JP3849491B2 - 超薄型ポンプ - Google Patents

超薄型ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP3849491B2
JP3849491B2 JP2001330463A JP2001330463A JP3849491B2 JP 3849491 B2 JP3849491 B2 JP 3849491B2 JP 2001330463 A JP2001330463 A JP 2001330463A JP 2001330463 A JP2001330463 A JP 2001330463A JP 3849491 B2 JP3849491 B2 JP 3849491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
pump
dynamic pressure
shaped impeller
pressure generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001330463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003139086A (ja
Inventor
恭 庭月野
陽一 宿里
譲光 相園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2001330463A priority Critical patent/JP3849491B2/ja
Priority to TW091121772A priority patent/TW561226B/zh
Priority to US10/251,779 priority patent/US6808371B2/en
Priority to CNA028187431A priority patent/CN1558990A/zh
Priority to PCT/JP2002/009884 priority patent/WO2003027504A1/en
Publication of JP2003139086A publication Critical patent/JP2003139086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849491B2 publication Critical patent/JP3849491B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高性能、長寿命、低振動・低騒音の超薄型ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CPU等の電子部品を効率良く冷却する冷却システムが望まれており、これに対応する冷却方法として冷媒を循環させて冷却する冷媒式冷却システムが注目されてきている。このような冷却システムの冷媒循環用ポンプは、電子部品にコンパクトさが求められるため、搭載スペースに多くの制約が課せられ、小型、薄型化が強く求められている。
【0003】
従来の小型ポンプとしては、特開2001−132699号公報に記載されている本出願人が提案した小型遠心ポンプがある。以下、この従来の小型遠心ポンプについて図7を用いて説明する。図7は従来の小型遠心ポンプの構造図である。101は羽根車、102はこの羽根車101を回転自在に支承する固定軸、103は固定軸102の端部を固定し、羽根車101を収納すると同時に羽根車101が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、104は羽根車101の一部をなす後面シュラウド、105は同じく羽根車101の一部をなし羽根車101の中央に吸水開口が形成された前面シュラウド、106は羽根車101の後面シュラウド104に固定されたローターマグネット、107はローターマグネット106の内周側に設けられたモーターステーター、108はローターマグネット106とモーターステーター107の間に設けられポンプ室を密閉するための防水隔壁、109は吸込口、110は吐出口である。
【0004】
この従来の小型遠心ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、小型遠心ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がモーターステーター107のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がローターマグネット106に作用するとローターマグネット106に物理力が発生する。ところで、このローターマグネット106は羽根車101に固定されており、羽根車101は固定軸102に回転自在に支承されているため、羽根車101に回転トルクが作用し、この回転トルクにより羽根車101が回転を始める。羽根車101の前面シュラウド105および後面シュラウド104の間に設けられた羽根は、羽根車101の回転によって流体に運動量変化を与え、吸込口109から流入する流体は運動エネルギーを羽根車101から受取ることになる。もちろん、羽根車101内で羽根出口へ向けて流路面積が拡大しているのであれば、羽根車101内で一部圧力回復されることになる。羽根車101の羽根出口から流出した流体は、ケーシング103に設けられたディフューザーで与えられた運動エネルギーを圧力回復することになり、吐出口110へと導かれる。このように、従来の小型遠心ポンプではアウターローター方式で薄型羽根車を駆動することで、ポンプの小型、薄型化を図っている。
【0005】
しかしながら、このような従来の小型遠心ポンプでは、流体を羽根車中央の吸水開口に供給させるためポンプ室には軸方向の吸込部が必要となるため、ポンプ全体の回転軸方向の長さを小さくする目的、即ち、薄型化に対しては限界が存在するものであった。
【0006】
また、半径方向から吸込み、半径方向に吐き出す構造の薄型化に適した渦流ポンプ(摩擦ポンプあるいは再生ポンプとも呼称される。以下、渦流ポンプという。)も公知であるが、ポンプを渦流ポンプにしたとしても、羽根車は中央の固定軸と連結されるため円盤状となりその上下にポンプ室を密封するための防水隔壁が必要で回転軸方向においてモーターステーターと防水隔壁および羽根車が重なるため、薄型化するのは限界があった。
【0007】
そこで、このような問題を改善するものとして、本出願人は本発明に先立ち次のようなポンプを提案した。以下、本出願人が提案した超薄型ポンプについて図面を参照しながら詳細に説明する。図8は従来の超薄型ポンプの全体構成を示す断面図である。
【0008】
201はリング状羽根車であり、外周に多数の羽根202が形成され、内周にローターマグネット203が設けられている。なお、この超薄型ポンプの羽根202は上述した渦流ポンプの羽根であり、こういった点からはこのポンプは基本的には超薄型の渦流ポンプということができる。ただ、ターボ型等、これに限られるものではない。なお、本明細書では、新しいタイプの羽根車で前例の無い超薄型を実現したということから、これを超薄型ポンプという。204はローターマグネット203の内周側に設けられたモーターステーター、205はリング状羽根車201を収容するとともにリング状羽根車201が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、206はポンプケーシング205に含まれ、リング状羽根車201を収納した後ポンプ室を密閉するためのケーシングカバーである。ポンプケーシング205には、モーターステーター204とローターマグネット203の間に配設され、リング状羽根車201を回転自在に軸支するための円筒部207が形成されるとともに、リング状羽根車201の側面のスラスト荷重を受けるためのスラスト板208が形成されている。スラスト板208はケーシングカバー206側にも形成されている。209は吸込口、210は吐出口である。
【0009】
次に、この先行して提案した超薄型ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、超薄型ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がモーターステーター204のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がローターマグネット203に作用するとローターマグネット203に物理力が発生する。ところで、このローターマグネット203はリング状羽根車201と一体化されており、リング状羽根車201はポンプケーシング205の円筒部207に回転自在に軸支されているため、リング状羽根車201に回転トルクが作用し、この回転トルクによりリング状羽根車201が回転を始める。リング状羽根車201の外周に設けられた羽根202はリング状羽根車201の回転によって吸込口209から流入した流体に運動エネルギーを与え、その運動エネルギーによりポンプケーシング205内の流体の圧力が徐々に高められ吐出口210から吐き出される。
【0010】
このように先行して提案した薄型ポンプでは、羽根とローターマグネット203を一体化してリング状羽根車201を形成し、円筒部207で軸支するとともにこの内部にモーターステーター204を挿入することで、ポンプ全体の回転軸方向の長さを極力小さくし、回転軸を省いて円筒部207にシールのための分離板機能と軸支機能を兼ねさせ、ローターマグネット203を直接軸支して、ポンプの超薄型化を可能にしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような超薄型ポンプでは、リング状羽根車が回転する際、リングの両側面および内周面がポンプケーシングのスラスト板および円筒部と摺動するので摺動面積が大きく、中心に極小径の軸を有し摺動部の少ない従来の小型遠心ポンプに比べて、摩擦損失による性能低下が無視できないという課題があった。
【0012】
そして、この摺動摩擦に起因して摺動部に摩耗が生じ、これが摺動部を構成する部品の寿命低下を招来するとともに、摩耗のため液膜がきれ接触して振動を起こし、振動・騒音が増大するという課題もあった。
【0013】
そこで、本発明は、超薄型化を達成しながら、高性能化、長寿命化、低騒音化が実現できる超薄型ポンプを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の超薄型ポンプは、リング状羽根車の両側面またはポンプケーシングの該両側面に対向して設けられたスラスト板にスラスト動圧発生溝が設けられたことを特徴とする。
【0015】
これにより、超薄型化を達成しながら、高性能化、長寿命化、低騒音化を実現することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、外周に多数の羽根が形成され、内周にローターマグネットが設けられたリング状羽根車と、ローターマグネットの内周側に設けられたモーターステーターと、吸込口と吐出口が形成され内部にリング状羽根車を収容するとともに、モーターステーターとローターマグネットの間に配設するための円筒部が形成されたポンプケーシングとを備え、円筒部がリング状羽根車を回転自在に軸支した超薄型ポンプであって、リング状羽根車の両側面またはポンプケーシングの該両側面に対向して設けられたスラスト板にスラスト動圧発生溝を設けたことを特徴とする超薄型ポンプであるから、リング状羽根車の両側面にスラスト動圧発生溝を設けることで、リング状羽根車の両側面とポンプケーシングのスラスト板との間で動圧を発生させてリング状羽根車をスラスト板と非接触回転させることができるので、超薄型ポンプの高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することが可能となる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明は、スラスト動圧発生溝がスパイラル状溝配列に形成され、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の超薄型ポンプであるから、スラスト動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出してスラスト動圧を確実に発生させることができる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、スラスト動圧発生溝がへリングボーン状溝配列に形成され、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の周方向中央側に流体を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の超薄型ポンプであるから、スラスト動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の周方向中央側に流体を押し出してスラスト動圧を確実に発生させることができる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、リング状羽根車の内周面またはポンプケーシングの該内周面に対向する円筒部にラジアル動圧発生溝が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超薄型ポンプであるから、リング状羽根車の内周面にラジアル動圧発生溝を設けることで、リング状羽根車の内周面とポンプケーシングの円筒部との間で動圧を発生させてリング状羽根車を円筒部と非接触回転させ、つまり、リング状羽根車はポンプケーシングに対して完全に非接触浮上回転させることができるので、超薄型ポンプのさらなる高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することが可能になる。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、ラジアル動圧発生溝がへリングボーン状溝配列に形成され、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出すことを特徴とする請求項4に記載の超薄型ポンプであるから、ラジアル動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出してラジアル動圧を確実に発生させることができる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、スラスト動圧発生溝とラジアル動圧発生溝とが連通されたことを特徴とする請求項4または5に記載の超薄型ポンプであるから、スラスト動圧発生溝とラジアル動圧発生溝とを連通することで、リング状羽根車の回転に伴いスラスト動圧発生溝側からラジアル動圧発生溝へ流体を押し出して強いラジアル動圧を発生させることでき、ポンプの負荷変動等によりラジアル荷重が変化してもリング状羽根車をポンプケーシングと非接触浮上回転させることができ、ポンプを安定して運転できる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの側面の断面図、図2は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプを回転軸方向から見た断面図、図3は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの分解斜視図、図4は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプのリング状羽根車を内周側から見た矢視図、図5は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプのスラスト動圧発生溝をヘリングボーン状溝パターンにした場合のリング状羽根車の平面図である。
【0024】
図1〜4に示すように、1はリング状羽根車であり、外周に多数の羽根2が形成され、内周にローターマグネット3が設けられている。そして、このリング状羽根車1は、その両側面にスパイラル状溝パターン(配列)のスラスト動圧発生溝12が形成されるとともに、その内周面にへリングボーン状溝パターン(配列)のラジアル動圧発生溝13(図3,4参照)が形成されている。なお、実施の形態1の羽根2は渦流ポンプの羽根であるが、上述した通り渦流ポンプに限られるものではない。
【0025】
スラスト動圧発生溝12のスパイラル状溝パターンは、リング状羽根車1の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出すポンプ作用をなす形状であって、リング状羽根車1の側面に循環流を形成してスラストを支え、ラジアル動圧発生溝13のへリングボーン状溝パターンは、リング状羽根車1の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出すポンプ作用をなす形状であり、中央の流れを形成してリング状羽根車1を支えるものである。
【0026】
4はローターマグネット3の内周側に設けられたモーターステーター、5はリング状羽根車1を収容すると同時にリング状羽根車1が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、6はポンプケーシングの一部をなし、リング状羽根車1を収納した後ポンプ室を密閉するためのケーシングカバーである。ポンプケーシング5には、モーターステーター4とローターマグネット3の間に配設しリング状羽根車1を回転自在に軸支するための円筒部7が形成されるとともに、リング状羽根車1の側面のスラスト圧を受けるためのスラスト板8が形成されている。スラスト板8はケーシングカバー6側にも形成されている。9は吸込口、10は吐出口である。
【0027】
次に、本実施の形態1の超薄型ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、超薄型ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がモーターステーター4のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がローターマグネット3に作用するとローターマグネット3に物理力が発生する。ところで、このローターマグネット3はリング状羽根車1と一体化されており、リング状羽根車1はポンプケーシング5の円筒部7に回転自在に軸支されているため、リング状羽根車1に回転トルクが作用し、この回転トルクによりリング状羽根車1が回転を始める。リング状羽根車1の外周に設けられた羽根2はリング状羽根車1の回転によって吸込口9から流入した流体に運動エネルギーを与え、その運動エネルギーによりポンプケーシング5内の流体の圧力が徐々に高められ吐出口10から吐き出される。
【0028】
ところで、リング状羽根車1が回転すると、これに伴ってスラスト動圧発生溝12のポンプ作用が生じ、スラスト動圧発生溝12の内周側に流体を押し出してリング状羽根車1の両側面とポンプケーシング5のスラスト板8との間にスラスト動圧が発生するため、リング状羽根車1はスラスト板8と接触することなく回転する。また、リング状羽根車1の回転に伴ってラジアル動圧発生溝13のポンプ作用が生じ、ラジアル動圧発生溝13の軸方向中央側に流体を押し出してリング状羽根車1の内周面とポンプケーシング5の円筒部7との間にラジアル動圧が発生するため、リング状羽根車1は円筒部7と接触することなく回転する。その結果、リング状羽根車1はポンプケーシング5に対して完全に非接触浮上回転することが可能になる。
【0029】
本実施の形態1ではスラスト動圧発生溝12をスパイラル状溝パターンとしたが、図5に示すようなへリングボーン状溝パターンにしてスラスト動圧発生溝12の周方向中央側に流体を押し出してスラスト動圧を発生させてもよい。さらに、スラスト動圧発生溝12とラジアル動圧発生溝13をリング状羽根車1に形成させたが、スラスト動圧発生溝12をポンプケーシング5のスラスト板8側(リング状羽根車1の両側面の対向面)に形成させてもよいし、ラジアル動圧発生溝13をポンプケーシング5の円筒部7側に形成させてもよい。
【0030】
以上説明したように本実施の形態1によれば、リング状羽根車1の両側面にスラスト動圧発生溝12を設けることで、リング状羽根車1の両側面とポンプケーシング5のスラスト板8との間で動圧を発生させてリング状羽根車1をスラスト板8と非接触回転させることができるので、超薄型ポンプの高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することが可能となる。
【0031】
また、リング状羽根車1の内周面にラジアル動圧発生溝13を設けることで、リング状羽根車1の内周面とポンプケーシング5の円筒部7との間で動圧を発生させてリング状羽根車1を円筒部7と非接触回転させ、つまり、リング状羽根車1はポンプケーシング6に対して完全に非接触浮上回転させることができるので、超薄型ポンプのさらなる高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することができる。
【0032】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における超薄型ポンプの分解斜視図である。
【0033】
図6に示すように、11はリング状羽根車であり、外周に多数の羽根2が形成され、内周にローターマグネット3が設けられている。そして、このリング状羽根車11は、その両側面にスパイラル状溝パターン(配列)のスラスト動圧発生溝22が形成されるとともに、その内周面にへリングボーン状溝パターン(配列)のラジアル動圧発生溝23が形成されており、スラスト動圧発生溝22とラジアル動圧発生溝23は連通している。実施の形態1で説明したのと同様に、スラスト動圧発生溝22のスパイラル状溝パターンは、リング状羽根車11の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出すポンプ作用をなす形状であり、ラジアル動圧発生溝23のへリングボーン状溝パターンはリング状羽根車11の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出すポンプ作用をなす形状である。
【0034】
4はローターマグネット3の内周側に設けられたモーターステーター、5はリング状羽根車11を収容すると同時にリング状羽根車11が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、6はポンプケーシングの一部をなし、リング状羽根車11を収納した後ポンプ室を密閉するためのケーシングカバーである。ポンプケーシング5には、モーターステーター4とローターマグネット3の間に配設しリング状羽根車11を回転自在に軸支するための円筒部7が形成されるとともに、リング状羽根車11の側面のスラスト圧を受けるためのスラスト板8が形成されている。スラスト板8はケーシングカバー6側にも形成されている。9は吸込口、10は吐出口である。
【0035】
次に、本実施の形態2の超薄型ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、超薄型ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がモーターステーター4のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がローターマグネット3に作用するとローターマグネット3に物理力が発生する。そして、このローターマグネット3はリング状羽根車11と一体化されており、リング状羽根車11はポンプケーシング5の円筒部7に回転自在に軸支されているため、リング状羽根車11に回転トルクが作用し、この回転トルクによりリング状羽根車11が回転を始める。リング状羽根車11の外周に設けられた羽根2はリング状羽根車11の回転によって吸込口9から流入した流体に運動エネルギーを与え、その運動エネルギーによりポンプケーシング5内の流体の圧力が徐々に高められ吐出口10から吐き出される。
【0036】
ところで、リング状羽根車11が回転するとこれに伴ってスラスト動圧発生溝22のポンプ作用が生じ、スラスト動圧発生溝22の内周側に流体が押し出されてリング状羽根車11の両側面とポンプケーシング5のスラスト板8との間にスラスト動圧が発生するので、リング状羽根車11はスラスト板8と接触することなく回転する。また、リング状羽根車11の回転に伴ってラジアル動圧発生溝23のポンプ作用が生じ、ラジアル動圧発生溝23の軸方向中央側に流体が押し出されてリング状羽根車11の内周面とポンプケーシング5の円筒部7との間にラジアル動圧が発生する。
【0037】
実施の形態2の超薄型ポンプにおいては、このスラスト動圧発生溝22とラジアル動圧発生溝22とは連通しているので、スラスト動圧発生溝22側からラジアル動圧発生溝23へ流体が押し出されるので、強いラジアル動圧が発生する。その結果、ポンプの負荷変動等によりラジアル荷重が変化しても、リング状羽根車11はポンプケーシング5に対して完全に非接触浮上回転することが可能になる。
【0038】
以上説明したように本実施の形態によれば、スラスト動圧発生溝22とラジアル動圧発生溝23とを連通することで、リング状羽根車の回転に伴いスラスト動圧発生溝22側からラジアル動圧発生溝23へ流体を押し出してさらにラジアル動圧を確実に発生させることができるため、ポンプの負荷変動等によりラジアル荷重が変化してもリング状羽根車11をポンプケーシング5と非接触浮上回転させることができ、ポンプを安定して運転できる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、リング状羽根車の両側面にスラスト動圧発生溝を設けることで、リング状羽根車の両側面とポンプケーシングのスラスト板との間で動圧を発生させてリング状羽根車をスラスト板と非接触回転させることができるので、超薄型ポンプの高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することができる。
【0040】
また、スラスト動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出してスラスト動圧を確実に発生させることができる。
【0041】
そして、スラスト動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の周方向中央側に流体を押し出してスラスト動圧を確実に発生させることができる。
【0042】
また、リング状羽根車の内周面にラジアル動圧発生溝を設けることで、リング状羽根車の内周面とポンプケーシングの円筒部との間で動圧を発生させてリング状羽根車を円筒部と非接触回転させ、つまり、リング状羽根車はポンプケーシングに対して完全に非接触浮上回転させることができるので、超薄型ポンプのさらなる高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することが可能になる。
【0043】
そして、ラジアル動圧発生溝をスパイラル状溝パターンとすることで、リング状羽根車の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出してラジアル動圧を確実に発生させることができる。
【0044】
さらに、スラスト動圧発生溝とラジアル動圧発生溝とを連通することで、リング状羽根車の回転に伴いスラスト動圧発生溝側からラジアル動圧発生溝へ流体を押し出して強いラジアル動圧を発生させることでき、ポンプの負荷変動等によりラジアル荷重が変化してもリング状羽根車をポンプケーシングと非接触浮上回転させることができ、ポンプを安定して運転できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの側面の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプを回転軸方向から見た断面図
【図3】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの分解斜視図
【図4】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプのリング状羽根車を内周側から見た矢視図
【図5】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプのスラスト動圧発生溝をヘリングボーン状溝パターンにした場合のリング状羽根車の平面図
【図6】本発明の実施の形態2における超薄型ポンプの分解斜視図
【図7】従来の小型遠心ポンプの構造図
【図8】従来の超薄型ポンプの全体構成を示す断面図
【符号の説明】
1,11 リング状羽根車
2 羽根
3 ローターマグネット
4 モーターステーター
5 ポンプケーシング
6 ケーシングカバー
7 円筒部
8 スラスト板
9 吸込口
10 吐出口
12,22 スラスト動圧発生溝
13,23 ラジアル動圧発生溝

Claims (6)

  1. 外周に多数の羽根が形成され、内周にローターマグネットが設けられたリング状羽根車と、
    前記ローターマグネットの内周側に設けられたモーターステーターと、
    吸込口と吐出口が形成され内部に前記リング状羽根車を収容するとともに、前記モーターステーターと前記ローターマグネットの間に配設するための円筒部が形成されたポンプケーシングとを備え、
    前記円筒部が前記リング状羽根車を回転自在に軸支した超薄型ポンプであって、
    前記リング状羽根車の両側面または前記ポンプケーシングの該両側面に対向して設けられたスラスト板にスラスト動圧発生溝が設けられたことを特徴とする超薄型ポンプ。
  2. 前記スラスト動圧発生溝がスパイラル状溝配列に形成され、前記リング状羽根車の回転に伴い当該溝の内周側に流体を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の超薄型ポンプ。
  3. 前記スラスト動圧発生溝がへリングボーン状溝配列に形成され、前記リング状羽根車の回転に伴い当該溝の周方向中央側に流体を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の超薄型ポンプ。
  4. 前記リング状羽根車の内周面または前記ポンプケーシングの該内周面に対向する円筒部にラジアル動圧発生溝が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超薄型ポンプ。
  5. 前記ラジアル動圧発生溝がへリングボーン状溝配列に形成され、前記リング状羽根車の回転に伴い当該溝の軸方向中央側に流体を押し出すことを特徴とする請求項4に記載の超薄型ポンプ。
  6. 前記スラスト動圧発生溝と前記ラジアル動圧発生溝とが連通されたことを特徴とする請求項4または5に記載の超薄型ポンプ。
JP2001330463A 2001-09-25 2001-10-29 超薄型ポンプ Expired - Fee Related JP3849491B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001330463A JP3849491B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 超薄型ポンプ
TW091121772A TW561226B (en) 2001-09-25 2002-09-23 Ultra-thin pump and cooling system including the pump
US10/251,779 US6808371B2 (en) 2001-09-25 2002-09-23 Ultra-thin pump and cooling system including the pump
CNA028187431A CN1558990A (zh) 2001-09-25 2002-09-25 超薄泵及包括该泵的冷却系统
PCT/JP2002/009884 WO2003027504A1 (en) 2001-09-25 2002-09-25 Ultra-thin pump and cooling system including the pump

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001330463A JP3849491B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 超薄型ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003139086A JP2003139086A (ja) 2003-05-14
JP3849491B2 true JP3849491B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=19146183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001330463A Expired - Fee Related JP3849491B2 (ja) 2001-09-25 2001-10-29 超薄型ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849491B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007218154A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Nidec Sankyo Corp 渦流ポンプ
JP4932839B2 (ja) * 2006-08-09 2012-05-16 日本電産サンキョー株式会社 ポンプ及びポンプシステム
JP2009156242A (ja) * 2007-12-28 2009-07-16 Metal Industries Research & Development Centre 扁平式マイクロ型ポンプ
KR101622397B1 (ko) 2014-04-03 2016-05-19 (주)은솔테크 미세 기포 발생용 펌프
CN109695578B (zh) * 2019-01-22 2024-01-19 深圳兴奇宏科技有限公司 高功率泵浦结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003139086A (ja) 2003-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW561226B (en) Ultra-thin pump and cooling system including the pump
EP3401549B1 (en) Turbo compressor
JP2001123978A (ja) 再生式インペラ・ディスクを有するシールなし一体型モータ・ポンプ
JP2006052837A (ja) ベアリング及びこれを含むターボ圧縮機
JPS62261696A (ja) タ−ボ分子ポンプ装置
JP3849491B2 (ja) 超薄型ポンプ
JP2003161284A (ja) 薄型渦流ポンプとこれを備えた冷却システム
JP3741092B2 (ja) 超薄型ポンプとこれを備えた冷却システム
JPH0219694A (ja) オイルフリー型真空ポンプ
JP4576746B2 (ja) ターボ形回転機器
KR101071922B1 (ko) 모터
JP2000337292A (ja) ポンプ
JP2004353564A (ja) 渦巻ポンプ
JP2007170199A (ja) ポンプ
JP3849526B2 (ja) 超薄型ポンプ
JP2004190562A (ja) 小型渦流ポンプ
JP4168519B2 (ja) 外部駆動形ラインポンプ
JP2007085314A (ja) ポンプ
KR100273376B1 (ko) 터보압축기
KR100208189B1 (ko) 소형 터보압축기의 베어링구조
CN114001036B (zh) 一种微型水力悬浮机械泵及其装配方法
KR100702948B1 (ko) 터보 분자 펌프
JP2009007957A (ja) 遠心ポンプ
KR20220087633A (ko) 원심식 터보 압축기
KR20030029231A (ko) 터보 압축기의 축 베어링 방열구조

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060821

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees