JP4164149B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。詳しくは、硬質表面用、特に厨房内の換気扇、レンジ、壁等に付着した油汚れを効率よく除去することのできる液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが重合したポリオキシアルキレン型のポリエーテル化合物は、洗浄剤成分として従来から広く使用されている。
例えば、特公昭56−45519号公報には、アルカノールアミンの1種又は2種以上と、水溶性溶剤ポリオキシアルキレンモノ(又はジ)低級アルキルエーテルの1種又は2種以上を必須の構成成分とする液体洗浄剤組成物が開示され、特開平8−224299号公報には、界面活性剤、2種類のアルコール系溶剤、及びアルカリ剤を含む硬質表面洗浄剤組成物が開示され、特開平8−157867号公報には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン低級アルキルエーテル型親水性溶剤などを含む液体洗浄剤組成物が開示され、特開平8−311487号公報には、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤、グリコールエーテル系溶剤、界面活性剤、水を必須成分とする洗浄剤組成物が開示されている。
【0003】
厨房内で使用され飛散あるいは霧散した油脂類は、日光、熱、微量の金属、空気中の酸素などの作用により変質して樹脂化、あるいは炭化して基質面との結合が強くなり、強固な汚れとなって換気扇、レンジ、壁などに付着する。このような強固な変性汚れの洗浄には、界面活性剤、グリコールエーテル系溶剤、アルカリ類を主体とした洗剤が使用されてきたが、洗浄力、臭気、スプレー時のむせ、泡状にした際の壁面への付着性の何れかは満足させる性能にあるが、いずれかの性能が犠牲になり、全てを満足させるレベルには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の状況に鑑み、本発明の目的は、ポリオキシアルキレン型のポリエーテル化合物を用いて、油汚れに対する洗浄力、スプレー使用時のむせと臭い、及び壁面への付着力のすべてが著しく改善された、液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体洗浄剤組成物は、一般式(1)で示される1種又は2種以上の化合物0.1〜10重量%、
O−(CO)n−H (1)
(Rは炭素数8〜22の直鎖もしくは分岐状のアルキル基nは15〜20の数である)
一般式(2)で示される1種又は2種以上の化合物0.1〜30重量%、
CHO−(CO)m1(CO)m2−H (2)
上記の式(2)において、m1,m2は1〜5の数であり、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレンレン基に対する(ポリ)オキシエチレン基の重量割合が50%以上である
及び、1種又は2種以上のアルカリ剤0.1〜30重量%、
を含有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(1)で示される化合物は、
1OH
で表される直鎖もしくは分岐状の脂肪族アルコールに、エチレンオキサイドを15ないし20モル付加させたものである。この付加モル数は、平均付加モル数である。
エチレンオキサイドの付加モル数が15未満であると、洗浄力が不十分であり、20を超えると壁面への良好な付着性が得られず、本発明の目的とする効果が得られない。原料となる脂肪族アルコールのアルキル基は炭素数8〜22の通常用いられる直鎖又は分岐状アルコールでよく、好ましくは炭素数12〜15の二級アルコールが用いられる。
一般式(1)で示される化合物の配合量は、本発明の組成物中で0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。0.1重量%未満では十分な洗浄力が得られず、10重量%を超えてもそれ以上効果が向上せず、臭いや壁面への付着性に悪影響を及ぼす。
【0007】
本発明の一般式(2)で示される化合物は、メタノールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加させたものである。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形式はブロックでもランダムでもよいが、ブロックの方が好ましく、付加順序はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの順が好ましい。エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの付加モル数は0〜20、好ましくは1〜5である。エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドに対するエチレンオキサイドの重量割合が50%以上であることが好ましい。
一般式(2)で示される化合物の配合量は、本発明の組成物中で0.1〜30重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。0.1重量%未満では十分な臭い及びむせの低減効果が得られず、30重量%を超えてもそれ以上効果が向上せず、むせや配合性(相溶性)へ悪影響を及ぼす。
【0008】
本発明のアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アンモニア等が挙げられるが、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどが好ましい。
アルカリ剤の配合量は、本発明の組成物中で0.1〜30重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。O.1%未満では十分な洗浄力が得られず、30%を越えてもそれ以上効果が向上せず、臭い、むせや配合性(相溶性)へ悪影響を与える。
【0009】
本発明の液体洗浄剤組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意成分として、界面活性剤(アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)、グリコールエーテル系溶剤、ビルダー、粘度調整剤(粘土鉱物、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸系ポリマーなど)、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、可溶化剤、その他の添加剤を配合できる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、上記必須成分及び任意成分を混合し、水溶液として調製する。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例と比較例を挙げる。
実施例1〜6、比較例1〜9:
表1に示す配合組成の液体洗浄剤組成物を調製した。各成分の配合量は重量%で示し、残部は水の水溶液である。
ここで、一般式(1)で示される化合物であるアルコールEO付加物としては、炭素数12〜15の脂肪族二級アルコールに、エチレンオキサイドを表1の所定のモル数付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルを用い、一般式(2)で示される化合物であるメタノールEOPO付加物としては、メタノールにエチレンオキサイドを平均2モル、プロピレンオキサイドを平均1モル、この順序でブロック付加したものを用いた。
この液体洗浄剤組成物について、次に示す方法によって洗浄性、臭い、むせ、壁面への付着性を評価した。その結果を表1に示す。
【0011】
(洗浄性の評価)
大豆油0.1グラムをステンレス板に塗布し、200℃で3時間の焼き付けを行った。このステンレス板を表1に示す種々の液体洗浄剤組成物25mlに浸漬し、10分間放置した。この洗浄の前後の洗浄率をステンレス板に付着した焼き付け後の大豆油の重量変化により算出し、次の尺度で表1に示した。
Figure 0004164149
(臭い、むせの評価)
表1の液体洗浄剤組成物を10cm2の面積の平面に5回スプレー(約1ml/回)し、その時の臭気の不快度とむせの度合いを官能的に評価した。その結果を次の尺度で表1に示した。
「臭い」 ◎:気にならない ○:少し気になる ×:気になる
「むせ」 ◎:むせない ○:少しむせる ×:むせる
(壁面への付着性評価)
表1の液体洗浄剤組成物を垂直壁面へ約1mlスプレーした後、泡が全部流れ落ちるまでの時間を計測した。その結果を次の尺度で表1に示した。
◎:3分以上
○:3〜2分
△:2〜1分
×:1分以下
【0012】
【表1】
Figure 0004164149
【0013】
表1において、実1〜実6は本発明の実施例を、比1〜比9は比較例を示す。
【0014】
【発明の効果】
本発明の液体洗浄剤組成物は、表1の結果からも分かるように、洗浄力、特に樹脂化した油汚れに対する著しく優れた洗浄力と、スプレーして使用する時にむせ、臭いが改善されており、また泡状にスプレーした場合に壁面への付着性がよく、広範な用途に用いられ、特にスプレー後拭き取りするスプレータイプの液体洗浄剤組成物として最適である。

Claims (1)

  1. 一般式(1)で示される1種又は2種以上の化合物0.1〜10重量%、
    O−(CO)n−H (1)
    (Rは炭素数8〜22の直鎖もしくは分岐状のアルキル基nは15〜20の数である)
    一般式(2)で示される1種又は2種以上の化合物0.1〜30重量%、
    CHO−(CO)m1(CO)m2−H (2)
    上記の式(2)において、m1,m2は1〜5の数であり、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレンレン基に対する(ポリ)オキシエチレン基の重量割合が50%以上である
    及び、1種又は2種以上のアルカリ剤0.1〜30重量%、
    を含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。
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