JP4159812B2 - Ih調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火を使わずに調理を行うIH調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来のIH調理器を示す構成図であり、図において、1はIH調理器の本体、2は食材を入れる鍋、3は鍋2を載せるトッププレート、4は制御回路5から高周波電流が供給されると、磁力線を発生して鍋2の底に渦電流を流す磁力線発生コイル、5は図示せぬ操作部から出力される操作信号にしたがって磁力線発生コイル4を制御する制御回路である。
【0003】
次に動作について説明する。
ユーザが図示せぬ操作部を操作して所望の火力を選択すると、その操作部から選択結果に応じた操作信号が制御回路5に出力される。
制御回路5は、操作部から操作信号を受けると、その操作信号にしたがって磁力線発生コイル4に高周波電流を供給する。
【0004】
磁力線発生コイル4は、制御回路5から高周波電流が供給されると、鍋2の底に渦電流を流すために磁力線を発生する。
鍋2の底に渦電流が流れると、鍋2の有する抵抗成分によってジュール熱が発生し、鍋2の底が発熱するようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のIH調理器は以上のように構成されているので、火を使わずに食材に熱を加えることができるが、IH調理器の本体1に制御回路5が内蔵されているため、本体1の薄型化を図ることが困難である課題があった。また、通常はキッチンのガスレンジスペースに設置されるが、調理に伴う排気を換気する機能を備えていないため、別途換気扇が据え付けられている場所以外には設置することが困難であり、設置場所が制限されるなどの課題もあった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、本体の薄型化を図ることができるとともに、別途換気扇が据え付けられている場所以外にも設置することができるIH調理器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るIH調理器は、制御回路に対する操作内容を表示する表示部が自立型架台の壁面に取り外し自在に収納され、表示部が壁面から取り外されている状態でも操作内容の表示を受け付けるようにしたものである。
【0011】
この発明に係るIH調理器は、空気清浄機が状況監視手段の監視結果に応じて排気の吸入量を調整するようにしたものである。
【0013】
この発明に係るIH調理器は、調理対象物の調理状況に応じて警報を発生するようにしたものである。
【0014】
この発明に係るIH調理器は、調理対象物を撮影するカメラを自立型架台又は空気清浄機に設置し、カメラの映像を表示部に出力するようにしたものである。
【0015】
この発明に係るIH調理器は、自立型架台又は空気清浄機に設置されている人体検知センサが予め設定された期間以上連続して人体の存在を検知しない場合、コイルによる磁力線の発生を止めるようにしたものである。
【0016】
この発明に係るIH調理器は、自立型架台が回転軸機構を介してプレート部を支持するようにしたものである。
【0017】
この発明に係るIH調理器は、自立型架台が回転軸機構を介して空気清浄機のフードを支持するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるIH調理器を示す側面図であり、図2はこの発明の実施の形態1によるIH調理器を示す斜視図である。図において、11は磁力線を発生する磁力線発生コイル16が埋め込まれているプレート部、12はプレート部11に埋め込まれている磁力線発生コイル16を制御する制御回路17を内蔵するとともに、プレート部11を支持する自立型架台、12aは光透過性(透明、半透明)の部材から為る自立型架台12の壁面、13は自立型架台12に設置され、調理に伴う排気を吸入する空気清浄機、14は空気清浄機13のフードである。
【0019】
15はIH調理器の操作部、16は制御回路17から高周波電流が供給されると、磁力線を発生してプレート部11上の鍋底に渦電流を流す磁力線発生コイル、17は操作部15から出力される操作信号にしたがって磁力線発生コイル16に供給する高周波電流を制御する制御回路、18は自立型架台12の壁面12aの内部に収納され、制御回路17に対する操作内容や各種情報を表示する液晶ディスプレイなどの表示部、19はプレート部11を折り畳んで格納するため、図中矢印の方向へのプレート部11の回転を受け付ける回転軸機構、20は空気清浄機13のフード14を折り畳んで格納するため、図中矢印の方向へのフード14の回転を受け付ける回転軸機構である。
【0020】
次に動作について説明する。
例えば、食材が入られている鍋がプレート部11の上に載せられている状態で、ユーザが操作部15を操作して所望の火力を選択すると、その操作部15から選択結果に応じた操作信号が制御回路17に出力される。
制御回路17は、操作部15から操作信号を受けると、その操作信号にしたがって磁力線発生コイル16に高周波電流を供給する。
【0021】
磁力線発生コイル16は、制御回路17から高周波電流が供給されると、鍋底に渦電流を流すために磁力線を発生する。
鍋底に渦電流が流れると、鍋の有する抵抗成分によってジュール熱が発生し、鍋底が発熱するようになる。
なお、表示部18は、操作部15の操作内容(例えば、火力の選択結果)などを表示するが、自立型架台12の壁面12aは、光透過性(透明又は半透明)の部材を使用しているため、壁面12aの内部に収納されている表示部18の表示内容を外部から確認することができる。
【0022】
ここで、この実施の形態1におけるIH調理器では、図1に示すように、制御回路17が自立型架台12に収納されているので、プレート部11の薄型化を図ることができる。
また、自立型架台12には空気清浄機13が設置されており、空気清浄機13は調理に伴う排気を吸入して、浄化された空気を吐き出すので、例えば、オフィスやショールームなど、一般的には調理するような場所でない所でも、IH調理器を設置することができる。
さらに、この実施の形態1におけるIH調理器では、回転軸機構19,20を介してプレート部11や空気清浄機13のフード14を支持しているので、調理を行わないときは、図中矢印の方向に、プレート部11や空気清浄機13のフード14を回転させて格納することにより、スペースを有効に利用することができる。
【0023】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるIH調理器を示す側面図であり、図4はこの発明の実施の形態2によるIH調理器を示す斜視図である。図において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
21は空気清浄機13のフード14に設置され、食材(調理対象物)の調理状況を監視する監視用センサ(状況監視手段)、22は空気清浄機13のフード14に設置され、食材を撮影するCCDカメラである。なお、監視用センサ21及びCCDカメラ22は自立型架台12に設置するようにしてもよい。
23は自立型架台12に設置され、人体の存在を検知する人体検知センサである。なお、人体検知センサ23は空気清浄機13のフード14に設置するようにしてもよい。
また、人体センサとして、体重の有無によってON/OFFするスイッチを人が立つ位置に敷かれた剛性のマットの下に設けてもよい。
【0024】
図5は監視用センサ21の内部を示す構成図であり、図において、31は食材の表面を撮像するカメラ、32は調理前の食材のカメラ映像を格納するメモリ、33は調理開始後のカメラ映像を格納するメモリ、34は調理前の食材のカメラ映像と調理開始後のカメラ映像とを比較して、食材の色変化を示す色変化データを出力する比較部である。なお、監視用センサ21がカメラ31の代わりに、例えば、食材の表面の温度を検出する赤外線センサを搭載する場合、比較部34は、調理前の食材の表面温度と調理開始後の食材の表面温度とを比較して、食材の温度変化を示す温度変化データを出力するようにする。
【0025】
図6は制御回路17の内部を示す構成図であり、図において、41は料理毎の色変化パターンを格納し、ユーザから今回調理する料理の指定を受け付けるパターン設定部、42はパターン設定部41により受け付けられた料理の色変化パターンと監視用センサ21から出力された色変化データを比較して料理の進捗状況を把握する進捗状況把握部、43は料理の進捗状況に応じて磁力線発生コイル16に供給する高周波電流の強弱を制御するとともに、IH調理器による調理がある段階に到達すると、IH調理器とネットワーク接続されている電子レンジ50を起動する制御部、44は人体検知センサ23から人体が存在しない旨を示す信号を受けるとカウント値を所定の時間毎にインクリメントする一方、人体検知センサ23から人体が存在する旨を示す信号を受けるとカウント値をリセットし、そのカウント値が予め設定された期間に相当するカウント値に到達すると、高周波電流の供給停止指令を出力するカウント部、50は電子レンジ(他の調理器具)、51は各種料理の色変化パターンや火力調整パターンを保持するサーバである。
なお、パターン設定部41が料理毎の色変化パターンの代わりに、例えば、料理毎の温度変化パターンを格納し、監視用センサ21から温度変化データを受けると、その温度変化パターンと温度変化データを比較して料理の進捗状況を把握するようにしてもよい。
【0026】
次に動作について説明する。
監視用センサ21には、食材の表面の温度を検出する赤外線センサや、食材の表面を撮像するカメラ等が搭載されるが、図5に示すように、監視用センサ21がカメラ31を搭載している場合、調理前の食材のカメラ映像と調理開始後のカメラ映像とを比較して食材の色変化を監視し、食材の色変化を示す色変化データを出力する。
パターン設定部41は、電源ON時に、所定の複数の調理の色変化パターンをサーバ51からネットワーク経由で取得し、図示しない記憶領域に設定する。
また、パターン設定部41はユーザから指定された調理の色変化パターンを保有していない場合、サーバ51からネットワーク経由で該当する色変化パターンを取得して記憶領域に設定する。
【0027】
制御回路17の進捗状況把握部42は、パターン設定部41がユーザから今回調理する料理の指定を受け付けたのち、監視用センサ21から色変化データを受けると、その色変化データと今回調理する料理の色変化パターンとを比較して料理の進捗状況を把握する。
そして、制御回路17の制御部43は、進捗状況把握部42が料理の進捗状況を把握すると、料理の進捗状況に応じて磁力線発生コイル16に供給する高周波電流を制御する。例えば、料理の進捗状況に応じて設定されている火力調整パターンにしたがって火力を調整する。
【0028】
なお、今回の料理に対応する色変化パターンが設定されていないような場合には、進捗状況把握部42が食材の色が黒に近づくと焦げの発生を検知して、制御部43が磁力線発生コイル16に対する高周波電流の供給を停止するようにしてもよい。この際、進捗状況把握部42は焦げの発生を示す警報を発生するようにしてもよい。ここでは、食材の色変化を監視しているが、監視用センサ21として臭いセンサ(例えば、ガスクロマトグラフィ)が搭載されている場合には、臭いセンサが臭いの変化を監視して焦げの発生を検知するようにしてもよい。
また、今回の料理に対応する色変化パターンが設定されていないような場合には、パターン設定部41がインターネットなどのネットワーク経由で、サーバ51から今回の料理に対応する色変化パターンや火力調整パターンを収集するようにしてもよい。
【0029】
さらに、制御回路17の制御部43は、進捗状況把握部42により把握された料理の進捗状況が予め設定された状況に到達すると、他の調理器具を起動するようにしてもよい。
例えば、IH調理器による調理がある段階に到達した時点で、IH調理器とネットワーク接続されている電子レンジ50を起動すると、料理を効率的に行うことができるような場合には、その時点に到達したとき制御回路17の制御部43が電子レンジ50を起動するようにする。なお、このような状況は、例えば、色変化パターンに含めて設定しておけばよい。
【0030】
一方、制御部43は、監視用センサ21から例えば食材の表面の温度を示すデータを受けると、食材の表面の温度が高い程、調理に伴う排気が増えているものと判断して、排気の吸入量を調整するように空気清浄機13を制御する。
これにより、無駄な電力を使うことなく、調理に伴う排気を効率的に浄化することができる。
【0031】
この実施の形態2におけるIH調理器では、監視用センサ21の他に、食材を撮影するCCDカメラ22が設置されており、CCDカメラ22の映像は表示部18に出力される。
これにより、表示部18には食材の映像が表示されるが、表示部18が自立型架台12の壁面12aの内部に取り外し自在に収納され、表示部18が壁面12aから取り外されている状態でも、操作部15の操作内容やCCDカメラ22の映像の表示を受け付ける場合には(例えば、表示部18が操作部15やCCDカメラ22から表示信号を無線方式で受信できるように構成されている場合、即ち、操作部15及びCCDカメラ22と表示部18が図7に示すように無線機を搭載しているような場合)、ユーザが表示部18を持ち出せば、IH調理器から離れた所でも、食材の状態等を把握することができる。因みに、自立型架台12の壁面12aは、例えば、油汚れ等の掃除を容易にするため凹凸がないように施されている。
【0032】
なお、制御回路17の制御部43は、安全を確保する観点から、人体検知センサ23が予め設定された期間以上連続して人体の存在を検知しない場合、磁力線発生コイル16に対する高周波電流の供給を停止するようにする。
即ち、制御部43は、カウント部44のカウント値が予め設定された期間に相当するカウント値に到達して、カウント部44から高周波電流の供給停止指令を受けると、磁力線発生コイル16に対する高周波電流の供給を停止する。
【0033】
この実施の形態2では、食材の色変化と色変化パターンを比較して、料理の進捗状況を把握するものについて示したが、これに限るものではなく、例えば、監視用センサ21として熱電対が搭載されている場合には、食材の温度変化を監視して料理の進捗状況を把握してもよい。また、監視用センサ21として音センサが搭載されている場合には、その音センサが調理音を収集し、その調理音を構成する任意の周波数成分を監視して料理の進捗状況を把握してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、プレート部を支持する自立型架台がコイルを制御する制御回路を内蔵し、その自立型架台に空気清浄機を設置するように構成したので、プレート部の薄型化を図ることができるとともに、別途換気扇が据え付けられている場所以外にも設置することができる効果がある。
また、調理対象物の調理状況を監視する状況監視手段を自立型架台又は空気清浄機に設置し、制御回路が状況監視手段の監視結果に応じてコイルを制御するように構成したので、調理の自動化を図ることができる効果がある。
また、制御回路に対する操作内容を表示する表示部が自立型架台の壁面に取り外し自在に収納され、表示部が壁面から取り外されている状態でも操作内容の表示を受け付けるように構成したので、IH調理器から離れた所でも、操作内容を確認することができる効果がある。
【0038】
この発明によれば、空気清浄機が状況監視手段の監視結果に応じて排気の吸入量を調整するように構成したので、調理に伴う排気を効率的に浄化することができる効果がある。
【0040】
この発明によれば、調理対象物の調理状況に応じて警報を発生するように構成したので、調理の失敗を防止することができる効果がある。
【0041】
この発明によれば、調理対象物を撮影するカメラを自立型架台又は空気清浄機に設置し、カメラの映像を表示部に出力するように構成したので、調理対象物の状況を確認することができる効果がある。
【0042】
この発明によれば、自立型架台又は空気清浄機に設置されている人体検知センサが予め設定された期間以上連続して人体の存在を検知しない場合、コイルによる磁力線の発生を止めるように構成したので、安全性を高めることができる効果がある。
【0043】
この発明によれば、自立型架台が回転軸機構を介してプレート部を支持するように構成したので、非使用時にはプレート部を格納して、スペースを有効に活用することができる効果がある。
【0044】
この発明によれば、自立型架台が回転軸機構を介して空気清浄機のフードを支持するように構成したので、非使用時には空気清浄機のフードを格納して、スペースを有効に活用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるIH調理器を示す側面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるIH調理器を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるIH調理器を示す側面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるIH調理器を示す斜視図である。
【図5】 監視用センサの内部を示す構成図である。
【図6】 制御回路の内部を示す構成図である。
【図7】 操作部及びCCDカメラと表示部の接続関係を示す説明図である。
【図8】 従来のIH調理器を示す構成図である。
【符号の説明】
11 プレート部、12 自立型架台、12a 壁面、13 空気清浄機、14 フード、15 操作部、16 磁力線発生コイル、17 制御回路、18 表示部、19 回転軸機構、20 回転軸機構、21 監視用センサ(状況監視手段)、22 CCDカメラ、23 人体検知センサ、31 カメラ、32 メモリ、33 メモリ、34 比較部、41 パターン設定部、42 進捗状況把握部、43 制御部、44 カウント部、50 電子レンジ(他の調理器具)、51 サーバ。
Claims (7)
- 磁力線を発生するコイルが埋め込まれているプレート部と、上記プレート部に埋め込まれているコイルを制御する制御回路を内蔵するとともに、上記プレート部を支持する自立型架台と、上記自立型架台に設置され、調理に伴う排気を吸入する空気清浄機とを備えたIH調理器において、調理対象物の調理状況を監視する状況監視手段を上記自立型架台又は上記空気清浄機に設置し、上記制御回路が上記状況監視手段の監視結果に応じてコイルを制御することを特徴とするIH調理器において、上記制御回路に対する操作内容を表示する表示部が自立型架台の壁面に取り外し自在に収納され、上記表示部が上記壁面から取り外されている状態でも操作内容の表示を受け付けることを特徴とするIH調理器。
- 空気清浄機は、状況監視手段の監視結果に応じて排気の吸入量を調整することを特徴とする請求項1記載のIH調理器。
- 制御回路は、調理対象物の調理状況に応じて警報を発生することを特徴とする請求項1記載のIH調理器。
- 調理対象物を撮影するカメラを自立型架台又は空気清浄機に設置し、上記カメラの映像を表示部に出力することを特徴とする請求項1記載のIH調理器。
- 制御回路は、自立型架台又は空気清浄機に設置されている人体検知センサが予め設定された期間以上連続して人体の存在を検知しない場合、コイルによる磁力線の発生を止めることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のIH調理器。
- プレート部が回転軸機構を介して自立型架台に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のIH調理器。
- 空気清浄機のフードが回転軸機構を介して自立型架台に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のIH調理器。
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