JP4160070B2 - 自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置 - Google Patents

自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置、より詳細には、トルクコンバータにストールが発生した時にエンジン出力を制御する装置に関するものである。
従来より、トルクコンバータを具える自動変速機搭載車両においては、トルクコンバータにストール、すなわち入力側のポンプと出力側のタービンとの間の回転速度差(滑り)が大きくなる状態が継続すると、両者間の作動流体が剪断力を受けて発熱する。それによって作動流体が経時的に劣化したり、熱によってトルクコンバータ内部のシール材などの耐久性が低下する、という問題があった。
そのため、例えば特許文献1,2に記載されているように、トルクコンバータにストールが発生した場合にエンジン出力を適切に制御することにより、作動流体の加熱防止を図る方策が提案されている。
特許文献1は、トルクコンバータがストール状態となってから所定時間、点火時期を制御(リタード)し、その後燃料供給量または吸入空気量を制御してエンジン出力を減少補正するものであり、また特許文献2は、トルクコンバータのストール状態が所定時間継続した場合にエンジントルクを低下させるものである。
しかしながら、こうした従来技術においてはリタードやフューエルカットによってエンジントルクを規制してエンジン回転数を低下させることは開示している一方で、エンジン回転数を低下させた後にエンジンをどのように制御するか、すなわちエンジン回転数を低下させた後に、どのようにして再度エンジン回転数を上昇(エンジン出力を復帰)させるか、については考慮されていない。例えば、エンジン回転数を低下させ、その後一定の回転数に保持した場合、自動変速機が走行レンジ(例えばDレンジ)の状態で、何らかの原因でアクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏み込まれている状態が継続した時、かかる異常な状態を運転者が検知できなくなる、という問題がある。
そこで、フューエルカット等により予め定めたエンジン回転数(リカバリー回転数)までエンジンが低下したら、燃料噴射を再開(リカバリー)して再度エンジン回転数を上昇させ、その後、予め定めたエンジン回転数(フューエルカット回転数)までエンジン回転数が上昇したら、再度フューエルカットを行うことにより、エンジン回転数の下降と上昇を繰り返し行うことで車両に前後方向の加速度を発生させ、運転者が異常の発生を検知できるようにすることが考えられる。
ところが、この方法では、車両に発生する加速度により生じる振動によって運転者に異常を知らせることが可能であるものの、リカバリー時において、その時のアクセル開度が大きいことから、短時間でフューエルカット回転数までエンジン回転数が上昇してしまい、その後直ちにフューエルカットが行われてエンジン回転数が低下することにより、短い周期でエンジン回転数の下降と上昇が繰り返されて、過剰な車両の振動が発生してしまうという問題がある。
特許第3146676号明細書 特開平1-223037号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み、トルクコンバータのストール発生時に適切にエンジン出力を低下させて作動流体の加熱を効果的に防止すると共に、ストール発生時におけるエンジン出力制御に際しての過剰な振動を抑制することのできる、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置を提供することを目的とするものである。
この目的のため、第1発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、
トルクコンバータを介して入力されたエンジン回転を変速して出力する自動変速機を搭載した車両であって、
エンジン出力を低下させるためのフューエルカットと、該フューエルカットにより低下した前記エンジン出力を再度上昇させるためのリカバリーとを行うフューエルカット制御手段を具えた自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置であって、
前記トルクコンバータにストールが発生したことを検知するストール検知手段と、
前記ストール検知手段がストール発生を検知すると、前記フューエルカット制御手段を作動させて前記エンジン回転数の低下および上昇を繰り返し行うストール時制御手段と、
ストール発生時に前記ストール時制御手段により前記エンジン回転数の下降および上昇が行われているとき、該エンジン回転数の上昇を、前記トルクコンバータのストール発生時以外の走行条件における、現時点のアクセル開度と同一開度で前記リカバリーを行う際のエンジン回転数の上昇速度よりも低い速度で行うエンジン回転数上昇速度抑制手段とを具えることを特徴とするものである。
第2発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、第1発明において、
前記ストール検知手段がストールの発生を検知してから所定時間が経過した後に、前記ストール時制御手段を作動させることを特徴とするものである。
第3発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、第1または第2発明において、
前記エンジン回転数上昇速度抑制手段がエンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とするものである。
また第4発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、第3発明において、
前記エンジン回転数上昇速度抑制手段が、前記トルクコンバータにストールが発生していない時のアクセル開度に対応するスロットル開度の関係よりも該スロットル開度を小さくすることにより前記エンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とするものである。
さらに第5発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、第3発明または第4発明において、
前記エンジン回転数上昇速度抑制手段が、ストール状態で、かつ、フューエルカットが行われる回転数において、エンジン回転数が上昇も低下もしないトルクがエンジンの最大トルクとなるように制御を行うことを特徴とするものである。
第1発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置においては、トルクコンバータにストールが発生したときに、エンジン回転数の低下および上昇を繰り返し行うと共に、エンジン回転数を、その上昇速度を抑制しつつ上昇させることとしている。
それによって、ストール発生による作動流体の加熱を防止すると共に、エンジン回転数の低下と上昇を繰り返し行うことにより発生する振動で運転者にストール発生を認識させることができる。しかも、エンジン回転数の上昇を、ストール発生時以外の時の走行条件における、現時点でのアクセル開度と同一開度でフューエルリカバリーを行う時よりも緩やかなものとすることにより、過剰な振動の発生を抑制することができる。
第2発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置においては、ストール発生を検知してから所定時間が経過した後に、エンジン回転数の上昇と下降を行うこととしている。すなわち、ストールの発生を確実に判断し、かつ、油温がある程度上昇するのを待ってから対処することとなり、早期にエンジンの出力制御を行って走行性が悪化するのを防止すると共に、第1発明の効果をより高めることが可能となる。
上記第1および第2発明においてエンジン回転数の上昇および下降を行うに際しては、第3発明のようにフューエルカットとリカバリーを行ってエンジン回転数の上昇および下降を行い、また第4発明のようにエンジンのトルクダウン制御を、スロットル開度を絞ることにより行うことでエンジン回転数の上昇を抑制することが好適である。
すなわち、第3発明では、特にフューエルカットとリカバリーおよび、これ以外のトルクダウン制御を同時に実行することで、ストール発生による作動流体の加熱防止と、運転者へのストール発生の警告をより容易に行うことができ、前記第1および第2発明の効果をより一層高めることができる。さらに第4発明では、本制御を行うに際し、排気ガスなどによって環境を悪化させることなく制御を行うことができる。
さらに、トルクダウン制御を行うに際しては、第5発明のように、ストール状態で、かつ、フューエルカットが行われる回転数において、エンジン回転数が上昇も低下もしないトルクがエンジンの最大トルクとなるよう制御することが好適である。それによって、エンジン回転数がリカバリー回転数に達しないことや、エンジントルクが過大となって過剰な振動が発生するのをさらに適切に防止できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明によるエンジン出力制御装置を具える自動変速機搭載車両の駆動系を示すシステム図である。自動変速機1は、トルクコンバータ2を経てエンジン3の動力を入力され、選択変速段に応じたギヤ比で入力回転を変速し、出力軸4に伝達するものとする。
ここで、自動変速機1は、運転者が希望する走行状態に応じて手動操作するセレクトレバー(図示せず)の位置(選択レンジ)、すなわち駐車(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、停車(N)レンジ、前進自動変速(D)レンジ、2速エンジンブレーキ(II)レンジ、1速エンジンブレーキレンジ毎に、コントロールバルブ5内の油圧回路により、これら希望の走行形態を達成しうる状態となる。特に、変速が必要な前進自動変速(D)レンジ、2速エンジンブレーキ(II)レンジ、1速エンジンブレーキ(I)レンジにおいて、自動変速機1は、コントロールバルブ5内におけるシフトソレノイド6,7のON,OFFの組合せにより選択変速段を決定されるものとする。
また、自動変速機1は、ライン圧を元圧として上記の作用を行うが、このライン圧もコントロールバルブ5内におけるライン圧ソレノイド8のデューティ制御により、運転状態に応じた適切な値に調圧されるものとする。
シフトソレノイド6,7のON,OFF制御およびライン圧ソレノイド8のデューティ制御は変速機コントローラ9によって行われ、この変速機コントローラ9には、スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ10からの信号、変速機出力軸4の回転数Noを検出する変速機出力回転センサ11からの信号、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号、自動変速機1の選択レンジを検出する選択レンジセンサ13からの信号および車速を検出する車速センサ14からの信号がそれぞれ入力される。
変速機コントローラ9は、前記入力された各情報に基づき、図示しない周知の演算により以下に説明する自動変速機1の変速制御およびライン圧制御を行う。すなわち、変速制御に際し、変速機コントローラ9は、変速機出力回転数Noに基づいて演算した車速度およびエンジンスロットル開度TVOから、車両の現在の運転状態に最適な変速段を、例えばテーブルデータからルックアップ方式により求め、この最適変速段が選択されるようにシフトソレノイド6,7をON,OFFさせて所定の変速を行う。
また、ライン圧制御に際し、自動変速機コントローラ9は、図示しない周知のテーブルデータに基づいてスロットル開度TVOに応じた目標スロットル開度TVOtをテーブルデータからルックアップ方式により求め、この目標スロットル開度が達成されるようにライン圧ソレノイド8の駆動デューティDを決定し、この駆動デューティDをコントロールバルブ5に出力する。
エンジンコントローラ15は、変速機コントローラ9へエンジン3のトルク(自動変速機1への入力トルク)を出力する一方、変速機コントローラ9からは目標スロットル開度TVOt等の情報を入力する。そして、エンジンコントローラ15は、変速機コントローラ9から入力された情報に基づいてエンジン3を制御する。特に、トルクコンバータ2にストールが発生した場合には、後述する手順によるエンジン制御を行う。
図2は、本発明によるエンジン出力制御の処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに従って制御手順を説明する。なお、この制御は、変速機コントローラ9で実行される変速機制御プログラム(メインルーチン)のサブルーチンとして実行されるものであり、一定の周期でメインルーチンから呼び出されて実行される。
まずステップS101で、選択レンジ、エンジン回転数および車速をそれぞれ読み込む。これらはいずれもトルクコンバータにストールが発生しているか否かを判定するためのデータであり、具体的には選択レンジセンサ13、エンジン回転センサ12および車速センサ14からの信号を入力するものである。
続くステップS102では、前のステップS101で入力した情報を元に、トルクコンバータがストール状態にあるか否かを判定する。ここでトルクコンバータがストール状態にあると判定した場合にはステップS103へ進み、ストール状態にないと判定した場合には本ルーチンを終了する。なお、ストール状態の判定については、車速、エンジン回転数およびスロットル開度との関係から予め規定されており、この条件を満たすか否かで判定を行うこととしている。
次のステップS103では、ストール状態発生を検知してからの経過時間を測定するためのタイマーをカウントアップする。なお、このタイマーの値は、一旦0からカウントアップされた後は、本ルーチンが終了した後もカウントアップされるものとする。
ステップS104では、ストール状態発生を検知してから所定時間が経過したか否かを、前のステップS103でカウントアップしたタイマーの値から判定する。ここで、ストール状態発生を検知してから所定時間が経過していればステップS105へ進み、所定時間を経過していなければ本ルーチンを終了する。なお、このステップS102〜ステップS103がストール検知手段に相当するものである。
その後、ステップS105以降では、トルクコンバータの作動流体の加熱を防ぐためのエンジン出力制御を行う。まず、ステップS105では、エンジンのトルクダウン制御を行うに際し、要求されるトルクダウン量を求める。なお、トルクダウン制御は、後述するフューエルカット制御以外の方法でエンジントルクを低減させる制御であり、具体的には、通常走行におけるアクセル開度に対するスロットル開度の関係を基準としたとき、この関係よりもアクセル開度に対してスロットル開度の開き具合を小さくするものであり、本実施形態では、現時点でのアクセル開度に対してスロットル開度を絞る等の周知の方法を用いることとする。そしてステップS106では、前のステップS105で求めたトルクダウン量に基づいて、エンジンコントローラ15へトルクダウン指令を出力する。このとき、後述するステップS107以降で行うフューエルカット制御のフューエルカット回転数において、ストール状態では、エンジン回転数が上昇も下降もしないようなトルク、換言すれば、フューエルカット回転数でちょうど釣り合うトルクがエンジンの最大トルクとなるように、トルクダウン量を算出する。ここで、このちょうど釣り合うトルクは、予めトルクコンバータの流体特性およびエンジンの出力特性から求め、設定されている。なお、このステップS105〜ステップS106がエンジン回転数上昇速度抑制手段に相当するものである。
次にステップS107では、エンジン回転数が低下して所定の値(フューエルカット回転数)以下になった時にエンジンへの燃料供給量を減少させ、その後エンジン回転数がさらに所定の値(リカバリー回転数)以下まで低下したら、燃料供給量を増加させるフューエルカット(F/C)制御を行うに際し、上記のフューエルカット回転数とリカバリー回転数の目標値を求める。そしてステップS108では、前のステップS107で求めたエンジン回転数の低下目標値に基づいて、エンジンコントローラ15へフューエルカット指令を出力する。なお、このステップS107〜ステップS108がフューエルカット制御手段およびストール時制御手段に相当するものである。
図3および図4はそれぞれ、トルクコンバータにストールが発生した場合に、従来技術によりエンジン出力制御を行った場合と、本発明によりエンジン出力制御を行った場合のエンジン回転数、エンジントルクおよび車体の前後加速度の変化を示すタイムチャートである。
図3は、ストール発生時にフューエルカット制御のみによってエンジン出力制御を行った場合を示すものである。フューエルカットとリカバリーは、上述したように、エンジン回転数が低下して所定の値(フューエルカット回転数)以下になった時にエンジンへの燃料供給量を減少させ、その後エンジン回転数がさらに所定の値(リカバリー回転数)以下まで低下したら、燃料供給量を増加させるものである。図3の場合、エンジン出力制御のためにフューエルカットとリカバリーを比較的短い周期で繰り返し行っている(図3(a)参照)。
その結果、図3(b)に示すようにエンジントルクもフューエルカットとリカバリーに連動して短い周期で大きく変動し、さらには図3(c)に示すように車体の前後加速度も大きく変動することとなり、これが大きな車体振動をもたらす。つまり、前述したように、従来技術ではストール発生時のエンジン出力制御により過剰な振動が発生してしまうことが理解される。さらに、エンジン回転数の上昇速度が大きいため、フューエルカット回転数を大きくオーバーシュートしてしまうことが明らかである。
一方、図4は本発明により、ストール発生時にフューエルカットとトルクダウンを同時に行うことによりエンジン出力制御を行った場合を示すものである。図4(a)に示すように、やはり本発明によるエンジン出力制御においてもフューエルカットとリカバリーを繰り返し行っているが、同時にトルクダウン制御を行っていることにより、図3(a)と比較すると明らかなように、リカバリー時のエンジン回転数上昇を非常に緩やかなものになるようにし、換言すれば、他の走行条件での同一のアクセル開度におけるリカバリー時のエンジン回転数の上昇速度よりも小さくして、それによってフューエルカットとリカバリーの周期が長くなるようにしている。
その結果、図4(b)に示すようにエンジントルクの変動においても、エンジン出力制御開始直前の状態からフューエルカットによって低下し、その後のリカバリーによって再度上昇する場合、通常のアクセル開度に対するスロットル開度の関係よりも、スロットル開度を小さくしてトルクダウンを行っていることからエンジン出力制御開始直前の値よりも低い値までしか上昇しない。すなわち、図3(b)と比較すると、トルクの変動幅が小さくなっていることが理解される。しかも、ストール状態ではフューエルカット回転数におけるエンジン回転数が上昇も低下もしないようなトルク、換言すれば、フューエルカット回転数でちょうど釣り合うトルクがエンジンの最大トルクとなるようにトルクダウン量を算出して制御を行うため、エンジン回転数の上昇速度がさらに抑制されて過剰な振動が抑制されることとなる。
そして、図4(c)に示すように、車体の前後加速度の変動が、図3(c)に示すものと比較して、明らかに非常に小さいものとなっている。それによって、車体の振動が抑制されていることがわかる。また、フューエルカット回転数に対するオーバーシュート量が、図3に示す場合よりも小さくなっていることがわかる。
但し、前述したようにトルクコンバータのストール発生が、例えばアクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏み込まれているような異常事態が原因である場合には、運転者にかかる異常の発生を警告する必要がある。そこで、車体の振動を過剰とならない程度、換言すれば運転者が振動の発生を覚知できる程度に発生させ、それによって運転者にストールの発生を警告するようにしている。
そして図5は、トルクコンバータにストールが発生した場合にエンジン出力制御を行うにあたり、車体の振動を小さくするための方法と、その効果を示すものである。ここでは、従来例として1)フューエルカット要求回転数、すなわちフューエルカットを行う閾値となるエンジン回転数を下げる、2)フューエルカットとリカバリーとの間のヒステリシスを小さくする、3)フューエルカット制御以外の方法によるトルクダウン制御のみを行う、の三例を4)本発明と比較して示している。
まず、1)のフューエルカット要求回転数を下げる場合と、2)フューエルカットとリカバリーとの間のヒステリシスを小さくする場合のいずれも、車体振動により運転者にストールの発生を警告する点においては効果があるものの、トルクダウン制御を行わないことから、先の図3にも示すようにトルクの変動幅は変わらないため、車体振動の改善(抑制)の効果は得られないという問題点がある。
また、3)のトルクダウン制御のみを行う場合は、トルクの変動幅が小さくなるため車体振動の改善には効果がある。しかしながら、車体振動が発生せず、運転者にストールの発生を警告することが困難になってしまうという問題点がある。
これに対して4)本発明のようにフューエルカットとトルクダウンを併用する場合には、先に述べたように、運転者にストールの発生を警告できる程度の振動を生じさせつつも(図4(c)参照)、ストール発生によるトルクコンバータの作動油が高温になることを効果的に防止することが可能となる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施例においては、トルクコンバータにストールが発生したときに、エンジン回転数の低下および上昇を繰り返し行うと共に、エンジン回転数を、その上昇速度を抑制しつつ上昇させることとしている。それによって、ストール発生による作動流体の加熱を防止すると共に、エンジン回転数の低下と上昇を繰り返し行うことにより発生する振動で運転者にストール発生を認識させることができる。しかも、エンジン回転数の上昇を、ストール発生時以外のときの走行条件における、現時点のアクセル開度と同一開度でフューエルリカバリーを行うときよりも緩やかなものとすることにより、過剰な振動の発生を抑制することができる。
さらに、ストール発生を検知してから所定時間が経過した後に、エンジン回転数の上昇と下降を行うこととしている。すなわち、ストールの発生を確実に判断し、かつ油温がある程度上昇するのを待ってから対処することとなり、早期にエンジンの出力制御を行って走行性が悪化するのを防止するとともに、上述の効果をより高めることが可能となる。
また、エンジン回転数の上昇および下降を行うに際しては、エンジンのトルクダウン制御を、スロットル開度を絞ることで行っているため、特にフューエルカットとリカバリーおよびこれ以外のトルクダウン制御を同時に実行することで、ストール発生による作動流体の加熱防止と、運転者へのストール発生の警告をより容易に行うことができ、効果をより一層高めることができる。さらに、本制御を行うに際し、燃焼効率の悪化によって環境を悪化させることなく、制御を行うことができる。
そして、トルクダウン制御を行うに際しては、ストール状態で、かつフューエルカットが行われる回転数において、エンジン回転数が上昇も低下もしないトルクがエンジンの最大トルクとなるように制御が好適である。それによって、エンジン回転数がリカバリー回転数に達しないことや、エンジントルクが大きすぎてエンジン回転数の上昇速度を十分に抑制できずに過剰な振動が発生するのをさらに適切に防止でき、フューエルカット制御を行うに際し、フューエルカット回転数からのオーバーシュート量を低減することもでき、より制御が容易となるのである。
以上説明したように、本発明による自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置は、トルクコンバータにストールが発生した場合に、エンジン回転数の低下および上昇を繰り返し行うと共に、エンジン回転数を、その上昇速度を抑制しつつ上昇させることとしている。
その結果、ストール発生による作動流体の加熱を防止すると共に、エンジン回転数の低下と上昇を繰り返し行うことにより発生する振動で運転者にストール発生を認識させることができる。しかも、エンジン回転数の上昇を緩やかなものとすることにより、過剰な振動の発生を抑制することが可能である。
なお、本発明においては、ストール発生を運転者に覚知させる場合、車体に振動を生じさせることに加えて、警報ランプや警報音によってストールの発生を警告することとしても良い。
また、ここでは所定時間経過するまでエンジンの出力制御を全く行わない形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一旦トルクダウン制御を行った後、本制御を実施することとしても良い。
本発明によるエンジン出力制御装置を具える自動変速機搭載車両の駆動系を示すシステム図である 本発明によるエンジン出力制御の処理手順を示すフローチャートである。 従来技術により、ストール発生時にエンジン出力制御を行った場合のエンジン回転数、エンジントルクおよび車体の前後加速度の変化を示すタイムチャートである。 本発明により、ストール発生時にエンジン出力制御を行った場合のエンジン回転数、エンジントルクおよび車体の前後加速度の変化を示すタイムチャートである。 ストールが発生時にエンジン出力制御を行うにあたり、車体の振動を小さくするための方法と、その効果を本発明と従来技術とを比較して示す表である。
符号の説明
1 自動変速機
2 トルクコンバータ
3 エンジン
4 出力軸
5 コントロールバルブ
6,7 シフトソレノイド
8 ライン圧ソレノイド
9 変速機コントローラ
10 スロットル開度センサ
11 変速機出力回転センサ
12 エンジン回転センサ
13 選択レンジセンサ
14 車速センサ
15 エンジンコントローラ

Claims (5)

  1. トルクコンバータを介して入力されたエンジン回転を変速して出力する自動変速機を搭載した車両であって、
    エンジン出力を低下させるためのフューエルカットと、該フューエルカットにより低下した前記エンジン出力を再度上昇させるためのリカバリーとを行うフューエルカット制御手段を具えた自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置であって、
    前記トルクコンバータにストールが発生したことを検知するストール検知手段と、
    前記ストール検知手段がストール発生を検知すると、前記フューエルカット制御手段を作動させて前記エンジン回転数の低下および上昇を繰り返し行うストール時制御手段と、
    ストール発生時に前記ストール時制御手段により前記エンジン回転数の下降および上昇が行われているとき、該エンジン回転数の上昇を、前記トルクコンバータのストール発生時以外の走行条件における、現時点のアクセル開度と同一開度で前記リカバリーを行う際のエンジン回転数の上昇速度よりも低い速度で行うエンジン回転数上昇速度抑制手段とを具えることを特徴とする、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記ストール検知手段がストールの発生を検知してから所定時間が経過した後に、前記ストール時制御手段を作動させることを特徴とする、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置。
  3. 請求項1または2記載の装置において、
    前記エンジン回転数上昇速度抑制手段がエンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とする、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記エンジン回転数上昇速度抑制手段が、前記トルクコンバータにストールが発生していない時のアクセル開度に対応するスロットル開度の関係よりも該スロットル開度を小さくすることにより前記エンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とする、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置。
  5. 請求項3または4記載の装置において、
    前記エンジン回転数上昇速度抑制手段が、ストール状態で、かつ、フューエルカットが行われる回転数において、エンジン回転数が上昇も低下もしないトルクがエンジンの最大トルクとなるように制御を行うことを特徴とする、自動変速機搭載車両のエンジン出力制御装置。
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