JP3849526B2 - 超薄型ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超薄型ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CPU等の電子部品を効率良く冷却する冷却システムが望まれており、これに対応する冷却方法として冷媒を循環させて冷却する冷媒式冷却システムが注目されてきている。また、このような冷却システムの冷媒循環用ポンプは、搭載スペースに制約が多いことから小型、薄型化に対する要求が高まりつつある。
【0003】
従来の小型ポンプとしては、特開2001−132699号公報に記載されている小型遠心ポンプがある。以下、従来の小型遠心ポンプについて図4を用いて説明する。図4は従来の小型遠心ポンプの構造図である。101は羽根車、102はこの羽根車101を回転自在に支承する固定軸、103は固定軸102の端部を固定し、羽根車101を収納すると同時に羽根車101が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、104は羽根車101の一部をなす後面シュラウド、105は同じく羽根車101の一部をなし羽根車101の中央に吸水開口が形成された前面シュラウド、106は羽根車101の後面シュラウド104に固定されたロータマグネット、107はロータマグネット106の内周側に設けられたモータステータ、108はロータマグネット106とモータステータの間に設けられポンプ室を密閉するための防水隔壁、109は吸込口、110は吐出口である。
【0004】
この従来の遠心形ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、遠心形ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がコイル106に流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がロータマグネット106に作用するとロータマグネット106に物理力が発生する。ところで、このロータマグネット106は羽根車101に固定されており、羽根車101は固定軸102に回転自在に支承されているため、羽根車101に回転トルクが作用し、この回転トルクにより羽根車101が回転を始める。羽根車101の前面シュラウド105および後面シュラウド104の間に設けられた羽根は、羽根車101の回転によって流体に運動量変化を与え、吸込口109から流入する流体は運動エネルギーを羽根車101から受取ることになる。もちろん、羽根車101内で羽根出口へ向けて流路面積が拡大しているのであれば、羽根車101内で一部圧力回復されることになる。羽根車101の羽根出口から流出した流体は、ケーシング103に設けられたディフューザーで与えられた運動エネルギーを圧力回復することになり、吐出口110へと導かれる。
【0005】
このように、従来の小型遠心ポンプではアウターロータ方式で薄型羽根車を駆動することで、ポンプの小型、薄型化を図っている。しかし、このような従来の小型遠心ポンプでは、流体を羽根車中央の吸水開口に供給させるためポンプ室には軸方向の吸込部が必要となるため、ポンプ全体の回転軸方向の長さを小さくする目的、即ち、薄型化に対し妨げとなる構成であった。また、半径方向から吸込み、半径方向に吐き出す構造の薄型化に適した渦流ポンプ(摩擦ポンプ)も公知であるが、ポンプを渦流ポンプにしたとしても、羽根車は中央の固定軸と連結されるため円盤状となりその上下にポンプ室を密封するための防水隔壁が必要で回転軸方向においてモータステータと防水隔壁および羽根車が重なるため、薄型化するのは限界があった。
【0006】
そこで、このような問題を改善したものとして、本発明者らは本発明に先立って次のような技術を提案した。以下、本発明者らが検討した超薄型ポンプについて図面を参照しながら詳細に説明する。図5は本発明者らが検討した超薄型ポンプの全体構成を示す断面図である。
【0007】
201はリング状羽根車であり、外周に多数の羽根202が形成され、内周にロータマグネット203が設けられている。204はロータマグネット203の内周側に設けられたモータステータ、205はリング状羽根車201を収容すると同時にリング状羽根車201が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くためのポンプ室を有するポンプケーシング、206はポンプケーシングの一部をなしリング状羽根車201を収納した後ポンプ室を密閉するためのケーシングカバーである。ポンプケーシング205には、モータステータ204とロータマグネット203の間に配設しリング状羽根車201を回転自在に軸支するための円筒部207が形成されるとともに、リング状羽根車201の側面のスラスト荷重を受けるためのスラスト板208が形成されている。スラスト板208はケーシングカバー206側にも形成されている。209は吸込口、210は吐出口である。
【0008】
次に、この超薄型ポンプの作用を説明すると、外部電源から電力を供給されると、超薄型ポンプに設けられた電気回路により制御された電流がモータステータ204のコイルに流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界がロータマグネット203に作用するとロータマグネット203に物理力が発生する。ところで、このロータマグネット203はリング羽根車201と一体化されており、リング状羽根車201はポンプケーシング205の円筒部207に回転自在に軸支されているため、リング状羽根車201に回転トルクが作用し、この回転トルクによりリング状羽根車201が回転を始める。リング状羽根車201の外周に設けられた羽根202はリング状羽根車201の回転によって吸込口209から流入した流体に運動エネルギーを与え、その運動エネルギーによりポンプケーシング205内の流体の圧力が徐々に高められ吐出口210から吐き出される。
【0009】
このように本薄型ポンプでは、羽根とロータマグネットおよび回転軸とを一体化してリング状羽根車を形成し、その中にモータステータを挿入することでポンプ全体の回転軸方向の長さを極力小さくし、ポンプの超薄型化を実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の超薄型ポンプでは、リング状羽根車が回転する際、リングの両側面および内周面がポンプケーシングのスラスト板および円筒部と摺動するため摺動面積が大きく、中心に極小径の軸を有し摺動部の少ない従来の小型遠心ポンプに比べて、摩擦損失による性能低下が無視できないという問題があった。また、摩耗による寿命低下や摺動接触による振動・騒音増加などの問題もあった。そして、これらの問題は、従来では考えられない数cmオーダーで数mmオーダーの薄さの超薄型ポンプで高効率のポンプを実現するためには、避けては通れない本質的な難題であった。
【0011】
そこで、本発明は、超薄型化を達成しながら、高性能化、長寿命化、低騒音化が実現できる超薄型ポンプを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の超薄型ポンプは、マグネットロータの厚みのセンタ位置がモータステータの厚みのセンタ位置より重力方向にずらされ、このずれによる磁気力で羽根車に作用する力をキャンセルすることを特徴とする。
【0013】
これにより、超薄型化を達成しながら、高性能化、長寿命化、低騒音化が実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、外周に多数の羽根が形成され、内周にロータマグネットが設けられたリング状の羽根車と、ロータマグネットの内周側に設けられステータコアを積層したモータステータと、該モータステータとロータマグネットの間に配設される円筒部を有し羽根車を内部に収容するポンプケーシングとを備え、円筒部で羽根車を回転自在に軸支し、その回転軸を縦置きする超薄型ポンプであって、マグネットロータの厚みのセンタ位置がモータステータの厚みのセンタ位置より重力方向にずらされ、このずれによる磁気力で羽根車に作用する力をキャンセルすることを特徴とする超薄型ポンプであるから、羽根車の自重と浮力に対して、2つのセンタ位置を合わせようとするずれによる磁気力を加えて釣り合わすことができ、あたかもマグネットロータの上下両面がポンプケーシングに非接触で浮いているごとく回転させることができるので、超薄型ポンプの高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することができる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の超薄型ポンプであって、マグネットロータの磁極位置を検出する磁極位置センサと、磁極位置センサの出力信号に基づきステータ巻線に流す電流を制御する電流制御部を備えるとともに、該磁極位置センサと電流制御部が基板に搭載され、該基板がステータコアの重力方向下側の側面に装着されたことを特徴とする超薄型ポンプであるから、これら電気部品を搭載した基板をステータコアに装着するときに、ポンプケーシングの厚みを越えて電気部品の先端が突出するような場合であっても、2つの厚みのセンタ位置のずれのため収納空間として余裕のある重力方向下側の空間を使用することができ、基板の厚みに電子部品の厚みを加算した寸法をセンタ位置をずらした寸法によって吸収することができ、超薄型ポンプをさらに薄型化することができる。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、ポンプケーシングには、ステータコアを圧入するときに圧入止めできる第1の突起が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の超薄型ポンプであるから、ステータコアの圧入止めができるため、2つのセンタ位置のずれ量のバラツキをなくすことができ、さらに基板の固定も兼ねて、簡単に組立てることができるので、超薄型ポンプの量産性を向上させることができる。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、ポンプケーシングには、基板を装着するときに位置決めするとともに、該基板をステータコアとの間で挟持する第2の突起が設けられたことを特徴とする請求項2または3記載の超薄型ポンプあるから、第2の突起によって基板の位置決めと固定ができ、簡単に組立てることができるので、超薄型ポンプの量産性を向上させることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの側面の断面図、図2は本発明の実施の形態1におけるステータコアのセンタ位置とマグネットロータのセンタ位置とのずれ量とマグネットセンタ力との関係を表すグラフである。
【0020】
図1,2に示すように、1はステータコアで、2はステータコア1に施されたステータ巻線、3はリング状のマグネットロータ、3Aはマグネットロータ3が内周側で一体化されたリング状の羽根車である。ステータ巻線2に電流を流すことにより形成される電磁石とマグネットロータ3との吸引、反発により、一定方向への回転トルクが発生する。この回転トルクが負荷トルクと釣合った位置でマグネットロータ3、すなわち羽根車3Aが回転することになる。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態1のポンプは渦流ポンプであり、羽根車3Aにはリング状に配列された多数の羽根が羽根間の凹部を挟んで所定ピッチで設けられている。モータは、ステータコア1の外周をマグネットロータ3が回転するアウターロータタイプのDCブラシレスモータである。4は、ステータ巻線2に流す電流のタイミングと方向を制御するためにマグネットロータ3の磁極位置を検出する磁極位置センサである。このとき磁極位置センサ4が検出する磁束はマグネットロータ3からの漏れ磁束であるから、磁極位置センサ4の位置はできるだけ漏れ磁束の大きい位置が望ましく、マグネットロータ3に接近した位置に設けるのが適当である。この磁極位置センサ4の出力信号を受け、一定方向に回転トルクが効率よく発生するために、ステータ巻線2に流す電流を制御するドライブIC6(本発明の電流制御部)を設ける。磁極位置センサ4とドライブIC5は電気的に接続されて基板6に配置される。
【0022】
7は羽根車3Aを収容するポンプ室を構成するポンプケーシング、7Aはこのポンプ室を構成し、ポンプ室とモータステータとの間に配設されるポンプケーシング7の円筒部である。円筒部7Aはマグネットロータ3がポンプ室内で自在に回転するのを軸支する。羽根車3Aはポンプケーシング7内のポンプの取扱い液に直接浸かるが、ステータコア1、ステータ巻線2及び基板6上の電気部品、磁極位置センサ4、ドライブIC6はいずれも円筒部7Aによって取扱い液から分離される。なお、図1に示すような形態のポンプは一般に軸シールを用いないためシールレスポンプと称され、ポンプケーシング7が円筒部7Aでモータステータとポンプ室を仕切って、液とモータを分離している。この円筒部7Aとポンプケーシング7が防水隔壁としてキャンと呼ばれるためキャンドモータポンプとも称される。シールレスポンプはモータの軸シール材がなく、このように円筒部7Aでシールすることでが特徴であり、これによって長寿命のポンプになるが、図1に記載したように、ポンプを横置き、すなわち回転軸を重力方向に向けて縦置きしたときは、羽根車3Aの下面(ポンプの置き方によっては上面)が、ポンプケーシング7の内側の面と機械的に接触しながら回転すると、摩擦によって効率も、寿命も低下し、せっかくの特徴が得られない。
【0023】
そこで本発明は、図1に示すように回転軸を縦置きして使用することとし、ステータコアのセンタ位置8とマグネットロータ3のセンタ位置9との関係を、センタ位置9を基準としてマグネットロータ3に作用する重力の反対方向にセンタ位置8をずらしている。これによりマグネットセンタ力(2つのセンタ位置を合わせようとするずれによる磁気力)が発生するため、マグネットロータ3の自重に対し、マグネットロータ3の液内の浮力とともにこのマグネットセンタ力が合力となって作用し、マグネットロータ3の重量と合力とを釣合わせ、あたかもマグネットロータ3が取扱い液の中で浮いているようにすることで、機械的に非接触でマグネットロータ3を回転させることができる。これによって、シールレスポンプの本来の特徴である長寿命を実現するとともに、機械損失を低減した高効率のポンプを提供できる。なお、浮力や重量を取り扱うのであるから、マグネットロータ3のセンタ位置9というよりも羽根車3Aのセンタ位置という方が適当かもしれないが、マグネットの磁気力がマグネットセンタ力として関与するため、これをマグネットロータ3のセンタ位置9として説明している。
【0024】
図2は実施の形態1におけるポンプのモータステータとマグネットロータのセンタ位置のずれ量とマグネットセンタ力のグラフである。図2に示すように、ステータコアのセンタ位置8とマグネットロータ3のセンタ位置9とのずれ量をD1とし、このときのマグネットセンタ力との関係を実測したものである。ずれ量D1が小さい領域においてはほぼ線形の関係が成り立っている。
【0025】
実測したポンプの羽根車3Aの自重は5gf、体積が1cm3、取扱い液は水である。この場合、羽根車3Aに働く浮力は1gfであり、羽根車3Aを浮上させるためには4gfのマグネットセンタ力を発生させる必要がある。このとき図2が示すように、ずれ量D1として0.4mmを採用すれば釣り合わすことができることが分かる。そして、ずれ量D1が0mmの場合と0.4mmの場合とで消費電力を実測すると、ポンプの定格点での消費電力はそれぞれ1.4Wと1.0Wとなり、0.4mmの場合は約30%も消費電力を低減でき、高効率のポンプにすることができる。
【0026】
さらに、図2において、11は、ポンプへの加振量を±0.5Gとし、取扱い液体の粘性を無視した場合に、加振量をマグネットセンタ力に換算した力の範囲であり、12はその加振量で羽根車3Aがどの程度最大振れるかの振幅量である。すなわち、図1の中のマグネットロータ3とポンプケーシング7とのクリアランスD2を図2から読取った0.25mmとすれば、電子機器等に組込まれたこのポンプが上下方向の±0.5Gの振動が加えられても、羽根車3Aの上面と下面がポンプケーシング8に機械的に非接触で回転することが可能になることが分かる。
【0027】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における超薄型ポンプの側面の断面図である。図3を用い本発明の実施の形態2を説明するが、実施の形態1と同一符号のものは同一内容であるから説明を省略する。
【0028】
図3において、13aはステータコア1をポンプケーシング7に圧入固定するとき、圧入止めを行うために設けられた第1の突起である。ステータコア1のセンタ位置8とマグネットロータ3のセンタ位置9とのずれ量D1を確保することが第1の突起13aの狙いである。この第1の突起13aを設けたことによってステータコア1の圧入位置が定まり、組立て時発生するセンタ位置8のバラツキをなくすことができる。
【0029】
また、13bはポンプケーシング7に設けられた基板固定用の第2の突起であり、基板6をステータコア1との間で挟み込んで固定するためものである。従って、第1の突起13aの位置と第2の突起13bの位置には基板6の厚さ分の距離があることになる。そして、第2の突起13bがこのような位置に設けられているため、以下述べる理由でモータを薄型化することが可能になる。
【0030】
すなわち、磁極位置センサ4やドライブIC5を搭載した基板6をステータコア1に設置する場合、モータを薄型化するには、図3からも分かるように基板6上で電気部品の高さの最も高い部分がポンプケーシング7の表面から外側に突出しないようにする必要がある。しかも、高効率の超薄型ポンプとするには羽根車3Aを非接触で回転させる必要から、マグネットセンタ力を与えるためステータコア1のセンタ位置8とマグネットロータ3のセンタ位置9とのずれ量D1を確保しなければならない。
【0031】
そこで、第2の突起13bは、空間的に余裕がある側を利用して、マグネットロータ3の重力方向側となるステータコア1の側面に基板6を配置して固定するものである。突起13bがステータコア1との間で基板6を位置決めして挟持固定されることで、ポンプ部の厚みをD4とし、基板6の厚み,電気部品の最大高さ,ステータコア1の半分の厚みの和をとったものをD3としたとき、容易にD4/2>D3−D1とすることができる。すなわち、マグネットロータ3のセンタ位置9は力の釣り合いからポンプ部の厚みD4のほぼ中央にくるが、ステータコア1のセンタ位置8はこの位置よりずれ量D1の分だけ高いところに位置し、ずれ量D1の分だけ基板6と電気部品が占める高さを余分に吸収して、電気部品の高さの最も高い部分がポンプケーシング7の表面から外側に突出しないようにすることが可能になる。
【0032】
同じ電子部品であっても、もし、基板6をステータコア1の反対側の面に設けた場合には、D4/2<D3+D1となる可能性があり、ポンプの薄型化がD1の幅分だけ損なわれることになる。従って、羽根車3Aの重力方向側のステータコア1に基板6を配置して突起13bで挟持固定することで、ポンプの薄型化、高効率化、長寿命化の3つを同時に実現できる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、羽根車の自重と浮力に対して、2つのセンタ位置を合わせようとするずれによる磁気力を加えて釣り合わすことができ、あたかもマグネットロータの上下両面がポンプケーシングに非接触で浮いているごとく回転させることができるので、超薄型ポンプの高性能化、超寿命化、低騒音化を実現することができる。
【0034】
また、電気部品を搭載した基板をステータコアに装着するときに、ポンプケーシングの厚みを越えて電気部品の先端が突出するような場合であっても、2つの厚みのセンタ位置のずれのため収納空間として余裕のある重力方向下側の空間を使用することができ、基板の厚みに電子部品の厚みを加算した寸法をセンタ位置をずらした寸法によって吸収することができ、超薄型ポンプをさらに薄型化することができる。
【0035】
ステータコアの圧入止めができるため、2つのセンタ位置のずれ量のバラツキをなくすことができ、さらに基板の固定も兼ねて、簡単に組立てることができるので、超薄型ポンプの量産性を向上させることができる。また、基板の位置決めと固定ができ、簡単に組立てることができるので、超薄型ポンプの量産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における超薄型ポンプの側面の断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるステータコアのセンタ位置とマグネットロータのセンタ位置とのずれ量とマグネットセンタ力との関係を表すグラフ
【図3】本発明の実施の形態2における超薄型ポンプの側面の断面図
【図4】従来の小型遠心ポンプの構造図
【図5】超薄型ポンプの全体構成を示す断面図
【符号の説明】
1 ステータコア
2 ステータ巻線
3 マグネットロータ
3A 羽根車
4 磁極位置センサ
5 ドライブIC(電流制御部)
6 基板
7 ポンプケーシング
7A 円筒部
8,9 センタ位置
11 加振量
12 振幅量
13a 第1の突起
13b 第2の突起

Claims (4)

  1. 外周に多数の羽根が形成され、内周にロータマグネットが設けられたリング状の羽根車と、前記ロータマグネットの内周側に設けられステータコアを積層したモータステータと、該モータステータと前記ロータマグネットの間に配設される円筒部を有し前記羽根車を内部に収容するポンプケーシングとを備え、前記円筒部で前記羽根車を回転自在に軸支し、その回転軸を縦置きする超薄型ポンプであって、
    前記マグネットロータの厚みのセンタ位置が前記モータステータの厚みのセンタ位置より重力方向にずらされ、このずれによる磁気力で前記羽根車に作用する力をキャンセルすることを特徴とする超薄型ポンプ。
  2. 請求項1記載の超薄型ポンプであって、前記マグネットロータの磁極位置を検出する磁極位置センサと、前記磁極位置センサの出力信号に基づきステータ巻線に流す電流を制御する電流制御部を備えるとともに、該磁極位置センサと前記電流制御部が基板に搭載され、該基板が前記ステータコアの重力方向下側の側面に装着されたことを特徴とする超薄型ポンプ。
  3. 前記ポンプケーシングには、前記ステータコアを圧入するときに圧入止めできる第1の突起が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の超薄型ポンプ。
  4. 前記ポンプケーシングには、前記基板を装着するときに位置決めするとともに、該基板を前記ステータコアとの間で挟持する第2の突起が設けられたことを特徴とする請求項2または3記載の超薄型ポンプ。
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