JP4173698B2 - 売上金入金処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙幣の売上金入金処理装置に関するもので、特に紙幣を使途別に仕分けることを可能とすることで、パチンコ店等の遊技店での運用に好適な売上金入金処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
店舗等に設置されて、該店舗の売上金を入金する装置として、例えば、本出願人による特開平6−266963号公報に示される装置がある。
【0003】
前記公報に示される装置では、店舗の売上金の全てを受け入れて金種識別を行い、金種識別できた貨幣のうち紙幣については、金種混合にて紙幣カセットに収納し、硬貨については金種混合にて硬貨カセットに収納するようにしている。
【0004】
なお、ここで言う売上金とは、顧客が買い物をして支払った現金と、店舗が予め釣銭用として準備しておいた釣銭準備金とを合算したものを指している。
【0005】
この売上金が収納された紙幣カセットと硬貨カセットは、店舗と委託関係のある警備会社の警備員によって、カセットごと回収されることになるが、その際に警備員が店舗のために翌日分の釣銭準備金を持参する運用が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の装置は、専ら小売店のような、物を販売する流通業での店舗を対象としており、かかる店舗における運用の利便さを追求した機能となっている。
【0007】
従って、運用形態の全く異なる、例えば、パチンコ店等の遊技店で上記のような従来の装置を利用しようとすると、運用上扱い難いものとなってしまう。
【0008】
上記パチンコ店等の遊技店においては、営業開始に先立ち多量の千円札を予め用意しておく必要がある。その理由は、▲1▼遊技客が遊技のために利用する両替機に装填するためであり、▲2▼遊技に供される遊技カード販売機の釣銭とするためである。
【0009】
これらのために用意する千円札の量は、一例を示すと2700枚にも上る。このうちの大半は遊技客による遊技のために費やされて、店舗の営業終了時において台間玉貸機/台間メダル貸機内に残されることになる。
【0010】
もし、上記の従来の装置を利用したとすると、これら約2700枚の千円札も紙幣カセットに収納されて回収され、前記警備員が翌日分の千円札としてほぼ同数の2700枚を持参することになり、店舗と委託関係のある警備会社にとっては、すこぶる煩雑なものとなってしまう。
【0011】
かかる場合、遊技店側において釣銭準備金を用意できれば、警備会社から持参する必要はなくなり、防犯上も好都合である。
【0012】
本発明は上述のような事情に鑑み為されたものであり、本発明の目的は、パチンコ店等の遊技店での現金の運用に適合した機能を持たせた売上金入金処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パチンコ店等の遊技店での現金の運用に適合した機能を持たせた売上金入金処理装置に関し、本発明の上記目的は、処理すべき紙幣を一括で受け入れる紙幣受入部と、該紙幣受入部に受け入れた紙幣を1枚ずつ繰り出して搬送する繰出搬送部と、該繰出搬送部の下流側に位置し、該繰出搬送部によって搬送される紙幣の金種を識別する金種識別部と、該金種識別部の下流側に位置し、搬送される紙幣を使途別に仕分ける仕分部と、該仕分部によって仕分けられた紙幣を各々収納する複数の収納部と、使途別の金額情報を入力及び記憶可能な金額情報入力部とを有する売上金入金処理装置であって、前記金額情報入力部に入力された前記使途別の金額情報に基づいて、前記紙幣受入部で受け入れた紙幣を前記複数の収納部の何れかに仕分けするものであり、前記複数の収納部は、粗利益を収納するための粗利益収納部と店内運用金を収納するための運用金収納部とから構成されることを特徴とする売上金入金処理装置によって達成される。
【0014】
また、本発明の上記目的は、前記運用金収納部が少なくとも店内準備金用収納部と特殊景品交換代金用収納部とを含むように構成すること、若しくは、前記粗利益収納部を着脱可能な紙幣カセットで構成することによって、より効果的に達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る売上金入金処理装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の売上金入金処理装置の外観を示すものであり、同図中、1は紙幣受入部、2は金額情報入力部である。
【0017】
図2は、上記売上金入金処理装置の内部を示す断面である。同図中、1は紙幣受入部、2は金額情報入力部(この金額情報入力部は、キー入力の態様だけでなく、外部からの通信入力、都度入力でない予め記憶されている値を呼び出しての参照入力等様々な態様が考えられる)、3は繰出搬送部、4は金種識別部、5は仕分部、6は結束部、7は運用金収納部としての両替機/遊技カード販売機用釣り銭用紙幣の束収納部、8は運用金収納部としての特殊景品交換代金用紙幣のバラ収納部、9は粗利益収納部としての紙幣カセット、10は紙幣カセットと接続される一時保留部である。
【0018】
図3は、前記売上金入金処理装置の制御系を示すブロック図である。制御部11は、金種情報入力部2、金種識別部4、仕分部5、結束部6及び通信接続部13を所定の制御プログラムに従って制御するものである。また、制御部11は、演算制御を行うCPU111と、前記制御プログラムが格納されているROM112と作業メモリであるRAM113を含むものである。さらに、制御部11には記憶部12が接続されており、取り込んだ紙幣の金種、枚数、格納場所等のデータを記憶するためのものである。ここで、同図中の通信接続部13は、遊技店に設置されるホールコンピュータとオンライン接続するためのものであるが、必須のものではない。
【0019】
図4は、遊技店に設置される両替機及びその他の機器と、ホールコンピュータとのオンライン接続状況を示す図である。本図において本発明の売上金入金処理装置がホールコンピュータとオンライン接続されているように示してあるが、これは例示であり、オンライン接続は必須ではない。
【0020】
図5は、店舗で処理する紙幣についての各金種毎の構成枚数を例示したものである。
【0021】
図6は、本発明に係る売上金入金処理装置による売上金入金処理の流れを示すフローチャートである。
【0022】
図5での店内紙幣総額とは、具体的には、▲1▼両替機に存在する紙幣の額、▲2▼遊技カード販売機に存在する紙幣の額、▲3▼台間玉貸機/台間メダル貸機に存在する紙幣の額の各々を合算した額である。
【0023】
これら両替機、遊技カード販売機、台間玉貸機/台間メダル貸機の各々はホールコンピュータに通信接続されていて、各々の金額情報がホールコンピュータに吸い上げられているので、店内紙幣総額とその金種明細をホールコンピュータから得ることができる。
【0024】
店内準備金とは、翌日の営業のために確保するものであって、具体的には両替機及び遊技カード販売機に装填するもので、千円札のみで構成される。
【0025】
特殊景品交換代金とは、特殊景品買い取り業者から特殊景品を購入するための代金であって、万円札、五千円札、千円札の3金種で用意される。
【0026】
この特殊景品は、遊技客が遊技によって獲得した玉数、メダル数に応じて、遊技客へ供与されるものである。供与を受けた遊技客は、特殊景品買い取り業者のところへ出向き、特殊景品を買い取ってもらって現金を手にすることになる。
【0027】
粗利益とは、店内紙幣総額から店内準備金と特殊景品交換代金とを差し引いた残りである。
【0028】
以下、遊技店での営業終了時において、店内に存在する紙幣の総額が図5に示すものであったときを例にとり、本発明に係る売上金入金処理装置による入金処理について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
まず、金額情報入力部2にて、店内準備金として千円札2700枚、及び、特殊景品交換代金として、万円札975枚/五千円札250枚/千円札300枚と入力する(ステップS1)。
【0030】
ここで、もし、売上金入金処理装置が図4に示すようにホールコンピュータにオンライン接続されているのであれば、上記入力に代えて、ホールコンピュータから直に情報を得てもよい。
【0031】
次に、両替機、遊技カード販売機、台間玉貸機/台間メダル貸機から回収した紙幣を一括で、紙幣受入部に投入する(ステップS2)。以上の操作が完了後にスタートボタンを押下する(ステップS3)。スタートボタン押下に伴い処理が開始されて、最下層の紙幣から順に繰り出され、金種識別部を通って金種が判別され、使途別の仕分けが行われる(ステップS4)。
金種判定の結果、千円札である場合は、結束部6に送られて、計数値が記憶部12に記憶される(ステップS5)。このようにして100枚に達すると繰出搬送が停止され、結束された上で束収納部7に送られるとともに、結束部にある千円札の枚数値もリセットされる(ステップS6)。このように、千円札については、束収納部7に27束溜まるまで結束処理が行われることになる。
【0032】
一方、金種判定の結果が千円札以外(五千円札若しくは万円札)であった場合は、バラ収納部8に送られ、金種と計数値が記憶される(ステップS7)。
【0033】
また、束収納部7にある千円札の束が27束になった以降の千円札は、バラ収納部8へ送られ、金種と計数値が記憶される(ステップS8)。
【0034】
