JP4164539B2 - 超音波測定装置および超音波測定方法 - Google Patents

超音波測定装置および超音波測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を利用した測定装置および測定方法に関する。特に複数の超音波信号が混信し得る環境において、正しく超音波の伝播距離または伝播方位を測定することのできる測定装置および測定方法に関する。
超音波測定装置は、超音波を送信する送波器と超音波を受信する受波器とを備え、送波器による超音波の送信後、受波器が超音波を受信するまでに要した時間から、送波器と受波器との間の距離を計測する。あるいは、送波器による超音波の送信後、送波器から送信した超音波が対象物に到達し、対象物において反射した超音波を受波器が受信するまでに要した時間から、対象物と超音波測定装置との間の距離を計測する。
超音波測定装置が複数存在する環境においては、各超音波測定装置が送信する超音波信号が混信するため、そのままでは誤計測が生じうる。このため、超音波測定装置の超音波信号を送信するタイミングを超音波測定装置ごとにずらすことにより、超音波信号の混信を防ぐ方法や、各超音波測定装置が使用する超音波信号を異なる符号で符号化することによって超音波信号を区別する方法が考えられている。
前者の方法は、時分割送信と呼ばれており、簡易な方法として用いられている。しかし、各超音波測定装置が独立している場合、他の超音波測定装置が超音波信号を送信するタイミングを知ることが出来ないため、混信が生じないように超音波信号を送信するタイミングを調節することは困難である。
後者の方法を採用した従来の超音波測定装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。図22は、特許文献1に開示された従来の超音波測定装置のブロック図を示している。以下、この従来の超音波測定装置101の基本的な動作を説明する。超音波測定装置101は、送波器8、受波器9、相関器103、ピーク検出器104およびパルス発生器105を備えている。
パルス発生器105は、送波器8の駆動信号を生成し、送波器8は超音波信号を空間に送信する。送信された超音波信号は、超音波伝播経路7を通って物体2に到達し、反射する。反射された超音波信号は超音波伝播経路7を通って受波器9に到達する。
駆動信号は、各超音波測定装置の超音波信号が混信しても区別できるように、超音波測定装置ごとに異なる符号で符号化されている。混信した信号から所望の信号の符号を解読して取り出すことを考慮すると、他の信号は所望の信号とはまったく似ていないことが望ましい。このような特性を有し、所定の規則に基づいて人為的に作成された不規則な信号は、擬似不規則信号と呼ばれる。
取り扱いの簡単さから擬似不規則信号には2値信号(「1」と「0」)が利用されることが多い。2値で構成される擬似不規則信号には、M系列、Barker系列、Golay系列が知られている。その中でもM系列はスペクトラム拡散技術を用いた通信システムで用いられる符号、すなわち、伝送される情報に対して、雑音状であるが、識別可能な搬送波として作用する。異なるM系列間では、相手が雑音にしかみえないため、自分自身の信号を取り出すには非常に有効である。また、自分自身どうしでも、時間が少しでもずれれば、雑音のようにしか見えないため、混信した受信信号の時系列の中から、どの時刻に存在しているのかがわかる。
パルス発生器105が発生する駆動信号は、スペクトラム拡散(M系列離散)によるランダム波である。特許文献1においては、符号「1」に対応する周波数と、符号「0」に対応する周波数を異ならせた2進周波数シフトキーイング方式によってこのような特性を有する擬似不規則信号を実現している。
送波器8から送信され、超音波伝播経路7を通って受波器9に到達した超音波は、相関器103により、パルス発生器105が生成した擬似不規則信号との相関が求められる。ピーク検出器104は、相関値のピークを求める。相関値のピークの時刻が、送波器8から送信された超音波の受波器9への到達時刻を示す。超音波を送信した時刻から相関値のピークの時刻までの時間が、物体2までの超音波の伝播時間であるため、超音波の伝播速度に基づいて、超音波測定装置101から物体2までの距離を求めることができる。
スペクトラム拡散(M系列離散)による擬似不規則信号は、超音波測定装置ごとに異なる固有の信号であるため、別の超音波測定装置から送信された超音波が受波器9に到達しても、パルス発生器105において生成する擬似不規則信号との相関は非常に小さい。このため、相関器103においてピークが検出されず、別の超音波測定装置から得られた擬似不規則信号を超音波測定装置101は識別することができる。
一方、無線通信の分野においては、多くの信号が混信している環境においても良好な通信を行うため、送信する信号の符号を冗長にし、エラー訂正に用いたり、自分以外の信号を受信信号から減算して干渉を除去したりする方法などが知られている。特に、携帯電話の分野では、ユーザごとに異なる符号で符号化された信号間の干渉を、基地局において除去するために、種々の干渉キャンセラ装置が提案されている。たとえば、特許文献2は、携帯電話の基地局で使用される干渉キャンセラ装置を開示している。
図23は、特許文献2に開示される干渉キャンセラ装置のブロック図を示している。特許文献2の干渉キャンセラ装置は、干渉キャンセラブロック106および復調処理部107を備える。干渉キャンセラブロック106は、受信信号に遅延を加える遅延処理部108(1)〜108(N)および受信信号から所望の信号以外の信号を抽出する干渉除去部109(1)〜109(N)により構成されている。
干渉キャンセラブロック106において、干渉除去部109(1)〜109(N)は、所望の信号に用いられている符号以外すべて(N個)の符号を用いて、所望の信号以外の信号の複製信号を生成する。そして、受信された入力信号110から所望の信号以外の複製信号をそれぞれ減じる。このとき、遅延処理部108(1)〜108(N)は、干渉除去部109(1)〜109(N)から出力が得られるまで、各干渉除去部109(1)〜109(N)の出力と受信信号110が減算処理の際、同期がとれるように、受信信号220を遅延させる。
復調処理部107は、この出力信号を用いて所望の信号の復調処理を行う。これにより、所望の信号以外の信号による干渉が除去され、干渉キャンセラブロック106が無い復調結果より、信号品質が向上する。この干渉キャンセラブロック106を多段構成にして一連の処理を複数回繰り返すことによって、さらに干渉除去特性が改善される。
携帯電話から送られる情報は、M系列符号のような擬似不規則信号と掛け合わせることによって符号化されている。この処理を拡散処理と呼ぶ。符号化された情報はキャリア(搬送波)と呼ばれる正弦波にのせて発信する。その場合、正弦波の位相(例えば0度と180度)が、符号化された情報の「1」と「0」に相当する。
基地局では、携帯電話からの信号から情報を取り出すために、拡散処理の逆の処理である逆拡散処理を行う。逆拡散処理された信号の位相情報から、「1」に相当するのか「0」に相当するのかを決定する。この処理を特に復調と呼ぶことがある。
図24は干渉除去部109(N)の動作を示すブロック図である。干渉除去部109(N)は、マルチパス伝播路に対応したK(K≧1の整数)個の逆拡散ブロック111(1)〜111(K)および拡散ブロック117(1)〜117(K)と、判定器116とを含む。マルチパス伝播路の情報は、あらかじめどんなマルチパスがあるのか予測して用意しておく。逆拡散ブロック111(1)は、逆拡散部112(1)、複素共役部113(1)、伝播路推定部114(1)、乗算器115(1)を含んでいる。また、拡散ブロック117(1)は、乗算器119(1)および拡散部118(1)を含んでいる。他の逆拡散ブロック111(2)〜111(K)および拡散ブロック117(2)〜117(K)も同様に構成されている。
逆拡散部112(k)は、マルチパス伝播路の第kパス(1≦k≦Kの整数)に同期したタイミングで第nユーザ(1≦n≦Nの整数)の拡散符号を用いて受信信号を逆拡散する。逆拡散部112(k)の出力は、乗算器115(k)に入力される。乗算器115(k)は、伝播路推定部114(k)から出力される伝送路特性を複素共役部113(k)を介して受け取り、逆拡散部112(k)の出力と掛け合せる。伝送路推定部114は、伝送路特性を出力する前にパイロット信号とよばれる既知の情報(例えば101010の繰り返し)を出力する。このため、逆拡散後、伝播路によってどれだけ信号の大きさが変化したか、また信号がどれだけ遅延したかを推定することができる。推定値は複素数である。この値を使って、マルチパス伝播路すべての時間的ずれを調整する。
乗算器115は、同時にこの複素共役部113(k)の出力により逆拡散部112の出力に対してレイク合成(最大比合成)のための振幅重み付けを行う。各パスを伝播してきた電波は、それぞれのパス長の違いによって、時間的にずれて到達する。この時間的ずれをなくし、各パスを伝播してきた電波を加算することにより、受信感度を向上させる手法をレイク合成という。
その後、K個のパスのそれぞれの乗算器115の出力である重み付けされた検波出力はレイク合成され、判定器116へ出力される。判定器116は、最も確からしい送信シンボル(「1」なのか「0」なのか)を判定する。
拡散ブロック117は、K個のパスそれぞれに対して直列に接続される。判定器116の出力は、伝播路推定部114の出力である伝播路特性とパス単位で乗算器119(K)にて乗算される。拡散部118は、乗算器の各パス(第kパス)に同期したタイミングで第nユーザの拡散符号を用いて乗算器119(K)から得られる出力を拡散する。拡散部118のK個の出力である各パスの複製信号が合成し、第nユーザの複製信号を得られる。
干渉キャンセラ装置では、予め全ユーザの受信レベルランキングを作成し、各段ではレベルの大きな順に復調及び干渉除去処理を行う。受信レベルランキングは、受信信号を用いて一度だけ行う場合と各段で干渉除去信号から逐次行う場合とがある。
特開2004−108826号公報 特開平10−51353号公報
特許文献1の超音波測定装置が複数動作する環境では、他の超音波測定装置の送信した超音波と区別するためにM系列離散を用いて送信する超音波を符号化する。しかし、M系列離散を用いて符号化を行っても、他の超音波測定装置の送信した超音波と重なる量が多くなると、相互相関に起因した干渉が増大する。干渉が増大すると、相関値のピーク値がなだらかになるため、正確な超音波の受信時刻を決定することができなくなる。その結果、正確な距離の測定を行えなくなる可能性がある。他の超音波測定装置の送信した超音波との重なりが大きくなりすぎると、相関値のピーク値が得られなくなり、全く計測ができなくなる可能性もある。
また、上述したように、送信した信号と他の信号とが干渉した環境において、他の信号を排除して、送信した信号を得るために、無線通信の分野では、特許文献2に開示された干渉キャンセラ装置のように、あらかじめ伝送路のプロファイルを推定し、推定したプロファイルを利用することによって、干渉する信号を排除して通信を行っている。このような干渉信号の伝播路のプロファイルの推定は、たとえば、携帯電話の基地局における電波の受信のような無線通信分野では、干渉する信号のプロファイルが地形に応じて概ね定まっていることにより実現が可能となる。 これに対し、超音波測定装置は、さまざまな環境において使用されるため、干渉する超音波の影響をあらかじめ推定することは困難である。
本発明は、このような従来技術の課題の少なくとも1つを解決し、超音波測定装置が複数存在する環境においても正確に距離を計測することのできる超音波測定装置および超音波測定方法を提供することを目的とする。
本発明の超音波測定方法は、互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定方法であって、前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を第1および第2の受波器で受信し、それぞれ第1および第2の受信信号を生成するステップ(A1)と、前記第1および第2の受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成するステップ(B1)と、前記逆拡散信号から複数の閾値を用いて各閾値以上の振幅を有する信号をそれぞれ抽出することにより、前記閾値ごとに異なる干渉信号を生成するステップ(C1)と、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、第1および第2の受信信号から除去することにより、前記閾値ごとに干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を生成するステップ(D1)と、前記干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散し、前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された第1および第2の受信信号を生成するステップ(E1)と、前記閾値ごとに、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を求めるステップ(F1)と、前記閾値ごとに求めた最大相関値の最大値が得られた閾値を決定するステップ(G1)と、前記決定した閾値に対応する前記逆拡散された第1および第2の受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を算出するステップ(H1)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(C1)から(F1)は、あらかじめ設定された複数の閾値を用い、複数の閾値に対する各ステップの処理を並列に行う。
本発明の超音波測定方法は、互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定方法であって、前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を第1および第2の受波器で受信し、それぞれ第1および第2の受信信号を生成するステップ(A2)と、前記第1および第2の受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成するステップ(B2)と、前記逆拡散信号から閾値を用いて前記閾値以上の振幅を有する信号を抽出することにより、干渉信号を生成するステップ(C2)と、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、第1および第2の受信信号から除去することにより、干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を生成するステップ(D2)と、前記干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散し、前記干渉信号が除去され、逆拡散された第1および第2の受信信号を生成するステップ(E2)と、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を求めるステップ(F2)と、前記閾値の値を変化させてステップ(B2)から(F2)を実行するステップ(G2)と、前記最大相関値と直前の最大相関値との差が所定の値以下になるまで、前記ステップ(G2)を繰り返すステップ(H2)と、前記最大相関値と直前の最大相関値との差が所定の値以下になった際の閾値に対応する前記逆拡散された第1および第2の受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を算出するステップ(I2)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(H2)において、前記最大相関値と直前の最大相関値との差に基づいて、前記閾値の値を決定する。
ある好ましい実施形態において、前記符号はM系列の擬似拡散符号である。
ある好ましい実施形態において、前記符号に、前記超音波の位相の0度および180度の状態を割り当てる。
ある好ましい実施形態において、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値は、複素数の相関を求めることにより算出する。
本発明の超音波測定装置は、互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定装置であって、前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を受信し、それぞれ受信信号を生成する第1および第2の受波器と、前記第1および第2の受波器に接続された第1および第2の干渉除去部であって、前記受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成し、前記拡散信号から複数の閾値を用いて各閾値以上の振幅を有する信号をそれぞれ抽出することにより、前記閾値ごとに異なる干渉信号を生成し、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、受信信号から除去することにより、前記閾値ごとに干渉信号が除去された受信信号を生成し、前記干渉信号が除去された受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散することにより前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を生成する第1および第2の干渉除去部と、前記第1および第2の干渉除去部で生成した干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の最大相関値を前記閾値ごとに求める相関部と、前記閾値ごとに求めた最大相関値の最大値が得られた閾値を選択する選択部と、前記選択した閾値に対応する干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を決定する距離方位算出部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2の干渉除去部は、あらかじめ設定された複数の閾値を用い、前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を並列して生成する。
本発明の超音波測定方法は、互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定装置であって、前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を受信し、それぞれ受信信号を生成する第1および第2の受波器と、指令に基づき閾値を更新して逐次生成する閾値変更部と、前記第1および第2の受波器に接続された第1および第2の干渉除去部であって、前記閾値が更新されるたびに、前記受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成し、前記拡散信号から前記閾値を用いて前記閾値以上の振幅を有する信号を抽出することにより、干渉信号を生成し、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、受信信号から除去することにより、前記干渉信号が除去された受信信号を生成し、前記干渉信号が除去された受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散することにより前記干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を生成する第1および第2の干渉除去部と、前記第1および第2の干渉除去部で生成した干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の最大相関値を前記閾値ごとに求める相関部と、前記最大相関値と直前に求めた最大相関値との差を求め、前記差が所定の値以下である場合には、そのとき閾値を選択し、前記差が所定の値より大きい場合には、前記閾値変更部へ前記閾値を更新するように指令を出力する相関ピーク値判定部と、前記選択した閾値に対応する干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を決定する距離方位算出部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記相関ピーク値判定部は、前記最大相関値と直前の最大相関値との差に基づいて前記閾値の値を変更するよう前記閾値変更部に指令を出力する。
ある好ましい実施形態において、前記符号はM系列の擬似拡散符号である。
ある好ましい実施形態において、前記符号に、前記超音波の位相の0度および180度の状態を割り当てる。
ある好ましい実施形態において、前記相関部は、複素数の相関を求めることにより、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を算出する。
本発明によれば、超音波測定装置が複数存在する環境においても、お互いの干渉を最適に除去することにより、精度の高い距離計測をすることができる。
また、所望以外の符号で逆拡散した波形から、複数の受波器間受信した受信信号の相関値に基づいて決定した閾値で干渉信号を抽出し、抽出した信号を直接拡散し、受信信号から除去することにより、伝播路のプロファイルを用いずに正確な干渉信号の除去処理を行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の超音波測定装置および超音波測定方法の第1の実施形態を説明する。
本発明の超音波測定装置は、複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する。図1は、超音波測定装置が複数存在する環境を説明する図である。
超音波測定装置S1は、伝播経路4に沿って超音波を物体2に向けて送信し、物体2において反射する反射波を受信することにより、伝播経路4の長さあるいは、物体2と超音波測定装置S1との距離を計測する。また、超音波測定装置S1から見た物体2の方位を求めることも可能である。
超音波測定装置S2および超音波測定装置S3は、超音波を送受信することにより、それぞれ距離や方位を計測している。超音波測定装置S2が送信する超音波は、伝播経路5を通って超音波測定装置S1に到達している。また、壁3において反射し、超音波測定装置S1に到達する伝播経路6も存在する。同様に超音波測定装置S3から送信される超音波は伝播経路7を通って超音波測定装置S1に到達する。超音波測定装置S4から送信された超音波が、超音波測定装置S1に到達する伝播経路は存在しない。
超音波測定装置S1、超音波測定装置S2、超音波測定装置S3、および超音波測定装置S4は、それぞれ独立して動作しており、お互いに他の超音波測定装置の動作に関する情報は送受信していない。
以下、本実施形態として、超音波測定装置S1を説明する。なお、本実施形態では、超音波測定装置S1は超音波を送信するための送波器および送波器を駆動する駆動部を備えているが、超音波測定装置S1は、送波器および駆動部を備えておらず、超音波測定装置S1とは独立した超音波送波装置から送信される超音波を受信することによって、超音波送波装置と超音波測定装置S1との距離を測定したり、超音波送波装置の方位を測定したりしてもよい。
図1に示す超音波測定装置S1〜S4が送信する超音波は、互いに異なるM系列符号によって符号化され、スペクトラム拡散されている。符号化のための変調方式には、たとえば、拡散符号の「1」を100kHz以下の正弦波に対応させ、拡散符号の「0」を180度位相が反転した100kHz以下の正弦波に対応させる2相位相シフト変調を用いる。なお、この100kHz以下の正弦波のことを搬送波と呼ぶ。
拡散符号の単一の符号内に存在する正弦波の波数は、用いる送波器および受波器の帯域に応じて決定することが好ましい。帯域が狭い場合には波数を多くし、逆の場合には少なくする。波数が少ないほうが、スペクトラム拡散の拡散率が高くなるので、耐雑音性は向上する。M系列の次数(M系列の長さ)は大きいほど、他のM系列との相関が低くなる。したがって、M系列の次数は、大きいほど干渉雑音が少ないため好ましい。しかし次数が大きくなるにつれて、送信する超音波は長くなり、環境における変化の影響を受け易くなる。
これらの点を考慮して、たとえば超音波測定器が最大で4台存在する環境においては、7次のM系列を使用し、最大で10台存在する環境においては、たとえば、9次のM系列を使用する。このように、同じ環境に存在する超音波測定装置の台数によってM系列の長さを変更することが好ましい。たとえば、搬送波の周波数が40kHzであり、単一の符号内に存在する正弦波の波数を1とした場合、7次のM系列を用いると、送信する超音波の長さは、約3ms程度になる。
図2Aは、2相位相シフト変調方式を説明する図である。たとえば「1、0、1、1」で表される拡散符号30を用いて正弦波の搬送波を2相位相シフト変調方式によって拡散した場合、波形31が得られる。波形31では、符号「0」と符号「1」との境界において、位相が反転している。
図2Bは、M系列の拡散符号を用い、2相位相シフト変調方式によって拡散された信号の一例である波形301を示している。波形301を同じ拡散符号で逆拡散すると、波形302が得られる。拡散で用いた符号と逆拡散で用いた符号とが異なれば、このように波形が現れることがない。したがって、図1の超音波測定装置S1、超音波測定装置S2、超音波測定装置S3、および超音波測定装置S4は、それぞれ異なる拡散符合で送信する超音波を拡散し、受信時に自分の拡散符号で逆拡散することで、自分が送信した波形のみを抽出することができる。
図2Cは、別の符号で拡散された信号が干渉している信号の波形303を示している。干渉している信号の符号ではない、正しい拡散符号によって、波形303を逆拡散することによって、波形304が得られる。図2Bの波形302と比べて、雑音部分と抽出した信号の振幅比(振幅の相対的な大きさ)が小さくなっていることが分かる。この振幅比は、干渉している信号数が多くなるにつれて小さくなる。
これは、拡散符号が完全にはランダムではないため、異なる符号間でも多少の相互相関あり、相関値に応じて干渉している信号の振幅成分が重畳するからである。
なお、波形303では、干渉する信号の振幅が、自信号の振幅とほぼ同じであるが、干渉する信号の振幅が自信号の振幅値よりも大きくなると、雑音部分の振幅はさらに大きくなり、所望の信号を抽出することが困難となる。
図1に示された環境の場合、超音波測定装置S1が物体2までの距離や方位の測定に用いる超音波は、物体2によって反射して超音波測定装置S1に戻る(伝播経路4)。これに対して、超音波測定装置S2から伝播経路5に沿って超音波測定装置S1に到達する超音波、および、超音波測定装置S3から伝播経路7に沿って超音波測定装置S1に到達する超音波は、直接超音波測定装置S1に到達する。このため、干渉する信号として受信される超音波測定装置S2およびS3からの超音波のエネルギーのほうが大きく、これらの超音波を除去しないと、超音波測定装置S1は、送信した超音波の伝播時間を正確に測定することは困難となる。
本発明の超音波測定装置は、干渉する信号を除去することによって、干渉による影響のない受信信号を生成し、得られた受信信号を用いて、超音波の伝播時間を正確に測定することによって、正確な距離あるいは方位の測定を行うことができる。
図3は、本発明による超音波測定装置S1の基本構成を示すブロック図である。超音波測定装置は、送波器8、第1の受波器9(1)、第2の受波器9(2)、演算部10、最適干渉除去処理器11、距離方位算出器12、送信部13、第1の受信部14(1)、および、第2の受信部14(2)を備えている。最適干渉除去処理器11など、超音波測定装置を構成する各構成要素あるいはその構成要素の果たす機能の一部は、ソフトウエアによって実現してもよい。第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)は、距離aを隔てて隣接して配置されている。
超音波測定装置の最大測定距離(測定限界)を5m〜10mと設定した場合、最大測定距離と、大気中における超音波の減衰特性を考慮して使用する超音波の周波数を決定することができる。超音波の周波数が高ければ、波長が短くなるので、伝播時間測定における時間分解能は向上する。しかし、周波数が高いと、大気中での超音波の減衰も大きくなる。送波器8および受波器9の駆動も考慮し、例えば最大測定距離5mに設定する場合、100kHz以下の超音波が適している。本実施形態では、40kHzの超音波を計測に用いる。
送波器8および受波器9には圧電セラミックのたわみ振動子を用いた超音波振動子、あるいは、PVDF圧電高分子膜を振動子とした送波器および受波器などを用いることができる。第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)は、距離aを隔てて隣接して配置されている。最大測定距離5mである場合、距離aは超音波の波長以下(40kHzの場合8.5mm)であることが好ましい。第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)として同じ規格の超音波振動子等を用いる限り、受波器の特性のばらつきは、計測精度にほとんど影響を与えない。
演算部10はマイコンなどによって構成され、駆動信号を生成し、また、最適干渉除去処理器11および距離方位算出器12を制御する。演算部10で生成する駆動信号の一例を図2Aにおいて、波形305で示す。演算部10で生成する駆動信号は、パルス波形であり、M系列の拡散符号30により拡散処理されている。演算部10で作成された駆動信号のサンプリング周期は、搬送波の周波数の4倍とする。拡散符号30によって拡散されたランダム波31の振幅の頂点にて駆動する。
演算部10から出力された駆動信号は、送波器8に出力され、送波器8は、駆動信号に駆動され、超音波を送信する。
第1の受波器9(1)、第2の受波器9(2)は、物体2において反射した超音波をそれぞれ受信し、受信した超音波を電気的な受信信号に変換する。第1の受信部14(1)、第2の受信部14(2)は、それぞれ受信信号を増幅し、A−D変換する。A−D変換のサンプリング周波数は、搬送波の周波数の4倍以上であることが好ましい。
最適干渉除去処理器11は、第1の受信部14(1)から第1の受信信号を受け取り、除去すべき干渉信号を第1の受信信号から生成する。本実施形態では、干渉信号は、超音波測定装置S2および超音波測定装置S3からの超音波に基づく信号成分である。生成した干渉信号を第1の受信信号から除去することによって、超音波測定装置S1が送信した超音波のみが第1の受信信号として得られる。同様に、最適干渉除去処理器11は、第2の受信部14(2)から第2の受信信号を受け取り、除去すべき干渉信号を生成し、生成した干渉信号を第2の受信信号から除去する。これにより、2つの干渉のない第1および第2の受信信号を得る。
このように生成した干渉のない第1および第2の受信信号が、どの程度、正確に超音波測定装置S1の送波器8から送信された超音波のみを再現しているかは、いかに正確に除去すべき干渉信号を生成するかに依存する。
本発明では、異なる条件を用いて干渉信号を生成し、条件ごとに干渉のない第1の受信信号および第2の受信信号を生成する。そして、条件ごとに、干渉のない第1の受信信号と第2の受信信号との相関値を求め、最も相関値の高い条件で得られた干渉のない第1および第2の受信信号を決定する。
受波器9(1)、9(2)は、隣接して配置されており、ほぼ同じ環境にあるといえるので、受波器9(1)、9(2)が受け取る超音波の波形は、理想的には等しいと考えられる。したがって、生成した干渉信号の波形が正確であるほど、得られる干渉のない第1および第2の受信信号の波形は良く一致し、第1および第2の受信信号の相関値は高くなる。
距離方位算出器12は、このようにして決定された干渉のない第1および第2の受信信号を受け取り、第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)における超音波の到着時刻を求める。到着時刻の差および送信開始からの経過時間を求めることにより、物体2との距離と方位が算出される。
次に、図4を参照しながら本発明の超音波測定装置S1の動作の概略を説明する。前述したように、超音波測定装置S1はまず、超音波を受信し、受信信号を生成する(ステップS11)。次に、受信信号から干渉信号を生成する(S12)。
前述したように、スペクトラム拡散技術を用いることによって、互いに干渉し、混信している信号であっても、拡散符号を用いて逆拡散すれば、任意の信号成分のみを得ることができる。つまり、除去すべき信号の拡散に用いられた拡散符号を用いて逆拡散を行うことにより、受信信号から除去すべき信号のみを生成、あるいは、抽出することができる。しかし、図2Cを参照して説明したように、多く信号が干渉している場合には、逆拡散を行っても雑音部分の振幅が大きくなってしまう。このため、本発明では、閾値を設定して、雑音部分を干渉信号に含めないようにする。この際、閾値を複数設定する。
次に、受信信号から干渉信号を除去する(ステップS13)。干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の相関値を、複数設定した各閾値について求めることにより、干渉信号の再現性を評価する。本実施形態では、干渉信号を生成する際、あらかじめ決定した複数の閾値を用いて複数の干渉信号を生成し、それぞれの干渉信号が除去された受信信号について、第1および第2の受信信号の相関値を求め、最も高い相関値が得られた第1および第2の受信信号を決定する。決定した第1および第2の受信信号を用いて距離または方位を求める(S15)。
閾値の設定は、たとえば、ステップS12において、あらかじめ設定された複数の閾値を用いて干渉信号を複数生成し、ステップS14において、閾値ごとに、干渉のない第1および第2の受信信号の相関値を並列に処理して求め、最も相関値の高い条件で得られた干渉のない第1および第2の受信信号を決定してもよい。本実施形態では、この手順を用いる超音波測定装置を説明する。
あるいは、図4において、破線で示すように、閾値を順次生成しながら、干渉のない第1および第2の受信信号の相関値を評価することにより、ステップS12からS14を繰り返し、最適な閾値を探索によって求めてもよい。第2の実施形態では、この手順を用いる超音波測定装置を説明する。
以下、最適干渉除去処理器11の構造および動作を詳細に説明しながら、本実施形態による超音波測定装置および超音波測定方法を説明する。
図5は、第1受信部14(1)および第2の受信部14(2)が受信信号を生成した後、距離方位算出器12が距離および方位のうち少なくとも一方を算出するまでの手順を示すフローチャートである。また、図6は、最適干渉除去処理器11の基本的な構成を示すブロック図である。最適干渉除去処理器11は、第1の記憶部15(1)、第2の記憶部15(2)、窓設定部16、第1の干渉除去ユニット17(1)、第2の干渉除去ユニット17(2)、相関部18、相関ピーク値比較部19および選択部20を含んでいる。
第1の干渉除去ユニット17(1)および第2の干渉除去ユニット17(2)は、それぞれ、干渉信号を生成するために設定する閾値の数だけ干渉除去部を含んでいる。本実施形態では、4つの閾値を設定するため、干渉除去部A〜Dを含んでいる。閾値の数は多いほどより正しい干渉信号を再現できる。しかし、閾値の数が多くなると演算量も増えるため、最適干渉除去処理器11の演算能力に応じた数を設定することが好ましい。
図7は、第1の干渉除去ユニット17(1)に含まれる干渉除去部A〜Dの1つの構造を示している。干渉除去部A〜Dのそれぞれは、逆拡散部21(1)〜21(3)、復調部22(1)〜22(3)、抽出部23(1)〜23(3)、拡散部24(1)〜24(3)、遅延部25、加算器26、逆拡散部27、および記憶部28を含んでいる。
図1に示すように、本実施形態では、除去すべき干渉信号は超音波測定装置S2、S3、S4から送信されうる超音波である。このため、3つの干渉信号を生成し得るように逆拡散部21(1)〜21(3)、復調部22(1)〜22(3)、抽出部23(1)〜23(3)および拡散部24(1)〜24(3)がそれぞれ3セット用意されている。超音波測定装置S1が使用される環境において、想定される干渉信号以上の数のセットが用意されていることが好ましい。
以下、図5に示すフローチャートのステップごと図3、図6および図7を参照しながら、最適干渉除去処理器11の動作を詳細に説明する。
(ステップS61)
ステップS61はステップA1、A3に対応する。まず、第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)によって、超音波を受信し、第1の受信部14(1)および第2の受信部14(2)により、受信信号を増幅し、A−D変換して、受信信号を生成する。
(ステップS62)
ステップS62はステップA1、A3に対応する。演算部10により決定した送信開始時刻から一定時間経過した後、一定時間分の受信データを切り出し、第1の記憶部15(1)および第2の記憶部15(2)において記憶する。受信データを切り出すための時間の設定は、窓設定部16において行う。受信データを切り出すための時間の設定は、超音波測定装置の計測可能な測定距離および、計測に用いる超音波の長さに基づいて設定される。
例えば測定範囲が1m〜5mである場合、超音波の空気中での音速は約340m/secであるので、1mおよび5mを伝播時間に換算すると、それぞれ約3msecおよび約15msecとなる。また、7次のM系列の信号の長さは、搬送波の周波数を40kHzとし、単一の符号内に存在する正弦波の波数を3とすると、約9.5msecである。したがって、最も早く超音波が到達する時刻T1は、6msであり、最も遅く超音波が到達する時刻T2は、約40msecとなる。したがって、窓設定部16は、超音波の送信を開始した時刻をゼロとして、時刻T1=6msから時刻T2=36.5msまでの期間を含むように受信データを切り出す窓を設定する。
図8は、第1の記憶部15(1)に記憶された受信信号32の波形を示している。同様の波形のデータが第2の記憶部15(2)にも記憶される。記憶されたデータは、それぞれ、第1の干渉除去ユニット17(1)の干渉除去部A〜Dおよび第12の干渉除去ユニット17(2)の干渉除去部A〜Dに出力される。
(ステップS63)
ステップS63はステップB1、B3に対応する。図6に示す干渉除去部の各逆拡散部21は、受信信号を所望以外の符号で逆拡散処理し、逆拡散信号を求める。ここで、所望以外の符号とは、超音波測定装置S1と物体2との距離および方位を計測する本実施の形態では、超音波測定装置S2、超音波測定装置S3、および超音波測定装置S4に割り当てられた拡散符号である。つまり、干渉信号として除去すべき超音波の拡散符号である。
図9は、逆拡散信号の例を示しており、超音波測定装置S2、S3およびS4に割り当てられた拡散符号で逆拡散された逆拡散信号33、34および35を示している。
逆拡散信号33および34には、それぞれ100kHz以下の正弦波36、37が含まれるが、逆拡散信号35には正弦波は含まれていない。これは超音波測定装置S4から送信された超音波を受信していないことを示している。また、逆拡散信号33には正弦波38も含まれている。これは壁3の反射による超音波伝播経路6によって到達した超音波である。また、正弦波36、37および38は、それぞれ伝播経路5、6、7による固有の影響を受けるため、送信直後の波形とは異なっている。つまり、この正弦波36、37および38は伝播経路の特性を反映している。
図9に示す逆拡散信号33および34に含まれる正弦波36、37および38が干渉信号として除去すべき超音波である。しかし、逆拡散信号33および34の正弦波36、37および38以外部分には、正弦波36、37および38の振幅と比較して十分には小さくない雑音成分が含まれている。したがって、正弦波36、37および38のみを抽出する処理を行う。
(ステップS64)
ステップS64はステップC1、C3に対応する。復調部22は、各逆拡散信号を振幅情報に変換する。この時、振幅情報は逆拡散信号33、34および35の最大振幅値で正規化される。図10は、逆拡散信号33、34および35を振幅情報に変換した波形39、40、41を示している。
(ステップS65)
ステップS65はステップC1、C3に対応する。抽出部23は、各振幅情報の波形において、一定の閾値以上の波形が存在する時間帯を決定する。抽出部23が設定する閾値は、図6に示す干渉除去部A〜Dによって異なっている。具体的には、干渉除去部A〜Dの抽出部23が設定する閾値は、図10において、42A〜42Dで示される。
超音波の逆拡散に用いた次数が既知であるので、図2Bおよび図2Cに示すように、理想的な自己相関値、つまり、信号が干渉していない場合のピーク値と雑音の比、および干渉があった場合の相互相関値も予測できる。したがって、図10に示すように、逆拡散された波形の正規化された振幅情報があれば、閾値が容易に求められるように思われる。
しかし、超音波は空中を伝播することにより減衰する。減衰率は周波数によって異なり、周波数が高いほど、減衰率は大きい。よって、伝播路が長いほど、高い周波数成分が先に減少していく。図3Aに示すように拡散された信号では、符号「1」、「0」がそれぞれ「0」、「1」に変化する部分が高い周波数成分によって構成されるため、伝播路が長いほど、この符号が変化する部分があいまいになっていく。これによって雑音は大きくなっていく。
また、干渉している信号のエネルギーは、それぞれの伝播経路によって異なる。さらに空気のゆらぎによって、超音波は時間的にも変化の影響を受ける(フェージング)。これらの理由から、閾値を一義的に決めることはできない。
本実施形態では、閾値を複数用意し、処理を並行して行う。そして、どの閾値で処理した結果がよいかを、以下で説明する選択部20において決定する。
抽出部23は、閾値以上の波形が存在する時間帯を「1」とし、その他の時間を「0」とするパルス波形を生成し、図9に示す各逆拡散信号と掛け合わせることによって、受信信号から除去すべき干渉信号を生成する。
図11は、閾値42Cを用いて抽出部23がパルス波形を生成し、逆拡散信号と掛け合わせることによって得られた干渉信号43、44、45を示している。図9と図11を比較すれば明らかなように、適切な閾値42Cを用いることにより、逆拡散信号33および34に含まれる正弦波36、37および38のみが正しく抽出された干渉信号43、44、45が得られることが分かる。また、逆拡散信号35には除去すべき超音波は含まれないため、干渉信号45の振幅はゼロになっている。
(ステップS66)
ステップS66はステップD1、D3に対応する。このようにして得られた干渉信号43、44、45は、逆拡散されているため、拡散された状態の受信信号32から直接除去することはできない。このため拡散部24は、各干渉信号に割り当てられた拡散符号によって干渉信号を拡散処理する。
本発明では、従来の携帯電話の分野において用いられている干渉除去方式のように、符号が「1」か「0」かを判定してから、伝播路の特性を反映させ、その後拡散するのではなく、逆拡散で得られた伝播路の特性が反映された波形の一部をそのまま使って拡散する。これにより、伝播経路の特性を推定することなく、伝播経路の特性が反映された干渉信号を除去することができる。
携帯電話は、超音波と比較して高い周波数を利用するため、逆拡散後の波形を用いることは非常に難しい。なぜなら、使用する周波数の4倍以上のA−D変換器が必要であることと、M系列の次数が大きいため、結果として膨大な情報量となるからである。この膨大な情報量を処理するために高速なDSPを複数用意する必要がある。こうした理由から、携帯電話の分野では、逆拡散後の受信波をそのまま拡散に用いることはしない。このように、受信波を拡散することは本発明の特徴の1つであり、周波数が低い超音波の特性を利用したものである。
(ステップS67)
ステップS67はステップD1、D3に対応する。加算器26は、拡散された干渉信号を元の受信信号から除去する。加算器26における干渉信号の除去は、受信信号から干渉信号を減算することによって行ってもよいし、干渉信号を符号を反転させて受信信号に加算してもよい。このとき、元の受信信号は、拡散された干渉信号と同期させるために、遅延部25を介して加算器26に入力される。これにより、干渉信号が除去された受信信号が得られる。ただし、この受信信号は拡散されている。
(ステップS68)
ステップS68はステップE1、E3に対応する。拡散部27は、干渉信号が除去された受信信号を、超音波測定装置S1に割り当てられた拡散符号、つまり所望の符号で逆拡散する。
(ステップS69)
ステップS69はステップF1、F3に対応する。記憶部28は拡散された受信信号を記憶する。これにより、第1の干渉除去ユニット17(1)、および、第2の干渉除去ユニット17(2)の干渉除去部A〜Dから、異なる閾値42A、42B、42C、42Dを用いて生成した干渉信号が除去された第1および第2の受信信号が得られる。
(ステップS70)
ステップS70はステップF1、F3に対応する。相関部18は、異なる閾値42A、42B、42C、42Dごとに、干渉信号が除去された第1受信信号と第2の受信信号の相関値を求める。この相関値は、第1の受信信号と第2の受信信号との間の類似度を表しており、相関値が高いと類似度が高く、相関値が低いと類似度が低いことを示している。図12は、閾値42Aを用いて生成された干渉信号が除去された第1の受信信号46および第2の受信信号47と、第1の受信信号46および第2の受信信号47を示している。
この2つの信号を以下の式(1)および式(2)を用いて処理する。
Figure 0004164539
Figure 0004164539
ここで受信信号46および47をa1(n=1)およびa2(m=2)とおく。また、Tは記憶部が設定したT2−T1に相当する。tは時間であり、a*はaの複素共役を意味している。
図12は、式(2)で規定される相関値Rを示している。相関値の波形48は最大値49を有している。
(ステップS71)
ステップS71はステップG1、G3に対応する。相関ピーク値比較部19は閾値ごとに求めた相関値の最大値を比較し、最も、最大値の大きい閾値が得られた第1および第2の受信信号つまり、最も相関値が高い第1および第2の受信信号を出力する干渉除去部A〜Dを決定する。
(ステップS72)
ステップS72はステップH1、H3に対応する。選択部20は、相関ピーク値比較部19が決定した最も相関値の高い第1および第2の受信信号を選択し、距離方位算出部12へ出力する。
距離方位算出部12は、受け取った第1および第2の受信信号から、超音波の伝播時間を求める。
選択部20から受け取る干渉信号が除去された第1および第2の受信信号から直接波形の時間的位置を求めてもよいし、第1および第2の受信信号を振幅情報に変換し、振幅情報のピーク値の時間的位置を求めてもよい。たとえば、Japanese Journal of Applied Physics Vol.43, No.5B,2004, pp.3169−3175に記載される方法によって求めることができる。
方位は干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の到達時間の差によって求められる。十分遠い音源からの超音波を二つの超音波受波器で検出した時間差をΔT、超音波の音速をvとすると、二つの超音波受波器間の距離aを用いて、物体2の方向を示す角度θは、次式より求められる。
Figure 0004164539
また、干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の位相差より方位を求めてもよい。超音波の搬送波の周波数が40kHzである場合、1波長が25μs(=1/40kHz)となる。この1波長分の位相2πが25μsに相当することから、位相差を時間差に換算することができ、式(3)を用いることにより、さらに方位を求めることができる。
このように、本発明によれば、閾値を選択することによって、より正確な除去すべき干渉信号を生成することができる。以下に、干渉信号が除去された第1の受信信号と第2の受信信号との相関値が高い閾値を選択する理由について詳細に説明する。
図13から図15は、干渉除去部A〜Dの抽出部23(1)〜23(3)において用いられる閾値(図10参照)と干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の最大相関値49(図12参照)との関係を示している。
図13は、超音波測定装置S1における計測において、超音波測定装置S2からの超音波が干渉波として混信している場合における、閾値と最大相関値との関係を示す曲線50を表している。つまり、1つの干渉信号が混信している場合における閾値と最大相関値との関係を示している。
図14は、超音波測定装置S1における計測において、超音波測定装置S2、S3からの超音波が干渉波として混信している場合における、閾値と最大相関値との関係を示す曲線51を表している。つまり、2つの干渉信号が混信している場合における閾値と最大相関値との関係を示している。本実施形態では、超音波測定装置S4は超音波を送信していないため、本実施形態は、図13に示す条件に該当する。
図15は、超音波測定装置S1における計測において、超音波測定装置S2、S3、S4からの超音波が干渉波として混信している場合における、閾値と最大相関値との関係を示す曲線52を表している。つまり、3つの干渉信号が混信している場合における閾値と最大相関値との関係を示している。
図13から図15の曲線50、51、52から分かるように、閾値と干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の相関値の最大値との間には一定の傾向がある。
干渉信号が存在しない場合、つまり、超音波測定装置S1の第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)が、超音波測定装置S1が送信した超音波のみを受信する場合、第1および第2の受信信号の相関値は非常に高い。しかし、曲線50、51、52と干渉信号の数が増大するにつれて、相関値の最大値は、小さくなる傾向を示す。また、干渉信号の数が増大するにつれて、相関値の最大値が得られる閾値は大きくなる。
図16は、図14の曲線51が得られる条件つまり、超音波測定装置S1における計測において、超音波測定装置S2、S3からの超音波が干渉波として混信している場合において、異なる閾値を用いて生成した干渉信号を除去することにより得られた受信信号の波形を示している。図16はそれぞれ閾値を、0.8、0.6、0.4、0.2に設定して干渉信号を抽出し、得られた干渉信号を受信信号から除去することによって得られた信号53、54、55、56の波形を示している。
図16から明らかなように、閾値0.4を用いて干渉信号を生成し、受信信号から除去した信号55が最も高いSN比を有しており、干渉信号がよく除去されていることが分かる。信号55のSN比は、閾値0.8を用いて得られる信号53のSN比に比べ7dB程度改善している。
図14の曲線51から明らかなように、閾値0.4のとき、2つの受信信号の相関値は最大値を取っている。したがって、2つの受信信号の相関値が最大となる閾値を用いることによって、最も干渉信号を正確に除去することができ、干渉の影響が最も少ない受信信号を得ることができる。
また、閾値42の選択を干渉信号が除去された受信信号の相関値に基づいて判断することにより、単純なSN比による閾値決定に比べて、より正確な干渉信号を再現でき、そのような正確な干渉信号を受信信号から除去することによって、干渉信号の影響が十分に除去された受信信号を得ることができる。たとえば、図8の逆拡散信号33において、波形38のように雑音の影響かどうかわからない情報でも正しく、干渉信号として抽出できる。したがって、干渉信号が伝播経路でうけた影響を正しく評価して干渉信号として再現し、受信信号から除去することができる。
これは本発明の特徴の1つであり、この干渉除去後の受信信号を2つの受波器間で比較して、干渉除去処理のパラメータを学習することにより、最適な干渉除去処理を実現することができる。
以上の処理により、符号の異なる超音波が多数干渉した場合でも、2つの超音波受波器どうしの干渉除去処理後の受信信号の相関値を評価することにより、最適な干渉除去を行うことができ、対象物までの距離や方位を正確に推定できる。
なお、本実施例では、超音波の送波器と受波器とを備え、これらが固定された超音波測定装置を例に挙げたが、超音波測定装置は送波器を備えていなくてもよい。また、超音波送波器と超音波受波器を別の場所に設置し、超音波送波器と超音波受波器の間の距離を測定するような場合にも適用できる。
(第2の実施形態)
図17は、本発明による超音波測定装置および超音波測定方法の第2の実施形態における最適干渉除去処理器11の基本的な構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の超音波測定装置および超音波測定方法も第1の実施形態と同様、超音波測定装置が複数存在する環境において、干渉する超音波の影響を排除し、距離や方位の計測を行う。第1の実施形態では、あらかじめ設定された複数の閾値を用いて干渉信号を並列的に生成するが、本実施形態では相互相関値の変化を評価しながら最適な閾値を探索する。
第2の実施形態の超音波測定装置において、最適干渉除去処理器11以外の構成は第1の実施形態の超音波測定装置と同じである。
図17に示すように、本実施形態における最適干渉除去処理器11は、窓設定部16、第1の記憶部15(1)、第2の記憶部15(2)、第1の干渉除去部117(1)、第2の干渉部117(2)、相関部18、閾値変更部80および相関ピーク値判定部81を備えている。
窓設定部16、第1の記憶部15(1)、第2の記憶部15(2)および相関部18は第1の実施形態と同様に機能する。
第1の干渉除去部117(1)および第2の干渉部117(2)は、第1の実施形態で説明した図7の干渉除去部A〜Dと同様に構成されており、受信信号から干渉信号を生成し、干渉信号が除去された受信信号を求める。ただし、第1の実施形態では抽出部23(1)〜23(3)において、あらかじめ設定された閾値を用いて干渉信号を生成していたが、本実施形態では閾値変更部80が閾値を決定し、決定された閾値を用いて、第1の干渉除去部117(1)および第2の干渉除去部117(2)が干渉信号を生成する。
相関ピーク値判定部81は、干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の最大相関値を評価し、最大相関値が低い場合には、閾値変更部80に閾値を変更する指令を出力する。閾値変更部80は新しい閾値を設定し、第1の干渉除去部117(1)および第2の干渉部117(2)は新しい閾値を用いて干渉信号を生成する。このループを最大相関値が最大となるまで、閾値を変更して繰り返す。
最も大きい最大相関値が得られれば、相関ピーク値判定部81は、距離方位算出部12へ、そのときの第1および第2の受信信号を出力する。距離方位算出部12は、第1の実施形態と同様に距離および方位の少なくとも一方を算出する。
以下、最適干渉除去処理器11における閾値の探索を説明する。
図18(a)は、閾値変更部80で設定する閾値と相関ピーク値判定部81において検出される相関値との関係を示す曲線51を表している。また、図18(b)は超音波測定装置S2に割り当てられた拡散符号で逆拡散された波形の正規化された振幅情報の波形39を示している。波形39は、干渉信号として除去すべき干渉信号の振幅情報の波形である。
閾値と干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の最大相関値の関係を示す曲線51は、図18(a)に示すように範囲82、範囲83、範囲84の3つに分類できる。図18(a)に示した範囲82、範囲83、範囲84に対応する閾値は、図18(b)にも示している。
図18(b)から明らかなように、範囲84は、干渉信号として除去すべき超音波測定装置S2から送信された超音波(壁からの反射波も含む)が閾値によって選択される範囲である。範囲83は雑音成分(超音波測定装置S2以外からの超音波および受信系の雑音)のエネルギーの高い部分のみ含まれる範囲である。また、範囲82はすべての受信データが含まれる範囲である。
範囲82と範囲83の境界に閾値を設定した場合、雑音成分のエネルギーの高い部分のみ抽出される。このため、雑音成分をすべて抽出するより、相関値が低下する。図13、図14、図15の曲線50、51、52から明らかなように、相関値が最低となる閾値は干渉している信号の数によって変化するが、閾値が0よりも大きい値において相関値は最小となる。したがって、0から1までのすべての範囲で閾値を探索しなくてもよく、相関値が最小となる時の閾値以上において最適な閾値を探索すればよい。したがって、このような特性を利用することによって、数回閾値を変更することにより、最適な閾値を推定することが可能となる。
次に閾値の探索方法を図19のフローチャートを用いて説明する。
閾値の探索を行う前に、まず第1および第2の受信信号に第1の実施形態で説明したように処理を施す。具体的には、第1の実施形態と同様、図3に示すように、第1の受波器9(1)および第2の受波器9(2)によって、超音波を受信し、第1の受信部14(1)および第2の受信部14(2)により、第1および第2の受信信号を増幅し、A−D変換する(ステップA2)。続いて図17に示すように、窓設定部16を用いて、第1および第2の受信信号を切り出し、データを第1および第2の記憶部15(1)、15(2)に記憶する。続いて受信信号を所望以外の符号で逆拡散処理し、逆拡散信号を求める(ステップB2)。
閾値の探索は以下のように行う。まず、閾値変更部80は、高めの閾値、たとえば0.8を設定する(ステップS91、C2)。第1の干渉除去部117(1)および第2の干渉除去部117(2)は、第1の実施形態で説明したように、設定した閾値を用いてそれぞれ干渉信号を生成し、第1および第2の受信信号から干渉信号を除去した信号を生成する(ステップS92、D2、E2)。相関部18は2つの信号の最大相関値を求める(ステップS93、F2)。
次に、判定ステップ81に進む。相関ピーク値判定部81は、求めた最大相関値を記憶する。最初のループでは、前回の最大相関値が記憶されていないので、今回取得した値がよい値であるかどうかを判定できない。このため、最初のループでは、判定を行わず、閾値変更ステップ88に進む。つまり、最初のループでは(ステップS94)、少し低めの閾値、たとえば0.6を設定するように、閾値変更部80に指令を出力する(ステップS95、G2)。
第1の干渉除去部117(1)および第2の干渉除去部117(2)は、設定した閾値を用いてそれぞれ干渉信号を生成し、第1および第2の受信信号から干渉信号を除去した信号を生成する(ステップS92、H2)。相関部18は2つの信号の最大相関値を求める(ステップS93、H2)。
相関ピーク値判定部81は、最初のループではないので(ステップS94)、前回と今回との最大相関値とを比較する(ステップS96、H2)。前回と今回との最大相関値との差が所定の値より小さい場合、図18の曲線51における相関値の最大値付近に閾値を設定していることになるため、最も大きい相関値が得られたと判断し、探索を終了して距離および方位を求める(ステップS100、I2)。
一方、前回と今回との最大相関値との差が所定の値より小さくない場合、今回の最大相関値が前回よりも大きいかどうかを判定する(ステップS97)。今回の最大相関値のほうが前回より大きい場合には、相関ピーク値判定部81は、前回の閾値よりもさらに低い閾値を設定するように閾値変更部80に指令を出力する。また、今回の最大相関値のほうが前回より大きくない場合には、相関ピーク値判定部81は、前回の閾値より高めに閾値を設定するように閾値変更部80に指令を出力する。
このようにして、最大相関値の算出、判定ステップ89および閾値変更ステップ88(ステップH2)を繰り返し、前回と今回との最大相関値との差が所定の値より小さくなった場合、上述したように図18の曲線51における相関値の最大値付近に閾値を設定していることになるため、最も大きい相関値が得られたと判断し、探索を終了して距離および方位を求める(ステップS100、I2)。
このように、本実施形態によれば、2つの受波器で受信した受信信号から干渉信号を除去した信号の相関値を評価しながら、干渉信号を生成するための最適な閾値を探索することによって、受信信号に最適な干渉除去を施すことができる。この方法によれば、計測を行う環境によって干渉する超音波の波形や影響の度合いが変化しても、最も干渉信号の影響を排除した受信信号を得ることができる。したがって、どのような環境でも、距離や方位を精度よく測定することができる。
(実験例)
第1の実施形態の構成により、干渉信号がどのように除去できるかを実験した結果を示す。
図20(a)は、符号Aで拡散した超音波の波形を示しており、図20(b)は、符号Aで拡散した超音波と符号Bで拡散した超音波とを合わせた超音波の波形を示している。
また、図20(c)は、符号Aで拡散した超音波と符号Bで拡散した超音波とを合わせた超音波(図20(b)に示す波形の超音波)を符号Aで逆拡散することにより、符号Bの超音波を干渉波として除去した波形を示している。図20(d)は、第1の実施形態の装置を用いて符号Bの超音波を干渉波として除去した波形を示している。
図21(a)、図21(b)、図21(c)は、それぞれ図20(a)、図20(c)、図20(d)に示す波形の信号を符号Aで逆拡散し、得られた信号の一部を切り出しすことによって得られた波形をそれぞれ示している。
図21(a)から明らかなように、干渉する超音波がない場合、逆拡散によってSN比の高い波形が得られる。
これに対し、図21(b)および図21(c)に示すように干渉する超音波が存在する場合、逆拡散によって得られる波形のSN比は低下する。しかし、図21(b)におけるP部分と図21(c)におけるQ部分を比較すれば明らかなように、ノイズの振幅は、第1の実施形態によるほうが小さくなっており、SN比が向上していることが分かる。
なお、本発明の超音波測定装置および超音波測定方法で用いる干渉信号の除去方法は、超音波を用いた距離、方位計測以外にも好適に用いることができる。
具体的には、超音波を搬送波として、情報を伝達する室内音源定位、超音波タグなどに本発明で用いた干渉信号の除去方法を適用してもよい。
本発明の超音波測定装置および超音波測定方法は、超音波測定装置が複数存在する環境においても、最適な干渉除去を行うことによって、高精度に距離や方位の測定をすることができる。特に、測定環境に変化が生じても高い精度での計測が可能であり、自走するロボットに搭載される測距計や方位計に好適に用いられる。たとえば、鉄道駅や空港などの室内環境における搬送用ロボット等に好適に用いられる。
本発明による超音波測定装置の使用環境の一例を示す図である。 本発明で用いる2相位相シフト変調を説明する図である。 拡散された信号を逆拡散することによって得られる波形を説明する図である。 干渉波が重畳している拡散された信号を逆拡散することによって得られる波形を説明する図である。 超音波測定装置の第1の実施形態の基本的な構成を示すブロック図である。 本発明による超音波測定方法の手順の概略を示すフローチャートである。 第1の実施形態による超音波測定方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態における最適干渉除去処理器11の基本的な構成を示すブロック図である。 図6の干渉除去部17の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の記憶部15に記憶された受信信号の波形を示している。 第1の実施形態において、干渉信号を除去する前の逆拡散信号の波形を示している。 図9に示す信号の逆拡散信号33、34および35の最大振幅値で正規化された振幅情報の波形を示している。 抽出部23にて閾値42Cを使って抽出された干渉信号の波形を示している。 干渉信号が除去された第1および第2の受信信号の波形およびこれらの受信信号の相関を示す波形である。 2つの拡散符合が異なる超音波が混信している場合において、干渉信号を抽出するための閾値と、2つの受信信号の最大相関値との関係を示している。 3つの拡散符合が異なる超音波が混信している場合において、干渉信号を抽出するための閾値と、2つの受信信号の最大相関値との関係を示している。 4つの拡散符合が異なる超音波が混信している場合において、干渉信号を抽出するための閾値と、2つの受信信号の最大相関値との関係を示している。 干渉信号を抽出するための閾値の違いによる、干渉信号を除去した受信信号の波形の変化を示している。 第2の実施形態における最適干渉除去処理器11の基本的な構成を示すブロック図である。 (a)は、第2の実施形態における閾値と2つの受信信号の最大相関値との関係を示し、(b)は、除去すべき干渉信号の振幅情報を示す波形である。 第2の実施形態による超音波測定方法を示すフローチャートである。 (a)から(d)は、第1の実施形態による実験結果を示しており、逆拡散前の波形を示している。 (a)から(c)は、図20(a)(c)(d)に示す波形を逆拡散したものをそれぞれ示している。 従来の超音波測定装置の基本的な構成を示すブロック図である。 携帯電話の分野における従来の干渉除去装置の基本的な構成を示すブロック図である。 図23の干渉除去装置における干渉除去部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
S1、S2、S3、S4 超音波測定装置
2 物体
3 壁
4、5、6、7 超音波伝播経路
8 送波器
9 受波器
10 演算部
11 最適干渉除去処理器
12 距離方位算出器
13 送信部
14 受信部
15 記憶部
16 窓設定部
17 干渉除去部
18 相関部
19 相関ピーク値比較部
20 選択部
21 逆拡散部
22 復調部
23 抽出部
24 拡散部
25 遅延部
26 加算器
27 逆拡散部
28 記憶部
30 拡散符号
31 変調波
32 受信データ
80 閾値変更部
81 相関ピーク値判定部
102 従来の超音波測定装置
103 相関器
104 ピーク検出器
105 パルス発生器
106 干渉キャンセラブロック
107 復調処理部
108 遅延処理部
109 干渉除去部
110 受信された入力信号
111 逆拡散ブロック
112 逆拡散部
113 複素共役部
114 伝播路推定部
115 乗算器
116 判定器
117 拡散ブロック
118 拡散部
119 乗算器

Claims (14)

  1. 互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定方法であって、
    前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を第1および第2の受波器で受信し、それぞれ第1および第2の受信信号を生成するステップ(A1)と、
    前記第1および第2の受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成するステップ(B1)と、
    前記逆拡散信号から複数の閾値を用いて各閾値以上の振幅を有する信号をそれぞれ抽出することにより、前記閾値ごとに異なる干渉信号を生成するステップ(C1)と、
    前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、第1および第2の受信信号から除去することにより、前記閾値ごとに干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を生成するステップ(D1)と、
    前記干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散し、前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された第1および第2の受信信号を生成するステップ(E1)と、
    前記閾値ごとに、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を求めるステップ(F1)と、
    前記閾値ごとに求めた最大相関値の最大値が得られた閾値を決定するステップ(G1)と、
    前記決定した閾値に対応する前記逆拡散された第1および第2の受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を算出するステップ(H1)と、
    を包含する超音波測定方法。
  2. 前記ステップ(C1)から(F1)は、あらかじめ設定された複数の閾値を用い、複数の閾値に対する各ステップの処理を並列に行う請求項1に記載の超音波測定方法。
  3. 互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定方法であって、
    前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を第1および第2の受波器で受信し、それぞれ第1および第2の受信信号を生成するステップ(A2)と、
    前記第1および第2の受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成するステップ(B2)と、
    前記逆拡散信号から閾値を用いて前記閾値以上の振幅を有する信号を抽出することにより、干渉信号を生成するステップ(C2)と、
    前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、第1および第2の受信信号から除去することにより、干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を生成するステップ(D2)と、
    前記干渉信号が除去された第1および第2の受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散し、前記干渉信号が除去され、逆拡散された第1および第2の受信信号を生成するステップ(E2)と、
    前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を求めるステップ(F2)と、
    前記閾値の値を変化させてステップ(B2)から(F2)を実行するステップ(G2)と、
    前記最大相関値と直前の最大相関値との差が所定の値以下になるまで、前記ステップ(G2)を繰り返すステップ(H2)と、
    前記最大相関値と直前の最大相関値との差が所定の値以下になった際の閾値に対応する前記逆拡散された第1および第2の受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を算出するステップ(I2)と、
    を包含する超音波測定方法。
  4. 前記ステップ(H2)において、前記最大相関値と直前の最大相関値との差に基づいて、前記閾値の値を決定する請求項3に記載の超音波測定方法。
  5. 前記符号はM系列の擬似拡散符号である請求項1から4のいずれかに記載の超音波測定方法。
  6. 前記符号に、前記超音波の位相の0度および180度の状態を割り当てる請求項1から5のいずれかに記載の超音波測定方法。
  7. 前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値は、複素数の相関を求めることにより算出する請求項1から6のいずれかに記載の超音波測定方法。
  8. 互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定装置であって、
    前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を受信し、それぞれ受信信号を生成する第1および第2の受波器と、
    前記第1および第2の受波器に接続された第1および第2の干渉除去部であって、前記受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成し、前記拡散信号から複数の閾値を用いて各閾値以上の振幅を有する信号をそれぞれ抽出することにより、前記閾値ごとに異なる干渉信号を生成し、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、受信信号から除去することにより、前記閾値ごとに干渉信号が除去された受信信号を生成し、前記干渉信号が除去された受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散することにより前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を生成する第1および第2の干渉除去部と、
    前記第1および第2の干渉除去部で生成した干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の最大相関値を前記閾値ごとに求める相関部と、
    前記閾値ごとに求めた最大相関値の最大値が得られた閾値を選択する選択部と、
    前記選択した閾値に対応する干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を決定する距離方位算出部と、
    を備える超音波測定装置。
  9. 前記第1および第2の干渉除去部は、あらかじめ設定された複数の閾値を用い、前記閾値ごとに干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を並列して生成する請求項8に記載の超音波測定装置。
  10. 互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波から、所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうち、少なくとも一方を計測する超音波測定装置であって、
    前記互いに異なる符号でスペクトラム拡散された複数の超音波を受信し、それぞれ受信信号を生成する第1および第2の受波器と、
    指令に基づき閾値を更新して逐次生成する閾値変更部と、
    前記第1および第2の受波器に接続された第1および第2の干渉除去部であって、前記閾値が更新されるたびに、前記受信信号を、所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で逆拡散処理することにより、少なくとも1つの逆拡散信号を生成し、前記拡散信号から前記閾値を用いて前記閾値以上の振幅を有する信号を抽出することにより、干渉信号を生成し、前記干渉信号を所望の超音波以外の超音波の拡散に用いられた符号で拡散処理した後、受信信号から除去することにより、前記干渉信号が除去された受信信号を生成し、前記干渉信号が除去された受信信号を所望の超音波の符号で逆拡散することにより前記干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号を生成する第1および第2の干渉除去部と、
    前記第1および第2の干渉除去部で生成した干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の最大相関値を前記閾値ごとに求める相関部と、
    前記最大相関値と直前に求めた最大相関値との差を求め、前記差が所定の値以下である場合には、そのとき閾値を選択し、前記差が所定の値より大きい場合には、前記閾値変更部へ前記閾値を更新するように指令を出力する相関ピーク値判定部と、
    前記選択した閾値に対応する干渉信号が除去され、逆拡散された受信信号の前記第1および第2の受波器への到達時間から、前記所望の超音波の伝播距離および伝播方位のうちの少なくとも一方を決定する距離方位算出部と、
    を備える超音波測定装置。
  11. 前記相関ピーク値判定部は、前記最大相関値と直前の最大相関値との差に基づいて前記閾値の値を変更するよう前記閾値変更部に指令を出力する請求項10に記載の超音波測定装置。
  12. 前記符号はM系列の擬似拡散符号である請求項8から11のいずれかに記載の超音波測定装置。
  13. 前記符号に、前記超音波の位相の0度および180度の状態を割り当てる請求項8から12のいずれかに記載の超音波測定装置。
  14. 前記相関部は、複素数の相関を求めることにより、前記逆拡散された第1および第2の受信信号間の最大相関値を算出する請求項8から13のいずれかに記載の超音波測定装置。
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