JP4162107B2 - 車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、悪臭を脱臭する機能をもつ合成樹脂組成物に関する。本発明の合成樹脂組成物は、カーペットなどの住宅用布地、車両内装品の表皮材用布地などに塗布・乾燥して用いられ、繊維どうしを結合してほつれを防止したり、寸法精度を向上させたりする用途に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅内あるいは自動車車室内のにおいに対する関心が高まり、悪臭を低減するためのより有効な対策が必要とされている。例えば住宅においては、ホルムアルデヒド臭を低減するために、ホルムアルデヒドを原料としない接着剤や、ホルムアルデヒドを原料としない塗料を用いた合板、家具類が用いられるようになってきている。
【0003】
また自動車においても、空調装置の送風通路内からの悪臭あるいは煙草の煙による悪臭を低減することが求められている。そこで、従来より内装品のファブリック表皮材に塗布することで繊維どうしを結合してほつれを防止したり、寸法精度を向上させたりする合成樹脂組成物に悪臭の吸着機能をもたせることが行われている。
【0004】
例えば特開平5−78591号公報には、高分子ラテックス及び充填材を界面活性剤によって水性媒体中に分散した合成樹脂組成物が開示され、充填材として含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物や活性炭などの吸着剤を用いることが開示されている。この合成樹脂組成物を内装品のファブリック表皮材に塗布・乾燥することにより、表皮材に吸着剤を均一にかつ安定して配置することができ、自動車室内の悪臭を吸着して脱臭することが可能となる。また活性炭を用いれば導電性が高まり、静電気を除去する機能も付与することができる。
【0005】
ところで人の生活環境の中には、トイレや冷蔵庫など悪臭を発生する場所が種々存在する。この悪臭は、アンモニアやアミンなどの含窒素化合物、硫化水素、チオールなどの悪臭原因物質が空気中に微量含まれ、それが臭覚を刺激することによって知覚されるものである。ところが従来の合成樹脂組成物に用いられている吸着剤としての活性炭には、吸着する悪臭原因物質の種類の選択性があり、含窒素化合物などの悪臭原因物質を吸着することが困難であった。
【0006】
そこで特開平2−180633号、特公平1−42744号などの公報には、活性炭に種々の添着剤を添着して脱臭性能をより高めることが提案されている。
【0007】
また、特開平7−185324号公報には、活性炭の代わりに平均細孔径が5〜50nm、細孔容積が0.5〜2.0ml/gで且つ平均粒子径が0.01〜2mmのシリカゲルを用い、このシリカゲルに水溶性金属塩を吸収させた脱臭剤が開示されている。この脱臭剤は、脱臭の速効性及び持続性に優れるという特徴を有している。
【0008】
したがって上記公報に開示されたような脱臭剤を合成樹脂組成物中に配合し、それをカーペットなどの布地やファブリック表皮材などに塗布・乾燥することにより、住宅室内あるいは自動車車室内などの脱臭機能を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが添着剤を添着した活性炭であっても、特に低濃度の悪臭原因物質が存在する現実の使用環境の下では、吸着性能が十分に発揮できないという不具合がある。
【0010】
またシリカゲルに水溶性金属塩を吸収させた脱臭剤においては、トリメチルアミンなどのアミン系の悪臭原因物質が特に微量存在するような環境下では、脱臭の即効性及び持続性が低いという不具合がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、特にトリメチルアミンなどのアミン系の悪臭原因物質を効果的に脱臭できる合成樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の合成樹脂組成物の特徴は、水性媒体と、界面活性剤と、界面活性剤により水性媒体中に分散している高分子ラテックス及び充填材とからなる車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物において、充填材は遷移金属及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種をシリカゲル担体に担持した遷移金属担持シリカゲルであり、かつ界面活性剤は重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物及び重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルホン酸塩を含むことにある。
【0013】
請求項2に記載の合成樹脂組成物の特徴は、水性媒体と、界面活性剤と、界面活性剤により水性媒体中に分散している高分子ラテックス及び充填材と、難燃剤と、からなる車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物において、充填材は遷移金属及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種をシリカゲル担体に担持した遷移金属担持シリカゲルであり、界面活性剤は重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物及び重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルホン酸塩を含み、かつ高分子ラテックスは、スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤とからなる乳化剤の存在下で乳化重合されて得られたものであることにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
従来の脱臭剤によるトリメチルアミンなどの悪臭原因物質の吸着が困難であった理由としては、トリメチルアミンなどは分子構造的に嵩高く脱臭剤の細孔内に入りにくいことが考えられる。
【0015】
そこで本発明では、高比表面積のシリカゲル担体に遷移金属及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を担持した遷移金属担持シリカゲルを脱臭剤として用いている。この遷移金属担持シリカゲルでは、シリカゲル担体は比表面積がきわめて高く、その細孔に悪臭原因物質が吸着されやすい。また遷移金属又は遷移金属化合物はルイス酸としての性能が著しいため、不対電子をもつルイス塩基と錯体を形成する。すなわち、アミン類やアンモニアなど不対電子を有する窒素原子をもつ悪臭原因物質が効率よく吸着される。したがって、嵩高いトリメチルアミンなどの悪臭原因物質が低濃度で含まれる大気中から、その悪臭原因物質を選択的に吸着することができる。
【0016】
上記の作用により、本発明の合成樹脂組成物が塗布された布地などは、悪臭原因物質を効果的に低減することができ、脱臭特性にきわめて優れている。
【0017】
シリカゲル担体としては、500m2 /gを超え800m2 /g以下の比表面積をもつものを用いることが好ましい。シリカゲル担体の比表面積が500m2 /g以下であると、理由は不明であるが、トリメチルアミンなどの悪臭原因物質の吸着量が低下する。また比表面積が800m2 /gを超えると、微細化して取り扱いが困難となり、細孔径も極小化するためトリメチルアミンのような嵩高く分子径の大きな悪臭原因物質の吸着が困難となる。
【0018】
またシリカゲル担体は、平均細孔径が1nm以上5nm未満、細孔容積が0.1ml/g以上0.5ml/g未満で、かつ平均粒子径が1μm以上10μm未満のものが望ましい。平均細孔径、細孔容積及び平均粒子径の一つでもこの範囲から外れると、脱臭性能が低下する傾向にある。
【0019】
遷移金属としては、元素周期表の3A〜7A,8及び1B族のいずれも用いられるが、第4周期の元素が好ましく、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)などが推奨され、中でも銅(Cu)が特に望ましい。また遷移金属化合物としては、これらの遷移金属元素の硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩などが例示される。なかでも硫酸塩が特に望ましく、硫酸銅が最適である。
【0020】
シリカゲル担体に担持される遷移金属及び遷移金属化合物は、上記金属又は金属化合物の一種でもよいし複数種を用いることもできる。そしてその担持量は、シリカゲル担体100重量部に対して0.1〜60重量部の範囲が望ましい。担持量が0.1重量部未満であるとトリメチルアミンなどの悪臭原因物質の吸着が困難となり、担持量が60重量部を超えるとシリカゲル担体の細孔が減少してシリカゲル担体本来の吸着能が低下する。
【0021】
上記した遷移金属担持シリカゲルを製造するには、例えば、遷移金属及び遷移金属化合物の少なくとも一種を含む溶液をシリカゲルに接触させ、溶媒を蒸発・乾固することで製造することができる。また遷移金属及び遷移金属化合物の少なくとも一種を含む溶液をシリカゲルに接触させるには、溶液中にシリカゲルを分散する方法、シリカゲルに溶液を含浸させる方法、あるいはシリカゲルと溶液を同時に噴霧混合する方法などがある。
【0022】
充填材として、遷移金属担持シリカゲルにさらに活性炭を加えることも好ましい。活性炭は比表面積が500〜1300m2 /gであり、主として2nm付近の細孔を有している。そしてこの比表面積と細孔径の大きさから、その細孔が硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルなどの硫化物系の悪臭原因物質や、トルエン、スチレンなどの炭化水素系悪臭原因物質の吸着サイトとして機能し、これらの悪臭原因物質の脱臭特性が向上する。
【0023】
活性炭としては、一般に脱臭剤として用いられている活性炭を用いることができる。この活性炭は、鋸屑、木炭、ヤシ殻、亜炭、泥炭、石炭、パルプ廃液などを加熱し炭化させて製造される。また賦活法によって製造された活性炭を用いることもできる。賦活法には薬品賦活法とガス賦活法があり、いずれの賦活法で製造された活性炭も利用できる。薬品賦活法に使用される薬品としては、原料に対して脱水作用、浸食作用をもつ薬品、具体的には塩化亜鉛、リン酸、硫酸、塩化カルシウム、水酸化ナトリウムなどや、酸化性をもつ薬品、具体的には重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウムなどが用いられる。またガス賦活法では、まず原料を炭化させておき、次に高温でガスに接触させて賦活する。接触させるガスとしては水蒸気、炭酸ガス、空気及びそれらの混合ガスなどが用いられる。
【0024】
上記のようにして得られた活性炭のいずれも本発明に好適に用いることができるが、特にミクロポアの発達したものが有効であり、具体的にはヤシ殻を原料としガス賦活法によって賦活したものが最適である。
【0025】
上記した充填材は、粒状又は粉末状として用いられ、高分子ラテックスとともに界面活性剤を介して水性媒体中に分散することにより、本発明の合成樹脂組成物が構成される。
【0026】
充填材には、上記した遷移金属担持シリカゲル及び活性炭の他に、導電性カーボンブラック、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電性高分子材料、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属粉末、カーボン繊維、金属繊維などの導電性繊維物質などを添加することもできる。このような充填材をさらに添加することにより、塗布される布地などに導電性を付与することができ、静電気の発生を防止することができる。
【0027】
上記した充填材の配合量としては、高分子ラテックスの固形分100重量部に対して、充填材の固形分が50〜200重量部となる範囲が好ましい。この範囲であれば充填材の機能が十分に発現し、合成樹脂組成物本来の性質、すなわちファブリックの寸法精度の向上、糸のほつれや目開きの防止などの特性が良好となる。また充填材100重量部中に活性炭は5〜90重量部の配合量とするのが好ましい。この範囲であれば、遷移金属担持シリカゲルと活性炭の吸着特性が相乗的に十分に発現する。
【0028】
界面活性剤は、重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物とからなるものが好ましい。重量平均分子量が150未満の高分子化合物が含まれると、界面活性剤が充填材の細孔の奥まで進入して機能を低下させたり、界面活性剤自体が気化して臭気の発生源となり、また雰囲気中に存在する物質と化学反応することによって悪臭を発生させたりする場合もある。また重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高 分子化合物のみである場合には、充填材二次粒子の解膠・分散を助ける分散剤としての作用よりも、保護コロイド系増粘剤としての作用が大きくなる。したがって充填材二次粒子の解膠・分散が不十分な状態で保護コロイドの網状構造が形成され、重量平均分子量が大きくなるほど増粘程度が大きくなる。そのため、目的とする合成樹脂組成物の製造及び使用時の作業性、加工性を考慮すると、水性媒体を増量して粘度を適正化する必要があり、塗布時の固形分濃度が低下してしまう。
【0029】
また重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物のみの場合には、分散効果は有するものの増粘作用が不十分となる。そのため塗布に最適な粘度まで増粘するには必要量以上の界面活性剤が必要となるが、多量の界面活性剤を用いると原材料費が増大するとともに、合成樹脂組成物本来の機能への悪影響が発生する場合がある。
【0030】
したがって本発明に用いられる界面活性剤は、重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物とからなるものとすることが望ましい。そして重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物の配合量としては、充填材の固形分100重量部に対して界面活性剤の固形分が0.1〜20重量部の範囲が好ましい。この範囲であれば、保護コロイドの形成及び増粘効果がきわめて良好となる。また重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物の配合量としては、充填材の固形分100重量部に対して界面活性剤の固形分が0.3〜10重量部の範囲が好ましい。この範囲であれば、充填材の分散効果がきわめて大きい。
【0031】
重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどが挙げられる。また重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物としては、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルなどのポリオキシアルキレンアリールエーテルなどが挙げられる。またセルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの非イオン系セルロース誘導体などが挙げられる。
【0032】
さらに、重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物を用いることにより、夏場などの高温下での凝集を抑制して貯蔵安定性及び塗布安定性を確保することが可能となる。
【0033】
このような凝集の理由としては次のように考えられる。本発明にいう遷移金属担持シリカゲルは、シリカゲルに例えば遷移金属化合物が化学結合しているが、その化学結合した遷移金属化合物が遷移金属イオン(例えばCu2+イオン)となり、シリカゲル中の水酸基とともにポリアクリル酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなどのアニオン性(イオン性)の高分子化合物と化学結合を起こし、凝集現象を引き起こす。これは温度が高くなると特に顕著となる。
【0034】
これは、遷移金属担持シリカゲル中に含まれる遷移金属が高分子ラテックス中のアニオン性乳化剤や分散剤や増粘の目的で使用されるアニオン性高分子化合物の安定化の働きの主要素の一つである電気二重層を圧縮し、不安定化させるものと考えられる。
【0035】
そして、重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性の高分子化合物の水溶液は低粘度であるので、充填材の二次粒子の間隙に侵入しやすく、二次粒子の解膠、分散が十分に行われるとともに、遷移金属イオンの高分子ラテックス粒子間の安定性阻害作用に対して、非イオン性高分子化合物の保護層の形成で、一段と強固になり、安定性を顕著に向上せしめるものと考えられる。すなわち重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物を用いることにより、非イオン性高分子化合物が充填材の分散剤として働き、充填材の分散性が向上する。
【0036】
さらに、重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物を用いれば、非イオン性セルロース系高分子化合物が増粘性を付与し、相乗的に保護層として働くため充填材の分散性が一層向上する。
【0037】
高分子ラテックスは、合成樹脂組成物の主要素となるものである。本発明の合成樹脂組成物をファブリックに塗布する場合、高分子ラテックスはファブリックを構成する繊維どうしを結合することにより寸法精度を向上させ、繊維のほつれを防止し、また充填材などの添加物を保持してファブリックに固定する結合剤として機能する。
【0038】
この高分子ラテックスとしては、合成樹脂ラテックスとゴムラテックスとがあり、いずれも用いることができる。このうち合成樹脂ラテックスは、分散質としての樹脂コロイド粒子と、分散媒としての水などから構成され、合成樹脂組成物の乾燥時には樹脂コロイド粒子相互の融着により結合剤として有効に作用する。またゴムラテックスは、分散質としてのゴムコロイド粒子と、分散媒としての水などから構成され、合成樹脂組成物の乾燥時にはゴムコロイド粒子相互の融着により結合剤として有効に作用する。
【0039】
合成樹脂ラテックスとしては、ポリ塩化ビニルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリウレタンラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリアクリロニトリルラテックス及びこれらの変性体、共重合体などが挙げられる。またゴムラテックスのゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンイソブチレンゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリエチレンプロピレンなどが挙げられる。本発明では、上記高分子ラテックスのうちの少なくとも1種が使用される。
【0040】
なお、上記高分子ラテックスの中でも、その皮膜のガラス転移温度(Tg)が−70〜+35℃のものが望ましい。皮膜のTgが−70℃未満のものでは柔軟すぎるために、皮膜形成時に充填材を被覆することによる脱臭機能の低下、あるいは皮膜がべた付くなど、物性面及び取り扱い面で不具合がある。また皮膜のTgが+35℃を越えるものでは硬すぎるために、ファブリックに塗布し加工あるいは使用する際に充填材が脱落する場合があり、また風合いも悪化する。さらに皮膜のTgが−70〜+15℃のものは、より特性が良好となる。皮膜のTgが−70〜+15℃の高分子ラテックスとしては、アクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス、ポリウレタン系ラテックス、ブタジエン系ラテックスなどが好適に用いられる。
【0041】
また、上記高分子ラテックスの中でも、平均粒子径が0.2〜0.6μmのアクリル系ラテックスを使用するのが好ましい。このアクリル系ラテックスを用いれば、緻密で柔軟性を有する皮膜を形成できるとともに、造膜時に充填材を被覆すること等による機能の低下或いは皮膜のべた付き、貯蔵安定性や接着強度の低下等の問題は全くない。
【0042】
このアクリル系ラテックスとしては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体エマルジョンがある。主成分となる(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。この主成分と併用できるものとしては、共重合可能なエチレン性不飽和単量体があり、このエチレン性不飽和単量体としては、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロアミド、N−メチルアクリロアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマール酸、クロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。上記単量体を併用する場合、主成分となる(メタ)アクリル酸エステルの含有量は50重量%以上とするのがよい。またアクリル系ラテックスは、乳化重合法により形成したものがよい。例えば、窒素置換した反応容器に水、エチレン性不飽和単量体、乳化剤、及びラジカル重合触媒を添加し、加熱撹拌して所定温度で重合を完遂する。アクリル系樹脂の粒子径の制御は、乳化重合時における乳化剤の濃度を調整することにより行うことができる。
【0043】
水性媒体は、高分子ラテックス粒子及び充填材を分散させる分散剤であり、水溶性ポリマーや無機塩等あるいは有機溶媒を含んでもよい。また水性媒体の配合量は、界面活性剤、高分子ラテックス及び充填材の組成比を上述した範囲内で混合した系に、塗布工程に最適な粘度となるように適量配合される。
【0044】
ところで脱臭性能を高めるためには、特開平5−263358号公報に開示されているように、合成樹脂組成物を機械発泡させた後に布地に塗布することが望ましい。これにより気泡を構成する薄膜状の高分子皮膜中に充填材が高分散された状態で塗布されるため、充填材と悪臭原因物質を含む空気との接触面積がきわめて増大し、少ない塗布量で高い脱臭特性を確保することができる。
【0045】
ところが上記した構成の本発明の合成樹脂組成物を機械発泡しても、発泡性と泡安定性に問題があり、安定した発泡加工ができないという不具合があった。そのため高い脱臭特性を確保するためには、布地への塗布量を多くする必要があった。
【0046】
そこで界面活性剤は、重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満でHLBが12以下の非イオン性高分子化合物とから構成することが望ましい。これにより発泡性と泡安定性が向上し、機械発泡加工が可能となるため、より少ない塗布量で高い脱臭特性を確保することができる。
【0047】
重量平均分子量が150以上10000未満でHLBが12以下の非イオン性高分子化合物としては、高級アルコールオキシエチレン付加物、アルキルフェノールオキシエチレン付加物、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコールエステルオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールモノエステル、ポリエチレングリコールジエステルなどが例示される。重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物のHLBが12を超えると、発泡性と泡安定性が低下し脱臭性能が低下する。
【0048】
重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物の配合量は、充填材の固形分100重量部に対して0.2〜10重量部となる範囲が望ましい。この範囲を外れると、合成樹脂組成物の安定性が不充分となり、増粘により作業性が低下するようになる。また重量平均分子量が150以上10000未満でHLBが12以下の非イオン性高分子化合物の配合量は、充填材の固形分100重量部に対して0.5〜10重量部となる範囲が望ましい。0.5重量部未満では発泡性及び泡安定性が不良となり、10重量部を超えると脱臭性能が低下する。
【0049】
界面活性剤として、重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルフォン酸塩をさらに含む。これにより発泡性及び泡安定性が一層向上する。このような芳香族アルキルスルフォン酸塩としては、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウムなどが例示される。
【0050】
この芳香族アルキルスルフォン酸塩の配合量は、充填材の固形分100重量部に対して0.5〜10重量部となる範囲が望ましい。0.5重量部未満では発泡性及び泡安定性が不良となり、10重量部を超えると脱臭性能が低下する。
【0051】
上記した組成の合成樹脂組成物を機械発泡加工するには、不揮発分を35〜60重量%に調整した後、例えばオークスミキサーを用いて空気を吹き込みながら撹拌することで行うことができる。そして通常、発泡倍率が1.5〜6.0倍の範囲で用いられるが、悪臭の吸着能力、布地などの接着能力の面から、1.5〜4.0倍の範囲の発泡倍率とすることが好ましい。なお、いわゆる化学発泡では脱臭特性に劣るので好ましくない。
【0052】
機械発泡加工された合成樹脂組成物の布地などへの塗布量は、30〜200g/m2 の範囲が好ましい。塗布量がこの範囲より少ないと脱臭特性及び接着強度が低く、これより多く塗布しても効果が飽和するばかりか風合いが低下する。
【0053】
合成樹脂組成物にはアルコール系溶剤をさらに含むことが望ましい。これにより悪臭原因物質の吸着性を損なうことなく、ファブリック表皮材などへの浸透性が向上する。したがって充填材とファブリックとの結合強度が増大し、脱臭性能の持続性が向上する。この理由は、アルコール系溶剤の添加により高分子ラテックスの表面張力が低下するからと考えられる。
【0054】
アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどを用いることができるが、水溶性であり特に浸透性向上作用の大きなイソプロピルアルコールを用いることが望ましい。またアルコール系溶剤の添加量は、使用時の合成樹脂組成物の粘度に応じて適宜設定することができるが、5重量%程度が望ましい。
【0055】
その他、本発明の合成樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で難燃剤を併用して難燃性を付与することもできる。また本来の性能を損なわない範囲内で、導電剤、整泡剤などを併用してもよい。
【0056】
難燃剤としては、リン系化合物、塩素系化合物、臭素系化合物等のハロゲン化合物、グアニジン化合物、金属系としてアンチモンやアルミニウムの化合物、ホウ素化合物、アンモニウム化合物などがあり、具体的にはリン酸第一アンモニウム、赤リン、リン酸第二アンモニウム、リン酸トリエステル、亜リン酸エステル、フォスフォニウム塩、リン酸トリアミド、塩素化パラフィン、デクロラン、臭化アンモニウム、デカブロモビスフェノール、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモエタン、デカブロモジフェニルオキサイド、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、リン酸グアニル尿素、酸化アンチモン(五酸化アンチモン、三酸化アンチモン)、四ホウ酸ナトリウム十水和物(ホウ砂)、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウムなどが例示される。
【0057】
この難燃剤は、合成樹脂組成物中で均一に分散して安定であることが必要である。ところが上記した組成の合成樹脂組成物に難燃剤を混合すると、難燃剤の分散状態が悪く、しかも経時的に合成樹脂組成物の増粘、凝集物の生成などが生じ、長期保存時の安定性に問題がある場合がある。そのためファブリック表皮材に塗布して脱臭剤として用いた場合に、難燃剤の分布が不均一となって難燃性の発現が不充分となる場合があった。
【0058】
そこで難燃剤を用いる場合には、高分子ラテックスとして、スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤とからなる乳化剤の存在下で乳化重合されて得られたものを用いることが望ましい。これにより難燃剤の分散性が顕著に向上し、合成樹脂組成物の経時的な増粘、凝集物の生成などが防止され安定性が格段に向上する。そしてファブリック表皮材などに塗布して脱臭剤として用いた場合には、目標とする脱臭性能とともに、難燃剤が均一に分布するため安定した難燃性を確保することができる。
【0059】
スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤としてはポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテルなどのポリアルキレンスチレン化フェニルエーテルなど各種のものを用いることができるが、中でもポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルが特に好ましい。ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルのアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどが例示され、その平均付加モル数が2〜130モル、好ましくは5〜100モルの範囲のものを一種又は複数種併用して用いることができる。
【0060】
スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤と併用されるアニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールサルフェート塩、ビニルスルフォン酸塩などが例示される。
【0061】
高分子ラテックスの乳化重合時におけるスチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤の混合比率は、固形分の重量比でスチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤/アニオン系乳化剤=50/50〜95/5の範囲が望ましい。アニオン系乳化剤の量がこの範囲より少ない乳化剤を用いて乳化重合された高分子ラテックスを用いると難燃剤の分散性が低下し、スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤の量がこの範囲より少ない乳化剤を用いて乳化重合された高分子ラテックスを用いると合成樹脂組成物の放置安定性が低下するようになる。
【0062】
上記した乳化剤を用いて乳化重合された高分子ラテックスとしては、ビニル系モノマーを重合させたものが望ましく、前述した合成樹脂ラテックスあるいはゴムラテックスの中から一種あるいは複数種選択して用いることが好ましい。
【0063】
難燃剤とともに用いられる界面活性剤としては、前述した重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満の非イオン性高分子化合物と、重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルフォン酸塩とからなるものが好ましい。非イオン性セルロース系高分子化合物はメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが望ましく、非イオン性高分子化合物の少なくとも一種はポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどが望ましい。また芳香族アルキルスルフォン酸塩としては、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウムのホルマリン重縮合物などが挙げられる。
【0064】
非イオン性セルロース系高分子化合物の配合量は、充填材と難燃剤の合計の固形分100重量部に対して0.2〜10重量部の範囲が望ましい。0.2重量部未満では難燃剤の安定性が不充分であり、10重量部を超えると高粘度となって塗布作業性が低下する。また非イオン性高分子化合物の配合量は、充填材と難燃剤の合計の固形分100重量部に対して0.3〜10重量部の範囲が望ましく、芳香族アルキルスルフォン酸塩の配合量も、充填材と難燃剤の合計の固形分100重量部に対して0.3〜10重量部の範囲が望ましい。いずれも0.3重量部未満では安定性が不充分であり、10重量部を超えると脱臭性能が低下する。
【0065】
難燃剤とともに上記した高分子ラテックス及び界面活性剤を用いることで、難燃剤の分散性が顕著に向上し、合成樹脂組成物の増粘、凝集物の生成などが防止され安定性が格段に向上する。そしてファブリック表皮材などに塗布して脱臭剤として用いた場合には、目標とする脱臭性能とともに、難燃剤が均一に分布するため安定した難燃性を確保することができる。
【0066】
本発明の合成樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されるものではない。例えば充填材を乾式で混合し、その混合物を界面活性剤を溶解した水と混練し、次いで高分子ラテックスを加えて混練することで製造することができる。また、充填材及び界面活性剤を乾式で混合したものを水に分散し、それに高分子ラテックスを加えて製造してもよいし、充填材及び界面活性剤を乾式で混合したものを、高分子ラテックスを水で希釈した溶液と混練することもできる。
【0067】
さらに、上記製造方法において、界面活性剤は数回に分けて添加することも好ましい。例えば、初回は保護コロイド形成用あるいは分散剤として少量使用し、高分子ラテックスを加えた後に増粘剤として追加添加すれば、合成樹脂組成物の製造と同時に粘度調整を行うことができる。
【0068】
【実施例】
以下、参考例、実施例及び比較例と試験例により本発明を具体的に説明する。
【0069】
(参考例1)
以下、本参考例の合成樹脂組成物の製造方法を説明して、構成の詳細な説明に代える。
【0070】
ブチルアクリレート、エチルアクリレート及びアクリル酸が重量比で74:25:1のモノマー組成で乳化共重合された高分子ラテックスを用意した。この高分子ラテックスの固形分は50重量%であり、その皮膜のTgは−25℃である。なおTgは、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「レオメトリクトPSA11」を用いて測定された。
【0071】
一方、ビーカに水140mlを取り、硫酸銅(II)5水和物31.3g(無水の硫酸銅として20g)を加え、ホットスターラーで撹拌して溶解させた。この水溶液に、比表面積が700m2 /g、平均細孔径が2.5nm、細孔容積が0.44ml/g、平均粒子径が3.0μmのシリカゲル(「サイリシア730」富士シリシア化学(株)製)を100g添加し、ホットスターラー上で加熱撹拌しながら水分を蒸発させた。水分がほぼ蒸発したところで、ビーカごと110℃の乾燥機に移し、一晩乾燥させて硫酸銅添着シリカゲルを得た。
【0072】
次に、この硫酸銅添着シリカゲル90重量部と、粒度63μm以下の活性炭90重量部とを乾式混合した。次いで界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)0.9重量部とカルボキシメチルセルロース(重量平均分子量130000)5重量部を366重量部の水に溶解した溶液を加え、二軸型混合機を用いて混合した。その後、上記高分子ラテックス200重量部を加えて混合し、固形分33重量%の合成樹脂組成物を調製した。
【0073】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面に、ドクターブレードを用いて固形分で100g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材の付着量は、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
【0074】
(参考例2)
参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲルを90重量部に代えて60重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例2の合成樹脂組成物を調製した。参考例1の合成樹脂組成物と同粘度・同固形分とするために、界面活性剤を溶解した溶液の量は320重量部とされ、得られた合成樹脂組成物の固形分は33重量%である。
【0075】
そして参考例1と同様にしてファブリックに塗布し、乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材の付着量は、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが20g/m2 である。
【0076】
(参考例3)
参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲルを90重量部に代えて30重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例3の合成樹脂組成物を調製した。参考例1の合成樹脂組成物と同粘度・同固形分とするために、界面活性剤を溶解した溶液の量は270重量部とされ、得られた合成樹脂組成物の固形分は34重量%である。
【0077】
そして参考例1と同様にしてファブリックに塗布し、乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材の付着量は、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが10g/m2 である。
【0078】
(比較例1)
硫酸銅添着シリカゲルに代えてセピオライト90重量部を用いたこと以外は参考例1と同様にして、比較例1の合成樹脂組成物を調製した。得られた合成樹脂組成物の固形分は33重量%である。
【0079】
そして参考例1と同様にしてファブリックに塗布し、乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材の付着量は、活性炭が30g/m2 、セピオライトが30g/m2 である。
【0080】
<吸着試験>
上記で得られた4種類の表皮材をそれぞれ5cm四方に裁断して試料とし、それぞれガス非透過性の試料袋に入れた。この試料袋4を図1に示すように吸着試験装置にそれぞれ取付けた。
【0081】
この吸着試験装置は、空気入口側に図示しないコックをもつエアーポンプ1と、エアーポンプ1の出口側に接続されたガスメータ(流量計)2と、ガスメータ2から延びるパイプ3とから構成され、パイプ3の先端が試料袋4に挿入されている。またパイプ3には注入シリンジ5が接続され、パイプ3の注入シリンジ5の下流側にはヒータ6が設けられている。
【0082】
そしてトリメチルアミン水溶液(濃度30重量%)、アンモニア水溶液(濃度28重量%)、アセトアルデヒド水溶液(濃度30重量%)及びトルエンを用意し、それぞれ注入シリンジ5からパイプ3内に所定量注入した。そして図示しないコックを開き、エアーポンプ1から空気を所定流量で吸引するとともに、ヒータ6により加熱して各悪臭原因物質を気化させ、悪臭原因物質を含む空気5リットルを試料袋4内に導入した。このとき、各悪臭原因物質の注入量を適宜変更し、各試料袋を調製した。
【0083】
それぞれの試料と種々の濃度で上記4種類の悪臭原因物質をそれぞれ含む空気が入れられたそれぞれの試料袋を、それぞれ25℃に維持された恒温恒湿室内にて24時間静置し、静置前後の試料袋内の空気を分析して試料への悪臭原因物質の吸着量を測定した。
【0084】
トリメチルアミン、アセトアルデヒド及びトルエンはガスクロマトグラフで分析し、アンモニアは検知管により分析した。静置前の各悪臭原因物質の初期濃度(Cb)と24時間静置後の平衡濃度(Cs)とをそれぞれ測定し、試料に吸着した悪臭原因物質の吸着量(q)を[数1]式からそれぞれ算出した。そして得られた結果から平衡濃度(Cs)と吸着量(q)との関係を表す吸着等温線をそれぞれ作成し、結果を図2〜5に示す。
【0085】
【数1】
【0086】
<煙草の染み付き試験>
実施例及び比較例で形成された表皮材をそれぞれ40cm四方の正方形に裁断して試料とし、それぞれの試料を一辺45cmの立方体形状のアクリル箱の内側表面に貼り付けた。その際、試料全周にシールテープを貼ってシールした。
【0087】
このアクリル箱の中に、フィルタを取り除いた煙草12本(商品名「ハイライト」、1本の長さ6cm)に火をつけて入れ、蓋をして24時間放置した。その後アクリル箱から試料を取り出し、室内に72時間放置した。
【0088】
次に清浄な臭気のないアクリル箱の底部に試料を置き、蓋をして24時間放置後、官能試験により評価した。官能試験は、8名のパネリストが4名ずつ2組に分かれて、箱内の臭気を嗅ぐことにより行い、臭気強度と快不快度を8名のパネリストの平均値で整理した。結果を表1に示す。
【0089】
なお臭気強度は、「0:無臭」、「1:やっと感知できる臭気」、「2:何の臭気かわからない弱い臭気」、「3:容易に感知できる臭気」、「4:強い臭気」及び「5:強烈な臭気」の6段階臭気強度表示法を採用している。また快不快度は、「+4:極端に快」、「+3:非常に快」、「+2:快」、「+1:やや快」、「0:快でも不快でもない」、「−1:やや不快」、「−2:不快」、「−3:非常に不快」及び「−4:極端に不快」の9段階嫌悪性表示法を採用している。
【0090】
【表1】
【0091】
<評価>
図2〜5より、各参考例で調製された表皮材は、比較例1に比べてトリエチルアミン及びアンモニアの吸着性能が著しく優れていることが明らかであり、これは硫酸銅が担持されたシリカゲルを用いた効果であることが明らかである。
【0092】
一方、アセトアルデヒド及びトルエンに関しては、参考例と比較例との間にほとんど差がみられない。すなわちアセトアルデヒド及びトルエンは、参考例及び比較例のいずれにも含まれている活性炭に吸着されたと考えられる。
【0093】
また参考例どうしを比較すると、硫酸銅が担持されたシリカゲルを多く用いたものほどトリエチルアミン及びアンモニアの吸着量が多いことがわかる。そして参考例1と比較例1との比較より、硫酸銅添着シリカゲルを用いれば、平衡濃度10ppmでは、セピオライトを同量用いた場合よりトリメチルアミンでは約5倍、アンモニアでは約4倍の吸着量を示し、硫酸銅添着シリカゲルの効果が歴然としている。
【0094】
また表1より、各参考例で調製された表皮材は比較例に比べて煙草臭の低減効果が大きく、官能試験でも吸着試験と同様の結果となっている。
【0095】
したがって上記の結果より、各参考例の合成樹脂組成物は比較例1に比べて脱臭特性に優れていることが明らかである。
【0096】
(実施例1)
高分子ラテックスとして、ポリマー組成がブチルアクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸=74/25/1(重量比)でその皮膜のガラス転移温度(Tg:レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「レオメトリクトPSA11」により測定した値、以下の実施例においても同様)が−25℃であるアクリルエマルジョン(固形分50%)を使用して、以下の方法で表皮材用合成樹脂組成物を得た。
【0097】
参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲル90重量部と、粒度63μm以下の活性炭90重量部とを乾式混合し、界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)1重量部とポリオキシエチレンノニルエーテル(重量平均分子量600)2.5重量部、及び重量平均分子量250000のヒドロキシエチルセルロース2.5重量部を366部の水に溶解したものを、2軸混合機を用いて混合した。その後、上記アクリルエマルジョン(固形分50%)250重量部を加えて混合し、固形分38%の合成樹脂組成物を得た。
【0098】
得られた合成樹脂組成物の経時安定性を表2に示す。経時安定性は、配合直後から常温及び50℃でそれぞれ所定期間貯蔵した時の粘度変化を調査している。なお粘度はBM型粘度計を用い、#4ロータにて60rpmの回転条件にて測定した。
【0099】
次に、得られた合成樹脂組成物145g(固形分55g)を、ポリエステル繊維よりなる横40cm、縦125cm、厚さ2mmの平織りの織布の裏面に、ドクターブレードを用いて固形分で90g/m2 塗布し、130℃の熱風乾燥機中で10分乾燥して、厚さ2.5mmの車両内装品用表皮材を得た。得られた表皮材の特性(風合い及び脱臭性能)を表3に示した。
【0100】
(実施例2)
実施例1と同様のアクリルエマルジョン250重量部に、界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)1重量部とポリオキシエチレンノニルエーテル(重量平均分子量2000)2.5重量部及び重量平均分子量250000のヒドロキシエチルセルロース2.5重量部を366重量部の水に溶解したものを混合し、さらに参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲル90重量部と粒度63μm以下の活性炭90重量部を乾式混合したものを混合して、合成樹脂組成物(固形分38%)を調製した。
【0101】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表2に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表3に示す。
【0102】
(比較例2)
実施例1と同様のアクリルエマルジョン250重量部に、界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)1重量部とカルボキシメチルセルロース(重量平均分子量130000)2.5重量部を366重量部の水に溶解したものを混合し、さらに参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲル90重量部と粒度63μm以下の活性炭90重量部を乾式混合したものを混合して、合成樹脂組成物(固形分38%)を調製した。
【0103】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表2に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表3に示す。
【0104】
(比較例3)
実施例1と同様のアクリルエマルジョン250重量部に、界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)1重量部とポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量15000)2.5重量部を366重量部の水に溶解したものを混合し、さらに参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲル90重量部と粒度63μm以下の活性炭90重量部を乾式混合したものを混合して、合成樹脂組成物(固形分38%)を調製した。
【0105】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表2に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表3に示す。
【0106】
<評価>
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】
表2より、各実施例の合成樹脂組成物は安定性にきわめて優れていることがわかる。また表3より、各実施例の合成樹脂組成物を織布に塗布したものは、風合い及び脱臭性能に優れていることも明らかである。
【0110】
(実施例3)
アクリルエマルジョンの代わりに、ポリマー組成がスチレン/ブタジエン/アクリル酸=50/47/3で、その皮膜で実測されたTgが−35℃であるSBRラテックス(固形分50%)を用い、その他は実施例1と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0111】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0112】
(実施例4)
アクリルエマルジョンの代わりに、ポリマー組成が酢酸ビニル/エチレン=80/20で、その皮膜で実測されたTgが−5℃であるエチレン/酢酸ビニル共重合エマルジョン(固形分50%)を用い、その他は実施例1と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0113】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0114】
(実施例5)
アクリルエマルジョンの代わりに、ポリマー組成が1,4ブタンジオール/アジピン酸よりなるポリエステルとジメチロールプロピオン酸/トリレンジイソシアネートを溶剤中で反応させ、反応物を水中にて無水ピペラジン/トリエチルアミンの存在下で鎖伸長と水分散化を行った後、脱溶剤して得られた、その皮膜で実測されたTgが−15℃であるポリウレタン(固形分50%)を用い、その他は実施例1と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0115】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0116】
(比較例4)
重量平均分子量250000のヒドロキシエチルセルロースの代わりに、重量平均分子量15000のポリアクリル酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例3と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0117】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0118】
(比較例5)
重量平均分子量250000のヒドロキシエチルセルロースの代わりに、重量平均分子量15000のポリアクリル酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例4と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0119】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0120】
(比較例6)
重量平均分子量250000のヒドロキシエチルセルロースの代わりに、重量平均分子量15000のポリアクリル酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例5と同様にして、固形分38%の合成樹脂組成物を調製した。
【0121】
この合成樹脂組成物について、実施例1と同様にして経時安定性を調べ結果を表4に示す。また実施例1と同様に塗布して表皮材を調製し、その特性を表5に示す。
【0122】
<評価>
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
表4及び表5から明らかなように、実施例3〜5の合成樹脂組成物は比較例4〜6に比べて安定性に優れ、それを織布に塗布したものは、良好な風合い及び脱臭性能を有していることがわかる。
【0126】
(実施例6)
参考例1と同様の硫酸銅添着シリカゲル90重量部と、粒度63μm以下の活性炭90重量部とを乾式混合した。次いで界面活性剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)0.9重量部とポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=12)3重量部及びヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量250000)2.5重量部を366重量部の水に溶解した溶液を加え、二軸型混合機を用いて混合した。その後、参考例1と同様の高分子ラテックス200重量部を加えて混合し、不揮発分38重量%の合成樹脂組成物を調製した。
【0127】
得られた合成樹脂組成物をオークスミキサーにより2.5倍に機械発泡せしめ、ポリエステル繊維からなるファブリックの裏面に、ドクターブレードを用いて固形分で80g/m2 塗布し、130℃の熱風乾燥機中で20分乾燥した。
【0128】
上記合成樹脂組成物の機械発泡後の泡安定性を評価し、結果を表6に示す。また上記合成樹脂組成物が塗布・乾燥されたファブリックの脱臭性能と縫い目疲労を評価し、結果を表6に示す。
【0129】
泡安定性は、合成樹脂組成物200gを500mlのポリ容器に採り、家庭用ハンドミキサーを用いて最高回転数450rpmにて2分間撹拌し、5分後及び20分後の泡の状態を観察して、「直後に得られた緻密な泡が保持されている」ものを○、「泡の一部が破泡して大きな泡に変化した」ものを△、「泡の殆どが破泡した」ものを×として評価した。脱臭性能は、前述の煙草の染み付き試験と同様にして臭気強度と快不快度を評価した。
【0130】
また縫い目疲労試験はアムスラ型織布摩耗試験機を利用して、試験片を荷重3Kgで繰り返し引張って行ったもので、2500回後の縫い目の滑脱の状態を観察し、評価をした。なお試験片は、幅10cm、長さ10cmに裁断した試験片を縦・横方向各々2枚1組で2個以上取り、2枚の試験片の表側を重ね合わせ、一辺の縁から10mmの位置に該一辺にミシンがけして貼り合わせ、さらに該一辺と垂直な2辺のそれぞれの縁から25mmの位置に該2辺に平行に長さ88mmの切り込みを計4本入れ(すなわち平行な2本の切り込みの間隔は50mmになる)て作成した。試験時には試験機が作成した試験片の平行な2本の切り込みの間を挟んで行う。表6中の評価は、縫い目の滑脱が1.7mm以下のものを○で示し、1.7mm以上のものを×で示した。
【0131】
(実施例7)
ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=12)の代わりに、ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=8)を3重量部用いたこと以外は実施例6と同様にして、不揮発分38重量%の合成樹脂組成物を調製した。そして実施例6と同様にして特性を評価し、結果を表6に示す。
【0132】
(実施例8[比較用])
ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=12)の代わりに、ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=14)を3重量部用いたこと以外は実施例6と同様にして、不揮発分38重量%の合成樹脂組成物を調製した。そして実施例6と同様にして特性を評価し、結果を表6に示す。
【0133】
(実施例9[比較用])
ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=12)の代わりに、ポリオキシエチレンノニルエーテル(HLB=17.8)を3重量部用いたこと以外は実施例6と同様にして、不揮発分38重量%の合成樹脂組成物を調製した。そして実施例6と同様にして特性を評価し、結果を表6に示す。
【0134】
(実施例10[比較用])
実施例6の合成樹脂組成物を発泡しなかったこと以外は実施例6と同様にしてファブリックに塗布し、同様にして脱臭性能を評価した。結果を表6に示す。
【0135】
<評価>
【0136】
【表6】
【0137】
表6より明らかなように、実施例6及び実施例7の合成樹脂組成物は泡安定性に優れ、脱臭性能に特に優れている。これに対して実施例8〜9の合成樹脂組成物は実施例6及び実施例7に比べて泡安定性に劣り、発泡させなかった実施例10と同様に脱臭性能も低い。すなわち実施例6及び実施例7の合成樹脂組成物が特に高い特性を示すのは、重量平均分子量が10000未満の非イオン性化合物としてHLBが12以下のものを用いたことによる効果であることが明らかである。
【0138】
なお何れの実施例の合成樹脂組成物においても、縫い目疲労は良好であり、本発明の合成樹脂組成物は高い接着強度を示すことがわかる。
【0139】
(実施例11)
【0140】
【表7】
【0141】
4ツ口フラスコにイオン交換水を50重量部仕込み、窒素気流中で80℃まで昇温した。次いで重合開始剤を添加し、表7に示す混合物を乳化させたものを3時間かけて滴下した。この際、反応温度は78〜82℃に制御し、滴下終了後も同温度に保持しつつ2時間撹拌して反応を継続させた。次いで冷却し、14%アンモニア水でpHを3.5〜4.5に調整し、固形分50.2%、粒子径0.35μm、粘度800mPa・sの安定な高分子ラテックスを得た。
【0142】
参考例1と同様に調製された硫酸銅添着シリカゲル90重量部と、粒度63μm以下の活性炭90重量部と、三酸化アンチモン(粒度1μm)/デカブロモジフェニルオキサイド(粒度10μm)=1/1の重量比で混合された難燃剤70重量部を乾式混合した。次いで界面活性剤としてのアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム(重量平均分子量342)3重量部、ポリオキシエチレンノニルエーテル(重量平均分子量567)2重量部、ヒドロキシエチルセルロース(重量平均分子量250000)2.5重量部を625重量部の水に溶解した溶液を加え、二軸型混合機を用いて混合した。その後、上記高分子ラテックス200重量部を加えて混合し、固形分33重量%の合成樹脂組成物を調製した。
【0143】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で120g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材及び難燃剤の付着量は、難燃剤が5g/m2 、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
【0144】
(実施例12)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを3.0重量部、アニオン系乳化剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートソーダを1.5重量部としたこと以外は実施例11と同様にして高分子ラテックスを乳化重合し、固形分50.3%、粒子径0.30μm、粘度1200mPa・sの安定な高分子ラテックスを調製した。そしてこの高分子ラテックスを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12の合成樹脂組成物を調製した。
【0145】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で120g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材及び難燃剤の付着量は、難燃剤が5g/m2 、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
【0146】
(実施例13)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを2.0重量部、アニオン系乳化剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートソーダを2.5重量部としたこと以外は実施例11と同様にして高分子ラテックスを乳化重合し、固形分50.1%、粒子径0.20μm、粘度3300mPa・sの高分子ラテックスを調製した。そしてこの高分子ラテックスを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例13の合成樹脂組成物を調製した。
【0147】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で120g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材及び難燃剤の付着量は、難燃剤が5g/m2 、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
【0148】
(実施例14)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルに代えてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用いたこと以外は実施例11と同様にして高分子ラテックスを乳化重合し、固形分50.4%、粒子径0.25μm、粘度1300mPa・sの高分子ラテックスを調製した。そしてこの高分子ラテックスを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例14の合成樹脂組成物を調製した。
【0149】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で120g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材及び難燃剤の付着量は、難燃剤が5g/m2 、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
【0150】
(実施例15)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを用いずポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートソーダを4.5重量部用いたこと以外は実施例11と同様にして高分子ラテックスを乳化重合し、固形分50.3%、粒子径0.15μm、粘度4000mPa・sの高分子ラテックスを調製した。そしてこの高分子ラテックスを用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例15の合成樹脂組成物を調製した。
【0151】
得られた合成樹脂組成物を、ポリエステル繊維よりなるファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で120g/m2 となるように塗布し、130℃の熱風乾燥機中で30分乾燥して車両内装品用表皮材を得た。充填材及び難燃剤の付着量は、難燃剤が5g/m2 、活性炭が30g/m2 、硫酸銅添着シリカゲルが30g/m2 である。
<試験・評価>
上記した5種類の合成樹脂組成物の分散性を目視で判定して評価した。またそれぞれの合成樹脂組成物を常温と50℃でそれぞれ1週間放置した後の状態を目視で判定して放置安定性を評価した。さらに得られた5種類の表皮材を用い、燃焼性をMVSS-302に準じて測定するとともに、参考例1〜3と同様にして臭気強度と快不快度を測定した。さらに実施例6と同様にして縫い目疲労試験を行った。それぞれの結果を表8に示す。
【0152】
なお表8において、分散性の○は良好であることを示し、△は僅かに沈殿が生じることを示す。また放置安定性の○は増粘がないことを示し、△は僅かに増粘したことを、×はブツの発生又はゲル化したことを示す。燃焼性の∞はバラツキが大きいことを示す。そして縫い目疲労の○は縫い目の滑脱が1.7mm以下であることを示し、△は1.8〜2.2mmであることを示す。
【0153】
【表8】
【0154】
表8より実施例11〜13の合成樹脂組成物は、実施例14〜15の合成樹脂組成物に比べて分散性及び放置安定性に優れていることがわかる。そして実施例11〜13の合成樹脂組成物を塗布した表皮材は、実施例14〜15に比べて縫い目疲労が良好であるとともに、安定した難燃性を示し難燃剤が均一に分布していることがわかる。これは、スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤とからなる乳化剤の存在下で乳化重合された高分子ラテックスを用いた効果であることが明らかである。
【0155】
また実施例11〜12は実施例13より優れた結果を示し、これは固形分の重量比でスチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤/アニオン系乳化剤を1以上としたことによる効果であることが明らかである。
【0156】
(試験例)
参考例1で調製された合成樹脂組成物に対し、表9に示す薬剤をそれぞれ表9に示す量で添加し撹拌して4種類の試料を調製した。それぞれの試料を金属製の定規を用いてモケットに同一量塗布し、130℃で30分間加熱乾燥した。またブランクとして薬剤を添加しない参考例1の合成樹脂組成物を塗布した試験片を加えて、5種類の試験片を調製した。
【0157】
【表9】
【0158】
得られた5種類の試験片の塗布面と反対側表面にガムテープを貼り、勢いよく剥離した時のガムテープに付着したパイル量を目視で判定してパイル糸保持性を評価した。結果を表10に示す。なお○はガムテープへのパイルの付着量が僅かであることを示し、△はガムテープへのパイルの付着量が比較的多いことを示し、×はガムテープへのパイルの付着量がきわめて多いことを示している。
【0159】
次に各試験片について、先に参考例1で行ったと同様の吸着試験を行った。先に行った吸着試験では4種類の悪臭原因物質を用いたのに対して、今回はトルエンのみを用いたこと以外は先の吸着試験と同様の条件で行った。この試験により試験片の吸着等温線を作成し、平衡濃度10ppmの場合のトルエン吸着量を求めた。結果を図6及び表10に示す。なお図6は、ブランクのトルエン吸着量を1としたときの相対値で示している。
【0160】
【表10】
【0161】
表10及び図6より、イソプロピルアルコールを添加したものは、無添加のものと同等の高い脱臭性能を示しつつ、パイル糸保持性に優れていることがわかる。すなわち本発明の合成樹脂組成物にイソプロピルアルコールを含有させることにより、吸着性能を損なうことなく表皮材への浸透性を向上できることが明らかである。
【0162】
【発明の効果】
すなわち本発明の合成樹脂組成物によれば、ファブリックなどに塗布することで悪臭を低減することができ、脱臭剤として住宅や自動車車室などに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で用いた吸着試験装置の模式的説明図である。
【図2】参考例及び比較例で作成された表皮材におけるトリメチルアミンの吸着等温線図である。
【図3】参考例及び比較例で作成された表皮材におけるアンモニアの吸着等温線図である。
【図4】参考例及び比較例で作成された表皮材におけるアセトアルデヒドの吸着等温線図である。
【図5】参考例及び比較例で作成された表皮材におけるトルエンの吸着等温線図である。
【図6】各種薬剤を添加した合成樹脂組成物を塗布した表皮材の平行濃度10ppmにおけるトルエンの吸着量を示すグラフである。
【符号の説明】
1:エアーポンプ 2:ガスメータ 3:パイプ
4:試料袋 5:注入シリンジ 6:ヒータ
Claims (7)
- 水性媒体と、界面活性剤と、該界面活性剤により該水性媒体中に分散している高分子ラテックス及び充填材とからなる車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物において、
該充填材は遷移金属及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種をシリカゲル担体に担持した遷移金属担持シリカゲルであり、
かつ該界面活性剤は重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物及び重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルホン酸塩を含むことを特徴とする車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。 - 水性媒体と、界面活性剤と、該界面活性剤により該水性媒体中に分散している高分子ラテックス及び充填材と、難燃剤と、からなる車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物において、
該充填材は遷移金属及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種をシリカゲル担体に担持した遷移金属担持シリカゲルであり、
該界面活性剤は重量平均分子量が10000以上の非イオン性セルロース系高分子化合物及び重量平均分子量が150以上10000未満の芳香族アルキルスルホン酸塩を含み、
かつ該高分子ラテックスは、スチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤とからなる乳化剤の存在下で乳化重合されて得られたものであることを特徴とする車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。 - 前記充填材は、さらに活性炭を含む請求項1又は請求項2に記載の車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。
- 前記充填材中には前記活性炭が5〜90重量%含まれている請求項3に記載の車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。
- 前記シリカゲル担体は比表面積が500m2 /gを越え800m2 /g以下である請求項1又は請求項2に記載の車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。
- 前記乳化剤におけるスチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤とアニオン系乳化剤との混合比率は、固形分の重量比でスチレン化フェニルエーテル系ノニオン乳化剤/アニオン系乳化剤=50/50〜95/5である請求項2に記載の車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。
- アルコール系溶剤をさらに含む請求項1又は請求項2に記載の車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物。
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