JP4164854B2 - 容器の口部 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器の口部に関し、さらに詳しくは内容物を裏もれさせることなく、ノズル部から切れ良く滴下できる容器の口部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図16及び図17に示すように、チューブ容器本体100の口部101に嵌合される、中栓体102の球体収納部103に、球体105を有するチューブ容器がある。そして、所望する滴下機能を有するものにあっては、球体収納部103の表面に、少なくとも1本以上の縦溝104を形成した球体を有するチューブ容器がある。このように、球体105を設ける理由は、内容物を抽出した後にエアーバックを防止するためであり、又縦溝104を形成するのは、内容物を少量ずつ滴下抽出するためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなチューブ容器にあっては、以下に示す欠点があった。
(1)ノズル106の形状が、先端部にいくにつれて、徐々に外径が細くなる形状を呈しているため、図16に示すように、横向きに傾けて内容物を滴下した場合、内容物がノズル部106の外周面を伝う、所謂裏もれ現象が発生する欠点がある。
(2)内容物の抽出後、エアーバックを完全に防止するために、球体105と、この球体105が収納される球体収納部103の下止部107との間に隙間がないために、内容物を抽出した後、エアーバックが生じないので、チューブ容器本体100の胴部が凹んだままの状態になる。したがって、次の絞り出し操作が頗る困難になる欠点があった。
(3)球体105が、球体収納部103内を移動する移動距離Yが大きいため(Y=0.7〜1.4)、内容物が突発的に抽出する欠点がある。
【0004】
この発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、内容物を裏もれさせることなく、ノズル部から切れ良く滴下できると共に、絞り出し操作が良好であり、かつ内容物が突発的に抽出するのを防止した、容器の口部を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明に対応する手段は、内部に球体を配置した容器の口部において、通路によって外部と連通し、その通路より内径が大きい球体収納部と、その球体収納部内に挿入され、上方に移動したときにその内周面に上方の部分を密着させる球体と、その球体が下方に移動したときに上向きに支持する下止部と、その下止部の上方で、球体収納部の内周面から内向きに突出した突出部とを備えており、その突出部により前記球体と、該球体が接触する球体収納部の下止部との間に隙間が形成され前記球体収納部の球体が上方で接触する内周面の一部に、その接触する内周面を境に球体の上方と下方とを連通させる少なくとも一本の縦溝が形成された、容器の口部である
請求項2記載の発明に対応する手段は、内部に球体を配置した容器の口部において、通路によって外部と連通し、その通路より内径が大きい球体収納部と、その球体収納部内に挿入され、上方に移動したときにその内周面に上方の部分を密接させる球体と、その球体が下方に移動したときに上向きに支持する下止部と、その下止部の上方で、球体収納部の内周面から内向きに突出した突出部とを備えており、その突出部により前記球体と、該球体が接触する球体収納部の下止部との間に隙間が形成され前記球体収納部の内周面または球体の表面の一部で、その上方に接触する部位を境に球体の上方と下方とを連通させるようにシボ加工が施された、容器の口部である
請求項3記載の発明に対応する手段は、口部に球体を有する容器の口部において、内容物が流出するノズル部の先端部の外形形状を、半径方向に膨出するように形成すると共に、先端部の外径を、連続するノズル下部の絞部の径より大きく形成したことを特徴とする容器の口部である。
【0006】
請求項記載の発明に対応する手段は、ノズル部の先端部から、ノズル下部に至るノズル部の外形形状が、途中に鋭角、直角又は鈍角を有する鰓張部が形成された形状であることを特徴とする容器の口部である。
【0007】
請求項記載の発明に対応する手段は、ノズル部の先端部から、ノズル下部に至るノズル部の外形形状が、滑らかな曲線で連続していることを特徴とする容器の口部である。
【0009】
請求項記載の発明に対応する手段は、球体が、球体収納部を移動する移動距離が小さいことを特徴とする容器の口部である。
【0011】
請求項7記載の発明に対応する手段は、チューブ容器の口部に嵌合又は一体化されたことを特徴とする容器の口部である。
【0012】
請求項8記載の発明に対応する手段は、ボトル容器の口部に嵌合又は一体化されたことを特徴とする容器の口部である。
【0013】
