JP3093859B2 - 吸臭性表皮材の製造方法 - Google Patents

吸臭性表皮材の製造方法

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JP3093859B2 JP04058494A JP5849492A JP3093859B2 JP 3093859 B2 JP3093859 B2 JP 3093859B2 JP 04058494 A JP04058494 A JP 04058494A JP 5849492 A JP5849492 A JP 5849492A JP 3093859 B2 JP3093859 B2 JP 3093859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡バッキング用合成樹
脂組成物に関する。特に車両のシート、ドアや天井の内
張りや床カーペットに使用され得る表皮材に車室内の悪
臭の吸臭機能を備えさせた吸臭性表皮材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維素材のバッキングには、従来から合
成樹脂ラテックスを主成分とする樹脂組成物が使用され
ており、発泡バッキング処方としては、特開昭61−4
0120号公報に開示されている。一方、車両内の悪臭
を除去したり、静電気を除去する目的で高分子ラテック
スと含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物および活性炭より
なる充填剤とを界面活性剤により水性媒体中に分散させ
た合成樹脂組成物を車両の内装表皮材に塗布する方法が
特開平2−145864号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】しかしながら、上記し
た公報に記載されたバッキング用組成物は、固形分濃度
が20%程度と低いため、発泡した連続気泡を有するバ
ッキング層を形成させようとすれば、一旦薄い発泡バッ
キング層を形成せしめ、その上にさらにバッキング層を
形成させ、さらにこれを繰返さなければならず、作業性
が極端に悪い。しかもこの様な方法で発泡バッキング層
同志を積層するという方法では、予め形成された連続気
泡を有するバッキング層の気泡中に再びバッキング剤が
侵入してしまうので、期待するほど脱臭性が向上しな
い。また本発明者等の知見によれば、活性炭や含水珪酸
マグネシウム質粘土鉱物等の脱臭剤と、テトラブロモビ
スフェノールAと三酸化アンチモンないしは五酸化アン
チモン等の無機系難燃剤とを組み合わせて用いると風合
いが硬くなり、例えば、車両のシートに用いた場合、そ
の仕上がりに悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑みて鋭意検討したところ、合成樹脂ラテックス及び
活性炭や含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物の脱臭剤を水
性媒体に分散させるために用いる界面活性剤として異な
る分子量のものを併用することにより不揮発分を格段に
向上せしめることができ、さらにこれを発泡させること
により布地への塗布量を大幅に低減し、かつ脱臭性能を
向上させることのできる優れたバッキングを行うことが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。さら
に上記脱臭剤を含有する合成樹脂ラテックスからなる合
成樹脂組成物に、特定の難燃剤を用いると、脱臭性能を
損なわずに難燃性が向上し、特に車両のシート表皮材と
して優れたシート表皮材を開発出来ることを見出した。
【0005】請求項1記載の吸臭性表皮材の製造方法
は、合成樹脂ラテックスと、活性炭と、含水珪酸マグネ
シウム質粘土鉱物とを、重量平均分子量150以上10
000未満の界面活性剤と重量平均分子量10000以
上の界面活性剤とを併用して水性媒体中に分散せしめた
合成樹脂組成物を機械発泡させた後、基材に塗布し、乾
燥せしめることを特徴とするものである。
【0006】本発明で用いられる界面活性剤は、その重
量平均分子量が150以上10000未満のものと、重
量平均分子量が10000以上の高分子化合物との混合
物を使用することを特徴とするものである。重量平均分
子量が150以上10000未満である界面活性剤とし
ては、アルキルナフタレンスルフォン酸ソーダ、トリポ
リリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、ヘキサ
メタリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リビニルアルコール等が挙げられる。重量平均分子量が
10000以上の界面活性剤としては、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸ソーダ、スチレン−マレイン酸
共重合体等の合成高分子、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体がある。上記重量平均分子量が150
以上10000未満の界面活性剤の配合量としては、充
填剤としての前記活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘土
鉱物との総量100重量部(固形分)に対し0.3〜1
0重量部となる範囲が好ましい。前記範囲であれば、充
填材(活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物)の分
散効果が十分であり、しかも分散不良も引き起こしにく
いからである。また重量平均分子量が10000以上の
界面活性剤の配合量としては、前記充填剤(活性炭と含
水珪酸マグネシウム質粘土鉱物)の固形分100重量部
に対し、0.1〜10重量部となる範囲が望ましい。前
記範囲であれば、配合物の安定性も十分であり、増粘効
果が小さく、作業上も好ましい。本発明で用いられる合
成樹脂ラテックスとしては、ポリアクリル酸エステルラ
テックス、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリエチレンラ
テックス、およびこれらの変成体、共重合体等が挙げら
れる。その他変成天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、
アクリルニトリルブタジエンゴム、イソブチレンゴム、
イソプレンゴム等ゴムラテックスが挙げられる。また含
水珪酸マグネシウム質粘土鉱物としては、セピオライ
ト、シロタイル、ラフリナイト、ファルコンドアイト、
パリゴルスカイト等が挙げられる。また、通称でマウン
テンコルク、マウンテンレザー、マウンテンウッド、海
泡石、アタパルジャイトと呼ばれているものはこれらに
あたる。これらは400〜800℃の温度で焼成したも
のを用いてもよい。
【0007】本発明における合成樹脂ラテックス、充填
剤(活性炭、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物)の配合
比率は、合成樹脂ラテックスの固形分100重量部に対
し、該充填剤の固形分が50〜200重量部となる範囲
が好ましい。さらに、活性炭と含水珪酸マグネシウム質
粘土鉱物の総量のうち、活性炭の含有率は10〜80重
量%とするのが好ましい。上記合成樹脂ラテックス、含
水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、活性炭、界面活性剤を
水中に分散せしめた合成樹脂組成物は通常不揮発分を3
0〜50重量%に調整せしめた後、例えばオークスミキ
サー等を使用し、空気を吹き込みながら機械的に発泡さ
せて使用される。通常発泡倍率は1.5〜6倍の範囲で
用いられるが、悪臭の吸着能力、接着能力の面から1.
5〜4倍の範囲が好ましい。さらに必要に応じて、一般
に起泡剤として知られているラウリル硫酸エステルソー
ダ塩、ステアリン酸アンモニウム等の高級脂肪酸アンモ
ニウム塩、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸族アルコー
ルを適宜添加した後に機械発泡せしめても良い。しかし
ながら、これらの起泡剤は吸着剤たる含水珪酸マグネシ
ウム質粘土鉱物や活性炭の吸着能を低下させる傾向があ
るので、その使用は最小限に止めるべきである。また、
いわゆる化学発泡では脱臭性が劣ってしまうので好まし
くない。発泡せしめた合成樹脂組成物は、布地等に塗
布、乾燥した後、車両用表皮材として特に好適に用いら
れる。塗布量は固形分量で30〜200g/m2の範囲
が好ましい。塗布量が前記範囲であれば、皮膜の接着強
度も十分であり、しかもその風合いも良好である。
【0008】請求項2記載の発明は、合成樹脂ラテック
スがポリウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項
1記載の吸臭性表皮材の製造方法である。
【0009】請求項3記載の発明は、合成樹脂ラテック
スがポリウレタン系樹脂であって、かつ難燃剤として、
臭素化ジアリールオキサイド及び/又は臭素化アレン
と、酸化アンチモンを含有する合成樹脂組成物を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の吸臭性表皮材の製造方
法である。
【0010】本発明で用いられるポリウレタン系樹脂
は、水性のものであり、ポリヒドロキシ化合物に過剰の
ポリイソシアネートを反応させ、更に2個以上の活性水
素を有する鎖伸長剤をNCO/H=1/1.5で反応さ
せて得られるものである。且つその成分中には、−CO
-、−SO3 -、−PO4 -、−N+等のイオン性基の導入
されたもの、又は−CH2CH2O−等親水基の導入され
たもの或いは乳化剤を用いて水溶化又はエマルション化
されたもの等が挙げられる。ポリヒドロキシ化合物は、
両末端に水酸基を有する平均分子量500〜5000程
度のもので、ポリエーテル、ポリエステルポリオール、
ポリカーボネート等が好ましい。本発明における無機系
難燃剤である酸化アンチモンとしては三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモンが挙げられる。また、特定の有機
系難燃剤である臭素系ジアリールオキサイドとしては、
デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモフェニ
ルオキサイド、ペンタブロモオキサイド等が挙げられ
る。また臭素化アレンとしては、ヘキサブロモベンゼン
等が挙げられる。これらは1種ないし2種以上の混合物
として用いられる。
【0011】これらポリウレタン樹脂と活性炭と含水珪
酸マグネシウム質粘土鉱物と界面活性剤と無機系難燃剤
と有機系難燃剤との混合比率は、ポリウレタン系樹脂の
固形分100重量部に対し、活性炭と含水珪酸マグネシ
ウム質粘土鉱物の合計固形分が50〜200重量部、無
機系難燃剤と有機系難燃剤の合計固形分が100〜20
0重量部であることが好ましい。さらに、活性炭と含水
珪酸マグネシウム質粘土鉱物の総量のうち、活性炭の含
有率は10〜80重量%とするのが好ましい。また、無
機系難燃剤と有機系難燃剤の総量のうち、無機系難燃剤
は20〜50重量%、より好ましくは25〜35重量%
が良い。
【0012】これらポリウレタン樹脂、活性炭、含水珪
酸マグネシウム質粘土鉱物、界面活性剤、無機系難燃剤
と有機系難燃剤とを水中に分散せしめた組成物は、通常
その不揮発分を30〜60重量%、より好ましくは35
〜50重量%の範囲に調整せしめた後、例えばオークス
ミキサー等を使用し、空気を吹き込みながら機械的に発
泡させて使用される。この場合、通常発泡倍率は1.5
〜6倍の範囲で用いられるが、悪臭の吸着能力、接着能
力の面から1.5〜3.5倍の範囲が好ましい。この際、
不揮発分を調整せしめた後、そのまま機械発泡せしめて
もよいが、一般に起泡剤として知られているラウリル硫
酸エステルソーダ塩、ステアリン酸アンモニウム等の高
級脂肪酸アンモニウム塩、フッ素系界面活性剤、高級脂
肪酸族アルコールを適宜添加した後に機械発泡せしめて
も良い。
【0013】発泡せしめた合成樹脂組成物は布地等に塗
布、乾燥した後、特に車両用表皮材として好適に用いる
ことができる。塗布量は固形分量で30〜200g/m
2の範囲が好ましい。塗布量が前記範囲であれば、皮膜
の接着強度も十分であり、しかもその風合いも良好であ
る。その他本発明の合成樹脂組成物には、その本来の性
能を損なわない範囲で導電剤、整泡剤、架橋剤等を併用
してもよい。
【0014】尚、本発明の合成樹脂組成物は車両用表皮
材としての用途以外にも、船舶や飛行機の内装用表皮材
は勿論のこと、住宅用のカーペット、壁紙、天井材にも
適応することができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、部および%は特記なき限り重量基準とする。
【0016】〔実施例1〕合成樹脂ラテックスとして、
ポリマー組成が、ブチルアクリレート/メチルアクリレ
ート/アクリル酸=80/18/2(重量比)で、その
皮膜のガラス転移温度(Tg;レオメトリック社製動的
粘弾性測定装置「レオメトリクトPSAII」により測定
した値。以下の実施例においても同様)が−25℃であ
るアクリルエマルション(不揮発分50%)を使用し
て、以下の方法で表皮材用合成樹脂組成物を得た。粒度
100メッシュ以下のセピオライト90重量部と粒度2
50メッシュ以下の活性炭90重量部とを乾式混合し、
これに界面活性剤としてアルキルナフタレンスルフォン
酸ソーダ(分子量342)0.9重量部と平均分子量1
30000のカルボキシメチルセルロース5重量部を3
66重量部の水に溶解したものを2軸型混合機を用いて
混合した。その後、上記アクリルエマルション(不揮発
分50%)200重量部を加えて混合し、不揮発分38
%の合成樹脂組成物を得た。得られた合成樹脂組成物を
オークスミキサーにより2.5倍に発泡せしめ、ポリエ
ステル繊維からなるファブリックの裏面に、ドクターブ
レードを用いて固形分で80g/m2塗布し、130℃
の熱風乾燥機中で20分乾燥し、表皮材を得た。得られ
た表皮材の脱臭性能と縫目強度を評価した。評価結果を
表1に示す。
【0017】脱臭性能は、タバコのしみつき臭の官能試
験により評価したもので、以下の手順にて行なったもの
である。 45×45×45cmのアクリル製箱を4つ用意する。 用意したアクリル製箱の1つを選び、その箱の内側天
井面に試験に供する実施例または比較例の試験片(40
×40cm)を貼り付ける。 別のアクリル製箱の内側天井面に同様に、基準ファブ
リックを貼り付ける。 この基準ファブリックは脱臭剤を含有しないアクリル樹
脂組成物を塗布したものである。尚、これら試験片や基
準ファブリックを天井面に貼り付ける際には、それらの
混合樹脂エマルションを施した面が天井面と接するよう
に貼り付ける。 そして、両箱内で紙巻きタバコを2cm燃焼させる。 30分放置後、試験片および基準ファブリックを取り
出し、1時間後に残りの2つのアクリル箱内にそれぞれ
放置し、両アクリル箱を密閉する。 1時間後に、試験片の入っているアクリル箱内の臭気
強度を12人の被験者が比較評価を行なった。評価は○
△×の三段階評価とし、脱臭性能の優秀なものを○とし
た。
【0018】縫目強度試験はアムスラ型織布摩耗試験機
を利用して、試験片を荷重3kgで繰り返し引っ張って
行なったもので、2500回後の縫い目の滑脱の状態を
観察し、評価をした。尚、試験片は、幅10cm、長さ
10cmに裁断した表皮材を、たて、よこ方向各々2枚
1組で2個以上取り、2枚の試験片の表側を重ね合わ
せ、一辺の縁から10mmの位置に該一辺に平行にミシ
ンがけして貼り合わせ、さらに該一辺と垂直な2辺のそ
れぞれの縁から25mmの位置に該2辺に平行に長さ8
8mmの切り込みを計4本入れ(即ち、平行な2本の切
込みの間隔は50mmになる)て作成した。試験時には
試験機が、作成した試験片の平行な2本の切込みの間を
挟んで行なう。表1中、評価は、縫目の滑脱が1.7m
m以下のものを○で示し、1.7mm以上のものを×で
示した。
【0019】尚、比較のため、上記合成樹脂組成物を発
泡せずに、しかしそれ以外は同様の操作で表皮材を製造
(比較例1)し、脱臭性能と縫目強度を評価した。
【0020】〔実施例2〕実施例1の合成樹脂組成物に
おいて、アクリルエマルションの代わりに、ポリマー組
成がスチレン/ブタジエン/アクリル酸=50/47/
3で、その皮膜の実測したガラス転移温度(Tg)が−
35℃あるSBRラテックス(不揮発分38%)を用
い、その他は実施例1と同様な組成、操作により、不揮
発分38%の合成樹脂組成物を得た。それをオークスミ
キサーにより2.5倍に発泡せしめ、ファブリックに固
形分で80g/m2塗布、乾燥し、表皮材を得た。この
表皮材の脱臭性能と縫目強度を実施例1と同様に評価し
た。
【0021】また、比較のため、この合成樹脂組成物を
発泡させることなく(比較例2)、同様に塗布、乾燥し
て表皮材を製造した。そして、この表皮材について、実
施例1と同様に脱臭性能および縫目強度を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0022】〔実施例3〕実施例1の合成樹脂組成物に
おいて、アクリルエマルションの代わりに、1,4−ブ
タジオール/アジピン酸よりなるポリエステルとジメチ
ロールプロピオン酸、トリレンジイソシアネートを溶剤
中で反応させ、反応物を水中にて無水ピペラジン、トリ
エチルアミンの存在下で鎖伸長と水分散化を行った後、
脱溶剤して得られたポリウレタンラテックス(皮膜の実
測したTg=−15℃、不揮発分50%)を用い、その
他は実施例1と同様な組成、操作により、不揮発分38
%の合成樹脂組成物を得た。それをオークスミキサーに
より2.5倍に発泡せしめ、ファブリックに固形分で8
0g/m2塗布、乾燥して表皮材を得た。この表皮材の
脱臭性能、縫目強度を実施例1と同様に評価した。
【0023】また、比較のため、この合成樹脂組成物を
発泡させることなく(比較例3)、同様に塗布、乾燥し
て表皮材を製造した。そして、この表皮材について、実
施例1と同様に脱臭性能および縫目強度を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から、縫目強度は実施例1〜3及び比
較例1〜3のいずれも良好であったが、脱臭性能は実施
例1〜3の表皮材ではいずれも良好であるが、発泡させ
ることのない製法で得られた比較例1〜3の表皮材の脱
臭性能は低く、特に比較例3の表皮材の脱臭性能は極め
て劣っていることが明らかである。即ち、合成樹脂組成
物を基材に塗布する前に発泡させることで脱臭性能が向
上することがわかる。
【0026】〔実施例4〕アジピン酸・ネオペンチルグ
リコール、1,6ヘキサングリコール・イソホロンジイ
ソシアネートを主成分とする水性ポリウレタン樹脂(固
形分50%、溶融開始温度175℃。100%モジュラ
ス26kg/cm2)100部に三酸化アンチモン分散
液17部、デカブロモビフェニルエーテル分散液33
部、アクリルエマルション型増粘剤4部、28%アンモ
ニア水0.4部、固形分が40%となるように水を加え
て得られた水性ポリウレタンエマルションを使用し、以
下の方法で表皮材用合成樹脂組成物を得た。粒度100
メッシュ以下のセピオライト90重量部と粒度250メ
ッシュ以下の活性炭90重量部とを乾式混合し、これに
界面活性剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸ソー
ダ(分子量342)0.9重量部と平均分子量1300
00のカルボキシメチルセルロース5重量部を366重
量部の水に溶解したものを2軸型混合機を用いて混合し
た。その後、上記水性ポリウレタンエマルション(不揮
発分40%)200重量部と難燃剤の水分散液(三酸化
アンチモンとデカブロモジフェニルオキサイドとを固形
分比1:2の不揮発分60%水分散液)100重量部を
加えて混合し、さらに水を加えて不揮発分38%の合成
樹脂組成物を得た。得られた合成樹脂組成物をオークス
ミキサーにより2.5倍に発泡せしめ、ポリエステル繊
維からなるファブリックの裏面に、ドクターブレードを
用いて固形分で60g/m2塗布し、130℃の熱風乾
燥機中で20分乾燥し、表皮材を得た。得られた表皮材
の脱臭性能を評価するために、アンモニア吸着量とトル
エン吸着量とを吸着試験により求めた。また、FMVS
S−302に準拠して燃焼速度を測定し、表皮材の難燃
性を評価した。尚、FMVSSとは米国連邦自動車安全
基準(Federal Motor Vehicle SafetyStandards)のこ
とである。
【0027】尚、比較のため、上記合成樹脂組成物を発
泡せずに、それ以外は同様の操作で表皮材を製造(比較
例4)し、同様に脱臭性能と難燃性を評価した。
【0028】〔実施例5〕実施例4の合成樹脂組成物に
おいて、難燃剤としての三酸化アンチモンとデカブロモ
ジフェニルオキサイドの混合水分散液の代わりに三酸化
アンチモンとヘキサブロモフェニルオキサイドとを1:
2.5の固形分比で水中に不揮発分60%になるように
分散せしめたものを使用し、それ以外は全く同様な組
成、操作により合成樹脂組成物を得た。この合成樹脂組
成物を実施例4と同様にファブリックに塗布、乾燥し、
表皮材を製造した。この表皮材も実施例4と同様に脱臭
性能と難燃性の評価を行なった。
【0029】尚、比較のため、この合成樹脂組成物を発
泡せずに、それ以外は同様の操作で表皮材を製造(比較
例5)した。この表皮材も同様に脱臭性能と難燃性を評
価した。評価結果を表2に示す。
【0030】〔実施例6〕実施例4の合成樹脂組成物に
おいて、難燃剤としての三酸化アンチモンとデカブロモ
ジフェニルオキサイドの混合水分散液の代わりに、三酸
化アンチモンとテトラブロモビスフェノールAとを1:
3の固形分比で水中に不揮発分60%になるように分散
せしめたものを使用する以外は全く同様な組成、操作に
より合成樹脂組成物を得た。この合成樹脂組成物を実施
例4と同様にファブリックに塗布、乾燥し、表皮材を製
造した。また同様に、この表皮材の脱臭性能と難燃性を
評価した。
【0031】尚、比較のため、この合成樹脂組成物を発
泡せずに、それ以外は同様の操作で表皮材を製造(比較
例6)し、同様に、その表皮材の脱臭性能と難燃性を評
価した。評価結果を表2に示す。
【0032】
【表2】 難燃性:FMVSS−302に準拠して燃焼速度を測定
し、該燃焼速度から評価した。
【0033】表2から、合成樹脂組成物を発泡させるこ
となく布地にバッキングした比較例4〜6の表皮材の脱
臭性能は低いが、合成樹脂組成物を発泡させてバッキン
グした実施例4〜6の表皮材では脱臭性能が向上してい
るこが明らかである。さらに、難燃剤を添加することに
よって向上する難燃性も、実施例4〜6のように合成樹
脂組成物を発泡させた表皮材は、発泡させなかった比較
例4〜6の表皮材よりもより向上することがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、合成樹脂組
成物を発泡させている為、不揮発分を増加せしめること
ができると共に、必要塗布量の低減を図ることができ
る。さらにまた、脱臭性能を格段に高めることができ
る。さらに、塗布した布地の強度をも高めることができ
る。さらにまた、ポリウレタンを主成分とする合成樹脂
組成物に特定の難燃剤を添加したものであって、これを
発泡、塗布、乾燥する製造方法であれば、風合が悪くな
ることなく、脱臭性能が高まると共に、難燃性が向上す
る。
【0035】本発明の製造方法による表皮材は、特にタ
バコ臭や、ピリジン誘導体または極性の低いエステルや
スチレンからなる所謂新車臭を効果的に吸臭、除去する
ことができるので、車両内の脱臭に特に好適である。ま
た、風合いを悪化させることなく、難燃性を向上させる
ことができること、また電気伝導性を有する活性炭が含
有されているばかりでなく、さらに導電剤を配合させる
こともできることから静電気帯電防止機能や防汚機能を
付加させることもでき、車両内の内装材、特にシート用
表皮材として極めて優れているものである。尚、車両用
ばかりでなく、船舶や飛行機等の乗物は勿論のこと、住
宅用のシート表皮、カーペット、壁紙、天井材等にも適
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 15/693 D06M 15/693 // B29K 75:00 105:04 B29L 31:58 (72)発明者 山田 嘉夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 荒木 收 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 梅本 芳朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀井 満正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 関原 孝俊 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 松山 昭博 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 泉地 正章 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 梅原 瀞 大阪府高石市高師浜2−5−25 (72)発明者 富岡 黎三郎 大阪府高石市千代田2−3 (56)参考文献 特開 平2−145864(JP,A) 特開 平4−73263(JP,A) 特開 平4−73277(JP,A) 特開 平4−108166(JP,A) 特開 平5−295150(JP,A) 特開 昭61−40120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/77 - 11/79 D06M 15/00 - 15/715

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂ラテックスと、活性炭と、含水
    珪酸マグネシウム質粘土鉱物とを、重量平均分子量15
    0以上10000未満の界面活性剤と重量平均分子量1
    0000以上の界面活性剤とからなる2種類の界面活性
    剤を用いて水性媒体中に分散せしめた合成樹脂組成物を
    機械発泡手段にて発泡させた後、基材に塗布し、乾燥せ
    しめることを特徴とする吸臭性表皮材の製造方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂ラテックスがポリウレタン系樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の吸臭性表皮材
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂ラテックスがポリウレタン系樹
    脂であって、かつ難燃剤として、臭素化ジアリールオキ
    サイド及び/又は臭素化アレンと、酸化アンチモンを含
    有する合成樹脂組成物を用いることを特徴とする請求項
    1記載の吸臭性表皮材の製造方法。
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