JP4168989B2 - 電子線露光用電子源 - Google Patents

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本発明は、電子線露光装置などに用いる電子線露光用電子源に関するものである。
従来の電子線露光装置では電子線露光用電子源として点電子源が用いられているので、スループットが低いという問題があった。これに対して、解像度が高く焦点深度が広いという電子線露光の特徴を維持したままスループットを向上させることを目的として、電子線露光用電子源としてMIM(Metal−Insulator−Metal)型の面電子源から真空中に放出される電子線を電子レンズにより集束してウェハ表面の電子線レジスト層に照射するようにした電子線露光装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−177020号公報
ところで、上記特許文献1に開示された電子線露光装置では、点電子源を用いる場合に比べてスループットを向上させることができるが、実用レベルにおいて高い解像度を得ることができない、焦点深度が狭いという問題があり、電子線露光用電子源の電子放出角をより狭くすることが要求されている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができる電子線露光用電子源を提供することにある。
請求項1の発明は、表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子線を放出する面電子源部と、面電子源部の電子を収束する収束電極とが同一の素子形成基板に設けられてなり、面電子源部は、電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型の電子源からなり、収束電極は、面電子源部内を移動する電子を収束可能な位置に設けられるものであり、電子通過層よりも表面電極側で表面電極の側方に設けられ面電子源部における電子放出領域を規定する開口部が形成された絶縁層に埋設されてなることを特徴とする。
この発明によれば、面電子源部と同一の素子形成基板に設けられた収束電極によって電子が収束されるので、面電子源部から放出される電子の進行方向が表面電極の法線方向に揃いやすくなり、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができる。また、この発明によれば、面電子源部が弾道電子面放出型の電子源からなるので、面電子源部としてMIM型の電子源を採用する場合に比べて面電子源部の大面積化が容易となり、電子線レジスト層に対する露光領域の大面積化を図れるから、スループットを向上させることが可能となるという利点や、大面積のデバイスの製造時に当該デバイスに対する転写パターンの露光を1度で行えるように転写パターンを形成することにより処理時間の短縮およびパターン精度の向上を図ることも可能となるという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出角が小さいとともに電子放出特性の再現性が良いので、露光特性が安定するという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出特性の真空度依存性が小さいので、電子線露光装置をより低真空で使用することが可能となり、電子線露光装置の低コスト化を図ることができるとともに、取り扱いやメンテナンスが容易になる。
また、請求項1の発明では、収束電極は、面電子源部内を移動する電子を収束可能な位置に設けられているので、面電子源部内を移動する電子を収束電極によって収束することができる。
また、請求項1の発明では、収束電極は、電子通過層よりも表面電極側で表面電極の側方に設けられ面電子源部における電子放出領域を規定する開口部が形成された絶縁層に埋設されているので、電子通過層の厚み方向において表面電極側で電子を収束することができる。
請求項の発明は、表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子線を放出する面電子源部と、面電子源部の電子を収束する収束電極とが同一の素子形成基板に設けられてなり、収束電極は、面電子源部内を移動する電子を収束可能な位置に設けられるものであり、電子通過層内に設けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、面電子源部と同一の素子形成基板に設けられた収束電極によって電子が収束されるので、面電子源部から放出される電子の進行方向が表面電極の法線方向に揃いやすくなり、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができる。また、この発明によれば、電子通過層を通過する電子を収束電極によって収束することができる
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記面電子源部は、前記電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型の電子源からなることを特徴とする。
この発明によれば、前記面電子源部としてMIM型の電子源を採用する場合に比べて面電子源部の大面積化が容易となり、電子線レジスト層に対する露光領域の大面積化を図れるから、スループットを向上させることが可能となるという利点や、大面積のデバイスの製造時に当該デバイスに対する転写パターンの露光を1度で行えるように転写パターンを形成することにより処理時間の短縮およびパターン精度の向上を図ることも可能となるという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出角が小さいとともに電子放出特性の再現性が良いので、露光特性が安定するという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出特性の真空度依存性が小さいので、電子線露光装置をより低真空で使用することが可能となり、電子線露光装置の低コスト化を図ることができるとともに、取り扱いやメンテナンスが容易になる。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記収束電極から前記電子通過層の厚み方向に離間して設けられ前記面電子源部の電子を収束する別の収束電極を少なくとも1つ有することを特徴とする。
この発明によれば、前記面電子源部から放出される電子の進行方向が前記表面電極の法線方向により揃いやすくなる。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、前記表面電極の平面形状が電子線レジスト層への転写パターンを規定する形状に形成され、前記収束電極の平面形状が前記表面電極に対応する形状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記表面電極の平面形状によって転写パターンを規定することができ且つ前記収束電極によって電子を収束することができる。
請求項1の発明では、面電子源部と同一の素子形成基板に設けられた収束電極によって電子が収束されるので、面電子源部から放出される電子の進行方向が表面電極の法線方向に揃いやすくなり、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の電子線露光用電子源1は、図1(a)に示すように、表面電極7を通して電子線を放出する面電子源部10と、面電子源部10の電子を収束する収束電極8とが、同一の素子形成基板11に設けられている。ここに、素子形成基板11としては、絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)を用いる。
面電子源部10は、下部電極12と、下部電極12上に形成されたノンドープの多結晶シリコン層3と、ノンドープの多結晶シリコン層3の一部に後述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロセスを施すことにより形成された強電界ドリフト層6と、強電界ドリフト層6上に形成された単層構造ないし多層構造の金属薄膜からなる表面電極7とで構成されており、強電界ドリフト層6上と後述の素子分離層3b上とに跨って形成された絶縁層9の開口部を通して表面電極7が強電界ドリフト層6上に形成されている。したがって、面電子源部10における電子放出領域は絶縁層9の開口部により規定されることとなる。ここに、表面電極7の厚さは10nm〜15nm程度に設定されている。なお、本実施形態では、強電界ドリフト層6と、上記多結晶シリコン層3のうち強電界ドリフト層6と下部電極12との間に介在する部分からなるノンドープ半導体層3aとで電子が通過する電子通過層を構成し、上記多結晶シリコン層3のうち電子通過層以外の部分が素子分離層3bを構成しているが、下部電極12と強電界ドリフト層6との間にノンドープ半導体層3aを設けずに強電界ドリフト層6のみで電子通過層を構成してもよい。また、下部電極12は、絶縁性基板からなる素子形成基板11の一表面側に形成した導電性層(例えば、金属層、高不純物濃度の多結晶シリコン層など)により構成しているが、半導体基板(例えば、n形シリコン基板など)と半導体基板の裏面に形成したオーミック電極とにより下部電極12を構成してもよく、この場合には、半導体基板が素子形成基板11を構成する。
面電子源部10の強電界ドリフト層6は、上述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロセスを行うことにより形成されており、図1(b)に示すように、少なくとも、下部電極12の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜である多数のシリコン酸化膜(絶縁膜)64とから構成されると考えられる。ここに、各グレイン51は、下部電極12の厚み方向に延びている。
上述の面電子源部10から電子を放出させるには、図2に示すように、表面電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極12との間に駆動電源Vpsから駆動電圧を印加すれば、下部電極12から強電界ドリフト層6へ注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図1(b),図2中の上向きの矢印は表面電極7を通して放出される電子eの流れを示す)。ここに、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。なお、本実施形態における面電子源部10では、上記駆動電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができ、駆動電圧が大きいほど放出電子電流(エミッション電流)が大きくなる。
本実施形態における面電子源部10の構成は弾道電子面放出型の電子源として周知であり、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極7と下部電極12との間に表面電極7を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極12から強電界ドリフト層6へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層6に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層6におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図1(b)中の矢印の向き(図1(b)における上向き)へドリフトし、表面電極7をトンネルし放出される。しかして、強電界ドリフト層6では下部電極12から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極7を通して放出され(弾道型電子放出現象)、強電界ドリフト層6で発生した熱がグレイン51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。また、本実施形態における面電子源部10では、従来のMIM型の電子源に比べて、大面積化が容易であるという利点や、電子放出特性の真空度依存性が小さいという利点や、電子放出角が小さい(電子の直進性が優れている)という利点を有している。
また、面電子源部10では、図2に示すように、表面電極7に対向配置されるコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に加速用電源Vcから加速電圧を印加すれば、面電子源部10から放出された電子がコレクタ電極21へ向かって加速される。なお、表面電極7と下部電極12との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率が大きいほど電子放出効率が高くなる。
以下、強電界ドリフト層6の形成方法の一例について説明する。
強電界ドリフト層6の形成にあたっては、まず、下部電極12上に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの多結晶シリコン層3を例えばLPCVD法などにより形成した後、当該多結晶シリコン層3のうち強電界ドリフト層6の形成予定領域に対して上述のナノ結晶化プロセスを行うことにより、多結晶シリコンの多数のグレイン51(図1(b)参照)と多数のシリコン微結晶63(図1(b)参照)とが混在する複合ナノ結晶層(以下、第1の複合ナノ結晶層と称す)を形成する。ここにおいて、ナノ結晶化プロセスでは、例えば、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において多結晶シリコン層3に白金電極よりなる陰極を対向配置して、500Wのタングステンランプからなる光源により多結晶シリコン層3の主表面に光照射を行いながら、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が12mA/cmの電流)を所定時間(例えば、10秒)だけ流すことによって、多結晶シリコンのグレイン51およびシリコン微結晶63を含む第1の複合ナノ結晶層を形成する。
ナノ結晶化プロセスが終了した後に、上述の酸化プロセスを行うことで第1の複合ナノ結晶層を電気化学的に酸化することによって、図1(b)のような構成の複合ナノ結晶層(以下、第2の複合ナノ結晶層と称す)からなる強電界ドリフト層6を形成する。酸化プロセスでは、例えば、エチレングリコールからなる有機溶媒中に0.04mol/lの硝酸カリウムからなる溶質を溶かした溶液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において第1の複合ナノ結晶層に白金電極よりなる陰極を対向配置して、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が0.1mA/cmの電流)を流し陽極と陰極との間の電圧が20Vだけ上昇するまで第1の複合ナノ結晶層を電気化学的に酸化することによって、上述のグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64を含む第2の複合ナノ結晶層からなる強電界ドリフト層6を形成するようになっている。なお、本実施形態では、上述のナノ結晶化プロセスを行うことによって形成される第1の複合ナノ結晶層においてグレイン51、シリコン微結晶63以外の領域はアモルファスシリコンからなるアモルファス領域となっており、強電界ドリフト層6においてグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64以外の領域がアモルファスシリコン若しくは一部が酸化したアモルファスシリコンからなるアモルファス領域65となっているが、ナノ結晶化プロセスの条件によってはアモルファス領域65が孔となり、このような場合の第1の複合ナノ結晶層は多孔質多結晶シリコン層とみなすことができる。
なお、上述の強電界ドリフト層6では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸窒化膜となる。
ところで、上述の収束電極8は、絶縁層9に埋設されており、表面電極7の側方に位置している。ここに、絶縁層9は、強電界ドリフト層6上と素子分離層3b上とに跨ってパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜9aと、第1の絶縁膜9aと第1の絶縁膜9a上の収束電極8とを覆うようにパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜9bとで構成されている。要するに、収束電極8は、電子通過層よりも表面電極7側で表面電極7の側方に設けられており、面電子源部10内を移動する電子を収束可能となっている。言い換えれば、収束電極8は面電子源部10内を移動する電子を収束可能な位置に設けてある。
以上説明した本実施形態の電子線露光用電子源では、面電子源部10と、面電子源部10の電子を収束する収束電極8とが同一の素子形成基板11に設けられており、収束電極8の電位を適宜制御することにより、面電子源部10と同一の素子形成基板11に設けられた収束電極8によって電子が収束されるので、面電子源部10から放出される電子の進行方向が表面電極7の法線方向に揃いやすくなり、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができる。ここに、本実施形態では、収束電極8が面電子源部10内を移動する電子を収束可能な位置に設けられているので、面電子源部10内を移動する電子を収束電極8によって収束することができ、しかも、収束電極8が電子通過層よりも表面電極7側で表面電極7の側方に設けられているので、電子通過層の厚み方向において表面電極7側で電子を収束することができる。また、本実施形態では、面電子源部10が弾道電子面放出型の電子源からなるので、従来のMIM型の電子源に比べて面電子源部10の大面積化が容易となり、電子線レジスト層に対する露光領域の大面積化を図れるから、スループットを向上させることが可能となるという利点や、大面積のデバイスの製造時に当該デバイスに対する転写パターンの露光を1度で行えるように転写パターンを形成することにより処理時間の短縮およびパターン精度の向上を図ることも可能となるという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出角が小さいとともに電子放出特性の再現性が良いので、露光特性が安定するという利点がある。また、弾道電子面放出型の電子源はMIM型の電子源に比べて電子放出特性の真空度依存性が小さいので、電子線露光装置をより低真空で使用することが可能となり、電子線露光装置の低コスト化を図ることができるとともに、取り扱いやメンテナンスが容易になる。
本実施形態の電子線露光用電子源1を用いた電子線露光装置については図示していないが、例えば、以下のように構成される。
すなわち、上述の電子線露光装置は、少なくとも、電子線露光用電子源1と、電子線レジスト層が塗布された被転写基板(例えば、ウェハ)と、被転写基板と表面電極7との間に被転写基板を高電位側として加速電圧を印加する加速用電源と、表面電極7と下部電極12との間に表面電極7を高電位側として駆動電圧を印加する駆動電源と、電子線露光用電子源1と被転写基板との間に配置され電子線露光用電子源1から放出された電子線を集束する電子レンズとを備える。要するに、電子線レジスト層を塗布した被転写基板が真空中において電子線露光用電子源1に対向して配置され、電子線用露光電子源1から放出させた電子を電子レンズ2により集束して被転写基板の電子線レジスト層へ照射する。なお、電子線レジスト層には電子線露光用電子源1から放出されて加速電圧により加速された電子線が照射される。電子レンズ2としては、電子線を電界によって集束させる静電型の電子レンズ(電界レンズ)を用いてもよいし、電子線を磁界によって集束させる電磁型の電子レンズ(磁界レンズ)を用いてもよい。
ところで、電子線露光用電子源1における表面電極7の平面形状を図3に示すように電子線レジスト層31への転写パターン32を規定する形状に形成し、収束電極8の平面形状を表面電極7に対応する形状(ここでは、表面電極7の側方で表面電極7を全周に亙って囲む平面形状)に形成しておけば、表面電極7の平面形状によって転写パターン32を規定することができ且つ収束電極8によって電子を収束することができる。なお、図3中の下向きの矢印は電子線露光用電子源1から放出された電子線の流れを示している。
(実施形態2)
本実施形態の電子線露光用電子源1の基本構成は実施形態1と略同じであって、図4に示すように、収束電極8を設けている位置が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電子線露光用電子源1では、絶縁層9が単層構造であり、強電界ドリフト層6とノンドープ半導体層3とからなる電子通過層内に設けた絶縁層5に収束電極8を埋設してある。ここに、絶縁層5は、下部電極12上にパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜5aと、第1の絶縁膜5aと第1の絶縁膜5a上の収束電極8とを覆うようにパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜5bとで構成されている。要するに、収束電極8は、電子通過層内に設けられており、面電子源部10内を移動する電子を収束可能となっている。言い換えれば、収束電極8は面電子源部10内を移動する電子を収束可能な位置に設けてある。
しかして、本実施形態の電子線露光用電子源1では、収束電極8の電位を適宜制御することにより、実施形態1と同様に、面電子源部10と同一の素子形成基板11に設けられた収束電極8によって電子が収束されるので、面電子源部10から放出される電子の進行方向が表面電極7の法線方向に揃いやすくなり、高スループット、高解像度、広い焦点深度が要求される電子線露光装置に用いることができる。また、本実施形態の電子線露光用電子源1では、収束電極8が電子通過層内に設けられているので、電子通過層を通過する電子を収束電極8によって収束することができる。
なお、実施形態1,2では、収束電極8によって面電子源部10内の電子を収束するようになっているが、収束電極8は、面電子源部10から放出された電子を収束可能な位置(例えば、絶縁層9上)に設けるようにしてもよく、このような位置に収束電極8を設けるこにより、面電子源部10から放出された電子を収束電極8によって収束することができる。
(実施形態3)
本実施形態の電子線露光用電子源1の基本構成は実施形態1と略同じであって、図5に示すように、強電界ドリフト層6とノンドープ半導体層3とからなる電子通過層内に設けた絶縁層5にも収束電極8を埋設してある点が相違する。要するに、本実施形態では、収束電極8が電子通過層の厚み方向に離間して複数(2つ)設けられている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ここに、絶縁層5は、下部電極12上にパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜5aと、第1の絶縁膜5aと第1の絶縁膜5a上の収束電極8とを覆うようにパターン形成されたシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜5bとで構成されている。要するに、絶縁層5に埋設された収束電極8は、電子通過層内に設けられており、面電子源部10内を移動する電子を収束可能となっている。言い換えれば、絶縁層5に埋設された収束電極8は面電子源部10内を移動する電子を収束可能な位置に設けてある。
しかして、本実施形態の電子線露光用電子源では、2つの収束電極8が電子通過層の厚み方向に離間して設けられている(つまり、収束電極8が2段設けられている)ので、面電子源部10から放出される電子の進行方向が表面電極7の法線方向により揃いやすくなる。なお、本実施形態では、収束電極8が2段設けられているが、2段に限らず、3段以上であってもよい。
実施形態1を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部説明図である。 同上における面電子源部の動作説明図である。 同上を用いた電子線露光装置の概略構成図である。 実施形態2を示す概略断面図である。 実施形態3を示す概略断面図である。
符号の説明
1 電子線露光用電子源
3a ノンドープ半導体層
6 強電界ドリフト層
7 表面電極
9 絶縁層
9a 第1の絶縁膜
9b 第2の絶縁膜
11 素子形成基板
12 下部電極
51 グレイン
52 シリコン酸化膜
63 シリコン微結晶
64 シリコン酸化膜

Claims (5)

  1. 表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子線を放出する面電子源部と、面電子源部の電子を収束する収束電極とが同一の素子形成基板に設けられてなり、面電子源部は、電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型の電子源からなり、収束電極は、面電子源部内を移動する電子を収束可能な位置に設けられるものであり、電子通過層よりも表面電極側で表面電極の側方に設けられ面電子源部における電子放出領域を規定する開口部が形成された絶縁層に埋設されてなることを特徴とする電子線露光用電子源。
  2. 表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子線を放出する面電子源部と、面電子源部の電子を収束する収束電極とが同一の素子形成基板に設けられてなり、収束電極は、面電子源部内を移動する電子を収束可能な位置に設けられるものであり、電子通過層内に設けられてなることを特徴とする電子線露光用電子源。
  3. 前記面電子源部は、前記電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型の電子源からなることを特徴とする請求項2記載の電子線露光用電子源。
  4. 前記収束電極から前記電子通過層の厚み方向に離間して設けられ前記面電子源部の電子を収束する別の収束電極を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子線露光用電子源。
  5. 前記表面電極の平面形状が電子線レジスト層への転写パターンを規定する形状に形成され、前記収束電極の平面形状が前記表面電極に対応する形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子線露光用電子源。
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