、種々の面で作業性が向上する。
【0055】
請求項8、請求項9、請求項10によれば、親ロープが格子状に張られて親多角形が四角形をなす場合に、親四角形内に子ロープで細かい網目を形成する要領が分り易く、かつ作業が極めて容易かつ能率的である。また、網目のサイズをさらに細かくする際に、混雑した態様とならずに、比較的シンプルに細かい網目を得ることができる。
【0056】
請求項11、12の連結金具によれば、子ロープを親ロープに連結する作業を容易かつ能率的に行うことができる。また、隣接する親多角形に落石防止用網を形成する場合に、隣接する親多角形に共通の連結金具として用いることができ、効率的であるとともに作業性も良好である。
特に、請求項18の連結金具によれば、既に施工されている親ロープに横から簡単に取り付けることができるので、かつ、その際の操作も簡単なので、作業性が極めて良好である。また、各部品が分離しておらず1つにまとまって結合しているので、部品紛失の恐れもなく、また、管理・現場作業において取り扱いが容易である。
【0057】
請求項12の連結金具によれば、親ロープあるいはUボルトがいずれも突出部間に挟まれるので、Uボルトで親ロープを安定堅固に挟持固定することができる。
【0058】
請求項13の連結金具によれば、子ロープどうしを連結する作業を容易かつ能率的に行うことができる。
に、交差する3本の子ロープを簡単な操作で挟持固定することができ、作業性が極めて良好である。また、各部品が分離しておらず1つにまとまって結合しているので、部品紛失の恐れもなく、また、管理・現場作業において取り扱いが容易である。
【0059】
請求項14の連結金具によれば、請求項6、7の斜面安定化工法において短尺ロープを親ロープに連結する際、既に施工されている親ロープに横から取り付けることができるので、親ロープを固定する作業の作業性がよく、また、短尺ロープをUボルトに係合させる操作も極めて簡単なので、短尺ロープを親ロープに連結する作業の作業性がきわめて良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の落石防止兼用の斜面安定化工法を施工した自然斜面を模式的に示した図である。
【図2】図1における1つのアンカーの頭部近傍の詳細構造を示した断面図である。
【図3】図2における支圧部材の平面図である。
【図4】図1における1つの親三角形に落石防止用網を形成する方法の一実施形態を説明する図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)の手順で施工する。
【図5】(イ)は図4の落石防止用網における子ロープと親ロープとを連結する親子ロープ間連結金具部分の詳細を示す斜視図、(ロ)はその使用箇所を示す図である。
【図6】(イ)は図5の親子ロープ間連結金具の断面図、(ロ)は(イ)の底面図である。
【図7】図5、図6の親子ロープ間連結金具の変形例を示すもので、(イ)は断面図、(ロ)は(イ)の底面図である。
【図8】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図9の連結金具を断面図で示したもので、(イ)は連結金具を親ロープに固定する前の状態、(ロ)は連結金具を親ロープに固定した後の状態を示す。
【図11】(イ)は図10(イ)におけるA−A断面図、(ロ)は図10(イ)におけるB−B断面図である。
【図12】(イ)は図10(ロ)におけるC−C断面図、(ロ)は図10(ロ)におけるD−D断面図である。
【図13】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図14】(イ)は図13の連結金具の断面図、(ロ)は図13におけるクランプ部材の取り付け前の斜視図である。
【図15】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)は断面図、(ロ)は底面図である。
【図16】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)は親子ロープ間連結金具のみを示した斜視図、(ロ)は親子ロープを連結した状態の斜視図、(ハ)金具本体の平面図である。
