JP2004169539A - 法面の保護工法 - Google Patents

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輝雄 大塚
Hirokazu Kadowaki
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Abstract

【課題】 交差する縦横の梁の一方の無い構造を保持しながら、1つの法枠が崩れても、隣接する法枠に崩壊が波及しにくい法面の保護工法を提供する。
【解決手段】 法面上に複数の法枠20を相互に離間してほぼ平行に構築する。次に、法枠20に形成された貫通孔21に、索状体30を挿通し、テンションを加える。索状体30はほぼ直線状に配索される。貫通孔21の両側位置に、テーパ状の雄ねじ33bを有する2つの割ボルト33を配置し、該テーパ状の雄ねじ33bにナット32を締め付けることで割ボルト33を索状体30に固定し、上記ナット32により割ボルト33を上記法枠20の両側に圧接させて索状体30と法枠20とを結合する。工事終了後に索状体30が緩む場合には、割りボルト33を索状体30から緩め、索状体にテンションをかけ直した後、割りボルト33で索状体30と法枠20とを結合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、法面の崩落を防止する保護工法に関し、特に、法面に複数の法枠を平行に配置し、これらの法枠を相互に連結して崩落が拡大するのを防止することができる法面保護工法に関する。
高速道路や鉄道などの建設では、山や高台等を切り崩して平坦部を作る。このとき切り崩した部分に斜面(法面)ができるが、この法面を放置しておくと、崩落などを起こす原因となるので、崩落を防止するための法面の保護工法が施されている。
従来の法面の保護工法によれば、地山にアンカーボルト等のアンカー体を打ち込み、法面にネットを敷設した後、法面に井桁状の型枠を設置し鉄筋を配置してモルタルまたはコンクリートを吹き付けて格子状の鉄筋モルタル(またはコンクリート)構造体を構築する。
しかし、前記の工法では、縦梁と横梁とが同じ形状であり、曲げ剛性の高いものであるから、付加的な外力や衝撃力に対して脆いという特性がある。特に、縦梁と横梁との交差部にクラックが入りやすいという問題がある。
このような問題を解決するために、特許第3180215号(特許文献1)や、特開平11−209984号(特許文献2)では、縦梁だけで法面の崩落を防止する工法が記載されている。これらは全て、前記のクラックの防止という効果を奏するとともに、法面の保護工事を簡略化し、工事のコストを低減するという効果をも奏する。
また、前記特許文献1,2は共に、隣接する縦梁間に複数の客土保持部材を設け、客土を保持できるようにしている。客土に草木を繁茂させることで、法面を強化するとともに、景観を自然に戻すことが可能となる。
しかし、前記特許文献1の法面保護工法では、横梁がないので縦梁同士は連結されないこととなり、1つの縦梁が崩れると、隣接する縦梁に波及して多数の縦梁が連鎖的に崩れる可能性がある。
これに対し、特許文献2では、断面形状がL型の係設棒材を法枠間に渡し、両端を縦梁のコンクリート内に埋め込んでいる。すなわち、係設棒状材で縦梁間を連結しているが、これは植生基盤を保持するために設けられたもので、横梁として機能させ、縦梁の連鎖的・波及的な崩落を防止させるという意図で設けられたものではない。
横梁の曲げ剛性を低くして、前記のクラックの問題を解決するものとしては、特開昭62−107113号(特許文献3)が知られている。ここでは、横梁を第2梁に置き代えて縦梁を連結する工法を提案している。第2梁としては、曲げ剛性の低いシース付PC鋼材、小径の鋼棒、銅管などを用いている。
このような構造によって、縦梁で法面の主崩落を防止する強度を得て、横枠は副次的崩落防止を行うことで、付加的な外力や衝撃力に対する耐力を向上させることができる。
しかし、前記特許文献3に用いられる横梁は、曲げ剛性の低い第2梁であり、具体的には、鉄筋、シース付PC鋼材、小径の鋼棒、銅管などである。そして、これらの長さは数m程度で、縦梁のピッチの2ピッチ分程度の長さしかない。これは、第2梁として棒状のものを利用するからであり、製造、保管、運搬などを考慮すると、どうしても数メートルの長さに制限されてしまうからである。また、これらの第2梁は、両端の縦梁の外側からボルトとナットなどで締め付けて緊張を与えられている。したがって、1本の第2梁の両端の縦梁には、第2梁の長さ方向の応力が常時加わっていることになるので、横方向の応力には弱くなるという問題がある。そのため、第2梁を千鳥状に配置し、1つの縦梁に横方向の応力が集中しないような配慮をしている。しかし、各縦梁には偶力が加わることになり、応力をバランスさせることは理論的にはできない。
また、特許文献3では、1本の第2梁の中間に配置される縦梁は、第2梁とは遊嵌している。この構造では、中間の縦梁と第2梁とは固定できず、遊嵌させるしかないからである。しかし、遊嵌しているので、この中間にある縦梁は第2梁に支持されていないことになり、崩落した場合の保持が十分にできないという問題がある。
これに対し、特開平11−193532(特許文献4)では、縦梁間にワイヤーロープ等の索状体を張り、これを客土支持部材として用いているものを提案している。ここでは、ワイヤーロープ等の索状体を複数の型枠に貫通して配索し、型枠内にコンクリートを流し込んで縦梁とするものである。索状体は、縦梁内に埋め殺された状態となる。
ワイヤーロープは鉄筋、シース付PC鋼材、小径の鋼棒、銅管などに比べ、圧倒的に長いものを使用することができる。したがって、縦梁に作用する横向きの応力の問題は解決することができる。また、ワイヤーロープを使用すると、法面に岩や樹木があっても、これらを迂回して配索することが可能である。
しかし、前記特許文献4においてワイヤーロープを使用した場合、コンクリートの打設前にテンションを加えておいても、工事完了後にワイヤーロープに緩みが生じる。緩んだままで放置すると、客土支持は可能であるが、縦枠の崩落を防止する機能は著しく低下するという問題がある。
すなわち、前記特許文献4は、客土保持部材の発明であり、縦梁の崩落を防止する横梁などの構造体として使用するものではない。
特許第3180215号 図1〜図7 特開平11−209984号 図6、段落0008、00014、00015 特開昭62−107113号 第2図、公報第3頁左上欄第3〜5行目、同頁右欄下6行目、同頁左下欄第14〜16行 特開平11−193532号 段落0009、0010
本発明は、このような事実に鑑みてなされたもので、交差する縦横の梁の一方を省略した構造を保持しながら、1つの法枠が崩れても、隣接する法枠に崩壊が波及しにくい法面の保護工法を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために本願の第1の発明による法面保護工法は、法面上に貫通孔を有する複数の法枠を相互に離間してほぼ平行に構築する工程と、法枠の前記貫通孔を通り法枠と交差する方向に1以上の凡直線を引き該凡直線に沿って各法枠間に柔軟性のある索状体を配索する工程と、各索状体にテンションを加えながら前記法枠と索状体とを結合具で解除可能な状態で結合する工程と、を有することを特徴としている。
本願の第2の発明は、前記法枠の貫通孔の近傍に、法枠を法面に固定するアンカー体を備えることを特徴としている。
本願の第3の発明は、前記結合具が、索状体に結合された状態でその引張方向を変更可能であることを特徴としている。
本願の第4の発明は、前記のいずれかに記載の法枠を法面の高低方向に構築し、前記法枠相互間に客土保持部材を設け、該客土保持部材が、前記索状体に直接支持されたものと、前記索状体に係止された支持手段に吊り下げ支持されたものと、前記法枠に係止された支持手段に吊り下げ支持されたもののいずれか1以上からなることを特徴としている。
第1の発明の法面の保護工法によれば、平行に配置された複数の法枠を柔軟な索状体でつなぎ、索状体にテンションを加えているので、1つの法枠が崩落しかかっても、両側の法枠で支持でき、大きく崩落することを防止することができる。また、各法枠に加わる索状体のテンションがほぼバランスし、法枠には横方向の力が加わらず、また、全ての法枠と索状体と結合されるので、法枠が安定し、法面の保護を強化することができる。
また、索状体が柔軟なものなので、法枠と法枠との間の斜面を平らにする必要がなく、樹木や岩が残存していてもよいので、法面の強度を上げることができる。さらに、法面保護工法の施工後に、索状体が緩んでも、結合具との結合を解除することで再度テンションを加えることができる。
第2の発明では、前記法枠の貫通孔の近傍に、法枠を法面に固定するアンカー体を備えるので、法枠が破損しにくくなる。
第3の発明では、前記結合具が、索状体に結合された状態でその引張方向を変更可能なので、索状体の配索を直線的にしなくてもよく、配索がやりやすくなる。
第4の発明では、法枠を法面の高低方向に構築し、前記法枠相互間に客土保持部材を設け、該客土保持部材が、前記索状体に直接支持されたものと、前記索状体に係止された支持手段に吊り下げ支持されたものと、前記法枠に係止された支持手段に吊り下げ支持されたもののいずれか1以上からなる構成とするので、法面に客土を保持することができる。また、客土保持部材に間伐材を使用することができる。
以下に本発明の実施例を図面によって説明する。図1は、本発明による法面の保護工法がされた法面の状態を示す図である。
まず、法面をネット10で覆う。このネット10は法面の保護のために敷設するものであるが、現場の条件によっては、省略できる場合もある。
次に、法面に、その上下方向に延びる法枠20を構築する。法枠20の構築方法は、従来と同様である。すなわち、法面に鉄筋等を配索しその外側に型枠を形成し、モルタル又はコンクリートを吹き付け等で打設する。鉄筋等を組み立てる際に、法枠の長さ方向に複数個所図示しないアンカー体を法面に打ち込んで固定し、これらにより法面に法枠を固定することになる。このような法枠20を所定の太さと長さで、かつ、所定の間隔と数だけ配置することによって、法面の主崩落を防止することができるようになっている。
なお、法枠20は、法面の垂直方向に構築するのが通常であるが、これに限定されるものではない。垂直方向に対して傾斜した方向に構築してもよく、水平方向でもよい。また、法枠20の断面形状は、この実施例では矩形としているが、これもこの形状に限定されず、台形、三角形、円形又は楕円形でもよく、任意の形状とすることができる。また、簡易法枠でもよい。
法枠20には、所定の間隔で、横方向の貫通孔21が複数個形成されている。これらの貫通孔21は、法枠20をモルタル、コンクリート等で形成する際に、同時に形成されるものである。たとえば、コンクリート打設前の法枠の型枠の貫通孔21の部分に金属製や樹脂製の中空管等を配置しておくことで形成することができる。このとき、各貫通孔21は前記したアンカー体と密着させるか、30cm以内に近接した位置に配置する。各貫通孔21は、各法枠20のそれぞれほぼ同じ高さに設けられている。
次に、複数の法枠20の同じ高さに形成された貫通孔21に、1本の索状体30を通す。同様に同じ高さに穿設されている貫通孔21に別の索状体30を通す。これらの索状体30としては、この実施例ではワイヤロープを用いている。索状体30としては、柔軟なものが望ましく、ワイヤーロープ以外には、チェーン、各種のロープ等を用いることができる。各索状体30はほぼ水平に張られ、適当な方法でテンションが加えられており、その両端は、図示しないが、法面に固定されたアンカー体や、端部の法枠20等に固定される。各索状体30を各貫通孔21のところで固定し、索状体30と法枠20とを結合する。索状体30は、直線的に張られることが望ましいが、実際の法面は平坦な傾斜面ではなく、凹凸がある。したがって、索状体30は、法枠20の位置で若干折れた折れ線になるが、本発明では、この程度の折れ線もほぼ直線と考え、「凡直線」と表現している。
また、索状体30が柔軟性の無い鉄筋や鋼棒の場合は、法枠20と法枠20との間の斜面は、平坦にしていないと索状体30を配索できない。しかし、本発明では索状体30は柔軟なので、法面上に樹木が残っていたり、岩があっても、これらを迂回して配索することができる。このように樹木や岩を残したままで法面の保護ができるので、保護される前の法面が既にある程度の強度を保有することができ、法面の保護工法としては優れたものといえる。
索状体30は法枠20の貫通孔21に挿通され、複数の法枠20と複数の索状体30とが碁盤目状に交差して配置されるので、法枠20と索状体30で大きな目のネットを構成することになり、法面は、この大きな目のネットと、ネット10の2重のネットで覆われ保護されることになる。
本発明では、法枠20に貫通孔21を穿設して索状体30を挿通し、索状体30にテンションを加えた状態で結合具で法枠20に固定するものである。この固定構造を可能にするために、本発明では、割りボルト33を使用している。
図2は、索状体30と法枠20との結合部を示す断面図である。図3(a)は結合部を一方側から見た斜視図で、図3(b)は索状体係止用の結合具としての割ボルトの拡大斜視図である。
これらの図によって、索状体30と法枠20との結合の方法を説明する。索状体30を、法面の一方端にある法枠20の貫通孔21から挿通して、次々と複数の法枠の貫通孔21に挿通するのであるが、その際、最初の貫通孔21に挿通する前にワッシャ31とナット32を索状体30に挿通する。以後、1つの貫通孔21に挿通する前に、ワッシャ31、ナット32、ナット32、ワッシャ31の順に索状体30に挿通する。最後の法枠20の貫通孔21を通過したら、ワッシャ31とナット32の順で索状体30に挿通する。同じことを全ての索状体30について行う。
次に、1本の索状体30に対し、法枠20の数の2倍の割ボルト33を用意する。割ボルト33は、図3(b)に示すように、軸を通る平面で全長が半割部33a,33aの2つ割りにされた中空の割ボルト33である。半割部33a,33aを重ね合わせたとき、外周に両方の半割部33a,33aを連続したテーパ状の雄ねじ33bが刻設されている。中空部の孔33cは、半割部33a,33aに形成された半円状の溝を重ねたもので、各溝の幅は索状体30が進入可能で、溝の深さは索状体30の半径より若干浅くなっている。
1つの法枠20の両側にあるワッシャ31を索状体30上で滑らせて法枠20の貫通孔21の両端まで移動する。そして、各ワッシャ31の近傍で索状体30を上下から挟むように割ボルト33で挟み、割ボルト33の太い方の端部をワッシャ31の孔を通過させ、法枠20の貫通孔21に両側から各割ボルト33の長さの半分程度まで入れる。そして割ボルト33の細い先端側からナット32を螺合する。ナット32が割ボルト33の細い端部から太い端部へ向かって進んでいくと、割ボルト33の中央の孔33cは徐々にその径が小さくなり、最初は索状体30より大きい径だったのが、索状体30の径に近づき索状体30を締め付け始める。
ナット32を軽く締めて、割ボルト33が索状体30を軽く保持したら、ナット32をハンマなどで軽く叩いてワッシャ31と法枠20に当接させる。そしてさらにナット32を回して索状体30を締め付ける。割ボルト33は、ナット32の回転に伴い索状体30上を最初のうちは滑りながら法枠20の外側に向かって移動するが、ナット32の螺合が進むと、孔33cの径は索状体30の径より小さくなるので割ボルト33による索状体30の締付力が増加し、索状体30と共に法枠20の外側に移動することになる。従って、索状体30にテンションを加えながら、ナット32は締め付けられる。法枠20の両側について同様のことをすることによって、索状体30と法枠20とを結合することができる。このとき、法枠20の一方の張力と他方の張力は等しく、法枠20には索状体30の張力方向の力が作用しないことになる。
このように索状体30にテンションを加えることで、柔軟な索状体30を用いて、法枠20の主崩落を防止することが可能になる。したがって、索状体30には常時、テンションが加わっている必要がある。
索状体30が完全な直線として貫通孔21を通過するように配索されれば、法枠20に加わる力は左右で完全にバランスする。しかし、実際には、法面の凹凸などにより若干折れ線となるので、完全な直線にならず、厳密にはバランスしない。しかし、折れ線になったとしてもその角度は小さいので、アンバランス量は特許文献3に記載のものと比べれて非常に小さいものとなる。
本発明の工法によれば、両端にある法枠20に全ての索状体30のテンションが加わることになる。しかし、両端にある法枠20だけを補強することで、対応することができる。あるいは、索状体30を両端の法枠20をも貫通させ、両端の法枠20のさらに外側にアンカー体を打ち込んで、索状体30のテンションを受けるようにしてもよい。いずれにしても、少なくとも中間の法枠20に加わる索状体30のテンションは、ほぼバランスすることになるので、法枠20は、安定した強度を保持することができる。
なお、索状体30は、本発明の保護工法を施した後、ワイヤーの伸びを始め種々の理由からテンションが緩むことがある。この伸びを放置しておくと、主崩落の防止ができなくなる。そのため、テンションをかけ直す必要がある。前記の実施例では、割りボルト33のナット32を緩めることで、割りボルト33と索状体30の結合を解除することができる。そして索状体30にテンションをかけ直した後、再度、前記と同様にして索状体30と割りボルト33とを結合させることができる。
図4は、法枠20と法枠20との間に、客土保持部材40を取り付けた例を示す側面図である。客土保持部材40は、間伐材41を5本積み重ねた板状体42と、法面に打ち込まれた杭43とから構成されている。法面と客土保持部材40とで画定される空間内に緑化基盤材や客土などが投入され、草木の培地となる。
したがって、間伐材41の長さは、客土が流出しないように、隣接する法枠20,20の間の距離とほぼ同じ長さである。杭43は、1つの板状体42に対して1本でもよいが、板状体42の両端と中央という具合に複数本打ち込んでもよい。板状体42の配置される間隔は、索状体30のピッチにもよるが、ここでは索状体30の位置と、索状体30と索状体30との中間の位置とに配置されている。
索状体30には支持手段51,52が取り付けられている。支持手段51の方は、中間の板状体42を通過してこれを支持する杭43の下部を係止し、さらに延長して、下の索状体30の上にある板状体42を支持する杭43の上部を係止している。もう一方の支持手段52は、中間の板状体42を支持する杭43の上部を係止している。これらの支持手段51,52としては、ワイヤロープや各種繊維のロープ、太い針金、細い金属棒等を使用することができる。
以上の構成によって、各板状体42は、杭43と、支持手段51,52の双方で支持されることとなり、客土の保持力を大きくすることができる。また、前記実施例では、間伐材を有効利用することができる。
なお、前記実施例では、1つの板状体42を形成するのに、5本の間伐材41を垂直に重ねたが、間伐材41の本数はこれに制限されるものではなく、たとえば、1本の間伐材41だけでもよい。また、索状体30,30間に板状体42は1つだけであったが、2以上としてもよく、0でも(設けなくても)よい。
図5は、客土保持部材40として1本の間伐材41を使用した例で、索状体30と索状体30との間に間伐材41を2本配置している。支持手段53は、図4の支持手段51,52と同じものを使用してもよい。
図6は、客土保持部材としての1本の間伐材41を、法枠20の側面に係止したループ状の支持手段54で吊り下げた例である。このような支持手段54を索状体30と索状体30との間に適当に配置している。
なお、索状体30と法面との間の隙間が、間伐材41の直径より若干小さい程度の場合には、支持手段54を用いずに、直接索状体30で間伐材41を法面に押圧することで保持することも可能である。
図7は、本発明の索状体係止用の割ボルトの他の実施例を示す図である。(a)は割ボルト締め付け前の周辺の状態を示す側面図、(b)は割ボルトの縦断面図、(c)は締め付け後の状態を示す断面図である。
割ボルト60は、一端側が中心軸aと平行な面で2つに分割された中空のボルトである。分割部60a,60aはテーパ部61となっており、外側にテーパ状の雄ねじ61aが形成されている。中空部の孔61bは、各分割部60a,60aに形成された溝を重ね合わせたものとなる。各溝の幅は索状体30が進入可能で、深さは索状体30の半径より若干浅くなっている。そして、自然状態では孔61bの径は索状体30の径より大きく、索状体30は孔61b内をスライド自在である。
テーパ部61の左側は、分割されていないストレート部62で、外側にはストレートの雄ねじ62aがあり、中空部の孔62bは索状体30の径より若干大きく、テーパ部61の孔61bより大きいので、境目には段差ができている。
引張ナット63は、ストレート部62の雄ねじ62aと螺合するナットである。締付ナット64は、テーパ状の雄ねじ61aと螺合するものである。ストレートの雄ねじ62aとテーパ状の雄ねじ61aとはねじ山形状やピッチを同一にしており、引張ナット63は、割ボルト60のテーパ側端部からもストレート側端部からも螺合可能である。締付ナット64は、引張ナット63よりやや孔径が小さく、テーパ状の雄ねじ61aの細径側からしか螺合できない。
図7(b),(c)によりこの割ボルト60の使用方法を説明する。法枠20の貫通孔21に索状体30を挿通する際に、ワッシャ31、割ボルト60、引張ナット63、締付ナット64を予め所定の位置に挿通しておく。引張ナット63をストレート部62のテーパ部61寄りの位置に螺合する。この状態では割ボルト60は索状体30上を自由にスライドできる。そこで、ストレート部62の部分をワッシャ31の孔に挿通し、引張ナット63がワッシャ31に軽く当たる状態にして、ワッシャ31を法枠20の側面に押し当てる。
締付ナット64をテーパ状の雄ねじ61aの先端から螺合させる。締付ナット64を強く締め付けると、分割部60a,60aは相互に接近し、孔61bの径が小さくなって割ボルト60は索状体30を固く保持する。この状態になったら、引張ナット63を締め付ける。引張ナット63は、索状体30にテンションを加えながらワッシャ31を法枠20に圧接させる。以上を1つの法枠20について、索状体30の固定端から遠い方を先に締め付け、次に近い方を締め付けることで、両側を締め付ける。これによって、索状体30にテンションを加えながら法枠20に結合させることができる。
図8は、割りボルト以外の結合具の例を示す断面図である。この結合具70は、法枠20の両側に対称的に配置されるものであるが、図8では法枠20の片側について説明する。結合具70は、筒状の本体部71の先端に円錐形状の拡開部72を備え、本体部71には索状体把持部73を有する構成となっている。索状体把持部73は、本体部71の外側に固定されたナット73aと、このナット73aに螺合し、先端が本体部71内にあるボルト73bと、ボルト73bの先端に取り付けられた押圧片73cと、本体部71内に固定された押圧片73dとから構成されている。貫通孔21には、金属製の中空筒22を固定している。中空筒22の両端は、法枠20の両側に突出しており、突出した部分には雄ねじ22aが刻設されている。本体部71の基端側には、リング状の突起71aがあり、この外側には、本体部71に回動自在に締付リング71bが取り付けられ、中空筒22の雄ねじ22aと螺合できるようになっている。
