JP4164475B2 - 貝処理方法とそれに使用される貝処理装置 - Google Patents

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本発明は帆立貝の貝柱、鮑の貝といった各種貝の貝柱や、ヒモ、ラン等の付随部を殻から取出す貝処理方法と、それに使用される貝処理装置に関するものであり、例えば、帆立貝の貝柱を市場へ出荷するのに先立って、貝柱や付随部を生のまま(熱を加えずに)殻から自動的に取出すのに適するものである。
帆立貝、鮑、牡蠣といった貝類は各種商品形態で市場に出荷されている。帆立貝の場合は、例えば、次のような商品形態がある。
1.殻付きのままの生の商品。
2.一方の殻を開いて取り外し、更に中腸腺(通称、ウロ)を取り除き、貝柱、ラン、ヒモ等を他方の殻に残した生の商品。
3.生殖巣(通称、ラン)、外套膜(通称、ヒモ)、心臓、鰓、触手といった付随部だけの生の商品。
4.生の貝柱(閉殻筋ともいう)のみの商品。
5.生のランのみの商品(ただし、ランは産卵時しかない)。
6.生のヒモと鰓のみの商品。
殻付きのまま市場に出荷される商品以外のものは、ラン、ヒモ、貝柱等を殻から取出さなければならない。その取出し作業を手作業により行うと、多くの労力と時間がかかるため、短時間で効率良く行うために、貝を自動的に開いて貝柱を取出す方法が開発されている。その一つとして、本件出願人は特許文献1に示す貝処理方法とそれに使用される貝処理装置を開発している。それらは次のような方法である。
搬送体の受皿の上にのせて固定して搬送する帆立貝の一部を、刃物で切断除去して開口部を形成し、第1の分離機構のノズルから高圧で噴出される流体を開口部から上側の殻の内面に沿って噴射して、身(貝柱)と殻との付着部分に当てて当該殻を貝柱の上面から取り外す(殻を開く)ようにしたものであり、このとき、貝の無紋筋部の外側から殻の内面に沿って貝柱と殻との付着部分に向けて噴射して、当該殻を貝柱の上面から外した(殻を開いた)ものである。その後、下側の殻に付着しているウロ、ラン、ヒモ等の付随部を付随部吸引除去機構(吸引装置)で吸引除去し、その後に、第2の分離機構のノズルから高圧で噴出される流体を下の殻の内面に沿って噴射してその殻と貝柱との付着部分に当てて当該殻から貝柱を分離するようにしてある。この場合も、貝の無紋筋部の外側から殻の内面に沿って貝柱と殻との付着部分に向けてノズルから流体を噴射して、当該殻が貝柱の下面から外れ易くしてある。
特開2002−218904号公報。
前記した貝処理方法とそれに使用される貝処理装置には、特に課題はないが、強いていえば、貝の大きさによって、殻内の貝柱及びその一部の無紋筋部の位置が異なるため、無紋筋部に確実に流体を噴射することが難しく、殻を貝柱からスムースに剥離しにくいということがある。
本発明は、貝の大きさに関係なく、貝の身(貝柱)に傷が付きにくく、貝柱が欠けにくく、裂けにくく、損傷することなく、貝柱をきれいに、容易且つ迅速に取出し可能であり、しかも処理が衛生的であり、所望の商品形態に合わせて貝柱、ヒモ、ラン等を取り出し可能な貝の処理方法とその処理装置を提供するものである。
本件出願の貝処理方法は請求項1記載のように、貝1の貝柱3と殻2aの内面との付着部に流体噴射ノズル25から流体を噴射して、殻2aと貝柱3とを分離する貝処理方法において、前記噴射前に貝1の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、算出された無紋筋部60の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル25の噴射位置及び噴射角度を調節し、噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル25からの流体を貝柱3の無紋筋部60と殻2aとの付着部側から噴射して、貝柱3を無紋筋部60側から有紋筋部65側に剥離することにより、殻2aと貝柱3を分離して貝柱3を殻2aから分離できるようにした。
本件出願の貝処理方法は請求項2記載のように、貝1の貝柱3と2枚の殻2a、2bの内面との付着部に異なる流体噴射ノズル25、32から流体を噴射して、夫々の殻2a、2bと貝柱3とを分離して貝柱3を取り外す貝処理方法において、前記噴射前に貝1の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、算出された無紋筋部60の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル25の噴射位置及び噴射角度を調節し、噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル25からの流体を一方の殻2aと貝柱3の無紋筋部60との付着部側から噴射することにより貝柱3を無紋筋部60側から有紋筋部65側に剥離してその殻2aと貝柱3とを分離し、前記分離後に、流体噴射ノズル32からの流体を他方の殻2bと貝柱3の無紋筋部60との付着部側から噴射して、貝柱3を無紋筋部60側から有紋筋部65側に剥離することにより、その殻2bと貝柱3とを分離して貝柱3を殻2bから取り外すようにすることもできる。
本件出願の貝処理方法は請求項3記載のように、2枚の殻2a、2bを有する貝1の一方の殻2aを開いてから、貝1の中腸腺通称、ウロ、生殖巣通称、ラン、外套膜通称、ヒモ、心臓、鰓、触手といった付随部4を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて除去することもできる。
本件出願の貝処理方法は請求項4記載のように、2枚の殻2a、2bを有する貝1の一方の殻2aを取り外す前に、一方の殻2a又は双方の殻2a、2bの一箇所又は二箇所以上を刃物で切除して、又は孔をあけて、又は加圧して破損して開口部5を形成し、開口部5から貝1の中腸腺通称、ウロ、生殖巣通称、ラン、外套膜通称、ヒモ、心臓、鰓、触手といった付随部4を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引することにより、又は流体噴射により殻から除去し、この除去後に殻2a又は殻2a、2bを貝柱から分離することもできる。
本件出願の貝処理方法は請求項5記載のように、2枚の殻2a、2bを有する貝1の一方の殻2aを取り外す前に、一方の殻2a又は双方の殻2a、2bの一箇所又は二箇所以上を刃物で切除して、又は孔をあけて、又は加圧により破損して開口部5を形成し、その開口部5から殻2aと無紋筋部60の付着部側から流体を噴射して殻2aを貝柱3から分離し、その後に貝1の中腸腺通称、ウロ、生殖巣通称、ラン、外套膜通称、ヒモ、心臓、鰓、触手といった付随部4を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引により又は流体噴射により殻から外して除去し、この除去後に他方の殻2bと無紋筋部60の付着部側から流体を噴射して殻2bを貝柱3から分離することもできる。
本件出願の貝処理方法は請求項6記載のように、開口部5を形成することにより発生する殻2の破片、粉末等を吸引して、又は流体により洗い流して除去することもできる。
本件出願の貝処理装置は請求項7記載のように、貝1の外側から貝柱3と殻2aの内面との付着部に流体噴射ノズル25から流体を噴射して、殻2aと貝柱3とを分離する貝処理装置において、貝1の大きさを計測する計測装置70と、流体噴射ノズル25と、計測された貝1の大きさに応じて流体噴射ノズル25の位置、噴射角度を調節する調節機構71とを備え、前記計測装置70は、貝1の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、前記調節機構(71)は、計測装置(70)が計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝(1)の無紋筋部(60)の位置及び大きさを算出し、算出された無紋筋部60の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル25の噴射位置及び噴射角度を調節し、噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル25をそれから噴射される流体が殻2aの内面と貝柱3の無紋筋部60との付着部側に噴射されるようにするものとしたものである。
本件出願の貝処理装置は請求項8記載のように、貝1の外側から貝柱3と殻2aの内面との付着部に流体噴射ノズル25から流体を噴射して、殻2aと貝柱3とを分離する貝処理装置において、貝1の大きさを計測する計測装置70と、第1、第2の流体噴射ノズル25、32と、計測された貝1の大きさに応じて第1、第2の流体噴射ノズル25、32の夫々の位置、噴射角度を個別に調節する第1、第2の調節機構71、74とを備え、前記計測装置70は、貝1の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、前記第1、第2の調節機構71、74は、計測装置70が計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、算出された無紋筋部60の位置及び大きさをもとに、第1、第2の流体噴射ノズル25、32の噴射位置及び噴射角度を調節し、噴射位置及び噴射角度が調節された第1、第2の流体噴射ノズル25、32をそれから噴射される流体が殻2a、2bの内面と貝柱3の無紋筋部60との付着部側に噴射されるようにするものとしたものである。
本件出願の貝処理装置は請求項9記載のように、前記貝処理装置において、2枚の殻2a、2bを有する貝1の一方の殻2a又は双方の殻2a、2bの一箇所又は二箇所以上に開口部5を形成する開口機構12を備えたものである。
本件出願の貝処理装置は請求項10記載のように、貝1の中腸腺、心臓、外套膜等の付随部4を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引除去する付随部除去吸引機構10を備えたものである
本件出願の貝処理装置は請求項11記載のように、貝1の中腸腺、心臓、外套膜等の付随部4を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて流体噴射により殻から除去する付随部除去用流体噴射機構を第1又は第2の流体噴射ノズルと別に設けるか、それら一方又は双方と兼用としたものである
本件出願の貝処理装置は請求項12記載のように、搬送体11がコンベア式又はターンテーブル式としたものである
本発明の貝処理方法には次のような効果がある。
(1)貝の大きさに応じて、流体を噴射するノズルの位置、噴射角度等を貝の無紋筋部に流体を噴射できるように調節可能としたので、貝の大きさに関係なく、確実に貝の無紋筋部を狙って流体を噴射することができ、あらゆる大きさの貝の殻と身とを、弱い圧力であっても容易且つ迅速に分離でき、貝の身が流体の圧力で崩れたり損傷したりしにくくなり、身本来の形状が確保される。また、作業効率も一層向上する。
(2)殻と貝柱との取り外しに流体を使用するので貝柱が損傷しにくくなる。
(3)貝柱が全く加熱されないため、貝柱を生のまま品質が劣化させずに取出すことができ、市場で生物商品として取引きされる。
(4)貝柱に開口時の殻の破片、切り屑、粉末等が付着しても流体で洗浄されるので、切り屑が付着していない貝柱を取出すことができる。
(5)付随部を吸引又は流体噴射により除去するので付随部の除去が容易且つ確実になる。また、付随部が損傷しないので、付随部の商品価値も低下しない。
(6)殻を流体で切り離し、付随部は吸引装置で吸引により又は流体噴射によって除去するため、貝を搬送体に載せた後は貝柱や付随部に手が触れる必要がなく、衛生的である。
本発明の貝処理装置には次のような効果がある。
(1)貝の大きさを計測する計測装置と、流体噴射ノズルと、計測された貝の大きさに応じて流体噴射ノズルの位置、噴射角度を調節する調節機構とを備え、調節機構は流体噴射ノズルをそれから噴射される流体が殻の内面と貝柱の無紋筋部との付着部側に噴射されるように調節するため、貝の大きさに関係なく、確実に貝の無紋筋部を狙って流体を噴射することができ、あらゆる大きさの貝の殻と身とを容易且つ迅速に、貝の身を崩すことなく分離することができる。
(2)貝を搬送する搬送体、貝の殻に開口部を形成する開口機構、殻から付随部を吸引除去する付随部除去吸引機構や、流体噴射により殻から外して除去する付随部除去用流体噴射機構、貝柱と殻とを流体の噴射により取り外す取り外し機構を備えているので、開口部の形成、付随部の除去、貝柱の取り出し迄が自動化され、大幅な省力化とコストダウンが可能となる。
(貝処理方法の実施形態1)
本発明の貝処理方法の実施形態の一例を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。この実施形態は貝1が2枚の殻2a、2bを備えた帆立貝の場合であり、貝柱と付随部の取出し方法に関するものである。
この実施形態では、貝1を図1(a)、図2に示す様に、搬送体11の受皿20の上に載せて搬送する。受皿20の上に貝1を載せる作業は手作業で行うことも、機械で自動的に行うこともできる。この場合、貝1の向きと、貝1の上下を一定に揃える。例えば貝1のうち2枚の殻2a、2bが連結されている連結側21(図1(a))を搬送体11の幅方向同一方向に揃える。通常、上殻と呼ばれている湾曲度が浅い扁平な殻(褐色の殻:右殻)を下にしてセットしてもよく、それとは逆に湾曲度が深い殻(白色の殻:左殻)を下にしてセットしてもよい。
受皿20の上に載せた貝1は搬送体11により搬送され、所定位置まで搬送されると図3(a)の様に搬送体11の上方に配置されているベルトコンベアを利用した保持具22の下に進入し、当該保持具22と搬送体11の受皿20との間に挟まれる。搬送体11と保持具22とは同速で間欠走行し、同期して停止・始動する。貝1が刃物23の上まで搬送されると搬送体11及び保持具22が停止し、停止中に下の殻2bの連結側21と先端側24とが図3(b)に示す様に2枚の刃物23により切断除去されて開口部5が形成される。その後に搬送体11と保持具22とが同期して走行を開始し、受皿20の上の貝1を搬送する。貝1が第1の取り外し機構13(図1(c)、図4)の第1のノズル25の近くまで搬送されると搬送体11及び保持具22が停止する。
前記停止中に受皿20に内蔵されている吸引装置により貝1が受皿20に吸引保持される。貝1が保持されると、図4に示すように、受皿20上の貝1の大きさを、光センサや形状測定装置等の計測装置70によって計測し、第1のノズル25に備えられた第1の調整機構71によって、計測した貝1の大きさとその大きさの貝1の貝柱3中の無紋筋部60の位置及び大きさ(図9、10参照)の平均値とを比較して貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、図4、図5に示すように、算出した貝1の無紋筋部60の位置及び大きさに基づいて、前記第1の調整機構71によってアーム72を動かして第1の取り外し機構13のノズル(噴射体)25の位置、噴射角度を、貝柱3と殻2aの内面の付着部全体に、貝柱3の無紋筋部60側から流体を噴射できるように調整する。例えば、図5に示すように、貝1が大きい場合は、第1のノズル25と貝1との距離を長くして、また、貝1が小さい場合は、第1のノズル25と貝1との距離を短くして、第1のノズル25から、流体26が、殻2aと貝柱3の無紋筋部60との付着部側から拡散噴射されるように調整する。この状態で図4に示す様に第1の取り外し機構13の第1のノズル25から高圧で噴出される流体26を殻2bの開口部5から上の殻2aの内面に沿って噴射し、流体26を、貝柱3の無紋筋部60側から貝柱3と殻2aの内面との付着部側に当てて、無紋筋部60を殻2aから剥離すると共にそれにつれて有紋筋部65をも剥離して当該殻2aを貝柱3から取り外す(殻を開く)。流体26には水、海水等の液体、空気、窒素、炭酸ガス等の気体、空気等の気体に水分を含ませたものなど、任意の流体を使用することができる。この場合、図9、図10に示す様に、貝1の無紋筋部60の外側から殻2aの内面に沿って、貝柱3と殻2aとの付着部分に向けて噴射すると、当該殻2aが貝柱3の上面から剥離し易くなり、殻2aが容易に外れる(殻が容易に開く)。これは貝柱3から褐色の殻(右殻)、白色の殻のいずれを取外す場合でも同様である。
前記計測装置70による貝1の大きさの計測は、貝1の受皿20への吸引保持中には限られず、搬送体11による貝1の搬送中や、前記刃物23による貝1の切断中等、事前に行っておくこともできる。前記第1の調整機構71には、各種貝の、各大きさにおける貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさの平均値等のデータが入力されている。前記平均値は、例えば帆立貝等のように、成長とともに貝殻や貝柱の大きさ、及び貝柱位置が一定の比率で変化する貝の場合、計測した貝の形状の大きさにその比率を乗じて算出することができる。
第1の調整機構71は、具体的には、例えば、次のようにして、貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出している。本実施形態では、陸奥湾産、北海道噴火湾森町産、常呂産等の帆立貝の場合の例について説明する。図9、図10に示すように、貝1の殻高をH、殻長をL、殻幅をBとし、図9に示すように、噴射される流体に対して最大幅となる無紋筋部60の両端点とその座標を夫々R0(x0、y0、z0)、R1(x1、y1、z1)、とし、R0とR1との中点とその座標をR2(x2、y2、z2)とする。計測装置70は、貝1の殻高H、殻長L、殻幅Bを夫々計測し、その数値データを第1の調整機構71に送る。第1の調整機構71においては、殻高―殻長平面(X−Y平面)上における無紋筋部60の両端点の座標R0(x0、y0)と、R1(x1、y1)を、次の式(1)〜(4)によって計算し、貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出する。
Figure 0004164475
また、第1の調整機構71は、上記のようにして算出した貝1の無紋筋部60の位置及び大きさをもとに、次のようにして、第1のノズル25の位置及び噴射角度を算出している。ここで、第1のノズル25が流体26を噴射する位置をP(xp、yp、zp)、第1のノズル25からの流体の噴流軸と殻2aの端部との交点をQ(xq、yq、zq)とし、ノズルの噴出角度の伏角をθ、仰角をφ、傾角をψとし、第1のノズル25からの噴流の横幅方向の中心角をα(図示しない)とする。調整機構71は、貝1の位置を定めることで決まるR0、R1、R2、Qの位置を用い、次の式(5)〜(10)によって第1のノズル25の噴射位置P(xp、yp、zp)、第1のノズル25の噴射角度を定める伏角θ、仰角φ、傾角ψを夫々算出する。
Figure 0004164475
前記第1のノズル25の構造やサイズ、第1のノズル25から噴射される流体26の噴射圧(液圧)、第1のノズル25から噴射される流体26の噴射量(液量)等は任意に選択することができる。例えば、第1のノズル25としては図11(a)に示す様に横長の噴射口61を備えたものが適し、液圧は200 kg/cm2、液量は6.0l/min 程度とすることができる。第1のノズル25は、図11(a)に示すものには限られず、図11(b)に示すような円形の噴射口61とすることもできる。この場合は、噴射口61からは、棒状の流体が噴射されることとなり、第1のノズル25を首振りさせて無紋筋部60側から貝柱3に流体を噴射する。流体26の噴射は開口部5からとは限らず、他の箇所から行うこともできる。例えば、殻2の蝶つがい(靭帯)より少し内側にある上下の貝の隙間から第1のノズル25を差込んで、貝1の無紋筋部60の外側から流体を噴射するとか、他の箇所から第1のノズル25を差込んで噴射することもできる。第1のノズル25からの流体の噴射角度は任意に選択することができる。
図示したものは第1のノズル25が1本であるが、ノズルを貝1の外周に複数本配置し、それらから噴射される流体26を殻2aの内面に沿って、貝柱3の無紋筋部60と殻2aとの付着部側に多方向から当てて貝柱3と殻2aとを分離するとか、1本のノズル25を首振りさせたり貝柱3の外周方向に回転させたりして、第1のノズル25から噴射される流体26を殻2aの内面に沿って、貝柱3の無紋筋部60と殻2aとの付着部側に多方向から当てる等して貝柱3と殻2aとを分離することもできる。この場合、流体26を高圧の細いジェット状にすると貝柱3と殻2aとが分離し易くなる。上の殻2aを開いたら搬送体11が走行を再開して貝1を搬送する。貝1が付随部吸引除去機構(吸引装置)10の近くまで搬送されると搬送体11が再度停止する。
前記停止中に図1(d)、図6に示す様に下の殻2bが第1の保持具27により受皿20に押し付けられて受皿20に保持される。この状態で貝柱3が付着している下の殻2bに付随部吸引除去機構(吸引装置)10の吸引口28を近付けて図9に示すウロ45、ラン46、ヒモ47等の付随部4を吸引除去する。吸引された付随部4は排出路29内を通ってタンク30内に投入され、投入された付随部4に含まれている水分や微細な塵芥等がタンク30内のフィルタ31を通過してタンク30の外部に排出される。タンク30内に溜った付随部4は必要に応じてウロ、ヒモ、ラン等の種類別に分類され、ウロは廃棄され、ヒモ、ラン等の食用に適するものは後加工されて食用に提供される。付随部4を殻2bから取外す場合は、ウロのみを除去して廃棄したり、残りの付随部4をまとめて取外して商品化したり、ヒモと鰓を一緒に取外したり、といったように、商品形態に合せて付随部4を個別に、或は二以上をまとめて、或は全てをまとめて取外したりすることができる。
前記のように付随部4の吸引除去が終了すると搬送体11が走行を再開して、付随部4が除去された貝1が図1(e)、図6の第2の取り外し機構14の第2のノズル32の近くまで搬送されると搬送体11が再度停止する。この停止中に下の殻2bが第2の保持具33により受皿20に押し付けられて受皿20に保持される。貝1が保持されると、前記第1の取り外し機構13の場合と同様に、図7に示すように、受皿20上の貝1の大きさを、光センサや形状測定装置等の計測装置73によって計測し、第2のノズル32に備えられた第2の調整機構74によって、計測した貝1の大きさとその大きさの貝1の貝柱3中の無紋筋部60の位置及び大きさ(図9、10参照)の平均値とを照らし合せて貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、図5、図7に示すように、前記第2の調整機構74によってアーム75を動かして第2の取り外し機構14の第2のノズル(噴射体)32の位置、噴射角度を、貝柱3と殻2bの内面の付着部全体に、貝柱3の無紋筋部60側から流体34を噴射できるように変化させる。例えば、図5に示すように、貝1が大きい場合は、第2のノズル32と貝1との距離を長くして、また、貝1が小さい場合は、第2のノズル32と貝1との距離を短くして、第2のノズル32から、流体34が、殻2bと貝柱3の無紋筋部60との付着部側から拡散噴射されるように調整する。この状態で図6に示す様に第2の取り外し機構14の第2のノズル32から高圧で噴出される流体34を下の殻2bの内面に沿って、貝柱3の無紋筋部60と他方の殻2bの内面の付着部側に当てて、無紋筋部60を当該殻2bから剥離すると共にそれにつれて有紋筋部65をも剥離して当該殻2bから貝柱3を取り外す。流体34には水、海水等の液体、空気、窒素、炭酸ガス等の気体、空気等の気体に水分を含ませたものなど、任意の流体を使用することができる。このとき図7の様に貝柱3の底部に貝柱吸引装置35を近付けて貝柱3を上方に吸引すると、流体で分離される貝柱3が下の殻2bから分離され易くなる。この場合も図9、図10に示す様に、貝1の外側から殻2bの内面に沿って、貝柱3の無紋筋部60と殻2bとの付着部分に向けて第2のノズル32から流体34を噴射すると、当該殻2bが貝柱3の底面から外れ易くなる。この場合も、第2のノズル32からの流体の噴射角度は任意に選択することができる。第2のノズル32の本数も任意に選択することができる。
また、第2の取り外し機構14においては、計測装置73を設けずに、先の第1の取り外し機構13の計測装置70において計測した貝1の大きさの数値を用いることもできる。また、前記第1の取り外し機構13と同様に、第2の調整機構74には、各種貝の、各大きさにおける貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさの平均値が入力されている。この第2の調整機構74も、具体的には、前記第1の調整機構71と同様の計算や制御を行っている。
殻2bと分離された貝柱3は貝柱吸引装置35により吸引されて搬送体11の外部に送り出される。この貝柱3は洗浄液で洗浄された後、そのまま或は冷凍してから出荷される。洗浄液には通常の水とか、オゾン水、UV処理水等を使用することができる。
本発明の貝処理方法は、貝1が2枚の殻2を備えた帆立貝の場合には限られず、ムール貝等のその他の二枚貝や、鮑等の1枚の殻を備える貝の場合であっても実施することができる。
付随部4の除去は、前記した付随部吸引除去機構10による吸引除去には限られず、流体噴射によって殻から外して除去することもできる。その場合、付随部4を除去するための、流体を噴射可能な付随部除去用流体噴射機構を、前記付随部吸引除去機構10に代えて、又は前記付随部吸引除去機構10に加えて備えることができる。また、付随部除去用流体噴射機構を別途設けるのではなく、前記第1のノズル25と第2のノズル32の一方又は双方によって、付随部除去用流体噴射機構を兼ねさせることもできる。
(貝処理方法の実施形態2)
本発明の貝処理方法の実施形態の他の一例を、図8(a)〜(g)に基づいて詳細に説明する。本実施形態の貝処理方法も、基本的な実施態様は前記実施形態1と共通する。本実施形態においても、図8(a)の様に貝1を搬送体11で搬送し、図8(b)の様に刃物23で殻2bを切断して開口部5を形成し、図8(c)の様に流圧で上の殻2aを貝柱3から取外す。しかし本実施形態においては、その後に、付随部吸引除去機構10によって、まず図8(d)の様にウロ45を、次に図8(e)の様にラン46を、次に図8(f)の様にヒモ47を順番に別個に吸引除去する点において前記実施形態1と異なる。その後に図8(g)の様に流圧で下の殻2bを貝柱3から取外すようにした点は前記実施形態1と共通する。図8では説明の便宜上、ウロ45とラン46を180度ずれた位置に表示してあるが、ウロ45とラン46は実際は図9の様に貝柱3の外周のほぼ90度ずれた位置にある。そこで図8(d)〜(f)ではウロ45を吸引除去する付随部吸引除去機構10とラン46を吸引除去する付随部吸引除去機構10とを兼用にし、その付随部吸引除去機構10を図8(d)(e)の様に90度、往復回転可能とし、更に、付随部吸引除去機構10がウロ45とラン46のいずれか一方を吸引除去したら自動的に90度回転して他方を吸引除去するようにしてある。もっとも、付随部吸引除去機構10を用いての吸引除去の順は、上記したウロ45、ラン46、ヒモ47の順には限られず、任意の順番に吸引除去することができる。
図8(d)の装置には色判別センサ48が取付けられている。このセンサ48はラン46の色を判別して、ラン46が雄貝のものであるか、雌貝のものであるかを判別することができる。ちなみに、雄貝のランは白色、雌貝のランは赤色である。この色判別をすることにより、ラン46を雄貝のものと雌貝のものとに分けて後処理することができるため、便利である。
(貝処理装置の実施形態1)
本発明の貝処理方法の実施に用いる貝処理装置の実施形態の一例を、図1(a)〜(e)に基づいて詳細に説明する。本発明の貝処理装置は、図1(a)〜(e)に示すように、搬送部と、カット部と、流圧カッター部(上貝)と、ウロ取り部と、流圧カッター部(下貝)とからなる。
図1(a)の搬送部の搬送体11は図3に明示する様に、チェーンとか他のベルトといった走行体36の上に受皿20を取付けてなり、受皿20は2つの受片37を一対として構成され、夫々の受片37の上面に半円弧状の凹状湾曲部38が形成され、夫々の受片37は凹状湾曲部38が対向するように走行体36に取付けてある。搬送体11は所定位置まで進行すると自動的に停止し、所定時間経過すると自動的に走行を開始して、一定距離ずつ間欠走行するようにしてある。搬送体11の走行体36は、図に示すものには限られず、無端コンベアや、ターンテーブル等任意のものを用いることができる。
図1(b)、図3のカット部の保持具22は無端ベルト状であり、その内側に保持具22の下側走行部40(図1(b)、図3(a))を下方に押すための押し具41が配置されている。この押し具41は保持具22の下側走行部40を挟んで受皿20と対向する位置に配置されて、受皿20の上の貝1を受皿20との間に挟着保持できるようにしてある。保持具22の軸の外周にはスプリング42が配置されており、そのスプリング42は押し具41を下方に押すものであり、保持具22の下側走行部40の下に受皿20の上の貝1が進入すると上に押し戻されるようにしてある。
図1(b)、図3のカット部の刃物23は円盤状のダイアモンドカッターであり、搬送体11の幅方向両外側に配置されており、図示されていない駆動装置により回転されるようにしてある。刃物23には殻2を切断するのに適する他の材質のカッターとか、他の形状のカッター等を使用することができる。刃物23は常時回転していてもよく、切断時にのみ回転するようにしてもよい。また、二枚の刃物23の位置及び間隔を、貝の大きさや形状に応じて変化させることもできる。
図1(c)(e)、図4、図7の水圧カッター部の計測装置70、73には、光センサ、形状測定装置等の装置が用いられ、受皿20上の貝1の大きさを計測することができるようにしてある。また、同図に示す調整機構71、74には、本発明の貝処理装置に内蔵されたコンピュータ等が内蔵されている。調整機構71、74は、計測装置70、73が計測した貝1の大きさとその大きさの貝1の貝柱3中の無紋筋部60の位置及び大きさ(図9、10参照)の平均値等のデータとを比較して貝1の無紋筋部60の位置及び大きさを算出し、図4、図5に示すように、前記調整機構71によってアーム72(75)を動かしてノズル(噴射体)25(32)の位置、角度、噴射姿勢等を、貝柱3の無紋筋部60と殻2aの内面の付着部側から流体を噴射できるように変化させることができるものである。調整機構71、74には、各種貝の、各大きさにおける貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさの平均値が入力されている。
図1(c)(e)、図4、図7、図8(c)(g)に示すノズル25、32は、流体を噴出可能であれば任意の形状とすることができるが、図11(a)に示すように、横長の噴射口61を備えたものが適し、液圧は200 kg/cm2、液量は6.0l/min 程度とすることができる。また、貝の大きさに応じて、ノズル25、32の位置、噴射角度を変化させて、貝柱3と殻2の内面の付着部に、貝柱3の無紋筋部60側から流体を噴射できるように変化させるため、図5に示すように流体を拡散して噴出出来るものが望ましい。ノズル25、32の形状は、図11(a)に示すものには限られず、図11(b)に示すような円形の噴射口61とすることもできる。この場合は、噴射口61からは、棒状の流体が噴射されることとなり、ノズルを首振りさせて貝柱3に流体を噴射する。また、ノズル25、32の設置本数や設置位置も、図に示すものには限られず、任意とすることができる。
図1(d)のウロ取り部中、貝1の保持機構として図6に示すものは受皿20の両外側に2本のアーム状の第1の保持具27を配置し、その保持具27が図示されていない駆動装置により内側に閉じられると、保持具27の上端の内向きの係止片43が受皿20に載せてある下の殻2の上縁に係止して、当該殻2を受皿20に押しつけて保持し、保持具27が駆動装置により外側に開くと保持具27の係止片43が下の殻2の上縁から外れて受皿20への押しつけが解除されるようにしたものである。保持機構はこの他のものでもよい。
図1(d)のウロ取り部中、図6に示す様に付随部吸引除去機構10の吸引機構50には真空吸引装置が使用されている。吸引機構50は真空ポンプ51の作動により排出路29及び付随部吸引除去機構(バキュームノズル)10内を真空にし、付随部吸引除去機構10の吸引口28を殻2に付着している付随部4に近付けて付随部4を吸引し、殻2から除去する。付随部吸引除去機構10内に吸引された付随部4は排出路29内を通ってタンク30内に投入される。タンク30内に投入された付随部4に含まれている水分や微細な塵芥等はタンク30内のフィルタ31を通過してタンク30の外部に排出される。タンク30内に溜った付随部4は必要に応じて種類別に分類されて他の用途に活用されたり、廃棄されたりする。第1の保持具27は図示されていない駆動機構により左右に開閉される。下の殻2から付随部4が除去されると第1の保持具27が開いて殻2の保持が解除される。
図6の付随部吸引除去機構10の吸引口28はリング状に形成されているが、吸引口28は図7に示す貝柱吸引装置35の様な単なる筒状でもよく、径の小さな丸孔状とか、細長孔状等であってもよく、また、その孔径サイズは付随部4の夫々を個別に又は同時にまとめて吸引し易い任意のサイズとすることができる。また、図8(d)(e)に示すように、付随部吸引除去機構10には、色判別センサ48を取付けることもできる。このセンサ48はラン46の色を判別して、ラン46が雄貝のものであるか、雌貝のものであるかを判別することができる。
図1では下の殻2にのみ開口部5を形成してあるが、開口部は上下両方の殻2に形成することもできる。開口箇所も図示した箇所以外でも良く、例えば、殻2の幅方向一端又は両端といったように任意の箇所に、二以上開口することができる。二以上の開口部5を形成した場合、一方の開口部5から噴射した流体が、他方の開口部5から抜ける、噴射された流体が殻2の内側に溜りにくくなり、貝の身3が損傷したり、水浸しになったりしにくくなる。
図1には円盤状の回転刃23が示されているが、使用する刃物は他の形状のものでも、他の動き(例えば往復運動)をするものでもよい。例えば円筒状の刃物を回転させて殻2に丸い孔をあけて開口部5とすることもできる。また、刃物を使用せずに、ハンマーのように重い物を殻2に上方から落として殻2の一部を破損させて開口部を形成することもできる。この場合、発生する殻2の破片、粉末等を、切断しながら吸引除去装置で吸引除去したり、流体(例えば水等)で洗い流したりするのが望ましい。
図1では搬送体11を間欠移動させて、停止時に回転刃23で殻2bを切断するようにしてあるが、搬送体11を連続走行させて走行中に開口部5を形成したり、他の処理をしたりすることもできる。その場合は作業し易い走行速度に設定する。
図1では貝柱3から上の殻2aを分離するときに、受皿20に内蔵された吸引式の保持機構により受皿20の上の貝1を下方に吸引して受皿20に保持できるようにしてあるが、その保持機構は走行停止時にその停止位置に設置されている吸引装置と自動的に連結されて吸引できるようにし、移動開始前に吸引装置が自動的に分離するようにしておくと便利である。受皿20に吸引式の保持機構を内蔵した場合は、夫々の停止位置に吸引装置を設置しておき、その吸引装置が保持機構と自動的に連結されたり分離されたりするようにしておけば、夫々の停止時に第1の保持具27、第2の保持具33を使用しなくとも受皿20の上の貝を受皿20に吸引保持することができる。また、受皿20に吸引式の保持機構を内蔵せずに、第1の保持具27、第2の保持具33のような保持具を夫々の工程に設けることもできる。
本実施形態では上の殻2aを開いてから下の殻2bに付着している付随部4を吸引除去するようにしてあるが、本発明では開口部5を形成してから上の殻2aを開かずに、その開口部5に付随部吸引除去機構10の吸引口(例えば、ノズル)28をあてがって貝1からウロ45のみを吸引除去することもできる。
図1(d)ではウロ、ヒモ、ラン等の付随部4全体をまとめて一つの付随部吸引除去機構10により同時に吸引除去するようにしてあるが、付随部4はウロ45、ラン46、ヒモ47といったように種類別に吸引除去することもできる。特にウロは廃棄され、他の部分は商品化されるので、ウロ45は他の部分と別に吸引除去するのが望ましい。そのため、ウロ除去専用の吸引除去装置及び吸引機構を設けるとか、ヒモ用の吸引除去装置、ラン用の吸引除去装置といったように、吸引除去装置及び吸引機構を個別に設けて付随部を種類別に吸引除去することもできる。ランは通年してあるわけではなく、産卵期にしかないため、ある時のみ吸引除去する。
図1(c)、(e)、図4、図7、図8(c)(g)におけるノズル25、32は、貝1の無紋筋部60の外側から殻2の内側に流体を噴射して殻2と身3とを分離することができるように、貝1の無紋筋部60側の外側に設置してある。その設置位置は他の場所とすることもできる。
(貝処理装置の実施形態2)
本発明の貝処理装置の実施形態の他の例を、図12〜図22に基づいて詳細に説明する。ここに示す貝処理装置では、図12に示すように、支柱101に回動可能に取り付けられたターンテーブル102の上に貝103を搭載可能(セット可能)な貝搭載台104を複数設置し、ターンテーブル102の回転によって貝搭載台104にセットされている貝103を図中の矢印方向に搬送可能としてある。さらに、ターンテーブル102による貝103の搬送経路上に、貝103を貝搭載台104にセットする貝供給部P、貝103が貝搭載台104にセットされているか否かを検出する貝検出部Q1、貝103に開口部を形成する開口部形成手段A、上殻103aと貝柱105とを分離させる上殻分離手段B、貝柱105から分離された上殻103aを除去する上殻除去手段C、下殻103bからウロ106aを吸引除去するウロ除去手段D1、下殻103bからラン、ヒモ等のウロ以外の付随部106を吸引除去する付随部除去手段D2、付随部106が除去された下殻103bと貝柱105とを分離させる下殻分離手段E、下殻103bから分離された貝柱105を回収する貝柱回収手段F、貝柱105が回収された後の下殻103bを排出する下殻排出手段G、貝103が貝搭載台104から排出されたか否かを検出する貝検出部Q2を順次設け、搬送中に殻開け、付随部除去、貝柱回収、貝殻排出といった一連の処理を自動で行えるようにしてある。
図12に示すターンテーブル102は図示されていない電動モーターを駆動源として図中の矢印方向に間欠回転し、貝搭載台104にセットされている貝103を前記各手段に順次供給する。具体的には、ターンテーブル102の回転間隔、回転速度、回転量等は予め設定されており、各手段における処理が終了する度に所定量だけ回転して、当該手段の前段の手段によって処理された貝103を次の手段へ順次供給する。
図13に示すように、前記ターンテーブル102上に設置されている夫々の貝搭載台104には、一組の搭載部107が設けられており、1つの貝搭載台104に対して2つの貝103を同時にセット可能としてある。貝103のセットは、図12に示すように、貝供給部Pにおいて行う。図14に示すように、夫々の搭載部107は、可撓性材料(例えば合成樹脂)によって断面略凹形に形成されており、その底面中央には吸引口108が開口されている。さらに、各搭載部107の下方には前記吸引口108に連通するレシーバタンク110が形成され、そのレシーバタンク110には一端が図示されていないバキュームポンプに連通する耐圧ホース111の他端が連結されている。
図12に示す貝検出部Q1においては、センサ(図示しない)が備えられており、貝103が貝搭載台104にセットされているか否かを検出することができるようにしてある。
次に前記構成を備える貝搭載台104の動作について説明する。貝供給部Pにおいて、下殻103bを下に向け、その下殻外面によって搭載部107の開口部を閉塞するようにして、貝103をセットする。次に、貝検出部Q1において、センサによって貝103が貝搭載台104にセットされているか否かを検出し、貝103のセットが検出された場合は、図14に示すスイッチ115が図中矢印方向に動かされて、バキュームポンプ(図示しない)を作動させて、吸引口108から貝103を吸引する。すると、下殻外面によって閉塞された搭載部内側が負圧となり、貝103が吸引保持される。この時、貝103の表面に付着したゴミ等も吸引口108から吸引されるが、吸引されたゴミ等はレシーバタンク110内に溜められる。レシーバタンク110には、溜めたゴミ等を排出する排出口を備えることもできる。尚、図14に示すように、搭載部107の後方には、そこにセットされる貝103を位置決めするためのプレート113が立設されている。
図12に示す開口部手段Aの具体的構成を図15に示す。開口部形成手段Aは、貝103の殻103a、103bを切断可能なカッター120と、カッター120の駆動源である電動モーター121と、これらを待機位置と作業位置との間で昇降させる昇降ピストン122とを備えている。ここで、カッター120には、上殻103a及び下殻103bの先端部103cを切断するための一組の前方カッター120aと、上殻103aと下殻103bの連結部103dを切断するための一組の後方カッター120bとがあり、各組のカッター120a、120bが前後に平行に並んで対をなしている。本処理装置では、かかる2対のカッター120a、120bを横に並べて配置し、1つの貝搭載台104にセットされている2つの貝103に同時に開口部を形成可能としてある。
前記カッター120は下方開口の透明なケース123内に収容されており、このケース123内には流体供給ノズル(図示しない)が設けられている。このノズルは、切断時の摩擦熱の発生や切屑の飛散等を防止するための流体を供給するものである。また、前記電動モーター121は前記ケース123の上に設置されており、その回転軸に取り付けられた駆動プーリー124と、カッター120a、120bの中心に貫通固定されたシャフト125に取り付けられた受動プーリー126とに伝達ベルト127が掛け回わされている。従って、モーター121が作動すると、その回転力が回転軸→駆動プーリー124→受動プーリー126→シャフト125と伝達されてカッター120が図中の矢印方向に回転する。前記昇降ピストン122のロッド128は前記ケース123に連結されており、ロッド128の伸縮に伴ってケース123が上昇し、該ケース123内のカッター120及びケース123上のモーター121も上昇する。また、貝の大きさに応じて、カッター120aを図15に示す矢印方向に前後動させることもできる。
次に前記構成を備える開口部形成手段Aの動作を説明する。ターンテーブル102が回転して貝搭載台104が前記ケース123の下方に送り込まれると(ここでターンテーブル102は一端停止する)、前記電動モーター121が作動してカッター120が回転を始める。すると、カッター120の回転開始と同期して昇降ピストン122のロッド128が縮んでケース123を降下させ、回転中のカッター120を図中に実線で示す待機位置から鎖線で示す作業位置まで降下させる。この結果、前方カッター120aによって貝搭載台104の夫々の搭載部107にセットされている貝103の先端部103cが切除され、連結部103dが後方カッター120bによって切除される。この間、前記流体供給ノズルからは流体が供給されている。以上によって、夫々の貝103の先端に該貝103の内部に連通する開口部が形成されると共に、連結部103dが切除されることによって上殻103aと下殻103bが容易に分離可能な状態となる。切断作業が終了すると、電動モーター121が停止し、これと同期して前記昇降ピストン122のロッド128が伸びてケース123を上昇させ、カッター120を前記待機位置まで戻す。尚、ターンテーブル102の下にはスロープ129が設置されており、切除された貝103の先端部103c及び連結部103dは該スロープ129上に落下し、該スロープ129上を滑って図示されていない回収容器へ送り込まれる。
図12に示す上殻分離手段B及び上殻除去手段Cの具体的構成を図16に示す。上殻分離手段Bは高圧の流体(例えば水等)を噴射可能な一組の上殻分離用噴射ノズル(第1のノズル)140と、一端が夫々のノズル140に接続された2本の圧送ホース(図示しない)と、夫々の圧送ホースの他端に接続されたポンプ(図示しない)とを備えている。また、上殻分離手段Bは、前記実施形態1と同様の計測装置(図示しない)と、第1の調整機構(図示しない)とを備えている。上殻除去手段Cは上殻103aを吸引保持可能な一組の上殻用吸引保持具141と、一端が夫々の保持具141に接続された2本の耐圧ホース142と、夫々の耐圧ホース142に接続されたバキュームポンプ(図示しない)とを備えている。尚、二組の上殻分離用噴射ノズル140及び上殻用吸引保持具141はそれぞれ対をなし、一方は貝搭載台104の一方の搭載部107にセットされている貝103を処理し、他方は貝搭載台104の他方の搭載部107にセットされている貝103を処理する。即ち、1つの貝搭載台104にセットされて同時に供給される2つの貝103を同時に処理可能としてある。
夫々の上殻分離用噴射ノズル(第1のノズル)140は、圧送ホースが接続されるホース接続部143と、先細りに形成された噴射口144とを備えている。前記実施形態1と同様に、計測装置によって貝103の大きさを計測し、第1の調整機構によって、貝103の無紋筋部の位置及び大きさを算出し、算出した貝103の無紋筋部の位置及び大きさに基づいてノズル140の位置及び噴射角度を、貝103の無紋筋部全体に当たるように調節する。計測装置は、必ずしも図16に示す上殻分離手段Bに備えられる必要はなく、貝供給部P、貝検出部Q1、開口部形成手段A等に備えて、事前に貝103の大きさを計測しておくこともできる。さらに、T字形のハンドル146を時計回り又は反時計回りに回すことによって、手動で噴射口144の角度を変化させることができるようにもしてある。
夫々の上殻用吸引保持具141の下部には、可撓性材料(例えば合成樹脂)によって断面略凹形に形成された上殻吸引部147が備えられ、その上殻吸引部147の底面中央には吸引口が開口されている。さらに、前記吸引口は上殻吸引部147の上方に設けられた空間148に連通し、その空間148に耐圧ホース142の一端が連結されている。
前記上殻分離用噴射ノズル(第1のノズル)140と上殻用吸引保持具141はアングル149によって一体化されており、昇降ピストン150及び回動ピストン152の作用によって一体に変位する。具体的には、昇降ピストン150によって図16に実線で示す待機位置と、一点鎖線で示す作業位置との間で昇降する。また、回動ピストン152によって前記作業位置から図中に二点鎖線で示す上殻排出位置まで回動すると共に、上殻排出位置から待機位置まで回動する(復帰する)。
次に前記構成を備える上殻分離手段B及び上殻除去手段Cの動作を説明する。前記開口部形成手段Aにおける処理が終了するとターンテーブル2が所定量だけ回転し、開口部が形成された貝3がセットされている貝搭載台4を該上殻分離手段B及び上殻除去手段Cに供給する。すると、計測装置が貝103の大きさを計測し、計測した貝103の大きさに応じて調整機構が貝103の無紋筋部の位置及び大きさを算出する。次に、前記昇降ピストン150のロッド151が縮み、待機位置にある上殻分離用噴射ノズル(第1のノズル)140及び上殻用吸引保持具141を前記作業位置まで降下させ、上殻用吸引保持具141の上殻吸引部147を上殻外面に押し付ける。次に、第1の調整機構によってノズル140を動かして、算出した貝103の無紋筋部105aの位置及び大きさに基づいて、ノズル140の位置及び噴射角度を、上殻103aと貝柱105の無紋筋部105aとの付着部側から流体を噴射できるように調整する。次に、上殻分離用噴射ノズル140に接続されたポンプが作動し、該ノズル140の噴射口144から高圧流体の噴射が開始され、開口部から上殻内面とそこに密着している貝柱105の間に向けて、上殻103aと貝柱105の無紋筋部105aとの付着部側から所定時間だけ高圧流体が噴射される。上殻分離用噴射ノズル140からの流体噴射と同時に、前記バキュームポンプが作動し、上殻103aを上殻吸引部147に吸着させる。この結果、その液圧によって上殻内面から無紋筋部が剥離されると共に、それにつれて貝柱の有紋筋部をも剥離されて密着している上殻103a内面と貝柱105とが分離される。この間、貝103は上殻103aに押し付けられた上殻吸引部147によって貝搭載台104に押さえ付けられ、且つ上殻吸引部147に吸着されているので、液圧によって位置ズレしたり、脱落したりすることはない。その後、回動ピストン152のロッド153が伸びて、上殻分離用噴射ノズル140及び上殻用吸引保持具141を上殻排出位置まで移動させる。これによって、上殻103aは下殻103bから分離され、吸引保持具141に吸引保持されて上殻排出位置まで運ばれる。上殻用吸引保持具141が上殻排出位置まで到達すると、前記バキュームポンプが停止し、上殻103aの吸引保持を解除する。この結果、上殻103aは上殻排出位置下方に設置されているスロープ153上に落下し、該スロープ153上を滑って図示されていない回収容器に送り込まれる。尚、これら一連の処理中も下殻103bは常に吸引保持されている。
図12に示すウロ除去手段D1の具体的構成を図17(a)に示す。ウロ除去手段D1は、付随部106のうち、ウロ106aを吸引除去する吸引ノズル160と、一端がノズル160に接続された搬送用ホース162と、搬送用ホース162の他端に接続された付随部レシーバタンク168とを備えている。また、搬送用ホース162には、バキュームポンプ(図示しない)が備えられ、吸引したウロ106a等を付随部レシーバタンク168に送り込むことができるようにしてある。付随部レシーバタンク168には、例えば容量が数10リットルのものを用いる等、任意の大きさのタンクを用いることができ、収容したウロ等を排出する排出口を備えることもできる。ここで、ウロ106aを吸引除去する吸引ノズル160は、細長のパイプ状としてあり、その先端はウロ106aの被膜に刺し込み易くするために鋭利に尖らせてある。尚、二組の吸引ノズル160と搬送用ホース162とはそれぞれ対をなし、一方は貝搭載台104の一方の搭載部107にセットされている貝103を処理し、他方は貝搭載台104の他方の搭載部107にセットされている貝103を処理する。即ち、1つの貝搭載台104にセットされて同時に供給される2つの貝103から同時にウロ106aを除去可能としてある。さらに、吸引ノズル160はホルダー164によって一体化され、昇降ピストン165の作用によって待機位置と作業位置との間で昇降する。
吸引ノズル160の形状は、図17(a)に示すものには限られず、図17(b)に示すように、図17(a)に示す吸引ノズルに比べて径を大きくするとともに、その下端周縁に刃169を設けたものとすることもできる。この吸引ノズル160を用いる場合は、前記刃169をウロ106aの被膜に押し付けて該被膜を切り裂いて破ってから、被膜内のウロ106aを吸引除去する。また、図17(c)に示すように、図17(a)に示す吸引ノズルに比べて径を大きくして、ウロ106aの被膜の全体を包むように被せることができるようにしたものとすることもできる。この吸引ノズル160を用いると、吸引によってウロの被膜が破れて中のウロが吸引除去される。また、図17(d)に示すように、その内側に破損具185を設け、その破損具185の先端を吸引ノズル160よりも下方に突出させるとともに、突出した先端を鋭利に尖らせたものとすることもできる。この吸引ノズル160をウロ106aの被膜に被せると、破損具185の先端によって被膜が破れて中のウロ106aが吸引除去される。吸引ノズル160の形状は、前記のものには限られず、他の任意の形状とすることもできる。
次に前記構成を備えるウロ除去手段D1の動作を説明する。前記上殻分離手段B及び上殻除去手段Cにおける処理が終了すると、ターンテーブル102が所定量だけ回転し、下殻103bがセットされている貝搭載台104を該ウロ除去手段D1に供給する。すると、前記昇降ピストン165のロッド166が縮み、待機位置にある吸引ノズル160を作業位置まで降下させ、吸引ノズル160の先端をウロ106aの被膜に刺し込む。次にノズル160に回収ホース162を介して連結されているバキュームポンプ(図示しない)が作動する(もっとも、ノズル160の降下前または降下途中からバキュームポンプを作動させることもできる)。この結果、吸引ノズル160によってウロ106aの中身及び被膜が吸引除去され、回収されたウロ106aは搬送ホース162を介して、バキュームポンプと一体に備えられた回収容器に送り込まれる。吸引除去が終了すると、前記バキュームポンプが停止し、これと同期して昇降ピストン165のロッド166が伸び、吸引ノズル160を待機位置まで上昇させる(復帰させる)。
図12に示す付随部除去手段D2の具体的構成を図18に示す。付随部除去手段D2は、付随部106のうち、ウロ以外の付随部(ラン106b、ヒモ106c、その他心臓、鰓、触手等)106を吸引除去する吸引ノズル161と、一端がノズル161に接続された搬送用ホース163と、搬送用ホース163の他端に接続されたバキュームポンプ(図示しない)とを備えている。ここで、ウロ以外の付随部106を吸引除去する吸引ノズル161は、円筒形の筒部161aと、口広の傘状の被覆部161bとからなり、被覆部161の内側には、貝柱の径より間隔をあけて爪161cが二本形成されている。尚、二組の吸引ノズル161と搬送用ホース163とはそれぞれ対をなし、一方は貝搭載台104の一方の搭載部107にセットされている貝103を処理し、他方は貝搭載台104の他方の搭載部107にセットされている貝103を処理する。即ち、1つの貝搭載台104にセットされて同時に供給される2つの貝103から同時にウロ106aを除去可能としてある。さらに、吸引ノズル161はホルダー190に回転自在に取付けられ、昇降ピストン191の作用によって待機位置と作業位置との間で昇降する。
次に前記構成を備える付随部除去手段D2の動作を説明する。前記ウロ除去手段D1による上殻における処理が終了すると、ターンテーブル102が所定量だけ回転し、下殻103bがセットされている貝搭載台104を該付随部除去手段D2に供給する。すると、前記昇降ピストン191のロッド192が縮み、待機位置にある吸引ノズル161を作業位置まで降下させ、ノズル161の被覆部161bで、下殻103b内の貝柱105及び付随部106を覆う。次に吸引ノズル161を回転させて、同時にノズル161に回収ホース163を介して連結されているバキュームポンプが作動する(もっとも、ノズル161の降下前または降下途中からノズル161を回転させ又はバキュームポンプを作動させることもできる)。この結果、被覆部161bの内側に備えられた二本の爪161cが回転して、下殻103b内のウロを除く付随部106が爪161cに掻き取られて吸引除去され、回収された付随部106は搬送用ホース163を介して図示されていない回収容器に送り込まれる。吸引除去が終了すると、吸引ノズル161の回転と前記バキュームポンプとが停止し、これと同期して昇降ピストン191のロッド192が伸び、吸引ノズル161を待機位置まで上昇させる(復帰させる)。
図12に示す下殻分離手段E、貝柱回収手段F、下殻排出手段Gの具体的構成を図19に示す。下殻分離手段Eは、前記上殻分離手段Bを構成する上殻分離用噴射ノズル140と同様の一組の下殻分離用噴射ノズル(第2のノズル)170と、一端がこれらノズル170に接続された圧送ホース(図示しない)と、この圧送ホースの他端に接続されたポンプ(図示しない)とを備えている。もっとも、上殻分離手段Bを構成する上殻分離用噴射ノズル(第1のノズル)140は上向きに設置されているが、下殻分離手段Eを構成する下殻分離用噴射ノズル(第2のノズル)170は下向きに設置されている。また、下殻分離手段Eにも、前記上殻分離手段Bと同様の計測装置及び第2の調整機構(図示しない)が備えられており、計測装置によって計測された貝103の大きさに基づいて算出された貝103の無紋筋部の位置及び大きさに基づいて、第2の調整機構によってノズル170の位置及び噴射角度を、貝103の貝柱105と下殻103bとの付着部全体に当たるように調節可能としてある。もっとも、下殻分離手段Eには、計測装置を設けずに、先の上殻分離手段Bの計測装置によって計測した貝103の大きさの数値を用いることもできる。また、貝柱回収手段Fは、一組の吸引ノズル171と、一端が吸引ノズル171に接続された回収用ホース172と、回収用ホース172の他端に接続されたバキュームポンプ(図示しない)とを備えている。ここで、下殻分離用噴射ノズル170と吸引ノズル171はブラケット173によって一体化されており、昇降ピストン174の作用によって、図19中実線で示す待機位置と、一点鎖線で示す作業位置との間を昇降する。また、下殻排出手段Gは、突起177を備えた鉤爪178を備えている。また、下殻排出手段Gは、回動ピストン179によって前記作業位置から図中に二点鎖線で示す下殻排出位置まで回動するとともに、下殻排出位置から待機位置まで回動する(復帰する)。その際に、鉤爪178の突起177が貝搭載台104の搭載部107にセットされている下殻103bの下部に差し入れられ、下殻排出位置の下方に設置されているスロープ181上に下殻103bを落下させることができるようにしてある。尚、二組の下殻分離用噴射ノズル170、吸引ノズル171、鉤爪178は夫々対をなし、一方は貝搭載台104の一方の搭載部107にセットされている貝103を処理し、他方は貝搭載台104の他方の搭載部107にセットされている貝103を処理する。即ち、1つの貝搭載台104にセットされて同時に供給される2つの貝103を同時に処理可能としてある。
次に前記構成を有する下殻分離手段E、貝柱回収手段F、下殻排出手段Gの動作を説明する。前記付随部除去手段D2における処理が終了すると、ターンテーブル102が所定量だけ回転し、付随部106が除去された下殻103bを該下殻分離手段E、貝柱回収手段F、下殻排出手段Gに供給する。すると、前記昇降ピストン174のロッド175が縮んで、待機位置にある下殻分離用噴射ノズル(第2のノズル)170と吸引ノズル171とを作業位置まで降下させる。同時に、鉤爪178も、下殻103bの側方まで降下する。次に、第2の調整機構によってノズル170を動かして、算出した貝103の無紋筋部105aの位置及び大きさに基づいてノズル170の位置及び噴射角度を、下殻103bと貝柱105の無紋筋部105aとの付着部側から流体を噴射できるように調整する。次に、下殻分離用噴射ノズル170に接続されたポンプが作動し、該ノズル170の噴射口から高圧流体の噴射が開始され、下殻103b内面とそこに密着している貝柱105との間に向けて、下殻103bと貝柱105の無紋筋部105aとの付着部側から所定時間だけ高圧流体が噴射される。ノズルからの流体噴射と同時に回収用ホース172に接続されているバキュームポンプが所定時間だけ作動し、下殻103bから分離されている貝柱105が回収用ホース172を介して図示されていない回収容器に回収される(もっとも、バキュームポンプは、吸引ノズル171の降下前または降下途中から作動させてもよい)。この結果、その液圧によって下殻103b内面から無紋筋部が剥離されると共に、それにつれて有紋筋部をも剥離されて密着している下殻103a内面と貝柱105全体とが分離される。次に、回動ピストン179のロッド180が伸びて、下殻103bの側方に位置している鉤爪178を、下殻排出位置まで移動させる。これによって、鉤爪178の突起177が下殻103bの下部に差し入れられ、鉤爪178の移動とともに下殻排出位置の下方に設置されているスロープ181上に下殻103bが落下する。スロープ181上に落下した下殻103bは、該スロープ181上を滑って図示されていない回収容器に送り込まれる。
前記下殻排出手段Gにおける処理が終了すると、ターンテーブル102が回転を再開し、空になった貝搭載台104を図12に示す貝検出部Q2に移送する。貝検出部Q2には、前記貝検出部Q1と同様に、センサ(図示しない)が備えられ、貝103が貝搭載台104にセットされているか否かを検出することができる。
貝搭載台104に貝がセットされていないことが検知されたら、ターンテーブル102が回転を再開し、空になった貝搭載台104を再び貝供給部Pに移送する。作業者は運ばれてきた貝搭載台4に新たな貝103をセットすることができる。
以上のように、図12に示す貝処理装置ではターンテーブルの回転によって貝を搬送し、貝の殻開け、付随部除去、貝柱回収、貝柱回収後の殻の排出といった一連の貝処理工程が自動的に実施される。また、各手段よる処理は同時並行的に行われ、一時に複数の貝が同時に処理される。尚、各手段における処理やこの処理と連動したターンテーブルの回転タイミングや回転量等は全て図示されていない制御部によってコントロールされている。
ここで、図12、図17に示すウロ除去手段D1の他例を図20に示す。ここに示すウロ除去手段は、サクションガン202と、そのサクションガン202の先に取付けられた吸引具207と、吸引具207を通してサクションガン202に吸引された付随部が貯められるタンク211を備えている。
前記サクションガン202は、円筒状の本体203と、その本体203の側面に設けられたスイッチ206と、本体203の先に連接されたサクションマウス204とを備えている。このサクションガン202では、前記スイッチ206が押されると、前記サクションマウス204内及び該マウス204の先に取付けられた吸引具207内が負圧となり、これらの内部に吸引力が生じる。具体的には、前記スイッチ206が押されると本体203内の弁が開かれる。すると、エアーホース209を介して外部コンプレッサー210から供給される圧縮エアーがサクションマウス204内に導入され、導入された圧縮エアーが本体203とタンク211とを繋ぐホース208内に流入する。これによって、サクションマウス204内及び吸引具207内が減圧されて負圧状態となり、吸引力が生じる。例えば、図21(a)に示すように、吸引具207の先端をウロ106aの被膜222に突き刺した状態で前記スイッチ206が押されると、サクションマウス204内及び吸引具207内に生じた吸引力によって被膜222内のウロ106aが下殻103bから剥離され、剥離されたウロ106aは吸引具207を通して本体203内に取り込まれる。さらに、本体203内に取り込まれたウロ106aは、ホース208内に流入した圧縮エアーの流れによってホース208内を移送され、タンク211まで運ばれる。尚、スイッチ206がOFFとなれば、前記弁が閉じられ、圧縮エアーの導入が途絶え、吸引力はなくなる。また、図21(a)に示す吸引具207によって、ウロ106aの他に、ウロ以外の付随部(ラン、ヒモ、心臓、鰓、ビレ、触手など)や貝柱105を吸引することもできる。
前記吸引具207は細長の金属パイプからなり、その先端はウロ106aの被膜222に刺し込み易くするために鋭利に尖らせてある。
サクションガン202の本体203とタンク211とを繋ぐ前記ホース208はゴム製のホースを用いてあるが、ホース208の素材や構造には特に限定はない。もっとも、作業性の観点からは、ホース208が自由に曲がることが望ましく、ゴム製ホースの他には、樹脂製ホースや可撓性のある構造の金属製パイプ等をホース208として用いることが望ましい。尚、図20に示す付随部除去手段では、前記ホース208内が真空又は減圧状態となることはないため、ホース208が耐圧構造を備えている必要はない。
前記ホース208、本体203、サクションマウス204、吸引具207、タンク211は夫々分解して掃除することができる。
図12、図17に示すウロ除去手段D1のさらに他例を図22に示す。図22に示すウロ除去手段D1の基本構成は、前記図20に示すそれと同様である。異なるのは、バキュームポンプ213を用い、そのバキュームポンプ213から引出されたホース208の先に連結具212を取付け、その連結具212の先に吸引具207を連結したことである。さらに、前記連結具212に、スイッチ206を設け、そのスイッチ206の操作によって吸引が開始又は停止されるようにしたことである。具体的には、スイッチ206をONすると、連結具212内の通路が開いてバキュームポンプ213によってホース208内及び吸引具207内が吸引される。すると、これらホース208内及び吸引具207内が負圧状態又は真空状態となり、吸引力が発生する。例えば、吸引具207の先端をウロ106aの被膜222に突き刺した状態で前記スイッチ206がONされると、被膜222内のウロ106aが下殻103bから剥離され、剥離されたウロ106aが吸引具207及びホース208内を通してタンク211内に送り込まれる。尚、一方、スイッチ206がOFFにされると、前記通路が閉じられて吸引力がなくなる。
前記バキュームポンプ213と連結具212とを繋ぐホース208も、作業性の観点から自由に曲がることが望ましく、具体的には図20に示すホース208と同様の素材や構造を有するホースが適する。但し、図22に示す付随部除去手段Dでは、ホース108内が減圧状態又は真空状態となるため、耐圧構造を備えているか、耐圧性の高い素材で作られている必要がある。
図20及び図22に示すウロ除去手段D1を構成する吸引具207は、図21(b)に示す構造とすることもできる。図21(b)に示す吸引具207は、図20又は図22に示す吸引具207に比べて径を大きくすると共に、その下端周縁に刃214を設けたものである。この吸引具207を用いる場合は、前記刃214をウロ106aの被膜222に押し付けて該膜222を切り裂いて破ってから、被膜222内のウロ106aを吸引除去する。この場合、被膜222の破れ方によっては、ウロ106aの吸引と同時に被膜222も吸引除去されることがある。また、貝柱105及び下殻103bへの被膜222の付着が弱いときも被膜222が同時に吸引除去されることがある。
図20及び図22に示すウロ除去手段D1を構成する吸引具207は、図21(c)に示す構造とすることもできる。図21(c)に示す吸引具207は、図20又は図22に示す吸引具207に比べて径を大きくして、ウロ106aの被膜222の全体を包むように被せることができるようにしたものである。この吸引具207を用いると、吸引によって被膜222が破れて中のウロ106aが吸引除去される。また、吸引力を強くすればウロ106aが吸引除去された後に、被膜222をも吸引除去される。さらに、ウロ106aの被膜222を包むように被せた吸引具207を横に数回往復移動させて、貝柱105及び下殻103bに付着している被膜222の一部または全部を貝柱105及び下殻103bから引き剥がすと、ウロ106を被膜222に被覆されたまま吸引除去することもできる。なお、図示は省略するが、図21(c)に示す吸引具207の下端周縁に、前記図21(b)に示す刃214と同様の刃を設けることができる。かかる吸引具207によれば、これをウロ106aの被膜222を包むように被せた際に、前記刃によって被膜222の一部又は全部に切れ目を入れられるので、貝柱105及び下殻103bに付着している被膜222の一部または全部を貝柱105及び下殻103bから容易に引き剥がすことができる。
図20及び図22に示すウロ除去手段D1を構成する吸引具207は、図21(d)に示す構造とすることもできる。図21(d)に示す吸引具207は、その内側に破損具215を設け、その破損具215の先端を吸引具207よりも下方に突出させると共に、突出した先端を鋭利に尖らせたものである。この吸引具207によれば、該吸引具207をウロ106aの被膜222に被せると、破損具215の先端によって被膜122が自動的に破損され、破損された被膜222内のウロ106aが吸引除去される。
付随部106の除去は、前記したウロ除去手段D1及び付随部除去手段D2による吸引除去には限られず、流体噴射によって殻から外して除去することもできる。その場合、付随部106を除去するための、流体を噴射可能な付随部除去用流体噴射機構を、前記ウロ除去手段D1及び付随部除去手段D2に代えて、又は前記ウロ除去手段D1及び付随部除去手段D2に加えて備えることができる。また、付随部除去用流体噴射機構を別途設けるのではなく、前記第1のノズル140と第2のノズル170の一方又は双方によって、付随部除去用流体噴射機構を兼ねさせることもできる。
本発明の貝処理方法とそれに使用される貝処理装置は、2枚の殻を備えた帆立貝の場合には限られず、鮑等の1枚の殻を備える貝の場合であっても実施することができる。
(a)〜(e)は本発明の貝処理方法の工程説明図。 (a)は本発明の貝処理方法において搬送体に貝を載せるときの平面説明図、(b)はその概略を示す正面図。 (a)は本発明の貝処理方法の開口機構の説明図、(b)はその正面図。 本発明の貝処理方法の第1の分離機構の説明図。 本発明の貝処理方法の第1の分離機構及び第2の分離機構におけるノズルの動作の説明図。 本発明の貝処理方法の付随部吸引除去機構の説明図。 本発明の貝処理方法の第2の分離機構の説明図。 (a)〜(g)は本発明の貝処理方法の他例の工程説明図。 一方の殻を取り外した帆立貝の無紋筋部の外側から流体を噴射した状態の平面説明図。 一方の殻を取り外した帆立貝の無紋筋部の外側から流体を噴射した状態の側面説明図。 (a)は本発明の貝処理方法似使用されるノズルの一例を示す正面図。(b)は、本発明の貝処理方法に使用されるノズルの他の一例を示す正面図。 本発明の貝処理装置の実施形態の他の一例を示す平面説明図。 図12に示す貝処理装置の貝搭載台を示す平面説明図。 図12に示す貝処理装置の貝搭載台を示す側面説明図。 図12に示す貝処理装置の開口部形成手段の具体的構成を示す側面説明図。 図12に示す貝処理装置の上殻分離手段及び上殻除去手段の具体的構成を示す側面説明図。 (a)は、図12に示す貝処理装置のウロ除去手段の具体的構成を示す側面説明図。(b)は、(a)に示すウロ除去手段の吸引ノズルの他の例を示す側面説明図。 図12に示す貝処理装置の付随部除去手段の具体的構成を示す側面説明図。 図12に示す貝処理装置の下殻分離手段及び貝柱回収手段及び下殻排出手段の具体的構成を示す側面説明図。 図12、図17に示すウロ除去手段の他例を示す説明図。 (a)〜(d)は図20又は図22に示す吸引具の異なる例を示す説明図。 図12、図17に示す貝処理装置のウロ除去手段のさらに他例を示す説明図。
符号の説明
1 貝
2a 殻(上)
2b 殻(下)
3 身
4 付随部
5 開口部
10 付随部吸引除去機構
11 搬送体
12 開口機構
13 第1の取り外し機構
14 第2の取り外し機構
25 ノズル
32 ノズル
60 貝の無紋筋部
70 計測装置
71 調整機構
73 計測装置
74 調整機構
101 支柱
102 ターンテーブル
103 貝
103a 上殻
103b 下殻
104 貝搬送台
105 貝柱
106 付随部
106a ウロ
140 上殻分離用噴射ノズル
170 下殻分離用噴射ノズル

Claims (12)

  1. 貝(1)の貝柱(3)と殻(2a)の内面との付着部に流体噴射ノズル(25)から流体を噴射して、殻(2a)と貝柱(3)とを分離する貝処理方法において、
    前記噴射前に貝(1)の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、
    計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝(1)の無紋筋部(60)の位置及び大きさを算出し、
    算出された無紋筋部(60)の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル(25)の噴射位置及び噴射角度を調節し、
    噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル(25)からの流体を貝柱(3)の無紋筋部(60)と殻(2a)との付着部側から噴射して、貝柱(3)を無紋筋部(60)側から有紋筋部(65)側に剥離することにより、
    殻(2a)と貝柱(3)を分離して貝柱(3)を殻(2a)から分離することを特徴とする貝処理方法。
  2. 貝(1)の貝柱(3)と2枚の殻(2a、2b)の内面との付着部に異なる流体噴射ノズル(25、32)から流体を噴射して、夫々の殻(2a、2b)と貝柱(3)とを分離して貝柱(3)を取り外す貝処理方法において、
    前記噴射前に貝(1)の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し
    計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝(1)の無紋筋部(60)の位置及び大きさを算出し、
    算出された無紋筋部(60)の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル(25)の噴射位置及び噴射角度を調節し、
    噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル(25)からの流体を一方の殻(2a)と貝柱(3)の無紋筋部(60)との付着部側から噴射することにより貝柱(3)を無紋筋部(60)側から有紋筋部(65)側に剥離してその殻(2a)と貝柱(3)とを分離し、
    前記分離後に、流体噴射ノズル(32)からの流体を他方の殻(2b)と貝柱(3)の無紋筋部(60)との付着部側から噴射して、貝柱(3)を無紋筋部(60)側から有紋筋部(65)側に剥離することにより、
    その殻(2b)と貝柱(3)とを分離して貝柱(3)を殻(2b)から取り外すことを特徴とする貝処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の貝処理方法において、
    2枚の殻(2a、2b)を有する貝(1)の一方の殻(2a)を開いてから、貝(1)の中腸腺(通称、ウロ)、生殖巣(通称、ラン)、外套膜(通称、ヒモ)、心臓、鰓、触手といった付随部(4)を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて除去することを特徴とする貝処理方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の貝処理方法において、
    2枚の殻(2a、2b)を有する貝(1)の一方の殻(2a)を取り外す前に、一方の殻(2a)又は双方の殻(2a、2b)の一箇所又は二箇所以上を刃物で切除して、又は孔をあけて、又は加圧して破損して開口部(5)を形成し、
    開口部(5)から貝(1)の中腸腺(通称、ウロ)、生殖巣(通称、ラン)、外套膜(通称、ヒモ)、心臓、鰓、触手といった付随部(4)を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引することにより、又は流体噴射により殻から除去し、
    この除去後に殻(2a)又は殻(2a、2b)を貝柱から分離することを特徴とする貝処理方法。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の貝処理方法において、
    2枚の殻(2a、2b)を有する貝(1)の一方の殻(2a)を取り外す前に、一方の殻(2a)又は双方の殻(2a、2b)の一箇所又は二箇所以上を刃物で切除して、又は孔をあけて、又は加圧により破損して開口部(5)を形成し、
    その開口部(5)から殻(2a)と無紋筋部(60)の付着部側から流体を噴射して殻(2a)を貝柱(3)から分離し、
    その後に貝(1)の中腸腺(通称、ウロ)、生殖巣(通称、ラン)、外套膜(通称、ヒモ)、心臓、鰓、触手といった付随部(4)を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引により又は流体噴射により殻から外して除去し、この除去後に他方の殻(2b)と無紋筋部(60)の付着部側から流体を噴射して殻(2b)を貝柱(3)から分離することを特徴とする貝処理方法。
  6. 請求項4又は請求項5記載の貝処理方法において、
    開口部(5)を形成することにより発生する殻(2)の破片、粉末等を吸引して、又は流体により洗い流して除去することを特徴とする貝処理方法。
  7. 貝(1)の外側から貝柱(3)と殻(2a)の内面との付着部に流体噴射ノズル(25)から流体を噴射して、殻(2a)と貝柱(3)とを分離する貝処理装置において、
    貝(1)の大きさを計測する計測装置(70)と、流体噴射ノズル(25)と、計測された貝(1)の大きさに応じて流体噴射ノズル(25)の位置、噴射角度を調節する調節機構(71)とを備え、
    前記計測装置(70)は、貝(1)の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、
    前記調節機構(71)は、計測装置(70)が計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝(1)の無紋筋部(60)の位置及び大きさを算出し、
    算出された無紋筋部(60)の位置及び大きさをもとに、流体噴射ノズル(25)の噴射位置及び噴射角度を調節し、
    噴射位置及び噴射角度が調節された流体噴射ノズル(25)をそれから噴射される流体が殻(2a)の内面と貝柱(3)の無紋筋部(60)との付着部側に噴射されるようにするものであることを特徴とする貝処理装置。
  8. 貝(1)の外側から貝柱(3)と殻(2a)の内面との付着部に流体噴射ノズル(25)から流体を噴射して、殻(2a)と貝柱(3)とを分離する貝処理装置において、貝(1)の大きさを計測する計測装置(70)と、第1、第2の流体噴射ノズル(25、32)と、計測された貝(1)の大きさに応じて第1、第2の流体噴射ノズル(25、32)の夫々の位置、噴射角度を個別に調節する第1、第2の調節機構(71、74)とを備え、
    前記計測装置(70)は、貝(1)の殻高H、殻長L、殻幅Bを計測し、
    前記第1、第2の調節機構(71、74)は、計測装置(70)が計測した数値データと、貝の大きさと貝柱中の無紋筋部の位置及び大きさについて予め用意されているデータに基づいて、計測した貝(1)の無紋筋部(60)の位置及び大きさを算出し、
    算出された無紋筋部(60)の位置及び大きさをもとに、第1、第2の流体噴射ノズル(25、32)の噴射位置及び噴射角度を調節し、
    噴射位置及び噴射角度が調節された第1、第2の流体噴射ノズル(25、32)をそれから噴射される流体が殻(2a、2b)の内面と貝柱(3)の無紋筋部(60)との付着部側に噴射されるようにするものであることを特徴とする貝処理装置。
  9. 請求項7又は請求項8記載の貝処理装置において、
    2枚の殻(2a、2b)を有する貝(1)の一方の殻(2a)又は双方の殻(2a、2b)の一箇所又は二箇所以上に開口部(5)を形成する開口機構(12)を備えたことを特徴とする貝処理装置。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の貝処理装置において、
    貝(1)の中腸腺、心臓、外套膜等の付随部(4)を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて吸引除去する付随部除去吸引機構(10)を備えたことを特徴とする貝処理装置。
  11. 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の貝処理装置において、
    貝(1)の中腸腺、心臓、外套膜等の付随部(4)を個別に又は二種類以上をまとめて又は全部をまとめて流体噴射により殻から除去する付随部除去用流体噴射機構を第1又は第2の流体噴射ノズルと別に設けるか、それら一方又は双方と兼用としたことを特徴とする貝処理装置。
  12. 請求項7乃至請求項11のいずれかに記載の貝処理装置において、
    搬送体(11)がコンベア式又はターンテーブル式であることを特徴とする貝処理装置。
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