JP4161600B2 - 投入メダル選別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばスロットマシン等の遊技機に内部構成されるような投入メダル選別装置に関し、さらに詳しくはメダルの安定した検知性能と排出性能を確保することができる遊技機の投入メダル選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンなどの遊技機は、内部に投入されたメダルの適否を選別するメダル選別装置を内蔵しており、このメダル選別装置(特開平8ー24434号公報参照)の選別位置には投入メダルの有無を検知する検知装置が組込まれている。この検知装置は、例えば、図14(A)に示すように、メダルMを1枚ずつ転動通過させるメダル通路141を阻害しないように、コ型フレーム142に投受光素子を取付けた透過型の光電検知センサ143をメダル通路141の上部に取付けて該通路141の上部を光電検知することができる。
【0003】
この場合、コ型フレーム142の内向きに対向する内部空間(検知スリット部)144を検知領域に設定して、この検知スリット部144をメダルMが転動して通過したとき、メダル厚さ方向の光軸145を遮断して光電検知センサ143がONする検知方式である。
【0004】
また、メダル選別装置は基本機能として、不適なメダルを検知したときに、そのメダルを直ちに排出するメダル排出機能を有しており、通常は通路の切換え操作、あるいはメダル自身の自重による振分け操作や強制排出操作などにより、メダル通路の一方の側壁に開口した排出口146から排除している。
【0005】
図中、147は強制排除用のストッパを示し、このストッパ147をメダル通路141の側方から出没自由に設けて、メダルの排除時に突出させて通路を遮断し、メダル排除の補助を行っている。148は正規の通路形成位置と排除位置とに可動する可動ガイド片、149a,149bはメダル通路の両側壁を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このメダル通路141に、上述の光電検知センサ143を配設した場合は、図14(B)に示すように、コ型フレーム142がメダル通路141の上部を跨いで、メダル通路141の排出側の上部をコ型フレーム142の一部が占めるため、メダル排除時に可動片148を可動し、ストッパ147を突出させてメダルMを排出動作すると、メダルMは正規の転動方向から、その側方(横倒し方向)へと変わったときに、メダル通路141の下側の凹溝部と、上側のコ型フレーム142の下向きの凹部との間でメダルMが傾倒した状態で引っ掛ってメダル詰りが生じることがある。また、コ型フレーム142の検知部分でメダル詰りが生じたときはリジェクト機構等による解除操作ではメダル詰りを解消できなかった。
【0007】
このため、反射型の光電検知センサを用いれば、メダル通路の片側より検知できる反射型のため、該センサをメダル通路の片側のみに設置することができ、メダル排除時に支障にならず、メダル詰りは回避できる。
【0008】
しかしながら、この反射型の光電検知センサでは、メダル有りを検知した時に、投光後に折返して導かれる反射光が受光側の光電検知素子に入ってメダルの存在を検出する関係で、光の影響を受けやすいなど外乱光に弱く、検知性能および信頼性が低いという問題がある。また、メダル通路を通過するメダルがバタツクことにより反射型検知時の検知信号が安定しないという問題を有していた。
【0009】
そこでこの発明は、透過型の光電検知センサを用いても、メダル詰りの発生の恐れがなく、しかも外乱光による悪影響を受けない高検知性能を有する遊技機の投入メダル選別装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、投入口に投入されたメダルの大きさを選別し、適正な大きさのメダルを受付ガイドして内部に取込み、不適な大きさのメダル類を排出ガイドして外部の返却口に返却する遊技機の投入メダル選別装置であって、前記投入口に投入されたメダルをメダル厚み方向に傾斜させて転動通過させるメダル選別用の傾斜したメダル通路を設け、前記傾斜したメダル通路を形成する傾斜下側の一方の側壁にはメダル類を排出するための排出口を開口し、他方の側壁には前記排出口と対向する位置に導かれてきたメダルを前記排出口に向けて排出させる排出手段を設け、前記メダル通路の他方の側壁背面側に垂直壁を有し、垂直壁から前記メダル通路を隔てた立姿のメダル頂部より高い位置に水平壁を延出させてなる逆L型基板を取付け、前記逆L型基板の垂直壁側に、斜め上方の前記水平壁に向けて傾斜投光する投光用の光電検知素子を配設し、前記投光用の光電検知素子の投光軸と対向する水平壁側には前記投光軸を受けて水平方向に反射させる反射面を有し、前記反射面に反射する水平方向の受光軸と対向する水平壁側の受光軸対向位置には受光用の光電検知素子を配設した遊技機の投入メダル選別装置であることを特徴とする。
【0011】
ここでメダルとは、一定の大きさの円板形状を有するメダルであり、例えば遊技利用専用に設けられた遊技メダルのほか流通硬貨(コイン)も含む。
【0012】
また、メダル類とは、正規の大きさのメダルより小径のメダル(コイン)および偽造メダルなどの受付拒否された適用外のメダル、あるいはプレーヤがメダルを返却操作したときに排出される排出対象メダルなどを意味する。
【0013】
前記メダル通路とは、メダルを立姿で転動可能な細長い溝状の通路空間を壁面で囲って構成することができる。
【0014】
前記排出口とは、メダルを排出できる大きさの開口部をメダル通路の片側の側壁を開口して構成することができる。
【0015】
前記排出手段とは、メダル通路上のメダルを排出口に排出するものであり、例えば傾斜させたメダル通路の傾斜下部側を開放操作する可動ガイド片を用いた排出動作、メダル通路の側方より出没させるスライド式のストッパを用いた排出動作の一方または双方を用いて構成することができる。
【0016】
光電検知素子とは、例えばフォトマイクロセンサで構成することができる。
【0017】
このような構成よれば、投入後に転動して導かれてきたメダルに対し、その立姿のメダル頂部より高い位置から検知するため、メダル通路の側方に開口される排出口にはコ型フレームなどの検知部材が介在せず、排出方向に対する排出障害要素が完全に解消される。このため、検知部材によるメダル詰りを完全に解消することができる。
【0018】
また、排出障害要素を解消できる傾斜方向の光軸を設定することにより、外乱光の悪影響を受けやすい反射型の光電検知センサではなく、外乱光の悪影響を受け難い透過型の光電検知センサを採用することができる。
【0019】
さらに、メダル通路部でのメダルの不安定なバタツキが生じた場合にも反射型の検知方式でないため常に安定した検知信号が得られ、信頼性の高い検知性能を確保できる。
【0020】
この遊技機のメダル選別装置により、メダル詰りを回避した排出性能と高検知性能を有して信頼性の高い選別性能が高い選別処理を実行することができる。
【0021】
この構成は、投光素子と受光素子とを、単体の逆L型基板にまとめて取付けた透過型の光電検知センサであるため、この透過型の光電検知センサをL型の一体物として扱うことができる。
【0022】
したがって、取扱い性や取付け性も容易であり、この逆L型基板をメダル通路の一側壁の背面側から上面にかけて逆L型に簡単に配設することができ、しかも壁面に沿ってコンパクトに配置構成できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
【0024】
図面は遊技ホールに設置されるスロットマシンの投入メダル選別装置を示し、図1において、このスロットマシン11は前面の遊技操作面の一側にメダルMを1枚ずつ受入れる投入口12を開口し、この投入口12に投入された正規の大きさのメダルを内部に取込み、不適な大きさのメダル類を外部の返却口13に返却する選別機能を内蔵している。
【0025】
また、投入口12の横には返却ボタン14を隣設しており、この返却ボタン14をプレーヤが遊技中止するために押下操作した場合もメダルMを返却口13に返却する。
【0026】
図2はスロットマシン11の前面扉15を片開き式に開口した扉の内面状態を示し、この開口されたスロットマシン本体11a側には上部にリール16を有し、下部にメダル取込み用のホッパ17と、図示しないメダル返却通路と、電源装置18とを有している。
【0027】
一方、前面扉15側には内面に、上部よりリールカバー19と、投入メダル選別装置(メダルセレクタ)20と、返却口13とをこの順に配設している。
【0028】
図3および図4は投入メダル選別装置20を示し、この投入メダル選別装置20はコ形基板21と開閉板22とを一体に組合せて投入メダル選別用のメダル通路23を形成し、その外側をコ形カバー24で覆って一体構成している。
【0029】
上述のメダル通路23は、上方の投入口12と接続対応する入口25と下方の出口26との間を垂直路23aと、これより緩やかに傾斜する傾斜路23bとを接続して形成している。
【0030】
このうち、垂直路23aのコ形基板21側には、背面側から通路側に向けて水平に突出するメダル安定降下用の可動突片27を突設し、この可動突片27を図5に示すように、後方よりバネ28で軽く付勢して突出状態に保持している。
【0031】
この可動突片27は、上方の枢支部29を回動支点に軸支され、通常は可動突片27の先端部が、バネ28の付勢力を受けてコ形基板21の小窓30から垂直路23a側に向けて突出した状態にあり、投入されたメダルMが上方から勢いよく下向に通過する時には、該メダルMに押されて通路退避方向に略水平に後退し、投入されたメダルMをそのまま通過許容させる。
【0032】
この場合、通路はメダルの通過性を高めるために広幅通路にすることが好ましいが、その反面、メダルの詰りが発生しやすくなる傾向にある。このような場合も、上述の可動突片27の突出作用により、ここに導かれて降下するメダルMを垂直路23aのメダル厚み方向の一方に寄せて通過させることができるため、詰りを解消した安定した通路を形成できる。ことに、弯曲通路に適用した場合に適している。
【0033】
また、可動突片27は勢いよく降下するメダルMに接して減速させることができるため、高速降下する垂直路23aから低速転動させる傾斜路23bへと方向変換されて搬送されるメダルMの速度差を小さくすることができ、それゆえメダルの安定した取込み動作ができる。
【0034】
さらに、この可動突片27には糸吊りメダル防止機能も併せて持たせている。この糸吊りメダル防止機能は、可動突片27を軸支する上方の枢支部29の位置を基準にして下方の位置で突出させている。このため、糸吊りメダルを使って上方に引き戻そうとしても、この可動突片27は上方の枢支部29で位置規制された状態に軸支されているため横方向には動くが上下方向には移動せず、糸吊りメダルを用いた上方への引き戻し操作を確実に防止できる。
【0035】
次に、傾斜路23bのコ形基板21側には、傾斜路23bと平行する上側に該通路の上側の一部を形成する可動ガイド板31を配設しており、ここを転動通過するメダルMの頂部を逆L形状の可動ガイド板31で搬送ガイドする。また、傾斜路23bの出口26部分の直前には一対の通過検知センサS1
,S2 を配設しており、これらセンサS1 ,S2 で通過したメダルM…の数を計数する。
【0036】
さらに、コ形基板21のメダル通路23の内面には、垂直路23aから傾斜路23bにかけて平行する複数条のリブ32…を等間隔に突出形成している。これらのリブ32…を設けることにより、メダル通路23には凹凸面を有して投入されたメダルMはメダル通路23のスペース内でメダルの外表面がリブ32…の頂部に線接触して取込まれるためメダルとの接触面積が少なくなり、投入されたメダルの通過抵抗を軽減して高速で円滑な搬送を促進する。また、リブの形状はメダルの通過抵抗が小さくなる形状に設定する。
【0037】
上述のメダル通路23の片側には、後述する開閉板22がコ形基板21に対設して該通路23の片側を形成するガイド構造を有している。
【0038】
上述の開閉板22は、コ形基板21の軸受33に軸支される軸34を設け、この軸34を中心として回動自在にコ形基板21の軸受33に装着され、通常はバネ35によってコ形基板21に開閉板22の一部が当接するように付勢されて一体化され、双方の間でメダル通路23が形成される。
【0039】
さらに、開閉板22には、図3に示すように、メダル通路23の傾斜路23bに沿って開口する楕円状の排出口36を中央部に大きく開口している。この開閉板22をコ形基板21のコ形内面に装着してメダル通路23を形成し、ここに適用外(小径)のメダルM1が導かれたとき、この排出口36より排出するものである。
【0040】
この開閉板22の内面側には、図6に示すように、コ形基板21の垂直路23aとの対向面に、コ形基板21側のリブ32…と同方向の同様な複数条のリブ37…を形成している。
【0041】
したがって、メダル通路23内では、両面のリブ32,37…の線接触作用をメダルMが受けることにより、投入されたメダルの通過抵抗を一層軽減して円滑な搬送を促進する。
【0042】
次に、メダル通路23の傾斜について説明する。このメダル通路23は、図7に示すように、メダルMを起立状態で取込む1枚分の通路スペースを有し、かつ起立状態にあるメダルの厚み方向に対して15°程度傾斜させて設けている。
【0043】
この傾斜角度は開閉板22が傾斜下側になるように設定し、メダル通路23内では転動搬送されるメダルMが傾斜下側の開閉板22側に傾かせた状態で搬送させる。これにより、小径の不適なメダルが投入されたときは、転動通過時にメダル通路23内で小径ゆえに底面側だけがガイドされて、頂部側は可動ガイド板31に接触せず、頂部側がガイドされないまま転動する。このため、メダルは自重でメダル厚み方向の傾斜下側に傾き始め、その傾斜下側に対向する開閉板22の排出口36へと横倒れして排出される。
【0044】
上述の適用外のメダルの排出に際しては、メダル通路23をメダル厚み方向に傾斜させるだけでなく、図8に示すように、排出口36と対向する傾斜上側のコ形基板21の傾斜路23bのリブ32の終端側を、メダル通過方向に沿って次第に突出量を増して突設するメダル傾倒促進用の傾斜突起38を形成している。
【0045】
このため、図9(A)に示すように、小径の不適な適用外メダルM1が傾斜突起38の位置に至った時は、この傾斜突起38が転動通過するメダルの側方より突出しているため、ここを通過する起立状態の適用外メダルM1を大きく傾かせて、傾斜突起38との対応時点で、図9(B)に示すように、適用外メダルM1を傾斜路23bから確実に横倒れさせて傾斜下側の排出口36へと排出させることができる。
【0046】
このように、転動搬送過程のメダルを、メダル自身の自重によりメダル厚み方向に傾斜させて自然に横倒しさせる役目を持つメダル通路23と、その厚み方向に押し出す役目を持つ傾斜突起38とを組合せることにより、排除すべき小径の適用外メダルM1を的確に傾倒させて排出動作させるメダル排除機能が得られる。
【0047】
さらに、通路の傾斜角度だけでは排出作用を十分に確保できない場合、例えばメダルの転動速度が速まってメダルの慣性力が大きくなるような高速取込み化を図っても、排除すべきメダルを取込み過程で確実に排除することができる。
【0048】
ことに、小さく突出する傾斜突起38と傾斜したメダル通路23とが相俟って的確に排除機能の役割を果たすため簡素化したシンプルな構成で性能のよいメダルの選別効果が得られる。
【0049】
また、上述の傾斜突起38を、メダル通過方向に沿って次第に突出量を増して突設形成しているため、転動搬送中にメダル側方の平面部分が傾斜突起38と接触対応したときに、メダルは傾斜突起38に側方から押される如く対応し、さらに傾斜突起38の傾斜面の傾きが次第に増して傾倒促進されるためメダルの傾倒性能を高めることができる。
【0050】
また、傾倒突起38の位置は通路高さ方向の上部側に設定する。これにより、起立状態のメダルの横倒しに適した上部側が側方より押される形で効率よく傾倒させることができる。
【0051】
一方、正規の大きさのメダルMが投入されたときは、このメダルMの起立した上下部分がガイドされつつ通路に沿って転動し、出口26に通じる正規の取込み方向へと取込まれる。
【0052】
上述のメダル厚み方向の傾斜割合は、通路上で転動するメダルの横倒し作用がメダル自身の自重で自然に行われる傾斜角度が適しており、また傾斜突起38との組合せを考慮した傾斜角度に設定する。このとき、傾斜角度が小さ過ぎると横倒し作用が遅れ気味になり、また大き過ぎると適正なメダルに対する転動負荷が増してしまうので10°〜20°程度、好ましくは15°位が適している。
【0053】
また、プレーヤの操作によっても、投入されたメダルを返却あるいは詰った異物の排出ができるように構成している。この返却操作は、図7に示すように、プレーヤが返却ボタン14を押すと、その押下げられた返却ボタン14の下側に対応する回動自由に軸支された回動カム39を回動させ、この回動カム39の先端が開閉板22を押し上げるように動き、これに連動して開閉板22は軸34を中心に回動してコ形基板21との対向面間を大きく開くので、詰ったメダルや異物を排除方向に排除することができる。
【0054】
さらに、遊技ホールの準備が未完了の場合やスロットマシンが稼動状態にない場合は、投入されたメダルが正規のメダルであっても受付拒否して返却口13に返却する受付規制機構40を内蔵している。
【0055】
この受付規制機構40は、図10に示すように、既述した可動ガイド板31を回動自由に軸支する軸支部41をコ形基板21の背面側の壁面後方に設け、この軸支部41を共通の回動支点として逆L形状の可動ガイド板31を取付け、この可動ガイド板31の先端を、コ形基板21の背面側からメダル通路23を跨いだ開閉板22側の排出口36に臨ませた状態で、メダル頂部ガイド用に介在させている。
【0056】
そして、コ形基板21の背面側に配設したソレノイド42をON・OFF操作することにより、これに傾動レバー43を介して連結された可動ガイド板31を上下方向に可動して、上動位置のメダル受付規制状態と下動位置のメダル受入れ許容状態に切換えられる。
【0057】
上述のソレノイド42をONしたときは、励磁作用が働いて可動ガイド板31の先端部が、図10に想像線で示すように、メダル通路23に沿ってメダル頂部Mtを受入れガイドする下動位置に移動し、メダル受入れ状態になる。この受入れ状態のメダル通路23は、下部が開閉板22と、コ形基板21との対向面間および、その間に位置する耐磨耗性に優れた金属材で形成された底板44とでメダル転動通過用の下部凹溝を形成し、上部が可動ガイド板31とコ形基板21との対向面間でメダル転動通過用の下向きに開口する上部凹溝を形成している。
【0058】
一方、ソレノイド42をOFFしたときは、傾動レバー43に取付けられた復帰バネ45の復帰作用が働いて、可動ガイド板31が傾動レバー43を介して上部凹溝は開方向に引かれ、軸支部41を支点に回動し、このときメダル通路23を形成していた上部凹溝の一側(排出側)が開いてメダル通路23が排除用に開放されるメダル受入れ規制状態になり、ここに至ったメダルは1枚ずつ横倒し動作されて排除される。
【0059】
また、メダルの通過を検知する既述した2つの通過検知センサS1
,S2 は同検知構造を有して通路方向に沿って連設し、両センサS1 ,S2からの検知時間差によってメダルMの通過を検知確認する。この場合、両センサS1 ,S2は同検知構造を有するため、以下、一方の通過検知センサS1について説明する。
【0060】
図11は透過型の通過検知センサS1を示し、この通過検知センサS1はメダルMを転動通過させる傾斜路23bの上面位置に配設される逆L形基板46と、この逆L形基板46に組込まれるフォトマイクロセンサを用いた投光素子47と受光素子48とを備えて構成される。
【0061】
上述の逆L形基板46は、垂直壁49側に、斜め上方の水平壁50に向けて傾斜投光する投光軸51の方向を設定した投光素子47を傾斜配設し、この投光軸51と対向する水平壁50側には、投光を受けて垂直壁49側の水平方向に反射させる反射面52を切欠き形成して設け、この反射面52に反射する水平方向の受光軸53と対向する水平壁50側の位置に受光素子48を配設している。図中、54は投光軸通路、55は受光軸通路を示す。
【0062】
上述の逆L型基板46の配設に際しては、図12(A)に示すように、コ形基板21のメダル通路23の背面側に沿って垂直壁49を対向させ、この垂直壁49からメダル通路23の上部側に水平壁50を延出させた逆L型の状態に配設する。また、このとき、水平壁50はメダル通路23を隔てたメダル頂部Mtより高い位置に設定している。
【0063】
ところで、この透過型の通過検知センサS1,S2は、投光素子47と受光素子48とをまとめてコ形基板21または開閉板22の片側に配設することができるため、メダル通路23の片壁面側から投受光してコンパクトな配置構成にできる。
【0064】
このため、通路の片面からメダルを排出するメダル排出機構の制約やメダル詰り発生の恐れを受けずに、透過型のセンサを配設することができる。
【0065】
図中、L1 はメダル厚み方向の傾斜開始位置を示す上傾斜ライン、L2
はメダル厚み方向の傾斜終了位置を示す下傾斜ライン、Pはコ形基板21の取付けピン、56はカバー取付け係合凸部、57はカバー取付け係合凹部、58は遊技用のスタートレバーに連動して操作される1枚区切り動作用のストッパ片を示す。
【0066】
このように構成された投入メダル選別装置20の選別処理動作に基づくメダル検知動作を次に説明する。
今、スロットマシン11がメダルMを受付可能な稼動状態のときに、プレーヤが投入口12にメダルを投入すると、投入されたメダルは自重により内方のメダル通路23へと導かれ、垂直路23aから低速転動用の傾斜路23bへと起立状態のまま転動されながら取込まれる。
【0067】
このとき、図12(A)に示すように、正規の大きさのメダルMが投入されたときは、そのまま受入れ許容して1枚ずつ内方に取込まれる。この場合、取込んだメダルMの枚数を2つの通過検知センサS1
,S2 で確認しながら計数し、計数された値は図示しない制御部へと伝送されてデータ管理される。また、通路方向に沿って連設された2つの通過検知センサS1 ,S2 は、メダル通路23の出口26付近の傾斜路23bに沿って順に検知するため、各センサS1
,S2 のON・OFFの順序や時間変化によって異常動作を的確に検出できる。このため、糸吊りメダル等を使用した不正行為も正確に検知できる。
【0068】
これに対し、小径の流通硬貨などの適用外メダルM1が故意または誤って投入されたときは、図10に示すように、転動通過時に起立した適用外メダルM1の上側が小径ゆえに可動ガイド板31に適用外メダルM1の上側がガイドされず、しかもこのメダル通路23自体が搬送方向に傾斜しているため、小径の排除すべき適用外メダルM1は傾斜路23bから確実に横倒れして傾斜下側の排出口36へと自然に落下して排出される。
【0069】
さらに、プレーヤが遊技中止のために返却ボタン14を押下操作したとき、あるいはメダル投入時の1枚区切り動作したときに発生した余剰メダルなどの受付拒否メダルが発生したとき、排出口36より排出させて返却口13に返却している。
【0070】
この場合、図12(B)および図13に示すように、メダルMを排出口36へと排出動作したとき、メダル通路23の側方に開口される排出口36にはコ型フレームなどの検知部材が介在せず、排出方向には排出に適した十分な空間を確保できるため、排出障害が完全に解消される。このため、検知部材が原因になるメダル詰りが完全に解消される。
【0071】
また、反射型の光電検知センサではなく、透過型の光電検知センサを採用できるため、外乱光の悪影響を受けなくなり、高検知性能、高信頼性に関連する高セキュリティを有する検知機能が得られる。
【0072】
しかも、両通過検知センサS1 ,S2は、投光素子47と受光素子48とを、単体の逆L型基板46にまとめて取付けた透過型の光電検知センサであるため、この透過型の光電検知センサをL型の一体物として扱うことができる。したがって、取扱い性や取付け性も容易であり、この逆L型基板46をメダル通路23の背面側から上面にかけて逆L型に簡単に配設することができる。
【0073】
上述のように、投入後に転動して導かれてきたメダルに対し、その立姿のメダル頂部より高い位置から検知するため、メダル通路の側方に開口される排出口にはコ型フレームなどの検知部材が介在せず、排出方向に対する排出障害要素が完全に解消される。このため、検知部材によるメダル詰りを完全に解消することができる。
【0074】
この発明の構成と、上述の一実施の形態の構成との対応において、
この発明の遊技機は、実施の形態のスロットマシン11に対応し、
以下同様に、
側壁の一方は、開閉板22に対応し、
側壁の他方は、コ形基板21に対応し、
排出手段は、可動ガイド片31およびストッパ片58に対応するも、この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の一実施の形態の構成のみに限定されるものではない。
【0075】
【発明の効果】
この発明によれば、メダル通路の側方にメダルの排出に適した排出空間を確保できるため、メダル詰り要素を完全に解消してメダル詰りを防止でき、信頼性の高い安定したメダルの排出性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スロットマシンを示す外観斜視図。
【図2】 投入メダル選別装置の前面扉を開けた内面状態を示す正面図。
【図3】 投入メダル選別装置を示す要部斜視図。
【図4】 投入メダル選別装置を示す展開斜視図。
【図5】 コ形基板の駆動側を示す背面図。
【図6】 開閉板のリブ形成状態を示す側面図。
【図7】 メダル通路を示す縦断面図。
【図8】 コ形基板のリブと傾斜突起の形成状態を示す横断面図。
【図9】 コ形基板のリブと傾斜突起側でのメダル排除状態を示す説明図。
【図10】 可動ガイド板の開閉状態を示す縦断側面図。
【図11】 通過検知センサの配設状態を示す拡大縦断面図。
【図12】 通過検知センサの検知状態を示す要部縦断面図。
【図13】 メダルの排出状態を示す要部側面図。
【図14】 従来の透過型の光電検知センサの検知状態を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
11…スロットマシン
12…投入口
13…返却口
20…投入メダル選別装置
21…コ形基板
22…開閉板
23…メダル通路
31…可動ガイド板
36…排出口
46…逆L型基板
M…メダル
M1…適用外メダル
Mt…メダル頂部
S1,S2…通過検知センサ
Claims (1)
- 投入口に投入されたメダルの大きさを選別し、適正な大きさのメダルを受付ガイドして内部に取込み、不適な大きさのメダル類を排出ガイドして外部の返却口に返却する遊技機の投入メダル選別装置であって、
前記投入口に投入されたメダルをメダル厚み方向に傾斜させて転動通過させるメダル選別用の傾斜したメダル通路を設け、
前記傾斜したメダル通路を形成する傾斜下側の一方の側壁にはメダル類を排出するための排出口を開口し、
他方の側壁には前記排出口と対向する位置に導かれてきたメダルを前記排出口に向けて排出させる排出手段を設け、
前記メダル通路の他方の側壁背面側に垂直壁を有し、
垂直壁から前記メダル通路を隔てた立姿のメダル頂部より高い位置に水平壁を延出させてなる逆L型基板を取付け、
前記逆L型基板の垂直壁側に、斜め上方の前記水平壁に向けて傾斜投光する投光用の光電検知素子を配設し、
前記投光用の光電検知素子の投光軸と対向する水平壁側には前記投光軸を受けて水平方向に反射させる反射面を有し、
前記反射面に反射する水平方向の受光軸と対向する水平壁側の受光軸対向位置には受光用の光電検知素子を配設した
遊技機の投入メダル選別装置。
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