【図17】図4の落石防止用網における親子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示すもので、親子ロープを連結した状態の親子ロープ間連結金具の斜視図である。
【図18】図17の親子ロープ間連結金具における金具本体の図で、(イ)は正面図、(ロ)は底面図、(ハ)は左側面図である。
【図19】図4の落石防止用網における子ロープ同士を連結する子ロープ間連結金具の詳細を示す斜視図である。
【図20】(イ)は図20の子ロープ間連結金具の断面図、(ロ)は(イ)の底面図である。
【図21】図4の落石防止用網における子ロープ間連結金具の他の実施形態を示すもので、(イ)は断面図、(ロ)は底面図である。また、(ハ)は十字交差部に用いる場合の底面図である。
【図22】図4の落石防止用網における子ロープ間連結金具のさらに他の実施形態を示すもので、(イ)は子ロープ間連結金具のみを示した斜視図、(ロ)は子ロープどうしを連結した状態の斜視図である。
【図23】図22の子ロープ間連結金具における金具本体の図で、(イ)は正面図、(ロ)は底面図、(ハ)は左側面図である。
【図24】図1における1つの親三角形に落石防止用網を形成する場合の他の実施形態を説明する図であり、図4の落石防止用網に2本の子ロープを追加してさらに細かい三角形網目を形成するもので、その手順を(イ)、(ロ)、(ハ)で示す。
【図25】アンカー間を連結するロープ(親ロープ)が四角形を形成する場合に、その四角形の落石防止用網を形成する要領を説明するもので、(イ)、(ロ)、(ハ)はそれぞれ別の要領で形成した四角形の落石防止用網の平面図である。
【図26】図1における1つの親三角形に落石防止用網を形成する方法の他の実施形態を説明する図であって、複数本の短尺ロープを連結して子ロープを構成する場合のものである。
【図27】図26の実施形態における子ロープを親ロープに連結する親子ロープ間連結金具の一例を示す斜視図である。
【図28】図26において、図27の親子ロープ間連結金具を用いて子ロープを親ロープに連結する作業手順を説明する図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)の手順で行なわれる。
【符号の説明】
1 アンカー
2 支圧部材
3、3’ 親ロープ(アンカー間を連結するロープ)
5 親三角形(親ロープ3が形成する三角形網目)
5’ 親四角形(親ロープ3’が形成する四角形網目)
6、6’ 子ロープ
6a 第1の子ロープ
6b 第3の子ロープ
6c 第3の子ロープ
6d 第4の子ロープ
7,7A,7B,7C,7D,7E,7F,7G,7H 親子ロープ間連結金具
8、8A、8B、8C 子ロープ間連結金具
9、9’ 子三角形(子ロープ6、6’が形成する小さな三角)
10、10’ 落石防止用網
12 底板
13 筒部
14 補強リブ
18 ボルト挿通用筒部
19 穴あき平板
20 金具本体
21 ワッシャ板
22、29、31、56、63 ボルト
23、30、32、54、64、73 ナット
24、53、72 Uボルト
24a、53a (Uボルトの)底部
26、27 板材
28、55 シャックル
35 一部開放筒体
36 一部開放筒体
35a、36a 開放部
37 部材
38、44 アイボルト
41 (外側の)一部開放筒体
42 (内側の)一部開放筒体
41a、42a 開放部
43 準二重管
45 クランプ
52、61、62、71 平板
81、81’、91 金具本体
81a 貫通穴
81b、91b ボルト挿通穴
81c、91c ボルト収容溝
81e 座ぐり
81f (抜け止め用の)幅狭開口部
82、92 Uボルト
82a、82b、92a、92b ねじ軸部
82c、92c (Uボルトの)底部
83、93 ナット
85a、85b、85c、85d 突出部
96 ガイド突起
96a 凹所
101 第1の子ロープ
101a 第1短尺ロープ
102 第2の子ロープ
102a 第2短尺ロープ
107 親子ロープ間連結金具
111 Uボルト
112 親ロープ挟持板
112b ボルト挿通穴
112c ボルト収容溝
113 子ロープ抜け止め板
113a、113b ボルト挿通穴
114、115 ナット

Claims (14)

  1. 斜面に多数のアンカーを該斜面の安定地盤に挿入して設置し、各アンカー間をロープで連結する斜面安定化工法において、
    前記アンカー間を連結するロープである親ロープが形成する多角形である親多角形の一部の親多角形のそれぞれの内部に、ロープどうしを互いに連結する連結金具を用いて、別のロープである子ロープによる複数の小さな子多角形からなる落石防止用網を、他の親多角形から独立した態様で形成することを特徴とする落石防止兼用の斜面安定化工法。
  2. 前記各アンカーの頭部に支圧部材を取り付けこれを締着して地盤に対する支圧力を与えることを特徴とする請求項1記載の斜面安定化工法。
  3. 前記親多角形が三角形であり、落石防止用網を形成すべき親三角形の三つの辺の各々の任意の位置と他の辺の任意の位置との間を子ロープで連結して、子ロープおよび親ロープによる複数の小さな子三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  4. 前記親多角形が三角形であり、落石防止用網を形成すべき親三角形の各辺における頂点から2分の1位置の3箇所を通る三角形状に第1の子ロープを引き回し、前記各辺における頂点から4分の1位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第2の子ロープを引き回して、前記第1、第2の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな子三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする請求項1、2または3記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  5. 請求項4記載の落石防止兼用の斜面安定化工法により第1、第2の子ロープおよび親ロープによる複数の子三角形からなる落石防止用網を形成した後、親三角形の各辺における頂点から8分の1位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第3の子ロープを引き回し、前記各辺における頂点から8分の3位置の6箇所を通って4つの三角形をつくる一筆書きの態様で第4の子ロープを引き回して、前記第1、第2、第3、第4の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする落石防止兼用の斜面安定化工法。
  6. 請求項4の落石防止兼用の斜面安定化工法において、それぞれ1本からなる第1の子ロープおよび第2の子ロープに代えて、それぞれ複数本の短尺ロープを連続させて第1の子ロープおよび第2の子ロープを構成するとともに、各短尺ロープは、その端部が親ロープに連結される態様で第1の子ロープとしてまたは第2の子ロープとして連続させることを特徴とする落石防止兼用の斜面安定化工法。
  7. それぞれ両端が親ロープに連結される等長の3本の第1短尺ロープで第1の子ロープを構成し、中間部が親ロープの一辺にスライド可能に連結され両端が親ロープの他の二辺に連結される等長の3本の第2短尺ロープで第2の子ロープを構成することを特徴とする請求項6記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  8. 前記親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープを引き回し、一方の親四角形対角線上の2つの頂点からそれぞれ4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第2の子ロープを引き回し、他方の親四角形対角線上の2つの頂点から4分の1位置の4箇所を通る細長い四角形状に第3の子ロープを引き回し、前記第1、第2、第3の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  9. 前記親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通りかつ十字に交差する態様で第1の子ロープを引き回し、前記第1の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな四角形および三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  10. 前記親多角形が四角形であり、落石防止用網を形成すべき親四角形の各辺における頂点から2分の1位置の4箇所を通る四角形状に第1の子ロープを引き回し、この第1の子ロープによる四角形の各辺の中央点の4箇所を通る四角形状に第2の子ロープを引き回し、さらに、前記親四角形の2つの対角線方向にそれぞれ第3および第4の子ロープを掛け渡して、前記第1、第2、第3、第4の子ロープおよび親ロープによる複数の小さな三角形からなる落石防止用網を形成することを特徴とする請求項1または2記載の落石防止兼用の斜面安定化工法。
  11. 請求項1乃至5のいずれかの落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープを親ロープに連結するための連結金具であって、
    Uボルトと、子ロープを通すための貫通穴を中央部に備え、この貫通穴の片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容される、抜け止め用の幅狭開口部を持ちかつ上面に座ぐりを持つボルト収容溝を備えた金具本体と、前記Uボルトの前記一方のねじ部に螺合するナットと、前記他方のねじ部に外嵌するワッシャ及び螺合するナットとを備え、前記ワッシャが前記座ぐりに嵌合することでUボルトの他方のねじ軸部の抜け止めが図られ、Uボルトの両ねじ部に螺合するナットを締め付けることで金具本体の底面とUボルトの底部との間に挿通された親ロープが金具本体の底面とUボルトの底部とで挟持固定されるようにしたことを特徴とする連結金具。
  12. 前記金具本体のUボルト底部側の面に、前記Uボルト底部と金具本体面との間を通される親ロープとこの親ロープを挟持するUボルト底部とがなす十字形部分が谷となるように、4箇所の突出部を形成したことを特徴とする請求項11記載の連結金具。
  13. 請求項4乃至10のいずれかの落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープどうしを連結するための連結金具であって、
    Uボルトと、片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容されるボルト収容溝を備えた金具本体と、前記Uボルトのねじ部に螺合するナットとを備え、Uボルトの両ねじ部に螺合するナットを締め付けることで金具本体の底面とUボルトの底部との間に挿通された複数本の子ロープが金具本体の底面とUボルトの底部とで挟持固定されるようにしたことを特徴とする連結金具。
  14. 請求項6または7記載の落石防止兼用の斜面安定化工法を実施するに際して、子ロープを親ロープに連結するための連結金具であって、
    Uボルトと、片側に前記Uボルトの一方のねじ軸部が挿入されるボルト挿通穴、他側にUボルトの他方のねじ軸部が横から収容されるボルト収容溝を備えた親ロープ挟持板と、この親ロープ挟持板の上方で前記Uボルトの2本のねじ軸部が挿入される2つのボルト挿通穴を持つ子ロープ抜け止め板と、前記Uボルトの各ねじ部に螺合するナットとを備えたことを特徴とする連結金具。
JP2002382327A 2002-07-29 2002-12-27 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具 Expired - Fee Related JP4175617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002382327A JP4175617B2 (ja) 2002-07-29 2002-12-27 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002219470 2002-07-29
JP2002382327A JP4175617B2 (ja) 2002-07-29 2002-12-27 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004124689A JP2004124689A (ja) 2004-04-22
JP4175617B2 true JP4175617B2 (ja) 2008-11-05

Family

ID=32300601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002382327A Expired - Fee Related JP4175617B2 (ja) 2002-07-29 2002-12-27 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4175617B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101145502B1 (ko) * 2009-10-20 2012-05-16 고주재 텐션 압착식 낙석방지망

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006132893A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 天井埋込型エアコン
JP4340246B2 (ja) 2005-03-07 2009-10-07 シャープ株式会社 薄膜太陽電池およびその製造方法
JP5828318B2 (ja) * 2012-12-17 2015-12-02 日鐵住金建材株式会社 斜面安定化工法
JP2015121037A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 東京製綱株式会社 ネット構造物及びネット構造物の形成方法
JP5703482B1 (ja) * 2014-04-22 2015-04-22 株式会社丹勝 法面の滑落防止工法
JP6573491B2 (ja) * 2015-06-18 2019-09-11 丈示 嶋 支圧金物に対する支柱の連結構造、柵体の設置構造及び流木導流システム
CN106638635A (zh) * 2017-02-10 2017-05-10 甘肃省科学院地质自然灾害防治研究所 一种边坡支护装置及其系统
CN107059670A (zh) * 2017-06-13 2017-08-18 四川睿铁科技有限责任公司 柔性分导系统
JP7458849B2 (ja) 2020-03-25 2024-04-01 Jfe建材株式会社 斜面補強構造及び斜面構造
CN114541431B (zh) * 2022-03-07 2023-10-13 江西师范高等专科学校 一种岩土工程边坡加固装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101145502B1 (ko) * 2009-10-20 2012-05-16 고주재 텐션 압착식 낙석방지망

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004124689A (ja) 2004-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4175617B2 (ja) 落石防止兼用の斜面安定化工法および構造およびこれに用いる連結金具
KR102243531B1 (ko) 사면 보호구조 및 보호방법
JP4704143B2 (ja) 防護柵の施工方法
JP3390987B2 (ja) 落石等防護工のロープ張設工法と落石等防護ネツト
JP3793971B2 (ja) 橋梁の落橋防止装置及び落橋防止工法
JP2004324265A6 (ja) 橋梁の落橋防止装置及び移動制限装置並びに落橋防止工法
JP3954414B2 (ja) 網を用いた防護体
US7047696B2 (en) Ground anchor system and method of installation
JP2010196460A (ja) 斜面保護方法及びそれに使用する網状体並びに斜面保護構造体
JP7045010B2 (ja) 支持ユニット、ロープ耐震ユニット、及びロープ耐震ユニットの施工方法
KR100529224B1 (ko) 건축 조경벽면의 와이어로프 고정장치
JP2000178925A (ja) リングネット式落石防止装置
JP3354134B2 (ja) 角形蛇篭
JP5828318B2 (ja) 斜面安定化工法
JP4525956B2 (ja) 斜面安定化工法および斜面安定化構造
JP2010255229A (ja) 斜面保護方法及び斜面保護構造体
JPH11286940A (ja) 山腹砂防ネット用リング及び該リングを用いた山腹砂防ネット工法
JP3685476B2 (ja) 自然斜面安定化工法
JP3581016B2 (ja) 落石抑止抑制工法
JP2005336720A (ja) 斜面落石防護構造
JP3430312B2 (ja) 防風,防砂,防雪等用柵
JP4071664B2 (ja) 法面保護工法
JP2004169539A (ja) 法面の保護工法
JP6466519B2 (ja) 落石対策に使用するアンカーへのロープ留め具及びこれを用いた落石防護網工の方法
JP3077811U (ja) ネット等の張設構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080818

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4175617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees