JP2001150117A - ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置 - Google Patents

ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置

Info

Publication number
JP2001150117A
JP2001150117A JP34191799A JP34191799A JP2001150117A JP 2001150117 A JP2001150117 A JP 2001150117A JP 34191799 A JP34191799 A JP 34191799A JP 34191799 A JP34191799 A JP 34191799A JP 2001150117 A JP2001150117 A JP 2001150117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavities
molten metal
gas discharge
die casting
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34191799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4166392B2 (ja
Inventor
博己 ▲高▼木
Hiromi Takagi
Hideaki Harada
英明 原田
Kiyoshi Yoshikawa
澄 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP34191799A priority Critical patent/JP4166392B2/ja
Publication of JP2001150117A publication Critical patent/JP2001150117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4166392B2 publication Critical patent/JP4166392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のキャビティの背圧差を制御することに
より、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で
品質ばらつきのない鋳造品を得ることのできるダイカス
ト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置を提供すること。 【解決手段】 複数のキャビティ10に一端を連通し、
所定以上の断面積を有する複数のガス排出路17を備
え、この複数の排出路17の他端は外部の大気空間に連
通している。射出プランジャ12により、射出スリーブ
11内の溶湯をキャビティ10内へ充填する。ここで、
キャビティ10内へ進入する溶湯の量が、複数のキャビ
ティ10の容積の合計に所定の容積を加えた量となった
とき、カットオフピン18を図1中右方向にに移動する
よう操作し、ガス排出路17を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共通の溶湯供給手
段を用いて溶湯を金型の複数のキャビティ内に充填する
ようにしたダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用のアルミニウム部品を
製造するためのダイカスト鋳造装置は、固定型および可
動型からなり内部にキャビティを形成する金型と、キャ
ビティ内に金属溶湯を充填するための射出装置とを備え
て構成されている。そして、射出装置はキャビティ内に
ランナーを介して連通する射出スリーブ内を、射出プラ
ンジャを前進、後退させるように構成されている。
【0003】これにて、金型の型締めの工程、射出プラ
ンジャを前進させて射出スリーブ内の金属溶湯を加圧し
てキャビティ内に充填する射出の工程が順に実行され、
キャビティ内の金属が凝固した後、金型を型開きして製
品を取り出す工程が実行されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、金型に複数のキャビティを形成し、共通の
射出装置から金属溶湯を供給することにより、多数個取
りを行うと、キャビティ内への金属溶湯充填時の湯流れ
がばらつくため、鋳造品に巣が発生したり、キャビティ
毎に金属溶湯の充填時間が異なるため、凝固組織にばら
つきができたりして、高品質な鋳造品を安定して成形で
きないという問題がある。
【0005】そこで、本発明者らは、上記不具合解決の
ために鋭意研究の結果、充填ばらつきを発生させる主な
原因が、各キャビティの背圧のばらつきにあることを突
きとめた。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
各キャビティの背圧を均一にすることにより、多数個取
りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきの
ない鋳造品を得ることのできるダイカスト鋳造方法およ
びダイカスト鋳造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1および請求項2に記載の発明では、ダイカ
スト製品を成形する複数のキャビティ(10)に、共通
の溶湯供給手段(11、12、12a)により溶湯を充
填し、ダイカスト製品を成形するダイカスト鋳造方法で
あって、複数のキャビティ(10)の背圧を均一にし
て、複数のキャビティ(10)に溶湯を充填することを
特徴としている。
【0008】これによると、複数のキャビティ(10)
への溶湯の充填ばらつきを低減することができ、多数個
取りのダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつき
のない鋳造品を得ることができる。
【0009】また、請求項3に記載の発明では、複数の
キャビティ(10)の背圧を均一に制御するダイカスト
鋳造装置であることを特徴としている。
【0010】これによると、請求項1および請求項2に
記載の発明と同様に、複数のキャビティ(10)への溶
湯の充填ばらつきを低減することができ、多数個取りの
ダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない
鋳造品を得ることができる。
【0011】また、請求項4に記載の発明では、複数の
キャビティ(10)のそれぞれに一端を連通している複
数のガス排出路(17)を備え、複数のガス排出路(1
7)は所定以上の断面積を有し、かつ複数のガス排出路
(17)の他端が、外部の大気空間もしくは複数のキャ
ビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間にそ
れぞれ連通していることを特徴としている。
【0012】これによると、複数のキャビティ(10)
の背圧を、全て外部の大気圧もしくは複数のキャビティ
(10)の容積の合計より大きい容積の空間の圧力に同
一とすることができ、複数のキャビティ(10)への溶
湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りの
ダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない
鋳造品を得ることができる。
【0013】また、請求項5に記載の発明では、請求項
4に記載の発明において、複数のガス排出路(17)の
それぞれの所定以上の断面積S1が以下の関係を満足す
ることを特徴としている。
【0014】S1≧k×A×V÷N 但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:
前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm
)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(m
m/s)、N:前記キャビティ(10)数。
【0015】これによると、複数のキャビティ(10)
と、外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)
の容積の合計より大きい容積の空間とをそれぞれ連通し
ている複数のガス排出路(17)のそれぞれの断面積が
十分確保される。従って溶湯充填時もガス排出路(1
7)中に圧力勾配が生じることがなく、複数のキャビテ
ィ(10)の背圧を、全て外部の大気圧もしくは複数の
キャビティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間
の圧力に同一にすることができる。このようにして複数
のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減す
ることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても
高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることができ
る。
【0016】また、請求項6に記載の発明では、複数の
キャビティ(10)のそれぞれに一端を連通し、他端が
外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容
積の合計より大きい容積の空間にそれぞれ連通している
ガス排出路(17)のそれぞれに、ガス排出路(17)
のガス圧力を調整する圧力調整手段(30、31、3
2)を備えていることを特徴としている。
【0017】これによると、複数のキャビティ(10)
の背圧を、圧力調整手段(30、31、32)により全
て均一にすることができ、複数のキャビティ(10)へ
の溶湯の充填ばらつきを低減することになるばかりか、
背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深
い形状のキャビティ(10)の場合でも溶湯の充填性を
向上することができ、多数個取りのダイカスト鋳造にお
いても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得る
ことができる。
【0018】また、請求項7に記載の発明では、請求項
6に記載の発明における圧力調整手段(30、31、3
2)が、ガス排出路(17)のガス圧力を検出する圧力
検出手段(30)と、ガス流量調整手段(32)とから
なることを特徴としている。
【0019】これによると、複数のガス排出路(17)
のそれぞれにおいて、圧力検出手段(30)が検出した
ガス圧力に応じて、ガス流量調整手段(32)がガス排
出路のガス流量を速やかに調整し、複数のキャビティ
(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビテ
ィ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することによ
り、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品
質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0020】また、請求項8に記載の発明では、複数の
キャビティ(10)のそれぞれに一端を連通している複
数のガス排出路(17)を備え、複数のガス排出路(1
7)は相互に連通路(40)により連通しているととも
に、この連通路(40)により連通されたガス排出路
(17)のいずれかの他端が、外部の大気空間もしくは
複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい容積
の空間に連通しており、かつ複数のガス排出路(17)
および連通路(40)が所定以上の断面積を有している
ことを特徴としている。
【0021】これによると、請求項4に記載の発明と同
様に、複数のキャビティ(10)の背圧を、全て外部の
大気圧もしくは複数のキャビティ(10)の容積の合計
より大きい容積の空間の圧力に同一にすることができ、
複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低
減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造におい
ても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることがで
きる。
【0022】また、請求項9に記載の発明では、請求項
8に記載の発明において、複数のガス排出路(17)の
それぞれの所定以上の断面積S2が以下の関係を満足す
るとともに、連通路(40)および連通路(40)より
外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)の容
積の合計より大きい容積の空間側のガス排出路の所定以
上の断面積S3が以下の関係を満足することを特徴とし
ている。
【0023】 S2≧k×A×V÷N S3≧k×A×V 但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:
前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm
)、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(m
m/s)、N:前記キャビティ(10)数。
【0024】これによると、複数のキャビティ(10)
と、外部の大気空間もしくは複数のキャビティ(10)
の容積の合計より大きい容積の空間とを連通しているガ
ス排出路(17)および複数のガス排出路(17)を相
互に連通している連通路(40)の断面積が十分確保さ
れる。従って溶湯充填時もガス排出路(17)中および
連通路(40)中に圧力勾配が生じることがなく、複数
のキャビティ(10)の背圧を、全て外部の大気圧もし
くは複数のキャビティ(10)の容積の合計より大きい
容積の空間の圧力に同一にすることができる。このよう
にして複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつ
きを低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造
においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得るこ
とができる。
【0025】また、請求項10に記載の発明では、請求
項8または請求項9に記載の発明において、ガス排出路
(17)のガス圧力を調整する圧力調整手段(30、3
1、32)を備えていることを特徴としている。
【0026】これによると、複数のキャビティ(10)
の背圧を、圧力調整手段(30、31、32)により全
て均一にすることができ、複数のキャビティ(10)へ
の溶湯の充填ばらつきを低減することになるばかりか、
背圧を大気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深
い形状のキャビティ(10)の場合でも溶湯の充填性を
向上することができ、多数個取りのダイカスト鋳造にお
いても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得る
ことができる。
【0027】また、請求項11に記載の発明では、請求
項10に記載の発明における圧力調整手段(30、3
1、32)が、ガス排出路(17)もしくは連通路(4
0)のガス圧力を検出する圧力検出手段(30)と、連
通路(40)より外部の大気空間もしくは複数のキャビ
ティ(10)の容積の合計より大きい容積の空間側のガ
ス排出路(17b)のガス流量を調整するガス流量調整
手段(32)とからなることを特徴としている。
【0028】これによると、ガス排出路(17)もしく
は連通路(40)で、圧力検出手段が検出したガス圧力
に応じて、ガス流量調整手段(32)がガス排出路(1
7)のガス流量を速やかに調整し、複数のキャビティ
(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビテ
ィ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することによ
り、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品
質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0029】また、請求項12に記載の発明では、複数
のガス排出路(17)のそれぞれに、ガス排出路(1
7)を開閉する経路開閉手段(18)を設けており、溶
湯がキャビティ(10)を充填した後の所定のタイミン
グにおいて、経路開閉手段(18)がガス排出路(1
7)を遮断することを特徴としている。
【0030】これによると、溶湯がガス排出路(17)
の型開き後取り出し不可能な位置まで流入したり、ガス
排出路(17)から型外に流出したりすることを防止で
きる。
【0031】また、請求項13に記載の発明では、経路
開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断する所定
のタイミングが、溶湯供給手段(30、31、32)が
複数のキャビティ(10)の容積に所定の容積を加えた
量の溶湯を、複数のキャビティ(10)に充填したとき
とすることを特徴としている。
【0032】これによると、経路開閉手段(18)がガ
ス排出路(17)を遮断する以前に、ガス排出路(1
7)の経路開閉手段(18)よりキャビティ(10)側
の部分(17a)を利用して、キャビティ(10)容積
に対して過剰な量の溶湯を供給することができ、溶湯が
キャビティ(10)を充填し終わるまで複数のキャビテ
ィ(10)の背圧を均一することができ、複数のキャビ
ティ(10)への溶湯の充填ばらつきを低減することに
より、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で
品質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0033】また、請求項14に記載の発明では、複数
のキャビティ(10)のそれぞれに溶湯が充填されたこ
とを検出する充填検出手段(20)を設けており、経路
開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断する所定
のタイミングは、溶湯がキャビティ(10)に充填され
たことを充填検出手段(20)が検出したときとするこ
とを特徴としている。
【0034】これによると、溶湯がキャビティ(10)
を充填し終わるまで複数のキャビティ(10)の背圧を
均一することができ、複数のキャビティ(10)への溶
湯の充填ばらつきを低減することにより、多数個取りの
ダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない
鋳造品を得ることができる。
【0035】また、請求項15に記載の発明では、複数
のキャビティ(10)のそれぞれに溶湯が充填されたこ
とを検出する充填検出手段(20)は、経路開閉手段
(18)よりキャビティ(10)側のガス排出路(17
a)付近に設けられた溶湯検知センサ(20)であるこ
とを特徴としている。
【0036】これによると、溶湯がキャビティ(10)
に充填されたことを、溶湯検知センサ(20)が溶湯を
感知することで速やかに検出でき、検出したタイミング
で経路開閉手段(18)がガス排出路(17)を遮断す
るため、溶湯がキャビティ(10)を充填し終わるまで
複数のキャビティ(10)の背圧を均一することがで
き、複数のキャビティ(10)への溶湯の充填ばらつき
を低減することにより、多数個取りのダイカスト鋳造に
おいても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確実に得
ることができる。
【0037】また、請求項16に記載の発明では、充填
検出手段(20)が検出する溶湯がキャビティ(10)
に充填された時間と予め定めた基準時間とを比較して、
ダイカスト鋳造品の良否を判定することを特徴としてい
る。
【0038】これによると、溶湯がキャビティ(10)
に充填された時間が予め定めた高品質な鋳造品を成形で
きる基準時間とずれている場合は、凝固組織にばらつき
ができる等の不具合が発生しているものと推定して、鋳
造品を不良品と判定することができる。
【0039】また、請求項17に記載の発明では、溶湯
供給手段(11、12、12a)によって供給されるキ
ャビティ(10)のゲート部(15)における溶湯のキ
ャビティ(10)への流入速度が0.05〜8m/sで
あることを特徴としている。
【0040】これによると、複数のキャビティ(10)
内の溶湯の流れを層流とすることができ、多数個取りの
ダイカスト鋳造においても高品質で品質ばらつきのない
鋳造品を一層確実に得ることができる。
【0041】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0043】(第1の実施形態)図1は本発明における
第1の実施形態のダイカスト鋳造装置を示すものであ
り、1は固定支持台であり、固定金型2を支持してい
る。3は可動支持台であり、可動金型4を締付板5、
6、7を介して支持している。固定金型2内には固定入
れ子8が配置され、また、可動金型4内には可動入れ子
9が固定入れ子8と対向するように配置されている。そ
して、この両入れ子8、9の間に製品部を成形する複数
(本例では図3に示すように3個)のキャビティ10を
形成している。
【0044】また、固定支持台1の下部には、円筒状の
射出スリーブ11が支持されており、この射出スリーブ
11内に射出プランジャ12が摺動可能に嵌合してい
る。本例では、この射出スリーブ11と射出プランジャ
12とにより、金属溶湯の射出機構(溶湯供給手段)を
構成している。
【0045】この射出プランジャ12はその先端に所定
の直径(本例では95mm)を有する径拡大部12aを
有し、図示しない油圧駆動機構により射出スリーブ11
内を軸方向(図1左右方向)に移動するようになってい
る。図1に示す射出プランジャ12の実線位置は型締め
状態において射出プランジャが最も後退した状態を示
し、1点鎖線位置12bは最も前進した状態を示してい
る。
【0046】射出スリーブ11の上方側の部位におい
て、射出プランジャ12の最大後退位置近傍に金属溶湯
の注入口13が形成してあり、この注入口13から射出
スリーブ11内にダイカスト用金属(例えばアルミニウ
ム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等)の溶湯を図示
しない溶湯注入器にて注入するようになっている。
【0047】射出スリーブ11のうち、射出プランジャ
12の最大前進位置側の空間は、ランナー部(射出通
路)14およびゲート部15を介してキャビティ10に
連通している。ここで、ランナー部14およびゲート部
15は互いに対向する固定入れ子8と可動入れ子9との
間の空隙により形成されており、射出プランジャ12の
の前進により射出スリーブ11内の溶湯をキャビティ1
0内に圧入するものである。
【0048】そして、ランナー部14は、射出スリーブ
11のうち射出プランジャ12の最大前進位置側の空間
から、複数のキャビティ10までの溶湯の流れる距離を
略同一とするよう図3に示すような形状としている。
【0049】可動型4側にはキャビティ10内で成形さ
れたダイカスト製品を成形後に押し出すための押し出し
ピン16が摺動可能に支持されている。また、図2、3
にも示すように、可動型4側には複数のキャビティ10
のそれぞれの上方にキャビティ10内のガスを排出する
ための所定の断面積(本例では120mm)を有する
ガス排出路17が形成され、それぞれのガス排出路17
の上方端は可動型4の上部で外部の大気に開放されてい
る。
【0050】そして、このガス排出路17は可動型4内
において水平方向に経路が形成された部分を備えてお
り、この部分を開閉するカットオフピン(経路開閉手
段)18が可動型4側に摺動可能に支持されている。1
9はこのカットオフピン18を操作する油圧駆動機構で
ある。また、ガス排出路17のうち、カットオフピン1
8によって開閉される部分よりキャビティ10側(上流
側)の部分は、キャビティ10内に圧入された溶湯の一
部が進入できるオーバーフロー部17aとなっている。
【0051】次に、上記したダイカスト鋳造装置におい
てダイカスト鋳造方法を説明すると、まず、可動金型4
を図1に示すように固定金型2に対して当接させ、型締
めする。この型締め状態において、射出プランジャ12
は図1の実線で示す最大後退位置に後退させておく。ま
た、カットオフピン18は、図1、2に示す位置に操作
する。
【0052】次に、金属溶湯(本例ではアルミニウム合
金、溶湯温度:700〜730°C程度)を図示しない
溶湯注入器にて注入口13から射出スリーブ11内に注
入する。次に、この溶湯の注入完了後に、直ちに射出プ
ランジャ12を図1の1点鎖線で示す最大前進位置12
b側へ所定の速度(本例では100mm/s)で前進さ
せる。この射出プランジャ12の前進により、射出スリ
ーブ11内の溶湯がランナー部14へ移行し、ゲート部
15を通ってキャビティ10内に圧入され、キャビティ
10内へ溶湯が充填される。このとき、キャビティ10
内のガス(空気および熱分解ガス)は、ガス排出路17
を通って型の外部の大気空間に放出され、キャビティ1
0内の背圧は、大気圧と同圧に保持される。
【0053】ここで、ゲート部15を通ってキャビティ
10内へ進入する溶湯の量が、複数のキャビティ10の
容積の合計に所定の容積(本例では、複数のキャビティ
10の容積の合計の5〜10%の容積)を加えた量とな
ったとき、カットオフピン18を図1、2中右方向にに
移動するよう操作し、ガス排出路17を遮断する。
【0054】これにより、溶湯はガス排出路17に設け
られたオーバーフロー部17aにまで進入しキャビティ
への溶湯の充填が完了する。ここで、ガス排出路17を
既にカットオフピン18が遮断しているので、溶湯が、
ガス排出路17のうち、カットオフピン18によって開
閉される部分より下流側の部分へ進入することはない。
【0055】次に、キャビティ10内に圧入充填された
溶湯の凝固時間が経過すると、キャビティ10内におけ
るダイカスト製品の成形が完了するので、金型の型開き
を行う。すなわち、可動型4を固定型2から離れる方向
(図1の左方向)に移動させて型開きを行うとともに、
可動型4側の押し出しピン16および固定型2側の射出
プランジャ12を前進させて、キャビティ10内の空間
で凝固したダイカスト製品をランナー部14内およびガ
スは移出路17のオーバーフロー部17a内の空間で凝
固した部分と一体にして押し出す。
【0056】その後に、可動型4を固定型2側に移動さ
せて、型締めを行うとともに、射出プランジャ12を図
1の実線位置に後退させ、初期の状態に戻る。これによ
り、一連のダイカスト鋳造方法の全工程が完了する。
【0057】上述のダイカスト鋳造方法によると、複数
のキャビティ10を有する金型を備えたダイカスト鋳造
装置を用いて多数個取りのダイカスト鋳造を行っても、
複数のキャビティ10は、所定の断面積を有するガス排
出路17によりそれぞれ金型外部の大気と連通している
ことにより、複数のキャビティ10の背圧を大気圧と同
圧に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧
に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビ
ティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することがで
き、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品
質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0058】なお、上述の実施形態において、複数のガ
ス排出路17のそれぞれの断面積は最小断面積S1が、
以下の関係から導かれる42.8mm以上であること
が好ましい。
【0059】S1≧k×A×V÷N 但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:
前記射出プランジャ径拡大部の断面積(mm)、V:
前記射出プランジャの射出速度(mm/s)、N:前記
キャビティ数。
【0060】42.8mm未満ではキャビティ10へ
の溶湯充填時にガス排出路17中に圧力勾配が生じ、複
数のキャビティ10の背圧に差が発生し易い。複数のガ
ス排出路17のそれぞれの断面積を42.8mm以上
にすることにより、多数個取りのダイカスト鋳造におい
ても、高品質で品質ばらつきのない鋳造品を得ることが
できる。
【0061】また、上述の実施形態において、溶湯供給
手段によって供給されるゲート部15における溶湯のキ
ャビティ10への流入速度が0.05〜8m/sである
ことが好ましい。溶湯のキャビティ10への流入速度が
0.05m/s未満では、溶湯がキャビティ10の充填
を完了する前に溶湯の凝固が開始されてしまい、凝固組
織にばらつきが発生する。また、溶湯のキャビティ10
への流入速度が8m/sを超える場合は、キャビティ1
0内の溶湯の流れを層流にすることができない。溶湯の
キャビティ10への流入速度を0.05〜8m/sにす
ることにより、多数個取りのダイカスト鋳造においても
高品質で品質ばらつきのない鋳造品を一層確実に得るこ
とができる。
【0062】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について図4に基づいて説明する。
【0063】上記したように、第1の実施形態では、ゲ
ート部15を通ってキャビティ10内へ進入する溶湯の
量が、複数のキャビティ10の容積の合計に所定の容積
を加えた量となったとき、カットオフピン18を図2、
3中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を
遮断している。
【0064】これに対し、本第2の実施形態は、図4に
示すように、ガス排出路17のオーバーフロー部17a
の温度が測定できる位置に溶湯検知センサである温度セ
ンサ(充填検出手段)20を配設し、温度センサ20が
溶湯からの熱を感知したとき、カットオフピン18を図
4中右方向にに移動するよう操作し、ガス排出路17を
遮断しようとするものである。なお、第1の実施形態と
同様の部分については、第1の実施形態と同じ符号をつ
けてその説明を省略する。
【0065】溶湯検知センサとしては、溶湯の温度を検
出する温度センサ20、もしくは溶湯による電気導通を
検出する電気導通センサ等を用いることができる。本例
では温度センサ20を用いている。
【0066】図4に示すように、温度センサ20は、可
動型4側に支持されており、ガス排出路17のオーバー
フロー部17a近傍の温度を検出するようになってい
る。温度センサ20には信号線23の一端が接続されて
いる。信号線23の他端は制御装置21に接続されてお
り、温度センサ20の検出信号を制御装置21に伝える
ものである。
【0067】信号線24は一端を制御装置21に、他端
を油圧回路切換バルブ22に接続しており、油圧回路切
換バルブ22は制御装置21からの制御信号により制御
される。
【0068】射出スリーブ11内への溶湯注入後、射出
プランジャ12の前進により、キャビティ10内へ溶湯
が充填される。ここで、キャビティ10内へ進入した溶
湯がオーバーフロー部17aに達したとき、温度センサ
20は溶湯からの熱を感知し信号を制御装置21に伝
え、制御装置21は溶湯がオーバーフロー部17aに到
達したことを検出する。そして制御装置21は速やかに
油圧回路切換バルブ22に制御信号を送り、油圧回路を
切り換える。これにより、油圧駆動機構19がカットオ
フピン18を図4中右方向にに移動するよう操作し、ガ
ス排出路17を遮断する。
【0069】これにより、溶湯はガス排出路17に設け
られたオーバーフロー部17aにまで進入しキャビティ
への溶湯の充填が完了する。ここで、ガス排出路17を
既にカットオフピン18が遮断しているので、溶湯が、
ガス排出路17のうち、カットオフピン18によって開
閉される部分より下流側の部分へ進入することはない。
【0070】本第2の実施形態によると、第1の実施形
態と同様に、複数のキャビティ10の背圧を大気圧と同
圧に制御することができ、複数のキャビティ10の背圧
に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャビ
ティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することがで
き、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品
質ばらつきのない鋳造品を得ることができる。
【0071】なお、上述の第2の実施形態において、温
度センサ20からの信号により制御装置21が検出した
溶湯がキャビティに充填された時間と、予め定めた高品
質な鋳造品を成形できる基準時間とを比較して、両者が
所定時間以上(本例では0.1秒以上)ずれている場合
は、凝固組織にばらつきができる等の不具合が発生して
いるものと推定して、鋳造品を不良品と判定することが
できる。
【0072】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
について図5に基づいて説明する。
【0073】前記したように、第1の実施形態では、複
数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通している複
数のガス排出路17を備え、複数のガス排出路17の他
端が、外部の大気空間にそれぞれ連通している。
【0074】これに対し、本第3の実施形態は、図5に
示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を
連通している複数のガス排出路17のそれぞれの出口部
付近にガス排出路17のガス圧力を検出する圧力センサ
30と、ガス流量調整弁32とを備えているものであ
る。なお、第1の実施形態と同様の部分については、第
1の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略する。
【0075】図5に示すように、可動型4側に設けられ
た複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通してい
る複数のガス排出路17は、それぞれの他端を可動型4
の上部に突出しており、その先端には流量調整弁32が
配設されている。また、可動型4の上部に突出したガス
排出路17は、流量調整弁32より上流側で分岐してお
り、この分岐した配管の先端に圧力センサ30を備えて
いる。
【0076】圧力センサ30には信号線33の一端が接
続されている。信号線33の他端は制御装置31に接続
されており、圧力センサ30の検出信号を制御装置31
に伝えるものである。信号線34は一端を制御装置31
に、他端を流量調整弁32に接続しており、流量調整弁
32は制御装置31からの制御信号により制御される。
【0077】このようにすることで、複数のキャビティ
10のそれぞれに設けられているガス排出路17のそれ
ぞれにおいて、キャビティ10内へ溶湯が充填されると
きのガス圧力を圧力センサ30が検知し、信号を制御装
置31に伝える。そして、制御装置31は、ガス排出路
17のガス圧力が所定の圧力(本例では大気圧より0.
1気圧高い圧力)となるよう速やかに流量調整弁32に
制御信号を送り、流量調整弁32の開度を調整する。こ
れにより、ガス排出路17のガス圧力が所定の圧力に調
整される。
【0078】本第3の実施形態によると、複数のキャビ
ティ10の背圧を所定の同じ圧力に制御することがで
き、複数のキャビティ10の背圧に差が発生せず均一と
なる。これにより、複数のキャビティ10への溶湯の充
填ばらつきを低減することができるばかりか、背圧を大
気圧より高圧で制御できるため、彫り込みの深い形状の
キャビティの場合でも溶湯の充填性を向上することがで
き、多数個取りのダイカスト鋳造においても高品質で品
質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0079】(第4の実施形態)次に、第4の実施形態
について図6に基づいて説明する。
【0080】上記したように、第3の実施形態では、図
5に示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一
端を連通している複数のガス排出路17は、それぞれの
出口部付近にガス排出路17のガス圧力を検出する圧力
センサ30とガス流量調整弁32とを備えているもので
ある。
【0081】これに対し、本第4の実施形態は、図6に
示すように、複数のキャビティ10のそれぞれに一端を
連通している複数のガス排出路17は、連通路40によ
り相互に連通しているとともに、この連通路40により
連通されたガス排出路17の1つの出口部付近にガス排
出路17のガス圧力を検出する圧力センサ30とガス流
量調整弁32とを備えているものである。なお、第1お
よび第3の実施形態と同様の部分については、第1およ
び第3の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略す
る。
【0082】図6に示すように、可動型4側に設けられ
た複数のキャビティ10のそれぞれに一端を連通してい
る所定の断面積(本例では120mm)を有する複数
のガス排出路17は、可動入れ子9内において相互に所
定の断面積(本例では360mm)を有する連通路4
0により連通している。この連通路40により相互に連
通されたガス排出路17の中央の1つは、連通路40に
連通している部分より下流側で共通ガス排出路17bを
形成している。共通ガス排出路17bは所定の断面積
(本例では360mm)を有し、その上端は可動型4
の上部に突出しており、その先端には流量調整弁32が
配設されている。また、可動型4の上部に突出した共通
ガス排出路17bは、流量調整弁32より上流側で分岐
しており、この分岐した配管の先端に圧力センサ30を
備えている。
【0083】圧力センサ30には信号線33の一端が接
続されている。信号線33の他端は制御装置31に接続
されており、圧力センサ30の検出信号を制御装置31
に伝えるものである。信号線34は一端を制御装置31
に、他端を流量調整弁32に接続しており、流量調整弁
32は制御装置31からの制御信号により制御される。
【0084】このようにすることで、複数のキャビティ
10内へ溶湯が充填されるときのガス排出路17のガス
圧力が所定の圧力に調整される。
【0085】本第4の実施形態によると、第3の実施形
態と同様に、複数のキャビティ10の背圧を所定の同じ
圧力に制御することができ、複数のキャビティ10の背
圧に差が発生せず均一となる。これにより、複数のキャ
ビティ10への溶湯の充填ばらつきを低減することがで
きるばかりか、背圧を大気圧より高圧で制御できるた
め、彫り込みの深い形状のキャビティの場合でも溶湯の
充填性を向上することができ、多数個取りのダイカスト
鋳造においても高品質で品質ばらつきのない鋳造品を確
実に得ることができる。
【0086】なお、上述の実施形態において、複数のガ
ス排出路17のそれぞれの断面積は最小断面積S2が、
以下の関係から導かれる42.8mm以上であること
が好ましく、連通路40および共通ガス排出路17bの
それぞれの断面積は最小断面積S3が、以下の関係から
導かれる128mm以上であることが好ましい。
【0087】 S2≧k×A×V÷N S3≧k×A×V 但し、k:係数6.03×10−5(s/mm)、A:
前記射出プランジャ径拡大部の断面積(mm)、V:
前記射出プランジャの射出速度(mm/s)、N:前記
キャビティ数。
【0088】複数のガス排出路17のそれぞれの断面積
が42.8mm未満または連通路40および共通ガス
排出路17bのそれぞれの断面積が128mm未満で
はキャビティ10への溶湯充填時にガス排出路17、連
通路40、共通ガス排出路17b中に圧力勾配が生じ、
複数のキャビティ10の背圧に差が発生し易い。複数の
ガス排出路17のそれぞれの断面積を42.8mm
上にし、かつ連通路40および共通ガス排出路17bの
それぞれの断面積を128mm以上にすることによ
り、多数個取りのダイカスト鋳造においても、高品質で
品質ばらつきのない鋳造品を確実に得ることができる。
【0089】(他の実施形態)上記各実施形態におい
て、金型内に形成されたキャビティ10の数は3個であ
ったが、複数であれば数はいくつであってもよい。
【0090】また、上記各実施形態において、キャビテ
ィ10内のガスはガス排出路17を通って型外の大気空
間に排出されるものであったが、複数のキャビティ10
の容積の合計より大きい容積の空間に排出されるもので
あってもよい。
【0091】また、上記各実施形態において、ガス排出
路17は複数のキャビティ10のそれぞれに1つづつ設
けたものであったが、1つのキャビティ10に対し複数
のガス排出路17を設けたものであってもよい。
【0092】また、上記第3の実施形態において、流量
調整弁32の開度を制御する制御装置31を複数の流量
調整弁32それぞれに設けたが、複数の流量調整弁32
を個別に制御できるものであればいくつであってもよ
い。
【0093】また、上記第4の実施形態において、圧力
センサ30は共通ガス排出路17bに設けたが、連通路
40に設けてもよい。
【0094】また、上記第4の実施形態において、共通
ガス排出路17bは1つであったが、複数設けたもので
あってもよい。
【0095】また、上記第4の実施形態において、共通
ガス排出路17bは、その上端に流量調整弁32と流量
調整弁32より上流側のガス圧力を検出する圧力センサ
30を備えているが、圧力センサ30と流量調整弁32
を省略し、共通ガス排出路17bを直接大気に連通する
ものであってもよい。
【0096】また、上記第1の実施形態において、溶湯
のキャビティ10への流入速度を0.05〜8m/sに
することにより、多数個取りのダイカスト鋳造において
も高品質で品質ばらつきのない鋳造品を一層確実に得る
ことができることを前述したが、他の実施形態において
も同様の効果があることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すダイカスト鋳造
装置の要部断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図1の可動型4側(可動金型4、可動入れ子
9)の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すダイカスト鋳造
装置の要部断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す可動型4側(可
動金型4、可動入れ子9)の正面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す可動型4側(可
動金型4、可動入れ子9)の正面図である。
【符号の説明】
2 固定金型 4 可動金型 8 固定入れ子 9 可動入れ子 10 キャビティ 11 射出スリーブ(溶湯供給手段の一部) 12 射出プランジャ(溶湯供給手段の一部) 12a 径拡大部(溶湯供給手段の一部) 17 ガス排出路(背圧調整手段の一部) 17a オーバーフロー部 17b 共通ガス排出路 18 カットオフピン(経路開閉手段) 20 温度センサ(溶湯検知センサ、充填検出手段) 30 圧力センサ(背圧調整手段、あるいは圧力調整手
段の一部) 32 流量調整弁(背圧調整手段、あるいは圧力調整手
段の一部をなすガス流量調節手段) 40 連通路

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の溶湯供給手段(11、12、12
    a)から複数のキャビティ(10)に溶湯を充填して、
    複数のダイカスト製品を同時に成形するダイカスト鋳造
    方法であって、 前記複数のキャビティ(10)の背圧を均一にして、前
    記複数のキャビティ(10)に溶湯を充填することを特
    徴とするダイカスト鋳造方法。
  2. 【請求項2】 開閉可能な金型(2、4、8、9)と、
    この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカ
    スト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、前記
    金型(2、4、8、9)に設けられ、前記複数のキャビ
    ティ(10)内に溶湯を充填する共通の溶湯供給手段
    (11、12、12a)とを備えるダイカスト鋳造装置
    を用いてダイカスト製品を成形するダイカスト鋳造方法
    であって、 前記金型(2、4、8、9)を型締めすることにより、
    前記金型(2、4、8、9)内に前記複数のキャビティ
    (10)を形成するキャビティ形成工程と、前記複数の
    キャビティ(10)の背圧を均一にして、前記複数のキ
    ャビティ10内に前記共通の溶湯供給手段(11、1
    2、12a)から溶湯を充填する給湯工程とを備えたこ
    とを特徴とするダイカスト鋳造方法。
  3. 【請求項3】 開閉可能な金型(2、4、8、9)と、
    この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカ
    スト製品を成形する複数のキャビティ(10)と、これ
    ら複数のキャビティ(10)内に溶湯を充填する共通の
    溶湯供給手段(11、12、12a)と、この共通の溶
    湯供給手段(11、12、12a)から前記複数のキャ
    ビティ(10)内に溶湯を充填する際に、前記複数のキ
    ャビティ(10)の背圧を均一にする背圧調整手段(1
    7、30、31、32)とを備えたことを特徴とするダ
    イカスト鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記背圧調整手段(17、30、31、
    32)は、前記金型(2、4、8、9)に設けられた前
    記複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通し
    ている複数のガス排出路(17)を有し、 前記複数のガス排出路(17)は所定以上の断面積を有
    し、かつ前記複数のガス排出路(17)の他端が、外部
    の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(10)の容
    積の合計より大きい容積の空間にそれぞれ連通している
    ことを特徴とする請求項3に記載のダイカスト鋳造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記溶湯供給手段(11、12、12
    a)は、射出スリーブ(11)と、先端に径拡大部(1
    2a)を有する射出プランジャ(12)とを備え、 前記複数のガス排出路(17)のそれぞれの前記所定以
    上の断面積S1が以下の関係を満足することを特徴とす
    る請求項4に記載のダイカスト鋳造装置。 S1≧k×A×V÷N 但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:
    前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm
    )、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(m
    m/s)、N:前記キャビティ(10)数。
  6. 【請求項6】 前記複数のガス排出路(17)のそれぞ
    れに、前記ガス排出路(17)のガス圧力を調整する圧
    力調整手段(30、31、32)を備えていることを特
    徴とする請求項4または請求項5に記載のダイカスト鋳
    造装置。
  7. 【請求項7】 前記圧力調整手段(30、31、32)
    は、前記ガス排出路(17)の前記ガス圧力を検出する
    圧力検出手段(30)と、ガス流量調整手段(32)と
    からなることを特徴とする請求項6に記載のダイカスト
    鋳造装置。
  8. 【請求項8】 前記背圧調整手段(17、30、31、
    32)は、前記金型(2、4、8、9)に設けられた前
    記複数のキャビティ(10)のそれぞれに一端を連通し
    ている複数のガス排出路(17)を有し、 前記複数のガス排出路(17)は相互に連通路(40)
    により連通しているとともに、前記連通路(40)によ
    り連通されたガス排出路(17)のいずれかの他端が、
    前記外部の大気空間もしくは前記複数のキャビティ(1
    0)の容積の合計より大きい容積の前記空間に連通して
    おり、かつ前記複数のガス排出路(17)および前記連
    通路(40)が所定以上の断面積を有することを特徴と
    する請求項3に記載のダイカスト鋳造装置。
  9. 【請求項9】 前記複数のガス排出路(17)のそれぞ
    れの前記所定以上の断面積S2が以下の関係を満足する
    とともに、前記連通路(40)および前記連通路(4
    0)より前記外部の大気空間もしくは前記複数のキャビ
    ティ(10)の容積の合計より大きい容積の前記空間側
    のガス排出路(17b)の前記所定以上の断面積S3が
    以下の関係を満足することを特徴とする請求項8に記載
    のダイカスト鋳造装置。 S2≧k×A×V÷N S3≧k×A×V 但し、k:係数1.81×10−4(s/mm)、A:
    前記射出プランジャ径拡大部(12a)の断面積(mm
    )、V:前記射出プランジャ(12)の射出速度(m
    m/s)、N:前記キャビティ(10)数。
  10. 【請求項10】 前記ガス排出路(17)のガス圧力を
    調整する圧力調整手段(30、31、32)を備えてい
    ることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のダ
    イカスト鋳造装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力調整手段(30、31、3
    2)は、前記ガス排出路(17)もしくは前記連通路
    (40)の前記ガス圧力を検出する圧力検出手段(3
    0)と、前記連通路(40)より前記外部の大気空間も
    しくは前記複数のキャビティ(10)の容積の合計より
    大きい容積の前記空間側のガス排出路(17b)のガス
    流量を調整するガス流量調整手段(32)とからなるこ
    とを特徴とする請求項10に記載のダイカスト鋳造装
    置。
  12. 【請求項12】 前記複数のガス排出路(17)のそれ
    ぞれに、前記ガス排出路(17)を開閉する経路開閉手
    段(18)を設けており、前記溶湯が前記キャビティ
    (10)を充填した後の所定のタイミングにおいて、前
    記経路開閉手段(18)が前記ガス排出路(17)を遮
    断することを特徴とする請求項4ないし請求項11のい
    ずれか1つに記載のダイカスト鋳造装置。
  13. 【請求項13】 前記所定のタイミングは、前記溶湯供
    給手段(11、12、12a)が前記複数のキャビティ
    (10)の容積に所定の容積を加えた量の前記溶湯を、
    前記複数のキャビティ(10)に充填したときとするこ
    とを特徴とする請求項12に記載のダイカスト鋳造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記金型(2、4,8,9)は、前記
    複数のキャビティ(10)のそれぞれに前記溶湯が充填
    されたことを検出する充填検出手段(20)を設けてお
    り、前記所定のタイミングは、前記溶湯が前記キャビテ
    ィ(10)に充填されたことを前記充填検出手段(2
    0)が検出したときとすることを特徴とする請求項12
    に記載のダイカスト鋳造装置。
  15. 【請求項15】 前記充填検出手段(20)は、前記経
    路開閉手段(18)より前記キャビティ(10)側の前
    記ガス排出路(17a)付近に設けられた溶湯検知セン
    サ(20)であることを特徴とする請求項14に記載の
    ダイカスト鋳造装置。
  16. 【請求項16】 前記充填検出手段(20)が検出する
    前記溶湯が前記キャビティ(10)に充填された時間と
    予め定めた基準時間とを比較して、ダイカスト鋳造品の
    良否を判定することを特徴とする請求項14もしくは請
    求項15に記載のダイカスト鋳造装置。
  17. 【請求項17】 前記溶湯供給手段(11、12、12
    a)によって供給される前記キャビティ(10)のゲー
    ト部(15)における前記溶湯の前記キャビティ(1
    0)への流入速度が0.05〜8m/sであることを特
    徴とする請求項3ないし請求項16のいずれか1つに記
    載のダイカスト鋳造装置。
JP34191799A 1999-12-01 1999-12-01 ダイカスト鋳造装置 Expired - Fee Related JP4166392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34191799A JP4166392B2 (ja) 1999-12-01 1999-12-01 ダイカスト鋳造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34191799A JP4166392B2 (ja) 1999-12-01 1999-12-01 ダイカスト鋳造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001150117A true JP2001150117A (ja) 2001-06-05
JP4166392B2 JP4166392B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=18349758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34191799A Expired - Fee Related JP4166392B2 (ja) 1999-12-01 1999-12-01 ダイカスト鋳造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4166392B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313231A (ja) * 2004-03-30 2005-11-10 Mazda Motor Corp 鋳造方法および鋳造装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61209761A (ja) * 1985-03-13 1986-09-18 Toshiba Mach Co Ltd ダイカストマシンの鋳造制御方法およびこれに使用するガス抜きセンサ
JPS62148069A (ja) * 1985-12-24 1987-07-02 Ube Ind Ltd 金型用ガス抜き装置
JPS6440159A (en) * 1987-08-03 1989-02-10 Toshiba Machine Co Ltd Venting device
JPH0413464A (ja) * 1990-05-01 1992-01-17 Toshiba Mach Co Ltd ダイカスト金型のガス抜き制御方法および装置
JPH0452060A (ja) * 1990-06-20 1992-02-20 Nissan Motor Co Ltd ダイカスト鋳造装置
JPH0724563A (ja) * 1993-07-09 1995-01-27 Toyota Motor Corp 真空鋳造装置および真空鋳造方法
JPH0788615A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Toyota Motor Corp 鋳造金型ガス抜きピン制御方法
JPH07205242A (ja) * 1994-01-13 1995-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機の品質モニタ・成形品良否判別方法および装置
JPH0810932A (ja) * 1994-06-24 1996-01-16 Kobe Steel Ltd 複数個取り高圧鋳造用金型
JPH0899164A (ja) * 1994-09-28 1996-04-16 Olympus Optical Co Ltd ダイカスト金型

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61209761A (ja) * 1985-03-13 1986-09-18 Toshiba Mach Co Ltd ダイカストマシンの鋳造制御方法およびこれに使用するガス抜きセンサ
JPS62148069A (ja) * 1985-12-24 1987-07-02 Ube Ind Ltd 金型用ガス抜き装置
JPS6440159A (en) * 1987-08-03 1989-02-10 Toshiba Machine Co Ltd Venting device
JPH0413464A (ja) * 1990-05-01 1992-01-17 Toshiba Mach Co Ltd ダイカスト金型のガス抜き制御方法および装置
JPH0452060A (ja) * 1990-06-20 1992-02-20 Nissan Motor Co Ltd ダイカスト鋳造装置
JPH0724563A (ja) * 1993-07-09 1995-01-27 Toyota Motor Corp 真空鋳造装置および真空鋳造方法
JPH0788615A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Toyota Motor Corp 鋳造金型ガス抜きピン制御方法
JPH07205242A (ja) * 1994-01-13 1995-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機の品質モニタ・成形品良否判別方法および装置
JPH0810932A (ja) * 1994-06-24 1996-01-16 Kobe Steel Ltd 複数個取り高圧鋳造用金型
JPH0899164A (ja) * 1994-09-28 1996-04-16 Olympus Optical Co Ltd ダイカスト金型

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313231A (ja) * 2004-03-30 2005-11-10 Mazda Motor Corp 鋳造方法および鋳造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4166392B2 (ja) 2008-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101442247B1 (ko) 사출성형기계의 사출성형공정에서의 냉각시간 제어 방법
US5117894A (en) Die casting method and die casting machine
JP2003509215A (ja) ダイカスト鋳造用のホットスプルーシステム
JP4107780B2 (ja) 射出成形方法
US6564853B1 (en) Multiple casting apparatus and method
JP2001150117A (ja) ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置
JP3462377B2 (ja) ダイカスト鋳造方法及びダイカスト鋳造装置
JP4168526B2 (ja) 真空ダイカスト装置及びその方法
JP3281319B2 (ja) 金型内ガス排出装置
US7841854B2 (en) Temperature adjustment mechanism for injection molding machine
JP2006341540A (ja) 射出成形機の射出制御方法
JP3619200B2 (ja) ダイカスト鋳造方法及びダイカスト鋳造装置
JPH0677793B2 (ja) 真空ダイカストのキャビティ真空度検出方法
JPH11245011A (ja) 真空ダイカスト装置
JP3503257B2 (ja) ダイカスト鋳造の射出速度制御方法
JP2001277315A (ja) 射出圧縮成形方法及びその方法を実施する射出圧縮成形装置
JP2002355869A (ja) レンズの多数個取り射出圧縮成形方法
JP2002292694A (ja) 射出成形用金型のガス抜き状態検出方法
JP2961846B2 (ja) ダイカスト鋳物の鋳造装置
JP3872446B2 (ja) 射出成形方法
JPH0623781A (ja) 射出成形方法
JPH09155520A (ja) 金型を用いた金属成形方法及び金属成形用金型
JP2003112348A (ja) 射出成形方法
JP2011156550A (ja) ダイカストマシンおよびダイカスト鋳造方法
JP2638110B2 (ja) ダイカスト鋳造における金型温度制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050526

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060710

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060725

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080620

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees