JP3148335B2 - 車両内装材用合成樹脂組成物 - Google Patents

車両内装材用合成樹脂組成物

Info

Publication number
JP3148335B2
JP3148335B2 JP05849592A JP5849592A JP3148335B2 JP 3148335 B2 JP3148335 B2 JP 3148335B2 JP 05849592 A JP05849592 A JP 05849592A JP 5849592 A JP5849592 A JP 5849592A JP 3148335 B2 JP3148335 B2 JP 3148335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
resin composition
weight
flame retardant
skin material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05849592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05255621A (ja
Inventor
嘉夫 山田
收 荒木
芳朗 梅本
一夫 伊藤
正洽 杉浦
満正 堀井
誠次 小野田
孝俊 関原
昭博 松山
正章 泉地
瀞 梅原
黎三郎 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP05849592A priority Critical patent/JP3148335B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to EP19920112694 priority patent/EP0525671B1/en
Priority to ES92112694T priority patent/ES2077307T3/es
Priority to CA 2074606 priority patent/CA2074606C/en
Priority to DE1992601414 priority patent/DE69201414T2/de
Publication of JPH05255621A publication Critical patent/JPH05255621A/ja
Priority to US08/250,865 priority patent/US5539015A/en
Priority to US08/592,232 priority patent/US5622778A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3148335B2 publication Critical patent/JP3148335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に車両の内装材に使
用される合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維素材のバッキングには、合成樹脂ラ
テックスが使用されており、それに無機系難燃剤と有機
系難燃剤とを併用する事は周知のことである。例えば、
テトラブロモビスフェノールAと三酸化アンチモンとを
組み合わせて合成樹脂ラテックスに添加した車両内装材
用合成樹脂組成物が知られており、これは難燃性に優れ
ている。車両内装材用合成樹脂組成物としては、アクリ
ル系樹脂、活性炭、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物と
が界面活性剤により水性媒体中に分散している車両内装
材用合成樹脂組成物が知られている(特開平2−145
864号公報参照)。この合成樹脂組成物は車両内の悪
臭に対し優れた脱臭機能を発揮するとともに、静電気を
除去する機能を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の知見によれば、活性炭や含水珪酸マグネシウム質
粘土鉱物等の脱臭剤とテトラブロモビスフェノールAと
三酸化アンチモン乃至は五酸化アンチモン等の無機系難
燃剤とを組み合わせて用いると、確かに難燃性は向上す
るものの、脱臭性が低下するという欠点がある。また、
車両の天井材として、ガラス転移温度が−20℃以下の
アクリル系樹脂を用いると樹脂が軟質の為天井の成形が
困難になり、またガラス転移温度が+20℃以上のアク
リル系樹脂を用いると樹脂が硬質の為これも天井の成形
が困難になるという欠点があった。また、シート表皮材
として、ガラス転移温度が0℃以上のアクリル樹脂を用
いると風合いが硬くなり、シートの仕上がりに悪影響を
及ぼし、ガラス転移温度が−55℃以下のアクリル樹脂
を用いると布地への接着強度が劣るという欠点があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑みて鋭意検討したところ、活性炭や含水珪酸マグネ
シウム質粘土鉱物等の脱臭剤を含有する合成樹脂ラテッ
クスからなる車両内装材用合成樹脂組成物に用いる有機
系難燃剤として、特定の難燃剤を用いると、脱臭性を損
なわず難燃性にも優れるバッキングを行えることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】請求項1記載の合成樹脂組成物は、合成樹
脂ラテックスと、活性炭と、含水珪酸マグネシウム質粘
土鉱物と、酸化アンチモンと、臭素化ジアリールオキサ
イド及び/又は臭素化アレンとを、界面活性剤で水性媒
体中に分散せしめてなることを特徴とするものである。
【0006】ここで、界面活性剤として、重量平均分子
量150以上10000未満の界面活性剤と重量平均分
子量10000以上の界面活性剤とを併用する。
【0007】本発明では用いる界面活性剤として、その
重量平均分子量が150以上10000未満のものと、
重量平均分子量が10000以上の高分子化合物との混
合物とを使用することもさらに特徴とするものである。
【0008】重量平均分子量が150以上10000未
満である界面活性剤としては、アルキルナフタレンスル
フォン酸ソーダ、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等が挙げら
れる。重量平均分子量が10000以上の界面活性剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、スチレン−マレイン酸共重合体等の合成高分子、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等のセルロース誘導体がある。重
量平均分子量が150以上10000未満の界面活性剤
の配合量としては、充填剤としての前記活性炭と含水珪
酸マグネシウム質粘土鉱物の総量100重量部(固形
分)に対し、0.3〜10重量部となる範囲が好まし
い。前記範囲であれば、充填剤(活性炭と含水珪酸マグ
ネシウム質粘土鉱物)の分散効果が十分であり、しかも
分散不良も引き起こしにくいからである。また、重量平
均分子量が10000以上の界面活性剤の配合量として
は、前記充填剤(活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘土
鉱物)の固形分100重量部に対し、0.1〜10重量
部となる範囲が望ましい。前記範囲であれば、配合物の
安定性が十分であり、増粘効果が小さく作業上も好まし
い。本発明で用いられる合成樹脂ラテックスとしては、
ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ酢酸ビニルラ
テックス、ポリウレタンラテックス、ポリエチレンラテ
ックス及びこれらの変性体、共重合体等が挙げられる。
その他、変性天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アク
リルニトリルブタジエンゴム、イソブチレンゴム、イソ
プレンゴム等、ゴムラテックスが挙げられる。また、含
水珪酸マグネシウム質質粘土鉱物としては、セピオライ
ト、シロタイル、ラフリナイト、ファルコンドアイト、
パリゴルスカイト等が挙げられる。通称でマウンテンコ
ルク、マウンテンレザー、マウンテンウッド、海泡石、
アタパルジャイトと呼ばれるものはこれにあたる。これ
らを400〜800℃の温度で焼成したものを用いても
よい。本発明で用いられる無機系難燃剤である酸化アン
チモンとしては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが
挙げられる。また、特定の有機系難燃剤である臭素
アリールオキサイドとしては、デカブロモジフェニルオ
キサイド、ヘキサブロモフェニルオキサイド、ペンタ
ブロモジフェニルオキサイド等が挙げられ、臭素化ベン
ゼンとしては、ヘキサブロムベンゼンが挙げられる。こ
れは一種乃至二種以上の混合物として用いてもよい。
【0009】本発明に於ける、この合成樹脂ラテック
ス、活性炭、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、無機系
難燃剤、有機系難燃剤の配合比率は、合成樹脂ラテック
スの固形分100重量部に対し、活性炭と含水珪酸マグ
ネシウム質粘土鉱物の合計固形分は50〜200重量
部、無機系難燃剤と有機系難燃剤の合計固形分は30〜
100重量部であることが好ましい。さらに、活性炭と
含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物の総量のうち、活性炭
の含有率は10〜80重量%とするのが好ましい。ま
た、無機系難燃剤と有機系難燃剤の総量のうち、無機系
難燃剤は20〜50重量%、より好ましくは25〜35
重量%が良い。上記、合成樹脂ラテックス、活性炭、含
水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、無機系難燃剤、有機系
難燃剤と界面活性剤とを水中に分散せしめた合成樹脂組
成物は、通常、その不揮発分を30〜60重量%、より
好ましくは、35〜50重量%の範囲に調整せしめて使
用される。この合成樹脂組成物は布地等に塗布、乾燥し
た後、特に車両用表皮材として好適に用いられる。塗布
量は、固形分量で30〜200g/m2の範囲が好まし
い。塗布量が前記範囲であれば、皮膜の接着強度が十分
であり、しかもその風合いも良好である。以上により作
成された表皮材は、機能(脱臭性能、難燃性能)と共に
車両用表皮材としての要求性能をも満足する。さらに、
本発明の合成樹脂組成物にはその本来の性能を損なわな
い範囲で導電剤、架橋剤等を併用してもよい。本発明の
合成樹脂組成物は車両内装材用途以外にも住宅用のカー
ペット、壁紙、天井材等にも適用することが出来る。
尚、車両だけでなく、船舶や飛行機等の内装材に適用で
きるのは勿論のことである。
【0010】さらに、本発明者等は、活性炭や含水珪酸
マグネシウム質粘土鉱物の脱臭剤を含有する合成樹脂ラ
テックスからなる車両内装材用合成樹脂組成物に難燃剤
として、特定のものを用いると、脱臭性を損なわず難燃
性にも優れ、さらに、合成樹脂ラテックスとしてスチレ
ンを5〜45重量%含有し、かつ皮膜の実測ガラス転移
温度が−20℃〜+20℃であるアクリル系樹脂を用い
ることにより特に成形性に優れるバッキングを行えるこ
とを見出した。
【0011】請求項記載の発明は、合成樹脂ラテック
スが、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1
記載の車両内装材用合成樹脂組成物である。
【0012】請求項記載の発明は、合成樹脂ラテック
スが、スチレンを5〜45重量%含んでなるアクリル系
共重合体であって、かつ皮膜のガラス転移温度が−20
〜+20℃であるアクリル系共重合体であることを特徴
とする請求項1記載の車両内装材用合成樹脂組成物であ
る。この特定のアクリル樹脂を用いた本発明の組成物
は、特に天井材用として好適である。
【0013】この発明で用いられるアクリル系樹脂とし
ては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重
合体を主成分とするものであり、共重合体中のスチレン
含有率が5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%
で、かつ皮膜の実測ガラス転移温度が−20℃〜+20
℃であるものが良い。スチレン含有量が前記範囲内のア
クリル系樹脂であると、特に天井材として使用する際、
硬質化することもなく、かつ軟質過ぎることもなく成形
性が良好であるので好ましい。
【0014】ここで主成分となる(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸グリシルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル等がある。これらと併用して用いられる共重合
可能なエチレン性不飽和単量体としては、スチレン、
(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸等がある。これらの単量体のうち、主成分となる
(メタ)アクリル酸エステルの含有量は50重量%以上
が好ましい。この発明でのアクリル樹脂より得られる皮
膜のガラス転移温度(Tg)は−20〜+20℃とする
のが好ましく、この調整方法としては上記単量体を適宜
組み合わせることにより調整することができる。本発明
でのアクリル樹脂の製造方法については、特に限定され
ることはなく、公知慣用の乳化重合法によって得られ
る。
【0015】また、合成樹脂ラテックスがアクリル系樹
脂である発明であっても、含水珪酸マグネシウム質粘土
鉱物としては、上記同様、セピオライト、シロタイル、
ラフリナイト、ファルコンドアイト、パリゴルスカイト
等が挙げられる。通称マウンテンコルク、マウンテンレ
ザー、マウンテンウッド、海泡石、アタパルジャイトと
呼ばれるものはこれにあたる。これらを400〜800
℃の温度で焼成したものを用いてもよい。本発明で用い
られる無機系難燃剤である酸化アンチモンとしては三酸
化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられる。また、
特定の有機系難燃剤である臭素ジアリールオキサイド
としては、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブ
ロモフェニルオキサイド、ペンタブロモジフェニル
キサイド等が挙げられ、臭素化ベンゼンとしては、ヘキ
サブロムベンゼンが挙げられる。これは一種乃至二種以
上の混合物として用いてもよい。
【0016】この発明に於ける、アクリル系樹脂、活性
炭、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、無機系難燃剤、
有機系難燃剤の配合比率は、アクリル系樹脂の固形分1
00重量部に対し、活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘
土鉱物の合計固形分が50〜200重量部、無機系難燃
剤と有機系難燃剤の合計固形分が30〜100重量部で
あることが好ましい。さらに、活性炭と含水珪酸マグネ
シウム質粘土鉱物の総量のうち、活性炭の含有率は10
〜80重量%とするのが好ましい。また、無機系難燃剤
と有機系難燃剤の総量のうち、無機系難燃剤は20〜5
0重量%、より好ましくは25〜35重量%が良い。こ
のアクリル系樹脂、活性炭、含水珪酸マグネシウム質粘
土鉱物、無機系難燃剤、有機系難燃剤と界面活性剤とを
水中に分散せしめてなる合成樹脂組成物は、通常、その
不揮発分を30〜60重量%、より好ましくは、35〜
50重量%の範囲に調整せしめて使用される。この合成
樹脂組成物は布地等に塗布、乾燥した後、特に車両用内
装材、中でも天井材として好適に用いられる。その他、
この発明の合成樹脂組成物にはその本来の性能を損なわ
ない範囲で導電剤、架橋剤等を併用してもよい。この発
明の合成樹脂組成物は車両用内装材用途以外にも住宅用
カーペット、壁紙、天井材等にも適用することが出来
る。
【0017】さらに、本発明者等は、活性炭や含水珪酸
マグネシウム質粘土鉱物等の脱臭剤を含有するアクリル
系樹脂からなる車両内装材用合成樹脂組成物に用いる有
機系難燃剤として、特定のものを用いると、脱臭性を損
なわず難燃性にも優れ、かつガラス転移温度が−55℃
〜0℃であるアクリル樹脂を用いることにより特にシー
ト用表皮材として風合いに優れ、かつ布地への接着強度
にも優れるバッキングを行えることを見出した。
【0018】請求項記載の発明は、合成樹脂ラテック
スが、平均粒子径0.2〜0.6μmで、かつ皮膜のガラ
ス転移温度が−55℃〜0℃であるアクリル系共重合体
であることを特徴とする請求項1記載の車両内装材用合
成樹脂組成物である。
【0019】この発明で用いられる(メタ)アクリル酸
エステルとしては、(メタ)アクリル酸アクリルエステ
ル類、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリ
シルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル等がある。これらと併用して用いられる共重合可能な
エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸等
がある。これらの単量体のうち、主成分となる(メタ)
アクリル酸エステルの含有量は、50重量%以上が好ま
しい。この発明でのアクリル樹脂より得られる皮膜のガ
ラス転移温度(Tg)は−55〜0℃とするのが好まし
く、この調整方法としては上記単量体を適宜組み合わせ
ることにより調整することができる。この発明でのアク
リル樹脂の製造方法については、特に限定されることは
なく、公知慣用の乳化重合法によって得られる。平均粒
子径が0.2〜0.6μmのアクリル系共重合体を用いる
と、この範囲外のものを用いた場合に比べて内装材の吸
臭性が良く、樹脂自体の臭気も少なくなる傾向がある。
【0020】また、ガラス転移温度が−55℃〜0℃の
アクリル系樹脂を使用する発明であっても、含水珪酸マ
グネシウム質粘土鉱物としては、上記同様、セピオライ
ト、シロタイル、ラフリナイト、ファルコンドアイト、
パリゴルスカイト等が挙げられる。通称マウンテンコル
ク、マウンテンレザー、マウンテンウッド、海泡石、ア
タパルジャイトと呼ばれるものはこれにあたる。これら
を400〜800℃の温度で焼成したものを用いてもよ
い。本発明で用いられる無機系難燃剤である酸化アンチ
モンとしては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが挙
げられる。また、特定の有機系難燃剤である臭素ジア
リールオキサイドとしては、デカブロモジフェニルオキ
サイド、ヘキサブロモフェニルオキサイド、ペンタブ
ロモジフェニルオキサイド等が挙げられ、臭素化ベンゼ
としては、ヘキサブロムベンゼンが挙げられる。これ
は一種乃至二種以上の混合物として用いてもよい。
【0021】この発明に於ける、アクリル系樹脂、活性
炭、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、無機系難燃剤、
有機系難燃剤の配合比率は、アクリル系樹脂の固形分1
00重量部に対し、活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘
土鉱物の合計固形分が50〜200重量部、無機系難燃
剤と有機系難燃剤の合計固形分が30〜100重量部で
あることが好ましい。さらに、活性炭と含水珪酸マグネ
シウム質粘土鉱物の総量のうち、活性炭の含有率は10
〜80重量%とするのが好ましい。また、無機系難燃剤
と有機系難燃剤の総量のうち、無機系難燃剤は20〜5
0重量%、より好ましくは25〜35重量%が良い。こ
のアクリル系樹脂、活性炭、含水珪酸マグネシウム質粘
土鉱物、無機系難燃剤、有機系難燃剤と界面活性剤とを
水中に分散せしめた合成樹脂組成物は、通常、その不揮
発分を30〜60重量%、より好ましくは、35〜50
重量%の範囲に調整せしめて使用される。
【0022】この合成樹脂組成物は布地等に塗布、乾燥
した後、特に車両用内装材、中でもシートの表皮材とし
て好適に用いられる。その他、この発明の合成樹脂組成
物にはその本来の性能を損なわない範囲で導電剤、架橋
剤等を併用してもよい。この発明の合成樹脂組成物は車
両用内装材用途以外にも住宅用カーペット、壁紙、天井
材等にも適用することが出来る。
【0023】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、以下、部、及び%は特記無き限り重量基準とす
る。
【0024】〔実施例1〕高分子ラテックスとして、ポ
リマー組成が、ブチルアクリレート/メチルアクリレー
ト/アクリル酸=80/18/2(重量比)で、その皮
膜のガラス転移温度(Tg;レオメトリック社製動的粘
弾性測定装置「レオメトリクトPSAII」により測定し
た値。以下の実施例においても同様)が−25℃である
アクリルエマルション(不揮発分50%)を使用して、
以下の方法で表皮材用合成樹脂組成物を得た。粒度10
0メッシュ以下のセピオライト90重量部と粒度250
メッシュ以下の活性炭90重量部とを乾式混合し、これ
に界面活性剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸ソ
ーダ(分子量342)0.9重量部と平均分子量130
000のカルボキシメチルセルロース5重量部を366
重量部の水に溶解したものを、2軸型混合機を用いて混
合した。その後、上記アクリルエマルション(不揮発分
50%)200重量部と、難燃剤の水分散液(三酸化ア
ンチモンとデカブロモジフェニルオキサイド(固形分比
1:2。不揮発分60%水分散液))100重量部を加
えて混合し、さらに水を添加して不揮発分40%の合成
樹脂組成物を得た。これをポリエステル繊維からなるフ
ァブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形分で
130g/m2塗布し、乾燥して表皮材を得た。得られ
た表皮材の脱臭性をタバコのしみつき臭の官能試験によ
り評価した。これは以下の手順にて行なったものであ
る。 45×45×45cmのアクリル製箱を4つ用意する。 用意したアクリル製箱の1つを選び、その箱の内側天
井面に試験に供する実施例または比較例の試験片(40
×40cm)を貼り付ける。 別のアクリル製箱の内側天井面に同様に、基準ファブ
リックを貼り付ける。この基準ファブリックは脱臭剤を
含有しないアクリル樹脂組成物を塗布したものである。
尚、これら試験片や基準ファブリックを天井面に貼り付
ける際には、それらの混合樹脂エマルションを施した面
が天井面と接するように貼り付ける。 そして、両箱内で紙巻きタバコを2cm燃焼させる。 30分放置後、試験片および基準ファブリックを取り
出し、1時間後に残りの2つのアクリル箱内にそれぞれ
放置し、両アクリル箱を密閉する。 1時間後に、試験片の入っているアクリル箱内の臭気
強度を12人の被験者が比較評価を行なった。評価は○
△×の三段階評価とし、脱臭性能の優秀なものを○とし
た。
【0025】また、この表皮材の縦方向の燃焼速度をF
MVSS−302に準拠して測定し、難燃性を評価し
た。表1中、燃焼速度が10cm/min.以下であるものを
○とした。尚、FMVSSとは米国連邦自動車安全基準
(Federal Motor Vehicle SafetyStandards)のことで
ある。評価結果を表1に示す。
【0026】〔実施例2〕 実施例1の合成樹脂組成物において、難燃剤として三酸
化アンチモンとヘキサブロモフェニルオキサイドとを
1:2.5の固形分比で水中に不揮発分60%になるよ
う分散せしめたものを同量使用する以外は全く同様な組
成、操作により合成樹脂組成物を得た。この合成樹脂組
成物を実施例1と同様に、ファブリックに塗布、乾燥し
て表皮材を得た。そして、実施例1と同様に、得られた
表皮材の脱臭性、難燃性を評価した。評価結果を表1に
示す。
【0027】〔実施例3〕 実施例1の合成樹脂組成物において、難燃剤として三酸
化アンチモンとデカブロモジフェニルオキサイドの混合
水分散液の代わりに三酸化アンチモンとペンタブロモ
フェニルオキサイドとを1:2.5の固形分比で水中に
不揮発分60%になるよう分散せしめたものを同量使用
し、それ以外は全く同様な組成、操作により合成樹脂組
成物を得た。この合成樹脂組成物を実施例1と同様に、
ファブリックに塗布、乾燥して表皮材を得た。そして、
実施例1と同様に、その表皮材の脱臭性、難燃性を評価
した。評価結果を表1に示す。
【0028】〔実施例4〕実施例1の合成樹脂組成物に
おいて用いた難燃剤に代えて、五酸化アンチモンとヘキ
サブロムベンゼンとを1:2.5の固形分比で水中に不
揮発分60%になるよう分散せしめたものを同量使用
し、それ以外は全く同様な組成、操作により合成樹脂組
成物を得た。この合成樹脂組成物を実施例1と同様に、
ファブリックに塗布、乾燥して表皮材を得た。そして、
実施例1と同様に、その表皮材の脱臭性、難燃性を評価
した。評価結果を表1に示す。
【0029】〔実施例5〕実施例1の合成樹脂組成物に
おいて、アクリルエマルションの代わりにポリマー組成
がスチレン/ブタジエン/アクリル酸=50/47/3
で、その皮膜の実測したガラス転移温度(Tg)が−3
5℃であるSBRラテックス(不揮発分50%)を用
い、その他は実施例1と同様な組成、操作により、合成
樹脂組成物を得た。この合成樹脂組成物を実施例1と同
様に、ファブリックに塗布、乾燥して表皮材を得た。そ
して、実施例1と同様に、その表皮材の脱臭性、難燃性
を評価した。評価結果を表1に示す。
【0030】〔実施例6〕実施例1の合成樹脂組成物に
おいて、アクリルエマルションの代わりに、1,4−ブ
タジオール/アジピン酸よりなるポリエステルとジメチ
ロールプロピオン酸、トリレンジイソシアネートを溶剤
中で鎖伸長と水分分散を行った後、脱溶剤して得られた
ポリウレタンラテックス(皮膜の実測したTg=−15
℃。不揮発分50%)を用い、その他は実施例1と同様
な組成、操作により、合成樹脂組成物を得た。この合成
樹脂組成物を実施例1と同様にファブリックに塗布、乾
燥して表皮材を得た。そして、実施例1と同様に、その
表皮材の脱臭性、難燃性を評価した。評価結果を表1に
示す。
【0031】〔比較例1〕実施例1の合成樹脂組成物に
用いた難燃剤に代えて、三酸化アンチモンとテトラブロ
モビスフェノールAとを1:3の固形分比で水中に不揮
発分60%になるよう分散せしめたものを同量使用し、
それ以外は全く同様な組成、操作により合成樹脂組成物
を得た。この合成樹脂組成物を実施例1と同様に、ファ
ブリックに塗布、乾燥して表皮材を得た。そして、実施
例1と同様に、その表皮材の脱臭性、難燃性を評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0032】〔比較例2〕実施例5の合成樹脂組成物に
おいて、用いた難燃剤に代えて三酸化アンチモンとテト
ラブロモビスフェノールAエチレノキサイド付加物とを
1:3の固形分比で水中に不揮発分60%になるよう分
散せしめたものを同量使用し、それ以外は、全く同様な
組成、操作により合成樹脂組成物を得た。この合成樹脂
組成物を実施例1と同様に、ファブリックに塗布、乾燥
して表皮材を得た。そして、実施例1と同様に、その表
皮材の脱臭性、難燃性を評価した。評価結果を表1に示
す。
【0033】〔比較例3〕実施例6の組成物において、
用いた難燃剤に代えて五酸化アンチモンとテトラブロモ
無水フタル酸とを1:3の固形分比で水中に不揮発分6
0%になるように分散せしめたものを同量使用し、それ
以外は、全く同様な組成、操作により合成樹脂組成物を
得た。この合成樹脂組成物を実施例1と同様に、ファブ
リックに塗布、乾燥して表皮材を得た。そして、実施例
1と同様に、その表皮材の脱臭性、難燃性を評価した。
評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から、実施例1〜6の表皮材では良好
な脱臭性を有すると共に、高い難燃性を有していること
がわかる。しかしながら、本発明に該当しない比較例1
〜3の表皮材は良好な難燃性は有しているものの、満足
に脱臭性能を有していないことが明らかである。
【0036】〔実施例7〕アクリル系樹脂エマルション
として、そのポリマー組成がブチルアクリレート/スチ
レン/アクリル酸=65/35/2で、その皮膜のガラ
ス転移温度(Tg:(レオメトリック社製動的粘弾性測
定装置「レオメトリクトPSAII」により測定))が−
5℃であるアクリル系樹脂エマルション(固形分50
%)を使用して、以下の方法で表皮材にバッキングする
合成樹脂組成物を得た。
【0037】粒度100メッシュ以下のセピオライト9
0重量部と粒度250メッシュ以下の活性炭90重量部
とを乾式混合し、これに界面活性剤としてアルキルナフ
タレンスルフォン酸ソーダ(分子量342)0.9重量
部と平均分子量130000のカルボキシメチルセルロ
ース5重量部を366重量部の水に溶解したものを、2
軸型混合機により混合した。
【0038】その後、上記アクリルエマルション(不揮
発分50%)200重量部と難燃剤の水分散液(三酸化
アンチモンとデカブロモジフェニルオキサイド。固形分
比1:2。不揮発分60%水分散液)100重量部を加
えて混合し、さらに水を加えて不揮発分38%の合成樹
脂組成物を得た。得られた合成樹脂組成物を、ポリエス
テル繊維からなるファブリックの裏面に、ドクターブレ
ードを用いて固形分で80g/m2塗布し、130℃の
熱風乾燥機中で20分間乾燥し、表皮材を得た。
【0039】実施例1と同様に、得られた表皮材の脱臭
性を評価した。さらにまた実施例1と同様に、FMVS
S−302に準拠して燃焼速度を測定し、その燃焼速度
から難燃性を評価した。また車両の天井用としての成形
性を調べる為に、得られた表皮材と天井用基材の間に接
着シートを挟み、この積層体をプレス機により成形し、
その際の表皮材と基材の成形性について評価した。
【0040】〔比較例4〕実施例7において、スチレン
に代えて同量のメチルメタクリレートを用い、それ以外
は実施例7と全く同様にして表皮材を製造した。そし
て、実施例7と同様に、この表皮材の脱臭性、難燃性、
成形性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0041】〔比較例5〕実施例7において、アクリル
樹脂として、ブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト/アクリル酸=80/18/2を用いた(Tg=−2
5℃)。それ以外は実施例7と同様にして表皮材を製造
した。そして、実施例7と同様に、この表皮材の脱臭
性、難燃性、成形性を評価した。評価結果を表2に示
す。
【0042】〔比較例6〕実施例7において、アクリル
樹脂として、ブチルアクリレート/スチレン/アクリル
酸=35/63/2を用いた(Tg=+34℃)。それ
以外は実施例7と同様にして表皮材を製造した。そし
て、実施例7と同様に、この表皮材の脱臭性、難燃性、
成形性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から、実施例7の表皮材は脱臭性、難
燃性、成形性のいずれも良好であることがわかる。しか
しながら、スチレンを含有しない合成樹脂組成物をバッ
キングした比較例4の表皮材では、脱臭性と難燃性は良
好であるものの、成形性が劣り天井材等のように特に成
形性を要するものには不適である。また、ガラス転移温
度(Tg)が−25℃(−20℃未満)である合成樹脂
組成物をバッキングした比較例5の表皮材も、脱臭性と
難燃性は良好であるものの成形性が劣り天井材等のよう
に特に成形性を要するものには不適である。
【0045】さらに、ガラス転移温度(Tg)が+34
℃(+20℃以上)である合成樹脂組成物をバッキング
した比較例6の表皮材は、難燃性は良好であるものの、
脱臭性と成形性が僅かに劣っていることがわかる。よっ
て、やはり天井材等のように特に成形性を要するものに
は不適である。従って、実施例7に示す合成樹脂組成物
は脱臭性と難燃性の他に、特に高い成形性が要求され
る、例えば天井材等に好適に使用される。
【0046】〔実施例8〕高分子ラテックスとして、粒
径が0.2〜0.6μmの範囲内で、ポリマー組成が、ブ
チルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸=
80/18/2 (重量比)で、その皮膜のガラス転移温
度(Tg;レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「レ
オメトリクトPSAII」により測定した値。以下の実施
例においても同様)が−25℃であるアクリルエマルシ
ョン(不揮発分50%)を使用して、以下の方法で表皮
材用合成樹脂組成物を得た。
【0047】粒度100メッシュ以下のセピオライト9
0重量部と粒度250メッシュ以下の活性炭90重量部
とを乾式混合し、これに界面活性剤としてアルキルナフ
タレンスルフォン酸ソーダ(分子量342)0.9重量
部と平均分子量130000のカルボキシメチルセルロ
ース5重量部を366重量部の水に溶解したものを2軸
型混合機を用いて混合した。
【0048】その後、上記アクリルエマルション(不揮
発分50%)200重量部と、難燃剤の水分散液(三酸
化アンチモンとデカブロモジフェニルオキサイド(固形
分比1:2。不揮発分60%水分散液))100重量部
を加えて混合し、さらに水を添加して不揮発分40%の
合成樹脂組成物を得た。これをポリエステル繊維からな
るファブリックの裏面にドクターブレードを用いて固形
分で130g/m2塗布し、乾燥して表皮材を得た。
【0049】実施例1と同様に、得られた表皮材の脱臭
性能を官能試験にて評価した。さらにまた、表皮材の縦
方向の燃焼速度をFMVSS−302に準拠して測定
し、難燃性を評価した。さらに、風合い、縫目強度を評
価した。縫目強度試験はアムスラ型織布摩耗試験機を利
用して、試験片を荷重3kgで繰り返し引っ張って行な
ったもので、2500回後の縫い目の滑脱の状態を観察
し、評価をした。尚、試験片は、幅10cm、長さ10
cmに裁断した表皮材を、たて、よこ方向各々2枚1組
で2個以上取り、2枚の試験片の表側を重ね合わせ、一
辺の縁から10mmの位置に該一辺に平行にミシンがけ
して貼り合わせ、さらに該一辺と垂直な2辺のそれぞれ
の縁から25mmの位置に該2辺に平行に長さ88mm
の切り込みを計4本入れ(即ち、平行な2本の切込みの
間隔は50mmになる)て作成した。試験時には試験機
が、作成した試験片の平行な2本の切込みの間を挟んで
行なう。表3中、評価は、縫目の滑脱が2.2mm以下
のものを○で示し、2.2mm以上のものを×で示し
た。また、風合いは触感による判定した。評価結果を表
3に示す。
【0050】〔比較例7〕実施例8において、ポリマー
組成が、ブチルアクリレート/メチルアクリレート/ア
クリル酸=90/8/2(重量比)で、その皮膜のガラ
ス転移温度が−55℃のアクリルエマルション(不揮発
分50%)を使用し、それ以外は実施例8と同様にして
表皮材を製造した。
【0051】実施例8と同様に、この表皮材の脱臭性、
難燃性、風合い、縫目強度を評価した。評価結果を表3
に示す。
【0052】〔比較例8〕実施例8で、ポリマー組成
が、ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリ
ル酸=50/48/2(重量比)で、その皮膜のガラス
転移温度が+5℃のアクリルエマルション(不揮発分5
0%)を使用し、それ以外は実施例8と同様にして表皮
材を製造した。
【0053】実施例8と同様に、この表皮材の脱臭性、
難燃性、風合い、縫目強度を評価した。評価結果を表3
に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から、実施例8の表皮材は脱臭性、難
燃性、風合い、縫目強度のいずれも良好であることがわ
かる。しかしながら、ガラス転移温度が−55℃の合成
樹脂組成物をバッキングした比較例7の表皮材では脱臭
性、難燃性および風合いは良好であるものの、縫目強度
が劣り、例えばシート表皮のように特に縫目強度を必要
とするものには不適である。また、ガラス転移温度が+
5℃の合成樹脂組成物をバッキングした比較例8の表皮
材では脱臭性、難燃性および縫目強度が良好であるもの
の、風合いが劣りやはりシート表皮のように特に優れた
風合いを要するものには不適である。従って、実施例8
に示す表皮材は良好な風合いと縫目強度を特に要するも
の、例えばシート表皮等に好適である。
【0056】
【発明の効果】本発明の合成樹脂組成物は、合成樹脂ラ
テックスと活性炭と含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物と
無機系難燃剤と有機系難燃剤を界面活性剤で水性媒体中
に分散せしめてなるもので、無機系難燃剤と有機系難燃
剤に特定のものを適用することで脱臭性と難燃性を高次
元で両立させるものである。さらに、界面活性剤として
分子量の異なるもの、即ち重量平均分子量が150以上
10000未満の界面活性剤と重量平均分子量が100
00以上の界面活性剤を併用することで、脱臭性をより
高めることができる。さらに、合成樹脂ラテックスにア
クリル系共重合体を使用し、そのアクリル系共重合体が
スチレンを5〜45重量%含有すると共に、ガラス転移
温度が−20℃〜+20℃であれば、脱臭性と難燃性を
向上すると共に成形性を向上することができるものであ
る。従って、例えば天井材等のように特に成形性を必要
とするものに優れている。さらに、合成樹脂ラテックス
にアクリル系共重合体を使用し、そのアクリル系共重合
体の平均粒子径が0.2〜0.6μmであると共に、ガラ
ス転移温度が−55℃〜0℃であれば、内装材の樹脂の
臭気も少なく、しかも脱臭性と難燃性を向上すると共に
バッキングした表皮材の風合いと強度を共に高めること
ができるものである。従ってシート表皮材として特に優
れている。
【0057】尚、高い脱臭性、難燃性、成形性を有する
と共に、強度の高い本発明の合成樹脂組成物は、車両の
内装材の他にも船舶や飛行機等の乗物の内装材は云うま
でもなく、住宅用カーペット、壁紙等にも好ましく使用
できるのは勿論である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 133/06 133/06 201/00 201/00 (72)発明者 山田 嘉夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 荒木 收 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 梅本 芳朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 伊藤 一夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀井 満正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 関原 孝俊 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 松山 昭博 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 泉地 正章 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 梅原 瀞 大阪府高石市高師浜2−5−25 (72)発明者 富岡 黎三郎 大阪府高石市千代田2−3 (56)参考文献 特開 昭59−38265(JP,A) 特開 昭62−62871(JP,A) 特許2948622(JP,B2) 特許2651613(JP,B2) 特許3041115(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 1/00 - 13/08 C09D 1/00 - 201/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂ラテックスと、活性炭と、含水
    珪酸マグネシウム質粘土鉱物と、酸化アンチモンと、臭
    素化ジアリールオキサイド及び/又は臭素化ベンゼン
    を、界面活性剤で水性媒体中に分散せしめた合成樹脂組
    成物であって、前記界面活性剤として、重量平均分子量
    150以上10000未満の界面活性剤と重量平均分子
    量10000以上の界面活性剤とを併用することを特徴
    とする車両内装材用合成樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 合成樹脂ラテックスが、アクリル系樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の車両内装材用合
    成樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 合成樹脂ラテックスが、スチレンを5〜
    45重量%含んでなるアクリル系共重合体であって、か
    つ皮膜のガラス転移温度が−20〜+20℃であるアク
    リル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
    車両内装材用合成樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 合成樹脂ラテックスが、平均粒子径0.
    2〜0.6μmで、かつ皮膜のガラス転移温度が−55
    ℃〜0℃であるアクリル系共重合体であることを特徴と
    する請求項1記載の車両内装材用合成樹脂組成物。
JP05849592A 1991-07-25 1992-03-16 車両内装材用合成樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3148335B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05849592A JP3148335B2 (ja) 1992-03-16 1992-03-16 車両内装材用合成樹脂組成物
ES92112694T ES2077307T3 (es) 1991-07-25 1992-07-24 Composicion de resina sintetica.
CA 2074606 CA2074606C (en) 1991-07-25 1992-07-24 Synthetic resin composition and interior material coated with the same
DE1992601414 DE69201414T2 (de) 1991-07-25 1992-07-24 Synthetische Harzzusammensetzung und daraus hergestelltes poröses Oberflächematerial.
EP19920112694 EP0525671B1 (en) 1991-07-25 1992-07-24 Synthetic resin composition and interior material coated with the same
US08/250,865 US5539015A (en) 1991-07-25 1994-05-27 Synthetic resin composition and interior material coated with the same
US08/592,232 US5622778A (en) 1991-07-25 1996-01-26 Synthetic resin composition and interior material coated with the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05849592A JP3148335B2 (ja) 1992-03-16 1992-03-16 車両内装材用合成樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05255621A JPH05255621A (ja) 1993-10-05
JP3148335B2 true JP3148335B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=13086007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05849592A Expired - Fee Related JP3148335B2 (ja) 1991-07-25 1992-03-16 車両内装材用合成樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3148335B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6414070B1 (en) * 2000-03-08 2002-07-02 Omnova Solutions Inc. Flame resistant polyolefin compositions containing organically modified clay
JP4949689B2 (ja) * 2006-01-31 2012-06-13 株式会社イーテック バッキング用樹脂組成物
JP5180654B2 (ja) * 2008-04-02 2013-04-10 高圧ガス工業株式会社 水系樹脂組成物
JPWO2019003917A1 (ja) * 2017-06-29 2020-04-23 Nok株式会社 架橋アクリルゴム成形体の製造方法、アクリルゴム組成物およびシール材
JP2019156958A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 有限会社ケイエスケイ 水性塗料およびこれを塗布した被塗布物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05255621A (ja) 1993-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0525671B1 (en) Synthetic resin composition and interior material coated with the same
EP0011829B1 (en) Blends of clay, processing oils and ethylene/vinyl ester copolymers and the process for preparing them
JPH06869B2 (ja) 舗装標識用シート材料
US5622778A (en) Synthetic resin composition and interior material coated with the same
JPS6241976B2 (ja)
WO2017190935A1 (de) Selbstklebemasse auf kautschukbasis
US3779857A (en) Textile laminating compositions and composite textile structures laminated therewith
JP3148335B2 (ja) 車両内装材用合成樹脂組成物
JP3349745B2 (ja) 床及び壁被覆材組成物
JP5274784B2 (ja) 難燃性樹脂水性エマルジョンおよびその製造法
JP4162107B2 (ja) 車両内装品の表皮材用合成樹脂組成物
JP3093859B2 (ja) 吸臭性表皮材の製造方法
JPH09104798A (ja) 壁装飾用熱膨張性被覆組成物および凹凸模様を有する壁紙
JP3041115B2 (ja) 水性分散体
JP2000253986A (ja) バッキング用組成物およびカーペットの加工方法
JP2939031B2 (ja) 合成樹脂組成物
JPS6231753B2 (ja)
JP3934796B2 (ja) 床材
JPH01153782A (ja) 難燃性接着剤
JPS62187777A (ja) 難燃性接着剤
JP3610613B2 (ja) 振動衝撃エネルギー吸収材用組成物及びそれから得られる振動衝撃エネルギー吸収フォーム
JPS60185869A (ja) カ−ペツト裏打ち用接着剤組成物
JPS5841972A (ja) 敷物用難燃バツキング組成物
JPH0144210B2 (ja)
Cline et al. Specialty Textile Coatings—A Formulation Overview

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001205

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees