JP4170417B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機の動力をステアリング系に直接作用させてドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に係り、特にドライバの好みに応じて操舵特性を設定できる電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライバのハンドル操作に対する操舵補助力は、男女、年令、運転の経験等によって異なる特性が要求されてきている。
このような要求の一部に対応し、例えば操舵特性に通常のノーマルモードとスポーツモードを備え、ドライバの好みに応じてモードを切り替えて操舵特性を変更するようにした電動パワーステアリング装置は知られている。
【0003】
このような従来の電動パワーステアリング装置は、特開昭59−100059号公報に開示されているように、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段、この操舵トルク検出手段が検出した出力信号に応じて電動機を付勢制御する制御手段、制御手段の入力信号レベルと電動機付勢量の関係を設定するために運転中のドライバの手が届く位置に配置されたサーボ比設定手段を備え、このサーボ比設定手段のサーボ比をドライバが設定することによってドライバの好みの操舵特性が得られる。
【0004】
このサーボ比設定手段は、トルク信号入力端と操舵トルク検出手段の出力との間に接続された増幅器の増幅度もしくは減衰器の減衰量を設定することにより、制御手段の入力信号レベルと電動機付勢量との関係を変更し、操舵特性を変更するよう構成されている。
【0005】
また、サーボ比の設定は車両が走行中の運転状態でも設定できるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置は、ドライバの好みに応じて運転中でも操舵特性を変更することができるが、同じ操舵トルクでハンドルを操作しても、サーボ比によって電動機付勢量が異なるため、操舵中にサーボ比を変更すると操舵特性が変化するので、ドライバの操舵に違和感が生じて操舵フィーリングが低下する課題がある。
【0007】
特に、高車速領域で操舵特性が異なる場合には、操舵フィーリングが大きく低下するとともに、車両挙動に大きな影響を及ぼす課題がある。
【0008】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は車両が走行中に操舵特性を変更しても、操舵フィーリングおよび車両挙動が変化しない電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系に操舵補助力を付加する電動機と、ステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセンサが検出した操舵トルク信号に対応した目標電流信号を決定する制御手段と、この制御手段から出力される電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆動する駆動手段とからなり、制御手段は目標電流信号特性が異なる複数のモード発生手段を備え、複数のモード発生手段を切り替える切替手段を備えた電動パワーステアリング装置において、モード発生手段は、車速信号をパラメータとして目標電流信号を算出し、切替手段は、モード設定手段からのモード設定信号に基づいて操舵トルクセンサが不感帯領域の状態でモード発生手段の切り替えを可能とし、不感帯状態は切替手段から出力される目標電流信号が0のときであることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る電動パワーステアリング装置の制御手段は、モード設定手段からのモード設定信号に基づいて操舵トルクセンサが不感帯領域の状態で制御モード手段を切り替え可能とする切替手段を備えたので、低・中・高車速の操舵特性が発生しない状態で操舵特性の切替えを実行することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明は、操舵特性のモード切替えを、操舵特性が発生しない操舵トルクセンサの不感帯領域で行なうことによって、車両の低・中・高速度領域の操舵フィーリングおよび車両挙動に変化を及ぼさないものである。
【0012】
図1はこの発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
図1おいて、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2、ステアリング軸3、ハイポイドギア4、ピニオン5aおよびラック軸5bなどからなるラック&ピニオン機構5、タイロッド6、操向車輪の前輪7、操舵補助力を発生する電動機8を備える。
【0013】
また、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2に作用する操舵トルクを検出し、操舵トルクに対応した電気信号に変換された操舵トルク信号Tを出力する操舵トルクセンサ10、車両速度(車速)を検出し、車両速度に対応した電気信号に変換された車速信号Vを出力する車速センサ11、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいて電動機8を駆動するための目標電流信号を設定し、この目標電流信号に対応した電動機制御信号VOを発生する制御手段12、電動機制御信号VOに基づいた電動機電圧VMで電動機8をPWM(パルス幅変調)駆動する電動機駆動手段13、電動機8の正回転および逆回転に対応した電動機電流IMを検出して電動機電流検出信号IMOに変換する電動機電流検出手段14を備える。
【0014】
さらに、電動パワーステアリング装置1は、例えば運転席の近傍に配置したモード設定手段15を備え、モード設定信号Mに基づいて制御手段12に設定された複数の目標電流信号の特性を有する制御モードの設定を行なう。
【0015】
なお、モード設定手段15は、AT車のシフトレバーに連動させてもよく、自動変速装置の変速条件に対応させてもよい。
また、モード設定手段15は、例えば路面とタイヤ間の摩擦係数μとし、摩擦係数μに応じて自動的に制御モードを切替えるように構成してもよい。
【0016】
ドライバがステアリングホイール2を操舵すると、ステアリング軸3に設けられた操舵トルクセンサ10が操舵トルクを検出し、電気信号に変換した操舵トルク信号Tを電動機制御手段12に供給する。
【0017】
また、ステアリング軸3に加えられる操舵トルクは、ラック&ピニオン機構5を介してピニオン5aの回転力がラック軸5bの軸方向の直線運動に変換され、タイロッド6を介して前輪7の操向を変化させる。
【0018】
制御手段12は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、メモリ等で構成し、少なくとも操舵トルク信号Tに対応した目標電流信号特性が異なる複数の制御モード手段を備え、モード設定手段15から供給されるモード設定信号Mに基づいて操舵トルクセンサ10が不感帯領域の状態に、該当する目標電流信号特性の制御モード手段を選択し、この目標電流信号に対応した電動機制御信号VOを発生して電動機駆動手段13を介して電動機8を電動機電圧VMで駆動する。
なお、選択された制御モード手段は図示しない表示手段に可視的または可聴的に表示してドライバに通知する。
【0019】
電動機駆動手段13は、例えば4個のスイッチング素子(パワーFET等)で構成し、電動機制御信号VO(PWM信号)に対応した電動機電圧VMを発生し、操舵トルクTの絶対値と方向に対応した双方向の電動機電流IMで電動機8を駆動する。
【0020】
電動機8が発生する電動機トルクは、ハイポイドギア4を介して倍力された操舵補助力(アシストトルク)に変換され、ステアリング軸3に作用する。
【0021】
電動機電流検出手段14は、電動機8に実際に流れる電動機電流IMを抵抗やホール素子などで電圧に変換し、変換した電圧を対応する電動機電流検出信号IMOに変換して制御手段12に供給し、目標電流信号にフィードバック(負帰還)する。
【0022】
図2はこの発明に係る電動パワーステアリング装置の要部ブロック構成図である。
図2において、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクセンサ10、車速センサ11、制御手段12、電動機駆動手段13、電動機8、電動機電流検出手段14、表示手段18を備える。
【0023】
また、電動パワーステアリング装置1は、車室内の運転席の近傍に配置されたモード設定手段15を備え、ドライバが手動で設定した操舵特性の制御モードに対応したモード設定信号Mを制御手段12に供給する。
【0024】
制御手段12は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、メモリ等で構成し、複数のモード発生手段からなる制御モード手段21、切替手段25、偏差演算手段26、駆動制御手段27を備える。
【0025】
制御モード手段21は、ROM等のメモリで構成し、モードX発生手段22、モードY発生手段23、モードZ発生手段24を備え、操舵トルクセンサ10が検出した操舵トルク信号Tおよび車速センサ11が検出した車速信号Vに基づいて対応した目標電流信号IMX、IMY、IMZを切替手段25に提供する。
【0026】
モードX発生手段22は、予め実験値や経験値から車速信号Vをパラメータとした操舵トルク信号Tに対応した目標電流信号IMXを設定しておき、操舵トルクセンサ10および車速センサ11からそれぞれ操舵トルク信号Tおよび車速信号Vが供給されると、対応した目標電流信号IMXを切替手段25に提供する。
【0027】
モードY発生手段23およびモードZ発生手段24もモードX発生手段22と同様に、車速信号Vをパラメータとした操舵トルク信号Tに対応したそれぞれ目標電流信号IMY、IMZを設定しておき、操舵トルクセンサ10および車速センサ11からそれぞれ操舵トルク信号Tおよび車速信号Vが供給されると、それぞれ対応した目標電流信号IMY、IMZを切替手段25に提供する。
【0028】
なお、モードX発生手段22は、操舵トルク信号に対して大きな操舵補助力が必要とされる場合、つまり小さな操舵力のハンドル操作で大きな操舵補助力が得られる、例えば初級ドライバ、女性または老人用のものである。
【0029】
また、モードY発生手段23は、同じ操舵力に対してモードX発生手段22よりも小さな操舵補助力が得られる、例えば従来のノーマルモードの操舵に対応するものである。
【0030】
さらに、モードZ発生手段24は、モードY発生手段23よりも小さな操舵補助力が得られる、例えば従来のスポーツモードの操舵に対応するものである。
【0031】
切替手段25は、論理演算手段、ラッチ手段、スイッチ手段を備え、モード設定手段15から供給されるモード設定信号Mに基づいて操舵トルクセンサ10から供給される操舵トルク信号Tが不感帯領域にある場合、つまり操舵トルク信号Tに対してモードX発生手段22、モードY発生手段23またはモードZ発生手段24のそれぞれから供給される目標電流信号IMX、IMY、IMZが0の場合(切替手段25の出力IMS=0)、制御モード手段21のモードをモード設定手段15で設定されたモードに設定する。
【0032】
上記条件以外の場合、例えばモード設定手段15からモード設定信号Mが出力されていない場合、またはモード設定信号Mが出力されていても切替手段25から出力される目標電流信号IMSが0でない場合(IMS≠0)には、モードの切替えを禁止する。
【0033】
図3はこの発明に係る切替手段の一実施の形態要部ブロック構成図である。
図3において、切替手段25は、論理演算手段25A、ラッチ手段25B、スイッチ手段25Cを備える。
【0034】
論理演算手段25Aは、例えば比較機能、排他論理和機能、論理積機能を備え、スイッチ手段25から供給される0(Lレベル)の目標電流信号IMS(操舵トルクセンサの不感帯領域に相当)と、予めHレベルに設定した入力との排他論理和を演算し、続いて排他論理和機能の出力(Hレベル)とモード設定信号Mとの論理積を演算することによりモード設定信号Mを通過させて論理信号MOを出力することができる。
【0035】
なお、論理演算手段25Aは、目標電流信号IMSが0の場合にはLレベル、目標電流信号IMSが0以外の有限値の場合にはHレベルで検出できるよう比較機能で設定する。
【0036】
排他論理和機能は、目標電流信号IMSがHレベルの場合には常にLレベルを出力するため、この排他論理和出力(Lレベル)とモード設定信号Mとの論理積は常にLレベルとなり、論理演算手段25Aからの論理信号MOはLレベルとなってモード設定信号Mを禁止する。
【0037】
なお、モード設定信号Mは、例えばモードに対応した2進化符号のパルス、またはモードに対応したパルス幅の信号で形成し、目標電流信号IMSが0(Lレベル)でモード設定信号Mが出力された場合には、論理演算手段25Aからの論理信号MOはモード設定信号Mと同一の2進化符号のパルス、パルス幅の信号となる。
【0038】
ラッチ手段25Bは、RAM等の書き換え可能なメモリ、ラッチ機能、デコーダで構成し、論理演算手段25Aから供給される最新の論理信号MOを記憶して保持し、論理信号MOをスイッチ駆動信号COに変換してスイッチ手段25Cに供給する。
【0039】
スイッチ手段25Cは、電子スイッチで構成し、ラッチ手段25Bから供給されるスイッチ駆動信号COに対応してスイッチを動作し、モードX発生手段22、モードY発生手段23またはモードZ発生手段24のそれぞれから供給される目標電流信号IMX、IMY、IMZのいずれかを選択し、目標電流信号IMSとして出力する。
【0040】
このように、スイッチ手段25は、操舵トルクセンサ10が不感帯領域(目標電流信号IMS=0)の状態にあって、モード設定手段15から制御モードが設定された場合には、操舵特性を設定されたモードに切り替えることができる。
【0041】
図4はモード設定手段の車室内への配置の一例を示す。
図4において、モード設定手段15は、例えば押しボタンスイッチで構成し、図2に示す制御モード手段21を構成するモードX〜Z発生手段22〜24に対応する数の操作キーを備える。
【0042】
モード設定手段15は、車室内の運転席近傍とし、ドライバが運転しながら操作可能な操作パネル面、ハンドル表面部、またはAT車ならば自動変速機16のシフトレバー17等の操作性の良い場所に配置する。
【0043】
図5はこの発明に係る制御モード手段の低車速領域(VL)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図である。
図5において、操舵トルク信号Tが0から小さな値までは、操舵トルク信号Tが増加しても目標電流信号IMSが0の値を保つ不感帯領域が存在する。
【0044】
操舵トルク信号Tが不感帯領域を超えて増加すると、操舵トルク信号Tに対応して、例えば目標電流信号IMSもリニアに増加した後、操舵トルク信号Tの増加に対して一定値の目標電流信号IMSを有する飽和領域が存在する。
【0045】
図5のように、低車速領域(VL)では、モードX発生手段22→モードY発生手段23→モードZ発生手段24の順で、同じに操舵トルク信号Tに対して大きな順の目標電流信号IMX(実線表示)→IMY(破線表示)→IMZ(一点鎖線表示)発生する。
【0046】
ドライバは、操舵トルクセンサ10の不感帯領域(目標電流IMS=0)で、モード設定手段15を操作してモードX発生手段22、モードY発生手段23、モードZ発生手段24を自由に選択することができ、ドライバの運転に適した目標電流信号IMX、IMYまたはIMZを設定することができる。
【0047】
このように、操舵補助力が発生しない不感帯領域で操舵特性のモードを切り替えるので、車両が走行中でもドライバの操舵フィーリングまたは車両挙動に影響を及ぼすことがない。
【0048】
図6はこの発明に係る制御モード手段の中車速領域(VM)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図である。
図6において、中車速領域(VM)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性は、目標電流信号IMX、IMYおよびIMZは、図5の低車速領域(VL)と同様な傾向を有する。
【0049】
図5の特性図との違いは、操舵トルク信号(T)に対する目標電流信号IMX、IMYおよびIMZの増加が小さく、飽和の値(IMX、IMY、IMZ)が小さい値に制限されることである。
【0050】
このように、中車速領域(VM)の目標電流信号(IMX、IMY、IMZ)を低車速領域(VL)の目標電流信号(IMX、IMY、IMZ)よりも小さく設定し、車速が増加するにつれてハンドル操作の操舵力が重くなるよう設定する。
【0051】
図7はこの発明に係る制御モード手段の高車速領域(VH)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図である。
図7において、高車速領域(VH)では、操舵トルク信号(T)に対する目標電流信号(IMS)特性がモードX発生手段22、モードY発生手段23、モードZ発生手段24に関係なく、全ての目標電流信号(IMX、IMY、IMZ)が実質的に同じ値になるよう設定する。
【0052】
図2において、偏差演算手段26は、減算器、ソフト制御の減算機能を備え、切替手段25から供給される目標電流信号IMS(IMX、IMY、IMZ)と、電動機電流検出手段14が検出した電動機電流IMに対応した電動機電流検出信号IMOとの偏差ΔI(=IMS−IMO)を演算し、偏差信号ΔIを駆動制御手段27に供給する。
【0053】
駆動制御手段27は、偏差演算手段26から供給される偏差信号ΔI(=IMS−IMO)に比例(P)、積分(I)および微分(D)の演算、処理を行うPIDコントローラ、このPIDコントローラからの信号に基づいて電動機8の発生トルクの方向と大きさを制御するためにオン信号やPWM(パルス幅変調)信号の混成信号である電動機制御信号VOを発生する信号発生器などを備え、電動機制御信号VOを電動機駆動手段13に供給する。
【0054】
電動機駆動手段13は、例えば4個のパワーFET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子からなるブリッジ回路で構成し、オン信号やPWM(パルス幅変調)信号の電動機制御信号VOよって駆動制御され、駆動方向と大きさを有する電動機電圧VMを供給して電動機8を駆動する。
【0055】
電動機8は、例えば直流電動機やブラシレス・モータ等を用い、電動機駆動手段13から供給される駆動方向と大きさを有するPWMの電動機電圧VMで駆動され、電動機電圧VMに対応した動力を発生し、電動機トルクを操舵補助力としてステアリング系に作用する。
【0056】
電動機電流検出手段14は、例えばホール素子を用いた電流センサ、電流を電圧として検出する抵抗器を用いた検出器等で構成し、電動機8に流れる電動機電流IMを検出し、ディジタル信号に変換した電動機電流検出電流IMOを偏差決定手段26にフィードバック(NFB:負帰還)する。
【0057】
また、電動機電流検出手段14は、偏差演算手段26、駆動制御手段27および電動機駆動手段13とともに負帰還のフィードバックループを形成するので、偏差信号ΔI(=IMS−IMO)を速やかに0(IMS=IMO)とし、電動機電流IMが目標電流信号IMSとなるよう制御する。
【0058】
表示手段18は、液晶等の可視表示器または音声合成等の可聴表示器で構成し、制御手段12から供給される表示信号HSに基づいて制御モードの現在の状態を可視表示または音声でドライバに通知する。
【0059】
図8はこの発明に係る電動パワーステアリング装置の3つのモードに対応した車速−ステアリング操舵力の特性図である。
図8において、車速が0近傍の据え切り操舵力は、モードX、YおよびZともに重くなっており、モードZ→モードY→モードXの順に軽くなっている。
【0060】
低車速領域で車速が次第に増加すると路面の反力も小さくなり、ステアリング操舵力は、図5に示す特性が支配的となってモードX(目標電流信号IMXに対応)が最も軽く、次にモードY(目標電流信号IMYに対応)が軽く、続いてモードZ(目標電流信号IMZに対応)の順になる。
【0061】
中車速領域において、ステアリング操舵力は、図6に示す特性が支配的となってモードX、モードY、モードZの順に軽いが、車速応動の制動が作用して軽さの絶対値は低車速領域に較べて減少する。
【0062】
高車速領域において、ステアリング操舵力は、図7に示す特性が支配的となって大きな車速応動の制動が作用し、モードX、モードYおよびモードZが実質的に同一となる。
【0063】
図8から明らかなように、低車速領域および中車速領域では、モードX、モードY、モードZに対応してステアリング操舵力が異なるので、ドライバは自分の好みまたは癖に応じて操舵トルクセンサ10の不感帯領域(IMS=0)でモードを選定し、最適な操舵特性を得ることができる。
【0064】
また、高車速領域では、モードX、YおよびZに拘らずステアリング操舵力は実質的に変化しないため、高車速領域ではどのモードを選定しても操舵特性は等しくなって操舵フィーリングも変化しない。
【0065】
さらに、高車速領域では、ステアリング操舵力は実質的に変化しないため、どのモードを選定しても車両挙動も変化しない。
【0066】
低車速領域、中車速領域または高車速領域のいずれの車速で走行中であっても、図8のステアリング操舵力が0の場合に、操舵特性(モード)を設定することができるので、一度モードを設定すると、再度モード設定を行うまでは図8のモードX、モードYまたはモードZのいずれかで、ドライバは自分の好に会った操舵特性で操舵フィーリングがよく、車両挙動性に優れた運転を行うことができる.
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る電動パワーステアリング装置は、制御手段に、モード設定手段からのモード設定信号に基づいて操舵トルクセンサが不感帯領域の状態で制御モード手段を切り替え可能とする切替手段を備え、低・中・高車速の操舵特性が発生しない状態で操舵特性の切替えを実行するので、車両が走行中でも操舵フィーリングおよび車両挙動性に優れた、ドライバの好みの操舵特性で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図
【図2】この発明に係る電動パワーステアリング装置の要部ブロック構成図
【図3】この発明に係る切替手段の一実施の形態要部ブロック構成図
【図4】モード設定手段の車室内への配置の一例
【図5】この発明に係る制御モード手段の低車速領域(VL)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図
【図6】この発明に係る制御モード手段の中車速領域(VM)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図
【図7】この発明に係る制御モード手段の高車速領域(VH)の操舵トルク信号(T)−目標電流信号(IMS)特性図
【図8】この発明に係る電動パワーステアリング装置の3つのモードに対応した車速−ステアリング操舵力の特性図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール、3…ステアリング軸、4…ハイポイドギア、5…ラック&ピニオン機構、5a…ピニオン、5b…ラック軸、6…タイロッド、7…前輪、8…電動機、10…操舵トルクセンサ、11…車速センサ、12…制御手段、13…電動機駆動手段、14…電動機電流検出手段、15…モード設定手段、18…表示手段、21…制御モード手段、22…モードX発生手段、23…モードY発生手段、24…モードZ発生手段、25…切替手段、25A…論理演算手段、25B…ラッチ手段、25C…スイッチ手段、26…偏差演算手段、27…駆動制御手段、CO…スイッチ駆動信号、IM…電動機電流、IMO…電動機電流検出信号、IMS,IMX,IMY,IMZ…目標電流信号、ΔI(=IMS−IMO)…偏差信号、M…モード設定信号、MO…論理信号、T…操舵トルク信号、V,VL,VM,VH…車速信号、VM…電動機電圧、VO…電動機制御信号。
Claims (1)
- ステアリング系に操舵補助力を付加する電動機と、ステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセンサが検出した操舵トルク信号に対応した目標電流信号を決定する制御手段と、この制御手段から出力される電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆動する駆動手段とからなり、前記制御手段は目標電流信号特性が異なる複数のモード発生手段を備え、前記複数のモード発生手段を切り替える切替手段を備えた電動パワーステアリング装置において、
前記モード発生手段は、車速信号をパラメータとして目標電流信号を算出し、
前記切替手段は、モード設定手段からのモード設定信号に基づいて前記操舵トルクセンサが不感帯領域の状態で前記モード発生手段の切り替えを可能とし、前記不感帯状態は前記切替手段から出力される目標電流信号が0のときであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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