JP4168382B2 - 酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器 - Google Patents

酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器に関し、詳しくは、食品等の内容物保存性に優れた多層成形プラスチック容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を再利用して、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層を均一に形成せしめた、多層成形容器及びその多層成形容器を製造するための多層シート材料に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に日用品の容器においては、軽量性や耐衝撃性及び経済性等の観点からプラスチック容器が汎用され、食品や薬品等の各種の用途において欠かすことのできない必需品となっている。そして最近では、プレスチック容器は、汎用性と重要性において従前の金属やガラス等の容器を凌駕しており、特に、優れた物性や簡易かつ安価に製造できることにより、熱可塑性樹脂のプラスチック容器が最も多用されている。
しかし、従前の金属缶やガラスビン等に比して、プラスチックは微量のガス透過性を有するので、プラスチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、酸素が食品や薬品等の内容品を化学変化せしめて、あるいは、容器内において酸素が腐敗をもたらす微生物の発育を促進せしめて、内用品の保存性の点で問題となっている。
【0003】
従来では、プラスチック容器の器壁を通しての酸素透過を防止するために、容器壁を多層構造とし、その少なくとも一層に、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの耐酸素透過性を有する樹脂を用いることが行われて、また、容器内の酸素を除去するために、脱酸素剤の使用も行われ、容器壁中に存在する脱酸素剤により容器内の酸素を吸収せしめて容器内を高度の無酸素状態に保持することが行われている。
これらの改良技術を容器壁に適用した代表的な例としては、酸素透過性を有する樹脂に還元性物質を主剤とする脱酸素剤を配合して成る層と、酸素ガス遮断性を有する層とを積層して、外部からの酸素の透過と内部の酸素の吸収を行う多層構造容器が知られている(特許文献1を参照)。
【0004】
そして、このようなプラスチック容器は、外部から器壁を通しての酸素透過を防ぎ、容器内部の酸素を吸収脱酸素して内容物の保存性を高める非常に優れた容器であるので、さらにその機能を高めるために、器壁の層構造や層を形成する樹脂材料あるいは酸素吸収剤等その他において、多くの改良がなされ続けている。例えば、(1)器壁の層構造の改良としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる酸素ガス遮断層が、その隣接層の脱酸素剤が配合された層のために成形時に厚みムラが発生し、それにより、容器内面に色ムラ等の外観不良が生じる問題を、エチレン−ビニルアルコール共重合体として内層及び外層のポリプロピレン系樹脂の融点に関して特定のビカット軟化点を有するものを使用して解決した多層容器(特許文献2を参照)、また、脱酸素樹脂層中の脱酸素剤粒子が層面に突出してしまう問題を、ポリオレフィン系樹脂の平滑化層の採用により解決した多層容器(特許文献3を参照)、(2)層を形成する樹脂材料の改良としては、鉄系酸素吸収剤が層外に露出や溶出する問題を、酸素吸収層の樹脂材料として非相溶性の複数の熱可塑性樹脂を採用して解決した多層容器(特許文献4を参照)、容器形成のためのヒートシール性の欠乏及び酸素吸収樹脂層表面が酸素吸収剤粒子のために微細凹凸面となり接着不良を起こす両問題を、内層にヒートシール性樹脂を外層に耐熱性樹脂を使用し、熱可塑性樹脂クッション層を中間層として解決した多層容器(特許文献5を参照)、(3)酸素吸収剤の改良としては、酸素吸収剤の鉄酸化物による樹脂劣化に起因する臭気の発生の問題を、鉄粉と電解質水溶液とを樹脂に混錬してシート形成することにより解決した多層容器材料(特許文献6を参照)、酸素吸収速度の遅延の問題を、鉄粉の表面に酸化促進剤を被覆した酸素吸収剤を配合して解決した多層容器(特許文献7を参照)等々が開示されている。
【0005】
以上のように、種々の観点からプラスチック多層容器の改良が重ねられ、消費者の各種の要求に応じているが、未だに満足されない問題も多く残されており、酸素吸収速度や酸素吸収期間の向上、レトルト時の容器の表面平滑性の保持、層間クラック発生の防止その他においての改良が望まれている。
一方、最近では、従来とは別の面での幾つかの問題も認識され、例えば、多層容器を成形するための多層シート材料の製造時に、高価な酸素吸収樹脂層を含むトリムロスが多量に発生して多層容器の生産コストを低下できないという、新たな観点からの問題も派生してその解決が要望されている。
【0006】
【前記した従来の技術における各特許文献の一括表示】
特許文献1:特公昭62−1824号公報(特許請求の範囲の請求項1)
特許文献2:特開平7−309323号公報(特許請求の範囲の請求項1)
特許文献3:特開平9−234832号公報(特許請求の範囲の請求項1)
特許文献4:特開平10−114371号公報(特許請求の範囲の請求項1)
特許文献5:特開平9−40024号公報(特許請求の範囲の請求項1)
特許文献6:特開平6−170940号公報(特許請求の範囲の請求項1、段落0001、段落0002)
特許文献7:特開平2−72851号公報(第2頁左下欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、酸素吸収及び遮蔽による内容物保存性の多層成形容器における、上述の従来の技術の状況において、重要な問題のひとつとなっている、高価な酸素吸収樹脂層を含むトリムロスやスケルトンロスが多量に発生して多層容器の生産コストを低下できないという課題を、発明が解決しようとする課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、多層成形容器における上述の、高価な酸素吸収樹脂層を含むトリムロスやスケルトンロスが多量に発生して多層容器の生産コストを低下できないという課題を解決するために、現在汎用されており、重要な多層成形容器のひとつである、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、有効な課題解決手段を探索した。
【0009】
すなわち、多層成形容器の材料となる多層成形シートの製造の際に、廃棄されるシートサイドトリム屑(多層シートを積層成形する際に生じ、層状態が不適正なために切断除去される、シートの両端の屑)、及び成形時に生じるスケルトン屑(多層成形シートから多層容器を成形し、多層成形容器を打ち抜いた後の多層成形シート屑)の有効利用について思考ないしは検討を重ねた。
そして、これらの成形屑を再利用の原料として、層形成の材料の一部とすれば、成形屑の再利用を実現できて、それにより多層容器の生産コストを低下できるばかりではなく、他層に比べて高価な酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂層屑の再利用により、生産コストをより有効に改善でき、さらに驚くべきことに、この再利用を多層成形容器の各層との相関を考慮して工夫すれば、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層の成形安定性が向上して、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が均一となり、シート生産安定性が高まるとともに、シートサイドトリム屑が非常に減少することが明らかとなった。これに付随して、酸素の吸収性と遮蔽性がより高められることも判明した。
【0010】
他層に比べて高価な酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂層屑の再利用を、多層成形容器の各層との相関を考慮して工夫する具体的な手段は、すなわち本発明の基本的な要素は、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂層を含む、シートサイドトリム屑をスケルトン屑と共に、ないしはシートサイドトリム屑又はスケルトン屑を熱可塑性樹脂の外層側における層に使用し、あるいは、シートサイドトリム屑をスケルトン屑と共に、ないしはシートサイドトリム屑又はスケルトン屑を酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することである。
【0011】
本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、第一及び第二の発明を基本発明とし、第三以下の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化するものである。
第一発明: 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用することを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0012】
第二発明: 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0013】
第三発明: 第1の中間層の両側層に接着剤層が設けられることを特徴とする、第一発明又は第二発明の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0014】
第四発明: 内層及び外層の熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、第1の中間層の酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体であり、第2の中間層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、第一発明〜第三発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0015】
第五発明: 内層の熱可塑性樹脂が酸素透過性樹脂であり、外層の熱可塑性樹脂が酸素遮蔽性樹脂であることを特徴とする、第一発明〜第三発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0016】
第六発明: 酸素吸収剤が鉄系脱酸素剤であることを特徴とする、第一発明〜第五発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0017】
第七発明: 酸素吸収剤に酸化促進剤が併用されることを特徴とする、第一発明〜第六発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
【0018】
第八発明: 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた、多層成形容器を製造する多層シート材料において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用されることを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層シート材料。
【0019】
第九発明: 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた、多層成形容器を製造する多層シート材料において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入されることを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層シート材料。
【0020】
第十発明: 第1の中間層の両側層に接着剤層が設けられることを特徴とする、第八発明又は第九発明の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層シート材料。
【0021】
第十一発明: 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用するか、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することにより、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層を均一に形成せしめ、トリムロスを減少せしめることを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下においては、上述した本発明群の発明(本発明群の発明を「本発明」と略記することがある)の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に詳しく説明する。
本発明は、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器に関し、詳しくは、食品あるいは医薬品等の内容物保存性に優れた多層成形プラスチック容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を再利用して、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層及び他層を均一に形成せしめた多層容器を特徴とするものである。
【0023】
(1)従前の多層成形容器について
酸素の吸収性と遮蔽性とは、容器内に収容され保存される食品や医薬品等の内容物が酸素により腐敗ないしは化学変質しないための、「耐酸素性」というべきものである。
多層容器においては、プラスチックが微量のガス透過性を有するために容器壁の外部から容器壁を透過して侵入する空気中の酸素、及び容器内に内容物を収納するときに存在する空気中の酸素が、食品や医薬品等の内容品を化学変質せしめて、あるいは、容器内において腐敗をもたらす微生物の発育を促進せしめて、内容品の保存性の点で問題となっているので、従来から、容器壁を多層構造とし、その少なくとも一層に、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの耐酸素透過性を有する樹脂を用いることが行われて、また、容器内の酸素を除去するために、脱酸素剤の使用によって、容器壁中に存在する脱酸素剤により容器内の酸素を吸収せしめて容器内を高度の無酸素状態に保持することが行われている。
【0024】
特に、最近では、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器が汎用されており、その多層成形容器における多層シート成形材料の層構造の断面図が、図1に代表例として示されている。
図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の白色部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の黒色部分)と、その両側の接着剤層(図中の白抜き部分)と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中のビーズ模様部分)が各々図示されている。Aはシートの1次成形幅を、Bはシートの容器製品となる幅を、Cは酸素のバリア効果(酸素遮蔽ないし吸収効果)の有効幅を、Dはトリムロス幅(両端屑)を各々表わす。なお、縦軸はシートの厚み(単位mm)を、横軸はシート中央部からの幅長さ(単位mm)を示す。
【0025】
このような従前の、多層成形容器における多層シート材料においては、同時多層押出し積層法などにより、多層シート材料を積層成形する際に、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層において、鉄粉系などの酸素吸収剤の重量によってか、あるいは、シートの層構成の対称性が乏しいためか、酸素吸収層のシート中央部の層部分が図1に図示されるように垂れ下がってしまい、それに引かれて第1の中間層も垂れ下がり、そのためにシートの中間の各層がシートの中央部に引き寄せられ、酸素遮蔽層(第1の中間層)と酸素吸収層(第2の中間層)の層厚みが少ないか殆どなくて耐酸素性の機能が働かない部分がシートの両端に大幅にトリムロス(図中のD)として生じてしまう。また、そのためにバリア効果の有効幅(図中のC)も狭くなる。
そして、シートの中間の各層が垂れ下がることにより、シート層の構成が内外部において非対称となりシート層分布の成形安定性も悪くなってしまい、多層シート材料の積層成形における生産安定性が悪化しがちである。
さらに、トリムロス中の酸素吸収剤は他の原料に比して高価なために、コストアップになってしまう問題も避けられない。
【0026】
(2)本発明における第一の発明(及び第八の発明)について
本発明者は、多層成形容器における上述の、高価な酸素吸収樹脂層を含むトリムロスが多量に発生して多層容器の生産コストを低下できないという問題点を解消するために、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、有効な課題解決手段を探索したところ、多層成形容器の材料となる多層成形シートの製造の際に、廃棄されるシートサイドトリム屑(多層シートを積層成形する際に生じ、層状態が不適正なために切断除去される、シートの両端の屑)、及び容器成形時に生じるスケルトン屑(多層成形シートから多層容器を成形し、多層成形容器を打ち抜いた後の多層成形シート屑)の有効利用をその解決手段として選択し、これらの成形屑を再利用の原料として、層形成の材料の一部とすれば、成形屑の再利用を実現できて、それにより多層容器の生産コストを低下できるばかりではなく、他層に比べて高価な酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂層屑の再利用により、生産コストをより有効に改善できる発明を創作するに到った。
【0027】
その第一発明(及び第八発明)における具体的手段の基本構成の特徴は、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用することである(この層はリプロ層と称す)。すなわち、第一発明(第八発明)の特徴を簡明に表わすために、その多層成形容器における多層シート成形材料の層構造の断面図が、図2に例示されている。図2においては、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器における、多層シート材料の層構造の断面図が代表例として示されている。
前述の図1の場合と同様に、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の白色部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の黒色部分)と、その両側の接着剤層(図中の白抜き部分)と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中のビーズ模様部分)、及び外層と第1の中間層との間の、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑からなる層(図中の斜線部分:リプロ層)が各々図示されている。Aはシートの1次成形幅を、Bはシートの容器製品となる幅を、Cは酸素のバリア効果(酸素遮蔽ないし吸収効果)の有効幅を、Dはトリムロス幅(両端屑)を各々表わす。なお、縦軸はシートの厚み(単位mm)を、横軸はシート中央部からの幅長さ(単位mm)を示す。
【0028】
なお、図1及び図2における各層構成を対照して、模式的に各層構成が図3に示されている。左側が図1の従前の多層容器の多層シート材料の層構成を、右側が第一発明の多層容器の多層シート材料の層構成を表している。左右側共に図1と図2と同様に、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の白色部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の黒色部分)と、その両側の接着剤層(図中の白抜き部分)と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中のビーズ模様部分)、及び外層と第1の中間層との間の、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑からなる層(図中の斜線部分)が各々図示されている。縦軸は厚み割合(単位%)を示す。
【0029】
第一発明における具体的手段の基本構成の特徴である、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用することによって、驚くべきことに、上述の従前の多層容器における多層シート材料とは対照的に、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層の成形安定性が向上して、図1との比較において図2に明瞭に示されているように、シート中央部の層部分が図1に図示されるように垂れ下がってしまうことが解消されて、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が均一となり、シート両端のトリムロスの幅(D)が大幅に減少し、さらにシート生産安定性も高まることが判明した。また、シートの1次成形幅(A)に対する酸素のバリア効果(酸素遮蔽ないし吸収効果)の有効幅(C)の割合も増加している。
この現象の原因は明確にはなっていないが、熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として再使用する、シートサイドトリム屑及びスケルトン屑にも酸素吸収剤がかなりの量にて含有されているから、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層との層バランスがとれ、このリプロ層の存在によって酸素遮蔽性の第1の中間層を中心として上下の層構成が略均一となるためではないかと推定される。
そして、従前に比して、シートサイドトリム屑が非常に減少すると共に、リプロ層にも回収された酸素吸収剤が含有されているので、酸素の吸収性と遮蔽性がより高められることも判明した。
さらに、シートサイドトリム屑に含有されている高価な酸素吸収剤を再使用するので、大幅なコストダウンを実現でき、また、リプロ層にスケルトン屑も混入させるから、この面からもコストダウンへの寄与がなされ、熱可塑性樹脂からなる外層の使用量も低減される。
リプロ層は全体の厚みの33%程度、50μm程度までとするのが好ましい。
【0030】
(3)本発明における第二の発明(及び第九の発明)について
本発明者は、多層成形容器における前述の、高価な酸素吸収樹脂層を含むトリムロスが多量に発生して多層容器の生産コストを低下できないという問題点を解消するために、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、有効な課題解決手段を探索したところ、多層成形容器の材料となる多層成形シートの製造の際に、廃棄されるシートサイドトリム屑、及び容器成形時に生じるスケルトン屑の有効利用をその解決手段として選択し、これらの成形屑を再利用の原料として、層形成の材料の一部とすれば、成形屑の再利用を実現できて、それにより多層容器の生産コストを低下できるばかりではなく、他層に比べて高価な酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂層屑の再利用により、生産コストをより有効に改善できる発明を、上述の第一の発明と同様に、さらに他の発明として(第二の発明)創作するに到った。
【0031】
その第二発明(及び第九発明)における具体的手段の基本構成の特徴は、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂からなる第2の中間層に混入して使用することである。
第二発明(及び第九発明)の特徴を簡明に表わすために、その多層成形容器における多層シート成形材料の層構造の断面図が、図4の右側に例示されている。左側には、対照として従前の多層容器における多層シート材料の層構成が示されている。
図4においては、前述の図3の場合と同様に、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の斜線及び黒点模様部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の斜線部分)と、その両側の接着剤層(図中の黒色部分)と、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が混入された、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中の横線模様部分)が各々図示されている。なお、縦軸及び図中の数字は、層の厚み(単位:mm)を示す。
【0032】