請求項9記載の発明に対応する手段は、容器の口部が、エアゾール容器のバルブに連結されたことを特徴とする容器の口部である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明に係る球体を有するチューブを示す図面であり、図1及び図3は、この発明に係る第1実施の形態を示す図面である。チューブ容器1は従来公知の単層、多層又はラミネートのチューブ容器である。図1に示すように、容器の口部3は、チューブ容器の口部2に嵌入されている。容器の口部3は、上方に通路4が形成され、この通路4の下方に連続して、内径が拡大された球体収納部5が形成されている。この球体収納部5の内径は、球体6の直径より若干大きく構成され、この球体収納部5の下方には、球体6の直径より若干小さく形成された下止部7が、半径方向内側に膨出して形成されている。この下止部7で球体6が支持されると共に、球体6が下止部7に密接する場合には、この下止部7と球体6の相互作用により、逆止弁機能が発揮され、密接しない場合には、若干のエアーバック効果を有する。すなわち、図4及び図5に示すように、下止部7には突出部7aが形成される場合と、図6に示すように突出部7aが形成されないものとがある。なお、球体6は、この下止部7の下方から球体収納部5に無理挿入される。
【0015】
又、第1実施の形態において、必要に応じて球体収納部5の内周面に、少なくとも1本以上の縦溝8が形成されている。この縦溝8の形成により、1回で抽出される内容物の滴下量を決定できる。縦溝8の幅、溝深さ、数については、内容物の粘度等により自由に決定できる。例えば、縦溝1本で、突出部7aを形成した場合は、低粘度の内容物として、例えば内容物が水虫薬等の場合に適する。また、縦溝3本で、突出部7aを形成した場合は、高粘度の内容物として、例えば内容物がオイル類、クリーム類等の場合に適する。さらに、縦溝3本で、突出部7aを形成しない場合は、高粘度の内容物であり、空気に触れてはならない内容物に適する。また、縦溝8に代えて、球体収納部5の内周面または球体6の表面に、シボ加工が施されたものであってもよい。シボ加工の深さは、同様に内容物の粘度、内容物の1回の滴下量等によって適宜に決定することができる。例えば、内容物の粘度が低い場合は、最大深さは14μm程度、そして、内容物の粘度が高い場合は、最大深さ80μm程度等任意に決定することができる。なお、容器の口部3をチューブ容器の口部2に嵌合するタイプ以外の他の実施例として、図2に示すように、容器の口部3とチューブ容器の口部2が一体成形で製造され、そのチューブ容器の口部2に、球体6を収納するための球体収納部5が形成されたものであってもよい。
【0016】
この発明の特徴は、図7〜図10に示すように、内容物が流出するノズル部9の先端部10の外形形状を、半径方向に膨出するように形成すると共に、先端部10の外径Tを、連続するノズル下部の絞部11の径Sより大きく形成したものである。具体的には、図7〜図10に示すように、ノズル部9の先端部10から、ノズル下部の絞部11に至るノズル部9の先端部10の外形形状が、途中に鋭角、又は図7に示すように直角(α)、又は図8及び図9に示すように鈍角(β)を有する鰓張部12が形成された形状である。さらに図10に示すように、ノズル部9の先端部10から、ノズル下部の絞部11に至るノズル部9の先端部10の外形形状が、滑らかな曲線14で連続している断面円形又は断面楕円形状であってもよい。
【0017】
次に、この発明の特徴として、球体6が収納される球体収納部5の下止部7との間に、隙間5aを形成したことを特徴としている。図4に示すように、球体6を止める下止部7の突出部7aが、球体収納部5の全周囲に少なくとも1ケ所以上形成されている。図5に示すように、球体6と球体収納部5との間に、突出部7aを介して隙間5aが形成されると、これにより内容物の絞り出し直後、チューブ容器1内に若干のエアーバックが行われる。隙間を設ける方法として、突出部7aに代えて、下止部7に溝を設けてもよい(図示せず)。また、図6に示すように、下止部7に突出部7aが全く形成されない場合は、球体6が球体収納部5の下止部7に完全に密接するので、この場合はエアーバックしないので、逆止弁としての機能を有する。 さらに、この発明の特徴は、球体6の球体収納部5内を移動する移動距離が、従来と比較すると、小さく形成されている点にある。図1に示すように寸法X=0.2〜0.3mm程度である。従来は、図12に示すように、移動距離Y=0.7〜1.4程度であった。このように球体の移動距離を小さくすることにより、内容物の突発的な抽出を防止することができることを発明者は見い出した。
【0018】
図11〜図14は、この発明に係る容器の口部の第2実施の態様を示すもので、夫々エアゾール容器21、31、41のバルブ22、32、42に、容器の口部23、33、43が連結された実施の形態を示した図面である。図11に示すように、容器の口部23、33、43の押圧部23a、33a、43aを、夫々容器方向(図11の矢印方向)に指で押圧することにより、夫々のエアゾール容器21、31、41のバルブ22、32、42を開状態にでき、内容物25、35、45を外部へ取り出すことができる。図11及び図12は、エアゾール容器21内に内筒24を設け、この内筒24の底部を、エアゾール容器21の底部内面に当接した小型の二重エアゾール容器に適用したものである。又、図13は、内容物35とプロペラントが混合して充填されたカール部を有するエアゾール容器31に適用したものである。さらに、図14は、カール部を有するエアゾール容器41内に、内筒44を懸吊した状態を示す二重エアゾール容器41に適用したものである。これらの容器の口部23、33、43には夫々キャップ28、38、48が被せてある。なお、第3実施の形態として、図15に示すように、この発明に係る容器の口部53を、樹脂製等のボトル容器51の口部52に適用できることはいうまでもない。
【0019】
次に、この発明の作用について説明する。
この発明に係る第1実施の形態は、容器の口部3のノズル部9の先端部10から、ノズル下部の絞部11に至るノズル部9の外形形状が、図7〜図10に示すように、途中に鋭角、直角(α)又は鈍角(β)を有する鰓張部12が形成されたものであるから、図3に示すように、チューブ容器1を横にして、内容物を抽出する場合、内容物はノズル部9の先端部10から、先端部10の表面を伝って、この鰓張部12先端に到達したとき、表面を伝う内容物の水滴の表面張力が、自重に負けて確実に落下する。したがって、それ以後連続的に先端部10の表面を伝うのを阻止することができる。また、この発明は、球体6と、この球体6が収納される球体収納部5の下止部7との間に隙間5aを形成したので、この隙間5aを通じて若干のエアーバック現象が生じるため、チューブ容器1内にエアーが流入する。そして、チューブ容器1の胴部が膨らむので、次回の内容物の押し出し操作が容易となる。さらに、球体6が球体収納部5内を移動する距離が小さいので、内容物の突発的な抽出が防止される。又、球体収納部5の内周面又は球体6の表面に、少なくとも1本以上の縦溝又はしぼ加工を施した場合には、チューブ容器1の押圧操作により、縦溝またはシボ加工の粗さの隙間を内容物が通過することにより、適量の内容物が滴下される。また押圧操作解除により球体6が移動するので、内容物は切れ良くチューブ容器1内に吸い上げられる。
【0020】
次に、第2実施の形態に係るエアゾール容器21、31、41に、この発明に係る容器の口部23、33、43を適用すれば、上記チューブ容器1と同様の作用により、内容物25、35、45が、ノズル部29、39、49の先端部20、30、40の表面を伝うのを阻止することができ、エアゾール容器内の内容物を有効に滴下させることができる。エアゾール容器内の内容物25、35、45としては、チューブ容器1と同様に、水虫薬、オイル類、クリーム類等を充填することができる。
さらに、第3実施の態様のボトル容器51の口部52に適用することにより、同様の作用を呈する。
【0021】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、内容物を裏もれさせることなく、内容物の抽出が良好であるという効果がある。また内容物を突発的に抽出するのを防止することができると共に、縦溝またはシボ加工により、内容物を滴下状態で滴下させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部をチューブ容器口部に嵌入した状態の第1実施の形態を示す断面図。
【図2】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部とチューブ容器口部とが一体成形にて製造された、第1実施の形態の他の実施例を示す断面図。
【図3】この発明に係る容器の口部を横向きにして、内容物を押し出している状態を示す第1実施の形態を示す断面図。
【図4】この発明に係る容器の口部において、球体収納部の下止部に突出部が形成された第1実施の形態を示す拡大断面図。
【図5】この発明に係る容器の口部において、球体と球体収納部の間に隙間が形成された状態を示す第1実施の形態を示す断面図。
【図6】この発明に係る容器の口部において、球体と球体収納部の間に隙間がない状態の第1実施の形態を示す断面図。
【図7】この発明に係る容器の口部において、ノズル部の先端部に直角の鰓張部を有する第1実施の形態を示す拡大断面図。
【図8】この発明に係る容器の口部において、ノズル部の先端部に鈍角の鰓張部を有する第1実施の形態を示す拡大断面図。
【図9】この発明に係る容器の口部において、ノズル部の先端部に鈍角の鰓張部を有する第1実施の形態の他の実施例を示す拡大断面図。
【図10】この発明に係る容器の口部において、ノズル部の先端部が球体である第1実施の形態を示す拡大断面図。
【図11】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部を、エアゾール容器のバルブに連結し、横向きにして内容物を出している状態の第2実施の形態を示す断面図。
【図12】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部を、小型エアゾール容器のバルブに連結した状態の第2実施の形態を示す断面図。
【図13】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部を、カール部を有するエアゾール容器のバルブに連結した状態の第2実施の形態を示す断面図。
【図14】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部を、カール部を有する二重エアゾール容器のバルブに連結した状態の第2実施の形態を示す断面図。
【図15】この発明に係る容器の口部において、球体を内装した容器の口部を、ボトル容器の口部に嵌入した状態の第3実施の形態を示す断面図。
【図16】従来のチューブ容器の口部を横向きにして、内容物を押し出している状態を示す断面図。
【図17】従来の容器の口部において、球体を内装した容器の口部を示す断面図。
【符号の説明】
1 チューブ容器
2 チューブ容器の口部
3 23 43 53 容器の口部
5 球体収納部
6 球体
7 下止部
8 縦溝
9 ノズル部
10 先端部
11 絞部
12 鰓張部
21 31 41 エアゾール容器
22 32 42 バルブ
51 ボトル容器
52 口部

Claims (9)

  1. 内部に球体を配置した容器の口部において、
    通路によって外部と連通し、その通路より内径が大きい球体収納部と、
    その球体収納部内に挿入され、上方に移動したときにその内周面に上方の部分を密着させる球体と、
    その球体が下方に移動したときに上向きに支持する下止部と、
    その下止部の上方で、球体収納部の内周面から内向きに突出した突出部とを備えており、
    その突出部により前記球体と、該球体が接触する球体収納部の下止部との間に隙間が形成され
    前記球体収納部の球体が上方で接触する内周面の一部に、その接触する内周面を境に球体の上方と下方とを連通させる少なくとも一本の縦溝が形成された、容器の口部。
  2. 内部に球体を配置した容器の口部において、
    通路によって外部と連通し、その通路より内径が大きい球体収納部と、
    その球体収納部内に挿入され、上方に移動したときにその内周面に上方の部分を密接させる球体と、
    その球体が下方に移動したときに上向きに支持する下止部と、
    その下止部の上方で、球体収納部の内周面から内向きに突出した突出部とを備えており、
    その突出部により前記球体と、該球体が接触する球体収納部の下止部との間に隙間が形成され
    前記球体収納部の内周面または球体の表面の一部で、その上方に接触する部位を境に球体の上方と下方とを連通させるようにシボ加工が施された、容器の口部。
  3. 口部に球体を有する容器の口部において、内容物が流出するノズル部の先端部の外形形状を、半径方向に膨出するように形成すると共に、先端部の外径を、連続するノズル下部の絞部の径より大きく形成したことを特徴とする請求項1または2記載の容器の口部。
  4. 前記ノズル部の先端部から、ノズル下部に至るノズル部の外形形状が、途中に鋭角、直角又は鈍角を有する鰓張部が形成された形状であることを特徴とする請求項記載の容器の口部。
  5. 前記ノズル部の先端部から、ノズル下部に至るノズル部の外形形状が、滑らかな曲線で連続していることを特徴とする請求項4記載の容器の口部。
  6. 前記球体が、球体収納部を移動する移動距離が小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の容器の口部。
  7. 前記容器の口部が、チューブ容器の口部に嵌合又は一体化されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の容器の口部。
  8. 前記容器の口部が、ボトル容器の口部に嵌合又は一体化されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の容器の口部。
  9. 前記容器の口部が、エアゾール容器のバルブに連結されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の容器の口部。
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