JP4166392B2 - ダイカスト鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共通の溶湯供給手段を用いて溶湯を金型の複数のキャビティ内に充填するようにしたダイカスト鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用のアルミニウム部品を製造するためのダイカスト鋳造装置は、固定型および可動型からなり内部にキャビティを形成する金型と、キャビティ内に金属溶湯を充填するための射出装置とを備えて構成されている。そして、射出装置はキャビティ内にランナーを介して連通する射出スリーブ内を、射出プランジャを前進、後退させるように構成されている。
【0003】
これにて、金型の型締めの工程、射出プランジャを前進させて射出スリーブ内の金属溶湯を加圧してキャビティ内に充填する射出の工程が順に実行され、キャビティ内の金属が凝固した後、金型を型開きして製品を取り出す工程が実行されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、金型に複数のキャビティを形成し、共通の射出装置から金属溶湯を供給することにより、多数個取りを行うと、キャビティ内への金属溶湯充填時の湯流れがばらつくため、鋳造品に巣が発生したり、キャビティ毎に金属溶湯の充填時間が異なるため、凝固組織にばらつきができたりして、高品質な鋳造品を安定して成形できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明者らは、上記不具合解決のために鋭意研究の結果、充填ばらつきを発生させる主な原因が、各キャビティの背圧のばらつきにあることを突きとめた。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、各キャビティの背圧を均一にすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることのできるダイカスト鋳造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、
開閉可能な金型(2、4、8、9)と、この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカスト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、これら複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する共通の溶湯供給手段(11、12、12a)と、この共通の溶湯供給手段(11、12、12a)から複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する際に、複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一にする背圧調整手段(17、30、31、32)とを備え、
背圧調整手段(17、30、31、32)は、
金型(2、4、8、9)に設けられた複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通するとともに、他端が外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間にそれぞれ連通する複数のガス排出路(17)と、
これら複数のガス排出路(17)のガス圧力を検出する圧力検出手段(30)と、
これら複数のガス排出路(17)のガス流量を調節するガス流量調整手段(32)とを有するとともに、前記圧力検出手段により前記キャビティ(10)内に溶湯が充填されるときのガス圧力を検知し、前記ガス圧力が所定の圧力となるように前記流量調整手段を調整することを特徴としている。
【0010】
これによると、複数のガス排出路(17)のそれぞれにおいて、圧力検出手段(30)が検出したガス圧力に応じて、ガス流量調整手段(32)がガス排出路のガス流量を速やかに調整し、複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一にすることができ、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することができる。また、背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深い形状のキャビティ(10)の場合でも溶湯の充填性を向上することができる。このようにして、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、複数のガス排出路(17)は所定以上の断面積を有することを特徴としている。
【0013】
そして、請求項3に記載の発明では、複数のガス排出路(17)のそれぞれの所定以上の断面積S1が以下の関係を満足することを特徴としている。
【0014】
S1≧k×A×V÷N
但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(mm/s)、N:前記キャビティ(10)数。
【0015】
これによると、複数のキャビティ(10)と、外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間とをそれぞれ連通している複数のガス排出路(17)のそれぞれの断面積が十分確保される。従って溶湯充填時もガス排出路(17)中に圧力勾配が生じることがなく、複数のキャビティ(10)の背圧を、全て外部の大気圧もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間の圧力に同一にすることができる。このようにして複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明では、
開閉可能な金型(2、4、8、9)と、この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカスト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、これら複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する共通の溶湯供給手段(11、12、12a)と、この共通の溶湯供給手段(11、12、12a)から前記複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する際に、前記複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一にする背圧調整手段(17、30、31、32)とを備え、
