JP4168519B2 - 外部駆動形ラインポンプ - Google Patents
外部駆動形ラインポンプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4168519B2 JP4168519B2 JP06278399A JP6278399A JP4168519B2 JP 4168519 B2 JP4168519 B2 JP 4168519B2 JP 06278399 A JP06278399 A JP 06278399A JP 6278399 A JP6278399 A JP 6278399A JP 4168519 B2 JP4168519 B2 JP 4168519B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- drive magnet
- blade
- line pump
- pump
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動マグネットを周囲に配設するとともに、内部には昇圧のための内部流路が拡開して設けられているロータを有する小型、高揚程の外部駆動形ラインポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータで形成した回転磁界により駆動するための駆動マグネットが周囲に配設されるとともに、内部に軸流羽根が設けられた羽根車を有する外部駆動形軸流ポンプは、例えば米国特許2697986号明細書によって知られている。
【0003】
図2は従来の外部駆動形軸流ポンプの断面図である。図2において、1’は内部に軸流羽根が設けられた羽根車、2は羽根車1’の外周に形成されたシュラウド内に設けられ、外部の磁界によって駆動される駆動マグネット、3は羽根車1’のシュラウド内に駆動マグネット2を保持するカバー、4は羽根車1’のボス部内に設けられた軸受、5は駆動マグネット2の周囲に設けられ、駆動マグネット2を回転させるための回転磁界を形成するステータ、6は軸受4内に挿通され、羽根車1’を支承するための固定軸、7は羽根車1’が運転時の軸推力で吸込み側に移動したとき軸受4と当接してスラスト荷重を支える軸受板、8は吸込側配管と吐出側配管に接続され、ステータ5を外部に保持するとともに羽根車1’を内蔵し、駆動マグネット2とステータ5の間を仕切る隔壁である。
【0004】
そこで、このように構成された従来の外部駆動形軸流ポンプの動作について図2に基づき説明する。回転磁界を形成するためステータ5に制御電流が通電されると、この回転磁界によって駆動マグネット2が軸6まわりのトルクを受け、軸6まわりに羽根車1’が隔壁8内で回転を開始する。このとき隔壁8内に呼び水が導かれていると、羽根車1’に設けられた軸流羽根の作用でこの水を押し出し、昇圧する。このとき吐出圧力と流量は羽根車1’の回転数によって変化するが、このポンプは軸流羽根の羽根作用だけで昇圧するため、比較的多量の流量を吐出することはできるものの、吐出圧力はあまり上がらないという特性を有するものであった。そして、回転数が低い間は回転数にほぼ比例して圧力と流量が上昇するという傾向を有すが、回転数をさらに上げていくと軸流羽根の設計点から外れて効率が大きく下がってしまうという問題を有していた。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
以上説明した従来の外部駆動形軸流ポンプは、ライン形のポンプを実現することができ、駆動モータのロータと羽根車を共用するため部品点数を削減できるなどの他のポンプにない特徴をもつものであったが、ライン形のポンプを実現するために軸流羽根を採用せざるをえず、本質的に高揚程のポンプを実現することは困難であった。そして回転数を上げて圧力を上げようとすると、上記した通り効率の悪いポンプになってしまうという問題があった。
【0006】
そして、この外部駆動形軸流ポンプを小型化しようとすると、通常の大きさのポンプの特性をそのまま維持しながら小型にスケールダウンできないものであった。というのは、ポンプの大きさを相似に小型化して製作することはできても、損失の大きさは物理的大きさに比例してスケールダウンできないからである。例えば、機械損失や流体損失、漏れ損失などは相対的に小さくすることはできない。しかも、このポンプを小型化してさらに高揚程化しようとすると、回転数を上げる必要があり、こうした各種損失に加え、上記したような高速化に伴なう効率の低下が起こり、きわめて効率の悪いポンプとなってしまうものであった。そして、高速化するため羽根車の吸込み側でキャビテーションが発生するし、水との比重差で発生するエアの滞留量も小型化とは逆に相対的に大きな影響をもつようになり、効率を損ない、機械の寿命を短くするものであった。例えば、高速化にともない軸受寿命は著しく低下する。
【0007】
では、高揚程化するために単純に軸流形ポンプという点を放棄して遠心形のポンプにすればよいかというと、半径方向の大きさが増して大型化してしまうし、同時にライン形のポンプという点まで放棄しなければなくなるものであった。さらに、外部駆動形という点を維持するためには、駆動系の方から制約があるし、駆動マグネットの配置や羽根車構造にも苦慮しなければならないという問題があった。小型のポンプを製作するため、多くの小さなパーツを用意して組み立てるのは組立上、製造上難しいという問題もあった。もしこれを一体型のポンプで製作すると、駆動マグネットをモールドするため羽根車の肉厚が不可避的に不均一なものとなって高品質のものを製造するのは難しいし、小型であればあるほど接触防止のため寸法精度が必要なはずであるが、精度がでなくなるという問題があった。もし精度がでない場合には接触したり、漏れが大きくなったりして損失が増大し、一方を改善すれば他方が悪化するといった悪循環が生じることになる。
【0008】
以上説明したように、従来の外部駆動形軸流ポンプで、小型、高揚程でライン形のポンプを実現しようとすれば、多くの矛盾が生じ、事実上この種のポンプを実現することは困難であった。
【0009】
そこで本発明はこれらの課題を解決するためのもので、小型、高揚程、高効率であり、簡単な構造で寸法精度を確保できる外部駆動形ラインポンプを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の外部駆動形ラインポンプは、周囲に設けられた駆動マグネットの吐出側端部の背面において内部に形成された内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられたロータと、前記駆動マグネットの周囲に配設され、前記ロータを駆動するための回転磁界を形成するステータと、前記ロータの吐出側に設けられ、流れを軸方向に向けて吐出するボリュートケーシングを備え、前記内部流路が羽根部を備えると共に羽根部が斜流羽根を備え、駆動マグネットの吐出側端部に斜流羽根に沿ったテーパが形成されていることを特徴とする。
【0011】
これにより、小型、高揚程、高効率であり、簡単な構造で寸法精度を確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載された発明は、周囲に設けられた駆動マグネットの吐出側端部の背面において内部に形成された内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられたロータと、前記駆動マグネットの周囲に配設され、前記ロータを駆動するための回転磁界を形成するステータと、前記ロータの吐出側に設けられ、流れを軸方向に向けて吐出するボリュートケーシングを備えた外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットの吐出側端部の背面で内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられ、外部駆動形のロータで小型化するとともに、高揚程化することができる。また、前記内部流路が羽根部を備えたものであるから、高効率にすることができる。また、羽根部が斜流羽根を備えたものであるから、小型化と併せて高揚程化できるとともに、軸方向に吐出すことが容易となる。また、駆動マグネットの吐出側端部に斜流羽根に沿ったテーパが形成されていることから、斜流羽根に拡開する位置を入口側に移すことができる。
【0013】
請求項2に記載された発明は、羽根部入口に軸流羽根が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、軸流羽根がインデューサとして作用し、ロータへの円滑な流入と、キャビテーションを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載された発明は、ロータの周囲に形成された駆動マグネット収容溝の吐出側当接面に突起が形成されると共に駆動マグネットの吐出側端部に前記突起が嵌合して駆動マグネットの回転方向への位置ずれを防止するための嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットが回転方向に位置ずれを起こさない。
【0015】
請求項4に記載された発明は、ロータの外周面が円筒面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、隔壁とロータ外周面の間を水中軸受として利用できる。
【0016】
請求項5に記載された発明は、ロータの周囲に駆動マグネットを保持するためのカバーが設けられた請求項1〜4のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットを保持してその取り付けを簡単化でき、ロータ外周の隔壁との隙間を微調整できる。
【0017】
請求項6に記載された発明は、ロータの外周面の一部をカバーが構成する請求項5記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットを保持してその取り付けを簡単化でき、ロータ外周の隔壁との隙間を微調整できるとともに、この間隙により水中軸受の作用を奏させることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態である外部駆動形ラインポンプについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態における外部駆動形ラインポンプの断面図である。
【0020】
図1において、1は液中で回転することにより内部に設けられた羽根部や通路等の内部流路の作用でここを通過する液に運動量を与えるロータ、2はロータ1の外周に所定間隔で複数配設した永久磁石で、外部に形成される回転磁界によって回動される駆動マグネットである。ロータ1の周囲には駆動マグネット2が配設されており、駆動マグネット2の吐出側端部の背面では内部流路が拡開方向(遠心方向または斜流方向)に曲げられている。本実施の形態1の場合、ロータ1内に設けられた羽根部が、入口側の軸流羽根と、これと接続された斜流羽根とから構成されている。この軸流羽根は、小型、高揚程の外部駆動形ラインポンプを実現するため、高速回転でもキャビテーションを発生しないで円滑な吸込みを実現できるように設けられるもので、インデューサとなっている。温水を送る場合にはキャビテーションが発生し易くなる傾向があるから、温水を送るポンプのときにはこのインデューサを設けた方がよい。そしてインデューサは、小型化のため相対的に影響の大きくなったロータ1内に溜まるエアの排出にも寄与するものである。高揚程化のため高速回転にするといっても、小型のポンプの場合には振動等が発生し易く、どうしても高速化には限度がある。そこで本実施の形態1では、遠心作用を与えて周速度成分を圧力化し、同時にライン方向吐出を容易にするために、斜流羽根を設けているのである。もちろん軸流羽根と駆動マグネット2の厚さを若干越える高さの遠心羽根を用いるのでも十分な小型化と高揚程化を達成できるものである。ポンプ効率を考えたときには翼作用のある羽根が望ましいのは当然であるが、運動量を与える内部流路構成として、羽根部に代えて斜流方向に向いた通路を設け、遠心成分を与えるのでも構わない。駆動マグネット2は所定形状の永久磁石を複数ロータ1の収容溝内に嵌め込んで形成するのでも、樹脂等でモールドするのでもよい。本実施の形態1の場合、駆動マグネット2の吐出側端部には斜流羽根に沿ったテーパが設けられている。そして、ロータ1の周囲に形成された駆動マグネット2の収容溝の吐出側当接面とこの駆動マグネット2の吐出側端部には、回転方向への位置ずれを防止する位置決め用嵌合部が設けられている。本実施の形態1では、吐出側当接面に突起13が形成されており、駆動マグネット2側に突起13が嵌合する嵌合凹部14が形成されている。そして、駆動マグネット2を収容するロータの周囲部は、製造に際して正確な位置決めを実現するために一体に形成しておくのがよい。さらには、樹脂内に磁性粉を混入したプラスチックマグネットでロータ1を成形し、この磁性粉が成形中でまだ流動しているときに外部から磁界をかけて着磁させ、これによって駆動マグネット2を形成するのでもよい。この製造方法によればきわめて容易にロータ1を製造することができる。また、このように羽根部の構成が軸流羽根と斜流羽根の組み合わせであるため、ロータ1の入口側の流路外径と出口側の流路外径の外径差の部分に駆動マグネット2を軸と平行に収容することができ、空間の有効利用ができる。小型、高揚程のポンプではロータ1の動バランスが重要になるが、駆動マグネット2を軸と平行に設けて嵌め込む場合、羽根出口側の収容溝の当接面に当接させることができるので(なお、駆動マグネット2の端面とロータ1との接触は、点接触よりも面接触が望ましい)、駆動マグネット2の装着時マグネット背後から収容溝内に嵌合挿入部材を挿入することで、駆動マグネット2とロータ1全体の位置決めが正確かつ容易にでき、製造上バランスを崩す因子が少なくなり、振動の少ないロータとすることができる。また、ロータ1の軸方向肉厚が所定幅で一定であるから、ロータ1の両端面をポンプケーシング内に配置する際に、配置の精度を上げるための寸法精度を上げるのが容易である。
【0021】
3は駆動マグネット2をロータ1の外周に取り付けて保持するカバー、4はロータ1のボス部に圧入された軸受である。上述したプラスチックマグネットでロータ1を構成する場合にはカバー3は不要である。駆動マグネット2に欠けやすいフェライトマグネット等を用いる場合は、破損防止あるいは破損時の拡散防止のためカバー3が必要となる。本発明のように小型、高揚程のポンプでは、高圧側からの漏れと流体損失が通常の大きさのポンプより相対的に大きくなるので、カバー3によって間隙を微調整することもできる。カバー3を取り付けた状態でカバー3とロータ1の羽根出口との外径が面一の円筒面を形成するようにして、ロータ1外周を円筒面にすることにより流体損失と漏れを少なくすることができる。また、軸受4は液中で使用するため水中軸受が適当である。そしてロータ1の外周の漏れ流れによる軸受作用と、軸受4の軸受作用を総合的に考慮することにより、もっとも漏れ量が少なく、振動、接触の少ない外部駆動形ラインポンプとすることができる。
【0022】
5は駆動マグネット2と対向した位置に設けられ、通電することによりロータ1を回転するための回転磁界を形成する固定子巻線から構成されたステータである。本実施の形態1ではロータ1とステータ5とでブラシレスDCモータを構成している。固定子巻線を流れる駆動電流は、制御基板(図示しない)に設けられたコミュテータ素子をスイッチングすることで切換えられ、ロータ1が回転される。6は軸受4の中心に位置し、ロータ1を支承する固定軸、7はポンプ運転時にロータ1前後で発生する軸推力によってロータ1が軸方向に移動したとき軸受4の端面に当接してスラスト荷重を支える軸受板である。ロータ1を回転して昇圧したとき、ロータ1背面には昇圧後の圧力が作用し、ロータ1の前面には昇圧前の圧力が作用するから、この差が軸推力となって運転時スラスト荷重を与えるものである。当然ながら高揚程になればなるほど軸推力は大きくなる。8はロータ1とステータ5の間に設けられポンプケーシングを構成する隔壁、9はロータ1の入口側に設けられ、ロータ1内の羽根部や通路に流入する流れを整流する整流板である。高速回転時には整流板9で予旋回を与えて羽根の衝突損失を減らすことができる。また、実施の形態1では整流板9とインデューサの間に間隙を開けて低速時の損失を高速回転時同様に減らしている。
【0023】
10はロータ1の下流に設けられ、ロータ1の回転によって与えられた運動エネルギを圧力エネルギに変換するボリュートケーシング、11は固定軸6を支持した軸支持部である。ボリュートケーシング10は、ロータ1で与えられた運動エネルギを圧力エネルギに変換するための圧力回復を行うもので、通常は渦巻き形の形状をしている。しかし、本発明のボリュートケーシング10は、小型の外部駆動ラインポンプの圧力回復装置であって外径が限られるため、ロータ1から吐出された液を円周方向に旋回させる円周溝となっているとともに、溝の流路断面積を徐々に増すように固定軸6の方向に張り出し量を増加する形状となっている。巻き始め部分まで円周溝内を360°周回した後、圧力回復して液は軸方向に向けて吐出される。吐出流量がほぼ一定の定格点近傍で運転するポンプの場合、このボリュートケーシング10の中に案内羽根を設けると、圧力回復が円滑となり、さらに効率の高いポンプを実現できる。
【0024】
ところで、本実施の形態1の外部駆動形ラインポンプは、軸流羽根と斜流羽根の組み合わせであるから、吐出側のロータ1の側面形状は斜流羽根の形状に沿って所定の肉厚をとれば図1に示すように円錐状の凹部を有するものとなる。この凹部を形成しないで厚肉とするとロータ1の重量が大きくなり、ステータ5を大きなものにせざるをえなくなり、ポンプが大型化する。慣性が大きくなり、応答も悪くなる。このような理由から凹部を形成しているが、この凹部をそのままにしておくと、ロータ1の回転に伴なって2次流れが生じ、これが大きな損失の原因となる。また、軸受4の背後近傍に溜まったエアは排出が難しくなる。そこで、本実施の形態1においては、固定軸6の一方を軸支持部11、他方をボリュートケーシング10で支持するとともに、この凹部を埋めるコーン部をボリュートケーシング10に設けている。これにより、ロータ1背後に大きな2次流れが形成されることがなくなり、流体損失を減らし、軸受近傍に溜まったエアによる軸受4の焼き付き等を防止することができる。
【0025】
続いて、本実施の形態1の外部駆動形ラインポンプの動作について説明する。液を充たした状態でステータ5に通電すると、回転磁界が形成されロータ1が固定軸6周りに回転を始める。軸流羽根の作用で液をロータ1内に導き入れたら、斜流羽根によって羽根の作用のほか遠心作用を付与して液に運動エネルギを与え、外周位置でロータ1から吐出させる。この構成によって小型、高揚程の外部駆動形ポンプを実現できる。ロータ1から吐出された液体はボリュートケーシング10により旋回しながら徐々に圧力回復され、軸方向へ吐出される。ロータ1の前後の圧力差で軸推力が発生するが、ロータ1が入口側に移動し、スラスト荷重を軸受板7で支承する。ロータ1の外周と隔壁8の間隙は小さく、漏れは少ない。そして、この間隙に液膜が形成され、水中軸受である軸受4と一緒にロータ1を安定して支承する。しかもロータ1背後のコーン部により、2次流れが防がれ、流体損失を防止できる。小型、高揚程である場合、ロータ1はどうしても不安定となって振動を発生するが、本実施の形態1ではこのような作用で安定し、駆動マグネット2をロータ1外周に配設して動バランス取りが容易であり、振動や騒音の小さなポンプを実現できる。
【0026】
このように実施の形態1の外部駆動形ラインポンプによれば、駆動マグネット2の吐出側端部の背面で内部流路を構成する斜流羽根によって拡開方向に曲げられ、外部駆動形のロータ1で小型化するとともに、高揚程化、高効率にし、ライン化することができる。また、軸流羽根をインデューサとして設けるから、ロータ1への円滑な流入と、キャビテーションを防止することができる。さらに、ロータ1の周囲に駆動マグネット2を保持するためのカバーを設けるとともに、カバーを含めロータ1外周面を円筒面にするので、駆動マグネット2を保持してその取り付けを簡単化でき、ロータ1外周の隔壁との隙間を微調整できるとともに、この間隙により水中軸受の作用を奏させることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、周囲に設けられた駆動マグネットの吐出側端部の背面において内部に形成された内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられたロータと、前記駆動マグネットの周囲に配設され、前記ロータを駆動するための回転磁界を形成するステータと、前記ロータの吐出側に設けられ、流れを軸方向に向けて吐出するボリュートケーシングを備えた外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットの吐出側端部の背面で内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられ、外部駆動形のロータで小型化するとともに、遠心作用で高揚程化することができ、円滑な流れで効率がよく、ライン方向に吐出可能なポンプを提供できる。