第一発明の場合と同様に、第二発明おける具体的手段の基本構成の特徴である、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、酸素吸収層に混入して再使用することによって、やはり驚くべきことに、上述の従前の多層容器における多層シート材料とは対照的に、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層の成形安定性が向上して、図1との比較において図2に明瞭に示されている第一発明の場合と同様に、第二発明においても、シート中央部の層部分が図1に図示されるように垂れ下がってしまうことが解消されて、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が均一となり、シート両端のトリムロスの幅が大幅に減少し、さらにシート生産安定性も高まることが判明した。また、シートの1次成形幅(A)に対する酸素のバリア効果(酸素遮蔽ないし吸収効果)の有効幅(C)の割合も増加する。
この現象の原因は明確にはなっていないが、再使用するシートサイドトリム屑及びスケルトン屑にも酸素吸収剤がかなりの量にて含有されており、これを酸素吸収層に混入再使用すると酸素吸収層の厚みが増して、図4の右側に示されるように、外層側の熱可塑性樹脂層の厚みを小さくでき、酸素遮蔽性の第1の中間層がほぼ中央部に位置し、全体の層分布が略対称に近づくことによるのではないかと推定される。
そして、従前に比して、シートサイドトリム屑が非常に減少すると共に、酸素吸収層に回収された酸素吸収剤が追加されているので、酸素の吸収性と遮蔽性がより高められることも判明した。
さらに、シートサイドトリム屑に含有されている高価な酸素吸収剤を再使用するので、大幅なコストダウンを実現でき、また、酸素吸収層にスケルトン屑も混入させるから、この面からもコストダウンへの寄与がなされる。
【0033】
(4)本発明における第三〜第七の発明について
第三発明(及び第十発明)は、酸素遮蔽性の第1の中間層の両側層に接着剤層が設けられることを特徴とする、第一発明又は第二発明の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器ないしは多層シート材料であるが、接着剤は任意使用であり、第一の中間層と両側層との接合性が悪い場合に使用される。通常は、第1の中間層の酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂にエチレン−ビニルアルコール共重合体が使用され、両側層に汎用されるポリプロピレン系樹脂との接着性がよくないので、汎用接着剤であるエチレン−アクリル酸エステル共重合体などの熱可塑性樹脂接着剤が用いられる。
その他の接着剤の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組み合わせである。これらの接着剤樹脂は、同時押出或いはサンドイッチラミネーション等による積層に有用である。
【0034】
第四発明は、内層及び外層の熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、第1の中間層の酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体であり、第2の中間層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、第一発明〜第三発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器であって、代表的な層材料の構成を例示している。
ポリプロピレン系樹脂は、その耐衝撃性などの機械的物性や耐薬品性などの化学的物性に優れており、成形性や経済性も卓越であるから、内層及び外層の熱可塑性樹脂として汎用される。
ポリプロピレン系樹脂としては、具体的に、アイソタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、及びこれらのブレンド物が使用される。中でも、融点が155〜165℃、特に160〜165℃のプロピレン−エチレンブロック共重合体が好ましい。即ち、このブロック共重合体は軟化点が高いため、多層シートを用いて容器への成形を行う際、該共重合体層(内外層)に応力が集中して延伸されるので、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性に優れた容器を得ることができる。またこれらのポリプロピレン系樹脂は、通常、第2の中間層に配合されている鉄系脱酸素剤の黒色を隠蔽するために、酸化チタン等の白色顔料を配合した組成物の形で使用に供される。
第1の中間層の酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂としてのエチレン−ビニルアルコール共重合体も、その優れた酸素遮蔽性により汎用され、エチレン−ビニルアルコール共重合体の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。
第2の中間層の熱可塑性樹脂としては、容器内部の酸素吸収のためにある程度の酸素透過性を有するポリオレフィン系樹脂が汎用される。
また、ポリプロピレン系樹脂から成る内層及び外層は、水分の透過を抑制し、エチレン−ビニルアルコール共重合体の吸湿による酸素遮蔽性の低下を抑制する。
【0035】
第五発明は、内層の熱可塑性樹脂が酸素透過性樹脂であり、外層の熱可塑性樹脂が酸素遮蔽性樹脂であることを特徴とする、第一発明〜第三発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器である。
内層は酸素吸収層の酸素吸収のためにある程度の酸素透過性が必要であるので、内層の熱可塑性樹脂として酸素透過性樹脂が好ましく、外層は外部からの酸素の侵入を防ぐために、外層の熱可塑性樹脂として酸素遮蔽性樹脂が好ましい。
なお、脱酸素剤による容器内残留酸素の吸収は、器壁を通しての外部からの酸素の透過が第1の中間層で遮断された状態で行われるため、残留酸素の吸収は効率よく行われる。また、仮に第1の中間層を通しての僅かの酸素の透過があっても、この透過酸素は脱酸素剤により捕捉されるという利点もある。
さらに、本発明の多層容器は、上記の層構成に限定されるものではなく、例えば第2の中間層と内層との間に、追加のエチレン−ビニルアルコール共重合体から成る中間層を設けることもできるし、他の中間層を設けることも可能である。各層の厚みは好適なものとして、図2や図4の図中の数値データが示されているが、通常の多層容器として特に制限はない。
具体例を示すと、一般に内層の厚みは、10〜150μmが好ましく 、内層の厚みを過度に大きくすると、容器内酸素の吸収が充分に行われないことがある。また外層の厚みは、50〜200μm が好ましい。第1の中間層の厚みは、10〜30μm が好ましい。第2の中間層の厚みは、30乃至100μmが好ましい。さらに第1の中間層と第2の中間等との厚み比は、通常、1:10〜10:1の範囲に設定することが好ましい。
【0036】
第六発明は、酸素吸収剤が鉄系脱酸素剤であることを特徴とする、第一発明〜第五発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器であるが、酸素吸収性と経済性に優れた代表的な酸素吸収剤(脱酸素剤)を例示している。
鉄系脱酸素剤は、その優れた還元性(周囲物質からの脱酸素性)により強力な酸素吸収作用をもたらす。
なお、鉄系脱酸素剤としては、従来この種の用途に使用されているものは全て使用することができ、例えば還元性鉄、酸化第一鉄、四三酸化鉄、炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化鉄などを例示できる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。粒径や密度も通常のものが好適である。あまり平均粒径が大きいものを使用すると、多層シートへの成形に際してフィッシュアイ等が発生し、容器の外観が損なわれることがある。
鉄系脱酸素剤は、一般に樹脂当り1〜200重量%、特に10〜100重量%の量とすることが好適である。鉄系脱酸素剤の量が上記範囲よりも低いと、容器内の酸素濃度を微生物の成育に適した濃度以下に抑制することが困難となり、一方上記範囲よりも多量に用いたとしても、酸素濃度低下の点で格別の効果がないばかりか、成形性や価格の点で不利となる傾向がある。
【0037】
第七発明は、 酸素吸収剤に酸化促進剤が併用されることを特徴とする、第一発明〜第六発明のいずれかの酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器であって、アルカリ化合物やアルカリ土類化合物などの酸化促進剤(触媒)を併用して、鉄系脱酸素剤などの酸素吸収性を促進させる。これらは、水分の吸収を介して、脱酸素剤の脱酸素効果を促進させるものである。
【0038】
(5)本発明における多層成形容器の製造について
第十一発明は、第一発明ないしは第二発明の多層成形容器を製造する方法の発明であって、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用するか、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することにより、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層を均一に形成せしめ、トリムロスを減少せしめることによって、多層容器の多層シート材料を製造し、その多層シート材料を使用して通常の容器成形方法にて、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器を製造する。
多層シート材料の製造は、それ自体公知の方法で行うことができる。例えば、各樹脂層に対応する押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイなどの多層多重ダイスを通して所定の形状に同時溶融押出しすることによって得られる。また、各樹脂層に対応する射出機で溶融混練した後、射出金型中に共射出または逐次射出することによっても得ることができる。
多層シート材料を用いての容器への成形は、通常の真空成形、圧空成形などによって行われる。この際の成形温度は、使用する樹脂の融点乃至軟化点によっても異なるが、一般的には165〜170℃の範囲とすることが好ましい。
本発明による多層容器は、トレイやカップなどの形状の容器として、また、内容物を無菌充填する密封包装容器や、内容物を加熱殺菌する密封包装容器として有用であり、さらに密封された内容物を開封後に電子レンジなどでマイクロ波加熱して調理する包装容器などとしても有用である。特に炊飯した米飯保存用容器として最適である。さらには、医薬品の保存用容器としての用途も好適である。
【0039】
【実施例】
以下において、実施例により本発明を詳細に具体的に示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例−1
本実施例は、第一発明に主として関わるものであって、多層成形容器における多層シート材料の実施例が、図2及び図3において、従前の例が図1及び図3において具体的にシート幅とシート厚みの数値データと共に図示されている。
なお、前述のとおり、図1及び図2においては、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の白色部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の黒色部分)と、その両側の接着剤層(図中の白抜き部分)と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中のビーズ模様部分)、及び外層と第1の中間層との間における、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑からなる層(図中の斜線部分:リプロ層)が各々図示されている。Aはシートの1次成形幅を、Bはシートの容器製品となる幅を、Cは酸素のバリア効果(酸素遮蔽ないし吸収効果)の有効幅を、Dはトリムロス幅(両端屑)を各々表わす。縦軸はシート厚み(単位:mm)を、横軸はシート中央部からのシート幅(単位:mm)を示す。
図3においては、図1及び図2における各層構成を対照して、模式的に各層構成が示されている。左側が図1の従前(比較例1)の多層容器の多層シート材料の層構成を、右側が第一発明の多層容器の多層シート材料の層構成を表している。左右側共に図1と図2と同様に、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の白色部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の黒色部分)と、その両側の接着剤層(図中の白抜き部分)と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中のビーズ模様部分)、及び外層と第1の中間層との間における、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑からなる層(図中の斜線部分)が各々図示されている。縦軸は厚み割合(単位%)を示す。
【0040】
多層シート材料の製造
内層及び外層のポリプロピレン系樹脂として、プロピレン−エチレンブロック共重合体、第1の中間層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体、第2の中間層のポリプロピレン系樹脂組成物として、プロピレン−エチレンランダム共重合体とその樹脂100重量部当たり37重量部の鉄系脱酸素剤を含有する組成物をそれぞれ使用し、外層と第1の中間層との間のリプロ層として、シートサイドトリム屑とスケルトン屑からなる再利用材料を使用し、さらにエチレン−ビニルアルコール共重合体とこれに隣接する層との間には接着剤樹脂層が形成されるようにして多層同時共押出を行い、図2に示す層構成の5種7層の多層シートを成形した。なお、内層のポリピロピレン系樹脂には30重量%、及び外層のポリピロピレン系樹脂には10重量%の酸化チタンをブレンドし、鉄系脱酸素剤の黒色を隠蔽した。
[結果]
形成されたシートサイドトリム幅は、図2に示されるように、両端で各々24mmであり、シート全幅に対して、トリム率は(24mm×2/730)×100=6.6(%)であった。
図2に示されるように、第2の中間層の垂れ下がりは生じず、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が均一となった。さらに、シートサイドトリム屑に含有されている高価な酸素吸収剤を再使用するので、大幅なコストダウンを実現でき、また、リプロ層にスケルトン屑も混入させるから、この面からもコストダウンへの寄与がなされる。
【0041】
多層容器の製造
通常の真空圧空成形機で、多数個取り金型を用いて、深絞り成形を行い、口外径75mm、高さ94mm、内容量225mlの多層深絞り容器を成形した。
この多層容器の酸素遮断性及び酸素の吸収性を測定し、また、炊飯した米飯を殺菌状態で密封して保存性を測定した。
従前に比して、リプロ層にも回収された酸素吸収剤が含有されているので、表1に示されるように、酸素遮断性あるいは酸素の吸収性と遮蔽性がより高められることも判明した。
以上の実施例−1における結果を表1に示す。
【0042】
実施例−2
本実施例は、第二発明に主として関わるものであって、多層成形容器における多層シート材料の実施例が、図4において、具体的に層構成とシート厚みの数値データとして図示されている。
前述のとおりに、図4においては、前述の図3の場合と同様に、左側には、対照として従前の多層容器(比較例2)における多層シート材料の層構成が示され、右側に実施例−2の多層シート材料の層構成が示され、図中の上側が容器の外部で、図中の下側が容器の内部側に相当する。熱可塑性樹脂から成る内層及び外層(図中の斜線及び黒点模様部分)と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層(図中の斜線部分)と、その両側の接着剤層(図中の黒色部分)と、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が混入された、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層(図中の横線模様部分)が各々図示されている。なお、縦軸及び図中の数字は、層の厚み(単位:mm)を示す。
【0043】
多層シート材料の製造
実施例−1において、外層と第1の中間層との間のリプロ層として、シートサイドトリム屑とスケルトン屑からなる再利用材料を使用する代わりに、シートサイドトリム屑とスケルトン屑からなる再利用材料を、第2の中間層に混入した以外は、実施例−1と全く同様に多層シート材料を製造した。
[結果]
形成されたシートのトリム率は8.1(%)であった。
第2の中間層の垂れ下がりは生じず、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が均一となった。さらに、シートサイドトリム屑に含有されている高価な酸素吸収剤を再使用するので、大幅なコストダウンを実現でき、また、リプロ層にスケルトン屑も混入させるから、この面からもコストダウンへの寄与がなされる。
【0044】
多層容器の製造
実施例−1と全く同様に多層容器を成形した。
この多層容器の酸素遮断性及び酸素の吸収性を測定し、また、炊飯した米飯を殺菌状態で密封して保存性を測定した。
従前に比して、第2の中間層に回収された酸素吸収剤が追加されているので、表1に示されるように、酸素の吸収性と遮蔽性がより高められることも判明した。
以上の実施例−2における結果を表1に示す。
【0045】
比較例−1
実施例―1においてリプロ層を設けない以外は実施例1と全く同様にして多層シート材料及び多層容器の製造を行った。
[結果]
形成されたシートサイドトリム幅は、図1に示されるように、両端で各々48mmであり、シート全幅に対して、トリム率は(48mm×2/780)×100=12.3(%)であった。シートの1次成形幅(A)に対する酸素バリア効果の有効幅(C)の割合も実施例1に比べて劣っていた。
図1に示されるように、第2の中間層の垂れ下がりが大きく、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が不均一となった。
多層容器の酸素遮断性及び酸素の吸収性を測定し、また、炊飯した米飯を殺菌状態で密封して保存性を測定した。
以上の比較例−1における結果を表1に示す。
【0046】
比較例−2
実施例―2においてシートサイドトリム屑とスケルトン屑からなる再利用材料を、第2の中間層に混入しない以外は、実施例−2と全く同様に多層シート材料及び多層容器の製造を行った。
[結果]
形成されたシートのトリム率は12.3(%)であった。
第2の中間層の垂れ下がりが大きく、シートの中央部と両端部におけるシートの層構成が不均一となった。
多層容器の酸素遮蔽性及び酸素の吸収性を測定し、また、炊飯した米飯を殺菌状態で密封して保存性を測定した。
以上の比較例−2における結果を表1に示す。
なお、各例における米飯保存性及びコストダウンへの寄与における評価は、非常に良好を◎、良好を○、不良を×とした。
【0047】
【表1】
Figure 0004168382
【0048】
[実施例と比較例の結果の考察]
以上の各実施例及び各比較例を対照することにより、本発明では、多層シート材料において、シートサイドトリム率が従前(比較例)に比べて大幅に改良され、多層シート材料の中間層の垂れ下がりも発生せず、トリム屑及びスケルトン屑の再使用による高価な酸素吸収剤の回収使用及びコストダウンへの寄与が大きくなっている。
また、本発明では、多層成形容器において、トリム屑及びスケルトン屑の再利用によって、酸素遮蔽性及び吸収性が増加され、内容物保存容器として米飯の保存が味と香りにおいて非常に優れていることが明らかにされている。
【0049】
【発明の効果】
本発明においては、多層シート材料において、シートサイドトリム率が大幅に改良され、多層シート材料の中間層の垂れ下がりも発生せず、それにより多層シート材料の生産安定性が向上し、トリム屑とスケルトン屑の層材料としての再利用によって他層の材料の使用量が軽減され、さらにトリム屑及びスケルトン屑の再使用による高価な酸素吸収剤の回収使用によりコストダウンへの寄与が大きくなっている。
また、本発明では、多層成形容器において、トリム屑及びスケルトン屑の再利用によって、酸素遮蔽性及び吸収性が増加され、内容物保存容器としての保存性において非常に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従前の多層成形容器における多層シート材料の断面層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第一発明に関わる多層成形容器における多層シート材料の断面層構成を示す断面図である。
【図3】従前の多層成形容器における多層シート材料及び本発明の第一発明に関わる多層成形容器における多層シート材料の断面層構成を示す模式断面図である。
【図4】従前の多層成形容器における多層シート材料及び本発明の第二発明に関わる多層成形容器における多層シート材料の断面層構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
A: シートの1次成形幅
B: シートの容器製品となる幅
C: 酸素のバリア効果の有効幅
D: トリムロス幅

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に層として使用し、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  2. 第1の中間層の両側層に接着剤層が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  3. 内層及び外層の熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、第1の中間層の酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体であり、第2の中間層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  4. 内層の熱可塑性樹脂が酸素透過性樹脂であり、外層の熱可塑性樹脂が酸素遮蔽性樹脂であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  5. 酸素吸収剤が鉄系脱酸素剤であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  6. 酸素吸収剤に酸化促進剤が併用されることを特徴とする、請求項5に記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器。
  7. 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた、多層成形容器を製造する多層シート材料において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に層として使用され、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑が、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入されることを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層シート材料。
  8. 第1の中間層の両側層に接着剤層が設けられることを特徴とする、請求項7に記載の酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層シート材料。
  9. 熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、外層側に位置する酸素遮蔽性の熱可塑性樹脂から成る第1の中間層と、内層側に位置する酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層とを備えた多層成形容器において、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の熱可塑性樹脂からなる外層と第1の中間層との間に、層として使用し、廃棄されるシートサイドトリム屑及び/又はスケルトン屑を、上記の酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層に混入することにより、酸素吸収剤配合熱可塑性樹脂から成る第2の中間層を均一に形成せしめ、トリムロスを減少せしめることを特徴とする、酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器の製造方法。
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