このようにして、バラ収納部8にある各金種ごとの枚数が、最初に入力した特殊景品交換代金用の枚数(万円札=975枚、五千円札=250枚、千円札=300枚)に達すると、それ以降の各紙幣は紙幣カセット9(一時保留部10でも可)に送られ、金種と計数値が記憶される(ステップS9)。この処理は、紙幣受入部1に紙幣がなくなるまで繰り返される。最終的に紙幣カセット9に残った分が、その日の営業における粗利益となる。
【0035】
なお、紙幣受入部1に投入される紙幣は、金種の順番がランダムとなることが予想されるので、必ずしも店内準備金、特殊景品交換代金、粗利益の順で進むわけではない。
【0036】
紙幣カセット9は、店舗と委託関係のある外部の警備会社の警備員が扱う運用とされるので、責任分担を明確化するために、いきなり紙幣カセット9に送るのではなく、紙幣カセット9の上方に位置する一時保留部10に一旦送り、ホールコンピュータから得た粗利益の額(図5の表の最下段の数値)と該装置による処理金額(一時保留部にある金額を意味し、数値は記憶部12に記憶されている。)とを照合し、合致を確認後に、一時保留部10から紙幣カセット9に移すような運用にしてもよい。
【0037】
このようにして、遊技店にある全ての紙幣に対し、一回の処理にて、店舗に残しておいて運用したいものと、余剰分である粗利益とを仕分けることができることになる。
【0038】
【発明の効果】
遊技店舗内に存在する全ての紙幣を一括で紙幣受入部に受け入れて、店内準備金、特殊景品交換代金を各々入力するだけで、紙幣が各使途別に仕分けられる。
【0039】
ここで、使途別とは、管理責任別をも包含する。
【0040】
即ち、一回の処理にて管理責任別の仕分けを完了させることができ、結果として余剰金(粗利益)は警備員に持ち帰ってもらい、必要分を店舗に残すことができる。従って店舗側にとっては極めて使い勝手がよいものになる。
【0041】
又、店舗で翌日に必要な紙幣が収納される収納部(運用金収納部)については店舗側係員が扱え、粗利益が収納される紙幣カセットについては店舗と委託関 係のある警備会社の警備員のみが扱えるようにしている。
【0042】
このような機能としたことにより、警備会社は店舗のための釣り銭準備金の準備/持参が不要となり、煩雑さから解放されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る売上金入金処理装置の外観を示す図である。
【図2】本発明に係る売上金入金処理装置の内部を示す断面である。
【図3】本発明に係る売上金入金処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】遊技店に設置される両替機及びその他の機器と、ホールコンピュータとのオンライン接続状況を示す図である。
【図5】店舗で処理する紙幣についての各金種毎の構成枚数を例示した図である。
【図6】本発明に係る売上金入金処理装置による売上金入金処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【符号の説明】
1 紙幣受入部
2 金額情報入力部
3 繰出搬送部
4 金種識別部
5 仕分部
6 結束部
7 束収納部
8 バラ収納部
9 紙幣カセット
10 一時保留部
11 制御部
12 記憶部
13 通信接続部

Claims (3)

  1. 処理すべき紙幣を一括で受け入れる紙幣受入部と、
    該紙幣受入部に受け入れた紙幣を1枚ずつ繰り出して搬送する繰出搬送部と、
    該繰出搬送部の下流側に位置し、該繰出搬送部によって搬送される紙幣の金種を識別する金種識別部と、
    該金種識別部の下流側に位置し、搬送される紙幣を使途別に仕分ける仕分部と、
    該仕分部によって仕分けられた紙幣を各々収納する複数の収納部と、
    使途別の金額情報を入力及び記憶可能な金額情報入力部と、
    を有する売上金入金処理装置であって、
    前記金額情報入力部に入力された前記使途別の金額情報に基づいて、前記紙幣受入部で受け入れた紙幣を前記複数の収納部の何れかに仕分けするものであり、
    前記複数の収納部は、粗利益を収納するための粗利益収納部と店内運用金を収納するための運用金収納部とから構成されることを特徴とする売上金入金処理装置。
  2. 前記運用金収納部は、少なくとも店内準備金用収納部と、特殊景品交換代金用収納部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の売上金入金処理装置。
  3. 前記粗利益収納部が、着脱可能な紙幣カセットで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の売上金入金処理装置。
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