JP6563060B1 - ロックアップクラッチの故障判定装置および故障判定方法 - Google Patents

ロックアップクラッチの故障判定装置および故障判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】故障判定の精度を向上させることが可能な、ロックアップクラッチの故障判定装置および故障判定方法を提供する。【解決手段】ロックアップクラッチの故障判定装置は、車両がロックアップクラッチ締結状態にて走行している場合において車両が減速した際に、ロックアップクラッチを解放状態に移行させるための制御信号が制御部から出力された場合には、入力側回転部材に回転を伝達するエンジンの回転数であるエンジン回転数と、出力側回転部材の回転数であるタービン回転数との回転数差が、車両の減速度に応じて変化する第1閾値以上であるのか否かの判定結果に基づいて、ロックアップクラッチにおける故障の有無を判定する。【選択図】図2

Description

本開示は、トルクコンバータを有する自動変速機を備えた車両におけるロックアップクラッチの故障判定を行う、故障判定装置および故障判定方法に関する。
自動車等の車両における自動変速機には一般に、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータが設けられている。このようなロックアップクラッチの動作が制御されることで、トルクコンバータにおける入力側回転部材(ポンプインペラ)と出力側回転部材(タービンランナ)との間が、締結状態または解放状態に設定される。そして、車両の走行状況に応じてそのような締結状態が設定されることで、エンジンから自動変速機に伝達される動力における伝達効率の向上や、車両における燃費性能の向上などが図られるようになっている。
このようなロックアップクラッチでは、例えば、上記した締結状態が固着してしまうような故障が発生するケースがある。したがって、車両内では一般に、そのような故障の判定(検出,診断)が随時行われるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平2−176265号公報 特開平11−280893号公報
ここで、ロックアップクラッチについての故障判定の際には、一般に、故障判定の精度を向上させることが求められている。故障判定の精度を向上させることが可能な、ロックアップクラッチの故障判定装置および故障判定方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係るロックアップクラッチの故障判定装置は、車両の自動変速機に設けられたトルクコンバータにおけるロックアップクラッチを、トルクコンバータにおける入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させる締結状態、または、入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させない解放状態に設定する制御部と、ロックアップクラッチについて、上記締結状態に固着している状況に対応する故障の有無を判定する判定部とを備えたものである。上記判定部は、車両が上記締結状態にて走行している場合において車両が減速した際に、ロックアップクラッチを上記解放状態に移行させるための制御信号が上記制御部から出力された場合には、入力側回転部材に回転を伝達するエンジンの回転数であるエンジン回転数と、出力側回転部材の回転数であるタービン回転数との回転数差が、車両の減速度に応じて変化する第1閾値以上であるのか否かの判定結果に基づいて、ロックアップクラッチにおける上記故障の有無を判定する。
本開示の一実施の形態に係るロックアップクラッチの故障判定方法は、車両の自動変速機に設けられたトルクコンバータにおけるロックアップクラッチを、トルクコンバータにおける入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させる締結状態、または、入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させない解放状態に設定する制御ステップと、ロックアップクラッチについて、上記締結状態に固着している状況に対応する故障の有無を判定する判定ステップとを含むようにしたものである。上記判定ステップでは、車両が締結状態にて走行している場合において車両が減速した際に、ロックアップクラッチを上記解放状態に移行させるための制御信号が、上記制御ステップにおいて出力された場合には、入力側回転部材に回転を伝達するエンジンの回転数であるエンジン回転数と、出力側回転部材の回転数であるタービン回転数との回転数差が、車両の減速度に応じて変化する第1閾値以上であるのか否かの判定結果に基づいて、ロックアップクラッチにおける上記故障の有無を判定する。
本開示の一実施の形態に係るロックアップクラッチの故障判定装置および故障判定方法によれば、故障判定の精度を向上させることが可能となる。
本開示の第1の実施の形態に係る故障判定装置を内蔵した車両の概略構成例を表すブロック図である。 第1の実施の形態に係る故障判定方法の一例(実施例1)を表す流れ図である。 図2に示した閾値と車両の減速度またはタービン回転数との対応関係の一例を模式的に表す概念図である。 回転数差の時間変化特性と減速度との対応関係の一例を表す模式図である。 第2の実施の形態に係る故障判定方法の一例(実施例2)を表す流れ図である。 図5に示した閾値と減速度またはタービン回転数との対応関係の一例を模式的に表す概念図である。 第3の実施の形態に係る故障判定方法の一例(実施例3)を表す流れ図である。 変形例に係る故障判定方法の一例(実施例4)を表す流れ図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(燃料非カット状態の場合には故障有無の判定を行わない例)
2.第2の実施の形態(燃料非カット状態の場合も一部を除き故障有無の判定を行う例)
3.第3の実施の形態(故障有無の判定を常に行うようにした例)
4.第1〜第3の実施の形態に共通の変形例(停車時のエンスト発生判定も加味する例)
5.その他の変形例
<1.第1の実施の形態>
[車両1の概略構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る故障判定装置(後述する変速機制御部30a)を内蔵する車両1の概略構成例を、模式的に表したものである。なお、この図1では、車両1の構成のうち、本開示に係る要部構成を抽出して示している。また、後述する第2,第3の実施の形態や変形例等においても、この車両1全体の概略構成自体は、第1の実施の形態と同様となっている。
車両1は、例えば四輪の自動車として構成されている。この車両1は、エンジン2、自動変速機3、エンジン制御部20、変速機制御部30a、コントロールバルブ30b、操作子類4、センサ類5よびバス6を備えている。
(A.エンジン2)
エンジン2は、車両1の動力を発生させるものであり、各種の内燃機関を用いて構成されている。具体的には、エンジン2は、例えば水平対向型の4気筒ガソリンエンジンとなっている。なお、このようなエンジン2としては、V型ガソリンエンジン、あるいはガソリンエンジンでなくディーゼルエンジンとする等、他の形式を採用することも可能である。
エンジン2は、図1に示したように、クランクシャフト21および出力軸22を有している。クランクシャフト21は、エンジン2内のピストンにおける往復運動を回転力に変えるためのシャフトである。出力軸22には、クランクシャフト21における回転が伝達されるようになっている。このようにして、エンジン2から自動変速機3内(後述する入力側回転部材)へ向けて、回転が伝達されるようになっている。
(B.自動変速機3)
自動変速機3は、エンジン2において発生した動力を、車両1の走行に適した変速比で各駆動輪へ伝達する機構である。図1に示した例では、自動変速機3は、無段変速機(連続可変トランスミッション,CVT:Continuously Variable Transmission)を用いて構成されている。また、この例では自動変速機3は、チェーン式のCVTにより構成されているが、例えばベルト式等の他の形式のCVTを用いるようにしてもよい。また、自動変速機30としては、上記したような無段変速機には限られず、有段変速機を用いて構成してもよい。
このような自動変速機3は、図1に示したように、トルクコンバータ31、リダクションギヤ32および無段変速機構33を有している。
(B−1.トルクコンバータ31)
トルクコンバータ31は、エンジン2から出力される動力を無段変速機構33へと伝達する機構であり、クラッチ機能およびトルク増幅機能を有している。このトルクコンバータ31は、図1に示したように、ポンプインペラ311、タービンランナ312、ステータ313、ロックアップクラッチ314および出力軸315を有している。
ポンプインペラ311は、トルクコンバータ31内の作動油を介して動力を伝達するための部材であり、この作動油の流れを発生させるようになっている。タービンランナ312は、ポンプインペラ311に対向する位置に配置されており、ポンプインペラ311により発生された作動油の流れを利用して、動力を伝達するための部材である。ステータ313は、ポンプインペラ311とタービンランナ312との間に配置されており、タービンランナ312からの排出流(戻り)を整流してポンプインペラ311に還元することで、トルク増幅作用を発生させるようになっている。
なお、詳細は後述するが、ポンプインペラ311は本開示における「入力側回転部材」の一具体例に対応し、タービンランナ312は本開示における「出力側回転部材」の一具体例に対応している。
ロックアップクラッチ314は、トルクコンバータ31における入力側と出力側とを直結状態に設定可能なクラッチである。具体的には、ロックアップクラッチ314は、入力側の回転部材であるポンプインペラ311と、出力側の回転部材であるタービンランナ312との間を連結可能となっている。また、このようなロックアップクラッチ314による連結時には、ポンプインペラ311およびタービンランナ312が一体的に回転し、エンジン2からの出力がタービンランナ312から後段の機構(後述するリダクションギヤ32や無段変速機構33)へと伝達されるようになっている。
ここで、ロックアップクラッチ314を作動させて(ロックアップ圧を最大として)、トルクコンバータ31における入力側回転部材(ポンプインペラ311)と出力側回転部材(タービンランナ312)との間を連結させる状態(同一の回転速度で一体的に回転する状態)を、以下、「締結状態(ロックアップ状態)」と称する。一方、ロックアップクラッチ314を作動させず、トルクコンバータ31における入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させない状態(連結を完全に断った状態)を、以下、「解放状態」と称する。
このようにしてトルクコンバータ31は、ロックアップクラッチ314が解放状態に設定されているときには、エンジン2の駆動力をトルク増幅し、増幅された駆動力をトルクコンバータ31の出力軸315を介して、リダクションギヤ32側に伝達するようになっている。一方、ロックアップクラッチ314が締結状態に設定されているときには、トルクコンバータ31は、エンジン2の駆動力を出力軸315を介して、リダクションギヤ32側に直接伝達するようになっている。
(B−2.無段変速機構33)
無段変速機構33は、図1に示したように、プライマリ軸330a、プライマリプーリ331、セカンダリプーリ332、チェーン333およびセカンダリ軸330bを有している。
プライマリ軸330aは、リダクションギヤ32を介して、トルクコンバータ31の出力軸315に接続されている。一方、セカンダリ軸330bは、プライマリ軸330aと平行に配置されている。
プライマリプーリ331は、プライマリ軸330aに接合された固定シーブ331aと、この固定シーブ331aに対向すると共に、プライマリ軸330aの軸方向に摺動自在に装着された、可動シーブ331bとを有している。これらの固定シーブ331aおよび可動シーブ331bのコーン面間隔、すなわち、プーリ溝幅は、変更可能に構成されている。
一方、セカンダリプーリ332は、セカンダリ軸330bに接合された固定シーブ332aと、この固定シーブ332aに対向すると共に、セカンダリ軸330bの軸方向に摺動自在に装着された、可動シーブ332bとを有している。これらの固定シーブ332aおよび可動シーブ332bのコーン面間隔(プーリ溝幅)も同様に、変更可能に構成されている。
チェーン333は、プライマリプーリ331とセカンダリプーリ332との間に掛け渡されており、駆動力を伝達するための部材である。プライマリプーリ331およびセカンダリプーリ332における上記したプーリ溝幅を変化させて、プライマリプーリ331およびセカンダリプーリ332に対するチェーン333の巻き付け径の比率(プーリ比)を変化させることで、変速比が無段階に変化するようになっている。なお、チェーン333のプライマリプーリ331に対する巻き付け径をRpとし、チェーン333のセカンダリプーリ332に対する巻き付け径をRsとすると、変速比i=(Rs/Rp)として表される。
ここで、図1に示したように、プライマリプーリ331(可動シーブ331b)には油圧室331cが形成されており、セカンダリプーリ332(可動シーブ332b)には油圧室332cが形成されている。プライマリプーリ331およびセカンダリプーリ332における上記したプーリ溝幅はそれぞれ、油圧室331cに導入されるプライマリ油圧と、油圧室332cに導入されるセカンダリ油圧とを調節することで、制御されるようになっている。
なお、セカンダリプーリ332側に伝達された動力は、自動変速機3における後段の所定機構を介して、最終的に、車両1の各駆動輪に伝達されるようになっている。
(C.操作子類4)
操作子類4は、車両1に設けられた各種の操作子を包括的に表している。この操作子類4に属する操作子としては、例えば図1に示したように、シフトレバー41やパドルスイッチ42などが挙げられる。
シフトレバー41は、車両1のフロア(センターコンソール)等に設けられている。このシフトレバー41は、車両1の運転者による自動変速モード(「D」レンジ)と手動変速モード(「M」レンジ)とを択一的に切り換える操作が可能とされた、操作子である。なお、このようなシフトレバー41では、上記した「D」レンジおよび「M」レンジの他、例えば、「P」(パーキング)レンジ、「R」(リバース)レンジ、「N」(ニュートラル)レンジなどが、選択的に切り換え可能となっている。
パドルスイッチ42は、車両1におけるステアリングホイールに設けられている。このパドルスイッチ42は、車両1の運転者による変速操作(変速要求)が可能とされた、操作子である。運転者によってパドルスイッチ42が操作されることで、変速比をハイ側にシフトさせる要求(アップシフト要求)と、変速比をロー側にシフトさせる要求(ダウンシフト要求)とが、それぞれ可能となっている。
なお、このような操作子類4において得られる操作子ごとの操作入力信号は、図1に示したように、後述するエンジン制御部20や変速機制御部30a等に対して供給されるようになっている。
(D.センサ類5)
センサ類5は、車両1に設けられた各種のセンサを包括的に表している。このセンサ類5に属するセンサとしては、この例では図1に示したように、エンジン回転センサ51、アクセル開度センサ52、車速センサ53、プライマリ回転センサ54、タービン回転センサ55および勾配センサ56などが挙げられる。
エンジン回転センサ51は、クランクシャフト21の回転位置の変化に基づいて、エンジン2の回転数(エンジン回転数Ne)を検出するセンサである。アクセル開度センサ52は、車両1におけるアクセルペダルの踏み込み量を表す、アクセル開度を検出するセンサである。車速センサ53は、車両1の走行速度である車速を検出するセンサである。プライマリ回転センサ54は、プライマリプーリ331の回転数を検出するセンサである。タービン回転センサ55は、タービンランナ312の回転数(タービン回転数Nt)を検出するセンサである。勾配センサ56は、車両1が走行する行路の勾配を検出するセンサである。
なお、このようなセンサ類5において得られる各センサによる検出信号は、図1に示したように、後述するエンジン制御部20や変速機制御部30a等に対して供給されるようになっている。
(E.コントロールバルブ30b)
コントロールバルブ30bは、自動変速機3を変速させるための油圧、すなわち、前述したプライマリ油圧およびセカンダリ油圧をそれぞれ、後述する変速機制御部30aからの指示に従って制御するようになっている。
このコントロールバルブ30bは、スプールバルブ(油圧切替バルブ)と、このスプールバルブを動かすソレノイドバルブ(電磁弁)とを含んで構成されている。コントロールバルブ30bは、これらのスプールバルブおよびソレノイドバルブを用いて、バルブボディ内に形成された油路を開閉することで、オイルポンプから吐出された油圧を調整して、前述した油圧室331c,332cにそれぞれ供給するようになっている。
また、このコントロールバルブ30bは、前述したロックアップクラッチ314におけるロックアップ圧を制御するための油圧調整も、行うようになっている。
(F.エンジン制御部20および変速機制御部30a)
エンジン制御部20および変速機制御部30aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。これらのエンジン制御部20および変速機制御部30aは、図1に示したように、CAN(Controller Area Network)等の所定の車載ネットワーク通信規格に対応したバス6を介して、相互にデータ通信可能に接続されている。
(F−1.エンジン制御部20)
エンジン制御部20は、エンジン2に対する燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御などの、各種運転制御を行うものである。具体的には、エンジン制御部20は、エンジン2に設けられた各種のアクチュエータ(例えば、スロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータや、燃料噴射を行うインジェクタ等)を制御することで、エンジン2に対する各種運転制御を行うようになっている。
また、エンジン制御部20は、上記したように変速機制御部30aと通信を行っており、必要に応じて、エンジン2の運転状態に関する各種データ(例えば、後述する燃料カット状態に関する情報など)を、変速機制御部30aに供給するようになっている。また、エンジン制御部20は、必要に応じて変速機制御部30aから供給される各種信号に基づいて、エンジン2に対する各種運転制御を行うようになっている。
(F−2.変速機制御部30a)
変速機制御部30aは、図1に示した制御信号Scを出力して、前述したコントロールバルブ30bを構成するソレノイドバルブ(電磁弁)の駆動を制御することにより、自動変速機3における動作を制御するものである。具体的には、変速機制御部30aは、前述した油圧室331c,332cに供給する各油圧を調節して、自動変速機3における変速比を変更するようになっている。
また、変速機制御部30aは、前述したロックアップクラッチ314におけるロックアップ圧を制御するための油圧を調整することで、このロックアップクラッチ314を、前述した締結状態または解放状態に設定する制御を行う。すなわち、変速機制御部30aは、前述した入力側回転部材(ポンプインペラ311)と出力側回転部材(タービンランナ312)との間を連結させる締結状態、または、これらの回転部材の間を連結させない解放状態に、ロックアップクラッチ314を設定するようになっている。
更に、この変速機制御部30aは、このようなロックアップクラッチ314についての故障判定を行う機能を有している。具体的には、変速機制御部30aは、ロックアップクラッチ314が締結状態に固着している状況(締結状態から解放状態に移行できなくなる状況)に対応する、故障の有無を判定するようになっている。なお、このようなロックアップクラッチ314についての故障の要因や、その故障の判定機能(故障判定方法)の詳細については、後述する(図2〜図4参照)。
ここで、このような変速機制御部30aは、本開示における「(ロックアップクラッチの)故障判定装置」、「制御部」および「判定部」の一具体例に対応している。
[動作および作用・効果]
(A.ロックアップクラッチの故障について)
車両1における自動変速機3では、図1に示したように、トルクコンバータ31におけるロックアップクラッチ314の動作が、コントロールバルブ30bを介して変速機制御部30aにより制御される。これにより前述したように、トルクコンバータ31における入力側回転部材(ポンプインペラ311)と出力側回転部材(タービンランナ312)との間が、締結状態または解放状態に設定される。そして、車両1の走行状況に応じてそのような締結状態が設定されることで、エンジン2から自動変速機3に伝達される動力における伝達効率の向上や、車両1における燃費性能の向上などが図られる。
ここで、このようなロックアップクラッチ314では、前述したように、締結状態に固着して解放状態に移行できなくなる故障が発生するおそれがある。このような故障は、例えば、コントロールバルブ30bに含まれる前述したソレノイドバルブ(電磁弁)やスプールバルブ(油圧切替バルブ)、あるいは、ロックアップクラッチ314自体の不具合等に起因している。具体的には、ソレノイドバルブにおける機械的な故障や、ソレノイドバルブに入力される信号線の断線、スプールバルブの固着、ロックアップクラッチ314自体の固着等に起因して、ロックアップクラッチ314に対して解放指示がなされているにも関わらず、解放状態に移行できなくなってしまうおそれがある。
(B.比較例の故障判定方法)
このようなロックアップクラッチ314についての故障判定方法としては、例えば、以下のような方法(比較例)が挙げられる。この比較例の故障判定方法では、以下の判定条件(A),(B)の双方が成立した場合に、ロックアップクラッチ314に故障が有る(ロックアップクラッチ314が異常状態である)と判定するようになっている。
(判定条件(A))
まず、この比較例の故障判定方法では、ロックアップクラッチ314に対して解放指示がなされている場合において、前述したエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差(回転数差Dn)が所定値以上大きくならない場合に、判定条件(A)が成立すると判定される。具体的には、一例として、以下のような条件を満たす場合に、この判定条件(A)が成立すると判定されることになる。
・ロックアップクラッチ314の締結状態にて車両1が走行している場合において、車両1が減速して上記した解放指示がなされた際に、ロックアップデューティ≦30%の状態が0.1秒間経過後、回転数差Dn≦100(rpm)の状態が0.05秒間継続した場合
(判定条件(B))
次に、この比較例の故障判定方法では、車両1の停車時において、エンジンストール状態(いわゆるエンスト状態)が発生した場合に、判定条件(B)が成立すると判定される。具体的には、一例として、以下のような条件を満たす場合に、この判定条件(B)が成立すると判定されることになる。
・車両1の走行速度(車速)≦1(km/h)の状態が1秒間継続し、かつ、ロックアップデューティ≦0%の状態が1秒間経過後、エンジン回転数Ne≦400(rpm)の状態が1秒間継続した場合
ところが、このような比較例の故障判定方法では、例えば以下のような問題が生じ得ることから、故障判定の精度が不十分となってしまうおそれがある。
具体的には、まず、ロックアップクラッチ314に所定値以上の回転数差Dnが生じるタイミングは、一般に、車両1の走行状態(暖機状態,減速状態など)のばらつきや、車両1内の各部材における個体ばらつき等に、影響される。ところが、上記した判定条件(A)では、回転数差Dnを判定する閾値等において、このようなばらつきが考慮されていない(閾値が固定値となっている)ことから、この判定条件(A)を判定する際に、誤判定が生じるおそれがある。そして、このような判定条件(A)が誤判定により成立した場合に、併せて車両1の停車時にエンジンストール状態が生じると(上記した判定条件(B)が成立すると)、ロックアップクラッチ314の故障判定全体としても誤判定となってしまう。これらのことから、この比較例の故障判定方法では、故障判定の精度が低下してしまうおそれがある。
また、ロックアップクラッチ314に対して解放指示がなされている場合において、例えば、燃料カット状態(エンジン2に対して燃料が供給されていない状態)になっていない場合(燃料非カット状態の場合)、以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、このような燃料非カット状態では、ロックアップクラッチ314が解放されたとしても、燃焼が生じていることから、エンジン回転数を低下させる力が弱い。このため、トルクコンバータ流体の引き摺りトルクとのバランスにより、回転数差Dnが増加しにくくなることから、やはり判定条件(A)を判定する際に、誤判定が生じるおそれがある。その結果、比較例の故障判定方法では、この点でも、故障判定の精度が低下してしまうおそれがある。
(C.第1の実施の形態の故障判定方法:実施例1)
そこで、本実施の形態の故障判定方法では、以下詳述する手法(例えば、後述する回転数差Dnの閾値Dnthを、固定値ではなく、車両1の減速度De等に応じて変動する値とする手法など)を用いることで、上記比較例の故障判定方法と比べ、故障判定の精度を向上させるようにしている。
以下、図1に加えて図2〜図4を参照して、本実施の形態におけるロックアップクラッチ314の故障判定方法の一例(実施例1)について、詳細に説明する。
ここで、図2は、本実施の形態の故障判定方法の一例(実施例1)を、流れ図で表したものある。図3は、図2に示した閾値(後述する閾値Dnth,Ntth)と、後述する車両1の減速度Deまたはタービン回転数Ntとの対応関係の一例を、模式的に概念図で表したものである。図4は、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差Dnについて、時間変化特性と減速度Deとの対応関係の一例を、模式的に表したものである。なお、図3に示した各対応関係例の概念図は、あくまでも説明の容易化のために便宜上示したものであり、これらの対応関係例(変化態様例)には限られず、他の変化態様となっていてもよい。また、図4に示した対応関係例は、ロックアップクラッチ314が接続状態で固着したときのものとなっている。
本実施の形態の故障判定方法では、まず、ロックアップクラッチ314の締結状態にて車両1が走行している場合(図2のステップS101)に、変速機制御部30a(判定部)は、以下のような判定を行う。すなわち、変速機制御部30aは、車両1が減速して所定の条件(車速条件または減速度条件)を満たすことによって、ロックアップクラッチ314に対する解放指示が行われたのか否か(解放状態への移行指示が有るのか否か)を、判定する(ステップS102)。具体的には、変速機制御部30aは、例えば車速センサ53において検出された車速等の情報に基づいて、ロックアップクラッチ314に対する解放状態への移行指示を示す制御信号Scの出力の有無を、判定する。ここで、このような解放状態への移行指示は無い(解放指示が行われていない)と判定された場合(ステップS102:N)には、再びステップS101へと戻ることになる。
一方、解放状態への移行指示が有る(解放指示が行われた)と判定された場合(ステップS102:Y)には、続いて変速機制御部30aは、以下の判定を行う。すなわち、変速機制御部30aは、前述した燃料カット状態であるのか否かを判定する(ステップS103)。この際に変速機制御部30aは、例えばエンジン制御部20から所定の信号を取得することで、このような燃料カット状態であるのか否かを判定する。
ここで、燃料カット状態ではないと判定された場合(ステップS103:N)、本実施の形態では、ロックアップクラッチ314における故障の有無の判定を行わずに、図2に示した一連の処理(故障判定処理)が終了となる。これは、詳細は後述するが、燃料カット状態ではない場合(燃料非カット状態の場合)には、前述したように回転数差Dnが増加しにくくなることから、以下説明するステップS104において、誤判定が生じるおそれがあるためである。
一方、燃料カット状態であると判定された場合(ステップS103:Y)、次に変速機制御部30aは、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差Dnが、閾値Dnth以上である(Dn≧Dnthを満たす)のか否かを判定する(ステップS104)。この際に変速機制御部30aは、例えば、エンジン回転センサ51において検出されたエンジン回転数Neの情報や、タービン回転センサ55において検出されたタービン回転数Ntの情報に基づいて、所定の演算処理を行うことで、このような判定を行う。
ここで、回転数差Dnが閾値Dnth以上であると判定された場合(ステップS104:Y)、ロックアップクラッチ314が解放状態に移行したと判断される。したがって変速機制御部30aは、ロックアップクラッチ314には故障は無い(正常状態である)と判定し(ステップS105)、図2に示した一連の故障判定処理が終了となる。一方、回転数差Dnが閾値Dnth未満であると判定された場合(ステップS104:N)、ロックアップクラッチ314が解放状態には移行していないと判断され、次のステップS106へと進むことになる。
ここで、上記した閾値Dnthは、ロックアップクラッチ314が解放状態に移行したと判断される量に相当する回転数差Dnであり、本実施の形態では、車両1の減速度Deに応じて変化する変動値となっている。また、この閾値Dnthは、本実施の形態では更に、タービン回転数Ntに応じても変化するようになっている。
具体的には、例えば図3(A)に示したように、閾値Dnthは、減速度Deが大きくなるのに従って徐々に大きくなるように設定されている。一方、例えば図3(B)に示したように、閾値Dnthは、タービン回転数Ntが小さくなるのに従って徐々に大きくなるように設定されている。これは、例えば図4(A),図4(B),図4(C)に示したように、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差Dn(ロックアップクラッチ314が接続状態で固着したときの回転数差Dn)は、一般に、減速度Deが大きくなるのに従って増加するとともに、タービン回転数Ntが小さくなるのに従って、徐々に大きくなる傾向があるためである。なお、ロックアップクラッチ314が接続状態で固着したときでも、回転数差Dnは、0(ゼロ)にはならない。
なお、このような閾値Dnthは、本開示における「第1閾値」の一具体例に対応している。
ここで、前述した図2中のステップS106では、変速機制御部30aは、タービン回転数Ntが閾値Ntth未満である(Nt<Ntthを満たす)のか否かを判定する。
この閾値Ntthは、エンジン回転数Neが低下していったときに、形式的に保持される値(実際のエンジン2の回転数は変動しているものの、演算上で一定となる見かけ上の値)に相当する。そして、この閾値Ntthは、本実施の形態では、前述した閾値Dnthと同様に、車両1の減速度Deに応じて変化する変動値となっている。
具体的には、例えば図3(C)に示したように、閾値Ntthは、減速度Deが大きくなるのに従って徐々に大きくなるように設定されている。これは、例えば図4(A),図4(B),図4(C)に示したように、閾値Ntth(上記したように、エンジン回転数Neが形式的に保持される状態(クリップ状態)の回転数:符号P1,P2,P3参照)は、一般に、減速度Deが大きくなるのに従って増加する傾向があるためである。
なお、このような閾値Ntthは、本開示における「第2閾値」の一具体例に対応している。
ここで、タービン回転数Ntが閾値Ntth以上であると判定された場合(ステップS106:N)、ステップS104へと戻って、回転数差Dnが閾値Dnth以上であるのか否かの判定を、再び行うことになる。つまり、変速機制御部30aは、上記したようにエンジン回転数Neがクリップ状態となる直前まで、ロックアップクラッチ314が解放状態に移行したのか否か(回転数差Dnが閾値Dnth以上となったのか否か)を監視し続けたうえで、故障判定を行うようになっている。
一方、タービン回転数Ntが閾値Ntth未満であると判定された場合(ステップS106:Y)には、変速機制御部30aは、ロックアップクラッチ314に故障が有る(異常状態である)と判定し(ステップS107)、図2に示した一連の故障判定処理が終了となる。なお、このようにして、ロックアップクラッチ314に故障が有ると判定された場合には、変速機制御部30aやエンジン制御部20において、例えば、そのような故障の情報を記録しておくと共に、故障発生の通知(文字や映像、音声等を利用した通知)を行うことになる。
(D.作用・効果)
このようにして本実施の形態では、変速機制御部30aは、車両1が締結状態にて走行している場合において車両1が減速した際に、ロックアップクラッチ314を解放状態に移行させるための制御信号Scが(自身から)出力された場合には、以下のようにして、ロックアップクラッチ314における前述した故障の有無を判定する。すなわち、変速機制御部30aは、回転数差Dnが、車両1の減速度Deに応じて変化する閾値Dnth以上であるのか否かの判定結果に基づいて、そのような故障の有無を判定する(図2のステップS104,図3(A)参照)。
これにより本実施の形態では、回転数差Dnに関する判定を行う際に、前述した比較例とは異なり、車両1の走行状態(減速度De)の影響が考慮されるため、誤判定のおそれが減少することになる。よって、本実施の形態では比較例と比べ、ロックアップクラッチ314における故障判定の精度を、向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、減速度Deが大きくなるのに従って閾値Dnthが大きくなるようにしたので(図3(A)参照)、回転数差Dnにおける変化傾向(図4参照)に適合した閾値Dnthを、設定できるようになる。よって、誤判定のおそれを更に低減することができ、故障判定の精度を更に向上させることが可能となる。
更に、本実施の形態では、閾値Dnthがタービン回転数Ntに応じても変化するようにしたので(図3(B)参照)、回転数差Dnにおける一般的な変化傾向(図4参照)に対して、閾値Dnthを更に適合させることができる。よって、誤判定のおそれをより一層低減することができ、故障判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
加えて、本実施の形態では、変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値Dnth以上であると判定された場合には、ロックアップクラッチ314における故障が無いと判定する。一方、変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値Dnth未満であると判定された場合には、タービン回転数Ntが、減速度Deに応じて変化する閾値Ntth未満であるのか否かの判定結果に応じて、故障の有無を判定する(図2のステップS104〜S106参照)。このように、エンジン回転数Neが前述したクリップ状態となる直前まで、ロックアップクラッチ314が解放状態に移行したのか否かを監視し続けたうえで故障判定を行うようにしたので、以下のようになる。すなわち、エンジン回転数Neの信頼性が低下する領域(クリップ状態となる領域:図4中の符号P1〜P3参照)を外しつつ、判定対象となる回転数の領域を最大限まで広げたうえで、回転数差Dnの判定を行うことができるようになる。また、タービン回転数Ntの閾値Ntthが、減速度Deに応じて変化するようにしたので(図3(C)参照)、タービン回転数Ntにおける一般的な変化傾向(図4参照)に適合した閾値Ntthを、設定できるようになる。よって、本実施の形態では、誤判定のおそれを更に低減することができ、故障判定の精度を更に向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、減速度Deが大きくなるのに従って閾値Ntthが大きくなるようにしたので(図3(C)参照)、タービン回転数Ntにおける一般的な変化傾向(図4参照)に適合した閾値Ntthを、設定できるようになる。よって、誤判定のおそれをより一層低減することができ、故障判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
加えて、本実施の形態では、変速機制御部30aは、解放状態に移行させるための制御信号Scが出力される際(解放指示を開始した際)に燃料カット状態であったのか否かの判定結果(図2のステップS103参照)も考慮して、故障の有無を判定するようにしたので、以下のようになる。すなわち、まず、解放指示を開始した際に燃料カット状態ではなかった場合には、前述したように回転数差Dnが増加しにくくなるため、このような解放指示を開始した際の燃料カット状態を考慮せずに故障判定を行っている比較例では、前述したように、故障判定の精度が低下してしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態では、このような解放指示を開始した際の燃料カット状態を考慮して故障判定を行うため、回転数差Dnの判定(図2のステップS104)の際に、上記した比較例と比べて誤判定が生じるおそれを低減することができ、故障判定の精度を更に向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、変速機制御部30aは、解放指示を開始した際に燃料カット状態であったと判定された場合には、故障の有無の判定を行うと共に、解放指示を開始した際に燃料カット状態ではなかったと判定された場合には、故障の有無の判定を行わない(図2のステップS103参照)。換言すると、本実施の形態では、変速機制御部30aは、タービン回転数Ntが閾値Ntth未満であると判定された場合にのみ、故障が有ると判定する(図2のステップS106,S107参照)。このようにして、上記したように、誤判定が生じるおそれのある燃料非カット状態の場合には、本実施の形態では故障の有無の判定を行わないため、例えば後述する第2および第3の実施の形態などと比べ、故障判定の精度を特に向上させることが可能となる。
続いて、本開示の他の実施の形態(第2および第3の実施の形態)について説明する。これらの第2および第3の実施の形態ではいずれも、図1に示した車両1の構成自体は同一となっており、故障判定処理の一部が、第1の実施の形態(図2参照)とは異なっている。したがって、第2および第3の実施の形態ではそれぞれ、上記第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
<2.第2の実施の形態>
(A.第2の実施の形態の故障判定方法:実施例2)
図5は、第2の実施の形態の故障判定方法の一例(実施例2)を、流れ図で表したものある。図6は、図5に示した閾値(後述する閾値DnthA,DnthB)と、減速度Deまたはタービン回転数Ntとの対応関係の一例を、模式的に概念図で表したものである。なお、この図6に示した各対応関係例の概念図は、前述した図3の場合と同様に、あくまでも説明の容易化のために便宜上示したものであり、これらの対応関係例(変化態様例)には限られず、他の変化態様となっていてもよい。
まず、本実施の形態の故障判定方法では、上記した第1の実施の形態の故障判定方法とは異なり、前述した燃料非カット状態の場合においても、以下詳述する一部の場合を除き、故障の有無の判定を行うようになっている。なお、図5におけるステップS201,S202,S203,S205,S207,S208,S209はそれぞれ、第1の実施の形態で説明した、図2におけるステップS101,S102,S103,S104,S106,S105,S107と同一であるため(図5中に示した括弧書き参照)、基本的には説明を省略する。
ここで、本実施の形態の故障判定方法では、ステップS203(=S103)において、解放指示を開始した際に燃料カット状態であったと判定された場合(ステップS203:Y)、次に、ステップS205(=S104)の前に、以下のステップS204へと移行する。すなわち、変速機制御部30aは、(Dn≧DnthA(=Dnth))を満たすのか否かの判定(ステップS205)の前に、燃料カット状態からの復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth以内である(ΔTr≦ΔTrthを満たす)のか否かの判定を行う(ステップS204)。
ちなみに、ステップS204においてこのような判定を行ってからステップS205へと移行するのは、以下の理由によるものである。すなわち、まず、ロックアップクラッチ314に対する解放状態への移行指示があって(ステップS202:Y)、解放指示を開始した際に燃料カット状態であった場合(ステップS203:Y)、一般に、ロックアップクラッチ314が実解放状態になると、エンジン回転数Neが低下する。そして、このエンジン回転数Neが、その後に所定の燃料カット禁止回転数を下回った場合、エンジン2が、燃料カット状態から燃料非カット状態へと復帰する結果、エンジン回転数Neが再び上昇することになる。ここで、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差Dnは、一般に、このような燃料カット状態から(燃料非カット状態へ)の復帰直後に、最も大きくなる傾向にある。そこで本実施の形態では、変速機制御部30aは、燃料カット状態からの復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth以内であるタイミングで(ステップS204:Y)、(Dn≧DnthA)を満たすのか否かの判定(ステップS205)を行うようにしている。
なお、閾値DnthA(=Dnth)は、本実施の形態では、後述する閾値DnthBと区別するために符号「A」を付けており、第1の実施の形態で説明した閾値Dnthと同様に、本開示における「第1閾値」の一具体例に対応している。また、上記した閾値ΔTrthは、本開示における「第3閾値」の一具体例に対応している。
ここで、解放指示を開始した際に燃料カット状態ではなかった(燃料非カット状態であった)と判定された場合(ステップS203:N)、および、燃料カット状態からの復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth超過であると判定された場合(ステップS204:N)にはそれぞれ、以下のようになる。すなわち、次に変速機制御部30aは、回転数差Dnが、閾値DnthB以上である(Dn≧DnthBを満たす)のか否かを判定する(ステップS206)。
また、このステップS206では、変速機制御部30aは、回転数差Dnが所定時間以上継続して閾値DnthB以上であるのか否かによって、この回転数差Dnが閾値DnthB以上であるのか否かの判定を行うようにしている。つまり、所定時間未満の短時間だけ(一瞬の期間だけ)、回転数差Dnが閾値DnthB以上となったとしても、このステップS206では、(Dn≧DnthB)を満たすとは判定しないようにしている。これは、このステップS206に至った場合は、後述するように、回転数差Dnが増加しにくく閾値DnthBを小さく設定するため、誤判定が生じ易い場合に相当することから、そのような誤判定のおそれを低減するためである。
上記した閾値DnthBは、上記した閾値DnthA(=Dnth)とは異なる値の閾値(DnthB≠DnthA)であり、本開示における「第4閾値」の一具体例に対応している。また、特に図5に示した例では、例えば図6(A),図6(B)にそれぞれ示したように、閾値DnthAのほうが、閾値DnthBよりも大きくなっている(DnthA>DnthB)。なお、これらの図6(A),図6(B)に示したように、閾値DnthBも閾値DnthAと同様に、減速度Deが大きくなるのに従って大きくなると共に、タービン回転数Ntが大きくなるのに従って小さくなるように設定されている。
ここで、解放指示を開始した際に燃料カット状態ではなかった場合に(ステップS203:N)、ステップS206において、閾値DnthAよりも小さい閾値DnthBを使用しているのは、以下の理由によるものである。すなわち、この場合は、第1の実施の形態において説明したように、回転数差Dnが増加しにくい場合であることと、閾値DnthAを使用するステップS205(燃料カット状態からの復帰直後に相当)では、回転数差Dnが最も大きくなる傾向にあるからである。
また、燃料カット状態からの復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth超過であると判定された場合についても(ステップS204:N)、ステップS206において、閾値DnthAよりも小さい閾値DnthBを使用しているのは、以下の理由によるものである。すなわち、燃料カット状態からの復帰直後には、前述したように回転数差Dnが増加したとしても、時間が経過すると回転数差Dnが収束していって、再度小さくなる傾向にあるためである。
ここで、上記したステップS206において、回転数差Dnが閾値DnthB以上であると判定された場合(ステップS206:Y)には、以下のようになる。すなわち、この場合には変速機制御部30aは、ロックアップクラッチ314には故障は無い(正常状態である)と判定し(ステップS208)、図5に示した一連の故障判定処理が終了となる。
一方、回転数差Dnが閾値DnthB未満であると判定された場合(ステップS206:N)には、以下のようになる。すなわち、この場合には変速機制御部30aは、ロックアップクラッチ314における故障の有無の判定を行わずに、図5に示した一連の故障判定処理が終了となる。これは前述したように、ステップS206は誤判定が生じ易い場合に相当することから、そのような誤判定のおそれを更に低減するためである。
(B.作用・効果)
このようにして本実施の形態では、変速機制御部30aは、解放指示を開始した際に燃料カット状態であったと判定された場合には、その後に燃料カット状態から燃料非カット状態へ復帰してからの復帰後時間ΔTrが、閾値ΔTrth以内であるのか否かの判定を行う(図5のステップS204参照)。一方、解放指示を開始した際に燃料カット状態ではなかったと判定された場合には、変速機制御部30aは、回転数差Dnが、閾値DnthAとは異なる閾値DnthB以上であるのか否かの判定を行う(図5のステップS206参照)。これにより、前述したように、回転数差Dnが増加する期間となる復帰後時間ΔTrを考慮して、故障判定を行うことが可能となる。また、第1の実施の形態では故障の有無の判定を行わなかった場合(燃料非カット状態)についても、閾値DnthAとは異なる閾値DnthBを利用して、診断実施の機会を残すことができることから、本実施の形態では第1の実施の形態と比べ、診断実施の機会を残すことが可能となる。
また、本実施の形態では、変速機制御部30aは、復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth以内であると判定された場合には、回転数差Dnが閾値DnthA以上であるのか否かの判定を行う(図5のステップS205)。一方、復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth超過であると判定された場合には、変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値DnthB以上であるのか否かの判定を行う(図5のステップS206)。このようにして、復帰後時間ΔTrが閾値ΔTrth以内であるのか否かの判定結果に応じて、互いに異なる2種類の閾値DnthA,DnthBを使い分けるようにしたので、回転数差Dnの大きさに影響を及ぼす復帰後時間ΔTrの大きさを考慮して、適切な回転数差Dnの判定を行うことが可能となる。
更に、本実施の形態では、変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値DnthB以上であると判定された場合には、故障が無いと判定し(図5のステップS208参照)、回転数差Dnが閾値DnthB未満であると判定された場合には、故障の有無の判定を行わない。これにより、診断実施の機会を残しつつ、前述した誤判定のおそれを低減することも可能となる。
加えて、本実施の形態では、閾値DnthAが閾値DnthBよりも大きくなるように設定したので(図6参照)、前述したような、回転数差Dnが増加し易くなったり減少し易くなったりする各々の状況を適切に考慮したうえで、故障判定を行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、変速機制御部30aは、回転数差Dnが所定時間以上継続して閾値DnthB以上であるのか否かによって、回転数差Dnが閾値DnthB以上であるのか否かの判定を行う(図5のステップS206参照)。これにより前述したように、回転数差Dnが増加しにくい場合に起因した、誤判定のおそれを低減することが可能となる。
<3.第3の実施の形態>
(第3の実施の形態の故障判定方法:実施例3)
図7は、第3の実施の形態に係る故障判定方法の一例(実施例3)を、流れ図で表したものである。
まず、本実施の形態の故障判定方法では、上記した第1,第2の実施の形態の故障判定方法とは異なり、故障有無の判定を常に行うようになっている。なお、図7におけるステップS201〜S209はそれぞれ、以下説明する1箇所(ステップS206:N)の場合を除き、第2の実施の形態で説明した、図5に示したステップS201〜S209と同一であるため、基本的には説明を省略する。
ここで、本実施の形態の故障判定方法では、ステップS206において、回転数差Dnが閾値DnthB未満であると判定された場合(ステップS206:N)に、以下のようになる。すなわち、次にステップS207へと移行し、変速機制御部30aは、タービン回転数Ntが閾値Ntth未満であるのか否かの判定結果に応じて、故障の有無を判定する。つまり、第2の実施の形態では、この場合には、故障の有無の判定を行わないようにしていたのに対し、本実施の形態では、タービン回転数Ntの判定結果を考慮した、診断実施の機会を残すようにしている。したがって、本実施の形態では第2の実施の形態と比べ、診断実施の機会を更に残すことが可能となる。
<4.変形例>
次いで、これまでに説明した第1〜第3の実施の形態に共通の、変形例について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
(A.変形例の故障判定方法:実施例4)
図8は、本変形例に係る故障判定方法の一例(実施例4)を、流れ図で表したものある。
上記第1〜第3の実施の形態ではいずれも、前述した比較例の故障判定方法における判定条件(A)に対応する判定を行うことにより、ロックアップクラッチ314についての故障判定を行うようにしていた。すなわち、ロックアップクラッチ314に対して解放指示がなされている場合において、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転数差Dnが閾値Dnth(=DnthA)以上大きくならない場合に、故障が有ると判定されるようになっていた。なお、本変形例では、これら第1〜第3の実施の形態におけるこの判定条件を、以下、「判定条件(1)」と称する。
これに対して本変形例では、このような判定条件(1)に加えて、前述した比較例の故障判定方法における判定条件(B)に対応する判定も行うことにより、ロックアップクラッチ314についての故障判定を行うようになっている。すなわち、本変形例では変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値Dnth(=DnthA)以上であるのか否かの判定結果とともに、車両1が停止している場合においてエンジン2におけるエンジンストール状態が発生したのか否かの判定結果も加味して、故障の有無を最終的に判定するようになっている。なお、本変形例では、このような判定条件を、以下、「判定条件(2)」と称する。
ここで、具体的には図8に示したように、本変形例の故障判定方法では、まず、変速機制御部30aは、上記した判定条件(1)が成立するのか否かを判定する(図2のステップS101〜S107、図5,図7のステップS201〜S209参照)。ここで、前述したように、故障の有無の判定を行わないことになった場合には、本変形例においても、図8に示した一連の故障判定処理が終了となる。また、故障が無いと判定された場合には、本変形例においても、変速機制御部30aは最終的に故障が無い(正常状態である)と判定し(図8のステップS301)、図8に示した一連の故障判定処理が終了となる。
一方、故障が有ると判定された場合には、本変形例では、次に変速機制御部30aは、上記した判定条件(2)が成立するのか否かの判定を行う(ステップS302)。すなわち、変速機制御部30aは、車両1の停止時にエンジンストール状態が発生したのか否かを判定する。ここで、このようなエンジンストール状態が発生していないと判定された場合には(ステップS302:N)、本変形例では、変速機制御部30aは最終的に故障が無いと判定し(ステップS301)、図8に示した一連の故障判定処理が終了となる。一方、このようなエンジンストール状態が発生したと判定された場合には(ステップS302:Y)、本変形例では、変速機制御部30aは最終的に故障が有る(異常状態である)と判定し(ステップS303)、図8に示した一連の故障判定処理が終了となる。
(B.作用・効果)
このようにして本変形例では、変速機制御部30aは、回転数差Dnが閾値Dnth(=DnthA)以上であるのか否かの判定結果とともに、車両1が停止している場合においてエンジンストール状態が発生したのか否かの判定結果も加味して、故障の有無を最終的に判定する。これにより本変形例では、このようなエンジンストール状態の発生の有無も考慮して故障判定を行うことで、これまでに説明した第1〜第3の実施の形態と比べ、故障判定の精度を更に向上させることが可能となる。
<5.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例をいくつか挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、車両1における各部材の構成(形式、形状、配置、個数等)については、上記実施の形態等で説明したものには限られない。すなわち、これらの各部材(例えば、エンジン2、自動変速機3、コントロールバルブ30b、操作子類4およびセンサ類5など)における構成については、他の形式や形状、配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態等で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。具体的には、例えば場合によっては、上記実施の形態等で説明した場合とは逆に、閾値DnthAよりも閾値DnthBのほうが大きくなる(DnthA<DnthB)ように設定してもよい。
また、上記実施の形態等では、ロックアップクラッチ314の故障判定方法について、具体的な実施例をいくつか挙げて説明したが、これらの実施例には限られない。すなわち、例えば上記実施の形態等で説明したように、減速度Deおよび解放指示を開始した際の燃料カット状態の双方を考慮して故障判定を行うのではなく、例えば、これらの減速度Deおよび解放指示を開始した際の燃料カット状態のうちの一方のみを考慮して、故障判定を行うようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、閾値Dnth,DnthA,DnthBがそれぞれ、減速度Deおよびタービン回転数Ntの双方に応じて変化する場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、これらの閾値Dnth,DnthA,DnthBがそれぞれ、例えばタービン回転数Ntには依存しない値(減速度Deにのみ依存する値)であってもよい。
加えて、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
また、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
1…車両、2…エンジン、20…エンジン制御部、21…クランクシャフト、22…出力軸、3…自動変速機、30a…変速機制御部、30b…コントロールバルブ、31…トルクコンバータ、311…ポンプインペラ、312…タービンランナ、313…ステータ、314…ロックアップクラッチ、315…出力軸、32…リダクションギヤ、33…無段変速機構、330a…プライマリ軸、330b…セカンダリ軸、331…プライマリプーリ、331a…固定シーブ、331b…可動シーブ、331c…油圧室、332…セカンダリプーリ、332a…固定シーブ、332b…可動シーブ、332c…油圧室、333…チェーン、4…操作子類、41…シフトレバー、42…パドルスイッチ、5…センサ類、51…エンジン回転センサ、52…アクセル開度センサ、53…車速センサ、54…プライマリ回転センサ、55…タービン回転センサ、56…勾配センサ、6…バス、Sc…制御信号、Ne…エンジン回転数、Nt…タービン回転数、Dn…回転数差、Ntth,Dnth,DnthA,DnthB,ΔTrth…閾値、De…減速度、ΔTr…復帰後時間。

Claims (16)

  1. 車両の自動変速機に設けられたトルクコンバータにおけるロックアップクラッチを、前記トルクコンバータにおける入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させる締結状態、または、前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間を連結させない解放状態に設定する制御部と、
    前記ロックアップクラッチについて、前記締結状態に固着している状況に対応する故障の有無を判定する判定部と
    を備え、
    前記判定部は、
    前記車両が前記締結状態にて走行している場合において前記車両が減速した際に、前記ロックアップクラッチを前記解放状態に移行させるための制御信号が前記制御部から出力された場合には、
    前記入力側回転部材に回転を伝達するエンジンの回転数であるエンジン回転数と、前記出力側回転部材の回転数であるタービン回転数との回転数差が、前記車両の減速度に応じて変化する第1閾値以上であるのか否かの判定結果に基づいて、前記ロックアップクラッチにおける前記故障の有無を判定する
    ロックアップクラッチの故障判定装置。
  2. 前記減速度が大きくなるのに従って、前記第1閾値が大きくなるように設定されている
    請求項1に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  3. 前記第1閾値が、更に前記タービン回転数に応じても変化するように設定されている
    請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記回転数差が前記第1閾値以上であると判定された場合には、前記故障が無いと判定し、
    前記回転数差が前記第1閾値未満であると判定された場合には、前記タービン回転数が、前記減速度に応じて変化する第2閾値未満であるのか否かの判定結果に応じて、前記故障の有無を判定する
    請求項1ないしは請求項3のいずれか1項に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  5. 前記判定部は、前記タービン回転数が前記第2閾値未満であると判定された場合にのみ、前記故障が有ると判定する
    請求項4に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  6. 前記減速度が大きくなるのに従って、前記第2閾値が大きくなるように設定されている
    請求項4または請求項5に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  7. 前記判定部は、前記解放状態に移行させるための制御信号が出力される解放指示の開始の際に、前記エンジンに対して燃料が供給されていない状態である、燃料カット状態であったのか否かの判定結果も考慮して、前記故障の有無を判定する
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  8. 前記判定部は、
    前記解放指示の開始の際に前記燃料カット状態であったと判定された場合には、前記故障の有無の判定を行い、
    前記解放指示の開始の際に前記燃料カット状態ではなかったと判定された場合には、前記故障の有無の判定を行わない
    請求項7に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  9. 前記判定部は、
    前記解放指示の開始の際に前記燃料カット状態であったと判定された場合には、その後に前記燃料カット状態から燃料非カット状態へ復帰してからの復帰後時間が、第3閾値以内であるのか否かの判定を行い、
    前記解放指示の開始の際に前記燃料カット状態ではなかったと判定された場合には、前記回転数差が、前記第1閾値とは異なる第4閾値以上であるのか否かの判定を行う
    請求項7に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  10. 前記判定部は、
    前記復帰後時間が前記第3閾値以内であると判定された場合には、前記回転数差が前記第1閾値以上であるのか否かの判定を行い、
    前記復帰後時間が前記第3閾値超過であると判定された場合には、前記回転数差が前記第4閾値以上であるのか否かの判定を行う
    請求項9に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  11. 前記判定部は、
    前記回転数差が前記第4閾値以上であると判定された場合には、前記故障が無いと判定し、
    前記回転数差が前記第4閾値未満であると判定された場合には、前記故障の有無の判定を行わない
    請求項9または請求項10に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  12. 前記判定部は、
    前記回転数差が前記第4閾値以上であると判定された場合には、前記故障が無いと判定し、
    前記回転数差が前記第4閾値未満であると判定された場合には、前記タービン回転数が、前記減速度に応じて変化する第2閾値未満であるのか否かの判定結果に応じて、前記故障の有無を判定する
    請求項9または請求項10に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  13. 前記第1閾値が、前記第4閾値よりも大きい
    請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  14. 前記判定部は、
    前記回転数差が所定時間以上継続して前記第4閾値以上であるのか否かによって、前記回転数差が前記第4閾値以上であるのか否かの判定を行う
    請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  15. 前記判定部は、
    前記回転数差が前記第1閾値以上であるのか否かの判定結果とともに、
    前記車両が停止している場合において前記エンジンにおけるエンジンストール状態が発生したのか否かの判定結果も加味して、前記故障の有無を判定する
    請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載のロックアップクラッチの故障判定装置。
  16. 車両の自動変速機に設けられたトルクコンバータにおけるロックアップクラッチを、前記トルクコンバータにおける入力側回転部材と出力側回転部材との間を連結させる締結状態、または、前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間を連結させない解放状態に設定する制御ステップと、
    前記ロックアップクラッチについて、前記締結状態に固着している状況に対応する故障の有無を判定する判定ステップと
    を含み、
    前記判定ステップでは、
    前記車両が前記締結状態にて走行している場合において前記車両が減速した際に、前記ロックアップクラッチを前記解放状態に移行させるための制御信号が、前記制御ステップにおいて出力された場合には、
    前記入力側回転部材に回転を伝達するエンジンの回転数であるエンジン回転数と、前記出力側回転部材の回転数であるタービン回転数との回転数差が、前記車両の減速度に応じて変化する第1閾値以上であるのか否かの判定結果に基づいて、前記ロックアップクラッチにおける前記故障の有無を判定する
    ロックアップクラッチの故障判定方法。
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