索状体30と法枠20との結合の仕方を説明する。索状体30を貫通孔21に挿通するとき、予め結合具70を挿通しておく。ただし、結合具70を2つ割構造にしておけば、索状体30を挿通してからでも結合具70を装着できる。結合具70の締付リング71bを、中空筒22の雄ねじ22aの中間まで螺合させる。挿通された索状体30に適当な方法でテンションを加える。ボルト73bを締め付けて押圧片73cと73dとでテンションの加わった索状体30を強力に圧接して把持する。ボルト73bは図示のものは1本であるが、2本以上を用いてもよい。次に、締付リング71bを回転して雄ねじ22aとの螺合を進行させて締付リング71bを法枠20の側面に設けたワッシャ74に圧接させる。以上によって矢印T方向のテンションを増加することができる。
以上が完了したら、法枠20の反対側の結合具70を結合する。ただし、この場合、索状体30を索状体把持部73で固く把持してから本体部71の締付リング71bを中空筒22に締め付けるとテンションが緩む方向に作用するので、締付リング71bは予め法枠20の反対側に締め付けておく。
結合具70によって法枠20と結合した索状体30は、拡開部72があるので、線a,bの範囲内で自由に揺動することができる。これによって、索状体30を完全な直線にせず、折線状に配索することが可能になる。
法面の保護工事が完了したあと、索状体30のテンションが緩むことがある。そのような場合、図8の結合具70は、ナット73aを緩めることで、索状体30との結合を解除することができる。索状体30と結合具との結合を解除すれば、索状体30に適当な方法で再度テンションを加え、再び結合具70のナット73aを締め付けて結合すればよい。
上記の割りボルト等の結合具は、単なる例である。結合具として索状体をしっかりと把持することができ、また、必要に応じて索状体の把持を解除することができるものであれば、これら以外の多様な結合具を使用することができる。
本発明による法面の保護工法がされた法面の状態を示す図である。 索状体と法枠との結合部を示す断面図である。 索状体係止用の結合具としての割ボルトの図で、(a)は結合部を一方側から見た斜視図、(b)は割ボルトの拡大斜視図である。 法枠と法枠との間に、客土保持部材を取り付けた例を示す側面図である。 客土保持部材として1本の間伐材を使用した例を示す斜視図である。 客土保持部材として1本の間伐材を使用した別の例を示す斜視図である。 索状体係止用の割ボルトの他の実施例を示す図で、(a)は割ボルト締め付け前の周辺の状態を示す側面図、(b)は割ボルトの断面図、(c)は締め付け後の状態を示す断面図である。 本発明の他の結合具を示す断面図である。
符号の説明
10 ネット
20 法枠
21 貫通孔
30 索状体
33 索状体係止用の割ボルト(結合具)
33b テーパ状の雄ねじ
40 客土保持部材
43 杭
51,52,53,54 支持手段
60 索状体係止用の割ボルト(結合具)
70 結合具

Claims (4)

  1. 法面上に貫通孔を有する複数の法枠を相互に離間してほぼ平行に構築する工程と、法枠の前記貫通孔を通り法枠と交差する方向に1以上の凡直線を引き該凡直線に沿って各法枠間に柔軟性のある索状体を配索する工程と、各索状体にテンションを加えながら前記法枠と索状体とを結合具で解除可能な状態で結合する工程と、を有することを特徴とする法面の保護工法。
  2. 前記法枠の貫通孔の近傍に、法枠を法面に固定するアンカー体を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の法面の保護工法。
  3. 前記結合具が、索状体に結合された状態でその引張方向を変更可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の法面の保護工法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の法枠を法面の高低方向に構築し、前記法枠相互間に客土保持部材を設け、該客土保持部材が、前記索状体に直接支持されたものと、前記索状体に係止された支持手段に吊り下げ支持されたものと、前記法枠に係止された支持手段に吊り下げ支持されたもののいずれか1以上からなることを特徴とする法面の保護工法。
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