JP2008008185A - ポンプ - Google Patents

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Koichi Kishimoto
浩一 岸本
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Abstract

【課題】軸受を用いずに羽根車を回転させる軸受レスポンプのポンプ効率を向上する。
【解決手段】ケーシング4内に羽根車11とマグネット13を有して構成される回転子10と、該マグネット13の径方向外側に配設された固定子20とを備え、前記回転子10は前記ケーシング4内に浮上状態に回転支持される軸受レス支持構造を有し、前記羽根車11の回転により吸入口2から吸引した流体を吐出口3から吐出するポンプ1において、前記回転子10はその羽根車11とマグネット13部分との中心部を軸芯方向に貫通する貫通孔12を設け、かつ前記羽根車11の前記吸入口側と反吸入口側とに羽根14、15を設け、前記吸入口側の羽根14による前記吸入口2から前記吐出口3への流体の流れCと、前記反吸入口側の羽根15による前記吸入口2から前記貫通孔内12を通過して前記吐出口3への流体の流れDを形成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプに関し、詳しくは軸受レスで羽根車を有する回転子を回転させる軸受レスポンプに関するものである。
従来より、羽根車の回転によって吸入口から吸引した流体を圧送するポンプは、ケーシングと、このケーシング内に収容された羽根車と、羽根車を回転駆動させるモータとを備え、羽根車の回転軸は軸受により回転自在に支承されている(例えば、特許文献1)。
近年、機器組込み用のポンプでは、機器の小型、軽量化、省エネの流れの中、ポンプ自体も小型、軽量化、省エネ化が望まれている。その1つとして、ポンプの羽根車とモータの回転子を一体に形成し、軸受レスで回転子を回転させるポンプが提案されている。
図2は、このような軸受レスポンプの1例を示すポンプ100の断面図である。ポンプ100は、ケーシング104内にポンプ室106を形成し、ポンプ室106に流体を吸引する吸入口102と、ポンプ室106より流体を吐出させる吐出口103をケーシング104に設け、ポンプ室106内に流体を吸引し加圧して流れCを形成する羽根車111を有している。
また、ポンプ100のモータ部は、リング状のマグネット113を備えた回転子110と、このマグネット113の径方向外側にケーシングの隔壁105を隔てて回転子110を回転させる固定子120が配置され構成されている。固定子120は、リング状の積層鋼板121とそれに巻回されたコイル122とからなり、制御用の回路基板123を備えてモールド樹脂124内にモールド成形されている。
前記回転子110は、回転軸112を軸として羽根車111とマグネット113とを有し、羽根車111の吸入口102側に面する周上に羽根114が配されている。
前記回転子110は、図に示すように、軸受を用いずにケーシング104内の空間部で浮上状態に回転支持される軸受レス支持構造を有し、回転子110の外周面とケーシングの隔壁105との間には、回転子110が自在に回転可能な隙間Sが形成されている。
以上のように構成されたポンプ100において、回路基板123より固定子120に通電されると、固定子120に回転磁界が発生しマグネット113と固定子120とが対向する位置で回転子110がケーシング104内に浮上状態で支持され回転する。これにより、羽根車111も回転しポンプ室106内に吸引作用を発生させ、吸入口102から流体を吸引し流れCを流れて吐出口103から流体を吐出するようになっている。
以上のような構成とすることで、小型、軽量、省エネのポンプが提供されている。
特開2000−170684号公報
しかしながら、上記構成のポンプ100では、羽根車111の回転により発生する推力が上方(吸水口方向)に向けた推力Aに偏ってしまい回転子110の回転バランスを低下させ回転振れを起こしやすくし、またポンプに吸引された流体はポンプ室106の上部の羽根114の回転部分のみで加圧され流れる(矢符C)ようになり、その結果回転子110の下側のケーシング底部104aに流体が滞留してしまいポンプ効率を低下させている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記回転子の軸受レス支持構造のポンプにおいて、ポンプ効率が高い軸受レスポンプの提供を目的としている。
請求項1のポンプは、吸入口と吐出口とを有するケーシングと、該ケーシング内に収容された羽根車とマグネットを有して構成される回転子と、該マグネットの径方向外側に配設された固定子とを備え、前記回転子は前記ケーシング内に浮上状態に回転支持される軸受レス支持構造を有し、前記羽根車の回転により前記吸入口から吸引した流体を前記吐出口から吐出するポンプにおいて、前記回転子はその羽根車とマグネット部分との中心部を軸芯方向に貫通する貫通孔を設け、かつ前記羽根車の前記吸入口側と反吸入口側とに羽根を設け、前記吸入口側の羽根による前記吸入口から前記吐出口への流体の流れと、前記反吸入口側の羽根による前記吸入口から前記貫通孔内を通過して前記吐出口への流体の流れを形成するようにしたことを特徴とする。
請求項2のポンプは、前記回転子がプラスチックマグネットによって一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプである。
請求項3のポンプは、前記ポンプがブラシレス直流モータを構成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプである。
本発明のポンプによれば、吸入口側の羽根と反吸入口側の羽根により逆方向の推力が羽根車に発生することで回転バランスを向上し軸受レス構造の回転子の回転性を良好にし、また吸入口側の羽根の吸引力による流体の流れと、反吸入口側の羽根の吸引力による羽根車内の貫通孔を通り羽根車の外周を流れる流れを発生させてポンプ特性を高め、この2つの流路を流体が流れることで流量を増加させポンプ効率を向上することができる。
図1は、実施形態のポンプの1例を示す軸受レスポンプ1の断面図である。
ポンプ1は、ケーシング4内にポンプ室6を形成し、ポンプ室6に流体を吸引する吸入口2と、ポンプ室6より流体を吐出させる吐出口3をケーシング4に設け、ポンプ室6内に流体を吸引し流路を形成して加圧する羽根車11をポンプ室6に有している。
また、ポンプ1のモータ部は、リング状のマグネット13を備えた回転子10と、このマグネット13の径方向外側にケーシングの隔壁5を隔てて回転子10を回転させる固定子20が配置され構成されている。固定子20は、リング状の積層鋼板21とそれに巻回されたコイル22とからなり、制御用の回路基板23を備えてモールド樹脂24内にモールド成形され、モータ部はブラシレス直流モータを構成している。
前記回転子10は、軸芯方向の中心部が円筒形空洞状である羽根車11とマグネット13とからなり、羽根車11は上部に径方向に円盤状に突出する羽根装着部16を設け、該装着部16の吸入口2側に面して第1羽根14を設け、その背面側の反吸入口側に第2羽根15を設けてポンプ室6内に配されている。
前記第1羽根14と第2羽根15の形状は特に限定されないが、第1羽根14は吸入口2から直に流体を吸引する吸引作用を発生するように設計され、第2羽根15は上記第1の羽根14とは逆方向の吸引作用を発生するように設計されている。また、それぞれの羽根14、15が発生する吸引力はポンプ室6で同等となるように設計されている。
前記羽根車11とマグネット13とは一体に接続されて回転子10を形成し、両者の空洞部が連続して回転子10の中心部を軸芯方向に貫通する貫通孔12が開口されている。
前記回転子10は、図に示すように、軸受を用いずにケーシング4内の空間部で浮上状態に回転支持される軸受レス支持構造を有し、回転子10の外周面とケーシングの隔壁5との間には、回転子10が自在に回転可能な隙間Sが形成されている。
以上のように構成されたポンプ1において、回路基板23より固定子20に通電されると、固定子20に回転磁界が発生しマグネット13と固定子20とが対向する位置で両者がつり合い、回転子10がケーシング4内に浮上状態で支持され回転するようになる。
これにより、羽根車11も回転しポンプ室6内に吸引作用を発生させ、吸入口2から流体を吸引してポンプ室6内で流路を形成し吐出口3から加圧された流体を吐出するようになる。
この時、羽根装着部16の上下に設けた第1羽根14と第2羽根15とが、それぞれ回転の軸芯方向に逆方向の推力A,Bを発生するようになり、これにより回転子10の回転バランスを向上して回転性を安定させ、軸受レス回転子10の軸芯方向および径方向の回転振れやケーシング4との接触を防止してポンプ特性を向上することができる。
また、吸入口2から吸引された流体は、ポンプ室6上部の第1羽根14の回転部分を加圧されて流れる流れCを形成して吐出口3から吐出されるとともに、第2羽根15による吸引作用は吸入口2からの流体を回転子10の貫通孔12内に吸引し、貫通孔12内からケーシング4の内周部の隙間Sを流路とする流れDを形成して吐出口3から吐出するようになる。
これにより、ポンプ1では、流体がケーシング底部4aに滞留することなく、ケーシング4の内部全体を流路として流量を増加することができポンプ効率を向上することができ、また上記回転子10の回転安定化により振動や騒音を低減することができる。
[変形例]
上記ポンプ1は、羽根車11とマグネット13とをプラスチックマグネットで一体成形し回転子10を形成したものでもよく、この場合の羽根14、15は一体成形時にプラスチックマグネットに埋め込み成形することができる。また、羽根14、15をプラスチックマグネットで成形したものでもよい。
本発明のポンプは、給水、排水等の各種用途のポンプに使用することができる。中でも、ポンプの小形、軽量化、省エネ化が可能であることから、洗濯機や給湯機、自動車の燃料ポンプなどの輸送ポンプに好適である。
実施形態のポンプの断面図である。 従来例のポンプの断面図である。
符号の説明
1……ポンプ
2……吸入口
3……吐出口
4……ケーシング
10……回転子
11……羽根車
12……貫通孔
13……マグネット
14、15……羽根
20……固定子
C、D……流体の流れ

Claims (3)

  1. 吸入口と吐出口とを有するケーシングと、該ケーシング内に収容された羽根車とマグネットを有して構成される回転子と、該マグネットの径方向外側に配設された固定子とを備え、
    前記回転子は前記ケーシング内に浮上状態に回転支持される軸受レス支持構造を有し、前記羽根車の回転により前記吸入口から吸引した流体を前記吐出口から吐出するポンプにおいて、
    前記回転子はその羽根車とマグネット部分との中心部を軸芯方向に貫通する貫通孔を設け、かつ前記羽根車の前記吸入口側と反吸入口側とに羽根を設け、
    前記吸入口側の羽根による前記吸入口から前記吐出口への流体の流れと、前記反吸入口側の羽根による前記吸入口から前記貫通孔内を通過して前記吐出口への流体の流れを形成するようにした
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 前記回転子がプラスチックマグネットによって一体成形されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記ポンプがブラシレス直流モータを構成するものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ。
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