背圧調整手段(17、30、31、32)は、
金型(2、4、8、9)に設けられた複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通するとともに、いずれかの他端が外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間に連通する複数のガス排出路(17)と、
これらの複数のガス排出路(17)を相互に連通する連通路(40)と、
ガス排出路(17)もしくは連通路(40)のガス圧力を検出する圧力検出手段(30)と、
連通路(40)より外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間側のガス排出路(17b)のガス流量を調整するガス流量調整手段(32)とを有するとともに、前記圧力検出手段により前記キャビティ(10)内に溶湯が充填されるときのガス圧力を検知し、前記ガス圧力が所定の圧力となるように前記流量調整手段を調整することを特徴としている。
【0021】
これによると、ガス排出路(17)もしくは連通路(40)で、圧力検出手段が検出したガス圧力に応じて、ガス流量調整手段(32)がガス排出路(17)のガス流量を速やかに調整し、複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一することができ、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することができる。また、背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深い形状のキャビティ(10)の場合でも溶湯の充填性を向上することができる。このようにして、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明では、複数のガス排出路(17)および連通路(40)が所定以上の断面積を有することを特徴としている。そして、請求項6に記載の発明では、複数のガス排出路(17)のそれぞれの所定以上の断面積S2が以下の関係を満足するとともに、連通路(40)および連通路(40)より外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間側のガス排出路(17b)の前記所定以上の断面積S3が以下の関係を満足することを特徴としている。
【0023】
S2≧k×A×V÷N
S3≧k×A×V
但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(mm/s)、N:前記キャビティ(10)数。
【0024】
これによると、複数のキャビティ(10)と、外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間とを連通しているガス排出路(17)および複数のガス排出路(17)を相互に連通している連通路(40)の断面積が十分確保される。従って溶湯充填時もガス排出路(17)中および連通路(40)中に圧力勾配が生じることがなく、複数のキャビティ(10)の背圧を、全て外部の大気圧もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間の圧力に同一にすることができる。このようにして複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明では、複数のガス排出路(17)のそれぞれに、ガス排出路(17)を開閉する経路開閉手段(18)を設けており、溶湯がキャビティ(10)を充填した後の所定のタイミングにおいて、経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断することを特徴としている。
【0030】
これによると、溶湯がガス排出路(17)の型開き後取り出し不可能な位置まで流入したり、ガス排出路(17)から型外に流出したりすることを防止できる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明では、経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断する所定のタイミングが、溶湯供給手段(30、31、32)が複数のキャビティ(10)の容積に所定の容積を加えた量の溶湯を、複数のキャビティ(10)に充填したときとすることを特徴としている。
【0032】
これによると、経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断する以前に、ガス排出路(17)の経路開閉手段(18)よりキャビティ(10)側の部分(17a)を利用して、キャビティ(10)容積に対して過剰な量の溶湯を供給することができ、溶湯がキャビティ(10)を充填し終わるまで複数のキャビティ(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0033】
また、請求項9に記載の発明では、複数のキャビティ(10)のそれぞれに溶湯が充填されたことを検出する充填検出手段(20)を設けており、経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断する所定のタイミングは、溶湯がキャビティ(10)に充填されたことを充填検出手段(20)が検出したときとすることを特徴としている。
【0034】
これによると、溶湯がキャビティ(10)を充填し終わるまで複数のキャビティ(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0035】
また、請求項10に記載の発明では、複数のキャビティ(10)のそれぞれに溶湯が充填されたことを検出する充填検出手段(20)は、経路開閉手段(18)よりキャビティ(10)側のガス排出路(17a)付近に設けられた溶湯検知センサ(20)であることを特徴としている。
【0036】
これによると、溶湯がキャビティ(10)に充填されたことを、溶湯検知センサ(20)が溶湯を感知することで速やかに検出でき、検出したタイミングで経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断するため、溶湯がキャビティ(10)を充填し終わるまで複数のキャビティ(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0037】
また、請求項11に記載の発明では、充填検出手段(20)が検出する溶湯がキャビティ(10)に充填された時間と予め定めた基準時間とを比較して、ダイカスト鋳造品の良否を判定することを特徴としている。
【0038】
これによると、溶湯がキャビティ(10)に充填された時間が予め定めた高品質な鋳造品を成形できる基準時間とずれている場合は、凝固組織にばらつきができる等の不具合が発生しているものと推定して、鋳造品を不良品と判定することができる。
【0039】
また、請求項12に記載の発明では、溶湯供給手段(11、12、12a)によって供給されるキャビティ(10)のゲート部(15)における溶湯のキャビティ(10)への流入速度が0.05〜8m/sであることを特徴としている。
【0040】
これによると、複数のキャビティ(10)内の溶湯の流れを層流とすることができ、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を一層確実に得ることができる。
【0041】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0043】
(第1の実施形態)
図1は本発明における第1の実施形態のダイカスト鋳造装置を示すものであり、1は固定支持台であり、固定金型2を支持している。3は可動支持台であり、可動金型4を締付板5、6、7を介して支持している。固定金型2内には固定入れ子8が配置され、また、可動金型4内には可動入れ子9が固定入れ子8と対向するように配置されている。そして、この両入れ子8、9の間に製品部を成形する複数(本例では図3に示すように3個)のキャビティ10を形成している。
【0044】
また、固定支持台1の下部には、円筒状の射出スリーブ11が支持されており、この射出スリーブ11内に射出プランジャ12が摺動可能に嵌合している。本例では、この射出スリーブ11と射出プランジャ12とにより、金属溶湯の射出機構(溶湯供給手段)を構成している。
【0045】
この射出プランジャ12はその先端に所定の直径(本例では95mm)を有する径拡大部12aを有し、図示しない油圧駆動機構により射出スリーブ11内を軸方向(図1左右方向)に移動するようになっている。図1に示す射出プランジャ12の実線位置は型締め状態において射出プランジャが最も後退した状態を示し、1点鎖線位置12bは最も前進した状態を示している。
【0046】
射出スリーブ11の上方側の部位において、射出プランジャ12の最大後退位置近傍に金属溶湯の注入口13が形成してあり、この注入口13から射出スリーブ11内にダイカスト用金属(例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等)の溶湯を図示しない溶湯注入器にて注入するようになっている。
【0047】
射出スリーブ11のうち、射出プランジャ12の最大前進位置側の空間は、ランナー部(射出通路)14およびゲート部15を介してキャビティ10に連通している。ここで、ランナー部14およびゲート部15は互いに対向する固定入れ子8と可動入れ子9との間の空隙により形成されており、射出プランジャ12のの前進により射出スリーブ11内の溶湯をキャビティ10内に圧入するものである。
【0048】
そして、ランナー部14は、射出スリーブ11のうち射出プランジャ12の最大前進位置側の空間から、複数のキャビティ10までの溶湯の流れる距離を略同一とするよう図3に示すような形状としている。
【0049】
可動型4側にはキャビティ10内で成形されたダイカスト製品を成形後に押し出すための押し出しピン16が摺動可能に支持されている。また、図2、3にも示すように、可動型4側には複数のキャビティ10のそれぞれの上方にキャビティ10内のガスを排出するための所定の断面積(本例では120mm2)を有するガス排出路17が形成され、それぞれのガス排出路17の上方端は可動型4の上部で外部の大気に開放されている。
【0050】
そして、このガス排出路17は可動型4内において水平方向に経路が形成された部分を備えており、この部分を開閉するカットオフピン(経路開閉手段)18が可動型4側に摺動可能に支持されている。19はこのカットオフピン18を操作する油圧駆動機構である。また、ガス排出路17のうち、カットオフピン18によって開閉される部分よりキャビティ10側(上流側)の部分は、キャビティ10内に圧入された溶湯の一部が進入できるオーバーフロー部17aとなっている。
【0051】
次に、上記したダイカスト鋳造装置においてダイカスト鋳造方法を説明すると、まず、可動金型4を図1に示すように固定金型2に対して当接させ、型締めする。この型締め状態において、射出プランジャ12は図1の実線で示す最大後退位置に後退させておく。また、カットオフピン18は、図1、2に示す位置に操作する。
【0052】
次に、金属溶湯(本例ではアルミニウム合金、溶湯温度:700〜730°C程度)を図示しない溶湯注入器にて注入口13から射出スリーブ11内に注入する。次に、この溶湯の注入完了後に、直ちに射出プランジャ12を図1の1点鎖線で示す最大前進位置12b側へ所定の速度(本例では100mm/s)で前進させる。この射出プランジャ12の前進により、射出スリーブ11内の溶湯がランナー部14へ移行し、ゲート部15を通ってキャビティ10内に圧入され、キャビティ10内へ溶湯が充填される。このとき、キャビティ10内のガス(空気および熱分解ガス)は、ガス排出路17を通って型の外部の大気空間に放出され、キャビティ10内の背圧は、大気圧と同圧に保持される。
【0053】
ここで、ゲート部15を通ってキャビティ10内へ進入する溶湯の量が、複数のキャビティ10の容積の合計に所定の容積(本例では、複数のキャビティ10の容積の合計の5〜10%の容積)を加えた量となったとき、カットオフピン18を図1、2中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を遮断する。
【0054】
これにより、溶湯はガス排出路17に設けられたオーバーフロー部17aにまで進入しキャビティへの溶湯の充填が完了する。ここで、ガス排出路17を既にカットオフピン18が遮断しているので、溶湯が、ガス排出路17のうち、カットオフピン18によって開閉される部分より下流側の部分へ進入することはない。
【0055】
次に、キャビティ10内に圧入充填された溶湯の凝固時間が経過すると、キャビティ10内におけるダイカスト製品の成形が完了するので、金型の型開きを行う。すなわち、可動型4を固定型2から離れる方向(図1の左方向)に移動させて型開きを行うとともに、可動型4側の押し出しピン16および固定型2側の射出プランジャ12を前進させて、キャビティ10内の空間で凝固したダイカスト製品をランナー部14内およびガスは移出路17のオーバーフロー部17a内の空間で凝固した部分と一体にして押し出す。
【0056】
その後に、可動型4を固定型2側に移動させて、型締めを行うとともに、射出プランジャ12を図1の実線位置に後退させ、初期の状態に戻る。これにより、一連のダイカスト鋳造方法の全工程が完了する。
【0057】
上述のダイカスト鋳造方法によると、複数のキャビティ10を有する金型を備えたダイカスト鋳造装置を用いて多数個取りのダイカスト鋳造を行っても、複数のキャビティ10は、所定の断面積を有するガス排出路17によりそれぞれ金型外部の大気と連通していることにより、複数のキャビティ10の背圧を大気圧と同圧に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することができ、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0058】
なお、上述の実施形態において、複数のガス排出路17のそれぞれの断面積は最小断面積S1が、以下の関係から導かれる42.8mm2以上であることが好ましい。
【0059】
S1≧k×A×V÷N
但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャの射出速度(mm/s)、N:前記キャビティ数。
【0060】
42.8mm2未満ではキャビティ10への溶湯充填時にガス排出路17中に圧力勾配が生じ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生し易い。複数のガス排出路17のそれぞれの断面積を42.8mm2以上にすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても、高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0061】
また、上述の実施形態において、溶湯供給手段によって供給されるゲート部15における溶湯のキャビティ10への流入速度が0.05〜8m/sであることが好ましい。溶湯のキャビティ10への流入速度が0.05m/s未満では、溶湯がキャビティ10の充填を完了する前に溶湯の凝固が開始されてしまい、凝固組織にばらつきが発生する。また、溶湯のキャビティ10への流入速度が8m/sを超える場合は、キャビティ10内の溶湯の流れを層流にすることができない。溶湯のキャビティ10への流入速度を0.05〜8m/sにすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を一層確実に得ることができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図4に基づいて説明する。
【0063】
上記したように、第1の実施形態では、ゲート部15を通ってキャビティ10内へ進入する溶湯の量が、複数のキャビティ10の容積の合計に所定の容積を加えた量となったとき、カットオフピン18を図2、3中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を遮断している。
【0064】
これに対し、本第2の実施形態は、図4に示すように、ガス排出路17のオーバーフロー部17aの温度が測定できる位置に溶湯検知センサである温度センサ(充填検出手段)20を配設し、温度センサ20が溶湯からの熱を感知したとき、カットオフピン18を図4中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を遮断しようとするものである。なお、第1の実施形態と同様の部分については、第1の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略する。
【0065】
溶湯検知センサとしては、溶湯の温度を検出する温度センサ20、もしくは溶湯による電気導通を検出する電気導通センサ等を用いることができる。本例では温度センサ20を用いている。
【0066】
図4に示すように、温度センサ20は、可動型4側に支持されており、ガス排出路17のオーバーフロー部17a近傍の温度を検出するようになっている。温度センサ20には信号線23の一端が接続されている。信号線23の他端は制御装置21に接続されており、温度センサ20の検出信号を制御装置21に伝えるものである。
【0067】
信号線24は一端を制御装置21に、他端を油圧回路切換バルブ22に接続しており、油圧回路切換バルブ22は制御装置21からの制御信号により制御される。
【0068】
射出スリーブ11内への溶湯注入後、射出プランジャ12の前進により、キャビティ10内へ溶湯が充填される。ここで、キャビティ10内へ進入した溶湯がオーバーフロー部17aに達したとき、温度センサ20は溶湯からの熱を感知し信号を制御装置21に伝え、制御装置21は溶湯がオーバーフロー部17aに到達したことを検出する。そして制御装置21は速やかに油圧回路切換バルブ22に制御信号を送り、油圧回路を切り換える。これにより、油圧駆動機構19がカットオフピン18を図4中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を遮断する。
【0069】
これにより、溶湯はガス排出路17に設けられたオーバーフロー部17aにまで進入しキャビティへの溶湯の充填が完了する。ここで、ガス排出路17を既にカットオフピン18が遮断しているので、溶湯が、ガス排出路17のうち、カットオフピン18によって開閉される部分より下流側の部分へ進入することはない。
【0070】
本第2の実施形態によると、第1の実施形態と同様に、複数のキャビティ10の背圧を大気圧と同圧に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することができ、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0071】
なお、上述の第2の実施形態において、温度センサ20からの信号により制御装置21が検出した溶湯がキャビティに充填された時間と、予め定めた高品質な鋳造品を成形できる基準時間とを比較して、両者が所定時間以上(本例では0.1秒以上)ずれている場合は、凝固組織にばらつきができる等の不具合が発生しているものと推定して、鋳造品を不良品と判定することができる。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図5に基づいて説明する。
【0073】
前記したように、第1の実施形態では、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複数のガス排出路17を備え、複数のガス排出路17の他端が、外部の大気空間にそれぞれ連通している。
【0074】
これに対し、本第3の実施形態は、図5に示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複数のガス排出路17のそれぞれの出口部付近にガス排出路17のガス圧力を検出する圧力センサ30と、ガス流量調整弁32とを備えているものである。なお、第1の実施形態と同様の部分については、第1の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略する。
【0075】
図5に示すように、可動型4側に設けられた複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複数のガス排出路17は、それぞれの他端を可動型4の上部に突出しており、その先端には流量調整弁32が配設されている。また、可動型4の上部に突出したガス排出路17は、流量調整弁32より上流側で分岐しており、この分岐した配管の先端に圧力センサ30を備えている。
【0076】
圧力センサ30には信号線33の一端が接続されている。信号線33の他端は制御装置31に接続されており、圧力センサ30の検出信号を制御装置31に伝えるものである。信号線34は一端を制御装置31に、他端を流量調整弁32に接続しており、流量調整弁32は制御装置31からの制御信号により制御される。
【0077】
このようにすることで、複数のキャビティ10のそれぞれに設けられているガス排出路17のそれぞれにおいて、キャビティ10内へ溶湯が充填されるときのガス圧力を圧力センサ30が検知し、信号を制御装置31に伝える。そして、制御装置31は、ガス排出路17のガス圧力が所定の圧力(本例では大気圧より0.1気圧高い圧力)となるよう速やかに流量調整弁32に制御信号を送り、流量調整弁32の開度を調整する。これにより、ガス排出路17のガス圧力が所定の圧力に調整される。
【0078】
本第3の実施形態によると、複数のキャビティ10の背圧を所定の同じ圧力に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することができるばかりか、背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深い形状のキャビティの場合でも溶湯の充填性を向上することができ、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0079】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図6に基づいて説明する。
【0080】
上記したように、第3の実施形態では、図5に示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複数のガス排出路17は、それぞれの出口部付近にガス排出路17のガス圧力を検出する圧力センサ30とガス流量調整弁32とを備えているものである。
【0081】
これに対し、本第4の実施形態は、図6に示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複数のガス排出路17は、連通路40により相互に連通しているとともに、この連通路40により連通されたガス排出路17の1つの出口部付近にガス排出路17のガス圧力を検出する圧力センサ30とガス流量調整弁32とを備えているものである。なお、第1および第3の実施形態と同様の部分については、第1および第3の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略する。
【0082】
図6に示すように、可動型4側に設けられた複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している所定の断面積(本例では120mm2)を有する複数のガス排出路17は、可動入れ子9内において相互に所定の断面積(本例では360mm2)を有する連通路40により連通している。この連通路40により相互に連通されたガス排出路17の中央の1つは、連通路40に連通している部分より下流側で共通ガス排出路17bを形成している。共通ガス排出路17bは所定の断面積(本例では360mm2)を有し、その上端は可動型4の上部に突出しており、その先端には流量調整弁32が配設されている。また、可動型4の上部に突出した共通ガス排出路17bは、流量調整弁32より上流側で分岐しており、この分岐した配管の先端に圧力センサ30を備えている。
【0083】
圧力センサ30には信号線33の一端が接続されている。信号線33の他端は制御装置31に接続されており、圧力センサ30の検出信号を制御装置31に伝えるものである。信号線34は一端を制御装置31に、他端を流量調整弁32に接続しており、流量調整弁32は制御装置31からの制御信号により制御される。
【0084】
このようにすることで、複数のキャビティ10内へ溶湯が充填されるときのガス排出路17のガス圧力が所定の圧力に調整される。
【0085】
本第4の実施形態によると、第3の実施形態と同様に、複数のキャビティ10の背圧を所定の同じ圧力に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することができるばかりか、背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深い形状のキャビティの場合でも溶湯の充填性を向上することができ、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0086】
なお、上述の実施形態において、複数のガス排出路17のそれぞれの断面積は最小断面積S2が、以下の関係から導かれる42.8mm2以上であることが好ましく、連通路40および共通ガス排出路17bのそれぞれの断面積は最小断面積S3が、以下の関係から導かれる128mm2以上であることが好ましい。
【0087】
S2≧k×A×V÷N
S3≧k×A×V
但し、k:係数6.03×10−5(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャの射出速度(mm/s)、N:前記キャビティ数。
【0088】
複数のガス排出路17のそれぞれの断面積が42.8mm2未満または連通路40および共通ガス排出路17bのそれぞれの断面積が128mm2未満ではキャビティ10への溶湯充填時にガス排出路17、連通路40、共通ガス排出路17b中に圧力勾配が生じ、複数のキャビティ10の背圧に差が発生し易い。複数のガス排出路17のそれぞれの断面積を42.8mm2以上にし、かつ連通路40および共通ガス排出路17bのそれぞれの断面積を128mm2以上にすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても、高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0089】
(他の実施形態)
上記各実施形態において、金型内に形成されたキャビティ10の数は3個であったが、複数であれば数はいくつであってもよい。
【0090】
また、上記各実施形態において、キャビティ10内のガスはガス排出路17を通って型外の大気空間に排出されるものであったが、複数のキャビティ10の容積の合計より大きい容積の空間に排出されるものであってもよい。
【0091】
また、上記各実施形態において、ガス排出路17は複数のキャビティ10のそれぞれに1つづつ設けたものであったが、1つのキャビティ10に対し複数のガス排出路17を設けたものであってもよい。
【0092】
また、上記第3の実施形態において、流量調整弁32の開度を制御する制御装置31を複数の流量調整弁32それぞれに設けたが、複数の流量調整弁32を個別に制御できるものであればいくつであってもよい。
【0093】
また、上記第4の実施形態において、圧力センサ30は共通ガス排出路17bに設けたが、連通路40に設けてもよい。
【0094】
また、上記第4の実施形態において、共通ガス排出路17bは1つであったが、複数設けたものであってもよい。
【0095】
また、上記第4の実施形態において、共通ガス排出路17bは、その上端に流量調整弁32と流量調整弁32より上流側のガス圧力を検出する圧力センサ30を備えているが、圧力センサ30と流量調整弁32を省略し、共通ガス排出路17bを直接大気に連通するものであってもよい。
【0096】
また、上記第1の実施形態において、溶湯のキャビティ10への流入速度を0.05〜8m/sにすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を一層確実に得ることができることを前述したが、他の実施形態においても同様の効果があることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すダイカスト鋳造装置の要部断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図1の可動型4側(可動金型4、可動入れ子9)の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すダイカスト鋳造装置の要部断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す可動型4側(可動金型4、可動入れ子9)の正面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す可動型4側(可動金型4、可動入れ子9)の正面図である。
【符号の説明】
2 固定金型
4 可動金型
8 固定入れ子
9 可動入れ子
10 キャビティ
11 射出スリーブ(溶湯供給手段の一部)
12 射出プランジャ(溶湯供給手段の一部)
12a 径拡大部(溶湯供給手段の一部)
17 ガス排出路(背圧調整手段の一部)
17a オーバーフロー部
17b 共通ガス排出路
18 カットオフピン(経路開閉手段)
20 温度センサ(溶湯検知センサ、充填検出手段)
30 圧力センサ(背圧調整手段、あるいは圧力調整手段の一部)
32 流量調整弁(背圧調整手段、あるいは圧力調整手段の一部をなすガス流量調節手段)
40 連通路
Claims (12)
- 開閉可能な金型(2、4、8、9)と、この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカスト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、これら複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する共通の溶湯供給手段(11、12、12a)と、この共通の溶湯供給手段(11、12、12a)から前記複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する際に、前記複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一にする背圧調整手段(17、30、31、32)とを備え、
前記背圧調整手段(17、30、31、32)は、
前記金型(2、4、8、9)に設けられた前記複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通するとともに、他端が外部の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間にそれぞれ連通する複数のガス排出路(17)と、
前記複数のガス排出路(17)のガス圧力を検出する圧力検出手段(30)と、
前記複数のガス排出路(17)のガス流量を調節するガス流量調整手段(32)とを有するとともに、前記圧力検出手段により前記キャビティ(10)内に溶湯が充填されるときのガス圧力を検知し、前記ガス圧力が所定の圧力となるように前記流量調整手段を調整することを特徴とするダイカスト鋳造装置。 - 前記複数のガス排出路(17)は所定以上の断面積を有することを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記溶湯供給手段(11、12、12a)は、射出スリーブ(11)と、先端に径拡大部(12a)を有する射出プランジャ(12)とを備え、
前記複数のガス排出路(17)のそれぞれの前記所定以上の断面積S1が以下の関係を満足することを特徴とする請求項2に記載のダイカスト鋳造装置。
S1≧k×A×V÷N
但し、k:係数1.81×10-4(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(mm/s)、
N:前記キャビティ(10)数。 - 開閉可能な金型(2、4、8、9)と、この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカスト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、これら複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する共通の溶湯供給手段(11、12、12a)と、この共通の溶湯供給手段(11、12、12a)から前記複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する際に、前記複数のキャビティ(10)の背圧を所定の圧力に均一にする背圧調整手段(17、30、31、32)とを備え、
前記背圧調整手段(17、30、31、32)は、
前記金型(2、4、8、9)に設けられた前記複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通するとともに、いずれかの他端が前記外部の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間に連通する複数のガス排出路(17)と、
前記複数のガス排出路(17)を相互に連通する連通路(40)と、
前記ガス排出路(17)もしくは前記連通路(40)の前記ガス圧力を検出する圧力検出手段(30)と、
前記連通路(40)より前記外部の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間側のガス排出路(17b)のガス流量を調整するガス流量調整手段(32)とを有するとともに、前記圧力検出手段により前記キャビティ(10)内に溶湯が充填されるときのガス圧力を検知し、前記ガス圧力が所定の圧力となるように前記流量調整手段を調整することを特徴とするダイカスト鋳造装置。 - 前記複数のガス排出路(17)および前記連通路(40)が所定以上の断面積を有することを特徴とする請求項4に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記複数のガス排出路(17)のそれぞれの前記所定以上の断面積S2が以下の関係を満足するとともに、前記連通路(40)および前記連通路(40)より前記外部の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間側のガス排出路(17b)の前記所定以上の断面積S3が以下の関係を満足することを特徴とする請求項5に記載のダイカスト鋳造装置。
S2≧k×A×V÷N
S3≧k×A×V
但し、k:係数1.81×10-4(s/mm)、A:前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm2)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(mm/s)、N:前記キャビティ(10)数。 - 前記複数のガス排出路(17)のそれぞれに、前記ガス排出路(17)を開閉する経路開閉手段(18)を設けており、前記溶湯が前記キャビティ(10)を充填した後の所定のタイミングにおいて、前記経路開閉手段(18)が前記ガス排出路(17)を遮断することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記所定のタイミングは、前記溶湯供給手段(11、12、12a)が前記複数のキャビティ(10)の容積に所定の容積を加えた量の前記溶湯を、前記複数のキャビティ(10)に充填したときとすることを特徴とする請求項7に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記金型(2、4,8,9)は、前記複数のキャビティ(10)のそれぞれに前記溶湯が充填されたことを検出する充填検出手段(20)を設けており、前記所定のタイミングは、前記溶湯が前記キャビティ(10)に充填されたことを前記充填検出手段(20)が検出したときとすることを特徴とする請求項7に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記充填検出手段(20)は、前記経路開閉手段(18)より前記キャビティ(10)側の前記ガス排出路(17a)付近に設けられた溶湯検知センサ(20)であることを特徴とする請求項9に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記充填検出手段(20)が検出する前記溶湯が前記キャビティ(10)に充填された時間と予め定めた基準時間とを比較して、ダイカスト鋳造品の良否を判定することを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載のダイカスト鋳造装置。
- 前記溶湯供給手段(11、12、12a)によって供給される前記キャビティ(10)のゲート部(15)における前記溶湯の前記キャビティ(10)への流入速度が0.05〜8m/sであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載のダイカスト鋳造装置。
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