また、内部流路が羽根部を備えたものであるから、高効率にすることができる。また、羽根部が斜流羽根を備えたものであるから、小型化と併せて高揚程化できるとともに、高効率で円滑に軸方向に吐出すことが容易となる。また、駆動マグネットの吐出側端部に斜流羽根に沿ったテーパが形成されていることから、斜流羽根に拡開する位置を入口側に移すことができ、より小型化できる。
【0028】
請求項2に記載された発明によれば、羽根部入口に軸流羽根が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、軸流羽根がインデューサとして作用し、ロータへの円滑な流入と、キャビテーションを防止することができ、高効率を実現できる。
【0029】
請求項3に記載された発明によれば、ロータの周囲に形成された駆動マグネット収容溝の吐出側当接面に突起が形成されると共に駆動マグネットの吐出側端部に前記突起が嵌合して駆動マグネットの回転方向への位置ずれを防止するための嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットが回転方向に位置ずれを起こさない。
【0030】
請求項4に記載された発明によれば、ロータの外周面が円筒面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、隔壁とロータ外周面の間を水中軸受として利用でき、振動少なく安定した小型、高揚程のポンプにすることができる。
【0031】
請求項5に記載された発明によれば、ロータの周囲に駆動マグネットを保持するためのカバーが設けられた請求項1〜4のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットを保持してその取り付けを簡単化でき、ロータ外周の隔壁との隙間を微調整でき、製造が容易となる。
【0032】
請求項6に記載された発明によれば、ロータの外周面の一部をカバーが構成する請求項5記載の外部駆動形ラインポンプであるから、駆動マグネットを保持してその取り付けを簡単化でき、ロータ外周の隔壁との隙間を微調整できるとともに、この間隙により水中軸受の作用を奏させることができ、振動少なく、安定した小型、高揚程のポンプを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における外部駆動形ラインポンプの断面図
【図2】 従来の外部駆動形軸流ポンプの断面図
【符号の説明】
1 ロータ
1’ 羽根車
2 駆動マグネット
3 カバー
4 軸受
5 ステータ
6 固定軸
7 軸受板
8 隔壁
9 整流板
10 ボリュートケーシング
11 軸支持部
Claims (6)
- 周囲に設けられた駆動マグネットの吐出側端部の背面において内部に形成された内部流路が昇圧のために拡開方向に曲げられたロータと、
前記駆動マグネットの周囲に配設され、前記ロータを駆動するための回転磁界を形成するステータと、
前記ロータの吐出側に設けられ、流れを軸方向に向けて吐出するボリュートケーシングを備え、
前記内部流路が羽根部を備えると共に羽根部が斜流羽根を備え、駆動マグネットの吐出側端部に斜流羽根に沿ったテーパが形成されていることを特徴とする外部駆動形ラインポンプ。 - 羽根部入口に軸流羽根が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の外部駆動形ラインポンプ。
- ロータの周囲に形成された駆動マグネット収容溝の吐出側当接面に突起が形成されると共に駆動マグネットの吐出側端部に前記突起が嵌合して駆動マグネットの回転方向への位置ずれを防止するための嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外部駆動形ラインポンプ。
- ロータの外周面が円筒面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプ。
- ロータの周囲に駆動マグネットを保持するためのカバーが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の外部駆動形ラインポンプ。
- ロータの外周面の一部をカバーが構成することを特徴とする請求項5記載の外部駆動形ラインポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06278399A JP4168519B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 外部駆動形ラインポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06278399A JP4168519B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 外部駆動形ラインポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000257582A JP2000257582A (ja) | 2000-09-19 |
JP4168519B2 true JP4168519B2 (ja) | 2008-10-22 |
Family
ID=13210310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06278399A Expired - Fee Related JP4168519B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 外部駆動形ラインポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4168519B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4758166B2 (ja) * | 2005-08-03 | 2011-08-24 | アスモ株式会社 | モータ及びウォータポンプ |
JP5331525B2 (ja) * | 2009-03-17 | 2013-10-30 | 川崎重工業株式会社 | 水力発電装置 |
CN113275333A (zh) * | 2021-06-23 | 2021-08-20 | 田雨 | 一种磁力推动的微反应输送装置 |
-
1999
- 1999-03-10 JP JP06278399A patent/JP4168519B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000257582A (ja) | 2000-09-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6685446B2 (en) | Monodirectional impeller with flexible vanes | |
JP2002138990A (ja) | モータポンプ | |
JP4168519B2 (ja) | 外部駆動形ラインポンプ | |
JP3982262B2 (ja) | 電動燃料ポンプ | |
JPH07259798A (ja) | 遠心送風機 | |
JP4158269B2 (ja) | 外部駆動形ラインポンプ | |
JP3052623B2 (ja) | 再生ポンプ | |
JP2008099456A (ja) | アキシャルギャップ型モータ及びそれを用いた流体ポンプ | |
JP2008008185A (ja) | ポンプ | |
JP2004190562A (ja) | 小型渦流ポンプ | |
JP2004353564A (ja) | 渦巻ポンプ | |
JP3724422B2 (ja) | Dcポンプ | |
JP3788505B2 (ja) | 燃料ポンプ | |
JP2000314390A (ja) | ポンプ | |
JP3849491B2 (ja) | 超薄型ポンプ | |
JP2001522434A (ja) | 燃料のための搬送装置 | |
JP2009515085A (ja) | 流体ポンプ | |
JP4560866B2 (ja) | ポンプ | |
JP3718122B2 (ja) | 遠心式渦巻ポンプ | |
CN218760600U (zh) | 一种用于加热泵的定子和加热泵 | |
JP2000297775A (ja) | 自吸式ポンプ | |
KR102365863B1 (ko) | 워터 펌프 | |
JP2000073982A (ja) | ラインポンプ | |
JP2008151074A (ja) | ポンプ | |
JP3849526B2 (ja) | 超薄型ポンプ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060117 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20060214 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20070319 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070322 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070322 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080430 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080630 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080715 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080728 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |