JP4163508B2 - 拡散防止型密閉樹脂容器の製造方法および装置 - Google Patents

Description

本発明は、拡散防止型密閉樹脂容器（diffusion-tight plastic container）の製造方法および本発明の状況下で使用されるラベルに関するものである。

公知の拡散防止型密閉樹脂容器の製造、とくに食品および動物のえさの分野において、それ自体が公知の方法により製造された樹脂容器は、表面に印刷することもできる基材としても機能する、アルミニウムホイル等の拡散防止型密閉材料から成るインナー層またはアウター層を備えている。

本発明の課題は、従来より少ない工程数で高品質に拡散防止型密閉樹脂容器を製造できる方法および装置を提供することにある。

本発明によれば、この課題は、底部および側壁部を有する拡散防止型密閉樹脂容器を製造する方法によって解決される。この方法は、ａ）平面状の拡散防止型密閉フイルム材を提供するステップ、ｂ）前記樹脂容器の底部に対応する底部および該底部から延在する該樹脂容器の側壁部に対応する少なくとも１つの側タブ（side tab）を有するラベルを前記フイルム材料から切り抜くステップ、ｃ）前記樹脂容器の外面に合わせて前記ラベルを予備成形し、これにより重なり領域を形成するステップ、ｄ）該重なり領域において前記フイルム材をシールし、その結果ラベルがフィルム材から成る立体（film material body）の形態に形成されるステップ、ｅ）製造される前記樹脂領域の外面に対応する内面を有する型内に前記ラベルを配置するステップ、ｆ）前記型を閉じ、したがってその厚さが前記樹脂容器の厚さに対応する型穴（mold cavity）を形成するステップ、およびｇ）前記型穴に樹脂材料を射出して前記樹脂容器を製造するステップを備え、これにより、前記ラベルが前記樹脂材料に一体として接着され、該樹脂容器の外面を形成する。

ステップｄ）の前、これと同時またはこれの後に、深絞りのような方法により、ラベルを少なくとも部分的に変形することもでき、これにより、樹脂容器の外面に従った３次元の湾曲がラベルに形成される。

この工程では、射出される樹脂材料により、型内における深絞りのような方法によりラベルが少なくとも部分的に変形されると考えることが好ましく、これにより、樹脂容器の外面に従った３次元の湾曲がラベルに形成される。

ラベルは複数の側タブを有することができ、かつとくに樹脂容器の角部において深絞りのような方法により変形可能である。ラベルの角部に丸みを付与することもできるし、製造される樹脂容器の角部に丸みを付与することもできる。

樹脂容器（およびラベル）に、周縁樹脂ビードを備えることができる周囲シーリングエッジを形成することが有益である。

本発明の課題は、拡散防止型密閉樹脂容器の製造において使用されるラベルによりさらに解決される。このラベルは、前記樹脂容器の底部に対応する底部および該樹脂容器の側壁部に対応する少なくとも１つの側タブ（side tab）を有する平面状の拡散防止型密閉フイルム材から、前記樹脂容器の外面に合わせて予備成型され、該フイルム材の重なり領域がシールされ、前記ラベルは深絞りのような方法により少なくとも部分的に変形されて３次元の湾曲を有する。

ラベルは、複数の側タブと、深絞りのような方法により変形される丸みが付与された角部とを有することができる。

目的の用途に応じた、または殺菌工程、すなわち例えば最高約１３０度の温度においてとくに相当な拡散防止型密閉性が付与されるような所定の要望に応じたバリア特性を、フイルム材が有すると考えることが好ましい。

例えば、フイルム材は金属または樹脂フイルムまたは合成材料とすることができ、ＳｉＯｘまたはＥＶＯＨコーティングを有していてもよい。

以下、添付の図面を参照して実用に役立つ実施形態を通じて、本発明を説明する。図１は、雌型１および前述の雌型１にはめ込むコア２である、本発明を実施するための２部品から成る、射出成型用金型を通る断面を示す。コア２は、製造される樹脂容器の形状を定める型穴４に通じるスプルー３を有する。型穴４の部分における雌型とコアとの間の空間は、樹脂容器の壁厚に対応する。型穴４は基本的な所望の形状のものであれば、どのようなものであってもよい。すなわち、型穴の形状によって円形、楕円形または多角形の樹脂容器またはいずれか他の形状の樹脂容器を製造することが可能である。

図２はさらにラベルの製造が示された図１に示す射出成型用金型が開いた状態を示す図である。図２に示すように、図１に示す射出成型用金型１，２が分離された状態となり、さらにその役割が、一葉のフィルム材から切り抜かれ、まだ実質的に平面状のラベル６を供給手段８から受け取り、製造される樹脂容器の外面に対応する所望形状にこのラベルを変形させるために、雌型１と協働することからなる予備成型コア５が示されている。この目的のために、予備成型コアは水平方向（矢印７）および垂直方向（矢印１０）に移動されることが可能である。型穴４を形成するためにコア２の外面２ａが雌型１の内面１ａと協働する一方で、予備成型コア５の外面５ａは外面２ａよりも大きく、これにより、予備成型コアおよび雌型が一緒に移動する際には、ラベルを生成する、フイルム材の厚さに本質的に対応する（またはその厚さの約２倍の）隙間だけが残されるので、ラベルを正確に予備成型することが可能である。雌型１内において予備成型することに代えて、ラベルは別の予備成型金型（不図示）において予備成型されることができる。

図５は、平面状の一葉のフイルム材から切り抜かれ、または打ち抜かれ、製造される樹脂容器の底部に対応する底部１５を有し、基本的に例えば正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、丸められた角部を有する等の任意の所望とされる形状に形成できるラベルを示す。複数の側タブが底部１５から半径方向または外方向に延びており、タブの半径方向の長さは、製造される樹脂容器の側壁部の高さと水平方向のシーリングまたは強化リム（参照番号１９で示す）の幅とを足し合わせた寸法と一致している。側タブの幅（周囲方向における）またはこれらを分離する凹部１７のサイズは、ラベルがその３次元形状（図６参照）となった場合に、隣接する側タブ１６の隣接する側方リム（lateral rim）のそれぞれが重なり領域２７において重なるように選択される。これにより、製造される樹脂容器の全外面（基部および側壁）が、側タブの隣接するエッジの乱雑な接合部または射出点等の欠陥を残すことなく、確実に拡散防止密閉式に覆われる。

図示の実施形態において、ラベル６は底部１５の外側部分を取り囲むように続くエンボス加工または深絞り形状２１を有し、これにより製造される樹脂容器の形状の安定性が向上される。

拡散防止型密閉樹脂容器を製造するための本発明による方法の個々の工程ステップを図２から６を参照して以下に説明する。予備成型コア５が供給手段８（ラベル６の束）から一番上のラベル６を取り出す。ライン２３から供給される不完全真空（partial vaccum）によりラベルはラベルの底部に対応する予備成型コアの底面に密着させられる。ラベルはわずかに持ち上げられ、図２における矢印７で示されるように左側に移動され、この場所でラベルは雌型１の上方に配置され、雌型１に位置合わせされる。この後、予備成型コア５が下げられ（矢印１０）、ラベル６の側タブ１６が、最初に、側タブ１６の全面が雌型１の内面１ａに接触する状態となるまで上方（矢印１２）に曲げられる。この工程で、隣接する側タブ１６の隣接するエッジは、重なり領域２７（図６）において重なる。ラベル６のフィルム材は、この重なり領域２７が溶着または適切な接着剤による接着によってシールされる。この作業は、雌型１の内部（例えば、雌型内および／または予備成型コア５上の、対応する加熱要素により）で行うこともできるし、または予備成型ラベルを雌型から取り外した後で行うこともできる。

さらに、本発明によれば、ラベルの少なくともある領域、すなわちとくに基部および側タブ間の変わり目の領域は、深絞り式に、すなわち引伸ばされて変形されるべきであり、これにより、ラベルは樹脂容器の外面の丸められた形状に適合する。この工程において、ラベルの少なくともある部分に樹脂容器の外面に対応する３次元の湾曲、すなわちラベルのフイルム材をあらゆる方向に曲げた湾曲が付与される。深絞り式のラベルの変形を行うことができるのは、基本的に、ラベルの製造過程の任意の段階、すなわち図５に示されるほぼ平面状の形状から進んだ段階において、または予備成型用コア５による成型過程の任意の段階においてである。重なり領域２７がすでにシールされている場合に、深絞り式の変形のみを行うようにしてもよい。最後に、深絞り式に変形されていないラベルを型穴に入れ、樹脂射出だけで変形させることも可能である。

放射状のタブを備えた予備切断ブランクからラベルを製造する前述の方法は、深絞りによるタブの可塑変形度が減少するので、より低価格のフィルム材を採用でき、また、引き伸ばされ方が小さくなったため、予備成型領域における拡散防止型密閉性も向上するという点で、深絞りによって平面状の予備切断ブランクから全体としてラベルを製造する方法を上回る利点を有する。

図４に示すように、射出工程において、補強用ビード２５で被覆されたシーリングエッジ１９を形成するために、側タブ１６の外エッジが水平方向外側に折り曲げられる。シーリングエッジ１９は、所望の製品が入れられた後に、拡散防止型密閉シーリングフイルム（蓋フイルム）により樹脂容器をシールする役割を果たし、したがって、全体に亘って拡散防止型密閉式に製品をシールできる。これは、樹脂材料が樹脂容器の内面を向くスプルー３を通って供給されるので、ラベルの基部でさえも途切れることなく拡散防止型密閉状態に形成されることによって支援される。

本発明の実施形態による装置の一部としての射出成型用金型を閉じた状態で示す断面図。 さらにラベルの製造が示された、図１の射出成型用金型を開いた状態で示す図。 射出成形工程が完了した直後の図１の射出成型用金型を示す図。 図３を拡大して示す詳細図。 平面状の初期状態にある、本発明によるラベルを示す斜視図。 フイルム材要素が完全に形成されシールされた状態にある、図５のラベルの斜視図。

Claims (13)

1. 底部および側壁部を有する拡散防止型密閉樹脂容器を製造する方法において、
   ａ）平面状の拡散防止型密閉フイルム材を提供するステップと、
   ｂ）前記樹脂容器の底部に対応する底部および該底部から延在する該樹脂容器の側壁部に対応する少なくとも１つの側タブ（side tab）を有するラベルを前記フイルム材料から切り抜くステップと、
   ｃ）前記樹脂容器の外面に合わせて前記ラベルを予備成形し、その際に深絞りのような方法により該ラベルを前記樹脂容器の外面の部分に合わせるように引き伸ばしてラベルに三次元の湾曲を形成することを含み、これにより重なり領域（overlapping area）が形成されるステップと、
   ｄ）前記フイルム材の該重なり領域をシールし、その結果前記ラベルがフイルム材から成る立体（film material body）の形態に形成されるステップと、
   ｅ）製造される前記樹脂領域の外面に対応する内面を有する型内に前記予備成形されかつシールされたラベルを配置するステップと、
   ｆ）前記型を閉じ、したがってその厚さが前記樹脂容器の厚さに対応する型穴（mold cavity）を形成するステップと、
   ｇ）前記型穴に樹脂材料を射出して前記樹脂容器を製造し、これにより、前記ラベルが前記樹脂材料に一体として接着され該樹脂容器の外面を形成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
2. 前記射出される樹脂材料により、前記型内において深絞りのような方法により前記ラベルが少なくとも部分的に変形され、これにより、前記樹脂容器の外面に従った３次元の湾曲が前記ラベルに形成されることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 前記ラベルが複数の側タブを備えることを特徴とする請求項２記載の方法。
4. 前記ラベルが、前記容器の角部において引き伸ばされて三次元の湾曲を形成することを特徴とする請求項１から３のいずれか１項記載の方法。
5. 前記角部が丸められていることを特徴とする請求項４記載の方法。
6. 前記樹脂容器に周辺シーリングエッジが形成されていることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項記載の方法。
7. 前記シーリングエッジに、縁部樹脂ビードが付与されることを特徴とする請求項６記載の方法。
8. 拡散防止型密閉樹脂容器の製造において使用されるラベルであって、前記容器の底部に対応する底部および該容器の側壁部に対応する少なくとも１つの側タブ（side tab）を有する平面状の拡散防止型密閉フイルム材から、前記容器の外面に合わせて予備成形され、該フイルム材はそこにおいてシールされた重なり領域を有し、前記樹脂容器の外面の部分に該ラベルを合わせるように引き伸ばされそして三次元の湾曲が形成されていることを特徴とするラベル。
9. 複数の側タブを有することを特徴とする請求項８記載のラベル。
10. 深絞りのような方法により変形された丸められた角部を有することを特徴とする請求項８または９記載のラベル。
11. 前記フイルム材が、目的の用途に応じたバリア特性（barrier property）を有することを特徴とする請求項８から１０のいずれか１項記載のラベル。
12. 前記フイルム材が、金属または樹脂フイルムまたは合成材料であることを特徴とする請求項８から１１のいずれか１項記載のラベル。
13. 前記フイルム材が、ＳｉＯｘまたはＥＶＯＨコーティングを有することを特徴とする請求項８から１２のいずれか１項記載のラベル。

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